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2017年4-6月のマイTop10アルバム

どうも。

 

 

2017年も半年が経ちました。本来なら「上半期」といいたいところですが、まだ総括には早い気がします。そして、1〜3月は4月7日付でもう発表してます。そこで

 

 

4〜6月のマイTop10

 

これを今回はここで紹介したいと思います。

 

 

前回同様、10枚中9枚のアルバムのジャケ写をまずは紹介したいと思います。こんな感じです。

 

 

 

こんな感じですね。前回同様、順位付けはしていません。

 

 

 

まず、この3ヶ月はこれではじまりましたね。ファーザー・ジョン・ミスティの「Pure Comedy」。英米で共にトップ10入りしましたけども。これは、こと美メロ・アルバムとしては近年でも屈指の類いですね。エルトン・ジョンとかジョン・レノンのソロとかジャクソン・ブラウンのソングライティングが2017年の現在に継承されて結実したような美しさがあるというか。でも、その美しい歌がドラッグ体験のドロドロした話がユーモアと共に語られるひねた感じもニヤリ。こと、「うた」だけで選ぶのなら、これが今年の僕のトップ10から漏れることはないですが、果たしてどうでしょう。

 

 

 

 そのファーザー・ジョン・ミスティが以前にドラマーとして在籍していたフリート・フォクシーズも6年ぶりに新作「Crack-Up」を出しましたが、ピッチフォーク・ジェネレーションのインディ・バンドの中じゃ実力の桁がひとつもふたつも違いますね。この、サイケデリアに浮かぶハーモニー、あれだけでずっと勝負出来るオリジナリティがあるものですが、今回はなんか、得意の組曲形式がさらに複雑に入り込んで、もはや「サイモン&ガーファンクルmeetsレディオヘッド」というか、「フォークロック内プログレ」というか、誰も模倣付加の領域に踏み込みましたね。惜しむらくは、まだ若いんだから、もう少しテンポよくアルバム出して欲しいですけどね。何枚目になろうがずっと注目されて行くタイプだとは思うんですが、頻繁に作品出した方がシーンも活気づきますしね。

 

 

 

続いて、これはフリート・フォクシーズと同じ日のリリースになりましたが、今年のベスト・アルバム候補ですね。Lordeの「Melodrama」。彼女はデビュー曲の「Royals」が世界的に大ヒットして、ニルヴァーナ、デヴィッド・ボウイのトリビュート・パフォーマンスもまかされ、「音楽の次代を担う少女」としての期待を寄せられていたわけですけど、その期待につぶされることなく、見事に期待にこたえましたね。ダンサブルな路線に進んだことを残念がる声もあるにはあるんですが、でも、神々しく交渉な方向性に行く方がむしろ彼女には感ん単じゃないですか。そこを、ケイト・ブッシュ的なオーラが憑依したハーモニーとリズムを抱えながら、等身大の20歳の恋愛生活を小さなコンセプト・ドラマにしてわかりやすく紹介した手際よさ。この自己演出能力の高さにはつくづく驚かされます。これ聴いてしまうと、昨今の凡百のエレクトロ女子の大半が聴けなくなりますね。

 

 

 

そして、これもLordeとフリート・フォクシーズと同じ日に出ました、ロイヤル・ブラッドの「How Did We get So Dark」。イギリスでは2作連続の初登場1位のほか、どこの国でものきなみトップ40入り。これから長いツアーにも入ってフェスの出演も増えるでしょうから、もう次の作品の頃にはヨーロッパのフェスではヘッドライナーかな、といった感じです。彼らの場合、どうしても「新しくないじゃないか」と、あのライブでの真価をちゃんと評価出来ていない人に言われがちなんですが、僕から言わさせてもらうと、どんなにアルバムが良くったって、「この人がフェスでウケる姿を想像できない」「この人、音楽は良いけどライブが見たいとは思わない」ようなアーティストは僕は評価しないし、こういうとこでは選びません。やっぱり長い目で見て「フェスで長いこと楽しみにして見続けたい」と思わせるような人が、成長や曲の良さを証明する作品を出すことも僕はやっぱりちゃんと評価したいしね。マイク・カーの圧巻の「ベースでのギター・ソロ」をはじめ、もっと注目されて良いバンドだと思います。

 

 

 

そして、ロックだとパラモアの、あらゆるメディアでかなり絶賛された「After Laughter」、これも見逃せません。「脱エモ」自体は2013年の前作にはもう果たしていて、その頃から僕も注目してみてましたけど、今回はインディ・ロックの中に混ぜてみても、もはやかなり非凡なねじれポップ・センスのあるバンドになりましたね。トロピカル感覚のエレクトロなポスト・パンク。ギタリストのテイラー・ヨークの潜在能力がより発揮されたのが大きいですが、サウンド指向が変わろうが華奢な体に似合わないパンチの利いた延びのあるビッグなヴォーカルを聴かせるヘイリー・ウイリアムスの器用な適応性も見事ですね。それからヘイリー、ここにきて、「2015年に鬱になって一時的にバンドを抜けていた」「ニュー・ファウンド・グローリーのダンナと別れた」話しが舞い込んで来たんですけど、それを知って歌詞を読んだら、たしかに恋愛関係の終わりの欲求不満をぶつけた歌詞が今回目立つんです。そして、鬱の気持ちのリハビリ中にテイラーが書く歌に徐々に興味を持って歌いはじめたら、これが出来たとか。その意味で、ヘイリー的にもすごくパーソナルに大きいアルバムのようですね。

 

 

 

 続いてR&B/ヒップホップに行きましょう。前回は半分をこのジャンルから選びましたけれど、今回も4作選んでます。

 

 まずは、やっぱこれですね。ケンドリック・ラマーの「Damn」。すさまじい絶賛ぶりで「もうすでに年間1位では」の呼び声もあるアルバムです。たしかに素晴らしいし、今、こと、ラッパーとしての実力で彼に勝てる人、いないでしょう。彼の場合、極端な話、トラックなくても、そのラップだけを聴いても十分に楽しめるというか、ジャズ・プレイヤーのアドリブ並のすごい武器になってます。「よくここまで、リズムの流れ無視し続けたラップが延々できるな」とか「いつまでラップするんだろう。よく口と腹筋が持つよね」と、もうこれ、ラップのスキル以前に「身体能力のすごさ」の次元なんじゃないか(特に口の筋肉と腹筋)と思うくらいにスキルがすごい。そこに、社会的メッセージとして深いことだったり、歌だったり、お茶目なジョーク(カンフー・ケニー!)だったり、シュールなニュアンスだったりというのも織り交ぜて、聴いていて何を繰り出して来るのかの予想もつきにくく、引き込まれます。そういうとこはさすがです。

 

 

 ただなあ〜。今回、僕、トラックそのものがあんまり好きじゃないんですよねえ。前作「To Pimp A Butterfly」みたいな、オールド・ソウルやジャズに寄った感じは好きだけど、「あれじゃないとイヤ」ということはないし、むしろあのテのサウンドは続けちゃうとお行儀よくなりすぎる危険性もあるので,マンネリ化に陥らないためにもいいんですけど、別に流行りのトラップに乗らなくても良いかなあ、とも思ったり。トラック面でもう少しなんか斬新なこと(存在の見えにくかったU2の変則的な参加は面白かったけど)やっても良かったかなと。

 

 

 カンフー・ケニーと同じTop DAWGのアーティストの作品だと、僕はむしろこの新人R&Bシンガーの彼女、SZAのデビュー作「ctrl」の方が面白かったかな。彼女はいわゆるオーガニック・ソウル系のアーティストなんですけど、「フランク・オーシャンやソランジュ以降」とでもいうべきタイプですね。何というか表現が難しいんですが、ちょっと前までのオーガニック系って、70sのソウルやジャズの雰囲気を「サンプリング」的な感性で抜き出したような感覚が感じられたんですけど、今のオーガニックって、サンプリング的な感じと言うよりは、今一度ソングライティングの原点に一から立ち返ったような手作り感が感じられるというかね。彼女の曲にもそうした生々しさを感じましたね。あと、どこのアクセントかわからないんですけど、英語がすごく訛っているのも耳を引きつけますね。

 

 

 あと、これもカッコよかった。ヴィンス・ステイプルズの「Big Fish Theory」。彼はロサンゼルスでも、派閥的にはオッド・フューチャー系の人ですね。なんか2010年代以降、すごく期待された割には思ったほど大成した感じがしないオッド・フューチャー組ですけど、ここでのエレクトロ・ヒップホップはかなりトラックとしてストイックに先進的な感じがしてカッコいいです。今度のゴリラズのアルバムで彼、フィーチャーされてもいるんですよね。まあ、デーモンがゴリラズにピックアップしてくる時点で、やっぱメインストリームよりはインディっぽい支持が強い人で、それ故か、このアルバムも全米トップ10入りは逃し(16位)ましたけど、こういうエンタメ感の薄い実直なヒップホップも今だからこそ評価されてほしいですね。

 

 

 

 そして6月30日に出たジェイZのこの新作「4;44」も素晴らしかった。というより僕的には、ヒップホップならぶっちゃけ、これが1番好きですね!というのは、これ、ひとりのプロデューサーとだけガッチリとタッグを組んだ、かなり昔ながらのヒップホップのアルバムの作り方で臨んだアルバムだから。最近、「1曲ごとにプロデューサーなんて変えて当たり前」みたいになってるとこあって、それが90sのヒップホップに慣れてる僕のようなタイプに、どこか釈然としないものとして残ってもいましたしね。コモンの仕事で知られていて、ジェイZの大事なプロデューサーのひとりでもあるNo IDが10曲すべて手がけているんですけど、これがメッセージ色濃いニナ・シモン、スティーヴィー・ワンダー、ドニー・ハザウェイといった、ジャジーでソウルフルなかなり渋めの70sのトラックだったり、ラガ色の濃い曲やってたりと、オーガニック色がジェイZのこれまでの「ブループリント」系のアルバムよりも濃厚になってますね。これがまず47歳になった彼の貫禄にスーッと馴染むのがいい。

 

あとリリックも、浮気の平謝りで虚勢を張らない弱々しい部分をあえて見せたり、レズビアンの実母を讃えたり、「仲間同士で殺しあいなんてもうやめようぜ」とポジティヴなメッセージを発したり。それでいて、プリンスの弁護士やカニエなんかに喧嘩売ったりするのも忘れない。前から話題作りはうまい人でしたけど、今回は気持ちの振幅の大きさとネタふりの豊富さで、ストーリー・テリングにも磨きがかかってます。

 

 若手がいろいろと台頭する中で、ヒップホップ界のドンが円熟の貫禄を示してくれたのはうれしいです。

 

 

 

 そしてもう1枚、ラストでこれを選びたいと思います。これはシガレット・アフター・セックスという、ドリーム・ポップ系のバンドです。彼ら出身はアメリカ南部なんですけど、それがにわかには信じられないくらい、セクシーで耽美的な浮遊感のあるサイケデリックなポップを、繊細な囁き声で歌ってます。イギリスの方で先にウケまして、このデビュー・アルバムもイギリスで27位に入ったのをはじめ、なんとヨーロッパ圏ではどこも軒並みトップ100入りしてるんですね!この、なんというか、セルジュ・ゲンズブールの世界観を思わせるようなバンド名と、このゴシックな黒のイメージがウケたのかな。この感じだと、フェスでも引っ張りだこになるのは遠くないでしょうね。

 

 というのが、この3ヶ月のトップ10ですけどね。

 

 ただ、これ以外にも好きなアルバム、結構ありました。なので並べていくと

 

Love In The 4th Dimension/The Big Moon

Capacity/Big Thief

A Kind Revolution/Paul Weller

Beautiful Thugger/Young Thug

Nashville Sound/Jason Isbell&The 400 Unit

Hopeless Fountain Kingdom/Halsey

I'm Not Your Man/Marika Hackman

 

 

 このあたりの作品も好きで聴いてましたね。まだ時間もあるし、年末にはこのあたりが逆転してたりしてね。

 

 

 さて次の3ヶ月ですが、これも楽しみです。ラナ・デル・レイ、アーケイド・ファイア、QOTSA、ザ・ナショナル、フー・ファイターズ、そしてザ・キラーズ!ほかにも、まだ知らぬ逸材の登場もあるかもわかりませんからね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 10:42
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アメリカとイギリスのアルバム・チャートでストリーミングはどう加算されているか

どうも。

 

 

昨日に引き続いて、今日もストリーミングの話です。

 

 

最近、チャート見て、すごく不思議だったことがあります。特定の同じアルバムがずっと上位にいて変わらなかったり、ロック系の新作が全米トップ10に入ったのに、翌週には下手したら100位圏外に近いとこまで落ちることが相次いだり。そして、インディ・ロック系の新人の作品の初登場の数がすごく減っている。これはどうしたことなのか。

 

 

 だって、おかしいと思いません?ロック系の話題の新作って、どんなに話題作でも、プロモーションの勢いが落ちた2週目とか3週目になると、ガンズ&ローゼズのベスト盤とか、ジャーニーのベスト盤より順位が低くなるんですよ!いくら、これが定番ロングセラー作品だからと言っても、前は、多少の話題作ならそんなことはすぐには起こらなかった。それが最近は発売されて2、3週で起こっている。

 

 これは絶対になんかおかしい・・と思っていたら、思い当たったのが

 

 

 ストリーミング換算

 

 これでした。

 

 調べてみると、これ、ビルボードだと2014年の12月に導入されてるんですよね。この、ウィキペディアのページによると(こちら)、2014年12月13日付のチャートより、これまで単純に、アルバムの売り上げそのものの集計だったアルバム・チャートに、ストリーミングの数が加えられるようになったんですよね。これ、つまりどういうことになったかというと

 

 

 前なら、「CD買ったら、もう後はチャートの集計に関係なし」だったところが「アルバムを買った後も、それを聴いた回数がチャートに集計されるようになった」んですね。従って、リスナーの動向が「アルバムを買ったときだけ」集計されるのではなく、「アルバムを聴くそのタイミングまで記録されるようになる」ということなんです。

 

 

 これ、ある意味、「消費される価値」の計算としては正しく見えます。では、今、ストリーミングがアメリカのアルバム・チャートに同計算されるか、説明しましょう。

 

 

 スポティファイとかアップル・ミュージック、こういったストリーミング・サーヴィスは今、結構な数ありますが、そこであるアルバムの曲が一曲ストリームされたとしますよね。そうするとそれがポイント1になるんですが、そのポイントの合計が1500になったらアルバム1枚と見なします。

 

 

 つまり、1枚で10曲収録のアルバムなら、150回聴かれたらアルバム1枚を買ったことになる、と言う計算です。

 

 

 「150回も聴かれないと、アルバム1枚買ったことにならないのか」と思うと、気が遠くなるかもしれませんが、そうでもありません。たとえば、強いヒット曲なんてものを持っていれば、そうしたものはすぐに稼げます。プラス。「今、話題だからちょっと聴いてみたいな」という浮動票が入るから、そんなの、知名度があるメディアで名前が乗りやすいアーティストが圧倒的に有利になるわけです。つまり、大量のライトユーザー票が入りやすくなる。これは、「買ったら集計」にはなかったチャート基準ですよね。

 

 

 これ、どういう影響が出るかというと、「一般には知られてないけど、コア・ファンがいつの間にかついたアーティスト」にすごく不利なんですよね。たとえばCDの時代の、特に後期の方でしたけど、コア・ファンがついてるインディのアーティストのアルバムが突然チャートのトップ10に入ることが多かった。それはなぜかというと、そういうアーティストには、「CDを買ってくれるファン」というのがいたから、それだけでチャートの順位があがりやすくなったわけですけど、今や、「一般に聴かれる」行為がチャートに入りやすくなったせいで、そうした突然の突出が起こりにくくなる。そうしたら、「ある日突然、こんなアーティストがポコッと上位に入って来た!」というドラマ性がチャートで起こりにくくなる。それはすごく寂しいことですよね。

 

 

 あと、この、「もし、買ってでしか聴けなかったアルバム」が「興味本意で好きでも嫌いに関係なく聴いてみた」という票が入るだけでもかなりチャートが変わるわけですが、僕自身がそれよりもさらに気になるのが、「リピートして聴く回数の、リスナーの世代別による差」です。これが大人と子供で平等なわけがないんですから!

 

 

 子供なら大人よりも時間の自由が聴くし、流行っているポップソングの話題だって共有することは頻繁でしょう。一方、大人にはそんな時間もだいぶ限られるし、ましてやポップソングの話題を日常で共有することも減る。それはどんな音楽好きだってそうです。なので、曲をリピートして聴いたり、ストリーミングしたりする回数なども、大人のユーザーの何倍もあっておかしくないはずなんです。これも「何回聴こうが、アルバム1枚買ったらそれが1票」の時代には起こりえないポイントの換算になるわけです。こんなの絶対、「子供に人気のアーティスト」の方が有利になるに決まってるじゃないですか!

 

 

 だから僕としては、望むらくは、そのストリーミングに、「ユーザーの年齢」を割り出して、若年層によるストリーミングに変数をかけて大人のリスナーの差を縮めることをやったらどうかとおもうんですけどね。だって、大人だって音楽好きであることには変わりないのに、その人たちの票が子供のそれより圧倒的に少ないんじゃ、そんなの世の反映にはなりませんよ。どうりで最近、アメリカでダンス・ポップばっかりが上位に入るわけです。大学から20代にファンの多いインディ・ロックとか、それ以上の年齢のクラシック・ロックだったりアダルト・コンテンポラリーのリスナー支持のあるアーティストが割を食ってもこれなら仕方ありません。

 

 

 でも、このやり方が続いたら、今ある音楽、「子供に届くようなアプローチをした方が勝ち」ということになってしまいます。これだと妙な迎合が生まれたりする原因にもなってしまうと思うんですよね。ちょっと心配でもあります。

 

 

 一方、イギリスも2015年3月にチャート改正して、ストリーミング換算がアルバム・チャートではじまっているんですが、こっちのシステムはちょっと変則的です。

 

 

 

 

 

 この票にその集計方が載っているんですが、それによると、ストリーミングによるアルバムの集計は、アルバムは単純なストリーミングの合計ではありません。ここで対象にされるのは、「収録曲の中のストリーミング人気が高い12曲」だけが対象となります。

 

 そして、その12曲の収録曲のうち、上位2曲のストリーミングの実数を無視するんです!そしてそれを7番目に人気の曲と全く同じ数にします!

 

 

 なんでそんなややこしいことをするのかというと、彼らによると、人気1、2位の曲は「アルバムが好きだから聴いたのかどうかが疑わしい」

 

 

ということなんですね。単に、その曲に興味があって聴いただけであって、アルバムに興味があったとは限らない。本当にアルバムで好きなら、他の曲のストリーミングも高いはずだ。そういう論理によって換算が決まります。そして、そのストリーミングの数を1000で割ってアルバム1枚購買とカウントします。

 

 

 これでどういう効果が具体的にあるかというと、これが意外と大きいんですよね。

 

 まずひとつが

 

 ロック系のアルバム初登場1位、初登場トップ10が減っていない。

 

 ここは、ロックにとってはホッとするとこで、翌週以降もアメリカみたいな不自然な大幅ダウンもない。

 

 

 二つ目以降は実数で証明しましょう。

 

 

アメリカで初登場1位だったホールジーとケイティ・ペリーが、前者で12位、後者で6位だった、

 

 この辺りのセンスは、やはり、「曲に興味があっても、アルバムに興味があるか疑問」な票が抑えられての結果ですね。

 

 

三つ目は

 

 

 アメリカで10位代で終わったロジャー・ウォーターズ、リンジー・バッキンガム&クリスティン・マクヴィーのアルバムが前者が3位、後者が5位だった。

 

 

さらに

 

アメリカで40位だった、グレン・キャンベルとチャック・ベリーの人生最後のアルバムがイギリスでは共にトップ10に入った!

 

 

 この比較で見て。どっちが音楽リスナー全体で見て良心的に平等だと思います?若い意見ももちろんすごく大切ですが、「音楽への愛」はどの層でも変わらないわけで。ストリームの換算はこれからもっと重要になりますが、「気まぐれ票」はなるべく外す方向でやっていただきたいです。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 19:24
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(欧米圏で)ロックが持ち直すための7つのポイント

どうも。

 

 

こないだもチラッと言ったように、先週の火曜日に書いたコラム「ロックの落ち込みが思った以上に深刻な7つの理由」。あれがことのほか評判だったので、ちょっと続きを書いてみようかなと思います。

 

 

今回は、「では、ロックがどうやったら持ち直すのか」、そのあたりの可能性について言及しようかと思います。

 

 

では、まず、その,ら

 

 

.襯奪スのいい人たち

 

 もしかして、ここで笑う人、いるかもしれませんが、そこは笑うポイントではありません。この要素、本当に大事なんですけど、すごく軽視されている気がするんですよ。

 

 前回、「ロックが手っ取り早く持ち直すには、この人のヒットがあればいいかもしれない」という書き方をしましたが、そのカレの「サタディ・ナイト・ライヴ」でのパフォーマンスの映像が見れるようになっています。

 

 

 

どうです?なかなか、歌いっぷり、見事でしょ?これは正直、僕も驚きました。この曲、英米で初登場1位になりましたけど、このパフォーマンスはそれを良い意味で後押ししますね。

 

 

これまでのティーン・アイドルって、ロックを歌うってなったときに、どういう訳だか知らないけど、あえて「これはアイドルがやってる曲なんですよ」とわかる、オーヴァー・プロデュースなダサい音くっつける傾向があったんですけど、これ、そういうのがないですからね。

 

 あと、日本人の感覚で「アイドル」のイメージに慣れてると、この歌い上げは全く想定外じゃないです?そこがすごいんですよね。これまでも歌のうまいアイドルならいたんだけど、どっちかというとそれはR&B的なソレであり、ロックのソレではなかったですからね。ハリーは、たとえばワン・ダイレクションでいうところのザインみたいにスムースには歌えないけれど、逆にその分のある種の無骨さがロック歌うのには合ってますね。それから、大体1D自体、「ちょっとロックっぽい曲を歌うボーイバンド」でもあったわけだから、その要素を成長させた路線というのは、たしかにあっていいものだとも思います。

 

 

ただ、ハリーの場合、問題なのは、彼があらかじめ、「この人は自分で曲なんか書かんだろう」というのがわかりすぎちゃってるとこなんですよね。ここのポイントはロック聴きからすれば、どうしても突っ込まれてしまう。そこがひとつ課題なんですよね。

 

 

 なので、「いい顔のロック・アーティスト」って必要だと思うんですけど、最近、信じられないことに、「顔が良いことがロックにとってのひとつの障壁になっている」という困った事態を目の当たりにしました。

 

 

 昨日のことだったんですが、イギリスのNMEのフェイスブックの投稿欄に、ある男性から、「The 1975なんて、アンダーエイジの女の子に人気があるだけのバンドだろ」って書き込みがあって、それでたくさん「いいね」もらってたんですね。そこで僕が「アンダーエイジの女の子に人気があるって悪いことなの?だったらストーンズとキンクスの60年代のライヴ盤聴いてみなよ。女の子の黄色い歓声がスゴくデカくてビックリするから」ってレス打ったら、僕のに30人くらい「いいね」くれた人がいましたけど、でも、いわゆる今の欧米のインディ・ロックの比較的若いファンって、アイドルっぽい容姿を持ってたらダメって人が案外少なくないんですね。「ああ、それじゃ売れるわけないじゃん、ロックなんて」と、ただただ思うだけでしたけどね(苦笑)。

 

 

 日本だと、「バンドでそれなりにイケメンを探すこと」なんて普通じゃないですか。それが英米で、過度にティーン・アイドルをVSで意識しすぎることによって、単純に図式化しすぎる人が多いんですね。で、そこで矛盾をおかしてしまっている。じゃあ、ビートルズやストーンズは?デヴィッド・ボウイは?デュラン・デュランは?ボン・ジョヴィは?90年代の頃のブラーにだってアイドル人気、半端なくありましたよ。そういう、ポップで魅力的な要素を削ろうとする勢力があるのなら、そこは問題です。ロックの本来の魅力だったものに、首を絞めるようなものです。

 

 

なので、ハリーには、ロックがもともとそういうものだったということを再認識させるための、うまいこと橋渡し的な存在になってくれればなあ、と思っているとこです。

 

 

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 これは、既存人気の「保持」ではあるけれど、底辺を拡大する要素にはあまりならないなとは思うのですが、2017年もこれからまだロックのビッグネームのリリースというのはあるし、ツアーも行なわれる訳です。

 

 

 今年、このあと新作出てくる予定のアーティストとしては、ゴリラズ、カサビアン、Lorde、フリート・フォクシーズ、ザ・キラーズ、ロイヤル・ブラッド、アルトJ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジと、名前は揃っている訳です。もしかしたらLCDサウンドシステムとかアークティック・モンキーズ、フー・ファイターズという名前も飛び込んでくるかもしれません。

 

 

 彼らがここで予定通りに売れてくれると、また助かるんですけどね。とりあえず、「フェスのヘッドライナーはまかせられるよね」くらいの売れ方であってくれると、若干、短期なものの見方ではありますが、「ああ、なんとかなるな」とは思えるものではあります。

 

 

 特に売れて欲しいのはLordeとロイヤル・ブラッドかな。やっぱり、こういう若い名前が底辺広げてくれた方が希望が持てますからね。

 

 

イギリスで新人バンドがチャートに少しずつたまりはじめている

 

 

 あと、そこまで目立って派手な動きでこそないものの、今年に入ってから、イギリスのアルバム・チャートに、順位こそ高くないものの、ロックバンドの名前が目立ちはじめては来ています。

 

 

 この3ヶ月ちょいのあいだに、スンダーラ・カーマ、クリーパー、ブレーナヴォン、ビッグ・ムーンといったバンドが、24位、18位、51位、66位というチャート・アクションでこそありはしたものの、それでも入って来はしました。去年までだったら、こういうニュー・エントリーそのものが珍しくなっていましたからね。

 

 

 こういうバンドたちが、年始の「ブレイク予想」の時点から期待値の高かったアマゾンズやキャベッジといったバンドの前に、事前バズがそこまで大きくなかったのに、そこそこの実績をあげたのは少し追い風になってると良いなとは思うんですけどね。こういうのが少しずつたまっていってドカン!となるのが一番ベストだと思います。

 

 

ぅ瓮織

 

 僕が今、何気に気にしてるポイントがここだったりします。

 

 

 まずひとつは、あまりにも「水面下」的な状況に一般的に見て、そうなっているのが気になっていて。「もう、そろそろ、なんか動きありそうだな」というのがまずひとつですね。

 

 

 2つめは、ガンズとかメタリカとかが、どこの国のチャートでも、「一家に一枚」的なロングセラーになってチャートに入り続けていること。この「定番感」は何かを呼び込む要素になりうるかなと思います。

 

 

 3つめは、数年前から、マストドンとかゴーストといった、インディの人でも聴けそうな硬派なタイプのメタルバンドがじわじわと注目されつつあったこと。去年出たフランスのゴジラとかもそうですね。今年もそこに、パワートリップとか、ポールベアラーと言ったバンドが名前浮上して来てます。

 

 

 あと、地道も地道なバンドたちのカルト評価があがってきていることですね。たとえばドイツでは,スラッシュ・メタルの20年選手のクリエイターが初の本国チャートの1位を取ったり、アメリカのデスメタルの30年選手のオビ’チュアリーが過去2作が最高のヒットになっていたり、この2組が一緒にツアーして局部的にウケてて、批評的にもすごくほめられていたり。

 

 

 こういう流れにあると、若い力を持ったバンドがなんか出てくると、ボン!と行く可能性があるかな、とは思ってます。

 

 

ト羆冓討僚外国は?

 

 

 あと、このポントも期待したいとこではあります。近年、ここの助けが役に立つことも多いので。

 

 

 やっぱ気になるのはまずはオーストラリアですね。近年もテイム・インパーラみたいなデカいバンド、出て来てますけど、やっぱり地元に影響力のあるトリプルJみたいなラジオ局があって、ナショナル・チャートでも。アルバムだと自国のロックバンドの比率が高いですからね。個人的には、国民的なバンドになりつつあって、英米進出を本格的にはじめだしたキング・ギザード&リザード・ウィザードあたりは気になっています。

 

 

 あと、デンマークとアイスランドですね。前者は個々数年、ヴォルビートとかルーカス・グレアムみたいな国際ブレイクしたバンドがあるし、アイスランドもオブ・モンスターズ・アンド・メン、カレオといったバンドが国際的に成功してます。カレオなんて、むしろこれから大きくなるんじゃないかな。両国共に、国内チャートにロックの割合が大きいのも強みです。僕がスウェーデンよりむしろこの2国を推すのは、国全体でのロックの熱さと比率の問題ですね。スウェーデンのバンドには才能があるんだけど、あの国、今、EDMのDJ輩出して当てた景気でウハウハしすぎてて、それが国内チャートに出過ぎてるんでね(笑)。

 

 

 それから、なんだかんだでフランスとかドイツも見逃せない市場です。フランスはクリスティーン&ザ・クイーンのヨーロッパ全土でイギリス含め大成功したし、インディの潜在能力も高いとこです。ドイツも、メタル方面がやたら強く、周辺国にその影響を与えている点で見逃せません。

 

 

 あと、国内チャートでのロック比率の高い国として、今ならスペイン、そして日本があげられます。スペインは最近ロック・フェス大国ですからね。その影響がではじめてるのでしょう。日本も、今、国際的に見てバンドがシングル・ヒット出せている珍しい国ですからね。本人たち次第でチャンスはあるんですよね。市場そのものも、BABYMETALもONE OK ROCKもビルボードのアルバム200位には入ったし、X JAPANのドキュメンタリーのサントラもイギリスで27位だったかな?入ってたし。世界は、手は広げはじめてはいますからね。あとはそこにつけこむ勇気かな。

 

 

θ禀哨瓮妊アが、もう少し開かれたものを推すこと

 

 あとはここもポイントだと思ってます。とにかく、今年に入って批評メディアの推すものも、なんか閉塞感が感じられるんですよね。

 

 

 だって、今年に入って推された作品で目立っていたものって。

 

 

・50 Song Memoir/The Magnetic Fields

・A Crow Looked At Me/Mount Eerie

・Arca/Arca

 

 

こういうのでしたけど、申し訳ないけど、これじゃ売れる訳ありません(苦笑)

 

 

 だって、一番上から行くと、マグネティック・フィールズのアルバムは、50年の人生を50曲でつづった5枚組のアルバム。マウント・イーリーは、がんで亡くなった妻の死の直前から死後の生活を描いた実話。そしてアルカは、前衛的で今、最も先進的なものかもしれないけど、気持ち悪さも同時にハンパない・・という感じですからね。いずれも絶賛にもかかわらず、英米のアルバム・チャートには全く入って来はしませんでした。

 

 

 内容の善し悪しを評価するのも批評は大事ですが、「それがシーン全体に波及効果を与えて広がることなのか」も同時に考えなければいけないことです。その視点に欠けていたら、いいものもなかなか広がることが難しいです。そこのところの閉塞性を、最近の英米メディアから感じるんですよね。エド・シーランの現象ヒットに焼きもち焼いて、ここぞとばかりに酷評レヴュー書く暇があったら、自分が何か当ててみろ、というのはありますね。

 

 

 あと,砲盍愀犬垢襪海箸任垢韻鼻▲團奪船侫ークがブームになって以降に出て来たアメリカのインディ・バンドの平均ルックスの悪さ、あれも改善願いたい!リアル・エステートのルックスのやる気なさとか、正直、「もうちょっと頑張れよ!」と言いたいレベルではあるので(笑)。

 

 

Д劵奪廛曠奪廚悗里いぐ嫐での歩み寄り

 

 

 あと、前回でも書きましたけど、今のロック勢の悪いとこは「フットワークの悪さ」です。リリースペースで、完全にヒップホップ勢の後出後出になっている。

 

 

 これを解消するためにも、ヒップホップ勢との共演とかって、もっとやっていいことだと思うんですけどね。すでにマルーン5とか、こんどのリンキン・パークとかもやってて、The 1975にもその意向があると聴いています。こういう共演を通して、今のヒップホップ勢から良いとこ学ぶのは全然アリです。

 

 

 今はヒップホップとの共演の方がいいですね。EDMでコールドプレイが貧乏くじひいてイメージ下げてたりもしてますからね(笑)。

 

 

・・といった感じでしょうかね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 19:39
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ロックの落ち込みが思っている以上に深刻な7つの理由

どうも。

 

 

これ、こないだから書こうと思ってなかなか難儀だったネタでしたが、ようやくまとまりそうです。

 

 

実は今年に入って、「ちょっと、ロックはなんとかしないと本当にヤバいんじゃない?」と思っていました。僕がこないだ選んだ「今年最初のトップ10アルバム」も半分がヒップホップだったでしょ?あれがまさにその象徴でもあったわけなんですけどね。特にアメリカね。ここが今、本当にロックの場所として心配です。

 

 

では、なぜ「ロックがちょっと危ない」と思うのか。ちょっと例を挙げてみたいと思います。

 

 

〆Gに入り、アメリカでヒットらしい作品がない

 

 いやあ〜、本当にこれ、問題ですよ。

 

 今年に入って、アメリカで本当にヒットがないんですよ。たとえば、ここ数年も、年に何曲かはそれでもシングル・ヒットってあったんです。去年も、ルーカス・グレアムとトゥウェンティ・ワン・パイロッツという「それがロックと思われてもなあ」みたいな曲が売れてましたしね。

 

 それが今年に入ってからは、まだ該当するヒットがありません。ヨーロッパだと、アデルの市場を狙ったラグス・アンド・ボーンマンが売れてはいますけど、あれでさえアメリカでは全然ウケてないですからね。

 

 そして、アルバムもパッとしませんね。上位で目立って売れたのThe XXの新作だけで、あれだって、2ヶ月でトップ200から落ちた。こないだ、デペッシュ・モードとスプーンが同時に初登場している週があったけど、それだってデペッシュ・モードが初登場5位から翌週は94位、スプーンも17位から107位というチャート・アクションぶりです。で、しかも、それが、ロックで目立ってよかったチャート・アクションでさえあったわけだから。

 

 今、他のジャンルだったら、こんな急降下の仕方はしません。ヒップホップだってカントリーだって、ある程度チャートの上位に入った作品はゆるやかに下がって行きます。これはアメリカにおいて、ロックが一般的な音楽的話題になっていないことを現しています。

 

 

◆USにはローカルなロックシーンが根付いていて・・」の神話の根本的な間違い

 

 

「大丈夫だ。アメリカのインディのロックはローカル・シーンに根付いているから。少なくても草の根的なファンがしっかりついているんだ」。そういう説は80sとか90sのときとかもあったし、ちょうど10年くらい前かな。まだインディがすごく調子がよくて、ピッチフォーク・メディアみたいなウェブ・メディアが盛んな頃には日本でさえ、そのような言い方がされていました。実際、全米トップ10に入る、地味ながら優秀なアーティストが結構いましたからね。

 

 

 だけど、そういう、たとえばウィルコとかスプーンとかモデスト・マウスとかシンズみたいなカリスマがひととおり当たって、ピッチフォークからアーケイド・ファイアとかフリート・フォクシーズ、ボン・イヴェールみたいな本当に飛び抜けた実力を持っている人たちのタマが尽きた後、正直苦しい状況なのが実際のところです。アダルト系のラジオ局が興味持ってくれたアラバマ・シェイクスくらいなものでしょう。出たばかりのファーザー・ジョン・ミスティの新作は売れそうですが、それでも、せいぜいそのくらい。あと、インディ系のウケのよいメタルのマストドンかな。

 

 

 それどころか、今年に入ってから、何年か前にピッチフォークで話題になったバンド、大苦戦ですよ。僕も作品的には良いと思ったダーティ・プロジェクターズとかリアル・エステートは、配給先のドミノが何かあったのか、前者はビルボードに入ってこなかったし、後者も100位止まりと、大幅にチャート実績を下げました。ジャパンドロイズとかフォクシジンとかクラウド・ナッシングスとか、そういうのも全然売れてない(というか、作品も個人的にはう〜ん・・)。なんか、あの系のインディ・バンドを後押ししていた流れが完全に底をついた感じになってますね。

 

 

 そういうUSインディを持ち上げてた人たちって、UKのシーンを軽視する傾向が強かったんですけど、案外こっちの方がしぶといんじゃないかと僕は思ってます。実際、The 1975とかキャットフィッシュ&ザ・ボトルメンとか、しぶとく長く売れてるわけだし、アルトJとかフォウルズも人気は安定してるし。去年出たブラッサムズもこれに続きそうな売れ方してるし、今年中に出るロイヤル・ブラッドも続きそう。こっちの方が、「数は少なくなったけど、ロックファンに大事にされている」感じが見てて感じられるんですよね。こういう事実は見逃さない方が良いと思います。

 

 

H禀哨瓮妊アの絶賛をヒットと混同してはいけない

 

 

あと、ロックファンが現状の危なさを感じ取っていない大きな問題として「批評メディアでの絶賛」。これがあると思います。

 

アメリカだと前述のピッチフォークをはじめ、今ならたとえばコンシークエンス・オブ・サウンドとかステレオガム、ペースト、イギリスだとそこに新聞のガーディアンとかインディペンデント、ドラウンド・イン・サウンドとかが着いて来るのかな。そういうのを読むと、毎週のように主にインディ・ロックの作品で絶賛作品があいつぐわけです。あれを立て続けに見ると、あたかもロックが流行っているかのように見えるのですが、それこそが大きな錯覚です。

 

 そういう作品が、今だとチャートのトップ10に入ることさえ快挙で、数週後にはトップ100にさえ姿がないのが今や普通です。つまり、固定ファンのパイがあまりにも小さいんです。批評なんて言っても、その小さなパイに勢いを何割か増にしているだけにすぎません。

 

 それに批評的な点数がいくら良くても、そこに売り上げがついてこなければ、フェスでも演奏するステージも時間帯も、上にあがってはいけません。その意味で、ロックバンドとはいえ、セールスはすごく大事なんです。ほめるレヴューを読むと、そういう現実が忘れられる可能性が強まる。気をつけないといけないところです。

 

 

ぅ献礇鵐詈け・差別化し過ぎたことで、音楽的に窮屈になってしまったインディ・ロック

 

 あと、ロックの世界で行なわれた、過剰な棲み分け。これもロックの現状を弱体化させる一因になっていると思います。

 

 現在、インディ・ロックが、ロックフェスへの出演の中核をロックでになってるところがあります。おそらく、多くの人が気がついているように、今現在、ラウドロック系は完全に切り離されたものになっていますよね。たしかに、あまりにもある時期、インディ・ファンとラウド・ファンの行動様式が全く相容れない、共有が難しいものになっていた事実はあるし、それよりはヒップホップやEDMの方が食い合わせが良い。そんな感じでフェスも発展していきました。

 

 後、これに加えて、ちょっと甘めのシンガーソングライターなんかも「これはアダルト・コンテンポラリーの方があう」、ちょっと古めのテイストのアメリカンのものなら「これは最近のカントリーで対応できる」なんて感じでいろいろ切り分けていったわけです。でも、そうなったことで「一体、ロックってなんなの??」と、事情をよく知らない人にとっては実態のわからないものになってしまった。

 

 それに加えて,ロックの二大勢力だったインディとラウドも、先にラウドがコケて、インディが今ヤバい感じになっている。実際、フェスもかなりの部分、ヒップホップとEDMに助けてもらってるのが現状ですからね。こうなってしまってはロックの「切り分け」の意味なんて何もなくなってしまいます。切ってしまった分、ロックそのものが弱まったわけだから。ヒップホップとかEDMとかに、そういう「こんな音だからフェスに適さない」みたいな選り好みなんてないでしょ?それをロックがやってしまっているわけです。

 

 あと、本来、「インディだからこそ、音楽的に自由」のはずだったインディ・ロックが、こういう切り方をしてしまったことで、皮肉にも音のイメージが限定されてしまい、自由さがなくなったんですよね。これも音楽的な魅力を損なわせる原因にもなっていると思います。

 

 

ゥ蹈奪にまつわる一般的情報があまりにも年寄り過ぎ

 

 あと、最近のロックが不調の理由に、「ロックにまつわる情報があまりに年寄り向き」というのもあります。

 

 

 そのひとつが、特に去年顕著でしたけど、レジェンドの訃報ですね。これが多くありすぎるために、ロックがすごく「過去のもの」に見えてしまう。あと、もうひとつが、デザートトリップ・フェスティバルみたいな、60歳超えたアーティストばかりを集めたレジェンド・フェスですね。今年も別なものをイーグルスとフリートウッド・マックがやるみたいですけどね。こういうのって集客は間違いなく良い訳です

 

が!

 

 もう、こういうのをやってしまったら、若い層にとっては「ああ、こういうのは自分たちのジェネレーションのものじゃないな」としか見えなくなってもしょうがないと思います。だって、その子らにとっては、「そういうイベントに行くのは、自分たちのじいちゃんばあちゃんばかり」なわけですから。

 

 

 日本だとまだ、祖父母で洋楽ロックを聴く層って、そこまで多くないから実感が湧かないかもしれませんが、英米圏だともはや、その代が60、70年代ロックに夢中だった世代、というので普通です。実際、そのテのレジェンドのライブに欧米圏で行った場合、日本で体感するよりももっと年取って感じますからね。日本みたいに「ある年齢過ぎるとロック・コンサートに行かない」みたいなこと、あちらだとないですからね。

 

 

Ε蹈奪勢が「ストリーミング」を利用した「ゲーム」ができない

 

 あと、最近の人気アーティストが得意な「ストリーミングを介したゲーム的プロモーション」をするのが、ロック勢はすごく苦手ですね。

 

 ここ最近、特にヒップホップのアーティストは、抜き打ちで突然新曲なり、ニュー・アルバムを、ちょっと数が過剰じゃないかと思えるほどに突然発表します。ドレイクあたりはこういうリリースをするのが当たり前になってるし、その作品を「ミックステープ」だの「プレイリスト」だのといって、何の差別化があるのかよくわからないんだけど(笑)、そういうのを若い子たちに「カッコいい!」と思わせるのに成功している。あと、彼の親友のフューチャーも突然、2週連続でアルバムを発売して、それを全米初登場1位にさせている。

 

これに限らず、ヒップホップ勢は最近、「ミックステープ」と称したアルバムの類いを年に何枚も出す傾向があります。これは、「何枚リリースしようが、買う予算を気にしなくてよくなった」という、今現在のストリーミングに対応した発売方法なんですね。で、これが今、キッズたちのあいだで流行ってしまっている。「おい、○○が新しいのドロップしたけど、聴いた?」みたいな感じで、子供たちにとってはそれが話の共有のもとにもなるわけで。これは今の若い子たちには大きなことです。

 

 ところがこれを、今のロック勢はなかなかできません。彼らも「アルバムを突然出す」というとこまではできますが、「短期間に何枚も発表する」というのが出来ません。それは彼らが、「アルバムを出したら、そこからは長期のツアー」とスケジュールがガチガチに決められているために、そうした突発的な行動ができにくくなっているためです。

 

 でも、そういう活動ペースだと、今の子供たちの話題にはどうしても入って来にくくなる。そこもひとつの問題です。

 

 

Шの若い子たちも、彼らなりに頑固だ

 

 そして、今の若い欧米のキッズも、悪い意味で頭が固くなってるとこ、ありますね。フェイスブックの、この世代のコの書き込み見てると、「ロックなんて年寄りが聴くんだ」みたいなことを割と平気で言いますもんね。ヒップホップとEDMばかり聴く類いの子に、これ、顕著ですね。

 

 実際問題、子供にロックが入りにくくなってるのは事実です。最後に子供がロックに接点持てたのって、10年くらい前のエモ・ブームだったと思うから。日本だとまだ、子供がロック聴いてるホッとする現状が海の向こうから見ててもわかるんですけど、これがアメリカで特に死につつあります。ブラジルもそうとうヤバいですからね、このへん。

 

 ただなあ〜。いつの世もそうなんですけど、「テクノロジーに頼った音」に慣れて育った人って、いったん壁にぶち当たったら、リアルタイムの音楽、聴けなくなる傾向が強いんですよねえ。僕はエイティーズの育ちですけど、同世代がまさにそうだったから(笑)。彼らは打ち込み音に強く育ち過ぎて、90sに生音回帰になったときに全然ついていけなくなった。オーバー・プロデュースされた音に耳が慣れ過ぎてしまったんですね。あと、デジタルの音でも「好きだった感じのものがもうない」とか言いはじめてね。今、ヒップホップとかEDMを「進んだ音楽」としてイキがって聴いてる子であればあるほど、これに陥るだろうと思っているし、そのタイミングが来るのは案外早いだろうなとは思っています。

 

 

・・と、これが今のロックに関しての窮状ですね。

 

 

 これを打開するものがなにかは、ちょっと今、見えない感じですね。てっとり早いのだと、こういうのかな。

 

 

 

ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズのソロ・デビュー・シングルですね。これがボウイの物真似なんで、しかもプリンスの曲名でソレをやるという、ロックファンからしたら冒涜にも見えるこの行為なんですけど、これがですね。

 

 

 

 このように非常に良く出来てるんですよ、悔しいことに(笑)。

 

 

 ソングライターが書いた曲ではあるんですけど、音といいコンセプトといい、良く出来てるんですよ、これが。曲調は完全にジギー・スターダストの頃のバラードだし、歌詞も「ファイナル・ショーへようこそ」なんてまんまジギーだし。コンセプトも、「今のこの危機から逃げて解放される準備をしようじゃないか」って、今のハリウッドとかヤング・アダルト小説みたいな「ディストピア」のブームを逆手にとった感じもあるし。ここまで時節を上手く読み取った曲もなかなかないですよ。

 

 

 これ、たとえば、彼の1Dでの仲間だったザインのファンからは「ザインの方がもっとモダンなR&Bをやっている」と、また、予想通りに頭の固い感想がかえって来てもいるんですけど、でも、これで、女の子のファンの何分の、何10分の1でもロックに目覚めたら、言うことないですよね。1Dなんて全世界に1000万人は軽くファンいるはずですけど、1割でも100万人にはなるわけですからね。そういうキッカケになればいいなと。

 

 

 ただ、悔しいのは、「どうして今の若いロックバンドが、こういうあざといことしないんだ!」ということですね。逆にこういうことをやったら、「セルアウトに走った」なんて、メガネづらのナードなインディバンド聴くような人たちから叩かれたりしてね。そういうのが、すごくくだらないのになあ、と思うんですけどね。

 

 

 でも、このあたりがなんかヒントになってくれたらなとは思ってます。僕としても、アイドルじゃなくて、れっきとしたバンドがロックを蘇生させて欲しいですからね。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 18:58
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2017年最初の3ヶ月のマイTop10アルバム(順不同)

JUGEMテーマ:洋楽好き♪

 

 

どうも。

 

4月最初のアルバム・リリースである金曜日が来てしまいましたが、その分はカウントしないで、今日はこれをやります。

 

 

 

2017年、最初の3ヶ月の個人的なトップ10アルバムですね。10枚中9枚が上の9分割に入ってるわけですが、さあ、どういう感じでしょうか。

 

今の時点ではまだ早すぎるため、順位はつけていません。では、行きましょう。

 

 

 

Culture/Migos

 

この3ヶ月は、とにかくヒップホップの強いタームでした。今回のピックアップの5枚を占めています。

 

まずはミーゴスですね。今はいわばトラップのブームの総決算的な時期だと思うんですけど、それの決定盤がこれですかね。ミーゴスの場合、トラップの典型的かつ最新のモードのビートに加え、クウェイヴォ、オフセット、テイクオフの3人のラッパーによる、独特かつ奇妙なマイク・リレー(かつ、変な合いの手、笑)がとにかく耳から離れません。2017年最初の3ヶ月の時代的空気を作った意味で大事だと思います。

 

 

HNDRX/Future

 

 続いて、これもトラップ・ブームの立役者のラッパー、フューチャーですね。彼が2週連続で不意打ちのアルバムをリリースして、どちらも全米初登場1位にしたことも無視出来ない事件でした。ラッパーとしての特徴がハッキリつかめないタイプではあるんですけど、このサウンドをアトランタで早くから展開していたこと、ミーゴスが使っているラップの技巧を先にやっていたことなど含め、シーンの代表格であることは間違いないです。2枚出たアルバムでいうなら、僕は2週目に出た、ヴォーカル・ナンバーが多いこっちの方が良い意味でポップで好きですね。

 

 

 

Gang.Signs&Prayer/Stormzy

 

今度は、アトランタから離れてロンドンですね。UKのヒップホップ、グライムのブームもここ最近、活気づいていますが、その真打ち的なラッパー、ストームジーのこれも素晴らしいアルバムでしたね。ハウス色の強くてファンキーなグライムっぽいトラックに、ストームジーらしい高速かつ超え裏返り系のインパクトの強いライムフロー、そして歌までしっかり歌えるエンタメ性が見事です。本国では大ヒット・アルバムですが、ワールドワイドに聴かれて欲しいですね。

 

 

Process/Sampha

 

こちらはヒップホップじゃなく、R&Bですけど、彼もロンドンのシーンを代表するシンガーです。サンファ。彼はドレイクのアルバムに2013年に参加したときから、すごく鼻にかかったスモーキー・ヴォイスで話題で、去年はソランジュの名曲「Don't Touch My Hair」でも印象的なバック・コーラスを聴かせてましたけど、満を持してのデビュー盤がコレです。彼の声質にあった、「無」のスカスカの空間を生かした、緊迫感溢れるオーガニックなサウンドが肝です。そのサウンドのアレンジの印象が強過ぎて、楽曲そのものがそのインパクトについていけてないところがやや気にはなるものの、あっぱれな1枚目です。

 

 

 

More Loife/Drake

 

そして、トドメはこれですね。ドレイクの、本当にペースの速い最新作。彼の場合、地元トロントの強力なクルーに支えられてシーンに浮上した人なんですけど、アトランタのトラップ勢とも共演するし、ロンドンのR&Bシーンとも接点を持つし。以前はフューチャーとも共作盤出してましたけど、今回もミーゴスのクウェイヴォや2度目となるサンファとも共演してます。「これ1枚で、今のヒップホップのシーンが大体わかる」みたいな、入り口になるすごくわかりやすく、かつ、曲の良さが目立つアルバムですね。特に今回は、彼のヴォーカル曲のレベルが軒並み高いですね。

 

 

 

I See You/The XX

 

 対して白人のロックなんですが、この3ヶ月はビックリするほど弱かったなあ〜。特にギター・ロックは惨敗に近かったと思います。その中で気を吐いたのがXXのこの新作ですね。ジェイミーXXのソロ作でのグルーヴを活かした、これまで以上にポップで開かれた作品ですけど、開放的になりながらもデビュー時から一貫しているメランコリーと緊迫感を一切失わないロミーとオリーのソングライティング。彼らがさらなる高みに入ったことを告げる傑作ですね。もう少し、リリース後のプロモーションの後押しがあるとさらに良いんですけどね。彼らくらいビッグになって行くと、そろそろそういうストラテジーが大切になってくると思います。

 

 

Spirit/Depeche Mode

 

 前にここでも特集したデペッシュ・モードの新作も快心作でしたね。エレクトロなのに枯れた表現ができる、世界で唯一のアクトだと思うんですが、その路線を確立しましたね。同時に歌詞は、これまでの彼らにない社会的、政治的な方向に向かったものでもあり、そこは賛否が別れるところではあるのですが、そのモチベーションがメロディやシンセに力を与えていることはまぎれもない事実です。あと、今回は英米ともに5位でしたが、イタリア、ドイツ、フランス、ポーランド、チェコで1位で、イタリアでは2週連続1位でフランス、ドイツでも2週連続トップ3。非英語圏での根強い強さもあいまってワールドツアー、成功しそうな気がしてます。楽しみです。

 

 

 

A Crow Looked At Me/Mount Eerie

 

続いて、シアトル近くのワシントン州のシンガーソングライター、マウント・イーリー。本当はこれ、入れたくなかったんですよ。なぜなら、これ、奥さんがなくなるところから、奥さんを失った家でポツンと虚脱状態になりながら生活している、彼の実話をドキュメンタリー・タッチで歌った作品だから。歌詞もすごく生々し過ぎて、ちょっと何回も聴くのはためらわれるんですが、ただ、これねえ、メロディとアレンジがとにかく美しいんですよ。その音楽面があるのでどうしても無視出来ないんですが、こういうことは自分だけでなく、誰にも起きて欲しくないですね。同時にこれがこの3ヶ月、白人のアーティストの中では最も批評的評価の高い作品だったんですが、これが筆頭に来るくらい、今のロック系の批評は内向きなのか・・と、その閉じた感じも好きではないですね。

 

 

 

Emperor Of Sand/Mastodon

 

インディ・ロックが「悪くはないんだけど、なんかアピール弱いなあ」と思う中、「もう、そろそろ、良くなって来るのでは」という予感が自分の中にあり、ラウドなものも最近多少意識するようにしてるんですが、その中で一番良かったのがコレですね。マストドンは以前からも気にして少し聴いてはいました。やっぱ、上塗り感のないソリッドなギター・サウンドに手数の意多いドラムは好きでしたから。ただ、これまではどこか僕みたいな非メタル系の人がアルバム全体を聴くにはしんどい瞬間があったんですけど、今回のアルバムはこれまで以上に音が削られていて、かつ、過去最大にメロディックでスクリームもほとんどなかったので、僕には非常に聴きやすく、ストップ・ボタンを押さずにフルで何回も聴けました。クリーパーってバンドも良かったけど、やっぱりクオリティではコレですね。ただ、音は良くても、ジャケ写はあいかわらず苦手なので、上の9分割からは外しました(笑)。

 

 

 

The Navigator/Hurray For The Riff Raff

 

 今回のリスト、「順位はない」と先ほど言いましたが、1位だけは存在します。これです!

 

 これはフレー・フォー・ザ・リフ・ラフという、女性のシンガーソングライターで、本名をアリンダ・セガーハといいます。彼女はプエルトリコからのブロンクスへの移民の子孫で、今はニューオーリンズで活動してるのかな。そこで彼女はフォークが一応軸ではあるんですが、そこにロックンロールっぽい要素を入れてみたり、彼女のルーツであるカリブ系のラテンのリズムを混ぜてみたり多彩なサウンド展開をしています。そのサウンドの上に、力強いアルトの歌声を聞かせていて、生で聴くと間違いなく迫力ありそうで、今、一番ライブが見たい人です。こういう人が今までなぜ埋もれていたのか謎です。今まで結構な数のアルバムが出てるのですが、今回、レヴューの良さが働いて、イギリスで76位まで上がっていますね。

 

 そしてこのアルバム、なぜ「今」を象徴している作品なのかというと、それは本作が「移民ライフ」を描いたものであり、ときにその疎外感をも歌っていることですね。このトランプの嫌な時代の中で生まれたある種の象徴的作品ですね。実はこうしたアプローチを行なった作品は批評の世界では、ほかにもリアノン・ギデンスやヴァレリー・ジューンという女性シンガーソングライターもいて、彼女たちもチャートに顔を見せるくらいの成功はしていますけど、その中でもこのアリンダが一番パワフルだなと僕は感じています。

 

 

・・と言った感じですね。

 

 

 ただ、4月以降、次の3ヶ月がむしろすごく楽しみなんですよね。今日はファーザー・ジョン・ミスティやフューチャー・アイランドの発売日だし、来週はケンドリック・ラマーの新作が突然出ることが決まったし、月末にはゴリラズ、6月にはLordeやフリート・フォクシーズがありますからね。さて、どうなるか。

 

author:沢田太陽, category:評論, 18:20
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唐突のリリースが普通になるなら、音楽の活字メディアも変わる必要がある

どうも。

 

 

こっちは今週末、ロラパルーザで、そのための予習を毎日しないと行けない状況なんですが、そんな時に限ってリリースが多いのは困り者です。金曜からデペッシュ・モード、スプーン、リック・ロス・コナー・オバーストと出て来ていた上に

 

 

 

1日か2日遅れて、ドレイクのこの新作「More Life」が出ちゃいましたからね。しかも、アメリカだと、このアルバムがストリーミングの記録をもう早くも作っちゃってる、というじゃないですか。今週忙しいから「来週にまわそうかな」と思ってたんですけど、そんな話聞いたらさすがに後回しには出来ず、もうケータイにダウンロードはしています(笑)。まだ聞いてませんが、おそらく今日か明日には聞くはずです。

 

 

 ただなあ〜。もう、今やこういうリリースするのが当たり前になってるんだよなあ。ドレイクはもういつもこんな感じの発表だし、それでキッズが着いて行って、「いち早くストリーミングで聞かないことには話にならない」というノリになってます。

 

 

 あと、ドレイクの親友でもあるラッパーのフューチャーも2週連続で突然アルバム・リリースしてそれが2枚とも全米初登場1位にもなっていたし。そしてヒップホップとか、アルバムじゃなくても、今や突然シングルのリリースが解禁になって、それがもう何曜日であろうと突然やってきて、それがもう、ストリーミング・サービスに当たり前に存在する、というのが今や普通です。

 

 

 こういう状況が続くとさすがに

 

 

 活字による音楽の伝え方も変わらざるを得なくなるよな

 

 

 とはどうしても思いますよね。

 

 

 もう、これまでのように、フィジカルでのリリースを待って、そこでインタビューをたくさんとって・・みたいな伝え方だと遅くなると言うか。そういうことじゃなくて、もう「出たよ!」というのを積極的に伝えて行かないと、世界的な流れからは完全に取り残されると思います。しかも、ただ伝えるだけじゃなくて、そこにあう適切な言葉、表現を持って語れる力がないといけませんから、こちらも鍛えられます。

 

 

 そして、前からも言っているように、そんな刹那的な瞬間だけが命なんじゃなくて、リスナーの中に定番化して残るものもある程度は決まっていきます。チャートの半分くらいはロングセラー作品の時代でもあったりしますからね。その残っていくものが何なのかの判断もしっかりしなくてはならない。このあたりのバランス感覚のさじ加減も必要になっていきます。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 19:29
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