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2019年はビリー・アイリッシュの年になる!

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どうも。

いやあ、本当は今日は映画評書くつもりだったんですよ。でもね、これを聞いてしまってから、どうしてもこれ以外に考えられなくなったので、結局、このことについて書きます。

今日、ビリー・アイリッシュのニュー・シングルが発表されました。これと同時にデビュー・アルバムがいつ出るか、タイトルがなんて名前なのかも発表されました。

このアートワークからして、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の最後の「ウワ〜ッ、ハハハッ!ウワ〜ッ、ハハハッ!」というヴィンセント・プライスの高笑い思い出してしまいそうになりましたけども、MVも早速上がっています。

なかなかホラーっぽいんですけどね。

ただ、MVでなく、この曲を聴いた時、僕、ちょっと背中がゾクゾクッときたんですよ。

うわっ、これ、今年もう、決まっちゃったかも!
 

冗談抜きで、本気でそう思っちゃいましたね。この曲、この時代のアンセムになっちゃうかも。そういう、ちょっと確信めいたものまで感じました。

というのも、これ、登場タイミングが絶妙すぎるんですよね。今、ビリーって、一昨年の夏に出たEPが、ちょっと屈折したタイプのキッズの間でジワジワとカリスマ的な人気が出てきてるんですね。今、英米ともに、このEPがアルバム・チャートの10位台まで上がってきています。さらに言えば、こないだも言いましたけど、ビルボードのシングル・チャートの下の方に4曲も曲、ランクインさせている。さらに言ってしまえば、もう、本っ当の人気アーティストしかランクインしない、Spotifyの世界チャート「グローバル50」で、彼女、一人だけ浮くように、アリアナ・グランデとか、ドレイクとかポスティとかの中に混じって入ってるんですよね。

僕って、もう昔から、こういう「ヒットチャートの上位に、一つだけ異質なものが入ってるぞ」みたいなものにカタルシスを覚えるクセがありまして、そういうものこそにロック、オルタナティヴな匂いを感じるんですけど、今、まさにビリーがその存在になりつつありました。

で、そのタイミングに、この「Bury A Friend」でしょ。ちょっと「若き教祖様」的な感じになりつつあったところに、絶好なものが行ったわけです。

この「Bury A Friend」というのは直訳すると「友達を埋めろ」で、字面的にかなりショックですよね。それも

前の曲での彼女のこういう猟奇的なアートワークのイメージに合ったりもするものですが、この曲でいう「Friend」というのは、彼女曰く「自分の中にあるモンスター」。このモンスターを自分の中からいかに取り払うか。でも、そのモンスターというのは他ならぬ自分でもあり、やろうとしてもそう簡単なことでもない。

これ聞いて、「うまいなあ」とうなりましたね。これ、いろんなことで悩んでいる人のハート、刺しますね。それは小さな悩みでもいいし、あるいは鬱だったりとか、人によってはドラッグとかかもしれない。そうした負の苦しみを持つタイプの人には、これは響くし、それこそ彼女のファンに多そうなタイプじゃないですか。彼らにとってのアンセムになると思います。

しかも、そういう曲を歌うのが、「ロックよりもむしろヒップホップの影響の方が強い女の子」というのがこれからの時代ぽいし、それをハリウッドのティーン・ムーヴィーに出てきそうな、ちょっと物憂げな美少女が歌うという構図もなんかドラマティックじゃないですか。エルヴィスとかカート・コベインがブ男だったらロックの歴史も多少違ったものになってたような気がするんですけど、こういう、なんか「もしかして時代、変わるかもよ」みたいな時に、なぜか絵的に美しい人、用意されるんですよね。

しかも、ビリーがすごいなと思うのは、「作られた感」というのが実はほとんどないことなんですよね。だって、この曲含め、これまで世に出た曲って、ほとんど全部

彼女と、4歳年上のお兄さんが書いて自分らでプロデュースした曲だから
 

この隣にいるのがその人で、名前をフィネアスっていうんですけど、彼とて4歳上と言っても、まだ21歳ですよ!そう考えたら、すごいことでしょ?

こういう姉弟チームって、ポップ・ミュージックの歴史の中でも、ちょっと珍しいでしょ。しかも、お兄ちゃんの方が裏方で妹を立てるという。これもかなり現代的じゃないですか。その昔、こういう「兄妹」って、カーペンターズの例だけはありますが、あれとももちろん、明らかに違うわけでね。

ということもあって、この二人、ビリーが歌っている曲の世界観のみならず、「彼らの世代が憧れる理想のクリエイティヴ・チーム」としても憧れられる要素強いと思います。

で、この「Bury A Friend」。もう早速動きが出ています。これストローミング解禁になった、まさにその日にですよ、アメリカのキッズに絶大な人気を誇る歌詞検索サイト、Geniusにおいてアリアナ・グランデの「Seven Rings」についで、いきなりもう2位です!このサイト、普段は上位に入るのドレイクとかケンドリック・ラマーとか、トラップ系のラッパーばかりなので、これがいかにすごいことかはわかるでしょ?

そしてアルバムのリリースですが、タイトルは「When We All Fall Asleep, Where Do We Go」という、「Bury A Friend」の中の歌詞の引用から出てきたものです。さらに発売は3月29日です。

ただ、3月29日だと、僕は個人的にはちょっとガッカリすることがあるんですけどね。それは

ラナ様の新作の発売日と同じじゃないか!

う〜ん、これでラナ・デル・レイ、次のアルバムはどこの国でも初登場2位になっちゃいますね。彼女も国際的にどこの国でもカリスマなんですが、さすがにセールスで今のビリーには叶わないですからね。ぶっちゃけ、ドレイクやらケンドリックが、突然この日にアルバム・リリースとか言いださない限り、ビリーが全世界的に1位になると思います。

ただ、もう既にこういう写真が出回っているほど、ラナもビリーのこと、すごくかわいがってます。ビリー自身も、ヒップホップ以外の、メランコリックな部分のルーツとしてラナを具体名あげてリスペクトしてたりもしてますからね。なので、アルバム・リリース日はちょっとした師弟対決でもありますかね。

いずれにせよ、アルバム・リリースまで、すごく楽しみになってきました。

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 18:55
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最新全米チャート

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どうも。

ジェイムス・イングラムが亡くなってしまいましたね。66歳でした。脳の病気と長年闘病してたんですね。

彼といえば、クインシー・ジョーンズ・ファミリーのシンガーとして、一時、バラードの名手として有名でしたね。「Just Once」が一番有名かな。あと、デュエットでもヒット多かったし、「We Are The World」でもソロのパート持ってましたね。

ここでは、そんな彼が単独名義で出した全米1位の曲で追悼しましょう。1990年くらいだったと思います。

謹んでご冥福を祈ります。

 

では、全米チャート、行きましょう。

SINGLES

1(-)7 Rings/Ariana Grande
2(1)Without Me/Halsey
3(2)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
4(5)Thank You,Next/Ariana Grande
5(3)Sicko Mode/Travis Scott
6(4)High Hopes/Panic At The Disco
7(6)Happier/Marshmello&Bastille
8(9)Wow/Post Malone
9(7)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
10(8)Drip Too Hard/Lil Baby & Gunna

先週もお伝えしたように、アリアナのニュー・シングル、初登場で1位です。来月8日のアルバム、盛り上がりそうですね。

では、圏外見てみましょう。36位初登場のこの曲で。

硬派ラッパーの第一人者、Jコールのニュー・シングル。アルバム出たの、去年の4月だったから展開としてはすごく早いですね。いつ頃になるんでしょうね。

では、アルバムに行きましょう。

ALBUMS
1(-)Future Hndxxx Presents The Wizrd/Future

2(-)Heard It In A Past Life/Maggie Rogers
3(1)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
4(2)Spiderman Into The Spider Verse/Soundtrack
5(3)I Am> I was/21 Savage
6(5)Championships/Meek Mill
7(4)beerbongs & bentleys/Post Malone
8(6)A Star Is Born/Soundtrack
9(-)Ain't Nothing To It/Cody Johnson
10(7)Astroworld/Travis Scott

フューチャーのアルバムが初登場1位。このアルバム、ストリーミングだと、配信日になかったりしたんですよね。「で、結局どうなったんだよ」と思ってたら、なんだかんだでこうやって1位になるだけ、ちゃんと出てましたね。ただ、遅れた余波でレヴューの掲載とか、メチャクチャでしたけどね。あんまり世にハッキリ出なかったんですよね。

これはもともと、自分のドキュメンタリーだったかな、その音楽として作ったものみたいですね。

で、2位初登場はマギー・ロジャース。聞いてみましょう。

このマギー・ロジャースですが、現在24歳の女の子ですね。

このアルバムなんですけどね。発売タイミングで結構レヴューも出てたし、注目盤として捉えていた人も少なくなかったですね。ただ、僕はですねえ、ごめんなさい。正直、彼女に関してはピンときませんでした。

僕の場合、才能溢れる女性アーティストは本当に大好きで、それは去年の年間ベストでも十分表したつもりなんですが、その反面、「実力派」と見せつつ、実はレーベルとかマネージメントの強さを売りにしたアーティストに関してはかなり苦手です。案外イギリスに多いタイプだったりするんですが、アメリカ人の彼女もメジャーのキャピトル所属で、プロデュースがヒット請負人のグレッグ・カースティンです。カースティン自身はベックでも、リアム・ギャラガーでもやれちゃうくらい多彩で趣味の良い人なんですけど、このアルバムでの彼の仕事、なんか大味で悪い意味で「いかにもメジャー」って感じの、やっつけ仕事みたいに感じたんですよね。どこに新鮮なアレンジの妙味があるのか、さっぱりわかんなかったです。

マギー本人も、無理やりエレクトロくっつけるとかでなしに、素のフォークで真っ向勝負してた方がよかったんじゃないかな。この方向だと今はいいかもしれませんが、やっぱり辛めのメディアになればなるほど点数低かったので、このアルバムだと実力派扱いはされないと思うので、今後ちょっとしんどいかなとも思います。すべては本人次第ですけどね。

あと9位にはカントリー・シンガーのコディ・ジョンソンが入ってきました。

この週の注目アルバムとしてはジェイムス・ブレイクが21位。これはアメリカでの彼のアルバムの最高位となります。ヒップホップでの客演が聞いたんじゃないかな。

そして残念だったのが、すごくいいアルバムだったシャロン・ヴァン・エッテンの「Remind Me Tomorrow」が94位止まりですよ。ディアハンターに関しては192位ですよ!

なんかなあ。ここ数年、チャートの換算方式がストリーミングになってから、インディのアーティスト、本当に不利になってますよね。この辺りのリスナー層って、ポップとかヒップホップと違って、子供が繰り返して聞くタイプでもないから、視聴回数換算だと本当に苦しいんですよね。2000年代の後半には、逆にインディからアルバムのトップ100に入ることがすごく多くて、それこそ彼らなんてかなりの恩恵受けてたんですけど、今、苦しいですね。

では、そのシャロン・ヴァン・エッテンのアルバム

Remind Me Tomorrowから、この曲でシメましょう。

author:沢田太陽, category:全米チャート, 12:10
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ブリング・ミー・ザ・ホライズンとライヴァル・サンズに見るハードなロックの今後

どうも。

 

1/25の配信で気に入ったアルバムなんですが、この2アーティストでしたね。

 

 

はい。ブリング・ミー・ザ・ホライズンとライヴァル・サンズという、自分でも結構意外な結果になりました(笑)。BMTHの方は、前のアルバムから結構気に入ってたので自分的には他の人が思いそうなほどにはそうでもないんですけど、ライヴァル・サンズは予想外だったかな。

だって、コナー・オバーストとフィービー・ブリッジャーズの共演作があまりにも「まんま」すぎて新鮮味なかったりしましたからねえ。そういうこともあり、今週はBMTHとRSです。

 

BMTHですが

 

 

この「AMO」というアルバムですね。こちらは今、彼らの本国イギリスで、中間発表ですけど、どうやら1位、取りそうな感じです。あちらじゃもうフェスのヘッドライナー・クラスですからね。

 

ただ、このアルバムの評価をめぐってはハッキリ言って、とりわけファンの間でかなり割れてます。僕自身も「ポップに魂売りやがって」みたいなことを書きなぐる英語の罵詈雑言、かなり見ています。

 

そりゃ、そうでしょうね。だって、もともと「メタルコアの期待の星」としてその界隈の熱い支持得てたタイプのバンドがだんだんメロディックになって言った結果、今回

 

 

グライムスと共演まで行っちゃったわけだから!

 

これ、しかも、BMTHの方がグライムスに寄っちゃった、かなりEDM色の強い曲ですからね。これは、メタルというか、ラウドロックの免疫しかない人にはツラかったんじゃないかな。

 

あと、アルバムの中だと、まんま1曲、グリッチ・テクノのインストあったりもしますからね。

 

このアプローチだと、さすがにキツかった古くからのファンは多かったと思いますね。これ以外にもザ・ルーツのラーゼルのラップをフィーチャーした曲なんかもあったりしてね。

 

2015年の前作を聞いた時に僕は「後期のリンキン・パークがやろうとしてうまくできてないことをうまくやれてるよね」という感じで、ラウドロック系のバンドにしてはエレクトロの導入の仕方とかうまいなと思っていたんですね。ただ、それというのは「ラウドロックの領域内」でそれをやっていくものだとばかり思っていたら

 

もう、ラウドの領域さえ、踏み越えてしまった

そんな感じですね。

 

でも、僕は、「それだからこそ面白いじゃん!」と素直に思いましたね。

 

これ、思うに、本人たち的には「ラウドロック内で他ジャンルの吸収がうまい」程度の認知じゃ満足できなくなったのかもしれないですね。「ラウドでも、インディ・ロックや、ポップのファンにでも通用するもの」。そういう包括的でスケールの大きなものを作りたくなったんじゃないかな、と。

 

その意味で言えば、これ、THE 1975の新作とマインドが同じなんですよね。ただ、ルーツにしている音楽と、振り幅の差が若干あるだけで。THE 1975の新作を去年の11月にこのブログでやった時にその野心を僕は絶賛しましたけど、その気持ちはBMTHにもありますよ。

 

というのも、ロックって、もともと、そういう発展の仕方をしてきた音楽ですよ。同時代的に勢いのある他ジャンルの音楽も吸収しながらサウンドを発展させてきた歴史があるじゃないですか。

 

それこそ

 

 

こういう最高の見本が世界的に再評価もされているわけじゃないですか。その音楽的足跡、今一度思い出すべきです。レッド・ツェッペリンだってしかりです。

 

あと、BMTHの場合、今回僕が気に入ったのはエレクトロだけじゃないですね。初期のグランジみたいな、粗野でゴリゴリしたリフの音色にもセンスを感じたし

これのサビのメロディとかも、すごくセンス感じますしね。力ありますよ。

 

THE 1975同様、いい意味で「出る杭」になってほしいバンドです。

 

続いてライヴァル・サンズですけど

 

 

BMTH同様、彼らもこれが通算6枚目になるんですけど、この「Feral Roots」というアルバム、これが同じく全英チャートの中間発表で10位につけています。彼らをこれまでに知らなければ「すごい!」となりますが、ここにトップ20なら2回記録しています。あと北欧3国ではすでにトップ10の実績があって、ドイツ、フランス、イタリアでもチャート実績があったりと、ヨーロッパではすでにかなり大物だったりします。

 

そんな彼らですが、こんな感じです。

なんか、グレタ・ヴァン・フリート的に聞こえません?こっちの方が全然先なんですけどね(笑)。

 

このジェイ・ブキャナンってシンガーの声質からしたら、例えばGVFがツェッペリンなら、このバンドはさしずめ、ハンブル・パイの時代のスティーヴ・マリオットとか、そんな感じかな。曲にもよるけど、ザ・フーの70年代以降のロジャー・ダルトリーみたいなところもあります。

 

勢い、ジェイのソウルフルな歌い方に注目集まりがちなバンドなんですけど、今回、僕が気に入ったのはズバリ「録音」なんですよね。音の撮り方がものすごくシャープで、余計な添加物が一切ない感じでね。それは70sのモコモコ感とも微妙に違うし、80sの過剰すぎる装飾とも全く違う。むしろ、90sのブレンダン・オブライエン(パール・ジャムとかRATM etc)とか、00sのホワイト・ストライプスを通過した感じですね。芯の部分だけを切り取って、その生々しい音の中からソウルやブルーズを自然にあぶり出す感じというかね。そういう、時代の系譜の流れを経た末での原点回帰であり、ただ単に昔風にやったものを意味もなく録音したわけではないですね、これは。

 

で、彼らがそういう音をなぜ作れるのか。今回、その答えがハッキリわかりました。それは

 

 

はい。このデイヴ・カッブという人なんですが、彼、今、オルタナ・カントリー界の超重要プロデューサーです。メタル周りの人じゃないんですよね。

 

彼が手がけているアーティストというのは、カントリーの中でもすごくロック的に尖っている人たちばかりです。ジェイソン・イゾベルにクリス・ステイプルトン、スタージル・シンプソン。それから、今年のグラミーで主要部門で複数ノミネートされて話題のブランディ・カーライル。彼らはいずれも、カントリーだけでなく、ロックンロール、ソウル・ミュージック、ブルース、ゴスペルなどのルーツ・ミュージック全般の基礎値が非常に高い人たちです。そういう「ルーツ・ミュージックの達人」を多く手掛けるカッブがデビューの時からずっと面倒見ているバンドがライヴァル・サンズです。ブルージーでソウルフルな感じが全くうそっぽくないのに説得力あるでしょ。

 

ライヴァル・サンズはそんなサウンドしてるのに、なぜかアメリカだけ商業的に売れてなかったんですけど、このアルバムからカッブがアトランティック傘下に作ったオルタナ・カントリーのレーベルにメジャー移籍したので、アメリカでも人気が出るかもしれません。

あと、今、オルタナ・カントリーといえばこれですよ。

この「スター誕生」でブラッドリー・クーパーが歌うタイプの音楽です。これがまさにオルタナ・カントリーの一種なんですが、フツーのブルージーなハードロックでしょ?これを例えば、カントリー界の大御所ウイリー・ネルソンの息子のルーカス・ネルソンが作っていたりします。この映画で、このジャンル、かなり注目度、上がっています。

 

また、オルタナ・カントリーが絡まなくても、例えばグレタ・ヴァン・フリートもそうだし、ロイヤル・ブラッドもそうだし、HBOの「Vynyl」ってドラマの主題歌に使われてヒットしたキャレオってバンドもそうなんですけど、「オールドスタイルのハードロック」って、今、密かに勢力できつつあるんです。僕もロラパルーザ・ブラジルの時に彼らのライブ見てますが、客の反応、年齢問わず、すごくいいとこなんですよね。こういうところも僕がこのテのロックが「潜在的に需要がある」と思わせる強い理由になっていたりします。

 

この2バンドを見ることで、ちょっとロックの今後の流れの一部がちょっと垣間見れるような感じもします。

author:沢田太陽, category:評論, 19:34
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最新全米映画興行成績とSAGアワード結果

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どうも。

ミシェル・ルグランがなくなりましたね。フレント・ジャズの大家とも言えるし、フランス映画の音楽でも非常におなじみでした。フランスの洒落たイメージ作るのに貢献していた人だと思います。

この、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ揃い踏みの、まばゆい感じが今見ても愛おしいです。この「ロシュフォールの恋人たち」の曲で追悼します。

では、全米映画興行成績、行きましょう。

1(1)Glass
2(2)The Upside
3(3)Aquaman
4(-)The Kid Who Would Be King

5(5)Spider Man Into The Spider Verse
6(14)Green Book
7(6)A Dog's Way Home
8(-)Serenity


 

9(7)Escape Room
10(4)Dragom Ball Super Broly

そんなに上位に入る初登場がなかったですね。

4位初登場は「The Kid Who Would Be King」。これはこんな映画です。

これは見てもわかる通り、冴えない少年がある日突然、円卓の騎士になってしまうファンタジー映画。

これ、ガキ向けだと思うじゃないですか。だけどですね。評判、意外にもいいんです。Metacriticで66点、Rottentomatoesでは86点ですよ。これ、こっちで来週公開も決まっていることをさっきテレビのCMで知りました。来週、見ないといけない映画が2本あるので行けるかどうか微妙ですが、子供にはいいネタかなと。

6位には、オスカー争いの中、「グリーン・ブック」が再度の拡大公開で上がってきました。この映画、僕、昨日見ました。今週中にレビューすると思います。

8位初登場の「Serenity」はこんな映画です。

これはマシュー・マコーノヒー扮する主人公が、アン・ハサウェイ扮する元妻に、現在のDV夫を殺すように依頼することを基にしたスリラーです。

この2人にして、この期待値の低さでもわかるように評判はかなり悪いです。Metacriticで38点、Rottentomatoesで22点。下手したらラジー行きですね。

さて、SAGアワードの結果が出ました!以下のような感じです。

<映画>

作品賞;ブラック・パンサー
主演男優賞:ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
主演女優賞:グレン・クロース(天才作家の妻 40年目の真実)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
助演女優賞:エミリー・ブラント(クワイエット・プレイス)


<TV>

作品賞(ドラマ):This Is Us
作品賞(コメディ):マーベラス・ミセス・メイゼル
男優賞(ドラマ);ジェイソン・ベイトマン(Ozark)
女優賞(ドラマ):サンドラ・オー(Killing Eve)
男優賞(コメディ):トニー・シャロウブ(ミセス・メイゼル)
女優賞(コメディ):レイチェル・ブロスナハン(ミセス・メイゼル)
男優賞(ミニ・シリーズ):ダレン・クリス(ヴェルサーチ)
女優賞:パトリシア・アークウェット(Escape At Dannemora)

なんと、作品賞の受賞が「ブラック・パンサー」になっちゃいました!

 

これで「スター誕生」はちょっとオスカーでの受賞は亡くなったかなあ。


オスカーで見ると、グレン・クロースとマハーシャラ・アリはこれで王手かかりましたね。ラミ・マレクにオスカーの可能性が出てきました。

 

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 12:37
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マイケル・ジャクソン衝撃ドキュメンタリー含む。サンダンス映画祭2019での話題作

どうも。

オスカーのノミネートが発表された後ですけど、現在、欧米の映画界をめぐっては、これがネットの話題を独占中です。

 

 

はい。サンダンス映画祭ですね。毎年1月下旬から2月の頭にやりますけどね。サンダンスは、若手映画人の発掘や、話題を作って今年のできるだけ大きな公開を狙いたい作品が集まった映画祭です。ここ数年は、ここで話題になったものが実際にヒットにつながったり、最高なものになるとオスカーのノミネートにまでつながったりもしてるので、業界の注目も年々高まっています。

ネット見てみると、今年は特に事前の盛り上がりが強いですね。そういうわけで僕も、例年なら結果で報告しているコレを、まだ始まって間も無い今の時期に紹介するようにしましたからね。

では、今年の話題作、ザッと見ていきましょう。

 

 

まず、何が話題かといえばコレですよ。70年代に実在した連続殺人鬼テッド・バンリーの犯罪を追ったホラー「Extremely Wicked Shockingly Evil and Vile」。去年もサンダンスではトニ・コレットの「ヘレディトリー(継承)」がとにかく怖いことで話題を呼びましたが、これもかなり怖いとのレポートが入っています。しかもこの殺人鬼を、かつてのアイドル俳優ザック・エフロンが演じていることでも話題です。バンリー自身がかなりルックスのいいことで有名だったらしいんですが、それをエフロンがこれまでのキャリアを逆転させるように演じているようですよ。

 

これを筆頭に話題作をザッと見ていきましょう。サンダンスの場合、エトリーが112作もあるので、とても全部は追えないんですけど、ネット上の検索で話題になっているものを拾っていくとこんな感じです。

 

 

「クレイジー・リッチ・アジアンズ」でファニーな役どころで見せ場を作った、このところアメリカで注目のコメディエンヌになっています、アークワフィーナ主演の「The Farewell」。これもほぼ、オール中国系キャストの作品になっていますが、「クレイジー・リッチ」が大ヒットしたのに続きたいところでしょうか。

 

 

賞狙い系だと、これでしょうか。このところ、クオリティ勝負の映画に引っ張りだこのアダム・ドライヴァーの「The Report」。これはスティーヴン・ソダーバーグがプロデュースを手がけている社会派のようですね。

 

 

その線で行くと、これもそうかな。昨年、一昨年のオスカー助演女優のアリソン・ジャニー、ヴァイオラ・デイヴィスと言った、現在を代表する演技派が並び立った「Troupe Zero」

 

 

ジュリアン・ムーアとミシェル・ウィリアムスの共演の「After The Wedding」

 

 

僕個人的にはこれが楽しみですね。「Native Son」。これは1939年に出た、黒人文学の世界ではかなり重要な小説を現在のシチュエーションに設定を直して作ったものですが、脚本をピューリッツッァー賞をとったことのある人が手がけているんですって。これはうまくいけば、かなりのものになるのではないかと思っています。

 

 

コメディでは、エマ・トンプソンとミンディ・カリングが組んだ「Late Night」。エマ演じるレイトナイト・ショーの司会と、ミンディ演じる構成作家のケミストリーが見所とか。

 

 

アメリカで人気出てきていますコメディエンヌ、ジリアン・ベルは、ダメ女が一念発起してマラソンに挑戦する「Brittany Runs A Marathon」

 

 

今や「ハリウッド一の問題児」になってしまっている俳優シャイア・ラバフの早すぎる自叙伝「Honey Be」

 

 

ルピタ・ニョンゴがゾンビを演じる「Little Monsters」などがあります。

 

そして、サンダンスといえば、通常の映画だけでなく

ドキュメンタリー!

これも見ものなんですが、今年、大玉あります!

はい。マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー「Leaving Neverland」なんですが、これが、マイケルが児童虐待というか児童猥褻というか、そうした行為を行っていたことを実証しようとする内容で、これをめぐり「上映中止」を求める動きが今、激化しています。結構、立証がリアルらしいんですが、もうこの世にいなくて自己弁護ができない状況の中、「う〜ん」という気は個人的にはしますけどね。

 

サンダンス、今年は話題のドキュメンタリー、多いんです。

 

 

現在、世界的に注目されている政治家ですね。アメリカ連邦議会最年少の急進左派の女性政治家アレクサンドリア・オカシオ・コルテス。彼女のドキュメンタリー「Knock Down The House」もかなり話題です。

 

 

「ロック界の問題ジジイ」としてアメリカではつとに有名なクロスビー・スティルス&ナッシュのデヴィッド・クロスビーを追った「Remember My Name」

 

 

2016年に27歳の若さで急逝した、僕もすごく好きだった俳優です、アントン・イェルツィンのドキュメンタリー「Love,Antosha」などがあります。

 

いずれも楽しみですけどね。また、開催期間中に評判が変わるようなことはもちろん生じると思いますので、結果はまた、おいおい紹介しますね。

 

author:沢田太陽, category:アワード, 20:52
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最新全英チャート

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どうも。

 

 

ヴァンパイア・ウィークエンド、新曲でましたね。2013年以来となりますが、これ、キャリア史上でも屈指にいい曲じゃないかな。

 

 

3月アルバムのフォールズも新曲解禁されました。すぐにピンとくるタイプの曲ではないんですが、このバンドの場合、いつもそんな感じでアルバムの中で聞いて味を出すタイプなので、通常通りの展開かなと思います。

 

では全英チャート、行きましょう。

 

 

SINGLES

1(-)7 Rings/Ariana Grande
2(1)Sweet But Psycho/Ava Max

3(4)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
4(3)Wow/Post Malone
5(7)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
6(2)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
7(5)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
8(6)Thank You Next/Ariana Grande

9(34)Gun Lean/Russ
10(8)Play/Jax Jones feat Years&Years

 

こないだもいったようにアリアナの新曲、やはり強いですね。初登場で1位です。

 

 

9位はこれは、グライムのシーンから派生したドリルというシーンで流行っているダンスなんだそうですね。

 

では、アルバムに行きましょう。

 

ALBUMS
1(1)The Greatest Showman/Soundtrack
2(2)Staying At Tamara's/George Ezra
3(3)Bohemian Rhapsody/Queen
4(4)A Star Is Born/Soundtrack

5(-)Human/Dodie
6(-)Assume Form/James Blake

7(5)Always In Between/Jesse Glynne
8(-)Please Remain Seated/Thunder
9(6)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac
10(12)The Platinum Collection/Queen

 

上位こそ変わっていませんが、ボチボチ初登場が入ってきていますね。

 

5位初登場は、イギリスで期待され始めている女の子ですね。ドディの、これはEPです。聞いてみましょう。

より大衆寄りにはしてあるんですけど、作られすぎてなくて、彼女自身の素が見える感じなのは好感が持てましたね。音楽サイトなどで押されてはいましたが、こんなに高い順位で入ってきたのはビックリしましたね。僕はこの人、ちょっと期待しようかと思います。

 

ジェイムス・ブレイクは6位初登場でした。思った以上に賛否分かれてますね。僕はもうちょっと「最高なの、でた!」と騒がれるかと思ったんですけどね。

 

圏外に行きましょう。17位初登場のこのバンドで。

トワイライト・サッドですね。メンバーのルックスはかなり華はないですが、ヴォーカルの人は美声ですね。モリッシーとかマーク・アーモンドみたいな朗々とした感じで。それで曲もザ・スミスとニュー・オーダーとデペッシュ・モード足して3で割ったみたいな「これぞ80sダーク・ニュー・ウェイヴ!」という感じですね。曲もすごく簡潔で分かりやすい。ネット上でもこれ、案外「ハマッタ!」という人多くて、評判がジワジワきた感じですね。いいことです。

author:沢田太陽, category:全英チャート, 11:37
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