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2018年最後のご挨拶と告知

どうも。

 

 

早いもので、2018年も今日で終わりですね。

 

今年は、ワールドカップの時期に「非英語圏の101枚のロック・アルバム」を時間かけてやったのと、マドンナやクイーンのスペシャル・ウィーク、そして12月の年間ベストとやってきたのが個人的には印象に残ってます。ブラジルで大統領に当選したクソ野郎のせいで胸が痛んだ分、とりわけ10月以降はペース上げてやってたつもりです。

 

あと、ここで少し告知をさせてください。

 

この年末、2018年総括をする仕事を少し受けさせていただきました。

 

まずはハーバー・ビジネス・オンラインという、国際関係の政治や社会問題を扱われているサイトで、「2018年を代表する映画5本」と、同じくアルバム5枚をソーシャル・イッシューの観点から選ばさせていただきました。

 

こちらです。

 

LGBTQ、#MeTooやダイバーシティ ’18年を象徴する映画5選

 

アジア系の台頭やブリグジット問題まで。’18年を象徴する音楽アルバム5選

 

 

タイトルをクリックするとリンクで飛べます。

 

 

あと、ここ数年、参加させていただいているザ・サイン・マガジンの年間ベストにも執筆しています。

 

The Sign Magazine presents 50 Best Albums Of 2018

 

こちらになります。お楽しみください。

 

あっ、2週間前に発表した僕の年間ベストの方も、左のカテゴリー欄の「2018年間ベスト」で読めますのでよかったらぜひ。

 

 

2018年が皆様にとって良い年であったことを願っています。また来年、と言っても明日にはまた挨拶書きますけど、よろしくお願いします。

 

 

author:沢田太陽, category:個人話, 18:43
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年忘れ特集! 初心者のためのMitski

どうも。

 

 

今日は12月30日。実質上、年末の挨拶を除けばこれが今年ラストのポストかな。

 

 

そういうことで、今年の当ブログのMVPとも言えるアーティストでシメようと思います。

 

 

 

Mitski(ミツキ)!

 

もう、この12月の年間ベストの発表の季節で彼女、本当に大活躍でしたよね。当ブログでも2位でしたけど

 

 

 

世界の名だたる年間ベストの結果を全て集計した「Album Of The Year」の総合ランキングでも、122の年間ベストを集計した末に、ジャネール・モネエの「Dirty Computer」とわずか3ポイント差で2位。クリスマスの後には数日1位でした。まあ、1位であろうが2位であろうが、「Be The Cowboy」が今年を代表する名盤であることには変わりはありません。

 

 

 

で、これだけ盛り上がっているわけですけど、なんか僕の印象だけかもしれないんですけど、日本人の血が入ってるアーティストであるにもかかわらず、日本のメディアでMitskiで騒いでいる感じが音楽メディアからでさえ伝わって来る感じがしません。よって、ここで騒ぐだけ騒いでおこうと思って、今回の企画思いつきました。題して「初めてのMitski」。と言っても、もう実はこれでアルバム5枚目だったりしますからね。「Be The Cowboyだけ聞いてたらいいの?」と思う方も少なくないと思うので、ちょっとここで、Mitskiの入門法をここで紹介しておきたいと思います。

 

 

Mitskiこと宮脇ミツキは1990年9月30日生まれ。出生地はニューヨークになってますが、お父さんがアメリカ人で、お母さんが日本人です。子供の時から世界各地を転々としてまして、インタビューなどによると幼い頃からアフリカのコンゴ、マレーシア、日本、トルコを転々としていて、「子供の頃、マレーシアでマライア・キャリーが好きだった」「お母さんのBGMでユーミンや中島みゆきを聞いて育った」「高校の時に神戸に住んでいて椎名林檎やMIAが好きだった」みたいな情報をネット検索すれば知ることができます。

 

 

 大学はニューヨークのパーチェイス・カレッジというところに行って、最初は映画やってたそうですけど、音楽、クラシックを学んでいたようです。ただ、途中で興味がポップ・ミュージックに変わっていったようですね。そして21歳の時

 

 

 

2012年に「Lush」「Retired From Sad new Career In Business」の2枚のアルバムを自主出版します。ただ、このころはまだロックとは言えない感じで、今、聞き返しても「クラシックの音大生のクセが抜けてないな」と思わせるものでしたね。

 

 

 実際に彼女がyoutube上のインタビューで語るに、この当時に、「人が誰もこなかったライブハウスで怒られながら演奏したのが悔しくて、絶対この道でやってやろうと思った」と語ったように、ここから猛然とライブを重ねていきます。現在まで2000本くらいやったと語っています。

 

ただ、2枚目のアルバムから

 

 

この「Goodbye My Danish Sweetheart」という曲がちょっとだけ注目されます。この当時のアルバムからライブで披露される曲は少ないですが、この曲はいつもMitskiのライブのラストを飾っています。そして、この曲の縁もあってか、この次から現在も所属しているデッド・オーシャンズにレーベル加入します。

 

そこで

 

Bury Me At Makeout Creekというアルバムを2014年11月に出しますが、USインディ界隈では、ここで少し名前が知られるようになります。Mitskiファンサイトの書き込み常連者の中には「これこそが最高傑作!」と言い張る人が結構多いんですよね。実際、この年の年間ベストにこのアルバムを入れてるメディアが意外と多かったんです。

 

 

 

 

 

このアルバムで彼女はエレキギターを手にし、ニルヴァーナとかジーザス&メリー・チェインみたいなノイジーなギター・ロックを披露するんですが、今聞いてもすごくメロディックなんですよ、これ!この3曲は今でも必ずライブでやりますが、かなり人気曲です。動画でのカバーも多いですよ。「フィードバック・ギターをバックにしたグッド・メロディ」の意味では、これ、すごくカート・コベイン的というか、彼女なりにコツをつかんでる感じがするんですよね。このままこの道でも成功してたかもな。このアルバムからは他に「I Dont Smoke」「First Love」もよくプレイされますね。

 

 

 

そして2016年6月に4枚目の「Puberty2」がリリースされます。僕がMitski知ったのはこのアルバムでしたね。Metacriticのサイトで絶賛されてたんですよ。ちょうど僕がスマホ手に入れて、今のようなストリーミング生活始めたばかりのアルバムだったので印象にもすごく残ってます。その時は「まだPJハーヴィーにはなれてないけど、その方向で成長を目指したいんだろうな」という感じで、日本人とのハーフという話も聞いてなおさら興味を抱きましたね。

 

 

中でもこの曲で、わかりやすく注目が集まります。それが「Best American Girl」。これは彼女のアジア系という血筋ゆえに、「アメリカ人のあなたの理想的なガールフレンドにはなれない」と歌った曲で、それがソーシャル・イシュー的に注目を集めちゃったんですね。そこから彼女は「エレキギターを抱えた、疎外を歌うアジア系の女の子」のイメージがつきます。

 

 

このアルバムは前作のニルヴァーナ的な路線を引き継ぎつつも、より多彩な進化を遂げてまして

 

 

 

このように、激しめのギター・ロックからアコースティックまで、曲調も幅に富んできました。一番上のヤツは「椎名林檎っぽい」と以前ここで紹介したこともあります。

 

ここでソングライティングを評価された「Puberty2」はかなり大絶賛され、その年の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」では14位の評価。これに加えて

 

 

 

このMitskiの浮上のタイミングと同時に、アメリカではジャパニーズ・ブレックファストことミシェル・ザウナー(韓国系)、ジェイ・ソム(フィリピン)、チェリー・クレイザーのササミ(日系)と、アジア系インディ女子が徐々に目立ってく流ようになって注目される動きになってきたんですね。その頂点としてのMitskiへの関心も高まるようになっていました。

 

 

そんなタイミングでMitskiは2017年11月に来日公演してます。ここで流暢な、というのも失礼なくらい、日本語で育ったことを示す、何も言われなければまんま日本人なトークも聞かせています。

 

そして

 

 

もう、今年何回貼ったんだ、ってくらい紹介している「Be The Cowboy」となるわけなんですが、もう、バズ自体がすごく高かった。

 

 

この2分で終わる、壮大なオーケストレーション・ナンバーの「Geyser」で、「おい、これは一体!?」となってメディアの関心が高まった後

 

 

Mitski史上、最も軽快でダンサブルな「Nobody」ですからね。多彩さをマックスに増したこのアルバムで彼女は一躍時の人となったわけです。

 

 

 

このアルバムでは、ロウファイ・エレクトロとか、バロックポップとかの引き出しも増えてきてますね。この辺りのセンスは「Bury Me At Makeout Creek」の時からコンビを組んでいるプロデューサーのパトリック・ハイランドの手腕も大きいかと思います。

 

 

後、最近のライブではギターを弾かずにハンドマイクで踊りながら歌うんですが、このあたりもだんだんPJハーヴィー的になってきてますね。彼女自身はPJそんなに知らなくてビヨークの大ファンみたいなので、さらに違う展開がありそうな気もしますが。そして、最近ではテレビでのパフォーマンスの機会も増えてかなり一般に浸透し始めています。チャート的には「Be The Cowboy」はアメリカで52位、イギリスで64位だったんですけど、次作は、そんなに遅れなければ、トップ20は狙えるんじゃないかと見ています。

 

 

 僕としても、早く、まだ見ていないライブをいち早く見たいんですけどね。とにかくファンサイト見てても感じることは、今、「自分が音楽マニア」という強い自負を持ったタイプの人が真っ先に飛びつくくらいにクールな存在に、今の彼女、なってますね。それはそれで面倒な部分もないわけじゃないですけど、ホットなバズが上がってきているのはいいことだし、それが昔だったら考えもしなかったアジア系の女性でそんなことになっていると考えるとワクワクしますね。

 

 

author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 17:45
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最新全英チャート

どうも。

 

では、今年最後になります、全英チャートです。

 

 

SINGLES

1(2)Sweet But Psycho/Ava Max

2(4)All I Want For Christmas Is You/Mariah Carey

3(7)Last Christmas/Wham!

4(11)The Fairytale Of New York/The Pogues feat Kirsty McColl

5(3)Thank You Next/Ariana Grande

6(13)Do They Know It's Christmas/Band Aid

7(16)It's Beginning To Look A Lot Like/Michael Buble

8(19)One More Sleep/Leona Lewis

9(20)Merry Christmas Everyone/Shakin Stevens

10(18)Step Into Christmas/Elton John

 

1位はエイヴァ・マックスがとったんですが、それとアリアナ以外は、なんと全てクリスマス・ソングが独占です!

 

これ、何がいいって、最近の曲が比較的多いことです。ブーブレとか、レオナ・ルイスとか。レオナって、10年ちょい前くらいに、「ニュー・マライア登場」とかすごく騒がれた割に、本家と同じで一番思い出される曲がクリスマス・ソングになってしまいました(笑)。シェイキン・スティーヴンスはエイティーズのロカビリー・シンガー。懐かしいです。

 

 

これ以外も、50位くらいまでは半分がクリスマス・ソングですね。

 

僕、英米でトップ50に入った曲で、スポティファイにクリスマス・ソングのプレイリスト作ったら38曲もできちゃいました。これで来年からは、もう12月に突入したら、我が家でこれは使えますね。

 

アルバムは以下のような感じでした。

 

 

ALBUMS

1(1)The Greatest Showman/Soundtrack

2(3)Staying At Tamara's/George Ezra

3(4)Unchained Melody/Roy Orbison

4(2)Love/Michael Buble

5(9)Christmas/Michael Buble

6(5)Odyssey/Take That

7(10)You Know I Know/Olly Murs

8(11)A Star Is Born/Soundtrack

9(12)Bohemian Rhapsody/Queen

10(8)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac

 

author:沢田太陽, category:全英チャート, 18:51
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「男達の別れ」から20年

どうも。

 

 

今日は2018年12月28日。こちらでは現在、朝ですが、今日はこのライブ盤が録音されてから20年が経ったことを意味します。

 

 

 

はい。フィッシュマンズの「男達の別れ」ですね。もう、そんなに経つんだなあ。

 

 

結論から先に言うと、これ、タイミング非常に悪く行けなかったんです。ただ、フィッシュマンズというバンドはですね、僕がNHK-FMではじめた番組「ライブビート」にとって、すごく思い出深いバンドなんですよね。NHKのスタジオ内で、彼らのライブ実現というのは番組の目標の一つだったので。

 

 

話は僕が26歳の1996年に遡ります。その年僕は、その「ライブビート」の前身番組だった「アコースティック・ライブ」という番組を前任担当者から引き継いでリフォームすることになったんですね。ただ、これがMTVのアンプラグドみたいな番組だったらカッコ良かったんだけど、ただの70年代の和製フォークの懐かしの人が出ていた番組だったんですね。「それじゃつまらないよね」という意見は、年寄りの人が多かった現場でさえ出てたんですね。ただ、若いアーティストでもアンプラグドだけでライブできる人って現実の話、少なかった。「だったら、まだ若いアーティストを主体とした、打ち込み使わないライブの番組に変えようよ」と、前身番組のタイトル変えないで強引にリニューアル、始めました。

 

 

 で、実際の話、このころ、日本のロックの現状、かなり良かったんですよ。表向きには「TKとヴィジュアル系の頃」みたいに勝手にされてましたけど、あの当時流の言い方で「外資系が勧める日本のロック」なんて言われ方で、いわゆる「渋谷系以降」の洋楽色の強いバンドが大挙して出ていたころだったんですね。クオリティ的には、日本音楽史においても一番高かった時期だったと思いますよ。僕は基本的に洋楽ばっかりしか聞いてなかったんですけど、ちょうどその頃、お付き合いしてた人がスペースシャワーでバイトしてて、彼女経由でそこで人気のバンド、たくさん教えてもらったりもしてましたからね。あの頃だったら世間一般ではスピッツとか、イエローモンキーとかウルフルズの売れ初めで、コアなところでUAとか、Great 3とかシアターブルックとかEL MALOとか。ハイスタとかメロコアの出立てとか、海外でチボ・マットとかギターウルフが話題になり始めたとか。そんな頃ですね。

 

 

 その時に番組の目標としては、「番組のイメージとして絶対に出演を実現させたいアーティスト」というのが3ついました。それがミッシェル・ガン・エレファントと、サニーデイ・サービス、それからフィッシュマンズでした。実際にその三つが、NHKのスタジオに来てくれるお客さんおアンケートで最も人気の高い3つでもありましたからね。三者三様でしたけど、もうクオリティに関しては、あの当時で圧倒的でしたから。フィッシュマンズでいうと「ナイト・クルージング」以降の、神がかったサイケデリックな路線が確立されようとしていた時期でしたからね。この当時のライブには何回も足運んでました。

 

 

 それで96年の年末特集番組の枠で、その次の年に「アコースティック・ライブ」を「ライブビート」に改題してスタートさせるための打ち上げ番組でフィッシュマンズのライブをやることまでこぎつけたんですね。これに関しては、かなり長い期間、交渉を重ねて実現させて、先方も乗り気になって、「NHKのスタジオでライブをやる」ところまでこぎつけてたんですね。決まった時はもう、天にも上るくらいの嬉しさでしたよ!

 

 

 ただ、そこで僕、大失敗やらかしたんですよ。それは、そのライブがちょっと特別仕様で行われることをウッカリ忘れてしまったからでした。というのは、通常、そのNHKの番組のライブというのは、毎週木曜日が収録だったんですね。ただ、フィシュマンズ側の都合で日曜日しか体が開かなかった。もし、僕が「出演オッケーです」というのを受けて、すぐにスタジオ予約してたらそれ、間違い無く実現してたんですよ。それを、ちょっと油断して、確か数日、置いちゃったと思うんですけど、「普段、日曜なんて収録ないから楽勝だろう」と思っていたら、その日、そのスタジオに予約入れられてたんですね・・・。

 

 

 ・・ということで、流れてしまったんです(苦笑)。その当時の担当さんから「メンバー、ロング・シーズンやるつもりで楽しみにしてたんですよ」と責められ、なお、落ち込みました。ただ、その時は、「じゃあ、渋谷のクアトロのライブ、録音しますか?」の逆提案をいただいたので、結局それを録音して放送して、55分くらいの放送中、40分くらいを占めた「ロング・シーズン」のライヴ・ヴァージョン、結局ノーカット放送(これを実現させたかったから、みんな乗り気だったんです。CMがない局だったから)して、これ、一部でそこそこ話題を呼びましたね。

 

 

 そして97年に、彼らが「宇宙 世田谷 東京」を出した時にもう一回、出演の話、浮上してたんですね。ただ、この時も結局、出演が実現しなくてですね。サニーデイも、さらに観客が振動起こしてNHKのスタジオで「地震が起きた騒動」が起こって始末書書かされたミッシェル・ガン・エレファントのライブ(笑)も結局実現させたんですけど、フィッシュマンズだけがなかなか叶わなくてですね。その時に、98年の秋頃に、当時の担当さんから「(ベースの)柏原が年内で抜けるんですよ」と聞かされて「えっえ〜」となったわけです。

 

 

 それで「男達の別れ」のツアーがあって、ファイナルがまさに98年12月28日に赤坂BLIZで行われたわけなんですけど、これもタイミングがすごく悪かった。というのはこのタイミング、その「ライブビート」で、その1週間後にやることになっていた、番組始まって以来の大行事のために、その準備の関係で一番忙しかった時なんですね。手短に行っちゃえば、椎名林檎と、ナンバーガールと、くるりが、全員まだメジャーでのデビュー・アルバムが出る前に一番のステージに全部出演するという、くじに当たっちゃったくらいのことやってしまったんですけど、それとあの当時、もう一つ別の特番進めてた関係で、年末、正月、一切休みなかったんですよね。そのタイミングだったために行くことができなかったんです。

 

 

 それから3ヶ月経った1999年3月、佐藤伸治、まさかの逝去でしたからね・・・。あの時は、ここまで書いてきたことが全部いっぺんに思い出されて激しく落ち込みましたね。もう時効だから書きましたけど、今でも思い出すと悔しい気持ちが沸き起こりますね。

 

 

 さらに、この死で、盛り上がってきていた日本のオルタナティヴなロックの勢力に影も差し始めます。ここから2003年にかけて、良いバンドに限ってなくなっていきましたからね。よくバディ・ホリーの命日が「ロックンロールが最初に死んだ日」なんて言われ方をしますけど、僕にとっては佐藤伸治の死が、日本のロックのそれだと勝手に思うようにしてます。フェスでいうと、ライジング・サンとかロキノン・フェスとかの立ち上がる前夜のタイミングでもあったわけですしね。

 

 

 そして20年経った今、フィッシュマンズはあの時こそ海外には進出していなかった(一説には、海外の有名レーベルからオファーはあった説、あります)んですが、今、特に「男達の別れ」が、おそらくyoutube経由でそうなったんだと思いますけど、国際的にカルト名盤となって、音楽ファンの間で実際に知名度高くなってます。そのタイミングで今、フィッシュマンズがサブスク全解禁。そういうこともあって、今、毎日フィッシュマンズ聞いてる状態です。 

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:Spotify, 18:37
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沢田太陽の2018 年間ベスト映画 Top 10

どうも。

 

 

では、昨日のポストで予告したように、映画の年間ベストをやろうかと思います。

 

 

今まではですね、映画はあんまりやる気なかったんですね。というのはやはり、映画って国によって公開時期が全然違うし、日本とブラジルでも全然違う。で、僕の場合、今年は子守が忙しかったこともあって、家から遠い短館系でしかやってない、ヨーロッPやアジア系の映画をたくさん見損なっていて、そこもすごく悔いが残るところなんですよね。

 

ただ、今年の場合、幸いだったのは、「いい映画がたくさん思いつくくらいにあった」ということなんですよね。

 

では、今回はささっと行きましょう。トップ10はこんな感じです。基準はブラジルでの2018年の公開に合わせています。

 

 

こんな感じでした。

 

では、今回はカウントダウン的に手短な言葉でササッと行きます。

 

10.ブラックパンサー

 

 

10位は、もう世界のどこでも大ヒットした「ブラック・パンサー」ですね。これに関しては、もう、「黒人にスーパーマンは演じられない」とするハリウッドで100年くらい前からある定説を、黒人のアート美学と現状の最高の黒人映画スタッフを集結させて、最高の形で覆した意味でもう歴史的に大きいですね。マイケル・ジャクソンの「スリラー」の時みたいな高揚感があります。そのオーラがあるから多少の映画的なアラも許せちゃうほどのカリスマティックな勢いがあります。ただ、外せない作品ではありつつも、今年リリースのブラック・ムーヴィーでは僕のトップではなかったですね。なので、この位置です。

 

9.アリー/スター誕生

 

 

9位は現在日本で公開中ですね。「アリー/スター誕生」。これはレディ・ガガとブラッドリー・クーパーの想像を超える高い歌唱力と演技力に多くの人が釘付けになってますけど、僕的には、何度も映画化された定番作なのに、そこにLGBTや人種の問題といった今日的なソーシャル・イッシューのエッセンスや、今日のアメリカの音楽業界に対して一石を投じるリアリティ溢れる批評性を感じさせる点ですごく計算された、「今の時代に生きる古典」として息吹が吹き込まれたのがいいですね。この「解釈の力」によって、これ、傑作になってしまっていますね。

 

 

8.Love,Simon

 

 

8位は「Love,Simon」。これは軽いタッチで描かれた青春映画ですけど、ティーン・ムーヴィー好きとしては入れたい一作。これは主人公の少年が、葛藤がありながらも徐々にゲイであることをカミング・ストしていく作品で、メールのやり取りで心を惹かれた「カレ」を探し求めるお話。その、たどり着くまでの過程がひねりがあって退屈させないし、その間に起こる友人たちとの対立のシーンなんかを見ていると、「それこそ、青春らしい姿だよね」と微笑ましくなります。普遍的な要素も強くありつつ、新鮮さが感じられるのが良いですね。

 

 

7.レディバード

 

 

7位は「レディ・バード」。これは昨年の映画賞でも多くの賞をとり、オスカーでも高く期待された作品でしたね。”インディの女王”、まだ35歳に成ったばかりの女優、グレタ・ガーウィッグのほぼ自伝的な内容の。遠隔地の大学に行くことになる女の子の18歳の日常を描いた作品なんですが、もう、それこそ誰にでも起こりうるような話を、主演のシアーシャ・ローナンの説得力溢れる演技と、話のユーモア、人生教訓に溢れた深い言葉さえあれば、日常の些細なことで立派なドラマになりうることを証明した意味ですごく大事な作品だし、こういう日々のディテールから何から鋭くかぎとること自体に今後の「物語作り」の将来がかかっているのだなと強く思わされました。

 

 

6.犬ヶ島

 

 

6位は「犬ヶ島」。今年、というかここ数年は、まだ息子と娘が小さいので彼ら用の映画を多めに見ている時期なんですが、その中でも結構良いの多いんですよ。ピクサーの「リメンバー・ミー」、つい先日見た「メアリー・ポピンズ・リターンズ」、そしてギャグ・アニメ「ティーン・タイタンズGO!」まで良かった(笑、マジです)んですけど、やっぱり1作選ぶならこのウェス・アンダーソンの奇妙な一作でしょうね。この、黒澤明と、「AKIRA」と第二次世界大戦を奇妙にミックスさせた、子供向けの作品という(笑)。で、しかも犬の話というね。どうやったら、こういうの思いつくんだろうなあ。ウェスに関して言えば、新作があるたびに子供に映画館で見せ続ける監督になるでしょうね。ただでさえ、ワイフが「ラシュモア」以来の大ファンでもあるので。

 

 

5.フロリダ・プロジェクト

 

 

5位は「フロリダ・プロジェクト」。アメリカの新型のプア層の現状を描いた作品としては、フランシス・マクドーマントの「スリー・ビルボード」がパッと上がりやすいんですけど、どうもコーエン兄弟のモノマネ感が引っかかるそれよりは、僕は断然こっちの方が好きなんですよね。自分の住宅が持てず、安モーテルで違法の商売でその日暮らし。しかも幼い子供もいるのにドラッグまみれの生活。これがアメリカの現実なのかと思うとリアルにゾッとさせられるわけなんですが、キュートな、まだ7歳くらいの女の子のヒロインの、まだ何も知らない純粋無垢さがこの映画の救いだし、「これが、そのうち汚される瞬間が来るんだなあ」と思うと怖くもある作品でしたね。

 

 

4. The Hate U Give

 

 

 

4位は「The Hate U Give」。これは日本ではまだ未公開の映画ですが、素晴らしいです。今年は「ブラック・パンサー」を筆頭に、おそらくは25年ぶりくらいに黒人の意識の高揚を目的とした映画が目立った年なんですけど、この中でこれは、今の黒人の最新の現実を描いた作品として見逃せませんね。これはヒロインの幼馴染の青年が、白人警察官から乱暴な取り締まりを受け、誤解されて射殺された事件のあと、不利な裁判展開が予想される中、まだ未成年のヒロインが抗議運動を起こす話なんですが、こういうのを見ていると2012年のトレイヴォン・マーティン事件が黒人コミュニティにとっていかに傷跡の大きな事件だったかがうかがえます。25年くらい前に「ボーイズ・ン・ザ・フッド」と云う似たヴァイブの黒人青春映画の名作があったんですけど、思い出しましたね。そしてヒロインを演じるアマンドラ・スタンバーグの成長ぶりが嬉しい。あの「ハンガーゲーム」にでてた小学生の女の子、順調に成長してますよ。

 

 

3.ファントム・スレッド

 

 

3位は「ファントム・スレッド」。ランクインしている映画はやっぱり最近の時勢を反映してソーシャル・イッシューを扱ったものが多くなりがちなところは自分でもあるんですが、ポール・トーマス・アンダーソンの映画がすごいなあといつも思うのは、彼は逆にそういう類の映画を一切作らないところですね。時代を無作為に選んで、ただある人の人生のストーリー・テリングを行う。で、その話の中に「一体、何が言いたかったのだろう」という想像の余白を見る人に必ず残して、100人100様の感想を抱かせる。この、1950年代の、一流デザイナーの不思議なラヴ・ライフを描いた一作も同様ですね。本当にイン対策になるのかはわからないですが、現代の名優ダニエル・デイ・ルイスは「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」以来のPTA映画でのケミストリーを見せていますが、その奥さん役の、静かな笑みを浮かべながらも実は怖い奥さん役の女優さんがすごくきになる映画でもありました。あと、アートワークの豪華絢爛さが優雅で目に眩しい作品でもありました。

 

 

2.ブラック・クランズマン

 

 

2位は「ブラック・クランズマン」。3本目のブラック・ムーヴィーなんですが、僕がそもそも黒人映画好きになったキッカケというのが他でもない、スパイク・リーの影響なんですよね。「ドゥ・ザ・ライト・シング」、「ジャングル・フィーヴァー」、そして「マルコムX」。大学生の時に見たこれらの映画を通じて、僕はヒップホップや60s、70sのクラシック・ソウルにもずいぶん凝ったものでしたけど、そのスパイク・リーが、久々にその得意の主題に真正面から戻ってきたのはやはり嬉しかった。しかも、「ブラック・パワー」の70年代前半の時代で、彼が本来得意とするえげつないブラック・コメディだったのが嬉しかったですね。黒人なのに電話で姿を偽ってKKKに入党し、代わりに親友のユダヤ人をKKKアジトに送って、その行動をスパイさせる。基本的にすごく笑えるのに、最後の方はどこかゾッとしてしまう。この味こそ、スパイク・リー・ジョイントです。ファンとしてこう言う映画を本当に何年も見たかったです。しかも主人公、そのスパイク・リー映画の主演常連の一人だった、かのデンゼル・ワシントンの息子でもありますからね。ただ、スパイクがこう言う映画を作らないといけない時は、黒人差別の問題があるという意味でもあるので、そこはちょっと複雑でもあるのですが。

 

 

では1位に行きましょう。これです!

 

 

 

1.君の名前で僕を呼んで

 

 

1位は「君の名前で僕を呼んで」。今年はいい映画、多かったんですけど、もう、これは自分の中で別格の位置を占めますね。これはLGBT映画というよりは、イノセントな少年の心情を描いた美しき青春ロマンティック・コメディであり、うるわしき文学作品でもありますねこの表現、何度か使っているんですけど、名作小説家つ映画の「ベニスに死す」の美少年タジオが別のタジオを見つけてその美しさに魅了されるような作品ですね。あと、舞台となったイタリアの片田舎の風光明媚な美しさと、所々にオブジェで出てくる帝国ローマ時代の石造彫刻の肉体的な凛々しさが、このゲイ・ロマンスを美しく盛り立てるのもいい。さらに言えば、これ、1983年が舞台というのも絶妙なんですよね。なぜなら、この年にエイズの症例が初めて世に発表されているわけで、ゲイたちがそういうことを恐れず(もちろん別の社会的な恐れはあったはずですが)に男を愛せた最後の時代でもあったわけで。しかも、ティモシー・シャラメ扮する主人公がこの映画でミドル・ティーンの設定のはずなんですが、僕とまんま同世代でもあるんですよね。その意味で、なんか自分にとってはどうしても避けて通れないものがあったというかね。劇中でかかるサイケデリック・ファーズの「Love My Way」が僕の1983年の日本での生活で巷でかかりこそしませんでしたけど、「時代の雰囲気」を彩る意味で違和感は全くないし、自分の中2時代を思い出して、劇中でこれが耳に入るとゾクゾクッとなったものでした。もう、これは何度見てもいい、「人生の100本」入りした映画ですね。

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 12:16
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年内にもう2つ、企画やります!

どうも。

 

 

このところクリスマスと、年内の締め切りに追われて忙しかったんですけど、年内に当ブログはもう2つほど企画やりたいと思います。

 

 

一つは

 

 

沢田太陽の2018映画トップ10!

 

 

今までやったことなかったんですけど、なんかインスピレーションが湧いたのでやります。早ければ明日にでも。

 

 

それからもう一つが

 

 

改めてのMitski特集!

 

もうですね、すごいんですよ年間ベストでのMitskiの大活躍。「Be The Cowboy」、今年最も評価の高いアルバムになっています。ちょっと盛り上げるべく、取り上げるの3回目ですけど、やろうかなと思っています。

 

 

そんな感じですね。

 

 

author:沢田太陽, category:-, 19:20
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