- BTS(防弾少年団)の新作を「非英語圏の重要な101枚のロック・アルバム」に選ばなかった理由
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2018.05.31 Thursday
どうも。
今日は旬な話題をしましょう。
ビルボードで、アジア系アーティストで初の全米アルバム・チャートの1位に輝いたBTSですね。日本だと防弾少年団っていうんですか?なんか違和感あるけど、とりあえず、BTSで統一して話をしますね。
このBTSのアルバム、「Love Yourself Tear」が昨日発表になったビルボードの最新のアルバム・チャートで1位になりました。さらに
このシングル「Fake Love」も全米シングル・チャートで初登場で10位になりました。いやあ、すごいことだと思います。
ただ、このアルバムが1位になるであろうことは、発売の時点で予想されていて、そういう記事も出回っていたので驚きはなかったんですよね。かなり大きくプロモーションもしてたしね。これが出たばかりのタイミングでビルボード・ミュージック・アワードに出て、大きくフィーチャーもされていましたからね。
で、これが出たのが5月18日のことでした。で、すぐに1位になることもわかっていました。
そこで
えっ?
と思った、あなたは鋭いです!
だったら、「非英語圏の101枚の重要なロック・アルバム」に入れるの間に合ったんじゃない?
そう思われるかもしれませんね。はい、そうです。実はですね、今回
そのことを事前に知っていながら、あえてそこにBTSを選ぶことをしませんでした!
「え〜、なんで〜。ドンピシャのタイミングだったのに、もったいないじゃん!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、なぜ、僕がこのアルバムを選ばなかったのか、それについて話すことにしましょう。
とはいえですね、これ、実は最初から無視していたわけではないんですよ。だって
一応、「聴いてみて、よかったら差し替えで入れる」ことは考えましたから。
差し替えるに当たっても、ちょうどよかったんですよ。なぜなら、今回のリストの最後は韓国のヒョゴだったし、いずれにせよ、今の世界の音楽シーンでの勢い上、韓国勢で最後を締めることは最初から決めていましたから。
そこで、BTSとヒョゴとの比較となったわけですが、それにプラスして
この、セイ・スー・ミーという、4月にインターナショナル・デビューした韓国のシューゲイザーのバンドのアルバムがあって、これがなかなかよかったんですよね。なので、彼らも加えて聞いてみることにしました。
まず、BTSですが、聞いた印象は
「R&Bのアメリカでの流行りは一通りやってるな」
という感じでしたね。そのクオリティも悪くない。出来としては良いです。
が!
「この3ヶ月のトップ10に入れたい」とか「年間アルバムTop50に選びたい」とまでは思わなかったんだよなあ・・。
なんかですね、どれも「及第点」ではあるんですけど、病みつきになりそうなくらい好きな曲が見つからなかったんですよね。そこが物足りなかったなと。
・・と、そういう状態なのに、本来、「ど真ん中でロック」をやってるわけでもないアーティストを、いくら「非英語」ってとこでタイムリーな瞬間ではあるものの、自分のロック観まで良くない意味で変えてしまいかねない判断をするのはどうなのかな、と思いましてね。
僕はもともと、「70年代の昭和の日本の歌謡アイドル」で育った(ここが80年代じゃないところに微妙に差別化の意味があります)からアイドルということにはそこまで否定的ではないし、洋楽でも、マイケル・ジャクソンとかマドンナで育った世代です。そんな僕にとって、マイケルとマドンナはもう余裕でロックとして「アリ」です。両方とも存在が「ジャンル」とかそういうのを超えた規格外のエンターティナーだし、音楽も、マイノリティの立場を逆転させるような革命児的な要素もあるし。でも、マイケルとマドンナはアリでも、ジャネット・ジャクソンは微妙にアウトで、ホイットニー・ヒューストンならキッパリ入れない。そういうこだわりもあります。それはいうと細かくて、「ジャネットは、ついてるプロデューサーは先進的だと思うけど、本人自身は果たしてすごいのか?」、ホイットニーなら「別にR&Bとしても先進的なわけじゃなかった」というのが理由かな。
で、今日のアイドルで、僕が個人的に「この水準に達してるか近かったら、オッケーにしよう」と目安にしている作品が2枚あります。それがコレです。
ジャスティン・ティンバーレイクの「Justified」にリアーナの「Good Girl Gone Bad」。この2枚が世に出た時のインパクトに匹敵するくらいのクオリティが果たしてあるか。そう考えた時に「ううむ」となるんですよねえ。これに関しては、アリアナ・グランデとかカミーラ・カベーロとかも、いい線は行ってるんですけど、まだ彼女らとて追いつくレベルだとは個人的には見ていない。なので「キツいかなあ」と思ったんですね。
あと、2010年代以降に、インディの聴き手が急にアイドル評価し始めたのとかも個人的には違和感あってですね。僕としては「アイドルなのにいい」というスタンスはずっと変える気はないし、「やはり自作自演こそが理想的」と思うタイプなんですが、最近のそういう人たちのアイドル評価の中に、ややもすると「いや、アイドルの方が方法論として今は優れているんだ」みたいなものをすごく証明しようとする類の人までいるでしょ?そういうのも、したければすればいいとも思うんですけど、僕は正直関心ないです。
あとですね、もうそれより先に
もうすでに、Spotifyリストのみですが、Bigbang をすでに入れてしまっているから、というのもあるですよね。
Bigbangは90年代のソテジというアーティストの代理で入れてます。実はこれはかなり意味のある代理選出なんですが、詳しくはソテジのレヴューで語ることにして、そういうこと抜きでも、今の韓国のボーイバンド、ガールバンド・ブームの中でもBigbangって先駆者じゃないですか。そこを評価したのと、G-DRAGONのラップって、一度耳にしたら忘れない強い個性も感じられる。だから、こっちは割とスンナリとリストに加えられたんですけどね。
でセイ・スー・ミーとヒョゴで選ぶことにしたんですが、バンドとしてはセイ・スー・ミーの方が洗練はされてます。だけど、割と型どおりの女の子シューゲイザーという感じで、もう少し独自性を感じたかったんですね。今のままだと、一部のインディ好きだけが聞いて終わって、韓国本国での人気にもフィードバックされないだろうと思ってですね。その意味でヒョゴの方が、オリジナリティを持ちながら、広がるところには広がる気がしたので、結局、当初の予定どおり変えないことにしました。
まあ、でも、これ、あくまで「2018年5月の判断」に過ぎないですけどね。もしBTSがこの先、ものすごく革新的で先進的な存在にでもなろうものなら、その時には差し替えるかな。でも、それは今回のアルバムではないとは思いますけど。
でも、誤解のないように言っておくと、BTSの全米アルバム・チャート1位、これは素直にすごく嬉しいんですよ。やっぱ、「ポップ・ミュージックの世界って、言語の格差、ちょっと大きすぎるよね」と思うからこそ、「101枚」の企画を思いついたわけだし、今回の偉業により、少なくともアジア系のアーティストには間違いなく励みになるわけですからね。
- 最新全米チャート
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2018.05.30 Wednesday
どうも。
今週、ビルボードの公式サイトの更新が遅かったんですけど、ようやく更新されてますね。
では、いきましょう。全米チャート。
SINGLES
1(2)Nice For What/Drake
2(1)This Is America/Childish Gambino
3(3)God's Plan/Drake
4(4)Psycho/Post Malone
5(6)The Middle/Zedd feat Marren Morris&Grey
6(43)Yes Indeed/Little Baby feat Drake
7(5)Meant To Be/Bebe Rexha&Florida Georgia Line
8(11)Boo'd/Ella Mai
9(7)No Tears Left To Cry/Ariana Grande
10(-)Fake Love/BTS
今週はドレイクが1位取り返しましたね。
で、10位にBTSが初登場で入ってきました。韓国のアクトとしてはPSYに続き2組目の全米トップ10ですね。
今日、早いですが、アルバムにいきましょう。
ALBUMS
1(-)Love Yourself -Tear/BTS
2(1)beerbongs&bentleys/Post Malone
3(-)Harder Than Ever/Lil Baby
4(-)And Justice For None/Five Finger Death Punch
5(7)Invasion Of Privacy/Cardi B
6(5)The Greatest Showman/Soundtrack
7(6)KOD/J Cole
8(-)Reckless/NAV
9(9)Black Panther/Soundtrack
10(7)Die Lit/Playboi Carti
今、アメリカで大ブームですね。BTSが初登場で1位です。
このBTS、別記事で扱おうと思いますので、ここではあまり触れずにいきます。
3位初登場はリル・ベイビー。聞いてみましょう。
彼はアトランタ出身の23歳のラッパーなんですが、もう、いかにもなトラップのラッパーで、新しさみたいなものを感じませんね。流行りの流れで耳にとまることはあるんでしょうけど、このままだと印象に残りにくいかなあ。
4位初登場はニュー・メタルのバンドの代表格みたいになっていますね。ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ。これも聞いてみましょう。
なんか「2000年?」ってくらい、あの当時のリンプ・ビズキットとかKORNを思い出しますね。あの当時、僕がこのあたりが非常に苦手だったことを知ってる人も少なくないと思うんですが(苦笑)、まあ、今はこういうものが流行っているわけでもないし、ましてや当の本人でもないわけで。逆に、これが受け継がれていることにある種の敬意は払いますよ。この曲自体も、この人たちのこれまで聞いた曲の中でも印象はいいですね。
8位はザ・ウィーケンドのレーベルのラッパーのNAVのアルバムが入っています。
- 映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」本当はどうなるはずだった?無難でドキドキのない改修作
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2018.05.29 Tuesday
どうも。
今日は映画レヴュー、行きましょう。これです。
「スター・ウォーズ」のスピンオフ、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」です。これ、もう評判がいろいろ日本にも入っているかもしれません。僕のとこでももう始まって、見に行きましたので、早速レヴューしようかと思います。
まずはあらすじから行きましょう。
ストーリーは、かのハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)がまだ若い頃の話です。孤児で育ったハンは、恋人のキーラ(エミリア・クラーク)と、ギャング団を抜け出そうと、トランスポートを使って逃げようとしますが、キーラが捕らえられ、離れ離れになってしまいます。
ハンはキーラの将来的な奪還を誓い、帝国の軍に入隊します。
3年後、軍を除隊されて途方にくれていたハンは、盗賊のトビアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)と出会い、彼の一味になりたいと願い出ました。なかなか人を信用しないトビアスは、ハンを陥れようともしますが、なんとか助かり一味となります。
(中略)
そしてハンは、将来の長きパートナーとなるチューバッカとも出会います。これに関しての出会い方は省きますね。
ベケットのミッションの中には、宇宙屈指の犯罪集団「クリムゾン・ドーン」のボス、ドライデン・ヴォス(ポール・ベサニー)から宇宙船を盗み出すことがあり、一行は彼を騙すべく、近づきます。
すると、クリムゾン・ドーンには、生き別れになっていたキーラが属していました。ハンはキーラに計画を持ちかけ、キーラもそれに乗ります。
キーラの紹介で、ハンは密輸犯罪者のランド(ドナルド・グローヴァー)と知り合います。カードゲームを通じて「お前、面白い奴だな」となったランドは、この計画に乗り、ランドの宇宙船ミレニアム・ファルコンに乗ってミッションを果たしに行きますが・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これなんですが、
そこまで、悪いわけではありません。
ただ
なんか、「次も観てみたい!」という、ドキドキ感もわかないんです!!
その一因となったのは
本来この映画は、このフィル・ロードとクリス・ミラーという、若い2人組の監督が手掛けるはずだったんです。この2人はこれまで「LEGO Movies」だとか「21ジャンプ・ストリート」とか、ちょっとキテレツなコメディを手がけてる人たちだったんですね。僕もこの両作は大好きだったので期待をしてました。
が!
この2人が途中で降板してしまった!
理由はハッキリとはわかりません。ただ、僕、個人的にはこれでかなり興味覚めました。
で、その後任に当たったのが
ロン・ハワード!
ガーン!!!!
僕ですね、この人に関しての皮肉、このブログで結構やってるんですよ(苦笑)。「映画として、最後まで観れるものは作るけど、キャリア通じてどういう映画を作りたいのか、ベテランになっても一切見えてこない人」という印象が強いんですよね。オスカーの作品賞受賞した「ビューティフル・マインド」で、みんなでスタンディング・オヴェーションして大団円エンディングなんて、僕の価値基準からして、すっごいダサいことも平気でやっちゃえる人です(笑)。それが、ポップ・カルチャーのマニアックな言及なんかも多い、シュールなギャグ多用のロード&ミラーの代役を、どうやって果たすの?と思いましたね。
そしたら、
案の定、ロン・ハワード流の無難すぎる映画でした!
ストーリーそのものは、ローレンス・カスダンも絡んでいることもあって、プロットは悪くないです。最後の方のトリッキーな展開などは見所もあります。ただ、なんかですね、セリフとか、会話の中に面白みがない。そういう要素、みんな取っ払っちゃったみたいで、そこが全然つまんないんですよ。これ、今から冷静に考えると、「フォースの覚醒」でセリフがウィットに富んで面白かったのって、脚本家出身のJJエイブラムスの腕によるところが大きかったのかもなあ。監督違うだけど、同じ脚本家でも、こんなに違うものなんだなあ、と改めて思いました。
あと、キャラクターとキャラクターの間の間合い。これが変です!
これ、思うにですね、撮影したものが長くなりすぎて、かなりカット入れたんだと思うんですよね。妙に編集が早いんですよ。特に前半。会話のリアクションの余韻が全然ない。ただ話をポンポン前に進めているだけで、キャラクターの側に立って感情移入することが難しいんです。これは正直、見ててツラカッタですね。
あと、エミリアもウディもドナルドも、役者としてはすごくいいんです。このストーリー進行でさえなければ。
でも、決定的に弱いのはこの人ですね。
なんで彼だったんだろうなあ〜。
ロード&ミラーのコンビでも主役は彼だったわけですけど、彼に関しては誰が監督でもキツカッタと思います。とにかく印象に残らない。なんかヘイデン・クリステンセン、思い出しちゃいました。
それにしてもこれ、当初はどんな映画にしたかったんだろうなあ。
- 最新全米映画興行成績
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2018.05.28 Monday
どうも。
では、全米映画興行成績、行きましょう。
1(-)Solo Star Wars Story
2(1)Deadpool 2
3(2)Avengers Infinity War
4(2)Book Club
5(4)Life Of The Party
6(5)Breaking In
7(6)Show Dogs
8(7)Overboard
9(8)A Quiet Place
10(10)RBG
1位は「スター・ウォーズ」スピンオフの「Solo」。もちろんハン・ソロの若き日を描いたものです。ハン・ソロ役には、まだあまり実績があるとは言えないオールデン・エアエンライク。脇に「ゲーム・オブ・スローンズ」のディナーリスでおなじみのエミリア・クラーク、ウッディ・ハレルソン、そして今話題のドナルド・グローヴァーが起用されています。
ただ、事前の監督交代騒ぎや、オールデンがあまりに地味すぎたのが祟ったか、興行、批評、ともに芳しくはありません。興行は1億ドルを下回り、批評的にもMetacriticで62点、Rottentomatoesで70点と、このフランチャイズのレベルで考えるとピリッとしませんね。
実は、この映画、見てます。レヴューしますね。
- 「非英語圏の101枚の重要なロック・アルバム」の選び方
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2018.05.27 Sunday
どうも。
一昨日に発表した「非英語圏の101枚の重要なロック・アルバム」、twitterでもfacebookでも上々の反響をいただきました。ありがとうございます。
僕としてもこれは、かなり力が入っている企画なので、プロモしたいのです。これからしばらく、これに関しての言及は関係ない記事でも出てくるとは思いますが(笑)、気にしないでやってください。
で、余韻もあるので、今回は、僕がどうやってあれを決めたかのプロセスを語ろうかと思います。
アイデアを思いついたのは2月の初旬ですね。ワールドカップ用の企画を考えていて、最初は「非英米の」で考えていて、オーストラリアも考えていたんですよ。だけど、パッと頭に思い浮かんだだけで、オーストラリアとニュージーランドあわせても25枚は必要なことがわかって、それは挫折しました。ただ、いつか、このオセアニアとか、ナイジェリア、南アフリカ共和国など、アフリカの英語圏も足したロック・アルバムものは、そのうち形にできたらな、とは思ってます。
で、思い直して、「非英語圏の」で行こうと思ったんですね。ただ、その際に、「英語で歌ったものはダメ」なんてことにしてしまうと、本当に極端というか、変に意固地なマイナー趣味に固執してるみたいに捉えられかねないし、それは僕の当初のコンセプトとは異なるものになりかねなかったので、「英語で歌うことに関してはアリ」ということにしました。
で、どうやって決めるか、ですが、まず思いついたのは「シード制」でした。
こんな感じでした。
<Aシード>(最大10枚まで)
日本
ドイツ
フランス
イタリア
スウェーデン
ブラジル<Bシード>(最大5枚まで)
スペイン
アルゼンチン
デンマーク
メキシコ
ロシア
ポーランド
アイスランド
インドネシアこんな具合ですね。
このシードは、Aに関しては、「国際的な進出が比較的多い」「国内の音楽マーケットが大きい」ということで考えました。Bが、「国内のロック市場が少なからず大きい」ということですね。
ただ、それでマックスまでは選ばないで、極力枠が余るように作っていきました。そうすることで、他の少数の国がなるべく多く入るように配慮をしたわけです。特にインドネシアなんかは、ロックの歴史が50年代からあって、現地のローリング・ストーンで国内アーティストのオールタイム・ベストがあるくらいだったのですが、60年代に光るものはあるものの最近のものがもう一つだったので、実質は「韓国と合同」という形になりましたね。
で、それぞれの選び方ですが、世界各国のローリング・ストーン誌が2010年前後にやった、「自国のオールタイム・ベスト・アルバム」、そしてRYM(Rate Your Music)というサイトに、そうした各国ベストが個人制作も含めてかなり存在するのですが、そうしたものですね。実は僕はこうしたリストを見て3〜5年くらいは楽しんでいたりしたのですが、そこによく入っているもので僕自身も良いと同意できるものを優先的に入れています。
で、枠も決めておいたから、決めるの割と早かったんですよ。直感的にポンポンと選びましたね。
意図してなかったのですが、フランスは結局いっぱいいっぱい10枚になりました。まだ選び足りなかったくらい。やっぱ自力高いんだな、あの国は、と思いましたね。ドイツ、スウェーデン(ともに8枚)に関しても同様です。ブラジルは住んでるので客観的に見たつもりですけど、あそこもやはり60、70年代にレジェンド多かったし、その後も10年に一人はすごいの出てますから9枚に
なりました。
で、日本ですけど、「ロカビリーの時からロックの文化がある国って本当に珍しいし、世界的に見れば海外進出組も実は多い」ということで9枚にしました。でも、これも直感的にすぐ選べましたね。「坂本九、スパイダーズ、はっぴいえんど、キャロル、YMO、BOOWY、X JAPAN、フリッパーズ」というこの8つに関しては最初から直感でした。「いや、もうこれしかないだろう」ってくらい迷わなかったですね。「歴史の転換点」ということと、「フォロワーを多く生んだ」「シーン作った」ということでいうと、必然的にこうなっちゃうのかなと思ってですね。
最後の一枠を巡ってだけ、「ミッシェル、ゆらゆら、林檎、くるり、ナンバーガール」から若干迷って、「でもミッシェルかなあ」と6割がた腹決めながら知人に一人尋ねたところ、期待通りの答えが返ってきたので彼らにしました。これで日本は決まりました。
ただ、後で、「今、流行りのシティ・ポップって他の国にない概念だからあってもよかったかなあ」とは思いましたけどね。なのでシュガーベイブやら山下達郎、ユーミンも考えないではなかったのですが、「でも、キャロルで語ることあるし、こっちの方の独自性の方がデカいしなあ」と思って結局選ばなかったです。せめて、Spotifyに彼らの名盤があったら、キャロルの代理で選んだんですけどねえ。あまりに替えが効かないので、Spotifyだと枠、ブラジルに一つあげちゃいました。
ちなみにSpotifyでの代理、日本が一番多発したんですけど、はっぴいえんどの代理がフラワー・トラヴェリング・バンドという、わかる人にはわかるシャレを使いまして(笑)、BOOWYがブルーハーツ、ミッシェルがくるりで代用されました。
他の国に関しては、「英米のロック史」と対照させる感じで進めてみました。エルヴィス・フォロワーがいたら極力選んだし、ブリティッシュ・ビートに相当するシーンがあったらそれも選んだ。この辺りに関しては
この、ライノ・レーベルのガレージ・ロック・コンピ、「ナゲッツ」のVol.2のボックスで20年くらい前からだいたいどこの国で60sからバンド文化があったのか、あらかじめ知ってました。それでかなり選びやすかったのは確かです。
面白いことに、実はその頃から、共産圏のはずの東ヨーロッパにロックの文化があったりするんですよね。このことも僕は、「ポランスキーとかミロシュ・フォアマンみたいな監督を60年代くらいに出した地域でロックの文化がないわけない」と思って、時間かけてネットで調べて色々見つけましたね。
あと、70sはまだ国際的に独裁政権なんかもあって、ポップ・ミュージックが圧政に屈した、なんて話もよく聞いたので、その辺りも反映させてます。
で、80sは子供の時にMTVでいろんな国からのヒットが今よりも入ってきたので、それも入れてある(a-haとかハノイ・ロックスとかがそう)し、南米とか東欧でロックがメインストリームになったのもその頃です。南米で右翼軍事政権が終わったのも、東欧で共産圏が終わったこともそれと密接に関係してます。
それからエイティーズからナインティーズの最初のワールド・ミュージックのブームですね。これに関しては、あくまでもアレンジ面においてロックに近いものに限りました。そうしないと、ちょっととっちらかりそうになるし、「ロックとの接点」が見えなくなるので。
そして90sあたりになると、各国かなりシーンもあって、ネットでの検索もしやすくなりますね。特に最近の物は、母国語のままでもヒットするようになっているので、「時代も本当に変わったなあ」と痛感してるとこです。
で、前も言いましたが、100枚選んだところで31国になったので、「何ならワールドカップ参加国数と同じにしてしまえ」と思って、101枚32国となったわけです。
具体的な盤は10枚ずつ、全10回でやります。始まりはワールドカップの開催と合わせます。
- 最新全英チャート
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2018.05.26 Saturday
どうも。
遅くなりましたが、全英チャート。
SINGLES
1(1)One Kiss/Calvin Harris&Dua Lipa
2(2)Nice For What/Drake
3(3)No Tears Left To Cry/Ariana Grande
4(5)2002/Anne Marie
5(7)Answerphome/Ranx&Banx feat Ella Eyre
6(13)I'll Be There/Jess Glynne
7(9)Flames/David Guetta feat Sia
8(8)Paradise/George Ezra
9(6)This Is America/Childish Gambino
10(11)Better Now/Post Malone
動きが膠着してますが、ジェス・グリンのニュー・シングルが入ってきました。これ、いい曲だと思います。「歌は上手いと思うけど、興味は・・」みたいな人だったんですけど、これはいいと思います。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(2)The Greatest Showman/Soundtrack
2(-)Electric Light/James Bay
3(3)Beerbongs&Bentleys/Post Malone
4(1)Tranquility Base Hotel$Casino/Arctic Monkeys
5(5)Staying At Tamara's/George Ezra
6(6)÷/Ed Sheeran
7(-)And Justice For None/Five Finger Death Punch
8(-)Love Yourself Tear/BTS
9(-)Tell Me How You Really Feel/Courtney Barnett
10(7)Speak Your Mind/Anne Marie
「グレーテスト・ショーマン」が相変わらずの1位です。
初登場で2位はジェイムス・ベイ。聞いてみましょう。
風貌もガラリと変わったかと思ったら、サウンドもですね。元々、期待自体は高くなかったんですけど、今のメジャー・レーベルの悪い意味での型にはめた、アンビエント系のオーヴァー・プロデュースですね
7位はファイヴ・フィンガー・デス・パンチ。8位は韓国のボーイバンド、BTS。この辺りは全米で語りましょう。9位初登場のコートニー・バーネット、聞きましょう。
今の世の中、頑固にロックンロールするのは女の子。なんか、そんな感じですごくカッコいいんだよなあ。周りがどうあれ、好きなものを突き進める感じが素敵です。