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最新全米チャート

どうも。

 

 

いやあ、シャペコエンセの墜落事故にはブラジル国民、みんなショックを受けてますね。あのチーム、農業が基幹産業の、人口20万人のど田舎のチームで、ここ7年で4部から1部に上がった、奇跡的なチームだったんですよね。今だって、全国区で有名な選手、いない中、今季も1部で9位でした。そのサクセス・ストーリーも良く語られてたし、今回のコロンビアへの遠征も、「この試合に勝ったら南米選手権進出」という、下から上がってきたチームにとっては夢のような話の直前でしたからね。だからなおさら悲しみが募るのです。

 

 

では、水曜恒例、全米チャート行きましょう。

 

 

 

SINGLES

1(1)Black Beatles/Rae Sremmurd feat Gucci Mane

2(2)Closer/The Chainsmokers  feat Halsey
3(3)Starboy/The Weeknd feat Daft Punk

4(6)24k Magic/Bruno Mars

5(8)Juju On That Beat/Zay Hilfigerr &Zaylon McCall

6(4)Side To Side/Ariana Grande  feat Nicky Minage

7(5)Heathens/twenty one pilots

8(7)Let Me Love You/DJ Snake feat Justin Bieber

9(9)Broccoli/D.R.A.M feat Lil Yanchy

10(10)Don't Wanna Know/Maroon 5 feat Kendrick Lamar

 

 

さすがに新作ラッシュが落ち着いてきたからか、チャートが膠着しています。レイ・スリーマードはしばらく1位かもしれませんね。

 

 

では、アルバムに行きましょうか。

 

 

ALBUMS
1(-)Hardwired..To Self-Destruct/Metallica

2(-)24k Magic/Bruno Mars

3(-)The Weight Of These Wings/Miranda Lambart

4(2)A Pentatonix Christmas/Pentatonix

5(1)We Got It From Here Thank You 4 Your Service/Atribe Called Quest 

6(3)Trolls/Soundtrack

7(11)Christmas Together/Garth Brooks&Trisha Yearwood

8(4)Sremmlife 2/Rae Sremmurd

9(6)Hamilton/Soundtrack

10(5)Views/Drake

 

 

メタリカとブルーノ・マーズの対決は英米ともにメタリカが勝ちましたね。メタリカ、聴きましょう。

 

 

 

そこまで大きな驚きもないんですけど、元にあるべきとこに帰って来た感じはしますね。今回のアルバムは、スローな要素が少ない分け、軽快さが戻って来た気がしましたね。良いことだと思います。

 

 

ブルーノの方ですが、正直こっちは僕は期待はずれでしたね。なんか彼の中の80sマイ・ブームの勢いのままに作り過ぎてしまってl、80sのカラオケに乗って歌ってるみたいに聴こえるんですよね。80sのブラコンとか、あのへんが好きな人にはストライクだったみたいですけど、そこにそこまで思い入れのない人との温度差はあったような気がします。

 

ただ、僕的にはこの週はこの二つじゃないんだよなあ。僕的には3位のこの人でした。聴いてみましょう。

 

 

 

ミランダ・ランバ−トですけど、これが驚くほど良かった!彼女、グラミー賞のカントリー部門の常連だったので前から気になってはいたんですけど、今回、あんまりにも評判いいもんだから気になってストリームで聴いたら。すっごいロックじゃないですか!コンテンポラリー・カントリーってロックの10年遅れくらいのアレンジをするイメージがあったんですけど、これは全然そんなことないし。彼女の元夫のブレイク・シェルトンより断然いいですよ。これ、インディのオルタナ・カントリー系の人よりもいいくらい。どうりでローリング・ストーンの年間チャートの上位に来てたわけです。

 

 

author:沢田太陽, category:全米チャート, 04:50
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アワード・シーズン直前!オスカー2017のノミネート候補をチェック

どうも。

 

 

12月1日のニューヨーク映画批評家協会賞を皮切りに、いよいよアメリカの映画アワード・シーズンが始まります。もう、毎年、この時期、楽しみなんですけどね。

 

 

では、今回のオスカーの有力候補を紹介しておきましょう。

 

 

 

 

まずは大本命の「La La Land」。これは「セッション」で一躍注目をあびたダミアン・チゼルの2作目の作品で、ライアン・ゴスリングとエマ・ストーン主演のミュージカルですけど、ヴェネツィア映画祭で大喝采を浴びて以来、何見ても大絶賛ですね。僕もこれが今いちばん見たい映画ですね。すっごく楽しみです。今回のアワード・シーズンでも確実に賞は取っていくでしょうね。

 

 

 

そして、今、俄然、「対抗馬」と目されてきてるのが「Manchester By The Sea」ですね。これも絶賛の嵐です。サンダンスの時から気になってました。これは、兄の死で郷里に帰ってきた男が直面する現実を描いた映画で、主演がケイシー・アフレックに相手役がミッシェル・ウイリアムス。この2人の演技がすごく絶賛されてますね。監督は、これもすごくいい映画でした。「You Can count On Me」のケネス・ロナガン。

 

 

 

そして、これも対抗馬として上がってきています。「Moonlight」。どインディな映画で、ブラッド・ピットがバックアップした謎多き作品ですが、これは3人の黒人キャラクターの成長を3部構成で描いた作品のようですが、その一人がジャネール・モネエなんですね。監督のバリー・ジェンキンスも全く無名の人ですが、とにかく何見ても凄まじいレビューなので、これ、楽しみです。

 

 

 

 

 

オスカーは前の2年、黒人俳優のノミネートがなかったことで揺れてましたが、今年は上の「Moonlight」もそうですが、有力作が目立っています。まずはデンゼル・ワシントンが自ら主演、監督した「Fences」。これはトニー賞でも話題になった、デンゼル本人が出演した演劇の映画化ですが、映画は意外と賛否が割れてますが、ヴァイオラ・デイヴィス含め、演技部門のノミネートは堅い気がします。そして、僕の大好きな監督ジェフ・ニコルズ、主演ジョエル・エドガートンの「Loving」。これも黒人女性との恋愛を描いたストーリー。そして、この写真が期待をそそる、60年代の戦う黒人女性たちを描いた「Hidden Figures」。タラジPヘンソンはすごく好きな女優さんなので楽しみです。

 

 

 

 

 

 

あと、女性物でも話題作あります。まず、ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ケネディを演じた「Jackie」もすでにかなり評判の映画です。ナタリー、2度目の主演女優受賞なるかですね。あと、ここにきて「20th Century Woman」という映画のバズも上がってきています。主演のアネット・ベニングもベテランになって評価上げてきてますからね。気になっています。

 

 

 

 

 

あと、トランプの大統領選挙勝利後、マッチョな時代機運がオスカーに影響を及ぼせば、野郎ものにもチャンスがあるかな。ニック・ケイヴが音楽を担当した南部の保安官を描いたジェフ・ブリッジズの「Hell Or High Water」は批評的絶賛がすごかった作品です。ただ、配給先が推してる感じがほとんどないのが気がかりですが。あと、第二次世界大戦での沖縄が舞台になった戦争映画、メル・ギブソン監督作の「Hacksaw Ridge」もチャンスありとの声があります。あと、日本でもすでに公開になっていますが、クリント・イーストウッドの「ハドソン川の奇跡」はオスカーでのバズは高くないですが、「最後の1枠」に滑り込むか否かで注目されています。

 

 

 

 

 

続いて、「一部絶賛も賛否は両論」の二つ。まずは期待の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの「Arrival」。これ、僕、実はこないだ見ましたが、正直、「後半がなあ」という映画でしたね。これだったら去年の「ボーダーライン」の方が僕は少なくとも好きです。あと、デヴ・パテル主演の「Lion」は「スラムドッグ・ミリオネア」以来好きな俳優のデヴ・パテルが実力をようやく正当に評価されそうな作品。賛否は割れていますが、配給先のワインスタイン・カンパニーはかなり推してる模様です。

 

 

 

 

 

そして、まだレヴュー結果が上がってきていない(東京映画祭で公開されてるんですよね?)期待作といえば、マーティン・スコセッシの「沈黙」で、これが果たしてどういう影響を及ぼすかに注目が集まっています。オスカーの場合、対象期間にぎりぎり滑り込んできた作品がここ最近期待外れになってることが目立つんですが、とはいえ、スコセッシが長年温めてきたことで知られる企画ですからね。この原作は、僕は高校の時に国語の授業で習ってましたが、さっき調べたら篠田正浩のヴァージョンがあったんですね。見たいな。

 

 

 

・・と、こんな感じですね。果たしてこれがどうなるか。楽しみにしてたいと思います。

 

 

 

author:沢田太陽, category:アワード, 08:49
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最新全米映画興行成績

どうも。

 

 

 

なんかバタバタだったな、この週末は。

 

 

では、月曜恒例、全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。

 

 

1(-)Moana

2(1)Fanasic Beasts And Where To Find Them

3(2)Dr.Strange

4(-)Alliedad Santa

5(4)Arrival

6(3)Trolls

7(5)Almost Chrstmas

8(-)Bad Santa 2

9(6)Hacksaw Ridge

10(7)The Edge Of Seventeen

 

 

初登場で1位は、ディズニー・アニメが「アナと雪の女王」以来に力を注いでいる作品として、今年の前半からすでに話題でした「Moana」が初登場で1位です。興行収入もさすがに先行の話題故か、8100万ドルとかなり高いですね。

 

 

「アナ雪」の寒いイメージから一転、今度はハワイあたりを思わせる南国の島を舞台にしたお話ですね。主人公は褐色の肌を持つもアナで、このイメージからして、ステレオタイプからあえて外れようとしている心意気を感じさせます。声の担当がハワイ出身の16歳の全くの新人の女の子でも話題です。ストーリーは冒険もので、彼女が仲間たちと海を航海するものです。

 

 

 この映画ですが、さすがにオスカーのアニメ部問での受賞を真剣に狙ってるだけあってさすがに評判です。Metacriticで81点、Rottentomatoesで98点。少なくともノミネートは確実なはずです。

 

 

 4位初登場は「Allied」。こちらは第2次世界大戦を舞台にしたロマンスもので、主演をブラッド・ピットとマリオン・コティヤールが演じます。アンジーが不倫疑惑でジェラシー抱いた作品ですね。これは現代版のカサブランカな趣で、モロッコにナチのテ先を殺しに行くミッションを課された男がフランスのレジスタンスの女闘士と恋に落ちる物語。監督はロバート・ゼメキスです。

 

 

評判はまあまあですね。Metacriticで60点、Rottentomatoesで61点。ただオスカーには向かないでしょうね。

 

 

8位は奇しくもアンジーの元旦那、ビリー・ボブ・ソーントンの当たり役「バッド・サンタ」が戻ってきました。オリジナル、好きだったけど、まさか続篇できるとは。

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 09:08
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忙しい週末

どうも。

 

 

すみません。なんか家事がやたら忙しい週末でして、落ち着いて投稿が出来ない状態です。行事がおお過ぎて。

 

 

明日の興行成績、その後のオスカー企画は更新しますのでお待ちを。

author:沢田太陽, category:-, 18:25
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この週末は「ギルモア・ガールズ」祭り!

どうも。

 

 

今日、ネットフリックスから、これが配信されました!

 

 

 

「ギルモア・ガールズ」です。2000年代のアメリカのドラマ世界でカルトヒットしたシリーズで、日本でもケーブルの「La La TV」ってチャンネルで一時放送されてました。

 

 

これは僕、思い出深い作品です。まだ、日本にいる時だったんですけど、ちょうどワイフと同居し始めて間もない頃に、彼女が日本のテレビ一切見ないでケーブルのアメドラばかり見てた人なんですが、ある時、「アメリカでカルトヒットしてるドラマがあって、本当はそれが見たいんだけど」と言ってたんですね。すると、それから本当に間もなくして、日本での放送がはじまったんですよ!本国から、あれ、5年遅れくらいだったと思うんですけど。僕も内容がすごく気に入って、2人で一緒に見てました。

 

 

この「ギルモア・ガールズ」はアメリカでは2000年から8シーズン続いた番組なんですが、視聴率がそこまで良かったわけではありません。なにせ放送先がCWっていう、日本でいうテレビ東京みたいな局だったので。ただ、これ、ちょっとしたインディっぽい趣味の人のツボを刺す要素が満載で、それでファンが多かったんですね。で、これ、ラスト・シーズンがファンの間で不完全年少な印象もあって、「もう1回やってくれ」の要望が高かったんですね。そこで今回、こうしてネットフリックスの特別ドラマで復活となったわけです。

 

 

このドラマの内容ですが、簡単に言えば、美人親子の親子愛を描いたものです。ママのローレライ(ローレン・グレアム)とローリー(アレクシス・ブレデール)の親子です。この2人がコネティカット州の架空の街、スターズ・ホロウで、やたら人のいい住人たちと繰り広げる人間ドラマですね。

 

 

 ローレライの年齢にしては、ローリーくらいの子供を持つのは早すぎるんですが、これには背景がありまして。ローレライは今ではスターズ・ホロウの小さなホテルの支配人なんですが、彼女は10代の頃に一度グレて、その時の彼氏との間で妊娠して、そこでローリーを授かっているんですね。で、始まった頃はシングルマザーの設定で、成績優秀なローリーをいい高校に行くために、一度は絶交した裕福だった彼女の両親にもう一度接近する、というのが物語の初期の中心的な流れです。

 

 

この3代にわたる女性たちの人間ドラマもすごく見応えがあるんですが、このドラマ、サブキャラがすごく見せるんです。

 

 

なんと言っても

 

 

メリッサ・マッカーシーですよ!

 

今や、「ゴーストバスターズ」の主役もやったので、それで日本でも知られつつありますけど、今やハリウッドでも屈指の高給取り女優になった彼女の出世作なんですね、これ。彼女は「スーキー」という役で、ローレライの親友で、ホテルのシェフでもあるんですけど、ここでいい助演を見せるんです。なので、この番組の視聴者で早くから彼女のファンだった人は多いのです。僕ら夫婦も彼女の子yとを長いことスーキーと呼んでました。今、スケジュールがすごく忙しい人なので、今回の復活も当初参加しないと言われてたんですが、一応出てるみたいですね。

 

 

そして僕的に一番見逃せなかったキャラが

 

 

 

このローリーの韓国系の友人のレインなんですが、彼女が実はかなりのロック通でして、劇中にロック用語が多数上がるのがまた楽しかったりしたものです。

 

 

なにせ、結婚を知らせるカードが

 

 

 

これでしたから(笑)。

 

彼女はロックバンドのドラマーでもあるんですが、彼女のバンドには

 

 

なんとスキッド・ロウのセバスチャン・バックが、なんとギタリストで加入します。彼は彼女のバンドにオーディションで入ってくるんですが、「夢破れた、かつてのロックスター候補のおじさん」という、役を演じていました。

 

さらに

 

 

街の楽器屋のおばさん役でキャロル・キングですよ!これには理由がありまして。なぜなら、このドラマ、主題歌歌ってるのが彼女なんです!

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:海外TVドラマ, 18:30
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「これがなかったらクイーンは今ほど評価されていなかった」と信じて疑わない3枚のアルバム

どうも。

 

 

 

今日、11月24日はフレディ・マーキュリーの25回目の命日です。亡くなったのは1991年ですけど、よく覚えています。もう直前から「もうダメだ」とは言われてて覚悟はしていたんですが、その日はちょうど月曜日(正確には日本時間では25日だと思う)で、前の日まで大学の学祭で、自分のサークルの出し物の撤去をして、横浜の自宅に帰ってテレビをつけた途端、テレビ神奈川の番組で訃報を知ってボーゼンとして、その夜は泣きましたね。何せ、クイーンが僕の人生で最初にアルバム買ったバンド、かつ、ライブ見に行ったバンドでしたからね。ショックは大きかったわけです。

 

 

・・という話は、振り返るたびに必ず出てくる話で、これだけしても進歩がないので、今回は、これまで一般に語りたくてなかなかできなかったこの話をしましょう。題して「このアルバムがなかったらクイーンは今ほど評価されていなかっただろうアルバム」。

 

 

 

 今でこそ、クイーンの評価は世界的ですけど、そうなったのは、この91年のフレディのエイズによる衝撃死がその効果を上げてしまっているのは否定はできません。実際問題、日本だと、少し忘れられた過去のバンドになっていましたからね。これは認めないといけないことです。これに関しては当時、僕、結構、怒ってました(笑)。

 

 

 日本がそうなりやすかった理由というのがあります。それが「クイーンを世界で最初に評価した国」という誇りです。そういう世代の人たちがよく言う話として「クイーンIIこそが最高だ」「ハードロックじゃなくなってダメになった」みたいなヤツですね。ただ、正直、僕はこれに関しては違和感しかありません。幼少時で70年代半ばの日本でのブームに間に合っていないこともあるんですが、ただ、もし、「クイーンII」が本当にキャリアの頂点のようなバンド(そんなこと言ってる国、日本以外にあまり聞きませんが)だったとしたら、クイーンはきっとどこかの時点ですっかり過去のバンドで終わって、80年代にヒット曲なんてなかったでしょうね。そうなったら、こんな今みたいに誰でもが知ってるバンドではなかったでしょう。

 

 

 だいたい、「クイーンII」みたいな組曲形式みたいなものがウケた時代だって長さが限られているし、プラス、そんな曲の形式にとらわれていたら、彼らが持っていたシングル・ヒットを飛ばせるソングライティングのポテンシャルを潰すことにもなったと思いますからね。ごめんなさい。なので、正直、「ビッグになって自分の手から離れていくやっかみ」程度にしか僕は思っていません。

 

 

 僕の場合、もちろん、ほぼ全世界で一般的だと思う「オペラ座の夜」最高傑作説には異論は唱えません。初期のリアルタイム世代と、中期、後期のリアルタイム世代、そして間に合わなかった世代の意見を平均してもそうなるでしょう。しかし、「オペラ座の夜」だけで終わっていても、クイーンは今ほど評価されるバンドにはなっていなかった。僕はやはりそう思うのです。

 

 

では、「何がクイーンのキャリアを救ったか」。僕が「こここそがポイント」と思えるアルバムを3枚あげることにしましょう。

 

 

まずはこれ

 

 

 

「世界に捧ぐ」ですね。77年発表。「We Will Rock You」と「伝説のチャンピオン」と、一大アリーナ・アンセムが入っていることもデカイのですが、これがあったおかげで、クイーンがハードロックの呪縛から解き放たれて、自由なソングライティングができるようになったものだと信じてます。事実、これが出た時、ロンドンではパンクの嵐が吹き荒れ、ハードロックがすっかり過去のものとなっていました。その直後、それこそピストルズの「勝手にしやがれ」とリリースが近いんですが、そこでクイーンは髪を切ってカジュアルな衣装を着るようになって、パンクにこそなりませんでしたが、来るべき時代をうまいこと乗り越えたわけです。

 

 実際、こういう曲もありましたね。

 

 

 

 

これは明らかに狙って書いたパンクでしょう(笑)。

 

まあ、これに限らず「Get Down Make Love」とか「It's Late」とか、前だったら書けなかったタイプの代表曲もありますしね。ここで芽生えたソングライティングの多様化は80年の「ザ・ゲーム」での2曲の全米1位にもつながります。

 

 

次がこれですね。

 

 

 

 

84年の「ザ・ワークス」ですね。これは、この前の「ホット・スペース」ってアルバムが大コケして心配された次作だったんですけど、これはイギリスで3年くらいチャートに入り続ける大ベストセラーになったほか、世界中でヒットします。ただ、アメリカで今ひとつだったのと、日本でも、売れはしましたけど、もう当時はデュラン・デュランとかカルチャー・クラブの新世代の台頭に押されて過去のバンド扱いになって、そのまま人気落ちてしまいましたけどね(泣)。

 

 

 このアルバムが大事なポイントは4つあります。ひとつは、このアルバムのツアーの成功によってクイーンが「世界一のライブバンド」のイメージを決定付けたこと。85年1月のロック・イン・リオ、同年7月のライブエイド。この2つでの圧倒的パフォーマンスでクイーンの評価が決定的になるんですね。クイーン自身、本当はこのアルバムで解散だったところが、あまりの好評ぶりに解散を撤回してますからね。そして、この次のアルバムでは東欧もツアーしてこれも大成功。リスナー層が世界規模であることを、この当時のクイーンは印象付けていました。僕自身、86年のツアーのライヴ・アルバム「ライヴ・マジック」が大好きで、一回さめかかったファン心理がグッと戻ってきたいきさつもあります。

 

 

 それから、この時期がフレディのヴォーカリストとしての絶頂期ですね。初期ってファルセットが多いんですけど、この時期になるといかに裏声にたよらないで高音域をパワーで歌いきるかのパフォーマンスが目立ってます。「Radio Ga Ga」にせよ「I Want To Break Free」にせよ、カラオケ難易度異常ですからね(笑)。歌えば歌うほど高くなって、サビで声、出なくなりますから(笑)。

 

 で、この歌唱力の絶頂期にソロをやって、あとは「バルセロナ」でクラシックに挑戦でしょう。声に関しての自負と向上心はこのころが一番だと思うんですよね。実際問題、この頃のフレディのソロって、今やクイーンのディスコグラフィとも遜色ない人気もありますしね。

 

 

 あと、このアピールも大きかったでしょう。

 

 

 

この「I Want To Break Free」のクリップですね。これ、曲の内容もそうなんですけど、LGBTのアンセムになりましたからね。こういうとこでのフレディのゲイ・アイコン化もカルチャー的に大きかったと思います。

 

 

 そして、これはおまけですけど、レディ・ガガのネーミングのヒントになったのが「レディオ・ガガ」だったことですね。これも、ある世代から下にはクイーンのアピールとしては効果はあったかなと思います。

 

 

 そして、もう1枚はこれですね。

 

 

 

 生前最後の、いや、遺作と言い切ってしまいましょう。91年の「イニュエンドウ」ですね。これも買ったときのことをよく覚えています。2月、大学2年の学期末テストのときに大学生協で予約して買いました。僕のいたサークルにクイーン・ファン、しかも80年代以降のが多くてですね、発売前から盛り上がっていたんです。

 

 

 実際、世界のリアクションも良かったですよ。イギリス、ドイツ、イタリア、オランダでは1位でしたしね。日本でも「ザ・ワークス」まではオリコンで必ず10位以内だったのに比べると弱いものの、その前2作の20位台よりちょこっと上の17位。それでも不満でしたけどね。雑誌の表紙なんてなんもなかったし。

 

 

 ただ、結果的に死の9カ月前に出たこのアルバムの印象が良かったせいで、クイーンのバンドとしての勢いが国際的に高いままの状態で亡くなったのは、死亡時の話題を高めるのに一役買ったところはあると思います。

 

 

 まあ、とはいえ、このアルバムでみんなが真っ先に思い出すの、今やこれなんですけどね。

 

 

これですね。これ、リリース当初はイギリスでの第4弾シングルだったんですけど、死の直前に、来るべき死について暗示したような内容だったのも話題だったし、加えてやはり、歌詞が人生の最後を前向きにしめくくるのにあまりにもピッタリと合いすぎていましたからね。

 

 今やこの事実が忘れられそうなんですが、このアルバムからの曲と言うのは、前作の「ミラクル」もそうでしたけど、フレディはすでに治療に専念していたので、ライブで披露されたことはないんですね。ただ、その後の、記念ライブとか、ロジャーとブライアンの活動によるライブでは定番曲になっているし、「アメリカン・アイドル」みたいなオーディション番組でもしょっちゅう歌われていたので、もはや「フレディ最後の曲」の印象で世界に浸透している感がありますね。

 

 

 ・・ということで、僕の中でのクイーンやフレディというのは、初期の華麗なハードロックからはじまって、こういう過程を経て、もろもろ精製されて出来ていったもの、という印象の方が強いし、それが実際のとこなんだと思っています。

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 18:49
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