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第88回アカデミー賞2016速報生ブログ〜授賞式篇
どうも。まもなくです。


はじまりました。


何らかでのノミネートされた映画が繋ぎ合わされて紹介されています。


クリス・ロックが登場です


ホワイト・オスカーについて語ってます。「仕事失いたくないからね」とホスト引き受けた理由にしています。


60年代にもノミネートされてないのにボイコット運動なんて起きなかったのは、黒人にはもっと他に戦うものがあったからだと。


ポーツ・ジアマッティをクリスは「落選不当だ」と言ってますね。おもしろい。


多様性に関して前向きないいスピーチだったんじゃないかな。この人はこういうパフォーマンスの方が良い。ピアノの弾き語りでバラードですけど、資質的にはミュージカルとかスタンダードとか、そういうエンタメ感覚に近い人なんだよね。


エミリー・ブラントとシャリース・セロンがプレゼンター。


オリジナル脚本
スポットライト


この部門からはじめてるのはなにか意味があるのでしょうか。普通、助演の男優か女優なんですけどね。



ライアン・ゴスリングとラッセル・クロウがプレゼンター。


脚色賞
マネーショート


これも予想通り。


黒人がいかに役を取りにくいかというのを今年の映画の名シーンのパロディで見せてます。


そこでステイシー・ダッシュ出すの、キツくないか。


サラ・シルヴァーマンがプレゼンター。

サム・スミスが「Writings On The Wall」を歌います。なんかうわずってますね。曲、たしかになんかはっきりしないんだよね、これ。


ケリー・ワシントンとヘンリー・カヴィルがプレゼンター。作品賞ノミネートの紹介なんてやってますね。


JKシモンズがプレゼンター。声がいい。

助演女優賞
アリシア・ヴィキャンデル(リリーのすべて)


下馬評通りでしたね。


ケイト・ブランシェットがプレゼンター。


コスチューム・デザイン
マッドマックス

最多賞の期待のかかるマッドマックス、1勝目です。


ティナ・フェイとスティーヴ・カレルがプレゼンター。

プロダクション・デザイン
マッドマックス

2勝目。


マーゴット・ロビーとジャレッド・レトがプレゼンター。なぜ「マジック・マイク2」のボケ・ギャグが?

メイク
マッドマックス

3勝目。

ベニシオ・デルトロとジェニファー・ガーナーが作品プレゼンター。



あのシュガ・ナイト、本物?

レイチェル・マクアダムスとマイケルBジョーダンがプレゼンター。


撮影賞
レヴェナント

3年連続受賞ですね。この映画で納得いくの、これだけなんだけどね。

プリヤンカ・シプラとリーヴ・シュライバーがプレゼンター。

編集賞
マッドマックス


4勝目。ただ、これを取れなかったことで「スポットライト」と「ビッグ・ショート」はキツくなったね。


アンジェラ・バセットが「ブラック・ヒストリー・マンス」でナンセンスなギャグを。


チャドウィック・ボーズマンとクリス・エヴァンスがプレゼンター。


サウンド・エディティング
マッドマックス

5勝目。こんなに勝つんだったら作品賞でもいいのにね。



サウンド・ミキシング
マッドマックス

6勝目。



アンディ・サーキスがプレゼンター。

ヴィジュアル・エフェクト
エクス・マキナ

これは意外な勝利だけど、インディに夢があっていいいね。アリシアもこっちで取れば良かったのに。


オリヴィア・マンとジェイソン・シーゲルがプレゼンター。ハリウッドのテクノロジーCMです。

C3POとR2D2が登場。BB8も。


クッキー配布してますね。


ミニオンがプレゼンター(笑)。

短編アニメ
Bear Story


ウディとバズ・ライトイヤーがプレゼンター。

長編アニメ
インサイド・ヘッド

まあ、脚本賞にまでノミネートされてたわけだしね。

ケヴィン・ハートがプレゼンター。ウィーケンドが「Earned It」を歌います。やっぱ彼はこれだって!!


リース・ウィザースプーンとケイト・ウィンスレットがプレゼンター。作品紹介です。


クリス・ロックが黒人の一般市民にホワイト・オスカーについてインタビュー。映画名でいろいろ聞いてボケた答えを引き出してます。これ、「黒人が、黒人の出てるものしか興味持たない」という結構キツいジョークですな。


パトリシア・アーケットがプレゼンター。

助演男優賞
マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)


あ〜、スタローン、取れなかったね。まあ、演技力ではこの人だけどね。でも、これを逃したことで、「レヴェナント」になるのかなあ。


ルイCKがプレゼンター。

短編ドキュメンタリー
A Girl In The River

デイジー・リドリーとデーヴ・パテルがプレゼンター。

長編ドキュメンタリー
AMY


取るべきものが取ったね。

フーピー・ゴールドバーグがプレゼンター。ヒューマニタリアン・アワーズでジーナ・ローランズ、デビー・レイノルズ、スパイク・リーが受賞です。

そしてアカデミーのシェリル・ブーン・アイザックがスピーチ。アカデミー内の人種校正改革を促した人です。


ルイス・ゴセット・ジュニア、すごく久しぶりに見た。

デイヴ・グロールがビートルズの「ブラック・バード」を歌って物故者を忍んでいます。シンガーとして招かれるようになったか。


「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の子役の子とジェイコブ・トレンブリー君。


短編映画
Stutter



ソフィアヴェルガラと、韓国の俳優さんがプレゼンター。

外国語映画賞
サウルの息子(ハンガリー)


大本命がとりましたね。


ジョー・バイデンが登場。スタンディング・オヴェーションです。性犯罪防止についてのキャンペーンです。

そしてダイアン・ウォーレンとガガのパフォーマンスの紹介。

ピアノの弾き語りで、かなりレンジの大きい難しい曲を熱唱。歌のテーマ性の問題もあり、すごくエモーショナルですね。こういうパフォーマンスの方が彼女は絶対にいいよね。ロックじゃなくて、ミュージカルとかスタンダードとかに拡大した方が良いと思う。


クインシー・ジョーンズとファレル・ウイリアムスがプレゼンター。


オリジナル・スコア
エンニオ・モリコーネ(ヘイトフル・エイト)



大巨匠、遂に受賞です。もちろん、スタンディング・オヴェーション!

イタリア語で賛辞を示しています。昔の黒澤のスピーチを思い出しました。

ジョン・レジェンドとコモンがプレゼンター。

最優秀ソング
Writing's On The Wall/Sam Smith


まあ、推してる人はいたからねえ〜。評判必ずしも良くなかったけどね。


オリヴィア・ワイルドとサッシャ・バロン・コーエンがプレゼンター。残った作品賞候補を紹介。


JJエイブラムスがプレゼンター。

監督賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(レヴェナント)

あ〜あ、最低!


悲しいかな、脚本系の賞しか受賞が期待出来ないのが響いたね、「スポットライト」と「マネーショート」は。ジョージ・ミラーが取れば良かったのに。技術系であれだけ独占したらそれでも良かったのに。


エディ・レッドメインがプレゼンター。

主演女優賞
ブリー・ラーソン(ルーム)


おめでとう!この映画がベストな形で賞が取れて良かったよ。


ジュリアンムーアがプレゼンター。


主演男優賞
レオナルド・ディカプリオ(レヴェナント)


まあ、これで「取れない」としきりに言われていた歴史が終わるね。この映画じゃなかったら喜んだんだけどね。熊に感謝だね。


モーガン・フリーマンが最後のプレゼンター。ここまで来たら、もう決まりでしょ。


作品賞
スポットライト



うおおおおおおおお!!!!!!!!!!

やった、ザマミロ、このやろう!!!!!!!!!


なんだよ、これだったら、監督賞、ジョージ・ミラーじゃん。なんだよ、あんなのでイニャリトゥってさ。



 
author:沢田太陽, category:アワード, 10:23
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第88回アカデミー賞2016速報生ブログ〜レッド・カーペット篇
どうも。


慌ただしくはあったのですが、レッドカーペット、やりましょう。


さっき、悪天候で停電が起こったんですけど、もし今日止まったら、そういうことだと思ってください。


今のところ、あんまり取材受けてませんね。アリシア・ヴィキャンデルが薄いイエローのロングドレスで可愛かったくらいですかね。若干、アリアナ・グランデ入ってましたけど。


「スター・ウォーズ」のレイことデイジー・リドリーはグレーに光り物鏤めたいい感じのガウンですね。


オリヴィア・ワイルド。ホワイトの両肩から胸をセクシーに隠したホワイトのガウンですね。


シアーシャ・ローナン。グリーンのスパンコールのロングドレスにブロンドのダウンヘア。そこまで特別な服を着てる感じはないんですけど、このカジュアルさは僕は嫌いじゃありません。


ソフィア・ヴェルガラが大きなサイズのブルーのガウン。ゴージャスです。ただ、プレゼンターなのでもう少し控えめなものの方が良かった気も。


コモン。きれいな真っ白なスーツにボウタイです。なんかアワードでよく見る顔になりましたよね、彼。


「ゲーム・オブ・スローンズ」のサンサことソフィー・ターナー。プラチナの艶やかなロングドレスに赤毛の片寄のヘアアレンジがセクシーです。まだ若いんだけどね、この子。


オリヴィア・マン。オレンジの右肩だけが露出した素敵な2ピースのドレス。色、形ともに僕は好きですね。ステラ・マッカートニーのデザインだそうです。


ジェニファージェイソン・リー。薄紫のロングドレスですけど、胸のそのめくれは、う〜ん。


マーゴット・ロビーのゴールドのガウン!ちょっと目を奪うなあ、これ。


ブリー・ラーソン。今夜の主役ですが、どうだろうなあ〜。ブルーの、中東のお姫様みたいなドレスですが、なんかオスカーっぽくないんだよなあ。見ようによっては仮装入ってる感じも。真ん中分けのダウンヘアがアリシアとかぶりましたね。


ジョン・レジェンド夫人のモデルのクリッシー・タイガンがパープルのシースルーのすごくゴージャスなマタニティ・ドレス。出産控えたファッションとしてはお見事です。


ケリー・ワシントン。ベストドレッサーの常連なんですけど、今日の胸の、エロ戦士の鎧みたいな胸のパートは・・。


インドの人気女優、ブリヤンカ・ショプラ。激美人なんですけど、今日のホワイトのロングドレスもセクシーです。


ジュリアン・ムーア。この人にしてはだいぶ洗練された、ややカジュアルめなブラック・ガウンですね。


ティナ・フェイ。紫の、胸一線のラインのロングドレス。色が素晴らしいです。ネックレスとまとめ髪のシンプルさも良し。


ケイト・ウィンスレットですが、ことしは微妙ですね。ショート・ボブの髪型はかわいいんですけど、なんか全体的に植物っぽいんですよね。肩の張り方はグラムロック的です。


ナオミ・ワッツと、リーヴ・シュライバーの夫婦。ダンナが「スポットライト」のメインキャストですからね。ナオミの、ブルー地が微妙にレインボーになる服は、これ、構造を知りたいですね。お見事です。


レオです。今日の主役ですね。嫌いな映画だけど。





 
author:沢田太陽, category:アワード, 08:40
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最新全米映画興行成績
では、月曜恒例、全米映画興行成績を(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。


1(1)Deadpool
2(-)God Of Egypt


3(2)Kung Fu Panda 3
4(3)Risen
5(-)Eddie The Eagle


6(-)Triple 9

7(5)How To Be Single
8(4)The Witch
9(6)Race
10(9)The Revenant

 
author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 04:48
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ストーンズのサンパウロ公演を見て改めて感じたこと
どうも。


明日はオスカーですが、その前日、僕はこれを見に行っていました。




サンパウロのモルンビ・スタジアムで行なわれたローリング・ストーンズのライブです。


 以前ここで、「なんか、ファンになるのに迷いがあって、なかなか夢中になれなかった」みたいなこともここで書きましたけど、今回に関して言えば、ようやくストーンズのサウンドが理屈じゃなく感覚的にいいなと思えるようになって来ていることや、「もう、ここらで本腰入れてみないと先がない」とも思ったのか、いつも「まあ次の機会に」と思い続けていた僕が、チケット発売当日にチケットを買うほど、今回のライブは楽しみにしていました。「ようやくストーンズにハマるチャンスがこれで出来るかも」と自分の変化も楽しみにしていました。


 で、見に行った感想ですが


 すごく良かったと思います。


が!


 我を忘れて没入するほど夢中になれなかった!


 というのが、本音ですかね。


「一度、18年前に見ている」ということで、改めてビックリすることがなかった」というのも、もちろんあると思います。その意味で、12月に見て衝撃を受けたデヴィッド・ギルモアほど衝撃を受けなかったことはあるでしょう。


 今回僕が再認識したのは、「ミック・ジャガーって、ものすごいフロントマンだったんだな」ということです。以前は、シンガーとしてそこまでうまいというわけでもないから、「どうして、この人がそこまで」と思っていたとこもあったんですけど、いや〜、すごいですよね、あの脚!72歳になって、あの細さ!!しかも、すごい弾力性ですよね。身のこなしのあれは衝撃でしたね。もちろん、今までもさんざん見て来た光景ではあるんですけど、前人未到レベルの年齢になっても改めてやられるとやっぱ驚愕だよな、と。


 しかも、あの動き、その後のシーンにおいて、後継者全くいないものですよね!ロックにはもちろんいないし、R&B/ヒップホップでも、集団ダンスであれよりも激しい動きそのものはあるんだけど、それって、あまりにもダンスに特化しすぎて、リップ・シンクとかを必要とするものになるでしょ?そう考えると、「ちゃんと歌えながらでの動き」を考えると、全く後継者がいないですよね、あれ。しかも、声も、昔と全く同じレベルのものを提供できてますしね。


 ただ


 結局のところ、キース・リチャーズという人があんまり得意じゃないのかもしれないなあ、と思いましたね。もちろん、ロック史における功績の大きさは言うまでもないし、あのリフがなければロックのある部分が形成されなかったのも事実。彼が防波堤となることで、フロントマンとしての才能にあふれすぎたミックがロックンロールから脱線せずに食い止める役割を担っていて、そこにケミストリーを生み続けているという、バンド内の物語性もあることも十分理解出来ます。


 ただなあ〜。僕、あの


アニキ感


 あれが結局のところ、得意じゃなかったんだなあ、とハッキリわかりました。


 誤解しないでほしいのは「嫌い」というのではありません。僕には古くから「3大苦手バンド」というのが数10年前から存在するし、それとは別にニュー・メタルであったり、昨今の一部の2線、3線級の共感型女性シンガーとかEDMとかの方が比べ物にならないほど嫌悪感情があるので、そういうのとも全く比較することもありませんよ。


 ただ、これはキースに限ったことじゃなく、客席から「アニキ〜」という野郎の野太い声援が飛ぶことが容易に想像される全ての男性アーティストに言えるんですけど、ちょっと、というか、だいぶ生理的に苦手なんです(汗)。そういうこともあったのかなあ、キースのソロ・コーナーが2曲あるんですけど、本音で言ってしまうと「1曲でいいんだけど・・」と思ってしまいましたからねえ・・。あのコーナーで、ちょっと、あくまで個人的な感覚上の問題なんですけど、集中力が切れてしまったところがあります。


 ただ、そんな風に思ったのは、こういう状況もありました。


「そういえば、ブラジルだと、キースのアニキ的な盛り上がり、ないな」


 そこのコントラストに日本との違いを強く感じ、「日本でのあのアニキ感は一体何なんだ」という思いが脳裏に強くよぎってしまったことが直接的な原因でしたね。

 
 今の日本でのストーンズのオーディエンスのことは知りませんが、ストーンズ・ブームのあった90sの頃って、いわゆる「キース・ウォナビー」みたいなタイプの人がライブに多かったですもん。そういう人で若い部類になるとエアロスミスとかガンズのライブにもいたので、なおさらそんな風に思えたのかな。そうじゃなくてもストーンズって、「野郎が、野郎に憧れる」みたいな印象がなんか、日本にいた頃に僕は感じられたものです。


 ただ、この日のサンパウロでのショウを見る限り、そんなことは全然なかったですね。むしろ多かったのは、そんな「男としてのいきがり」みたいなものを全身から醸し出す人ではなく、むしろ「普通の人」がほとんどだったし、驚くことに、女性比率がすごく高かったんですね。しかも、20〜30代の女性。このイメージはストーンズのライブに僕が抱いていなかったものです。

 
 で、改めて思ったんですが、「欧米圏で、ミック・ジャガーというのはかなりのセックス・シンボルなんだな」ということです。そこはさすがに「Moves Like A Jagger」なんて曲まで生まれてしまっているくらいですからね。60sの頃にはストーンズもビ=トルズ同様にアイドルだったわけですけど、欧米圏ではそのノリがまだ一部、代を変えて存在し続けているんだな、というのを、会場の半分近くいた女性客を見るにつけ思いましたね。日本だと、「ブルースに求道的な男の音楽」って感じがどこかあったと思うんですけど、単純に「セクシーでカッコいいじゃん」というのがフランクに許容されている感じがありましたね。そういうノリの方が僕は好きだけどなあ。


 ライブそのものの方ですが、「ベスト・オブ」の内容で、聴きたい曲はひととおりやりましたよ。「She's A Rainbow」とか、このところセットから外れていた僕の大好きな「Miss You」までやってくれたのは嬉しかった。あと、ここのところオープニングでずっと来ていた「Start Me Up」を、後半のキメ曲だった「Jumpin' Jack Flash 」とサプライズ入れ替えをしたのも良かった。リクエスト曲は「All Down The Line」。大好きなロックンロールだったのでうれしかったです。



 ギルモアのライブ同様、「これも未来に受け継ぐべき遺産だよなあ」とは強く感じられたのは事実です。ただ、「良い、悪いでの評価」ではなく、「あくまで一個人との相性」という意味では、僕はザ・フーやボウイやフロイドほどにはストーンズ向きではないのかなあ、と感じてしまいましたねえ。
 
author:沢田太陽, category:ライヴ・レヴュー, 13:15
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最新全英チャート
どうも。






 2日前にあったブリットアワーズのトリビュートパフォーマンスですけど、いやあ〜、もう、これは何度見ても鳥肌もんだよなあ〜。アニー・レノックスとゲイリー・オールドマンの弔辞からはじまって、オリジナルのボウイのバックバンドが代表曲をインストで演奏して、最後はLordeが、オリジナルと全く同じ伴奏のもと「Life On Mars」を、実に彼女らしい、緊迫感をただよわせる呪術性溢れる歌声でシメてくれた。もう〜、これですよ!このアーティくささ!ボウイのトリビュートはこうじゃないと。なんかグラミーでのガガのトリビュートというのは、申し訳ないけど、すごく外面的な表層的な感じで終わってしまった観が否めないんですけど、やっぱり音楽の本質を根本的に理解しているかいないかで全然違うものになるんだなと、今回改めてわかりましたね。


 勢い死後にものすごく知名度が上がっただけに、よく知らないガガのでも良いのかもしれないけど、ボウイ自身が70sの際に「世界最大のカルト・アーティスト」だったわけで、そのポジションに晩年戻っていったわけですけど、そう言う側面が理解されないと本当にボウイをわかったことにはならないですからね。ガガのパフォーマンスには奇しくも80sボウイの大衆人気の立役者のナイル・ロジャースも参加してましたけど、ナイルは才人なので決して悪く言いたくはないんですけど、あのガガのパフォーマンスは大衆的な80sボウイを悪くデフォルメしたような感じにしか映らなかったんですよね。


 それにしてもLordeはニルヴァーナのロックの殿堂入りパフォーマンスでの、生き残りニルヴァーナをバックにしての「All Apologies」の熱唱につぐ伝説のパフォーマンスですよね。まだ19歳だというのに。今後が本当に楽しみですよ、彼女。



では、土曜日恒例、全英チャート、行きましょう。


SINGLES
1(1)7 Years/Lucas Graham
2(3)Work/Rihanna feat Drake
3(4)Fast Car/Jonas Blue feat Dakota 
4(2)Pillowtalk/Zayn
5(7)Love Yourself/Justin Bieber
6(9)Lush Life/Zara Larsson
7(5)Stiches/Shawn Mendes
8(6)Secret Love Song/Little Mix feat Jason Derulo
9(8)Sorry/Justin Bieber
10(17)Hymn For The Weekend/Coldplay


ルーカス・グレアムが2週連続で1位。これ、アメリカでもものすごい勢いで上がってきてます。世界的なヒットになりそう。


コールドプレイの「Hymn For The Weekend」がトップ10入り。最新作からなにげに2曲目のトップ10です。



では、アルバムに行きましょう。


ALBUMS
1(1)25/Adele
2(2)Best Of Bowie/David Bowie
3(-)Phase/Jack Garratt
4(3)Purpose/Jusin Bieber
5(5)A Head Full Of Dreams/Coldplay
6(6)I Cry When I Laugh/Jess Glynne
7(17)Chaos And The Calm/James Bay
8(8)Get Weird/Little Mix
9(9)ANTI/Rihanna
10(12)This Is Acting/Sia


アデルとボウイの1、2フィニッシュが続きます。


3位初登場は今年のBBC Sound Ofで1位に選ばれた新人R&Bシンガー、ジャック・ギャラットのデビュー作。

聞いてみましょう。





悪くはないんですけど、どこかで聞いた感じは否めないんだよなあ。これだと、XXとかジェイムス・ブレイクの亜流の感じがどうしてもね。レヴューでも「generic(ノー・ブランド)」との単語が飛び交ってましたからね。


 
author:沢田太陽, category:全英チャート, 15:51
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映画「ブルックリン」感想〜古き良き日本映画をも思わせる奥ゆかしい英国風味
どうも。


今日はオスカー作品賞ノミネート、最後のひとつの作品のレヴュー、行きましょう。これです。





 この「ブルックリン」という映画。タイトルはブルックリンですが、イギリス映画です。この写真からもわかるように、いわゆるピリオド・ドラマ。1950年代のアイルランドとアメリカを舞台にしています。ヒロインは、まだ21歳なんですよね。シアーシャ・オーナンです。


 では、あらすじに行きましょう。




 ときは1952年。エリス・レイシー(シアーシャ・ローナン)はアイルランドの小さな街の雑貨屋(パン屋?)で働いていました。その店は女主人がなかなかに意地の悪そうな人なんですが、ある日、エリスのおねえさんのローズがエリスのために別の仕事を見つけてくれました。それはニューヨークのブリックリンにあるアイルランド人居住区での仕事でした。




 エリスはそれを活かし、船にアイルランドからニューヨークに渡ります。心もとない一人旅では、船酔いで大変なこともありましたが、無事税関を通り抜け、アメリカ生活がはじまります。





 エリスはそこで、デパートにつとめはじめ、フォルティニさん(ジェシカ・パレ)の指導を受けます。そして、デパートの職の口や宿泊場所の面倒を見た優しい神父さん、フラッド牧師(ジム・ブロートベント)さんの協力のもと、夜間に簿記のクラスを受けにも行きます。




 宿泊場所では、マッジさん(ジュリー・ウォルターズ)のもと、年頃の娘たちと一緒に寝食を行ないます。マッジさんと先輩たちの勢いの良い会話にエリスは最初タジタジになりますが、次第に打ち解けます。マッジさんも、まじめなエリスをいたく気に入り、かわいがられます。




 そんなエリスですが、先輩たちと出かけたダンス・パーティの際、ある若者にナンパされます。それがアントニー・フィオリオ(エモリー・コーエン)でした。配管工をしている若いイタリア系移民で、お金も品もなさそうだけど、屈託のないナイスガイである彼は熱心に誠意を込めてエリスを口説きます。彼の思いに対し、まだ恋愛に不慣れなエリスは返答に困る日々をすごしますが、やがてそれを徐々に受け止めていくようになります。




 やがてエリスはアントニーの家にも招待され、野郎主体のにぎやかな大家族でスパゲティを食べる中、歓迎を受けます。アントニーとの恋仲は急速に深まって行き、その関係はやがて性的なものに発展し、さらに・・。それは郷里の姉、ローズとの手紙のやり取りの仲で言及できないほどでもありました。


(中略)




 ある出来事が起きたことにより、エリスは急遽、アイルランドに帰省をしなくてはならなくなりました。アントニーはその帰国の間に彼女の気が変わり、故郷に永住するのを恐れて難色を示しますが、数週間の予定で帰ることになりました。そこでは、本来の用の他に、ベスト・フレンドの結婚式もありましたが、そこで彼女は金持ちの御曹司ジム(ドーナル・グリーソン)と出会います。そのジェントルな物腰と積極的な働きかけにエリスは戸惑いながらも惹かれて行きます。そして、エリスの知らない間に、このジムとの関係を後押しするような状況も生まれていました。エリスの心は次第に・・


・・と、ここまでにしておきましょう。


これはですね





2009年に発表された同名の小説の映画化です。これは評判になって、イギリスの権威ある書籍賞、ブッカー・プライズの候補にもなったほどの作品です。そういう意味で、かねてから期待が高い作品で、この映画版も昨年のサンダンス映画祭ですごく話題になっていたものでした。


これですけど


すごく良いと思います!


 これは、良い意味で、すごくイギリス映画のいいエッセンスで作った映画だなと思いましたね。テレビだと「ダウントン・アビー」といって、20世紀初頭の上流貴族の一家の日常を淡々と描いた作品がずっと人気を得てましたけど、イギリス映画って、こういう日常のライフ・スタイルの中にさりげなく、決して説教臭くなりすぎないような感じで、ライフ・レッスン的なものを溶かして消化させているというかね。


 あと、なにげない食事のシーンとかでの会話のボケ、ツッコミとかウィットにとんだ言い回しとかの可笑しさとかでも十分惹き付けるんですよね。今作は特に、エリスの寮のおばあさんの台詞とか、アントニーの自宅での家族の会話とかにそれが生きてましたね。


 それもそのはず、今作の脚本家はこの人ですもの。





ニック・ホーンビー!


 「ハイ・フィデリティ」も「アバウト・ア・ボーイ」も彼の作品ですけど、会話のキャットボール上での駆け引きの上手さと、おかしな中に知的さを忍ばせる鋭さのあるセリフを言わせたら、やっぱこの人の作品はトップクラスですね。もう、何も考えずに、登場人物の会話聞いてるだけで引き込まれますからね。


 あと、今回の作品は、こういうさりげない日常の断面を切りとった作品であるのに加え、50年代というエレガントで人々の性に対する表現も現在のように直接的じゃなくて、どこか良い意味で抑制されて洗練されたものに良い意味でなっていると思います。


 そういう意味で、見ててこういうノリを思い出しましたね。





 こういう、古き良き日本映画ですよね。特にこの、原節子が出るタイプですね。小津とか成瀬とか、そう言う作品のときの。すごくまじめで公明正大な感じというのが決してスクエアな感じに見えず、ちゃんと共感を持ってどんな人からも支持される「人間的な美しさ」がちゃんと評価されるキャラクターというかね。


 
author:沢田太陽, category:-, 08:49
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