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10数年で3度も!トム・ペティのパクられ人気
どうも。

このところ、一番気になってるのはやはりオスカーの受賞対象作を見はじめている映画なんですが、今日はこの話をしておこうかなと思い音楽ネタです。しかも話題のネタはこの人です。




トム・ペティ!

つい先日、彼のことが音楽メディアを賑わせました。それはサム・スミスの「Stay With Me」のソングライティング・チームが、グラミーを直前にして、主要部門にノミネートされている同曲を、かねてからずっと指摘されていたトム・ペティの「I Won't Back Down」に酷似していることを認め、この曲のソングライターだったトム・ペティとジェフ・リンを「Stay With Me」のソングライティング・クレジットに加えることを認めた、というものです。


これ、多分、グラミー賞を受賞してからパクリ騒ぎが大きく取り沙汰される前に先に手を打っておこう、というものだったんじゃないのかな、と思います。この件に関し、当のトム・ペティ本人は「曲作ってたら、こういうことは得てしてあるもんだよ」と、そこまで盗作を訴えそうでもなさそうだったんですよね。おそらく周囲の方がトムに気を使ってのことだったんだと思います。


たしかにこの2曲、前もここで話したことあると思うんですけど、ソックリなんですよね〜。それは



こんな、「曲のスピードをズラしたら全く同じ曲だよ」という説明動画が出回るほどでした。

じゃあ、改めて2曲、聴き比べましょうか。




「Stay With Me」がマズかったのは、サビの16小節分のフレーズがほとんど同じだったことですね。たしかパクリの基準って、小節数で決まるはずなので、そこで作った側は「ヤバい」と思って認めたのかもしれません。


ただ、不思議なことに、トム・ペティがパクられで騒がれたのは、これが最初ではありません。それどころか3度目です!

2001年にはこの曲でまず話題になりました。



 
2001年、この当時かなり人気でしたね。ストロークスの「Last Night」。そしてトム・ペティの1976年のデビュー・ヒット「American Girl」。これは、引っ掻いた感じの音質のギターと、2拍目を強調したつんのめるようなドラム・パターン。そして歌いはじめてもなんとなく似ている感じですね。僕はこの当時「American〜」の方は聴いたことはあったものの、ストロークスと結びつくような感じで覚えていなかったため、すごく意外に感じたものでした。そして、「こんなにパンクっぽかったんだ」と思ってトムへの好感度が上がったものでした(笑)。


そして、その5年後の2006年、これは結構パクりを指摘する声がリリースされた直後からありましたね。これです。




はい。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Dani California」とトム・ペティの1992年の大ヒット曲「Mary Jane's Last Dance」。このときはアメリカ国内で結構話題となりました。


僕は「Mary Jane〜」は覚えてはいたんですけど、サビの方をむしろ印象深く覚えていたので、「そんなに似てるっけ?」と最初思ったものでしたが、いざ聴いてみると・・・似てました(笑)。マイナー調のイントロとトーキング・スタイルの歌いだしですね。

ちなみにトム・ペティ、この2曲に関しても、別段気にしてる様子はなく、実際に訴えてもいません。


まあ、偶然ではあるとは言え、13年で3度もパクられたことが話題になったアーティストって、ほかに聞いたことがないので、「やっぱトム・ペティってすごいんだな」と改めて見直している次第です。80sのときから好感度は高く持っていて、まさに「I Won't〜」が入っている「Full Moon Fever」というアルバムは僕の大学時代の愛聴盤でもありました。


ちなみにトム・ペティ、去年ニュー・アルバムを出しまして、60歳を超えてはじめて全米アルバム・チャート1位を制したことで話題を呼んでいました。これも年齢のことなど全く感じさせない、キレのいいロックンロール・アルバムで「お見事」と思ってもいました。そこからの曲でシメますが、なんか遠くないうちにまたなんかパクられそうな気がしています。








 
author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 10:37
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最新全米チャート
どうも。

もう早いもので1月も終わりますね。なんかアッという間だな。

では金曜恒例、全米チャート、行きましょう。


SINGLES
1(1)Uptown Funk!/Mark Ronson feat Bruno Mars
2(2)Thinking Out Loud/Ed Sheeran
3(4)Take Me To Church/Hozier
4(3)Blank Space/Taylor Swift

5(5)Shake It Off/Taylor Swift
6(8)Sugar/Maroon 5
7(6)Lips Are Movin'/Meghan Trainor

8(7)I'm Not The Only One/Sam Smith
9(9)Jealous/Nick Jonas
10(12)Centuries/Fall  Out Boy

上位変わりません。マーク・ロンソン、エド・シーラン、ホージャーでガッチリ固めましたね。なんとなくホージャーがまだ上がりそうな気がするんですけどね。

今週トップ10に初登場はフォール・アウト・ボーイですね。これは後ほど紹介します。

では圏外に行きましょう。20位に上昇中のこの曲で。



エリー・ゴールディングの「Love Me Like You Do」。

彼女、昔から、所属事務所が強い利点を活かして大型タイアップを取ってくる運の良さがあるんですが、今回も国際的にバレンタイン・デイに公開の話題作「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の主題歌に選ばれています。このMVでも映画のシーンがふんだんに取り入れられてますね。

エリーはイギリスのときにはハロッズのクリスマスのCMソングやったり、アメリカではこの前にもシャイリーン・ウッドリーの「ダイヴァージェント」の主題歌もやってるし。なんで、こんなにタイアップが続くのかなあ。同じ事務所のジェシーJの企画ぶちこみも目立ちはするんですけど、ジェシーがちょっと頭打ちな感じもある分、こっちに回って来やすくもなっているのかな。

では、アルバムに行きましょう。


ALBUMS
1(-)American Beauty/American Psycho/Fall Out Boy
2(2)1989/Taylor Swift

3(1)Title/Meghan Trainor
4(4)X/Ed Sheeran
5(-)B4Da$$/Joey Bada$$
6(6)The Pinkprint/Nicki Minaj
7(-)What A Terrible World,What A Beautiful World/The Decemberists
8(-)The Pale Emperor/Marylin Manson
9(7)In The Lonely Hour/Sam Smith

10(5)Uptown Special/Mark Ronson

初登場で1位はフォール・アウト・ボーイ。再始動後に2作連続で初登場1位ですね。

では、ここで今週10位の「Centuries」、聴きましょう。




個人的にフォール・アウト・ボーイのシングル曲で、はじめて「いいじゃん」と思った曲になりました。これまではどうも暑苦しい大仰な感じがちょっとトゥーマッチだったりピート・ウェンツの出たがりな感じが「なんだよ〜」なとこがあったんですけど、開き直って大げさな部分を押し通して、でもなおかつ音楽にまじめな感じがなんか感じられるように、なんとなくだけどなって来たのかな。別にスザンヌ・ヴェガをサンプリングしているとことかは「あっ、そうなんだ」くらいの要素でしかないんですけど、この曲でのパトリックの歌の情感はなかなかだと思います。

5位初登場は19歳の若手ラッパー、ジョーイ・バッダス。7位にはアメリカのインディ界では本当に強いですね。ザ・ディセンバリスツ。8位は久しぶりのマリリン・マンソン。

今週はロックファンが喜びそうなタイトルが圏外にも並んでいます。18位には10年ぶりの新作となるUSのガールズ・インディ・パンクのカリスマ、スリーター・キニー、20位にはビヨーク、そして28位にはベル&セバスチャンの新作がエントリーしてきています。

この中から今日はスリーター・キニーでシメましょう。もともとは彼女たちはUSの老舗インディ・レーベル、Kill Rock Starsの看板バンドで、90s初頭の「ライオット・ガールズ」のムーヴメントの終わったあとに継承者的に出て来て人気だったんですけど、2005年に活動休止になっちゃったんですね。そのあと、ギタリスト/ヴォーカルのキャリー・ブラウンスタインが、「サタディ・ナイト・ライヴ」随一の音楽好き、フレッド・アーミセンと一緒にコメディ「ポートランディア」でコメディエンヌ・デビューしたんですね。このコメディも好評で、早いものでシーズン4まで行きましたけどね。そうしているうちにキャリーの評価も上がって行き、その好調さを維持したまま、スリーター・キニーの再始動となりましたね。今回のアルバムもかなり評判がよく、それが過去最高の18位という数字にもつながりました。

では、彼女たちの曲でシメます。









 
author:沢田太陽, category:全米チャート, 08:32
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映画「フォックスキャッチャー」感想〜映画史上最も静かで実験的なスポーツ映画・・なんだけど
どうも。

オスカー関係の映画レヴュー、2月の中旬まで頻繁に行きます。

今日はこの映画です。

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「フォックスキャッチャー」。作品賞のノミネートこそ逃しましたが、監督、脚本、主演男優、助演男優などにノミネートしたことから、やはり今回のオスカーの中での重要な映画ということができるでしょう。

これは1980年代にアメリカで起こった、実話をもとに作られた映画です。話としてはすごく奇妙です。

では、あらすじに行きましょう。


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話の中心となるのは、1984年のロサンゼルス・オリンピックで兄弟共に金メダルを獲得したデイヴ(マーク・ラファロ)とマーク(チャニング・テイタム)のシュルツ兄弟です。デイヴはメダルの獲得で満足し、愛する妻と子供との生活に一生を捧げようとしますが、まだ若く、とにかくアマレスが大好きなマークは、続く1988年のソウル・オリンピックでも金メダルを狙っています。

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そんなマークにある男から連絡が入りました。その男の名はジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)。彼はアメリカ最大の化学工業の企業、デュポンの御曹司です。デュポンによると、彼は自身もアマレスの指導者をやっていて、シュルツ兄弟の大ファンなんだとか。また、彼は愛国者でもあるので、ロス五輪をボイコットしたソ連(当時)が参加して来るソウル五輪で優勝してこそ、真のチャンピオンなのだ、ということも語ります。そして、その彼の夢を実現させるためにも、マークに、自分のレスリング施設「フォックスキャッチャー・ファーム」の所属になってもらい、そのかわり、全力で彼のソウル五輪に向けてのバックアップを約束すると切り出します。

ジョンの話に共感し、信じられないほどの巨額支援を得たマークはフォックスキャッチャーの一員になることを引き受けます。実はデュポンはデイヴのフォックスキャッチャー入りも希望しますが、半引退状態のデイヴの気持ちを覆すには至りません。

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ただ、デュポンには変な傾向がありました。彼は裏山で狩りをするのが好きで拳銃を扱いますが

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ある日、練習中にピストルを持って参上したりもします。そして自分のことを「私は周囲から『ゴールデン・イーグル』と呼ばれている」などと、マークたちの目が思わず点になるようなことも言います。


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マークの活躍で、フォクスキャッチャーの世間の評判は上がって行くことになります。そこでデュポンのメディア露出も増えて行くことになるわけですが、そこでシュルツはマークに背後にムキムキ・ポーズを決めさせ、自分の宣伝写真などを作成する、きわめてナルシスティックな行為に出たりもします。
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そして、なかなか自分のことを認めてくれない、一族の権力者の母親(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)の前では、普段、自分から別段なにも指導なんてしないのに、彼女の参観の日だけ、とってつけたように指導のふりをしたりして、いいところを見せつけようとします。


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そして、デュポンとの蜜月が深くなればなるほど、マークは悪いことも覚えて行きます。それはやがて彼の心身も蝕み、困ったことに、ソウル五輪の選考会前に絶不調に陥っていきます。そこでデュポンは、遂にデイヴを招いて、マークのセコンド役をお願いし、彼も引き受けますが・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。


これですね

話の題材的には面白いです。

そして、

役者陣の見せ方もお見事です!

何と言っても



スティーヴ・カレルが、この顔の変わりようですよ!これはビックリしました。メイクの技術の進化で完全に別人ですよね。

さらに



マーク・ラファロもこれですからね〜。



そして、実際のデイヴとデュポン。この似せ方はお見事です。

が!

この映画、これだけじゃわかんないと思います。

とにかく、話のテンポが遅すぎる!!


これは本当に見てて驚きでしたね。見てて、話が先に全然進んでいかず、脇道にそれることもしばしば。


そして、それを助長するように、音がとにかく映画から聞こえてこない!映画の全体で音が来帆的に抜かれてあってですね、たまになにかなったかと思うと、それは、ものすごく音を小さくしたミニマルなピアノ曲だったり。

さらに、ここが一番大事なんですが

単に「実際に起こった事実」をつなげ、あまり詳しい説明もないまま、話が進んで行く!

ここもかなり難しいところなんですよね。僕自身は見る前から、実際に何が起こったのかを知ってたので、そこはあまり苦にならなかったのですが、これ、あまりにも説明的な部分を省いています。そして、

「誰の目線で描かれているのか」という視点をあえてぼやかし、あくまで「客観的」に話を描いている。

この点は斬新かな、と思いましたね。たしかに、話の流れ上、デュポンはかなりおかしな人ではあるんですけど、見てて、被害にあった側のシュルツ兄弟の目線では必ずしも描いてはいないんですよね。そういうエモーショナルな部分が省かれています。それって、このテの伝記的な映画では珍しいことですけどね。通常なら、こういう事実ベースの話って、特定の誰かの視点から描かれることが普通で、それゆえに悪者にあたる人なんてかなり露悪的にされがちなところがあるんですが、この映画はそれをあえて行なっていません。「まあ、悪い人なんだろうけど・・」と状況的な証拠からなんとなくデュポンが悪い人に見えざるを得ない客観的な事実はたくさんあるのだけれど、「そこから先は見る人の判断に任せる」とでも言わんばかりに、見る人の想像の自由の場を与えてくれているんですね。


そういう意味ではこれ、かなり画期的な作品であるのは間違いありません。これ、たとえば、一昔前のオリヴァー・ストーンの映画とかだったら、客観的事実よりも何も「あの歴史事件について、自分ならこう見るんだ」とばかりに、状況証拠がはっきりしないようなことを勝手に信じきって強引に描ききり、その反動で当事者から「そんな事実はない!」と強い反感を買っていたりもしてますが、この映画は、「裏なら取ってます」的な事実をつなげ、そうした反論の余地を極力抑えようとしているようにも見えました。まあ、それでも、実際のマーク・シュルツはこの映画に関して不満をぶつけてましたけどね。

だからなんでしょうね。



監督のベネット・ミラーは、カンヌで監督賞を受賞し、オスカーでも監督賞でノミネートされました!


たしかに伝記映画流行りの昨今、ここまで話を客観化した、感情的な部分を削ったものも珍しいし、批評家的にはそういう部分が斬新で惹かれるところがあること、それは僕にもわかりました。

ただ!

「批評家的な視点で面白い手法」が一般的なオーディエンスにとって果たして通用するのか?


この映画は、そこに大きな疑問を残してしまうことになりました。その狙いが仮にわかったとしても、これ、静か過ぎて、かつ遅過ぎて、体感的にはおそろしく退屈な映画であることは否定しません!


だからでしょうね。カンヌで監督賞なんて大きな賞を受賞しておきながら、今回のアワード・シーズンでは意外と活躍しなかった。それは、この映画を「退屈だ」と感じ反感を抱く人が多かった、ということです。実際、レヴューもこれ、「絶賛」と「酷評」が両方混在していたし、不満としてあがっていたのはやはり話のスピードでしたからね。僕も事前にその話を聞いていたので覚悟はしていたのですが・・・想像以上でした。それが証拠に、僕も見ている途中で何度かあくびをした瞬間があったのですが、なんとか集中力を途切らせることなく見てたのですが、一緒に見ていたワイフは途中からずっと寝てました(苦笑)。そして周囲見ても、寝てる率はすごく高く、エンドロールはじまったとたんに、余韻もなく足早に去る人も多かったですね。


その意味で、テクニカルにはよく考えられている作品ではあるのですが、それが万人にとって面白いかは、ちょっと保証出来ない作品ではあります。
































 
author:沢田太陽, category:映画レビュー, 11:08
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「ファンタスティック・フォー」に「ゴーストバスターズ」・・相次ぐハリウッドのReboot
どうも。

今日、海外の映画サイトはこの2つの話が目立ちましたね。これです。



この2つの映画のリメイクですね。最近はシリーズをやり直す意味もあって「リブート」という言い方もされます。

まずひとつは「ファンタスティック・フォー」。まあ、印象としては、マーヴェルの中でパッとしなかったヤツのひとつ、という感じですね。ハッキリ言って公開当時、全くと言っていいほど食指が動かなかった映画です。

それが、そんなに当たった映画のわけでもないのに、前作からわずか8年で完全リニューアルします。それがこういうメンバーになります。



これ、ごめんなさい、「前作のことを忘れて!」って言いたいくらい俄然見たくなりました(笑)。主演、マイルス・テラーですよ!こないだオスカー・ノミネート作としてここでレヴューした「Whiplash」(邦題「セッション」、泣)で主演を演じた彼です。そしてヒロインには、最近ケヴィン・スペイシーのTVシリーズ「ハウス・オブ・カーズ」で好演を見せて話題のケイティ・マーラ。ルーニー・マーラのお姉ちゃんでもあります。そして、「フルーツベール駅で」など、インディで叩き上げて来た期待の黒人俳優マイケルBジョーダン。実は彼、マイルスとは2度目の共演となります。そして、怪物みたいな役にはジェイミー・ベル。かつての「リトル・ダンサー」のかわいい主役の男の子から、今やイギリスの若手の中でも早くも実力派に入りますね。


なんか、前作と全く違う映画に見えます。やっぱ前作って、ジェシカ・アルバみたいな、彼女にこういうと申し訳ないんですけど、キャストに入るだけでどうしても安っぽく見えてしまう人がいるせいでどうしても安っぽく見えるんですよね。あの中にクリス・エヴァンスがいたんですけど、彼だって「キャプテン・アメリカ」で本格的に当てたわけであって。


そこへ行くと今回のは全員、演技に定評のある実力派を揃えましたね。最近のマーヴェルの作品って、「大衆娯楽作だからってナメるなよ!」とでも言いたげに、キャストに「演技で評判の人」を据える傾向が強いんですけど、これもその一環という感じですね。

こちらは2015年8月公開です。


あと、「ゴーストバスターズ」なんですが、なんと、こんな感じです!



なんと主要キャストが全員女性!

しかもこれ、僕はすぐに全員わかるんですけど、特に日本だと知名度のない人が多いですね。説明して行きましょう。

おそらくリードとなるのはクリステン・ウィグでしょうね。彼女は日本でも比較的あたったっぽい「LIFE!」でベン・スティラーの相手役をしてたからわかる人もいると思いますが、僕にとっては永遠に、2000年代後半の「サタディ・ナイト・ライブ」のエースであり、「ブライズメイズ」のヒロインです。そして、その「ブライズメイズ」での爆笑演技が絶賛されオスカーにもノミネートされて以来、今やハリウッドの主演クラスにまでなってしまった体の大きな女優さん、メリッサ・マッカーシー。


そして、今のSNLを代表して、ウィグ抜けた後の女王になっているケイト・マッキノン!さらに、SNLでついこないだ放送作家から、ちょい出のつもりが問題発言連発で話題になり、出演者に昇格した黒人女性のレスリー・ジョーンズ。この4人でやることになりました。

最近、かつての名作のリメイクを、黒人や女性といった、マイノリティの扱いを受けて来た人で行なうパターンが目立って来てるのかな、という気がします。あの「アニー」を黒人の女の子でリメイクする感じとかですね。


ただ、「ハリウッドが道徳的に正しくなっていることをアピールするために、無理矢理リメイクを強引に人種や性を変えてまで行なうのはどうなんだ」という声も強いのはたしかですね。実はこちらは、「ファンタスティック・フォー」のやりなおしほどには映画ファンのウケは良くないですね。

なにせ



このイメージが強いわけですからね。ビル・マーレーにダン・アイクロイド、そしてハロルド・ラミス。ビルとダンは、70s後半のSNLを引っ張った名コメディアンでもあります。

ただ!

それだからこそ、このリブートの配役、絶妙にうまいのに!


ビル・マーレーとダン・アイクロイドということで、本家「ゴーストバスターズ」は立派なSNL映画でもあるんですが、それを、「今を代表するSNLキャストがやって何が悪い?」ということだと思います。しかも、ティナ・フェイやエイミー・ポーラーの活躍した2000年代前半以降のSNLは、もうずっと女性上位です。


そこでクリステン・ウィグというのは妥当な選択だし、もうひとりの選出を、ティナやエイミーといった実績組ではなくて、あえて、つい最近頭角を現したばかりのケイト・マッキノンにやらせるというのは大英断だと思います。実際問題、今、SNLで話題を呼ぶネタのほとんどがケイト絡みだし、「これからもっと番組以外にもアピールしていくべきだ」と思っていました。そして、人種的公平さのバランスも取ったんでしょうね。レスリーが入りました。SNLにはもうひとり、サシーア・ザマタという黒人女性がいるんですけど、彼女だと芸風がスマートになりすぎるので向かないと判断したかもしれませんね。


ただ、メリッサ、レスリー共々、下品ネタでぶっ飛ばすことが出来る人なので、この2人の悪ノリが過ぎるような脚本だと、ちょっと危険なので、そこは気をつけた方がいいポイントではあります。メリッサが「ブライズメイズ」で当てて以降、売れっ子になってから同じような役柄ばかり演じ過ぎて飽きられはじめている雰囲気もあるので、なおさらです。元は「ヒロインのベスト・フレンド」専門の役者さんで「控えめな良い人」みたいなキャラが多かった人なんですけどね。



まあ、「ハリウッドはなんでもリメイクすればいいと思っている」とか、「キャストにガッカリだ」とか、いろんな文句はフェイスブックで見ましたけどね。ただ、皮肉なことに、今回のこのキャストに関してギャーギャー言ってる人って、むしろミーハー度の高いメディアの方に目立って、しかも文句言ってる人の好きな映画調べたら、売れ筋ブロックバスター映画がほとんど、という、皮肉な結果も出てたりはします。インディ寄りの傾向が強いメディアの方が、やっぱキャストの抜擢の仕方が早いこともあって、「良い配役じゃない!」みたいな好意的な反応の方が目立ちます。そういうとこ分析するのも、これまたおもしろいものです。






















 
author:沢田太陽, category:映画, 12:01
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最新全米映画興行成績
どうも。

本当は昨日放送だったスクリーンズ・アクター・ギルド・アワードが録画中継で今テレビでやってます。
これ、本当は毎年ブラジルだと生放送だったのですが、ミス・ユニバースの生放送に優先権が渡ってしまい、こういう処置になりました。映画ファンからは「なんで美人コンテストなんて優先するんだ!」と抗議の嵐ですが、全くその通りだと思います。


では火曜日恒例、全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。

1(1)American Sniper
2(-)The Boy Next Door

The_Boy_Next_Door_2015.png
3(3)Paddington
4(2)
The Wedding Ringer
5(4)Taken 3
6(6)The Imitation Game
7(-)Strange Magic
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8(5)Selma
9(-)Mortdecai
Mortdecai_poster.jpg
10(7)Into The Woods


「アメリカン・スナイパー」、今週も6400万ドルという凄まじい数字で1位です。イスラム国騒動の効果はすごくありそうです。

2位初登場はジェニファー・ロペス主演のエロティック・スリラー、「The Boy Next Door」。J.Lo扮する高校教師が高校生と性的関係を持ち、そこで・・・みたいな感じです。たしかに「誘惑するセクシーな先生」役には彼女は良いかもしれませんね。説得力はある気はします。彼女の映画がヒットするのは、すごくひさしぶりですね。

ただ、評判はこれ、かなり良くないですね。Metacriticで31点、Rottentomatoesに至っては12点というざんざんな内容です。


その次は7位に初登場のアニメ「Strange Magic」。こちらはゴブリンや妖精たちのバトルありのアドベンチャーものだそうですが、通常そんなに点が辛くないアニメ作品としては例外なまでに点数悪いですね。Metacritic25点、Rottentomatoesで18点です。

1月というのは、オスカー対象作以外の新作と言うのは、たいがいこういう酷い点数がつくことが珍しくないのですが、上にあげた2作よりもさらに売り上げまで悪かったのが9位の「Mortdecai」。これ、ジョニー・デップの新作でですよ!しかも共演グウィネス・パルトロウにユアン・マグレガーにしてですよ!

これは人気小説の映画化で、ダリみたいな髭を生やしたジョニー・デップ扮する画商が盗まれた絵画の追跡に乗り出すと言う、漫画みたいなストーリーです。先週、これのトレイラーを見たときに、意味のなさそうなドタバタ加減にかなり嫌な予感はしていたんですけど、評判はこれ、すごく悪いです。Metacriticで26点、Rottentomatoesで11点。

しかしまあ、この失敗で、さすがに欧米のメディアは「ジョニー・デップ危機説」を唱えはじめてますね。もう、ここ最近、主演映画の内容が悪すぎるうえに、それがセールスにまで響いてきつつありますからね。

無理もありません。ここ最近の作品だと「トランセンデンス」がRottentomatoesで19点、ラジーにノミネートさえされた「ローンレンジャー」で31点、ティム・バートンとのコンビ作の「ダーク・シャドウ」で37点、アンジェリーナ・ジョリーとのWキャストによる「The Tourist」が支持が20%になってますね。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のシリーズでも続編のたびに評判自体は落ちてましたからね。

やはり、あまりにキャラクター重視の役作りがちょっとコスプレ的になってたところは否めないのではないlかと思います。ここは一度、原点に立ち返る必要はある気がします。







 
author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 07:17
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最新全英チャート
どうも。

週末は長い誕生日イベントでした。本当にこっちはバースデイを非常に大事にする国です。
普段からこれくらい大げさにやると楽しいんですけどね。
楽しいことがやっぱ大切です。

では、月曜恒例、全英チャート、行きましょう。


SINGLES
1(1)Uptown Funk/Mark Ronson feat Bruno Mars
2(50)Lips Are Movin/Meghan Trainor
3(3)Take Me To Church/Hozier
4(2)Wish You Were Mine/Philip George
5(4)Up/Olly Murs feat Demi Lovato
6(5)Thinking Out Loud/Ed Sheeran
7(7)Heroes(We Could Be)/Alesso feat Tove Lo
8(16)The Night/Avicii
9(6)Blank Space/Taylor Swift
10(8)Something I Need/Ben Haenow

2位のことは置いといて(笑)、1位はマーク・ロンソン、6週目です。
ただ、来週はそろそろ抜かれちゃうかな。

8位にはアヴィーチーのニュー・シングルも入ってきています。

では、アルバムに行きましょう。


ALBUMS
1(-)Uptown Special/Marc Ronson
2(-)American Beauty/American Psycho/Fall Out Boy
3(2)X/Ed Sheeran
4(3)In The Lonely Hour/Sam Smith
5(1)Wanted On Voyage/George Ezra
6(-)The Mindsweep/Enter Shikari
7(4)1989/Taylor Swift
8(5)Hozier/Hozier
9(-)Girls In Peacetime Want To Dance/Belle&Sebastian
10(6)Never Been Better/Olly Murs



マーク・ロンソン、シングルでのブームに続いて初登場で1位です。

2位にはフォール・アウト・ボーイの新作が入ってきました。これはアメリカでの紹介の方がいいかな。

6位にはニュー・レイヴ時代に表れたエレクトロ・メタルバンド、エンター・シカリの新作。

そして9位には、今やもうベテランですね、ベル&セバスチャンの新作が入ってきました。

さっそくベルセバ、聞きましょうか。



 もう今やスチュアート・マードックも映画監督なので、映像センスはさすがに凝ってますね。

今回のアルバムは、ベルセバにしか書けない従来型のバロック・ポップを時代の流れと共に一歩進めた感じですね。この曲もそうだし、この前の先行シングルの「Party Line」なんてもっと顕著ですけどね。

昨日、フー・ファイターズに同世代としての親しみと共感を覚えるみたいなことを書きましたけど、スチュアートも1つ年上です。でも、この旺盛な表現欲求。お見事です。刺激になりますね。
 
author:沢田太陽, category:全英チャート, 05:21
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