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最新全米チャート
どうも。

今日、人生ではじめてのショックなことがありました。それは

スリにあいました!!

まあ、不幸中の幸いにして、盗まれたのはケータイだけだったんですけどね。超満員の電車の中、気がつくと、いつも膨らんでる部分が「えっ、ない!?」となって気がついたんですけどね。いやはや、ビックリしました。

最近、電車内で小説読む習慣がついているのですが、夕方の、治安が悪い地域(通過地点はまさにそういう地域でした)では、ちょっと抑えた方がいいかもしれませんね。

では、金曜恒例、全米チャート、行きましょう。


SINGLES
1(2)Happy/Pharrell Williams
2(1)Dark Horse/Katy Perry
3(3)Talk Dirty/Jason Derulo feat 2 Chainz
4(11)All Of Me/John Legend


5(5)Drunk In Love/Beyonce  feat Jay Z
6(8)Pompeii/Bastille
7(9)Team/Lorde

8(4)Say Something/A Great Big World&Christina Agulera
9(6)Counting Stars/OneRepublic
10(7)Timber/Pitbull feat Kesha

うれしいですねえ〜。ファレルの「Happy」、1位獲得です。本当にファレル、復活です。

そして4位に先週紹介したジョン・レジェンドの「All Of Me」が入ってきました。グラミー効果が一番あったのはこの曲だったのかもしれません。



では、今日はもうアルバム行っちゃいましょう。


ALBUMS
1(2)Frozen/Soundtrack
​2(1)The Outsiders/Eric Church
3(-)Cole Swindell/Cole Swindell
4(3)Now 49/Various Artists
5(4)Beyonce/Beyonce
6(7)Pure Heroine/Lorde
7(9)Prism/Katy Perry
8(5)Unorthodox Jukebox/Bruno Mars
9(-)Issues/Issues
10(8)Love,Marriage&Divorce/Toni Braxton&Babyface

「Frozen」、1位取り返しました。イディナ・メンデスは日曜のオスカーで歌う予定です。


そして3位で初登場はカントリーの新人シンガーです。コール・スウィンデル。シングルも上がって来てます。この曲を聴いてみましょう。



まだ、僕も詳細を掴みきっていないんですが、この曲に引っ張られて注目されはじめたようです。リズムの感覚がちょっと変わってるとこがおもしろいのかな。アレンジ自体は最近のコンプレッサーを強くかけたオルタナ通過後のアメリカのメジャー・レーベル主導のロックみたいな音作りみたいですけどね。

そして、9位も初登場です。これはメタルコアのバンドでイシューズというバンドですが、結成はなんと一昨年なんだそうです。

これも聴いてみましょう。



これはアレですね。ラップ・メタルを今のR&B/ヒップホップで再解釈した感じですね。歌い始めると最近のメタルコアみたいではあるんですけど、これはそのテのバンドの中では抜け出す可能性持ってますね。
 
author:沢田太陽, category:全米チャート, 09:21
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映画「あなたを抱きしめる日まで」感想〜たとえ50年会えなくても・・
どうも。

では、今年のオスカー作品賞ノミネート映画レヴュー、最後を締めくくるのはこれです。



イギリス映画「Philomena」。邦題「あなたを抱きしめる日まで」。こちら行きましょう。

この映画ですが、評判こそ高かったものの、当初は作品賞のノミネートが微妙視されていました。ただ、ノミネートが近づくにつれ評判を上げて行き、滑り込むようにノミネートされた作品です。

そういう作品であるがゆえに、賞争いの展開上、あまり有利にあるとは言えない作品です。なので僕もそこまで大きな期待をして行かなかったところがあったのですが・・、果たしてどうでしょう。早速あらすじに行きましょう。




ときは2000年代の半ば、BBCテレビのニュースキャスター、マーティン・シックススミス(スティーヴ・クーガン)はBBCをやめ、得意のロシア語を使ったロシアの歴史についての作家になろうとしていました。そんな彼のもとに



ある親子が現れました。娘は、フィロメナ(ジュディ・デンチ)という名前の彼女の母親が50年前に直面した悲劇的な出来事をマーティンに話します。




それによると、1950年代初頭、身寄りのない子供たちを引き取るアイルランドのカトリック教会で育ったフィロメナは、ティーンエイジャーだったこの頃、ある男性と一夜限りの恋に落ち、その結果、妊娠。シングルマザーとなってしまいます。



フィロメナはそこで生まれた坊やをアンソニーと名付け育てようとしますが、教会の一夜の恋の妊娠を「汚らわしいもの」と見なす教会はフィロメナにきわめて冷淡で、ある日、まだ物心もつかないアンソニーを、フィロメナに充分な予告もなく養子として売り飛ばしてしまいました。




そんなフィロメナはマーティンに、50年生き別れになったアンソニー探しを依頼します。そのオファーに対し当初マーティンは、「こういう人情話は自分の専門外」などと当初は皮肉っぽい口調と共にまともに取り合おうとしませんでしたが、しかし、口の悪さの割に情に厚いマーティンはアンソニー探しのために世界をかけめぐる旅にフィロメナとともに出ます。




当初はフィロメナの気まぐれでいかにもオバさんな態度にあたまを悩ませます。そんなある日、マーティンはネットの調査を行っていたところ、ひょんなことで、アンソニーの行方について知り、それをフィロメナにも知らせます。そして、その発見は、彼らの予想を遥かに上回る、複雑かつ巨大なものとなっていました。




その事実により、ある時期は旅行自体をとめることまで話し合われましたが、フィロメナの気もちは高まり、捜査は続行されます。

(中略)マーティンとフィロメナの2人は、アンソニーにゆかりのあった人たちをあたり、そこでも驚きの新事実が発覚します。それをフィロメナは冷静に受け入れますが、その事実は、元来ジャーナリストであるマーティンの正義感に火をつけ、彼の中で抑えられない思いが沸き上がってきますが・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

これはですね



フィロメナもマーティンも、実在の人物で、話も実話です。それが故に高い関心も呼んでいました。

この映画ですが、オスカーの作品賞には滑り込むようにノミネートされ、批評的に絶賛された割にはオスカーでの勝算は決して高い作品とは言えません。そういうこともあり、事前にそこまで大きな期待をしていなかったのですが

いやいや、どうして、素晴らしい映画です!


これ、例年なら、オスカー争いの上位に入っていておかしくない作品ですよ。とにかく、題材そのものがほとんど推理ドラマのように出来過ぎた話です。展開のひとつひとつが「エッ、うそ。マジで!?」ということの連続です。

そして、これ、特にですね

最も感動する場面と、見ていて最も憤慨する場面とがクライマックスで同時にやってきます。

いやあ、これも見事でしたね。これがあったからこそ、この話は手記にされ映画にまでなったのだと思うのですが、本来なら「親子って・・」と誰もが感涙にむせぶところですが、それが世の中の人100%では決してないこと。このもどかしさこそが、見た後でもずっと心の中に残って行きます。

そして、それを



この2人が見事な演技で見せています。

何が素晴らしいって、その都度、その都度の、2人の関係性の変化、これが見事なんですよね。最初はフィロメナに関して懐疑的で上から目線だったはずのマーティンがだんだん心を許しはじめ最後にはフィロメナの良き理解者になっていくこと、そして、最初おっかなびっくりだったフィロメナが、息子の事実を知っていくたびに「母親の本能」が芽生え、高齢であったにもかかわらず、人間的に成長して行くこと。この2つの心の交遊が見ものです。

そして

たとえ、どんなに長いこと会えなくても、親子は親子!


もうね、これがグッと来ずにはいられないんですよね。ここ、今期の数ある良い映画の中でも、もっとも泣けるポイントです。そして、この事実を知るまで調査をあきらめなかった、フィロメナの母親としての執念にもあらためて敬意を表したくなります。


・・と、出来としては全くもって文句ない映画です。かえすがえすも、これがオスカー争いをリードできないというところに、2013年度のアワード対象映画のレベルがいかに高かったかがわかります。これ、ここまでの下馬評で行くなら受賞はないでしょうけど



イギリスの名匠、スティーヴン・フリアーズ、後期の傑作として語り継がれることになるでしょうね。この人、僕が学生のときからヒット映画をたくさん出してますけど、衰えないですね。大体、2〜3作に1作は当たりですしね。「マイ・ビューティフル・ランドレット」「危険な関係」「グリフターズ」「ハイ・フィデリティ」「堕天使のパスポート」「クイーン」、そして、今作が新たに加わった感じですね。


さて、これでオスカー作品賞のノミネート映画は全てレビューしました。その中での個人ランキングも発表しようと思うのですが、それは明後日頃になると思います。
 
author:沢田太陽, category:映画レビュー, 12:14
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映画「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」感想〜これぞアレクサンダー・ペイン節!しょぼすぎて最高!!
どうも。

オスカー作品賞ノミネート映画、残すところあと2本です。

8本目はこの映画です。



今のアメリカのインディペンデント出身監督の良心的存在のひとりですね。アレクサンダー・ペイン監督の新作「ネブラスカ」。こちらのレヴューを行きましょう。


アレクサンダー・ペインは前作「ファミリー・ツリー」でゴールデン・グローブのドラマ部門で受賞したりだとか、2004年の「サイドウェイズ」でオスカー当日まで受賞の重力候補と見なされるなど、ここ最近は批評家筋のみならずアワードでもおなじみの存在です。果たして今回はどんな感じか。




まずはあらすじから行きましょう。ウディ(ブルース・ダーン)はアメリカ中西部に住む高齢者です。彼は、自分が宝くじにあたったと思い込み、半券と賞金を取り替えるために、主催元のネブラスカまで行くと言い張ります。しかも彼は運転免許をかなり前になくしているので、徒歩で行こうとしていました。



しかし、彼の家族の一員は誰も彼が宝くじに当たったとは信じません。「父さん、よく読んでみなよ。こういうのは最近の詐欺によくある手だよ」とウディの次男のデヴィッドは優しくウディを扱おうとします。



そんなウディに対し「まったくアンタって人は、あきれるばかりだよ!」と、口うるさく毒舌家の妻ケイト(ジューン・スキッブ)はウディに呆れ、激しくののしります。



そんなウディには長男でローカルのニュースキャスターをつとめるロス(ボブ・オデンニック)もお手上げ、といった具合です。しかし、そんな父に対し、デヴィッドは哀れみの感情とともに「じゃあ、俺がネブラスカまで連れてってやるよ」と主張し、みずからが運転する車での旅行を提案します。デヴィッドはローカルのスーパーでステレオを売るセールスマンで、つい最近、うきあってた恋人に逃げられたばかり。なにかと人生の負け犬扱いされる存在のデヴィッドでしたが、その分、心は優しく、「父さんがここまで言い切るんだから、せめて現地に行って外れたのを確認させてあげたら」と思ったのでした。



その道中でウディは突如体調不良で苦しんだり、気まぐれな言動でデヴィドを次々と困らせます。道の途中、ウディは自身の故郷となる地域を数10年ぶりに横切ります。「恥ずかしいから、宝くじのことは言うなよ」とデヴィッドはウディに懇願しますが、意気揚々のウディは「わしゃ、宝くじで100万ドル、当てたんじゃあ」と、親戚や、親交の途絶えていたかつての友人たちに言いふらします。そして、もはや付き合いもなくなっていた親戚や友人たちは、単に「なんとかしてその金が手に入らないか」という、いやしい気持ちのみでウディに近づこうとします。



旅行はいつしか「親戚リユニオン」の様相を呈し、いつのまにかケイトやロスも途中に一時参加するものとなりました。ウディの宝くじでの夢は「軽トラックを買って、昔、意地悪な友人に奪われた耕耘機を取り戻す」という実に些細なものでした。それを知り、「その程度の夢ならせめて・・」とデヴィッドたちは思うようになり・・。


・・と、ここまでにしておきましょう。

この映画ですが

なんじゃそりゃ?

って話でしょ(笑)。これ、ただ単に「宝くじ、あたったかどうかをボケた父ちゃんと確認しに行く」だけの話です(笑)。ぶっちゃけ、どこの村で、いつ、どこで起こってもおかしくない話です。しかし、そんな話でも


見方と、キャラ設定を面白くするだけで、オスカーの作品賞や監督賞にまでノミネートされるほどの作品になるのです!

そこがすごいですよね〜。別段、そこに特別な、「こんなことって、あるんだ!」みたいな劇的なドラマがあるわけじゃなく、下手したら自分の身の回りでも普通に起きそうな笑い話が、こんな風に2時間も時間をかけた、中身のしっかりある映画になるわけですからね〜。

そして、それこそ



アレクサンダー・ペイン映画の真骨頂なのです!

この人の映画って、基本いつも、主人公になる人に特別な人はいません。ズバリ、「これだったら自分の人生でも映画の主役になるんじゃないだろうか」くらいの錯覚を起こさせてしまうくらい、ものすごく「フツー」の人が主人公、ならびに登場人物です。


そして、話自体も、劇的な起承転結があるわけじゃない。淡々と進んで行くうちに「おい、なんだそりゃ(笑)」な脱線やオチがあって、気がついたら淡々と終わってる・・というパターンが常です。そして、その話がショボければショボいほど、逆説的に面白いのです。



大体、この人の映画は出世作からして、「些細な題材」ですからね。この写真の映画は1999年に公開された「Election」という作品ですが、これなんてただ、高校の生徒会長を選ぶ選挙の話ですからね。この選挙で、他に誰もなりたいわけでもない生徒会長にリース・ウィザースプーン扮する最高にウザい女生徒が立候補し、最後、大接戦となったところで、彼女のことを嫌いなマシュー・ブロデリック扮する先生が彼女に投じた票を1票ゴミ箱に捨てたことで落選してしまうんですね。で、それが発覚したことで先生は学校を追われ、数年後、街で偶然彼女を見かけたときに、彼女が乗ってる車に飲んでたスムージーを投げてぶつけて走って逃げてそれで終わり・・という、なんともユル〜いコメディでしたからね。


その後、ペインは「アバウト・シュミット」「サイドウェイズ」「ファミリー・ツリー」と話題作を次々と作って、いずれも市井の人々を題材にしたささやかな題材のコメディだったわけですが、今回の「ネブラスカ」、ことエンディングの「なんじゃこりゃ〜」なショボさは「Election」以来です(笑)。でも、これが案外、心があったまる良い締めくくりなんですよね。

あと、ペインの映画は登場人物の設定が可笑しいですが、この映画では



奥さん役の、このおばあちゃん、ジューン・スキッブがとにかく素晴らしかったですね。やたら、やかましいという、ただそれだけで見てて可笑しいんですけど、いざ、話し始めると、昔の自分の自慢話を「その昔、男の子はみんなアタシのパンツを狙ってたんだよ」みたいなことを平気で大声でしゃべるような人です(笑)。この女優さんは、ペインの映画では「アバウト・シュミット」で突然亡くなっちゃうジャック・ニコルソンの優しい奥さん役だった人なんですけど、それとはガラッと違う演技を見せています。これで夫役のブルース・ダーンと共にオスカーにもノミネートされています。

あと



今回の映画の収穫は、この息子役のウィル・フォルテですね。彼は2010年まで、「サタディ・ナイト・ライヴ」のレギュラーをつとめていた人で、「イケメンなんだけど面白い人」的な役回りをしていました。その後、音沙汰がなかったのですが、こういう形で華やかに出世しました。この「ルックスはいいんだけど、なんかうだつのあがらない不器用ないいひと」な役って、通常のパターンならオーウェン・ウィルソンとかポール・ラッドがやりがちなポジションなんですけど、ここに「そういう演技が出来る人がもう1人いる」ということをアピールできたのは良いことだと思います。


あと、印象に残るシーンで言えば、ウィル・フォルテ扮するデヴィッドと兄のロス(演じるのは「Breaking Bad」のソール役の人)が、お父さんのために、昔盗まれた耕耘機を人目を盗んで取り返すシーンがあるんですけど、ここ必見です!なぜかペインの映画には、たとえば「サイドウェイズ」でポール・ジアマッティが友人の不倫エッチ現場で忘れてきた財布を取りに行かされたり、「ファミリー・ツリー」でジョージ・クルーニーが、瀕死の重体の奥さんの元不倫相手の尾行をコソコソ隠れてやったりなど、「バレたらどうしよう」みたいな顔しながら忍び込みを敢行するシーンが定番化してるんですが、今回もまたしても出て来ます。しかも、そのシーンのオチがまた見ものです(笑)。


今回の「ネブラスカ」、前作の「ファミリー・ツリー」がジョージ・クルーニーが主役だったのと比べるとキャストに事前知名度がないために、ついつい見逃されやすくなってしまっているのですが、こと、「アレクサンダー・ペインらしさ」という作風面に限ったことで言えば、より本来の彼らしい、彼の固定ファンなら確実に満足できる出来だということを記して、ここは締めくくろうと思います。
author:沢田太陽, category:映画レビュー, 11:32
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最新全米映画興行成績
どうも。


今日はもういきなり行きます。火曜日恒例、全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。


1(1)The LEGO Movie

2(-)3 Days To Kill

3(-)Pompeii

4(3)Robo Cop
5(4)The Monument Men
6(2)About Last Night

7(6)Ride Along
8(8)Frozen
9(5)Endless Love
10(7)Winter's Tale



「LEGO Movies」、メチャクチャ強いです。3週連続1位のうえに、今週もまだ興収3100万ドルです。昨日も書きましたが、これ、マジで面白いです。近いうちレヴューします。


2位初登場は「3 Days To Kill」。なんとあのケヴィン・コスナーのハリウッド主役復帰映画です。何年ぶりなんだろうな。最近、TV映画での主演でエミー取ってたから、それの褒美みたいな感じでしょうか。

これは退官間近な落ち目のCIA捜査官の最後のミッションにまつわるアクション・スリラー。脚本にリュック・ベッソンが絡んでますが、監督はマックGがつとめています。

コスナーがここまで復帰したという意味ではインパクトはあるんですが、そこは「第2のマイケル・ベイ」の異名をとるマックGです。今回も映画自体の評判はよくありません。Metacriticで40点、Rottentomatoesで29点となっています。


3位に初登場は「Pompeii」。今の時代にローマ帝国時代のエピックもので、ポンペイ火山の爆発をテーマにしています。イギリスの若手イケメン、キット・ハリントンを主役に、「Sucker Punch」のヒロインだったエミリー・ブラウニングがヒロイン、キーファー・サザーランドが悪役を演じています。

ただ「なんで今頃」の疑問は払拭することができず、Metacritic41点、Rottentomatoes27点と評判はいまひとつでした。


さて



コメディ俳優で、実はかなりのコメディ映画史に残る傑作を作った監督でもあるハロルド・ラミスが亡くなってしまいました。69歳でした。この人はビル・マーレーやダン・アイクロイドとともに「ゴーストバスターズ」を構成する3人の1人の役者さんのイメージも強いんですが、映画監督として、実は数々の傑作を作っています。今日はそんな彼の監督での功績を見ながらシメたいと思います。



author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 12:37
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最新全英チャート
どうも。


今日は一家揃って映画に行きました。トムにとって人生初の映画鑑賞でした。最初の1時間はよかったんですが、それを過ぎると集中力が切れ、映画館を走り回ってしまいました(笑)。幸い、観客の大半が幼少の子供の親子で、その日最初の空いてる時間帯だったので問題はなかったのですが、なかなか難しいですね。だんだん慣らして行きたいんですけどね。

では、月曜恒例、全英チャート、行きましょう。


SINGLES
1(-)Money On My Mind/Sam Smith


2(3)Happy/Pharrell Williams
3(1)Rather Be/Clean Bandit feat Jesse Glynne
4(-)Say Something/A Great Big World feat Christina Aguilera


5(2)Stay The Night/Zedd feat Hayley Williams
6(10)Dark Horse/Katy Perry
7(4)Shot Me Down/David Guetta feat Skylar Grey
8(8)Timber/Pitbull feat Kesha
9(5)Crying For No Reason/Katy B
10(6)Dibby Dibby Sound/DJ Fresh feat JayZ and Ms.Dynamaite

初登場で1位はディスクロージャーにフィーチャーされていたことで注目され、今年のBBCの「Sound Of」でも1位に選ばれていたサム・スミス。声は抜群にいいですね。独特の色気あります。アルバムが出たらかなり売れるでしょう、これは。


また4位には現在アメリカでヒット中のA Great Big Worldがイギリスでも入ってきました。


では圏外に行きましょう。17位に急上昇してきたこの曲で。




大ヒット中の映画「LEGO Movies」から、歌っているのはティーガン&サラ、そして元「サタディ・ナイト・ライヴ」のアンディ・サンバーグのロンリー・アイランドとの共演で「Everything Is Awesome」。実は今日見た映画がこの「LEGO Movies」なんですが、この映画、最高です(笑)!心底笑えます(笑)!で、終始この能天気なエレクトロ・チューンが痛快に鳴り響くのですが、僕の見たのはポルトガル語吹き替えだったので、なんとポルトガル語で歌われてました。

それにしてもティーガン&サラ、去年出した「Heartthrob」ってアルバムは本っ当に素晴らしいアルバムだったんですけど、これで全世界的に知名度をあげたんじゃないかな。楽しみです。

では、アルバムに行きましょう。

ALBUMS
1(10)Bad Blood/Bastille
2(11)AM/Arctic Monkeys
3(32)Settle/Disclosure
4(2)Halcyon/Ellie Goulding
5(19)Home/Rudimental
6(3)If You Wait/London Grammar
7(4)Beyonce/Beyonce
8(1)Little Red/Katy B
9(12)Pure Heroine/Lorde
10(15)Tribute/John Newman



今週はブリット・アワーズの影響でガラッと変わってますね。


バスティール、アークティック、ディスクロージャー、ルーディメンタル、Lorde、いずれもブリッツで受賞かパフォーマンスをやったアーティストですね。こういうのを見ると、このアワード、本国では本当にたくさんの人がテレビ中継を見てるんだな、と思います。このあたりはかなりのロングセラーになりそうですね。
author:沢田太陽, category:全英チャート, 04:30
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映画「ダラス・バイヤーズ・クラブ」感想〜大事で貴重な主張はわかったんだけど・・
どうも。

オスカーの映画評、行きましょう。今日はこちらです。



主演のマシュー・マコーノヒー、助演のジャレッド・レトが今年のオスカーの男優賞の本命になっています「ダラス・バイヤーズ・クラブ」、こちらのレヴュー、行きましょう。

僕自身は「マジック・マイク」を見て以来、マシュー・マコーノヒーの最近の演技の高い評判はすごく気になっているし、題材的にもエイズや同性愛など、僕が個人的に関心の高い題材なのでかなり期待していたのですが、さてどうでしょう。





この映画はブラジルも日本と同日公開だったので、あえて詳しい説明はここでは省きましょう。これはテキサス州ダラスに実在したロン・ウッドルーフという人の実話です。マコーノヒー扮するコカイン中毒の電気工のウッドルーフは、1985年、エイズの診断を受けてしまいます。しかも病状は悪く、医師からは「余命1ヶ月」と言われてしまいます。そこで彼は最初、病院が実験段階にあったAZTという薬を違法で手に入れた結果病状を悪くしてしまいます。しかし、メキシコにわたって入院したところ、そこで投薬された薬が効き、病状が良くなってしまいます。しかし、この薬はアメリカでは違法。そこでウッドルーフは、これらアメリカで違法扱いの薬を同じエイズに苦しむ癌患者に対して売る「ダラス・バイヤーズ・クラブ」という薬品ビジネスを、ダラスの病院で出会ったエイズ患者のトランスジェンダー、レイヨン(ジャレッド・レト)とはじめます。そんな彼らの動きに、最初はウッドルーフに反発していたダラスの大病院の女医サックス医師(ジェニファー・ガーナー)も惹かれるようになり・・。

・・といった感じです。

この映画ですが

「1980年代のアメリカにおけるエイズ薬の認定が必要以上に厳しかったことに対し問題提起したい」ということはわかりました


この点に関しては、ほとんど僕も知らない事実だったのでかなり興味深かったです。実は、この映画を見る数週間前に、今年のオスカー外国語映画賞にノミネートされている「The Broken Circle Breakdown」というベルギーの映画を見てて、そこでも、主人公の夫婦の7歳の娘が、ベルギーでは合法の治療薬をアメリカが認可しなかったために取り寄せが遅れて亡くなってしまう、というシーンがあったんですね。そういうこともあり、アメリカの医学会での薬の認可に対するある種の頭の堅さ、そして、それがもたらすであろう悲劇に関しては理解することができました。だから、ウッドルーフの戦っていたことも、彼が極度のドラッグ中毒であったりしながらも説得力もってわかったつもりです。

そういうテーマ性に対し



マコーノヒーとレトの見事な変身はお見事でした。

マコーノヒーは、元から体は締まっていたのに、そこからさらに20キロも痩せ、頬もこけた状態で、この役を見事に演じきっていたと思います。しかも、彼が本来得意としている南部男の役を、気性の粗さに狂気を備えさせてうまく表現できていたと思います。レトも、彼本来のかわいいベイビーフェイスのお目目をいかし、彼の中にある「乙女心」を、絶妙に声を上ずらせながら巧みに演じていたと思います。ここ最近は、自分のバンドの方が当たっていたため、俳優としての話はあまり聞かなくなっていたんですが、ある時期「ファイト・クラブ」や「アメリカン・サイコ」で重要な役を演じられていた役者としての才能を久々に発揮出来たと思います。

この2人に加え、あくまで「普通の女性」の立場から理性を保ちながら歩み寄って行く、ジェニファー・ガーナーも見応えありました。

・・と、話のテーマと、この上記3人の演技に注目だけしてれば、かなりの名作映画

なんですが!!!

これ、困ったことに

それら以外に関してはかなり雑な映画です!

う〜ん、なんかですね、話の流れ的には、よく言えば「テンポがいい」のですが、悪く言えば「説明が少なく、キャラクターに焦点を当てる時間が少ない」といった感じです。さいわいマコーノヒーにはそれなりにあてられるのでなんとかなってるんですが、それ以外は結構すっとばしてますね。特に後半は、ちょっと話がポンポンと進みすぎかな。

そして、この映画、「舞台が80年代」という設定にもかかわらず


80年代っぽい要素はなんら表現されていません。


それはダラスの街の風景も人のファッションも含めほとんどが「これ、いつの時代なの?」といった感じだったんですけど、特にひどかったのがこれですね。実はこの映画、ウッドルーフが東京までエイズの薬を購入に行くシーンが描かれているんですが、そこで映った東京の光景がこれですから





・・あ、あの

センター街のQ FRONTがこんな風になったのって、2000年前後なんですけど・・・

しかも思いっきり「TSUTAYA」なんて名前が出て来て。「TSUTAYA」なんて80年代、まだ大阪のローカルのレンタル・ショップだった時代ですよ。80年代から渋谷はきらびやかちゃきらびやかではあったんですけど、でも、「ロスト・イン・トランスレーション」に出て来るのと変わらない東京って、いくらなんでも80年代には新し過ぎる・・。

あと、



このレイヨンの設定が、「マーク・ボラン狂」ってことになっているんですけど

80年代のテキサスで「Tレックスに人生かけるくらい好き」ってなんか不自然じゃないか?


これ、仮にレイヨンが実在した人物ならそれでも全然アリなんですけど、この映画のための架空の人物でこの人物設定って、見ていて正直違和感湧いたんですよね〜。この映画でウッドルーフが、「壁中にボーイ・ジョージの写真を貼るなんて」というせりふがあってそれをレイヨンが「違うわよ。マーク・ボランよ」と打ち消すシーンがあります。まあ、当時流行ってたボーイ・ジョージじゃなくて、もっとマニアックなものにこだわってる感じを出したいと言うのはわかるんですけど、でも、劇中でも明らかに同性愛者を演じてるキャラなのに、なぜにストレートで子供もいたマーク・ボランなのかなあ・・という疑問は見てて湧きました。ウォホールまわりのキャンディ・ダーリンみたいなドラッグ・クイーンとかではダメだったのかなあ、とか、このあたりはいろいろ考えてしまいました。


そういう、細かいところで気になることが続いたので



こういう風に、ディアハンターのブラッドフォード・コックスがレイヨンの恋人役としてなにげに出演してても「素人っぽい起用だな」という風にしか映らなかったんですよね。全体的に素人っぽい作りにインディのミュージシャン出しても、それがさらに強調されるだけで。なので、正直、あまりここに出て来る意味を感じなかったんですよね。ディアハンターのファンの方(って僕も好きなんですが)には申し訳ないんですけど。


・・と、そんなわけで、「好きになりたいんだけど、なんか引っかかるんだよなあ〜」ということが少なくなく、個人的にはちょっと入って行きにくい作品となってしまいました。




ここ最近の急にオーラがかかった「マコーノヒー集大成作」であることは僕も大いに認めます!


「マコーノヒーが急に役者として開眼した」という話は2011年の「The Lincoln Lawyer」という作品から耳にしはじめていたんですが、2012年のアワード・シーズンで「マジック・マイク」「Killer Joe」「MUD」という映画で彼が続々と映画賞をとったあたりから「えっ!一体、何事?!」な感じはあったんですよね。これに加えて他にもリチャード・リンクレイターの「Bernie」という映画でも評判だったし、そして今回のアワード・シーズンでも「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも、チョイ役出演だったのに、レオのチャラいブローカーの先輩の役を「♩ズン、ズン、ズ〜ン〜」という妙な歌をオフィスで口ずさむ、たったそれだけの役回りなのに、シーンを見事にさらって行ってましたからね。なんか、その場にいるだけで空気を変えられる役者になってきていると思います。立派!


そんなマコーノヒーは、今年の年末にはクリストファー・ノーランの、「バットマン」絡みを除くと「インセプション」以来となる最新作で堂々主役ですからね!かなりの話題作になるのは今からもう目に見えていますが、こういう役をまかされるようになったんだなあ。ロマンティック・コメディで半裸になるチャラ男専門の役者みたいな時期を覚えている(って、かなり最近までそうだった)身からすれば隔世の観さえあります。


そういう意味では、他のことをあまり考えずに、マコーノヒーだけに注目してみればそれだけで充分楽しめる映画であることもまたたしかです。

 
author:沢田太陽, category:映画レビュー, 12:03
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