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良い新年をお迎え下さい!
 どうも。



日本はあと1時間ほどで2012年ですね。僕の住んでる方でも、あと半日したら新年です。



今年は日本人としては忘れることのできないことがあったこともあり、1年の経過がすごく遅く感じられたものです。「まだ1年経たないのか」と思うこともよくあります。もちろん忘れてはいけないことだけれど、そのことを心にとどめておきつつ、次に向かって早く気持ちも新たに臨みたい気持ちがあるからなのかな。



僕自身は2011年は人生ではじめて日本に1日もいなかった年で、日本国内でのカルチャーの動きなどに関してはウェヴとfacebookのお友達を通してでしか体験できなくなったこともありすっかり浦島太郎状態になりつつありますが、さすがに日本人として正面から受け止めるべきことにはしっかりと向かい合いたいと思っています。


いずれにせよ、2012年はもっと笑顔でいたいですよね。


僕のこのブログはテーマを限定したものではあり、そこから逸脱したことはあえてあまり語らないようにしているのですが、ただ、その背後から何かを語ることは出来るかな、とも思っております。


では、2012年が皆さんにとって良いお年でありますように。





author:沢田太陽, category:-, 23:00
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最新全米チャート
どうも。





ケイティ・ペリーとラッセル・ブランドが離婚なんですってね。2011年の最後の最後にこういうニュースが出るのはとても残念です。僕がコメディアンびいきというのもあるんですけど、ケイティにしてもシャレがわかるタイプの女性ということでこの結婚に対して彼女の好感度も上がってたし、ラッセルにせよVMAで司会やってた頃から「ケイティ口説きてえ〜」みたいなこと言ってて有言実行して「良かったじゃん!」と微笑ましく思ってたんだけどなあ。ただ、その後は見ていて、ケイティの方が「ティーンエイジ・ドリーム」自体を彼に捧げていたりかなり彼に気をつかっているように見えたんですけど、ラッセルの方がそれに応えてないように僕には見えましたけどね。真相はよくわかんないですけどね。



こんな時期に大きなエンタメ・ゴシップですけど、全米チャートの方も休んでおりません。3週続けて土曜更新になりますが、行きましょう。今年最後の全米チャート。


 
SINGLES

1(2)We Found Love/Rihanna feat Calvin Harris
2(1)Sexy And I Know It/LMFAO
3(5)The One That Got Way/Katy Perry
4(3)It Will Rain/Bruno Mars
5(6)Ni..gas In Paris/Jay-Z
6(4)Good Feeling/Flo Rida
7(13)Set Fire To The Rain/Adele
8(7)Someone Like You/Adele
8(9)Wihout You/David Guetta
9(15)Party Rock Anthem/LMFAO
10(12)Dance(A$$)/Big Sean feat Nicki Minaj


例年、最もチャートの動かない時期なんですが、今年は少し変動があったようですね。


LMFAO、2曲連続の1位ですよ!これで「一発屋」と思われずに済みますね(笑)。


3位にケイティ上がって来てますね。上のニュースによる同情票が加わって次週以降トップ争いに加わって来そうな感じですが、でも、いくらそうだからって、このままだと「同一アルバムからの全米No.1曲の数」の記録でマイケル・ジャクソンの「Bad」抜きそうな勢いじゃないですか!いや〜、さすがにそれはマズいんじゃないかな〜。だって、こういう記録って、「マイケルくらいに半ば神格化されたアーティストが持つべき記録」と人は思いたいだろうし、実際ケイティが抜いてしまったらマイケル・ファンのみならず、多くの音楽ファンから反発大きそうな気がするけどなあ〜。これがガガとかビヨンセだったらさほど文句は出ないと思うけど、ケイティってまだステイタスを低く見てる人ってまだ多いからなあ。と言うか、そんな記録作ってしまったら、ケイティ自身にも余計なプレッシャーを与えてしまいそうな気もするし。


トップ10入りは2曲。7位には以前から何度か紹介していたアデルの「Set Fire To The Rain」。これでアルバム「21」から3曲目のトップ10ですね。そして10位にはカニエ・ウェストのレーベル、Good Musicのラッパー、ビッグ・ショーン。今年アルバム・デビューしたばかりですが、これは2ndアルバムからの先行シングルのようですね。フィーチャリングにはニッキ・ミナージュがあたってますが、フィーチャリングだけで何曲目のトップ10入りなんだろう。



では、アルバムに行きましょうか。


ALBUMS

1(1)Christmas/Michael Buble
2(2)21/Adele
3(-)TM:103:Hustlerz Ambition/Young Jeezy
4(3)Under The Mistletoe/Justin Bieber
5(7)Take Care/Drake
6(5)Own The Night/Lady Antebellum
7(14)Talk That Talk/Rihanna
8(6)Here And Now/Nickelback
9(4)El Camino/The Black Keys
10(11)Now 40/Various


ブーブレ強いなあ〜。クリスマスというテーマ性ゆえにこの週は特に売れたんでしょうね。


通常、この時期ってCDリリースないはずなんですけど、そんな慣例を破って3位に初登場して来たのがラッパー、ヤング・ジージー。3作連続1位にはなりませんでしたね。


あとはリアーナとNowシリーズの第40号がトップ10に返り咲きです。


今週は11位以下に大きな再浮上の動きが多々あります。こんな感じです。

Mylo Xyloto/Coldplay(20→12)
Sorry For Party Rocking/LMFAO(24→16)
19/Adele(22→17)
My Life II-The Journey Continues/Mary J Blige(26→19)
Ceremonials/Florence&The Machine(38→20)


などが大きくアップしています。


これで2011年のチャート関係は全て終了です。いかがだったでしょうか。僕はなんだかんだで割と楽しかったですけどね。来年もまた共に楽しみましょうね。では!

author:沢田太陽, category:全英チャート, 08:35
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2011私的年間ベスト・アルバム10枚〜その2
では、昨日に引き続いて、2011私的年間ベスト・アルバム10枚、残りの5枚に行きましょう! 


Take Care/Drake




これは本来あるべき”R&B/ヒップホップのスター・アルバム”ですね。10数年前までR&B/ヒプホップって「進んだ流行音楽」というイメージがあったものですが、ある時期から誰もが既存の成功プロデューサーを我も我もと使い回しするようになり(ファレル・ウィリアムスはその典型的な犠牲者)、アルバム通して大量のプロデューサーの曲がパズルのピースを埋めるような作風になってしまったがためにアルバムから一貫性が失われるようになってしまってもいました。


そこへ行くとこの作品は、基本、ドレイクの友人であるカナダのスタッフを中心に制作され、かつ、ザ・ウィークエンドやジェイミーXXという、現在のフロアで最も先進的な感性を持ったインディの俊英を起用(もしくはサンプリング)することにより、「統一感を保ちつつ、なお先進的」という、1990年前後のR&B/ヒップホップの黄金期を思わせるような制作姿勢の素晴らしいアルバムとなりました。


たしかにウィークエンドやXXへの目配せという感性には唸るものがあるんですけど、そうしたトラックを入れてもそれらが決して浮いてしまう事がないのは、全体のプロデュースにあたった40とBoi-1Daによる、繊細さと鋭角さを保った新鮮なエレクトロ・サウンドにちゃんと牽引力があるから。この2人、これからドレイク作品だけでなく、この10年くらいでいろんなところに引っ張りだこになるんじゃないでしょうか。


リアーナ(今作でも共演してます。さすが)の2006年以降の諸々のアルバムも毎度のこと素晴らしいんですが、今回のドレイクのコレはそれさえも超えてますね。

 



Torches/Foster The People





今年の海外メディアの年間ベストを見た際にひとつガッカリさせられたのは、フォスター・ザ・ピープルを選んだものがほとんど見当たらなかったことです。


たしかに、彼らのサウンド的には決して目新しいものではありません。MGMTやパッション・ピットが持ってる要素を、もった大衆的にわかりやすく提示した感じとでも言いましょうか。それがゆえに「こんなの新しくない」だとか「ただ単にラッキーだっただけだよ」と斬り捨ててる向きがきっと多いんでしょうね。まあ、それはわからないではありません。僕自身も最初、それに近い印象でしたから。


しかし!


仮にそれがまぐれ当たりだったにせよ、それでも、ロックの曲がビルボードのシングル・チャートで2ヶ月近くも3位をキープする大ヒットを記録するなんていつ以来かわからないくらいの快挙だったわけだし、とりわけ、「シーンが活性化して元気がある」などと特定のファン層に思わせつつ、実は年にひとつも流行歌を生み出すことが出来なくなってしまっているロックにクロスオーヴァー・ヒットする可能性があることを証明し、同時に今のインディ・シーンの空気感もちゃんとパッケージしてもいる。「Pumped Up Kicks」のヒットの持つ意味って、シーンにとっても大きかったと思うんですよね。


それにアルバム全体聴くとわかりますけど、別に「Pumped Up Kicks」だけが突出した一発屋では決してないですよ。ヒット・ソングを書くツボはデビューにして既にちゃんとつかんでいますよ。

    



Wasting Light/Foo Fighters






実は今年、僕の中で

もっとガツンとしたロックが聴きたい!!!


という欲求が爆発した1年でもありました。


ここ最近のインディ・ロック、クオリティとしては悪くないんですけど、なんかお行儀が良すぎると言うかですね、”ロック”という言葉から一般に想像される”力強いフィジカルな快感”というのがあまりにもなくなっていたと思うんですね。


それに、ロックそのものに、世間一般的な知名度で、ガガとかテイラー・スウィフトくらいしか耳にしないようなライト・ユーザーにも通用するような大衆的な知名度や浸透度を持ったアリーナ・ロックも、ここ数年ですっかり翳って来てしまった。それこそ、今年のロック・イン・リオに出れそうなバンドが、懐メロじゃないとこだとコールドプレイしかいない。そんな状況に陥っています。


そんな中、このフー・ファイターズの新作は、大衆的なところで”ロック、ここにあり!” の貫禄を示した、見事なアルバムだったと思います。こういう真っ当にマスに向けてロックするところが機能して、はじめてインディ・ロックだって成り立つわけであって。こういうロックがなくなってしまったら、ロックそのものが本当に頭でっかちに矮小化の一途を辿るだけになってしまいますよ。


そして、フー・ファイターズ自身もここに来てようやく「理想的なアリーナ・ロックの鳴らし方」を把握したようですね。もう、彼ら以上に世界的に人気のあるバンドも、ここ5〜6年でかなり少なくなっていましたが、前2作はどうも肩に力が入り過ぎて大仰になり過ぎてましたが、このアルバムでは、ロック本来の”熱さ”を上手く保ちつつ、同時にすごく引き締まった音の聴かせ方が出来たことで、バンドの大型化につきがちな膨張して弛緩した感じが出なかった。加えて、変にバラエティに富もうとしなかったことも良かったですね。90sのエアロスミスだとか、00sのレッチリとかって、変に芸域広げ過ぎてしまったせいで、バンドの持ってた緊迫感と勢いが温くなってそのまま失速しちゃった(その意味で今作のコールドプレイはちょっと心配)ものですが、フー・ファイターズは本来の自分に忠実なまま、ドッシリと王者としての貫禄を示せたと思います。


この曲聴いたときから、今回はすごく良い予感がしたんだよな。


 



Suck It And See/Arctic Monkeys





アークティック・モンキーズというバンドに関して言えば、この一作で完全に見直しましたね。


もう、デビューの時点から、今の世代のロック・キッズにとってのヒーローになることも、ロック界随一のトップ・バンドになることも既に約束されてた。ましてや、60s〜90sの頃と違って、ロックバンドの影響力自体がレディ・ガガやらビヨンセと比べ何10分の1にまで落ちている時代に、別にロックでトップバンドになったからって一般の注目度なんてたかが知れてるし、セルアウトする心配なんてまるでする必要がない。僕としては堂々とロックして、素直に大物バンドになってほしかったものです。


ただ、前作の「Humbug」というアルバムはどうもいただけなかった。実験的と言えば聞こえは良いものの、あそこからシーンが何か続くような感じもしなかったし、アレックス・ターナー本来のメロディメイカーやリリシストとしての才がかえって活かされてないような気がどうしてもぬぐえませんでした。「ニルヴァーナでいうところの『イン・ユーテロ』でも作ってる気か?まだ、そんなものひねくれて作るほど世界的な現象にもなってないのに、なに勘違いしてるんだ?」。僕にはそう思えてしまい、なんか歯がゆくてしょうがありませんでいた。そして、全英1位にこそなったものの話題的に全く低調に終わったこの作品に合わせるように、UKロックの人気も急速に下落して行ったものでした。


そういうことがあったからなのかどうかわかりませんが、今回のこのアルバムには「ギター・ロック代表としての意地」みたいなものが強く感じられる、えらく真っ当な”ロックした”アルバムを作って来ましたね。しかも、前作で試したヘヴィな実験性も、うまく軌道修正する形でしっかり前進させることが出来たことも収穫でしたね。この前にアレックス自身が映画「Submarine」のサントラを担当して美メロ回帰をしていたのも功を奏したのかもしれませんね。


今や彼ら自身も「ギター・ロックをなんとかしたい」みたいなことを言うようになって来てるみたいですが、いいことです。シーンを引っ張れる立場にあるバンドがやるべきことを是非ともやり続けてほしいものです。

 



El Camino/The Black Keys




やっぱ、フーファイ、アークティックで文章長くなってますね(笑)。彼らのアルバムが自分にとっての年間ベストワンではないんですけど、それでもガッツリとロックして来たことには共感が持てたし、結構リピートして聴いたこともまた事実です。


この他にも今年はマストドンが聴きたくなったり、ヴァクシーンズに心が躍ったり(実は割とハマったの遅いんですけどね)、ロック的に熱くなりたい願望が自分に芽生えたのは確かでしたね。


それで行くと、僕にとっての2011年の最後にして最大の衝撃って、もしかして、このブラック・キーズの新作だったのかもしれないですね。いや、「おおおおっ!!!」という驚きと手応えで言うと、もしかしてこれが一番あったかもしれないですね。それで言うともしかしたら、今年僕自身が一番待っていたものだったかもしれないですね。


媒体のベストって、ほとんどが11月に集計するので、12月リリースのこのアルバムはほとんどのベスト発表に間に合ってないんですね。ただ、それでもいくつかの媒体のベストにランクインしてたし、Metacriticの採点でも85点という凄まじい得点を記録していました。そう考えると、僕のようにまさに今「2011年ベスト!」と騒いでいる人は世界規模で案外多いのではないでしょうか。


たしかにリリース前から期待自体は高かったことはたしかでした。前作「Brothers」も全米最高2位で、かつ、1年全米チャートにランクインするロングヒットを記録してました。ただ、本人たちの地味なルックスと渋すぎる音楽性ゆえに、僕を含め多くの人が「ホワイト・ストライプス不在の代替を求めただけなのでは」と見てたものです。


ただ、それが仮に本当にストライプスの代わりを求められた結果であったにせよ、彼らはその注目度の上昇をうまく勢いに転化して、それを最高のロックンロールに注ぎこみましたね!もちろんジャック・ホワイトのような驚異的なワザこそはないんですが、ファズやキーボードの歪ませ方にせよ、息をつかせない軽快なテンポにせよ、短時間に手際良く効果的にまとめた熟練されたメロディ感覚にせよ、それらすべてがロックンロールにとってすごく理想的なんですね。こういうロックンロールが、いきおい内向的で技巧的な方向に進むばかりのインディ・ロックのシーンからちゃんと出て来たというのはなんかホッとさせられました。


なんでも彼らも今やニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでのライブのチケットが数10分で売り切れるほどの人気バンドになっているようですが、そういう話を聞くと、こうしたガツンとしたロックンロールに飢えてる人は意外と多いのかもしれないですね。



author:沢田太陽, category:個人話, 06:08
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2011私的年間ベスト・アルバム10枚〜その1

どうも。


昨日アップした、海外メディアによる2011年間ベスト・アルバム、結構な方に見ていただいたようで嬉しいです。


引き続いて、私事で恐縮ですが、僕個人が選んだ2011年間トップ10アルバムを2回に分けて発表したいと思います。


順位は特につけていません。結構、その日の気分でコロコロ変わるし、今回ここに選んだのも”12月下旬現在”の最終的なラインナップにしか過ぎません。従って、僕が事前にクロスビートさんなどに提出した年間ベストとは結構選んでる作品が違います。


まずはここで惜しくも選漏れした作品の名前を軽くあげておきます。


What Did You Expect From The Vaccines/The Vaccines,Talk That Talk/Rihanna,The Hunter/Mastodon,Parallax/Atlas Sound,Pala/Friendly Fires,Goblin/Tyler,The Creator


このあたりは結構気に入ってましたね。ある時点まではトップ10に入れてたんですけど、今年は案外と11月下旬以降に良いリリースが続いたので、そこで気が変わってしまったというのが大きかったですね。



そんな感じで、トップ10の方、行ってみましょうか!

Bon Iver/Bon Iver

 

やっぱり、「2011年の名盤」として後年にもっとも残すべき作品って、これなんじゃないかな〜。ジャスティン・ヴァーノンの曲って、心地よいほどに美しすぎるから、一歩間違うと「高級BGM」にもなりかねない(実際、70sのピンク・フロイドはそういう風にも解釈された)のですが、そういう側面も含めて普遍的な広がりを持ってるんですよね。全曲がそうというわけではないにせよ、僕はこの人の曲を聴いてるとときどきドビュッシーとかエリック・サティあたりの印象主義クラシックなんかも思い出してしまうんですよね。それでいてフォーク・ソングの土着っぽさを感じさせる時もちゃんとあるし。この音楽的深みと、PVにも象徴されるような映像をイメージさせるようなポエティックな心地よさが続く限り、ソングライティングでしばらく彼を脅かす存在は出て来ないんじゃないかな。

 


Strange Mercy/St.Vincent




これも今年の大きな収穫のひとつでしたね。セイント・ヴィンセントこと、アニー・クラークによるアヴァンな未来派ロックンロール。この人の場合、過去にポリフォニック・スプリーやスフィアン・スティーヴンスのバックをつとめてたり、彼女自身の曲の方もパッと聴きがアニマル・コレクティヴ以降のブルックリン・シーンのサウンドが好きな人が好みそうなイメージを漂わせてはいるんですが、アニーが他と決定的に違うのは、効果的、かつワンパターンにならずに、ギターのペダルを効果的に活かしてエッジのある不況和音を鳴らしまくってくれてるところ。それがあるから、このテの音楽がいきおい陥りがちな、フィジカルな昂揚感がまるで感じられない頭でっかちなだけのサウンドに堕さずに済まず、本来の未来派ロックが持つべき攻撃性もしっかり表現出来ている。その意味で彼女は現在、ディアハンター/アトラス・サウンドのブラッドフォード・コックスに並ぶギタリストだと思いますね。

 



Smother/Wild Beasts







上の2つがUSのインディで僕がダントツに気に入ったものだとしたら、UKだと僕はもっぱらこのワイルド・ビースツでしたね。今年もUKロックは大逆風が吹き荒れてましたけど、その中でキャリア・ハイの評判とセールスを獲得することが出来たホラーズやフレンドリー・ファイアーズ、メトロノミーは諸手をあげてほめたいところですが、ワイルド・ビースツの本作における流麗な美しさに僕は最も驚いてしまいましたね。これまでも良かったんですけど、シンガーのキャンピーな趣味がいきおい濃過ぎて「ちょっと僕には…」という感じになりがちだったのですが、その要素が良い意味で差し引かれ、普遍性を獲得したのが大きいですね。今作の時点ではまだイギリスのメディアしか評価していませんが、アメリカでも聴かれてほしいなあ。

 


21/Adele



11月までの時点ではギリギリで落としてしまったりもしてたんですが、やはり、今年1年におけるこのアルバムの持つ意義ってものすごく重要だと思うし、内容的にそれに相応しい作品だと思うので、こうして入れることにしました。


1年でもっとも売れるアルバムが、こんな風にインディからはじまっていて、しかもセレブ的な浮き足の立ち方をしないのって一体何以来なんだろう。おそらく、そんな風に思った人が世界中にたくさんいたんでしょうね。「今、こんなに良い曲を、こんなに上手く歌える人がいるんだ!」と1年ものあいだ、多くの人が徐々に気がついて行ってCD買い続けたことがアデル現象に決定的に火をつけることになったんでしょうね。


実際、彼女がポップスターに与えた影響って具体的にかなり大きいです。ビヨンセは「ニュー・アルバム制作の際、アデルとフローレンスに刺激された」と語り、ブリトニー・スピアーズまでも「アデルやジェシーJが出て来た事で、自分もしっかり音楽を作らないと、と思った」と語っています。まあ、ブリには「ジェシーJより重要な女性アーティストならまだ巷にたくさんいるよ」と言いたくはありますが(笑)、それでもポップのド真ん中でマス・セールスをあげてる人たちをインディ出の人がここまで危機感抱かせたのって、それこそ10年ひと昔まえのストロークス以来ですよ。そういう意味でも、「男に元気がない」「バンドに元気がない」というのをいみじくも彼女が証明したことにもなったような気がしてます。


そして、曲調にしても、ちょっと前ならマスで当たるようなサウンドでは決してないですよ。客観的に考えて、全米1位の曲にニューオーリンズ・ファンク風のハンドクラップのビート使った曲なんて画期的ですよね(笑)。その意味でプロデュースにあたったポール・エプワースもブロック・パーティ以来に良い仕事したと思います。

 


Ceremonials/Florence + The Machine




生活拠点を欧米圏に変えてみて改めて気がつくことなんですが、MTVだとかグラミーのようなアワードでのパフォーマンスであるとか、「サタディ・ナイト・ライヴ」であったり「デヴィッド・レターマン」みたいなナイト・トーク・ショウでのパフォーマンスって、音楽ファンに与える影響って大きいんですよね。その観点から言って、2010年の後半以降、この人ほどテレビでのパフォーマンスを見た人も他にいませんね。それくらい、ものすごい引っ張りだこでしたから。やはりメディア側としては、「自作自演のロック系の女性で、ここまで大衆にもアピール出来る力を持ったアイコンって誰以来?」といった感じで興奮せずにはいられなかったんでしょうね。


ただ、僕自身としては、彼女のデビュー作前における、インディ界隈の盛り上がりを覚えていたので、正直デビュー作「Lungs」が出た時のあまりのポップさに逆に肩すかしを食らっていました。「なんだ。今まで強く共感出来ていたあのロックっぽいカッコ良さはどこかに捨てちゃってポップスター狙いなのかい?」。そんな風にさえ感じられたので、僕は当初、彼女のブレイクを快く思ってはいませんでした。しかし、僕のそんな気持ちは、前述したTVでの数々のパフォーマンスでの内容の充実度で徐々に変わって行きました。そのうち僕も「実力あるんだから、次は音楽的に本当にカッコいいの、頼むよ!」と期待するようになっていました。


そしたら、本当に容赦なく、彼女自身が本来作りたかったものを、前作の成功からのプレッシャーをもろともせずに堂々と作って来たからビックリしました!今回の作品のマニアックなテイストに不満を漏らすレヴューも多少見受けられはしたんですけど、成功に対しての極度な嫌悪感を示さない程度に、大衆に迎合しない自分らしさを保ちつつ、それがいつの間にか大衆の感覚をグイグイと牽引していた…という理想的な形を作ることが出来ました。こういうパターンこそ、ポップ・ミュージックならびにロックの本来の理想型です。

 

author:沢田太陽, category:個人話, 08:13
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2011年海外音楽メディアの年間ベスト・アルバムを総括
 どうも。


今日はタイトルの通り


2011年海外音楽メディアの年間ベスト・アルバムを総括!


この企画をやってみたいと思います。


いや〜、この企画をやるのに随分時間かかっちゃいました。本当はもっと早くやる予定だったんですけど、各音楽メディアの年間ベスト・アルバム50をポイントつけて集計する時間が本当になくてですね。なので今回は、Metacriticが20数個の音楽媒体の年間ベスト・アルバムを独自に集計したTop20を参照に語ることにします。


さあ、どんな結果になってるんでしょう…と、勢いよく言ってみたいところではあるんですけど、僕的には近年になく音楽にノレない1年だったかもしれないなあ。これは後ほどゆっくり語りますが、正直、今年の海外での、いや、インディ・ロック界全体に言えることではあったんですけど、正直、気持ち的に同調できないもの多いんだよなあ〜。


とは言え、半分くらいは好きなんですけどね。でも、いざ、それがこういう年間ベストみたいな形ではねかえって来た時に、この中から何枚が歴史に残るか、正直疑問なんですよね〜。


まあ、それはおいおい語って行くこととして、早速20〜11位をカウントダウンしましょう。


20.Kaputt/Destroyer
19.Skying/The Horrors
18.The Whole Love/Wilco
17.David Comes To Life/Fucked Up
16.Take Care/Drake
15.The English Riviera/Metronomy
14.Burst Apart/The Antlers
13.Hurry Up We're Dreaming/M83
12.Smoke Ring For My Halo/Kurt Vile
11.Father Son,Holy Ghost/Girls


この中で一番好きでかつ意味があると思えるのはドレイクですね。これは、僕の最終的な今年のトップ10にも選びました。僕の年間はまた記事を改めて書くのでそのときに。


イギリス勢のホラーズとメトロノミーは、ここ数年の中のUK勢では貫禄示せてますね。特にホラーズは”デッカいカルト・バンド”という立ち位置をどこまでこの先大きくして行けるか僕はすごく楽しみです。


ガールズとカート・ヴァイルは、今の時代の新しいクール・エッジのあるレイドバック・ロックな感じと、楽曲の内包する深さみたいのが良いですね。そこまで個人的にやみつきになるほど好きなわけではないですが、面白いとは思います。


ウィルコはここ数作がちょっと落ち着き過ぎて正直ノレなかったんですが、今回のアルバムは、彼らが持ってた気鋭の部分がわかりやすく帰って来た感じしましたね。



アントラーズは良いんですけど、そこまで何か個性がハッキリわかりやすい感じがしないのがなあ〜。「インディ・ロックのある意味様式美」な感じが僕はそこまで…。


Fucked Upはコンセプト・アルバム仕立てというのは面白いし、ハードコアにロックしてるのはいいんですけど、曲の単調さが昔からあまり得意じゃなくて…。


デストロイヤーは曲そのものは昨今のインディ・ロックにソウルやジャズのコード感入ってて個性はあるし聴いてみたくはなるんですけど、長く覚えているかどうか。


そしてM83なんですが、彼らに関しては、この後のシーンを引っ張って行ける曲の説得力やバンドの個性は強く感じるんですね。彼らの持ってる「エレクトロ+シューゲイザー」のスタイルもすごく今日的だし、時代の潮流に答えるものは作ったと思うんですよね。ただ、僕自身の期待がもっと大きいものだったから「2枚組とか、そういうんじゃなくて…」みたいな気持ちがどうしても残っちゃったんですよね〜。「Midnight City」はピッチフォークをはじめ、今年のベスト・ソングに選んでいるところもありましたけど、そのベストに選んでる感じが”局部的”な盛り上がりで終わってて、全体に行き届く感じじゃないのもなんか引っかかるんですよね。力があるのは認めてるんですけど。



ではトップ10行きましょうか。


10.James Blake/James Blake


このアルバムに関しては日本での評価の方が高いんじゃないかな。日本だと「これが1位じゃないなんておかしい!」とか言い出しそうな批評家さんもいると思います。ただ、彼の才能は疑う余地がないものであるにせよ、このアルバムに対する評価は海外でも賛否はハッキリ割れてます。


実は今回、20数媒体のベストで、1位にしたのはデイリー・テレグラフだけで、あとはほとんどトップ10には入ってなく、ほとんどで20〜30位台だったんですよね、これ。僕はそれわかる気がします。僕も正直、アルバムは期待はずれに近かったので。シングルの「Limit To Your Love」に関しては文句なしに2011年のベスト・ソングに近かったんですけど、まさか曲調が全部似たような感じになってたとはなあ…。日本的な批評だと、あの音色、間、声をも楽器の一部として客観化した作りに発明のようなものを感じてそれだけでオッケーみたいな感じだと思うんですけど、海外の批評は、アイディアを曲として昇華出来てなかったり、ヴァリエーションが感じられないものには概して辛いですからね。


あと、これは彼の責任ではないんですけど「ダブステップ」が結局陳腐な感じで本来の意味が何だったのかさえわからなくなるくらいに言葉だけが拡散してしまったことへのメディアの急速な冷めもあったような気もしますね。


9.Watch The Throne/Jay Z&Kanye West


これは「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」から続くカニエの好調さとジェイZという信頼に足るヒップホップ界の首領が貫禄を示したことへの評価でしょうね。僕的には、予想の範囲を超えるものではなかったのでそこまで入れ込まなかったし、アルバムの中の「代表曲」という点で弱いのが気になったんですけどね。


ただ、ジェイZとビヨンセのカップルは批評的にもすごく愛されてますね。ビヨンセの「4」もトップ10に入るようなメディアはほとんどなかったにせよ「50位以内」だと、かなりのメディアがベストにあげてました。これに関して思ったことは「エレクトロに飽きてる人は多いんだな」ということですね。だから、そこに踏み込まずにR&Bで新しいことをやろうとしたビヨンセを持ち上げたという形だと思うんですけど、この評価は正直僕はどうかと思いましたね。だって、ビヨンセという「売れてナンボ」のアーティストがセールス不振だったのに加え、今回の路線にせよ、カニエみたいに一度エレクトロに深く踏み込んだアーティストがそこから脱するみたいなものだったらカッコ良かったんだけど、ビヨンセってただ単に芸域が狭くてトラディショナルなR&Bしか出来ない人のわけですから、今回の評価も「結果論」だけでしかないような気がするんですけどね。


8.Helpless Blues/Fleet Foxes


1stアルバムに続いて大好評でしたね。ヒットチャート的にも上位で健闘しましたしね。ただ、内容的には良かったものの、個人的な欲を言うともう少しビックリしたかったし、1stのときの勢いがあったら、今回トップ3内に入ってて欲しかったというのはあります。


7.Black Up/Shabazz Palaces


お恥ずかしい話、僕、これ知らなかったんですよ。シアトルのヒップホップ・ユニットのようですが、youtubeの曲聴く限り、たしかにトラックは刺激的でした。昨今のヒップホップと言えばOFWGKTAがタイラー・ザ・クリエイターのキャラを含めて引っ張ってる感じがあったんですけど、どうやら興味深い動きを示しているのは彼らだけではなかったようです。


6.House Of Baloons/The Weekend


このエイベル・テスファイと言う人の存在は、ここ数年続いていたR&Bの安直な音楽制作姿勢に対しての強いアンチテーゼを感じさせますね。R&Bアーティストたちがいろんなクリエイターたちの曲を切り貼りしてアルバムを作るせいで、プロデューサー自体にアルバム1枚通して聴かせられる存在が本当にいなくなっていた。それに対し、彼がインディを通して、アルバム1枚単位で””これからのR&B"を作り上げたのは、巨大化しすぎたR&B/ヒップホップ産業に対しての価値ある一石だったような気がします。そんな彼をいち早く起用したドレイクも素晴らしいんですけどね。


5.Strange Mercy/St.Vincent


これは僕個人の年間トップ10にも入れました。詳しくは、個人ベストのところに書きますが、ここ数年でのブルックリン勢台頭以降のアヴァン・ポップの中では傑出した出来だと思うし、あのテの作品の中で一番ロックを感じたのも本作です。この人は大きくなってほしいな。


4.whokill/tUnE-yArDs

メリル・ガーブスによるこのニュー・イングランドのプロジェクトは、メリルの声を聴くだけなら、「すごい女が出て来たな!」という感じなんですけど、曲調そのものはいわゆる「アニコレ以降」の域を出るものではないし、プラス、一度ウェブで見たパフォーマンスのバックのバンドが全員メガネかけた科学者みたいなナードだったのがものすごく悪印象で(笑)、ロックとしてあまりにも夢がなかったのがすごく嫌で、その印象があまりに悪く支持出来なくなってしまいました。まあ、メリルに罪は全くないんですが(笑)、でも、彼女自身も声の存在以外はただの豪快なオバサン風情というのもあまり…。


3.21/Adele


セールスに関して世界一なのは言うまでもないですが、批評的にも8つの媒体で1位でした。これも自分のトップ10に選んだので詳しくはそちらで語りますが、これがウケたのはセルアウトの結果でもインディから鼻つまみにあったからでもなんでもなく、音楽マニアにもポジティヴに歓迎された結果です。


2.Bon Iver/Bon Iver


これは6媒体で1位、7媒体で2位。そしてグラミー賞にも主要4部門中3部門でノミネート。今年音楽界でもっとも事が動いたのはこの人なんじゃないでしょうか。このアルバムも僕の年間ベストに選んだので詳しくはそちらで語りますが、シンガーソングライターとか、そういう枠を超えて素晴らしい”うた”のアルバムです。


1.Let England Shake/PJ Harvey

圧倒的な勢いでのナンバーワンはPJハーヴェイのこのアルバムでした。実に13媒体でナンバーワンですよ!「すごい!」のひとこと。


たしかに、これが傑作であることは「理論的には」納得できます。T.Sエリオット等英国の偉大な詩人の言葉を引用しつつ現在の英国を巧みに語り、サウンド的にも今どきここまでスッカスカのサウンドも珍しいくらいの音像から、アルバム毎に違って聞こえる独自の声を自在に操られてもいる。傑作満載の彼女のキャリアでも限りなく上位に位置づけられるアルバムなのは僕も納得します。

ただ


「理屈的に非常によく出来ている作品」が、必ずしも時代に影響を及ぼすわけではない。


僕はその点がどうしてもこのアルバムに対してはひっかかるんですよね〜。果たしてこのアルバムのすごさが直感的なレベルでどこまで大衆に伝わるか。あるいは、ここからどれだけのバンドや女性シンガーが影響を受けて明日のシーンの活力に変えるか。そういうのが僕はこのアルバムからは見えない。なんかこのアルバム1枚の中だけで世界が完結してしまっているというか。それを考えた時に、アデルやセイント・ヴィンセントほど評価する気には正直なれなかったんだよなあ。


でも、そうした、「1枚の中だけで完結した作品」が上位に来てしまうのが、すごく2011年におけるロックを象徴した感じになってるとは思いました。シーンへの影響力も、将来への影響力もすごく見えにくい、きわめて動きの見えない感じというか。こういう状況が続いてしまうと、ロックがますます一般リスナーから縁遠いものになってしまうし、ロックがどんどん内に向いた気難しいだけのものになってしまう。そもそもロックというのは、大衆に共有されることによってそれが”世代の声”として影響力を持つに至る歴史を重ねて来たと思うんですけど、今年のリストからそれが見えるのは、全くないわけではないですが、それでもすごく少ない。なんか、そのあたりがすごく物足りないんですよね。



今年こういう結果になってしまった一因としてレディオヘッド、ストロークス、コールドプレイといった常連が入らなかったことがあげられます。たしかに彼らが今年発表した作品がこれまでの傑作群に及んでいたかとなると疑問ではあります。しかし、今年上位にランクしたアーティストの中にキャラクターとして、カリスマ性として、この3つのバンドを凌駕したり迫ったりすることが出来るようなアーティストが一体何組いることか?ここにあがったアーティストで世代交代が果たして可能かどうか。そうなるとやはり「弱い」とは言わざるをえないんですよね。


この記事のシメとして、象徴的なものをあげておこうかと思います。NMEの読者が選んだ年間アルバム・ベスト20。これが、ロック・ファンの本音の部分を現していて非常に興味深かったんですよね。必ずしも良いリストだとも思わないのですが、こういうところにはねかえって行かないようだと、たとえ良いものをあげてても影響力があるとは言えないんでね。


20.Wasting Light/Foo Fighters
19.Hunger/Frankie&The Heartstrings
18.James Blake/James Blake
17.Born This Way/Lady Gaga
16.4/Beyonce
15.Torches/Foster The People
14.The Pains Of Being Pure At Heart/The Pains Of Being Pure At Heart
13.The Fall/Gorillaz
12.Ceremonials/Florence&The Machine
11.Color Of The Trap/Miles Kane
10.Build A Rocket Boys/Elbow
9.Noel Gallagher's High Flying Bird
8.Velociraptor/Kasabian
7.Submarine/Alex Turner
6.On Mission/Katy B
5.Ritual/White Lies
4.England Keep My Bone/Frank Turner
3.Suck It And See/Arctic Monkeys
2.Angles/The Strokes
1.Skying/The Horrors
author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 06:51
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最新全米映画興行成績
どうも。


今日から僕は休暇に入ってます。ただ、こっちの冬休みって短くて、2日から普通に日々が進むんですけどね。


ただ、この休暇中に、ワイフが家にあるCDの音源をitunesに全部音を落とそうとしていて、それが今日からはじまっています。いつ終わるんだろう(笑)。僕は落とし終わったCDを倉庫に整理する係です。まあ、全ては生まれて来る子供のためのスペース作り&PCからいつでも音楽が聞こえてくるためのシステム作りなんですけどね。


ただ、僕はPCから音楽聴くのが非常に苦手(あの、音の表面だけ削りとった、低音が全く効かない音聴くとイライラしてくる)なので、ステレオにうまいことつないで、ちゃんとロウの効く環境を作らないといけないですけどね。次の世代の若者への音楽の環境作りの意味でも興味深いです。


では、火曜日恒例、今年最後の全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。 



1(3)Mission Impossible:Ghost Protocol
2(1)Sherlock Holmes:A Game Of Shadows
3(2)Alvin And The Chipmunks:Chipwrecked!
4(-)The Girl With The Dragon Tattoo



5(-)The Adventures Of Tin Tin



6(-)We Bought A Zoo


7(-)War Horse


8(-)The Darkest Hour


9(7)New Year's Eve
10(11)The Descendants


今週は拡大公開に伴って「ミッション・インポッシブル」が予想通り1位です。ただ、興収自体は2600万ドルとそう高くはないですね。


…と書いてたら、ホリデー週末でもう1日分に集計が加わったので数字変更です。4600万ドルだったそうです。


初登場は4位に「ドラゴン・タトゥーの女」。これはもう世界的にお馴染みのスウェーデンが生んだ大ヒット小説&アクション映画のハリウッド版ですね。僕はデヴィッド・フィンチャーというのは現在もっとも信頼に足る監督のひとりだと思っているし、トレイラーを見る限り、ルーニー・マラの大胆にイメージ・チェンジしての体当たりの演技や音楽のセンスはすごくカッコいい印象を受けてかなり期待しています。


Metacritic採点では73点と、点数的にはなかなかです。フィンチャーの作品としては75〜85点くらいは欲を言えば欲しかったところですが、リメイクであることや、スキャンダラスな作風を考えると反対意見も呼び込みやすいでしょうから、その状況下でこれは立派だと思います。


5位にはスティーヴン・スピルバーグの「タンタンの冒険旅行」。これは世界的にお馴染みのフランスの古くからあるカートゥーンの3Dデジタル・アニメですね。


これ、個人的には楽しみだったんですよね。タンタンの声をやるのがジェイミー・ベルっていう選択も面白いと思ったし。ただ、評判的には思ったほど伸びなくて、Metacritic採点で67点。良い点数ではあるんですが、題材とスピルバーグの名前だともう少し高くても良かった気がします。


6位はマット・デイモン最新主演作「We Bought A Zoo」。イギリスの作家が家族と自分の再生のために動物園を買い取るお話。相手役にはスカーレット・ヨハンソン。この映画はキャメロン・クロウ監督にとって「エリザベス・タウン」以来となる作品でもあります。クロウにとっての最後の良い映画は「あの頃ペニー・レインと」(2000)だと僕は思ってますが、一応まだキャメロン・クロウというネーム・ヴァリューは効くのか、ブラジルでもアメリカと同時公開ではじまったんですが、批評的にはもうひとつでして、Metacritic採点では57点。やはりまだある時期ほどの冴えが戻っては来てないようですね。


そして、ここからが一度アップした情報と変わりました。7位にはまたしてもスティーヴン・スピルバーグの新作「戦火の馬」。この作品は、第二次世界大戦における、馬と人間と心の交流を描いた作品で、演劇版がトニー賞を受賞してるほどの作品です。そういうこともあり、かねてから今年のオスカー・レースで上位争いをするものだと目されて来ました。


その期待は決して裏切ってはいないし、実際既にゴールデン・グローブをはじめ、いくつかの映画賞で作品、監督で共に候補にはなっていますが、「意外と勢い弱いな〜」と思っていたら、Metacriticでは73点。まだ、オスカー・ノミネートの可能性は十分ある点数ではありますが、これだと監督賞ノミネートはひょっとしたら外れてしまうかもしれないですね〜。作品賞もノミネートのボーダーラインといったところでしょうか。


そして8位に初登場はSF3Dものの「The Darkest Hour」。これはロシアに上陸し、地球征服を企むエイリアンに立ち向かう若者たちのお話です。主演は、久々にこの名前聞きましたね。エミール・ハーシュ。共演もマックス・ミンゲラにオリヴィア・サールビーと、楽しみな若手の名前が並んでいるんですが、どうやら素材が最悪だったらしく、Metacritic採点では28点とかなり酷いです。「イントゥ・ザ・ワイルド」でかなり期待されたエミール・ハーシュですが、「スピードレーサー」が大コケして以来、ツいてないようですね。









author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 05:55
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