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最新全米チャート
どうも!


今、僕の目の前のTVではロック・イン・リオの4日間。今日はソウル・ナイトで、さっきまでジャネール・モネエやってました。彼女、今年の頭にエイミー・ワインハウスの前座でブラジル着てましたけど、やっぱウケは抜群だったんでしょうね。”現代の女JB”の驚愕の身体能力、この日も超満員のリオの会場を最高に湧かせてました。2ndアルバムの際は本当に大物になってほしいな。


あっ、このあと、ジャミロクワイかと思ったら、ソウルでもなんでもないケシャなの?なんだ、チャンネル変えなきゃ(笑)。そしてトリはスティーヴィー・ワンダー。起きてられるかわからないけど、久々にフルで見たいな。


それでは金曜恒例、全米チャート、行きましょう。


SINGLES

1(1)Moves Like Jagger/Maroon 5 feat Christina Aguilera
2(2)Someone Like You/Adele
3(3)Pumped Up Kicks/Foster The People
4(4)Party Rock Anthem/LMFAO
5(5)Stereo Hearts/Gym Class Heroes feat Adam Levine
6(6)Lighters/Bad Meets Evil feat Bruno Mars
7(8)Cheers(Drink To That)/Rihanna
8(10)You And I/Lady Gaga
9(7)You Make Me Feel.../Cobra Starship feat Sabi
10(25)Sexy And I Know It/LMFAO


あんまり変化はありません。実に6位までが先週と全く同じです。


今週のトップ10入りはLMFAOの2枚目のシングルの「Sexy And I Know It」。相変わらずシャレの効いたタイトルでいいですね。そういうとこも、彼らが今ウケてるひとつの大きな原因のような気がします。


でも…それにしてもすごいPVだね、こりゃ(笑)。あそこの部分、それ、揺れ過ぎだって(笑)。曲よりPVの方を忘れないことになりそうだよ、これじゃ(笑)。


来日公演も速攻売り切れなんですってね。ライヴもバカパワー炸裂で面白そうな気がします。


では圏外に行きましょう。今週は16位で初登場のこの曲です。

 


リアーナ、もう新作出ちゃうんですよね。早いな〜。ここ3年続けて1年1作のペースですよ。彼女の場合、与えられた曲を最大限にクールに歌う努力をするだけなので、それが可能なんでしょうね。


で、今回の曲は、かなりヨーロッパのダンスフロアの生の雰囲気を取り入れたものになりましたね。ピッチの上り下がりが曲間にあるレコーディング曲って、本格的なフロア対応のチューンならいざしらず、アメリカのラジオ向けになかなか作るものじゃないから、これはかなり大胆な戦略ですね。すごく良いと思います。


こないだのサンパウロ公演、値段で断念したん後にロック・イン・リオ見て「やっぱ、見ておけば良かった」とかなり後悔したんですけど、これ聴いてその思いが一層強くなりました(笑)。最近、自分が頭で意識する以上に、無意識に感覚的にリアーナ欲しているような気がします。ポップ・ミュージックの理想的な見本ですよ。


では、アルバムに行きましょう。


ALBUMS

1(-)Duets/Tony Bennett
2(1)Own The Night/Lady Antebellum
3(2)21/Adele
4(-)Unbroken/Demi Lovato
5(3)Tha Carter IV/Lil Wayne
6(-)The Reckoning/needtobreathe
7(-)#1Girl/Mindless Behavior
8(-)Sweeter/Gavin DeGraw
9(9)Watch The Throne/Jay Z&Kanye West
10(-)Pearl Jam Twenty/Soundtrack


なんとトニー・ベネット、82歳にしてビルボード・アルバム・チャートでトップですよ!もちろん新記録です。さすがにエイミーとの共演曲アリは効いたか。


そして、大ベテランの彼のことです。おそらくグラミーにもこの作品で絡んでくるはずです。これまで”アデル独走”とばかり思っていましたが、これは強烈なライバル登場かもしれないですね。

4位に初登場はデミ・ロヴァート。先行シングルの評判の良さはアルバムにまでは届かなかったか。6位のこの聞き慣れないneedtobreatheというのは、アメリカのポップ・ミュージックの中でも最もマニアックなジャンル、クリスチャン・ロックのバンド。いつも思うんですけど、この宗教ポップスがアメリカの外に出て行くことってあるのかなあ。7位は全くのド新人ですね。黒人ボーイバンドのマインドレス・ビヘイビア。「誰だそりゃ?」と思って検索かけたら、こんな人たちでした。




今から10年くらい前だったかな。現在ソロで頑張ってるオマリオンが「B2K」というコッテコテのアイドル・グループやってたんですけど、それの再来みたいな感じですね。今ならさしずめ、ウィル・スミスさん家のジェイデン君やウィローちゃんの好きな層が反応しそうな感じでしょうか。


8位は「♪ア〜イドン、ウォナビ〜」とどうしても思い出さずにいられないギャヴィン・デグロウの新作。そして10位には、パール・ジャム結成20周年を記念したドキュメンタリー「Pearl Jam 20」のサントラ。これ、こっちでもやるはずなんだよな。11月4日には僕もサンパウロ公演を見に行くのでこれはマストで見ないといけません。


さて来週ですが、ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」20周年記念特別盤が強そうですが、ブリンク182の復活作とウィルコの新作もかなり強そうですね。なので、そのどちらかでシメようと思いますが、今回はウィルコで行きましょう。今回のアルバム「The Whole Love」の先行シングル「I Might」、ちょっと久々に若々しいエッジィさがありますね。ここ何作か「落ち着いちゃったな」という印象があってちょっと遠のいていたんですが、これくらい飛ばしてくれるとさすがに聴いてみたくなります。かなり実験的で良いじゃないですか!

 


author:沢田太陽, category:全米チャート, 09:04
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あらためてロック・イン・リオの歴史を
 どうも。


こちらでは中日はさんで明日から再開です。




はい。ロック・イン・リオのことです。これ、フェスとしては異例の開催期間の長さでして、1週間くらいあるんですよね。なので、他の国のフェスみたいに毎日チケット買っていくなんてことは現実的に不可能(よほどの金持ちでかつ暇な人だけだよ、そんなの!)なんですが、それゆえにスケジュールが比較的融通が利いて、大物アーティストがより呼びやすい利点もあったりするのですが、なにより、「歴史」と「知名度」が国際的に抜群のフェスなので、声がかかったアーティストも積極的に出たがってたりもしています。


今日はそんなロック・イン・リオの過去の歴史に迫ってみたいと思います。



ロック・イン・リオがブラジルはリオ・デ・ジャネイロで開催されたのは今回で4回目。知名度の割に意外なまでに開催されていません。…なんですが、第1回目が随分昔&ロック史上に残る大フェスティバルだったためにかなりの好印象をアピールしてしまい、その後、由緒あるロック・フェスとして、ある程度長いインターバルをおいて開催されているわけです。


その、輝かしい第1回目のロック・イン・リオは1985年1月10日から10日間に渡って開催されました。このときはなんとフェスとしては非常に珍しい、出演者2度回しの制度が取られていました。つまり、フェスの前半でヘッドライナーをつとめたバンドが、フェスの後半でもう一度ヘッドライナーをつとめる、というもの。この第一回目のヘッドライナー、当時はこんな感じでした。


クイーン(2回)
AC/CD(2回)
イエス(2回)
ロッド・スチュワート(2回)
ジョージ・ベンソン
ジェイムス・テイラー


いや〜、これ、やっぱ豪華でしょ!クイーンは、この頃はアルバムで言うと「ザ・ワークス」の頃ですね。ちょうど「Radio Gaga」と「I Want To Break Free」が大ヒットして、イギリスでの国民的人気を盛り返してる頃ですね。その「ザ・ワークス」というアルバムは、彼らが解散を頭に入れながら作った作品だったりもしたんですが、それがキャリア史上での上位に入るヒットとなり、このロック・イン・リオで成功し、同じ年の夏にはライヴエイドのライヴで世界的に注目もされます。今日に至るまでクイーンが伝説になり、フレディが男爵コスチュームのイメージで愛されているのは(笑)、この時期のツアーの勇姿が世界的にあまりにも多くの人の脳裏に焼き付いているからです。


ここで一曲、行っておきましょう。


 


う〜ん、格好といい、声といい、存在感といい、誰もこんなの追いつけません(笑)!「国際的なロック・フェス」と言った時に、代表的存在としてこういうバンドがリザーヴできたら、それだけでもう成功したようなものです。今でも、楽曲の個性、ライブでのショウの完成度、リスナーに残す印象、いずれの点においてここまでハイレベルなバンド、いないと思いますよ。


そして別日には、今日に至るまで”世界一のロケンロール・バンド”としての地位を不動のものにしているAC/DC!!!ただ、このときは「Flick Of The Switch」と「Fly On The Wall」とセールス的には下降線な時期。にもかかわらず、ちゃんとヘッドライナーで2回迎えてるのは見る間あったんだなあと思います。あと、イエスはあのオケ・ヒットでお馴染み「Owner Of A Lonely Heart」が大ヒットした時期のツアーですね。ロッドはアルバムで言うと「カモフラージュ」で「Infatuation」や「Some Guys Have All The Luck」がヒットしたあたりですね。ベンソン、ジェイムス・テイラーはこの時期はヒットないはずですけど、ジェイムス・テイラーはたしかこれが縁でブラジルのミルトン・ナシメントと共演したんじゃなかったっけ?


今、例を示したのがヘッドライナーですが、それ以外にもオジー・オズボーン、アイアン・メイデン、スコーピオンズ、Go-Go's、B52s、ニナ・ハーゲンなどが出演しています。


そして実は、このロック・イン・リオを契機として、ブラジル国内の音楽シーンはロック一色になって行くんですよね。海外から刺激を呼び込んだのみならず、ドメスティックなシーンもしっかり活性させた意味でも、このフェスの存在は非常に大きいのです。それにより、特に地元、リオ出身のバンドが大量にスポットライトを浴びていくのですが、この件については、また別項で紹介したいと思います。



そして2回目のロック・イン・リオは1991年の1月18日から9日間開催されました。このときもヘッドライナー2回回し制だったのですが、ヘッドライナーはこんな感じ。


プリンス(2回)
ガンズ&ローゼズ(2回)
ジョージ・マイケル(2回)
インエクセス
ハッピー・マンデーズ
ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック


1回目に比べるとだいぶポップですが、この当時のポップ・ミュージックのカラーをすごく出してると思います。まだ、この当時は、今みたいにジャンルやシーンでアーティストをクッキリわけではなく、いろんなアーティストを一同に介させることにそこまで強い違和感はなかったですからね。


しかもやっぱヘッドライナー、こうして見てもすごいですね。時期的には「グラフィティ・ブリッジ」のツアーの時期とは言え、それでもプリンスの2Daysトリはすごいことだし、ジョージ・マイケルは「Freedom 90」が大ヒットしてる頃で、ガンズは「アペタイト・フォー・ディストラクション」の強い余韻があり、当時で言う新作の「Use Your Illusion !&II」を世界中の人が愉しみにしてた時期。


ここからはこれを聴いてみましょう。

 


これ、「Use Your Illusion」の曲ですが、このとき「ニュー・アルバムからの新曲」としてかなりいち早く披露されてますね。これ、すごいお特だ。このとき、まぎれもなく世界ナンバーワンの人気バンドだったからなおさらね。やっぱ、そう考えると、かなり貴重ですね。


続けて行きましょう。インエクセスは「スーサイド・ブロンズ」がヒットの頃ですね。ハッピー・マンデーズが「キンキー・アフロ」の頃ですね。マッドチェスターものがしっかり入ってる幅広さがいいです。そしてニュー・キッズは「Step By Step」のあとですが…、当時ロー〜ミッド・ティーンだったうちのワイフは、このときのライブを見て「あまりにショックでファンやめた」と語っています(笑)。


あと、このときは他にもジューダス・プリースト、クイーンズライチ、フェイス・ノー・モア、ランDMC、ビリー・アイドル、a〜ha、ディー・ライト、リサ・スタンスフィールド、デビー・ギブソンと、かなり振り幅の激しい回になったようです。


そして第3回目は2001年の開催。このときは、今回同様、2つの週末使っての7日間開催でヘッドライナー2度回しはなくなったんですが、まあ〜、これも豪華な並びです。


スティング
REM
ガンズ&ローゼズ
インシンク
アイアン・メイデン
ニール・ヤング
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ


いや〜、これも並びとしてはすごいですね。個人的に興味のないのもありますが、バランスはすごく取れてるし、中心はちゃんとロックにもあるし。時期的なことで言うと、スティングはもう「民族ハウス」に走っててキツかった頃(笑)。REMは「リヴィール」のときですね。この中で一番当時話題になったのはガンズですね。なにせ、この時期でもう既に6〜7年雲隠れしてましたからね。このときは全世界が注目して、太ったアクセルに愕然となり、さらにそこから新作が発表されるのに7年もかかってしまいました(笑)。この並びの中でインシンクはかなりやりにくかったでしょうね〜。なにせ当時はまだジャスティンの才能が知れ渡ってなく、「すぐ消えるはずのアイドル」みたいに見られてましたからね。メイデンはディッキンソンが戻ってきた頃かな。ニール・ヤングは「Silver&Gold」とかそのあたりかな。レッチリは「カリフォルニケイション」が世界で大ヒットしてツアーがもうすぐファイナルとか、そんな時期ですね。


この中から1曲行きましょう。

 


ごめんなさい(笑)。しかし、これ、瓶とか投げられなかったのかなあ〜。他の日と明らかに傾向的に違いすぎるものなあ〜。僕は彼らがこのとき出演したことは覚えてなかったんですけど、これ、当時絶対に問題視されたんじゃないかなあ。ただ、今回はこういうノリの方がロックを凌駕してしまってることが大問題となってたりしますが、その意味では10年時代を先駆けたチョイスだったのか(笑)。たしかにこれだと恥ずかしかったりはしますが、今、仮にジャスティン・ティンバーレイク名義で出演があったとするなら、僕はむしろ積極的に見たかったりしますけどね。その意味でもこのチョイス、長い目で見て間違いではなかったような気もします。


あと、このときはヘッドライナー以外にも大物が目白押しだったんですよね。フー・ファイターズ、ベック、オアシス(しかもガンズの前!)、ブリトニー・スピアーズ!(もちろんインシンクの前。当時まだジャスティンとつき合ってる最中のはず)、「R指定」の直後のクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、シェリル・クロウ、デイヴ・マシューズ、シルヴァーチェアー、デフトーンズ。全体の層の厚さでは、僕はこのときが一番好きですね。
このときみたいなラインナップであるなら、喜んでリオまで向かいますけど。


で、今回が10年ぶり4回目、ということになるんですけど、その10年のインターバルの間に実はロック・イン・リオはヨーロッパに支点を置き、スピンオフ・フェスを隔年で開催しています。舞台はポルトガルのリスボン、もしくはスペインのマドリッド。こうやってブランド・イメージを守って来たことも、大きな人気の理由なんでしょうね。


なお、これから数年ですが、”リオ版”と”スペイン/ポルトガル版”の2ヴァージョンを隔年かつ持ち回りで回していくそうです。これからも大きな伝説を作って行くことでしょうね。
author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 11:45
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ロックの殿堂のノミネート2011
どうも。


ロック・イン・リオがはじまってから、僕の中で久々にロック・モード。ということで今週はロック・メインのネタで押します。まあ、週末は先週末に見た「Bridesmaids」のレビューをしする(期待しててください!)し、TVネタもするかもしれませんが、とりあえずここ数日はロック・ネタで。


今日、”ロックの殿堂”こと、ロックンロール・ホール・オブ・フェイムのノミネートの発表がありました。今年のノミネートは15組。こんな感じです。


Beastie Boys
The Cure
Donovan
Eric B&Rakim
Guns 'N' Roses
Heart
Joan Jett
Freddie King
Laura Nyro
Red Hot Chilli Peppers
Rufus featuring Chaka Khan
Small Faces/Faces
The Spinners
Donna Summer
War


今回のノミネーションですが、例年と比べて割とメディアのリアクションが大きかったですね。それはやはり、ノミネートの対象期間が80年代中〜後期のバンドに下って来たことで、だいぶ今の音楽シーンとつながりのあるラインナップになったからでしょうね。ガンズ、レッチリ、ビースティ、キュアーといったラインはそういう感じでしょうね。


これ、仮に人気投票的な感覚で言えば、レッチリやガンズが通りやすいとは思うんですが、いろんな音楽やエンタメ系のサイトでのこのニュースでの読者コメント欄を読んでると、この2つに対しての期待感は実はそれほど大きくありません。それより期待値の高かったのはズバリこの人たちでした。





キュアーの殿堂入りを願う声がすごく多かったですね。ただ、これ、すごくわかる気が僕もしますし、ズバリ言ってそういう人たちと同意見です。


いわゆるロックの教科書的な観点で見た場合、”パンク/ニュー・ウェイヴのオリジネイター”だとか”オルタナティヴ・ロックの立役者”と言った人たちの方が功績自体は理解されやすいんですけど、昨今のバンドを世界的に見回した場合、セックス・ピストルズやクラッシュからの影響を直接あらわしたバンドよりも、80sのイギリスのダークなニュー・ウェイヴからの影響を強く表現するバンドの方が圧倒的に目立つんですよね。だからと言ってそれが、パンクのオリジネイターよりすごいとか、そういうことが言いたいわけではないんですが、それでもザ・スミス、ジョイ・ディヴィジョン(ニュー・オーダー)、デペッシュ・モード、そしてキュアー。こういったバンドのフォロワーが今の世界になんと多いことか。この側面はやはりしっかりと評価しないとならないポイントだと僕は思うし、そうじゃないとロックの現在と接点を失うことにもなりかねません。


ただ、それにはジョイ・ディヴィジョンやザ・スミスはまだ”イギリス”のイメージが強過ぎてアメリカでは受けにくいかな、とも思いはするんですが、キュアーとデペッシュ・モードはアメリカでも”元祖ゴス”としてアリーナ・クラスの人気と影響力を誇ったわけで。そして、その2つのうちだったら、キュアーの方がバンド形式である分、よりフォロワーも生まれやすかったりもし…。…と、考えると、やはりキュアーというのはかなり大きな存在なのではないかと僕は思います。


…ただ、この”ロックの殿堂”というところは、”自分たちがロックの基準”みたいな態度を取りがちな割には、ここ10数年のロック批評の流れには全くついて行けていません。それが証拠に、これは前にも言いましたが、アメリカ以外の国、いやアメリカでだってある年代から下の世代にはほとんど影響力があるとは思えない、その昔日本で”アメリカン・ロック”という今や死語で括られていたアーティストが無駄に多く殿堂入りしてるんですよね。ハッキリ言って、ボブ・シーガーやジョン・メレンキャンプ、ボニー・レイットあたりは殿堂入りの必然性がよくわかりません。



そんなこともあり、この殿堂、ノミネートや受賞のタイミングでロック・ファンから必ず大きな批判が起こります。その批判の今のメインは「なぜKissとラッシュが延々と無視され続けているんだ!」というもの。ぶっちゃけ、この殿堂、ハードロックとプログレにはかなり冷たいですね。なんだか選ぶ基準が彼らの中でもよくわかっていないというか。人気面にかこつけてヴァン・ヘイレンを選んでいたりしてますが、これも現在のメタル系のファン的な視点で見ればアイアン・メイデンの方が影響力デカいと思うんですけど、メイデンなんて完全無視ですからね。その他にも、カーズ、ホール&オーツ、ELOといった、現在でも様々なところで耳にするアーティストが無視され続けている状態です。


ただ、この上のノミネート・リストを見るに、実は”ロックの殿堂”なりに、これまでの不公平の是正をはかろうとはしているんだな、ということはよくわかりました。それは


女性アーティスト


ここまでの殿堂入りアーティストの男女比の割合を気にしてか、あるいは会員の中にかなりのフェミニストがいるのか、実は例年も結構多かったりするんですけど、女性アーティストの選出が目立ちますよね。ジョーン・ジェットにチャカ・カーン、ハートにローラ・ニーロにドナ・サマー。いずれの女性も”評価できるポイント”というのはわかりやすい(順に”女性パンクの元祖””史上最高レベルの女性R&Bシンガー””女性ハードロックのパイオニア””女性シンガーソングライターの先駆””ディスコ時代の女王”)し、別に殿堂入りしても決して嫌ではないですが、ただ、彼女たちのこの実績で見るなら、上に書いたKissやELOみたいなアーティストが入っていないというのは、正直やっぱり違和感はかなりありますね。


あと、これまたポリティカリー・コレクトを意識してのことだと思いますが、ビースティ・ボーイズに加え、エリックB&ラキムという、これはまたコアどころなヒップホップを突いて来てますね。たしかにラキムの流れるようなフロウが、これまで気合い一発だったラップの方法論を変えたことは確かだし、サウンド的にも、それまでの”サンプリングとリズム”一辺倒になりがちだったトラックを大きく前進させたとも思うんですが、”ロックの殿堂”という名の下であるなら、彼らより先に入るべきアーティストはたくさんいると思います。


ただ、現実的に考えて、結局のところ入るのは残りのドノヴァン、スモール・フェイセズ/フェイセズ、フレディ・キング、そこにあと2〜3組かな、とも思います。ドノヴァンやスモール・フェイセズは、この殿堂が毎年、まるで”招待枠”のようにして空けている60sブリティッシュ・ビート組の一貫で入りそうな気がします。あと、この殿堂はブルースを礼賛する傾向が強いので、”3大キング”のひとりと言われつつまだ入っていなかったフレディ・キングは堅い気がします。


あとは、なんだかんだでガンズ(レッチリ、ビースティは何年か待たせそう)、女性枠からは多分チャカ・カーンかドナ・サマー(ABBAが殿堂入ってたりしますからね)、そして望むらくはキュアー…という感じなのではないかなあ、というのが僕の予想なんですけど、さて、どうでしょう。まあ、長年、不公正な選び方をし続けたせいで権威もかなり落ちたのでそんなに胸もときめきませんけど。


あ〜、10年以上前はアメリカ行くたびにクリーヴランドに行ってロックの殿堂参りを欠かさずしてたほど好きだった場所なんだけどなあ。そんな僕がもう一回夢中になって行きたくなるような結果を出して行ってほしいんですけどね。


author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 09:12
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最新全米映画興行成績
どうも。


自分でもビックリしてますが、いざはじまってしまうと、ロック・イン・リオ、毎晩TVで見てしまっています(笑)。たしかに毎晩TVで見るライブとしては純粋に見てて楽しいですね。と、同時に、自分の中にある抗いようのないロック好きの血を認めざるを得ないかな。そういうことを再認識する意味ではすごく貴重な体験だと思います。ただ、これが会場で、満員の中で立ちながら見る状況だと、またこだわる部分が違うとは絶対に思いますが。


そんなロック・イン・リオ、今日、月曜(こっちの時間)から水曜は中休み。残り4日を木曜から日曜までで行います。



では、そんな感じで、今日も火曜日恒例、全米映画興行成績を(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。


1(1)Lion King 3D
2(-)Moneyball

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3(-)Dolphin Tale

215px-Dolphin_Tale_Poster.jpg
4(-)Abducion

215px-Abduction_Poster.jpg

5(-)Killer Ellite

220px-Killer_Elite_Poster.jpg

6(2)Contagion
7(3)Drive
8(4)The Help
9(5)Straw Dogs
10(6)I Don't Know How She Does It


先週、突っ伏して説明出来なかったので、2週分解説が必要ですね。



先週初登場で1位を記録したのはディズニー・アニメの名作「ライオン・キング」の3Dヴァージョン。結局のところ、90sにブームになった正統派ディズニー・アニメで一番人気の映画ってどうやらこれみたいですね。「美女と野獣」や「アラジン」もリアルタイムでの人気は高かったですけど、これが寿命としては一番長いかな。


その昔、これが出て来たとき、「なんだよ、これ!手塚治虫の『ジャングル大帝』のパクリじゃないか!」などと言っていたのを思い出します。ただ、それからだいぶ時間が経ったときにディズニー初期の名作アニメ「バンビ」をはじめてみたとき「えっ、『ライオン・キング』ってこれの翻案じゃんか!…ゲッ、ってことは!?」となり、これではたしかに手塚側が盗作で訴えても逆ツッコミを受けるだけなんだということに気がついたりしたものです。映画をたくさん見て行くと、こういう発見もあるものです。


そして2位に初登場は、ブラッド・ピット主演の最新作「Moneyball」。2週目1位の「Lion King」にわずか及ばず2000万ドルくらいのデビューですね。これは実在するメジャー・リーグのオークランド・アスレチックスの敏腕ゼネラル・マネージャーの伝記映画。僕、メジャーは多少かじってるのでわかりますが、ジトーとかマルダー、ハドソンといった生え抜きの好投手を育てた頃のお話ですね。


これ、一部で「ソーシャル・ネットワークの野球版」という声もあるし、そうじゃなくても、ここ15年くらいなかった、なにげにハリウッドが大好きなはずの野球映画での久々のヒットであることも好意的に受け止められ、批評的には随分絶賛を受けておりまして、Metacriticの採点はなんと87点!たしかに監督がカポーティのブレット・ミラーで、脚本がそれこそ「ソーシャル・ネットワーク」のアーロン・ソーキンだったら良いのも納得。あと、ブラッド・ピットの風貌がすごく久しぶりに僕好み。こういうやや長めのサラサラ髪のときが一番カッコいいと思うんだけどなあ。



そして3位に初登場は、イルカと人間の感動ストーリー。「Dolphin Tale」。主演が、最近、音楽はどうなったんだろう?ハリー・コニックJrと、ここ最近代表作がないアシュリー・ジャッド。そこに”人情ものなら俺にまかせろ”なモーガン・フリーマン御大が絡むという映画ですが、評判は上々のようでして64点。ただ、記憶に残るかどうか、そこが微妙な作品のようにも見えます。


そして4位は「トワイライト」のジェイコブこと、テイラー・ロートナー初主演のアクション・サスペンス「Abduct」。これは、ネットで自分の出生の秘密を知ったティーンエイジャーが巻き込まれる危機を描いたサスペンスなんですが、とにかく評判は最悪。テイラーの演技力も批判されてますが、「これが仮にテイラーじゃなくてベテランでもこれは救えなかっただろう」というレヴューもあるほど内容的にもいただけなかったらしく、Metacriticではラジーにリーチの25点!テイラーもノミネートは免れないか。


そして5位は、現在映画界でもっともワイルドなハゲ、ジェイソン・ステイタムの最新アクション「Killer Ellite」。こちらはクライヴ・オーウェンに、ロバート・デニーロ御大も共演のヒットマン・サスペンスなんですが、特に際立った印象がなかったからなのか、こちらもMetacriticは44点といまひとつ。ジェイソン・ステイタムって、今、年に2〜3作くらいのハイペースでアクションものの主演ゲットしてますが、申し訳ないんですけど、なんか印象に残らないんだよなあ、作品が。まあ、妙ちくりんな悪趣味なゴス・テイストを押し付けない点でまだニコラス・ケイジの最近のソレよりは随分マシですが(笑)。あとデニーロ、ここ最近客演がコケまくってますけど、一体どうした?



そして6位はこれが3週目のランクインとなるスティーヴン・ソダーバーグの「Contagion」。7位は今年のカンヌの監督賞を受賞した期待のアクション・スリラー「Drive」。こと、アメリカ人に限って言うなら、ライアン・ゴスリングって現在の若手では屈指の演技派だと思いますが、ここでもその才能は絶賛されてますね。Metacriticでも79点。彼は間もなく公開のジョージ・クルーニーの最新監督作「Ides Of March」の演技でもほめられてますが、票割れ起こしさえしまければ、オスカー主演男優賞ノミネート、行けそうな気がします。


8位は、既に3週1位を獲得。ランクイン2ヶ月に及んだ大ヒット作「The Help」。9位は先週5位から後退の「Straw Dogs」。アメリカン・ニュー・シネマのファンなら、これが1971年のサム・ペキンパー監督、ダスティ・ホフマン主演の「わらの犬」のリメイクであることはわかると思うのですが、今回主演をつとめたジェイムス・マースデンが役不足だったか、Metacriticは46点。名作に泥を塗ってしまいました。そして10位は先週6位からダウンの「I Don't Know How She Does It」。これは人気チックリットの映画版ですが、もう、そういうものの主役をサラ・ジェシカ・パーカーがつとめてしまう時点でもう「セックス&ザ・シティ」にしか見えないのはツラいかな。サラ自身もこのテの映画に出る限りは「SATC」の壁は破れないことはもう少し自覚するべきだと思います。Metacritic評価もよろしくなく36点。これ、こちらでも10月の中旬にやるんですが「SATC」の大ファンのワイフが「見たい」と言い出しそうなので、もしかしたら劇場で見るかもしれないです。



さすがに2週分話すとヴォリューム長いですよね。疲れました(笑)。


さて来週ですが、「(500)日のサマー」「インセプション」の演技で人気急上昇のジョセフ・ゴードン・レヴィットが主演で癌患者の役を演じる「50/50」、これのトレイラーを見ながらシメましょう。相方役がセス・ローゲンというのも僕的にはポイント高いです。

 

author:沢田太陽, category:全米チャート, 12:05
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最新全英チャート
どうも。

ここのところ、ロック・イン・リオの影響で、寝る時間が後ろにズレてます(笑)。ロック・フェスで終わるのが午前3時というのは、すごく珍しいのではないかと思います。そして今日も同様に行われます。トリはメタリカ。さすがに今日は明日も朝早いのでちょっと夜更かしは無理かなあ…。


そんでもって、昨日の夜はレッチリヘッドライナーだったんですが、う〜ん、正直微妙なライブだったなあ〜。彼らとしては、若い頃のようなファンキーなスタイルへの回帰を狙って、「Me And Mt Friends」や「Higher Ground」みたいなブレイク前の代表曲も盛り込んでのライブだったんですけど、初期の暴れん坊なイメージ覚えている人にはいかんともおとなしすぎる演奏でしたね。ゲイの美容師みたいなルックスになってしまったアンソニーがあきらかにそうした音楽性が合わなくなっていて、加えてピッチも随分外してましたしね。新ギタリストのジョッシュ・クリングホッファは今時のインディ・ロック・ミュージシャン的な繊細な文化系な佇まいで僕的には嫌いなタイプでは決してないんですけど、やっぱりレッチリというバンドにとってはちょっとソフトすぎる印象は否めなかったかなあ。彼ら自身が望む以上にファンにマッチョな人が多いからなあ。この日のライブの前に中継の番組も「今年は『Blood Sugar Sex Machine』から20周年だぜ。Give It Away Give It Away Give It Away,Now!」なんていって煽ってたんですけど、そういうノリを周囲も期待していただけに、余計に肩すかしの印象でした。やっぱ、「Danny California」や「Other Side」みたいなダウナーな曲の方が今の彼らにはすっかり自然体になっちゃってますね。やろうとしていることに体がついて行き来っていない印象を受けてしまいましたね。


…と、そんな感じで今日も行きましょう。月曜恒例、全英チャート。


SINGLES

1(-)No Regrets/Dappy
2(2)Moves Like Jagger/Maroon 5 feat Christina Aguilera
3(1)What Makes You Beautiful/One Direction
4(-)It Girl/Jason Derulo
5(-)I Won't Let You Go/James Morrison
6(3)All About Tonight/Pixie Lott
7(14)The A Team/Ed Sheeran
8(4)Heart Skips A Beat/Olly Murs feat Rizzle Kicks
9(39)Cannonball/Damien Rice
10(9)Jealousy/Will Young


先週に続き、今週も変動の多いチャート。1位には初登場で、”イギリスのショボいブラック・アイド・ピーズ”ことN-Dunzのシンガー/ラッパーのダッピーのソロ・デビュー・シングル「No Regrets」が輝きました。今やこの国のキッズもすっかりR&B/ヒップホップに夢中のようですね。


4位にはイギリスでの人気が高いR&Bシンガー、ジェイソン・デルーロのニュー・シングル。これはニュー・アルバム「Future History」からの2枚目のシングルですね。


そして5位には、男性シンガーソングライター、というより、英国産のブルーアイド・ソウル・シンガーと言った方が表現近いですね。ジェイムス・モリソンのニュー・シングル。これはイギリスで明日発売のニュー・アルバム「The Awakenings」からの2枚目のシングルとなります。


そして9位には、これは「X Factor」効果ですね。アイルランドのシンガーソングライター、ダミアン・ライスの2002年の大ヒット曲「Cannonball」が「X Factor」の予選で歌われたことによって再注目を浴び再ヒットを記録しました。そうした、楽曲の改めての発見を促す意味では、こういう番組の存在も貴重だったりするんだよね。


今週はトップ10で4曲動画を使ってしまったので、圏外はなしにして、早速アルバムに行っちゃいましょう。


ALBUMS

1(-)Velociraptor/Kasabian
2(-)+/Ed Sheeran
3(2)21/Adele
4(5)Classic/Joe McEldery
5(-)Duets II/Tony Bennett
6(3)Playing In The Shadows/Example
7(6)Nothing But The Beat/David Guetta
8(7)Echoes/Will Young
9(-)Lovestrong/Chistina Perri
10(8)19/Adele


これで3作連続で全英アルバム・チャートの1位です。カサビアン。数年前まで大人気だった多くのバンドがことごとく人気を落として行く中でこの記録は立派のひとことです。もう、すっかり人気が安定してますね。


そんなカサビアンを前に、「The A Team」「You Need Me,I Don't Need You」の連続シングル・トップ10で一躍脚光を浴びたエド・シーランのデビュー作も2位止まり。ただ、長く売れそうな気配はします。


そして5位には、エイミー・ワインハウス生前おそらく最後の共演ソングと思われる「Body And Soul」を収めたトニー・ベネットのデュエット集アルバム「Duets II」。9位には「Jar Of Hearts」のヒットに後押しされてクリスティーナ・ペリのデビュー作が初登場しています。


圏外にはミック・ジャガーのプロジェクト、スーパー・ヘヴィのアルバムが13位で初登場。なんでこのプロジェクトをやるのかの意図がなんか不明なんですけど、その印象がそのまま現れた結果となってしまいました。














author:沢田太陽, category:全英チャート, 04:37
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チャーリー・シーンやスティーヴ・カレルの後はどうなった?〜アメドラ新シーズンの第1話
 どうも。そして、実はこちらが本題です。


この1週間、アメリカはドラマのニュー・シーズンの週でした。もっかのところ僕的に気になっていたのは2番組。



まずひとつが「Two And A Half Men」。これが、あのチャーリー・シーンが抜けたあとどうなったんだろう。そう思い、この番組がはじまって以降、はじめて気にかかり(笑)、第9シーズンの第1話をネットでチェックして見てみました。そうしたらこれが


メチャクチャおもしろかった!!


この番組に関してはキツいコメントばかりして来た僕ですが(笑)、これはおそらく番組史上もっとも面白かったエピソードだと思います。だってのっけから


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チャーリー・ハーパー(チャーリー・シーン)の葬式のシーンですよ。たしかに彼の奇行で前シーズンが収録不能になり、予定のエピソードをたしか8話くらいカットする迷惑をこうむったのは確かなんですが、ストーリー上、別に死んでもなんでもなかったのに。それがいきなり突然死んでることになっているという(笑)。そして、この写真でもわかるように、スピーチ台の横に、チャーリーがトレードマークのように着ていたシャツと短パンが吊るされてるという(笑)。いやあ、制作者の個人的な怒りがここまで痛烈なジョークに転化されたシーンというのも珍しいです。そして


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葬儀参列者のほとんどが、チャーリーが劇中で関係を持った女性たちばかり。生前を忍ぶコメントが彼とのセックス・ライフのことばかりというのも、もうドラマを超えて私生活の領域に思い切り入り込んでいました(笑)。その代表のコメントを読み上げたのは、ストーカー的な恋人だったローズ(メラニー・リンスキー)だったのですが、彼女の発言でチャーリーがどう死んだのかがあかされます。「婚約した翌日に彼は他の女性とバスルームでセックスをしてました。そして次の日、駅で電車を待ってるときに彼は誤って線路に落ち、気がついたら肉が飛び散ってました」って…。…いやあ…、そこまでやるかね(笑)。


そのチャーリーは、役の上では売れっ子のCM音楽の作曲家で、LAのマリブビーチのすぐそばに豪邸を持っていて、そこに貧乏整体師(でもニートに近いかなあ)のアラン(ジョン・クライヤー)と息子のジェイクが住み着いていたわけですが、今やその豪邸ももう売却か…と思ったその瞬間


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アランが誤って部屋にまき散らしたチャーリーの灰の向こうの窓ガラスから、突然謎の男が登場。それがアシュトン・カッチャーなわけです!彼扮するウォルドンは若き大富豪で金にも女にも不自由しない立場。しかし、愛する女性を失ってしまったことがショックでマリブの海で投身自殺を図ったところ、死にきれず地上にあがり、辿りついたところが旧チャーリー・ハーパー邸だった…というわけです。おそらくストーリーとしては彼がこの豪邸を買い、そこにアランとジェイクが住む…という図式になりそうな感じですが、さてどうでしょう。


で、この回のエピソードですが、なんと


2874万人が見たそうです!


いやあ、これ衝撃の数字ですよ。だってこれ、


「アメリカン・アイドル」の年間No.1視聴率の週並の高数字ですから!!


これ、いかにアメリカがチャーリー・シーンのスキャンダルに興味津々だったかを示すものですね。いやあ、それにしてもすごいは、これ。


そして、僕的にもうひとつ気になっていたのは「The Office」。こちらもスティーヴ・カレル扮するマイケル・スコットが去って誰が後任のボス役をやるのか、気になってましたからね。


で、結局


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エド・ヘルムス扮するアンディが後を引き継ぐことになりました。ただ、もうこの人、”アンディ”というより”スチュ”ですけどね。完全に「ハングオーバー」でのイメージが強くなり過ぎです(笑)。


ただ、とは言え、話がどうやらそれで済みそうな感じが今回はしません。なぜなら


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番組上の主役クレジットはドワイト(レイン・ウイルソン)ですから!


マイケル・スコットの一の親友だった彼は「自分こそが後を引き継ぐべきだ」と信じ込んでいたので、この決定が面白くなくて仕方ありません。どうやら今シーズンの「The Office」は


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CEOロバート・カリフォルニア役として登場したジェイムス・スペイダーに振り回されるものになりそうですね。それにしてもジェイムス・スペイダー老けたなあ。「プリティ・イン・ピンク」の時はあんなにカッコ良かった(あっ、「Two And A Half Men」も「プリティ・イン・ピンク」のダッキーだった!こんなところでつながるとは」)のに。「ボストン・リーガル」でキャリアのカムバック果たしたときも「デブになったなあ」と思ったものでしたが、今度は生え際が…。ただ、役者としての寿命はかなり伸びてるのは事実ですが。


あと、今週のアメリカのTVで気になったことはというと、「モダン・ファミリー」が「X Factor」に視聴率で勝ったということかな!



たしかにエミー賞を独占した直後の放送だから注目度が高かったのもあるとは思うんですけど、裏番組、サイモン・コーウェルなわけですよ!しかもFOX的にはこの番組を「アメリカン・アイドル」並の高視聴率番組にする腹づもりだったわけですから、この展開は予想外だったのではないでしょうかね。



あとは、新番組の視聴率がそれぞれ出てますが、う〜ん、どうやら今の段階では、飛び抜けた注目の新番組はないですね。評価的に良いのは「X Factor」「Terra Nova」といった、FOXが去年から準備していた、会社をあげてのプロジェクトですが、ただ、これは「良くて当たり前」で、いかに世間の注目を集めるかがカギの番組。そういう番組としては、まだそこまで話題をさらうほどではないオープニングのようですね。



あと、Metacriticの第1話での採点でも、どのドラマも軒並み60点台。一応、滑り出しとしては合格点ではありますが、ただ、その点数だと、まだ第2シーズンに行けるかどうか、まだまだ余談を許さない数字です。その中で比較的賞賛者の数が多いのがNBCの女刑事ドラマ「Prime Suspect」、ズーイー・デシャネルの新コメディの「New Girl」、クリスティーナ・アップルゲイトとウィル・アーネットのコメディ「Up All Night」、60年代の航空ドラマ「Pan Am」と言ったところですが、これも、まだまだこれからの展開次第と言ったところでしょうか。


そして、酷評をやたら浴びてるのがこれのようです。




なんと「チャーリーズ・エンジェル」の最新リメイクですよ!!いや〜、これはかなりますいですね〜。この番組、ABCが事前からかなりプロモーションに力を入れてた、プライオリティの高かった作品ですからね〜。しかも、オリジナルも、映画版も共に大ヒットを記録した由緒あるシリーズのわけでしょ。それがシーズン1も持たずに打ち切りなんてことになってしまったら、それこそTV史に残る汚点にさえなりかねないわけで。そう考えると、Metacrutic30点いう得点はかなり危険です。去年、同レベルの得点だった新ドラマで第2シーズンまで進めた作品はひとつもなかったですからね。


その理由としてあげられてるのが、この3人そのものの弱さ。中でもミンカ・ケリーへの酷評が目立ちますね。この人、「最もセクシーなセレブ」なんてものに選ばれるほど、期待度は高い人なんですが、女優としてはキツいか。映画でも「The Roommate」が大コケしたばかりですしね。なんかケイト・ボスワース同じく「代表作のない、よくわからないセレブ」と化しそうな予感が今から強くします。


…と、こんな感じです。TVの改編ウィークは来週まで続きますが、そこでまた新しい動きが果たしてあるか。






author:沢田太陽, category:海外TVドラマ, 13:03
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