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映画「Sucker Punch(エンジェル・ウォーズ)」感想〜”カルト映画”と言うよりは”不思議な集合体”
 どうも。


昨日はネタが出来ずにスミマセン。今日は今のところ電力的には大丈夫です。いやあ、昨日はこっちは残暑で暑かっただけにツラかったのです。


で、1日遅れてしまいましたが、今日は




世界各地で「なんだこりゃあ!」な反応を良くも悪くももらっている真っ最中(笑)の映画「Sucker Punch」についての感想です。

この映画ですが、もうだいぶ前から映像イメージの写真は出回っていて、それがあの「300」や「ウォッチメン」のザック・スナイダーのキワモノ美的感覚によるものということもあり、個人的には随分と楽しみにしておりました。もう、このイメージからして「万人に受け入れられる映画では絶対ない!」とは確信してましたが(笑)、やはり結果はその通りでした(笑)。

ただ


「見る前」と「見た後」の印象が実は随分違う作品でもあります!


なので今日は主にその結果の意外性について主に語ることになると思います。




ストーリーに行きましょう。舞台は1950年代。主人公のベイビードール(エミリー・ブラウニング)は実母を病気で失い、以前からいやらしそうな目で見つめていた継父からのレイプを正当防衛しようと銃を放ったところ、それが妹を誤って殺すことに。その角で、その憎き父親から少女向けの精神病棟へと送られてしまいます。


するとそこでは




この見るからにゲイ風の怪しい所長と、バーレスクな雰囲気の女性によって、あることがなされていました。それは




この女性教師による、少女患者たちへのダンス・レッスンが行われていました。もしこれで上手くいくと、妾から寵愛を受け、逆らうとロボトミー手術で廃人にさせられるというシステムのようです。




こういうシステムに納得が行かないベイビードールは、早くから反抗精神を発揮します。彼女は、この精神病棟で飼いならされ、この状況に慣れ切っている、もしくはあきらめを感じている少女たちに立ち向かうことを教えます。そしてそれは、その中のひとり、ロケット(ジェナ・マローン)が精神病棟のシェフからレイプされそうになったのをベイビードールに助けられたことから徐々に彼女たちの中で希望として広がり、ブロンディ(ヴァネッサ・ハジェンス)やアンバー(ジェイミー・チュン)もこれに加わります。しかし




グループのそもそものリーダー格でロケットの姉でもあるスウィート・ピー(アビー・コーニッシュ)だけは、希望が抱けません。彼女はベイビードールの提唱する病棟脱出計画にもなかなか乗ろうとはしません。


そんな矢先、ベイビードールがダンスを披露する日がやってきました。すると、彼女にはある特殊な能力があることが明るみになりました。それは




危機的な状況が訪れると、音楽と共に目をつぶって夢を見るのでした。そして、その夢の中で彼女は初老の男性司令官の支持のもと、悪と戦う正義のヒロインと化すのでした。彼女はさっそく巨大サムライを見事な日本刀さばきで倒します。すると夢から覚めると、どうやらダンスは大成功したようです。そして、病棟の幹部たちが彼女のダンスに魅了されている間に、彼女たちの脱走計画は一歩ずつ前身して行きます。


そして




ベイビードールの夢の戦いにスウィート・ピー、ロケット、ブロンディ、アンバーも参加。戦いはドイツ・ナチ軍との戦いから空飛ぶ龍との戦いからと徐々にエスカレートして行きますが…。


…と、ここまでにしておきましょう。


まあ、改めて言うまでもないんですが、変な話ですよね(笑)。これですね、もう、ベイビードールの夢での戦いが1つ、2つ、3つと増えるたびに、ザック・スナイダーの「300」ばりの映像美と共に全てが大仰にエスカレートして行く様は、もう見ながら爆笑せずにはいられませんでした(笑)。この”過剰さ”こそがザック・スナイダー映画の様式美であり、これに快感を覚える人にとってはこの時点でオッケーな作品だと思います。その意味においてはもう王道のカルト映画


では、あるのですが


もしあなたがこの映画に



このテのノリを期待されてるようでしたら、肩すかし食らうと思います。


たしかに、「ロリータ、ランジェリー、コスプレ」と言った、野郎的な萌え心を刺激する要素でこの作品が作られていることは確かなんですが、実は事前に出回っているポスターや動画以上にエッチなシーンは特にナシ。いや、それどころか、むしろ女性にとってのリスペクトさえ感じる作りにさえなっています。


つまり、上にあげた1970年前後の、海外だと”セクスプロイテーション”とも呼ばれる、痛快お色気アクション映画に見られがちだった、おバカっぽい女性描写だとか、醜悪なまでの男たちのスケベ心(これに関しては今作でも多少はありますが)だとか、サービス精神満点のチラリズムとか、そうした部分での男目線でのエロ内面心理がこの映画は全然キツくない。
ここで描いているのは「この場所から脱出したい」と願ってひたむきに戦う女性の姿、ただそれだけ。なので、コスプレやロリータといった外的部分に生理的に拒絶反応さえ示さなければ、女性的に案外と見やすい作品だと思います。現に一緒に見に行った、普段フェニミスト的な立場を強く取る欧米女性の僕のワイフも「アクション映画でここまで女性心理に配慮出来てるのは良いと思う」と実際に言ったくらいですからね。


…と言うこともあり、ザック・スナイダーの過剰かつ異常(笑)な映像美を除くと、実は案外真面目な映画なんですよね。


そして、そうした点以上に僕が気になったことがあります。それはこの映画が、過去のあらゆる名作映画の合成作であるということ。これですね、数式にするとこんな感じです。


(「カッコーの巣の上で」+「ダンサー・イン・ザ・ダーク」+「ムーラン・ルージュ」+「キル・ビル」)÷「300」=「Sucker Punch」




まさにそんな感じです(笑)。特に「カッコー〜」と「ダンサー〜」の2つは要素としてメチャクチャ強いですね。だいたい、「音楽と共に起こる夢の妄想」の時点で思いっきり「ダンサー〜」だし、「精神病棟に異分子が紛れ込み〜」という成り行きはまんま「カッコー〜」で、ネタバレしちゃいますが、後半は「おい、これでいいのか?」というくらい、果てしなく「カッコー〜」に近づいて行きます(笑)。こういうモチーフのさせ方って、「結局パクリじゃねえか」と言って敬遠する人も少なくないんですが、「なんだ。ちゃんとしっかり見るべき映画見て映画作ってんじゃん!」と僕は歓迎派です。そこいらのアクション映画だと、そういうのさえ感じませんからね。




そして劇中の音楽、これが実はかなり見事でして、ビヨークの「アーミー・オブ・ミー」をはじめとして、ビートルズやジェファーソン・エアプレイの60sのサイケ系の名曲のカバーをはじめ、ストゥージズ、クイーン、ロキシー・ミュージックなどの曲が効果的に使われて行くんですが、これが実に「ムーラン・ルージュ」的。特にサイケ系の曲は、この映画が持つシュールレアリスティックな雰囲気を巧みに現していたと思います。




あと、「女性の格闘シーン」の参考は「キル・ビル」、そして映像的にはスナイダー自身の代表作である「300」。回りくどくはなっていますが、結局は「300の少女版」を単に作ってみたかっただけなのでは、とも思えますね。


…と、語って行くとなかなかいい映画な風にも取れますよね(笑)。僕的には「だから絶賛」というわけではなく、クライマックスを妙に急ぎ過ぎて全体のバランスをおかしくしてしまった後半部分、そして、「で、結局その問題はどこに?」と鑑賞者的に不自然に思える未解決問題を残してしまった部分(それはご自身でたしかめてください)の脚本には正直不満は残っていたりはするのでそこはハッキリ減点させていただきはします。でも、そこを除けば、強烈に瞼の裏の記憶には残るインパクトの強い映画だとは思います。


あと、気になる女優陣に関して言えば…実はこれ、話膨らまそうと思えばかなり出来る話でもありますので、これは数日後に話すことにします。

author:沢田太陽, category:映画, 03:27
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停電につきネタ急遽お休み
 どうも。


今日、最悪なことが起こりました。それは、


ほぼ半日の停電!


しかもこれ、起こった理由が最低なんですよ!


電力会社が不払いによる送電停止の部屋を間違えてウチらの部屋に運悪く当たってしまった!



ひどいでしょ、これ!しかもひどいのは、ウチのワイフが昼に電話して解除を頼んで「出来ました」と電力会社からオッケーもらったというのに、夜になっても一向に電気が戻って来ない。そういうこともあり、アパートの管理人に頼んで現在一時的に電力が回復してるのですが、これもいつまで持つか。今、ワイフが再度電力会社に抗議の電話をかけてる最中ですが、どうやらこの応対も悪いらしく、無言のままずっと待ってる状態です。



そんな感じなので、今日は予定のネタ、お休みさせてください。こういう形ではありますが、改めて電力のありがたみを感じた次第です。
author:沢田太陽, category:-, 09:42
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最新全米映画興行成績
どうも!


昨日の昼過ぎから5時間くらい、このブログのアクセスがすごいことになってたんですが、何があったんでしょうか?最近ときどき、予想もしないタイミングでものすごく読まれることがあるので何か不思議なんですけどね。しかも、僕は次の朝がポルトガル語の授業だったんで、全然タッチ出来ていないはずなのに。すごく謎です。



まあ、そんな感じで、火曜日恒例、全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。



1(-)Diary Of A Wimpy Kid :Rodrick Rules

2(-)Sucker Punch

3(1)Limitless
4(4)The Lincoln Lawyer
5(2)Rango
6(5)Paul
7(3)Battle:Los Angeles
8(6)Red Riding Hood
9(7)The Adjustment Bureau
10(8)Mars Needs Mom


1位に輝いたのは昨年公開されてヒットした、児童小説「グレッグのダメ日記」の続編、「Diary Of A Wimpy Kid Rodrick Rules」。今回は、グレッグをいじめる兄貴ロドリックをフィーチャーしたものになってます。ちなみにロドリック役は彼です。




現在19歳のデヴォン・ボスティック。ややクセのある顔立ちですが、結構人気出そうな雰囲気漂ってます。このあと、なんか大きいオファーがあるんじゃないですか。


ちなみにこのシリーズ、日本でもブラジルでも第1弾はDVD直行。で、ここで第2弾から劇場公開というのもなんだか考えにくいのでこれもまたDVDな気がするのですが、これはもう、原作のヒットを期待するしかないですね。ちなみにブラジルだと




このように「Diario De Um Banana」、つまりその名も「バナナの日記」という名前で売られているんですが(!)、この「バナナ」という単語の意味合いに「弱虫」というのがブラジルにあるのかないのか、そこまでは今のところわかりません。



で、この「Diary Of A Wimpy Kid」の続編ですがMetacriticでは52点。前作よりやや評価が下がってますね。まあ、続編なんで、こんなもんでしょうけど。ちなみに興行収入は2300万ドルとなかなかです。



で、それに負けて2位だったのが、鬼才ザック・スナイダーの少女戦隊ファンタジー・アクション「Sucker Punch」。これ、邦題「エンジェル・ウォーズ」なんですって?キッツいですね、それは!



この作品ですが、アメリカではかなり物議かもしてますね。目立つ意見としては、映画の内容うんぬん以前に「生理的に受け付けない」みたいな意見が言外に漂うレビューが目立ちますね。「14歳のオタク少年の妄想物語だ」みたいな感じで。実はその辺りの事情ってブラジルでも近いものがあるんですね。僕、これ明日レビューしますけど、実はこないだの土曜日に見に行ってるんですけど、土曜の昼の上映だったのに客ガラッガラでしたもん!これと似たことは実は去年あの「Kick-Ass」でも体験してるんですが、こういうオタクっぽい”萌え”な感覚、まだ西洋人には一般的にキツいようです。


ただ、実際見てるのでハッキリ言えますが



「実はこの映画、そこまで”萌え”ではありません」


そういうこともあり、そっち系のカルト映画を期待した向きからは「全然エロくないじゃないか!」と逆に叩かれてもいるんですよね。


…と、そんなこともあり、この映画、批評家の評判の方は良くありません。Metacritic採点では35点と散々です。


なのですが


一般のユーザーたちからはこれ、熱烈な擁護の声が起こってるんですよね。もちろん、一般視聴者でも酷評してる人は少なくないですが、Metacriticのユーザー採点では、なんと3分の2以上が好意的な評価なんですよね、これ!



これ、どういうことなんでしょう?明日説明しますので少々お待ち下さい。



さて、来週ですが、デビュー作「Moon」を大成功させ期待の若手監督のひとりとなった、あのデヴィッド・ボウイの息子、”ゾウイー”こと、ダンカン・ジョーンズの最新作「Source Code」が入って来ます。早くから期待されている作品ですが、僕も楽しみです。主演はジェイク・ジレンホール。今日はこちらのトレイラーでシメましょう!

    

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 04:27
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最新全英チャート
どうも!


 


先日の土曜に日本でもオンエアされた「アメリカン・アイドル」の冒頭、スティーヴン・タイラーがこの曲の冒頭のフレーズ、「There's something wrong with the world today」と歌いかけて、日本へのメッセージを視聴者に訴えました。これ、アメリカの放送日だと、地震の5日後ですね。前々からチャリティには熱心だったこの番組ですが、この分だと今年の「アイドル・ギヴズ・バック」は日本を中心としたものになりそうですね。


では、今日も行ってみましょう。月曜恒例、最新全英チャート!


 
SINGLES

1(2)Someone Like You/Adele
2(1)Don't Hold Your Breath/Nicole Scherzinger
3(15)Just Can't Get Enough/Black Eyed Peas
4(3)Gold Forever/Wanted
5(4)Price Tag/Jessie J feat B.o.B
6(5)S&M/Rihanna
7(6)Black And Yellow/Wiz Khalifa
8(9)I Need A Doctor/Dr Dre feat Eminem&Skylar Grey
9(8)Rolling In The Deep/Adele
10(7)Born This Way/Lady Gaga


アデルが本当に強いですね。1位奪還です。そして3位にはアメリカ同様、ブラック・アイド・ピーズの「Just Can't Get Enough」が日本の地震に対してのメッセージを呼びかけたことでポジティヴな反応を得ているようですね。日本人にとって忘れ得ぬ彼らのヒットチューンになりそうです。


トップ10圏外ですが、惜しくもトップ10入りを逃して11位だったのがピーター・ケイとスーザン・ボイルによるデュエット・ソング「I Know Him So Well」。これ、楽曲の映像が見つからなかったので今回は情報だけですが、これの元曲は1985年に大ヒットしたミュージカル「Chess」(80sファンの方にはなつかしい、あの「ワン・ナイト・イン・バンコック」もここからの曲)の中の1曲で、たしかイギリスだとヒットしたはずですよ。僕もこの元曲、覚えてましたから。これのオリジナルを歌ったのが、スーザンおばさんが長年憧れたミュージカル歌手のエレイン・ペイジ。ちなみにこのカバー・ヴァージョン、イギリスだと定期的に行われているチャリティ企画の一環の曲でもあります。



では、注目のアルバム行きましょう!


ALBUMS

1(1)21/Adele
2(2)19/Adele
3(-)Angles/The Strokes
4(3)Who You Are/Jessie J
5(-)When Ronan Met Burt/Ronan Keating
6(5)Good Old Fashioned Love/Overtones
7(7)Loud/Rihanna
8(-)Killer Love/Nicole Scherzinger
9(6)Build A Rocket Boys!/Elbow
10(-)F.A.M.E./Chris Brown


う〜、予想出来たとは言え、3位かあ〜、ストロークス。やっぱり、アダルト層がずっと買い続けているアデルにインディ・ロック・ファンの力が及ばない結果となりましたね。ここからすぐにチャート落ちないで踏ん張れるかがカギですけどね。


そして5位にはボーイゾーンのイケメン代表、ローナン・キーティングの、ボーイゾーン再結成後は最初のソロ作じゃないかな、これ。どうやらバート・バカラックのカバー集のようですね。


そして8位には先週シングルで1位だった、元プッシーキャット・ドールズのニコール・シャージンガーが初登場。先週書き込んでくれた方がいらっしゃいましたが、ニコールはイギリスのF1レーサーであるルイス・ハミルトンのカノジョとしての人気らしいですね。僕の疎い部分での情報だけに良い情報ありがとうございます!


そして10位には先週アメリカのTVで大暴れのクリス・ブラウン。イギリスでもシングルは売れてるんですけど、それは必ずしもアーティスト・パワーじゃなくて、どっちかというとクラブでの曲のウケが先行してる結果なんですかね。


そして、すっごい惜しかった!あ〜、残念!デュラン・デュランの新作「All You Need Is Now」は11位初登場でした!!ここ最近、テキサスでのSXSWでのショウに出演するなど話題を呼んでいましたデュランでしたが、その時のライヴでもプロデュースを手がけたマーク・ロンソンがゲスト参加してましたね。本格カムバックをかなり本気でバックアップしてます。


そして、その前後に行われたロサンゼルスでのコンサートが、あの巨匠、デヴィッド・リンチが監督を手がけ、それがyoutube上にあがっております。なんか、そういう行動まで昔の彼らっぽいですな。このライブにはケリスやゴシップのベス・ディットーが客演していたりもするのですが、ここではベスが参加した、1986年の大ヒット曲「ノトーリアス」を聴いていただきましょう。

 


ベスの声がサイモン・ル・ボンの2倍くらいあることは黙っておきましょう(笑)。まあサイモン、歌唱力は昔からこんなもんで全然変わってないですけどね。体重の横移動がだいぶ安定したのをほめてあげてください(笑)。


でも、今回のこのアルバム、前にも何度か言いましたが、昔の代表曲とライブで混ぜても違和感がないくらい、いいときの彼らのエッセンスが凝縮された1枚ですよ。今回これをひっさげて、かなり精力的に世界を回るんじゃないかな。フェス関係にも、目立つとこではないだろうけど、積極的に出そうな感じがしますもんね。彼らのライブ、実は7回くらい足運んでますが(笑)、久しぶりにまた見たいな。


ちなみに今週はヒューマン・リーグの新作も44位で初登場してるんですよね。なにげに80sな今週のチャート。ヒューマン・リーグ、新作はテクノ系の老舗レーベル、ウォール・オブ・サウンドからのリリースなんですよね。リスペクトのされ方が正しいと思います。実は彼ら、来週僕の家から車で15分くらいのところでライブなんですよね〜。行くつもりじゃなかったけど、なんか行きたくなって来ちゃったな。


さて来週ですが、かなりビッグな週です。レディオヘッドとブリトニー・スピアーズが同じ週に登場してきます!さあ、どちらが1位になるか…以前にアデルが抜けるか。まずはイギリスなので、レディオヘッドでシメましょう。久々にタコ踊り、見ますか。

 


author:沢田太陽, category:全英チャート, 04:12
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音楽界のジャパン・チャリティ
 どうも。




世界の音楽界で東日本大震災に対するチャリティの動きが活発化して来ましたね。



まずチャリティCDがもう早速リリースされましたね。それがこの「Songs For Japan」。震災が起こってまだ2週間あまりにして、もうこういうCDが世に出ること自体がすごいし素晴らしいのですね。もちろん、こんな短期間でリリースされるわけですから既存曲ばかりですが、それでも、アーティストに対しての曲の許諾の問題があるわけで、しかもそれが40曲もあるわけでしょ。よく、ここまでスムーズにことが運んだものだと思います。



「自分でもなんとかしたいけど、どうしたらいいのかわからない」。そういう人は少なくないと思いますが、音楽ファンならまずはこれを買うことからはじめて見てはどうでしょうか。9.99ドルからはじまる金銭的援助です。僕も早速買いたいと思ってるんですが、現時点ではi-tunesのみの発売ですね。欲を言うなら、ちゃんとCDとしてプレスされたものを買った方が、いつまでも手元に置いておくにジャケ写が絶対に目に入るわけですから、あの悲しみを自分の中で一生忘れないためにも絶対有効だとも考えるので僕自身はCD盤が購入出来るタイミングまで待ちたいのですが、それがあまりにも時間がかかるような感じであればi-tunesで買いたいと思っています。



で、これ、コンピとしてコンセプトが実に明確で見事です。これ、全て、曲名の時点でメッセージ性を強く含んだ、明日への活力を前向きに漲らせる曲ばかり。しかも、新旧問わずのビッグ・アーティストばかり。やっぱりこれはひとつにまとまったものとしてしっかり持っておきたいです。既に多くの人が知っている曲が多いですが、そうした曲がひとつの単位にまとまることで生まれるパワーが素晴らしいと思います。収録曲はこんな感じです。


John Lennon, "Imagine (Remastered)"
U2, "Walk On"
Bob Dylan, "Shelter From the Storm"
Red Hot Chili Peppers, "Around the World (Live)"
Lady Gaga, "Born This Way (Starsmith Remix)
Beyonce, "Irreplaceable"
Bruno Mars, "Talking to the Moon (Acoustic Piano Version)"
Katy Perry, "Firework"
Rihanna, "Only Girl (In the World)"
Justin Timberlake, "Like I Love You"
Madonna, "Miles Away (Live)"
David Guetta, "When Love Takes Over (feat. Kelly Rowland)"
Eminem, "Love The Way You Lie (feat. Rihanna)"
Bruce Springsteen, "Human Touch"
Josh Groban, "Awake (Live)"
Keith Urban, "Better Life"
The Black Eyed Peas, "One Tribe"
P!nk, "Sober"
Cee Lo Green, "It's OK"
Lady Antebellum, "I Run to You"
Bon Jovi, "What Do You Got?"
Foo Fighters, "My Hero"
R.E.M., "Man On the Moon (Live)"
Nicki Minaj, "Save Me (Clean Version)"
Sade, "By Your Side"
Michael Buble, "Hold On (Radio Mix)"
Justin Bieber, "Pray (Acoustic)"
Adele, "Make You Feel My Love"
Enya, "If I Could Be Where You Are"
Elton John, "Don't Let the Sun Go Down On Me"
John Mayer, "Waiting On the World to Change"
Queen, "Teo Torriatte (Let Us Cling Together)"
Kings of Leon, "Use Somebody"
Sting, Steven Mercurio & The Royal Philharmonic Orchestra, "Fragile (Live in Berlin)"
Leona Lewis, "Better In Time"
Ne-Yo, "One In a Million"
Shakira, "Whenever, Wherever"
Norah Jones, "Sunrise"



これは頭から通して聴きたいものです。




そしてイギリスでは、どうやらウェンブリー・アリーナを借り切ってのジャパン・ベネフィット・コンサートが来月にも行われるみたいですね。こちらにはビーディ・アイをはじめ、プライマル・スクリーム、グレアム・コクソン、ポール・ウェラー等の出演が噂されています。



こういう話を聞くと、いかに90年代のブリット・ポップの日本からの猛烈な盛り上げに対してその当事者だったアーティストたちがいかに感謝してるかを示す例だと思うし、こういう形での恩返しというのは素晴らしいことだと思います。



こういう形でこうした輪が世界的にどこまで広がって行くか。ちょっと今後も目が離せないところです。

 

author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 09:42
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映画「Hall Pass」感想〜宣伝戦略ミスに泣いた、なかなかの佳作
どうも。


本当はリズの追悼の日にこのレヴューをする予定でした。先週の土曜に見に行ったこの映画です。



 


「ジム・キャリーはダム&ダマー」「メリーに首ったけ」でお馴染みのコメディ映画監督ファレリー・ブラザーズの新作「Hall Pass」についてです。



この作品、全米映画興行成績で1位を取ったものの興行的にはそこまで目立ったものではなく、作品評価もそれほど高くなかったことから僕自身も当初は「DVDまで待とうかなあ〜」という感じだったのですが、ファレリー・ファンのワイフの希望と、ファレリー・ファンの間での評判が実はそれほど悪くないという話を聞いて「じゃあ、行こうか」という話になりました。




ストーリーに行きましょう。リック(オーウェン・ウィルソン)とフレッド(ジェイソン・スデイキス)の2人は幼なじみ。同じような頃に結婚した2人は友情もそのままに生きて来てますが、2人とも家庭生活にはちょっと欲求不満気味。リックは、育ち盛りの2人の小学生の子守りに多少ウンザリ気味で、お手伝いの女子大生やスタバの受付の女の子にムラッと来てしまう、ちょっとした浮気願望があります。そしてフレッドは、妻とのセックスに欲求不満気味です。




リックの妻マギー(ジェナ・フィッシャー)とフレッドの妻グレース(クリスティーナ・アップルゲイト)も普段の言動から、夫たちの欲求不満についてはうすうす感づいていました。そして、それはある日の事件で決定的なものになりました。この両夫婦が近所の金持ち夫婦の招きで彼らの自慢の豪邸に行ったときのこと。リックとフレッドは、他の招待客とは別行動に出て、聞かれてないと思い、その豪邸のちょっと嫌みなご婦人の悪口を、彼女のおマ○コの話などを持ち出してコキおろす有様。しかし、それはその家全体についてるヴィデオ・カメラで家人にしっかりと聞こえていたのでありました(笑)。




奥様方たちの目の前で大恥をかいてしまったマギーとグレースは激怒。これに対してマギーは、以前心理学博士の友人から聞いた「中年の危機の解消に1週間婚姻関係を一切忘れるののが効果的」という話を実践に移すべく、リックに1週間結婚していることを忘れる権利、その名も「ホール・パス」を出します。それに対し当初グレースはバカげたことだと反応していましたが、





或る夜、フレッドが車の中でオナニーをしてるところを警官に見つかってしまい公然わいせつ罪で逮捕されてしまったことで、彼女もやむなくフレッドにホールパスを渡すことになります。




「なに!1週間も浮気し放題なんてスゲー!もう、豪遊するっきゃねえじゃんか!」。リックとフレッドの友人たちは早速2人に豪遊。一行は、まるで少年時代に戻ったかのようにハメをはずした人生を謳歌しようとします…。


…と、ここまで見た時点での僕の感想は実は最低評価に近かったです。


なんだこれは?これじゃまんまありきたりの「ハングオーバー」のフォロワー作じゃないか!「Hot Tub Time Machine」とか「アダルトボーイズ青春白書」とかとなんも変わらねえじゃん!どうしたんだよ、天下のファレリー・ブラザーズともあろうものが!


…と思って、実は半ば見るのを放棄しようとさえしてました。


ところが!!!!


この映画はここからが実は本領発揮となっていたのでした。




ホール・パスをもらって本来うれしいはずのリックやフレッドですが、いざその権利を手にすると、物事は思ったようにはうまくいきません。鼻の下を伸ばしていたはずのお手伝いのペイジ(写真上)やカフェのウェイトレスのリーと一夜の恋に落ちたいはずなのにこれがどうにもぎこちありません。


で、その一方で




ホール・パスにより逆に生き生きしてきたのはマギーとグレースの方でした。彼女たちは結婚生活の間に感じることのなかった胸のときめきを覚えていくことになり…。


…と、ここまでにしておきましょう!


…と、この映画、一見典型的なブローマンス・バディ・ムーヴィーに見せかけておきながら実は中年夫婦の危機を男女両面から見せた映画だったのです!


そう考えるとこれ、「ハングオーバー」や「デュー・デート」「Hot Tub Time Machine」のようなブローマンスとは全くタイプが違うし、女性側の立場を描いていたとはいえ、「アダルトボーイズ〜」よりも女性側の心理的な描き方は細やか。そういう意味では女性たちにもしっかり受け入れやすいバディ・ムーヴィーというのが本当のところです。


まあ、たしかにファレリー・ブラザーズって、これまでの映画も肝になっているのはロマンティック・コメディだし、男女両面の側面から気持ちを表現するのはうまいですからね。



それだけに


配給会社の間違った宣伝戦略がかなり悔まれます!


これ、アメリカでもそうだったし、ブラジルでも同様だったのですが、映画のTVスポットが、これ完全に「ハングオーバー」フォロワー的なイメージな売り方だったんですよね〜。たしかに後半の展開を先にバラすと面白くないと言えばないんですけど、しかし、それにしてはもうあまりにも「ハングオーバー」フォロワーというものは世に出過ぎてしまった。映画のヴューワーの側がそうしたマーケティング戦略に飽きはじめていたのに、そこに「これでもか」とつけ込んでしまったことで「どうせこういう映画なんでしょ。もういいよ!」みたいな空気が生まれてしまったのは非常にもったいなかったですね。このイメージさえなけらば、もう少し映画の評価はこれ良くなっていたはずです。後半以降の展開はやや読める分、決して完璧ではなかったにせよ、それでも、途中までのイメージとはガラリと変わって後半は結構楽しめる内容だったのはたしかです。


演技的な面で言うと





オーウェン・ウィルソンとジェナ・フィッシャーの夫婦の演技はお見事でしたね!オーウェン、ここではしっかり疲れた中年男演じてましたね。いつもは「ちょっとトボけた2枚目半」ていうのが彼の得意とする役どころなんですが、ここではぶざまな姿を上手く等身大に演じていましたね。そして、なんかいつも困ってそうに見えてしまう不思議なコメディエンヌ、ジェナ・フィッシャーも、「ちょっぴり問題を抱えた主婦」の役を違和感全くなく演じられていました。やっぱ良い女優さんですね。


まあ、それに比べると




ジェイソン・スデイキスとクリスティーナ・アップルゲイトの夫婦はやや弱かったかなあ〜。ジェイソンは「サタディ・ナイト・ライヴ」からいきなりの主演格代抜擢でしたけど、思いっきり大袈裟に笑わせていい役の割にはちょっとおとなしかったかな。これが仮にウィル・フェレルやポール・ラッドだったら、もっと派手に主役喰っちゃうくらいに笑わせたと思うんでね。カー・オナニーのシーンはすごく良かったんですけど(笑)。


で、クリスティーナ・アップルゲイトの方は適役っぽく見えた役だったんですけど、案外ダメでしたねえ。彼女は前作にあたるドリュー・バリモアのラヴコメ「遠距離恋愛」でも同じような疲れた主婦演じてましたが、もともと華のあるアイドルTVコメディアンヌだっただけに、この役をやれるにはまだ華がありすぎて枯れ切ってないんですよねえ。で、本人も30代後半になった自分の年齢を気にし出してか、一生懸命新生面を見せようとしてるんですが、頑張り過ぎてから回ってる感じがどうしてもしました。これはどちらかというと、ジャド・アパトーの奥さんのレスリー・マンあたりが十八番にしてる役どころ。なので彼女に比べると弱かったですね。むしろコメディエンヌじゃないけど、ローレン・グレアムとかメアリー・ルイーズ・パーカーあたりでも良かった気がしますね。


と、注文をつけるところも多少ありつつも、危機を迎えた夫婦の姿をリアリティ持って微笑ましく描いている点には好感が持てたし、コメディ映画としての破天荒なストーリー展開(後半にそれが発揮されます)もちゃんとあるし、加えて、


実にファレリー兄弟らしい、下ネタが要所要所にちゃんといかされているのも「さすが!」という感じであります。


途中、日本だったら間違いなくモザイクかけられるシーンがいくつか出て来ます(ブラジルは直に見れました、笑)ので、そちら側の趣味が好きな人は充分に楽しめると思います(笑)。やっぱファレリー映画はそうじゃないと(笑)。


そして、ファレリー映画のもうひとつのいい点として、「誰だ、この人?」みたいなサブキャラが存在感示します。




リックとフレッドの友人のナード役で登場するスティーヴン・マーチャント。リッキー・ジャヴェイスのコメディのキャストの人ですが、ここですごくいい味出してます。そして、スタバの美女のかなり頭イカれた先輩役の人はwikiにもクレジットがないデレク・ウォーターという人ですが、この人がかなり存在感出してるんですよ!おそらく、この2人はここをキッカケに大きな役をもらうんじゃないかな。そういう楽しみ方が出来るのはいいですよね。


映画自体としてはなかなかの佳作ですが、地味な作品でもあるので、おそらくはDVDスルーでしょう。でも、ファレリー兄弟前作の「ライラにお手上げ」よりは数倍良い映画だと僕は保証しときます。で、これがリリースになった際ですが、これもファレリー兄弟の常ですが、エンド・クレジットが全部終わるまで見てください。そうしないと、1割くらい面白さが減りますのでね。

author:沢田太陽, category:-, 06:26
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