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SAGアワード 生ブログ
 どうも。


今日もゴールデン・グローブのときみたいにE!でレッドカーペットのファッション・チェックをやっていたのですが、やっぱゴールデン・グローブのときほど”勝負服”の感じはないので、こないだのときのようにレッド・カーペットの生ブログをするほどじゃないなあと思っていたら、中継の途中で衝撃事件が!






なんと、E!のアメリカからのニュース番組の途中で”ブラジル・セレブ・コーナー”を担当していたジウベウト・スカルパが自殺との報が!信じられないよ!!彼の名前は知らなかったけど、毎日のように顔は見ていたので本当にショックです。これで今日はレッドカーペットをチェックする気はなくしてしまいました。まだ27歳だったのに。謹んでご冥福をお祈りします。



SAG自体は日本時間の朝10時から生ブログします。


さあ、はじまりました。SAGアワード。


司会はアレック・ボールドウィンとベティ・ホワイトです。「アタシと同じ年代の人はいないねえ」と相変わらずのベティ節。


TVドラマ 男優部門

スティーヴ・ブシェミ(Boardwalk Empire)


ブシェミ、スピーチ台でノミネートされた他の俳優(ブライアン・クランストン、ヒュー・ローリー、マイケルCホール、ジョン・ハム)にThank you を送ってます。彼も老眼鏡が必要な世代なのは冷静に考えると驚き。


映画の宣伝です。「キッズ・オールライト」。マーク・ラファロとアネット・ベニング。今日のアネットはゴージャスな金のドレス。今日は役から解放されてますね。


「Glee」のフィンとエヴァ・ロンゴリアはプレゼンター。今日はエヴァ、胸は爆発してません(笑)。


TVドラマ 女優部門

ジュリアナ・マーグリース(グッド・ワイフ)

2年連続受賞です。胸の空いた赤いロングドレスです。


ソフィア・ヴェルガラとテイ・・ビッグス。ソフィア、ブルーのドレスが胸で左右に開きまくってます(笑)。


TVドラマ キャスト

Boardwalk Empire


今年は「Boardwalk Empire」の年ですね。強い。


続いてSAGの代表のケン・ハワードのスピーチ。


プレゼンターは「24」のデニス・ヘイスバート。TVCMについてのプレゼンターで、その昔にダスティン・ホフマンが出た車のCMなど、役者出演CMが津h儀次と流れています。



続いてジェイソン・ベイトマン。


映画 助演女優

メリッサ・レオ(ファイター)

この人はよほどこういう世界に縁がなかったのか、受賞スピーチのたびに感涙にむせんでますね。こういう人のための賞ですけどね、助演賞は。



プレゼンターはエイミー・ポーラー。髪がすごくボブになってます。


TVコメディ 男優

アレック・ボールドウィン(30 Rock)

さすがに同業投票だとアレック・ボールドウィン、無敵だね!5年連続は快挙ですな。


プレゼンターはジョン・ハム。

TVコメディ  女優

ベティ・ホワイト(Hot In Cleveland)

おおっ、ばあちゃん、取りましたね!それだけでスタンディング・オヴェーション!どんだけ人気あるんだ、この人は。僕、これ一話だけ見てますが、たしかにすっごく笑えます。オモロイです(笑)。今度紹介します。で、ばあちゃん、キャストをファミリーのようだとほめた途中で人の裸をかたどったトロフィのまたのあたりをさわって「ううっ!」だって(笑)。こういうところが人気なんだなあ、この人。


続いて「英国王のスピーチ」のキャストが映画宣伝。ヘレナ・ボナム・カーター、ゴールデン・グローブの時よりは抑えめですが、やっぱ18世紀の娼婦です(笑)。


続いてLLクールJと、女優さんは名前忘れました、すみません。


TVコメディ  キャスト

Modern Family

妥当ですね、今の勢い考えたら。とりあえず「Glee」に勝って「yes!」って感じです。スピーチ台でとにかくマニーがかわいすぎ!こんなにかわいらしい小学生の坊やってなかなかいないですよ。


続いてミラ・クニスとナタリー・ポートマンが「ブラック・スワン」の紹介。ミラは今日は赤とピンクの混ざったひらひらのドレスにダウンヘア。ナタリー、だいぶお腹目立ってきました。


続いて功労賞。60年代の人気TVコメディ「キャロル・バーネット・ショウ」のコメディアン、ティム・コンウェイがアーネスト・ボーグナインの功績をたたえています。ボーグナインの映画、僕も結構見てて、カッコ悪い主役からウェスタンや刑事もの、戦争ものの脇役や敵役、ミュージカルまで役柄も幅広いんだよね。こないだSNLにちょい役で出てたときも陽気なじいちゃんでおもろかった。そしてボーグナインのバイオグラフのミニ映像が流れてます。誰の脇役をやったかを語ってますが、それだけで映画史みたいな感じです。すげえ。1955年のオスカー主演男優をとったときのプレゼンター、グレース・ケリーだし。ああ、「特攻大作戦」「ワイルド・バンチ」も名作だよね〜。「エアーウルフ」にも出てたんか。今年も「RED」に出てるし。


功労賞

アーネスト・ボーグナイン


もったいつけるねえ。その前にモーガン・フリーマン出て来ちゃったよ。そして名前を呼ばれてボーグナインが壇上へ。もちろんスタンディング・オヴェーション。スピーチも饒舌かつはっきりとした口調で素晴らしいね。94歳とは思えんよ!しかも、話を長引かせないところも見事。


続いてロビン・ライトとジェレミー・レナー。


TV映画 男優

アル・パチーノ(You Don't Know Jack)

パチーノ欠席です。


続いてアーミー・ハマー、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ジェシー・アイゼンバーグで「ソーシャル・ネットワーク」の紹介。


続いてロザリオ・ドーソンとジョッシュ・デューメル。


TV映画 女優

クレア・デーンズ(Temple Grandin)

負けたことないんじゃないかな。ずっと勝ってますねクレア。今日は若草色のノン・ショルダーのロングドレス。髪もおろしてますね。喋り方昔から老けてるけど、まだ31とかなんだよね。映画でデカい役で見たいなあ。


続いてヒラリー・スワンク。追悼コーナーでジル・クレイバーグやレスリー・ニールセンなどルギ次とトリビュートしています。ああアーノルド坊やまで(泣)。ピート・ポスルスウェイト、トニー・カーティス、デニス・ホッパー。本当にたくさんの方が…。


続いてスーザン・サランドン。


映画 助演男優

クリスチャン・ベール(ファイター)

まあ、オスカー安泰かな、これで。ずっと勝ちっ放しだよね。彼が映画で演じた実在人物、ディッキー・エクランドも壇上に上がって祝福です。どうやら散髪に行きましたね。この人は語りますな、しかし。スピーチ長いよ。


このあとにエイミー・アダムスとマーク・ウォールバーグが「ファイター」の紹介。



ジェフ・ブリッジズ登場。


映画 主演女優

ナタリー・ポートマン(ブラック・スワン)

これもこれで決まったかな。幼い頃から女囚の彼女、協会に対しての感謝の弁を述べてます。フィアンセにも感謝しています。



続いてニコール・キッドマン。


映画 主演男優

コリン・ファース(英国王のスピーチ)

まあ、これも妥当ですね。映画に関しては役者4人はまず動くことはないですね、これは。
人の形をしたトロフィをやたら気にしてます(笑)。彼は本当に良い役者です。


続いてドナルド・サザーランドが大賞発表です。


映画 キャスト

英国王のスピーチ



まあ、プロデューサー、監督と来て、これで取らないと流れとして非常におかしいからね。取るでしょうなあ。



しかしまあ〜、アレですね。批評家とギルドの意識差ってこんなにデカいんだと思わされますな。でも、なんか、ここまであれだけ批評家賞で「ソーシャル・ネットワーク」で独占していた流れがギルドの賞だけ口裏合わせたようにとたんに「英国王〜」になることになんかこれまでにない不自然なものを感じずにはいられないんですけどね。それこそ前代未聞の出来事だよ、これって。こんな賞レースの展開、聞いたことないよ。



なんかこの「嘘でしょ!」なギルド系3連覇によって、逆に「ソーシャル・ネットワーク」が勝ったりすることの方が”逆転”みたいなシナリオになったけど、この賞レースの流れに疑問感じる人っていないのかなあ。ギルドの前までに「英国王〜」がもう少しなんらかの賞レースで勝ってたらこういうこと思わなかったんだけど。まあ、まだこっちの映画の方は見てないので、見る前からいろいろ言わない方が良いとは思いますけど、やっぱ不思議だよねえ〜。

author:沢田太陽, category:映画, 09:27
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「英国王のスピーチ」の大逆襲と最新全英チャート
どうも。





「英国王のスピーチ」、DGAアワード(全米監督協会賞)まで取ったってマジかね!?ここまで来るとさすがに”形勢逆転”だと僕も思うんですが、個人的には「おいおい、ちょっと待ってよ!」って感じですね。どんなに作品の内容が良かろうと、監督賞というのは、ストーリー運びとは違う部分での映像の作り方とか、技術的な部分まで含めての評価が必要だと思うし、加えて、「過去にこれまで作って来たものの実績」も加味されてしかるべき賞だと思うんですね。それを加味して考えても、この結果なワケ?たった2作の、しかも典型的なオーソドックスなドラマ型の監督がどう考えてもデヴィッド・フィンチャーはおろか、ダレン・アロノフスキー、クリストファー・ノーラン、デヴィッドOラッセルより勝っているとは思えないんですね。いくらなんでもこれに関してだけはフィンチャーに軍配を上げるべきではないですか?



なんかですね、今回のオスカー・レース、あまりに感情論的な展開になって来ていて個人的には「なんなんだ、それは?」な感じになって来てますね。「英国王〜」をプッシュする理由が「年寄りがコンピューターわからないから」とか「『ソーシャル・ネットワーク』がこれまでの賞レースで勝ちすぎて評価されすぎてるから」だとか、それってハッキリ言って映画の中身とは全然違うところでの競争じゃないか!そういうこと以外で「英国王〜」が勝つべき理由を述べてるレヴューやらに全然出くわさないんですよね。僕も「英国王〜」見るまではハッキリとは何も言えないところがあるんですが、なんか感情論だけに支持されてるだけに見えてしまってます。なんかこのままだと「あのとき、一時の感情だけで正しい判断を見失っていた」と振り返られる作品になる可能性が高くなりますよ。それは「英国王〜」という映画にとっても決して良くはない。まあ、イギリス人にとっちゃ「今年はウイリアム王子の結婚があるのでちょうどいい!」と時を味方につけられるというタイミングもあるのでBAFTAを華々しく受賞という図式はわかるんだけど、それがオスカーまで行くとやっぱちょっと行き過ぎな気がするなあ。



そんな感じで全英チャート・ファンのみなさま、長くなってゴメンなさい。でもイギリスがらみの話だから良いですよね(笑)。そんな感じで月曜恒例、全英チャート行きましょう!


SINGLES
1(-)We R Who We R/Kesha
2(1)Grenade/Bruno Mars
3(2)Rolling In The Deep/Adele
4(4)Coming Home/Diddy Dirty Money feat Skylar Grey
5(-)Blind/Chase&Status feat Liam Bailey

6(3)Do It Like A Dude/Jessie J
7(5)Traktor/Wretch 32 feat L
8(6)Hold It Against Me/Britney Spears
9(7)What's My Name/Rihanna feat Drake
10(-)Yeah x3/Chris Brown


1位はイギリスではまだ出てなかったんだな。ケシャの「We R Who We R」。なんか最近、元マネージメントから1400万ドルの支払い要求を受けてましたね。まあ、稼げるうちに払っておいた方が良いと思います(笑)。


5位はロンドンのダンス・アクト、チェイス&ステイタス。これが2曲目のトップ10ヒットですね。これは明日発売の2ndアルバム「No More Idol」からのリーディング・シングルでもあります。


で、10位はクリス・ブラウン。今やリアーナに手をあげたダメージでアメリカでは振るわない彼ですが、オーストラリアとニュージーランドでこの曲がヒット。その余波がイギリスに及んでのこの成績となりました。


では、トップ10圏外見てみましょう。今週は31位初登場のこの曲です。

 


ビーディ・アイの「The Roller」。31位という順位が高いとか低いとか言う以前にこの曲って。


 


これとほとんど同じ曲じゃないか(笑)!


オアシスのときも似てる曲はそりゃ多かったとは言え、ここまで酷似してる例も珍しいような。まあ、わかりやすいと言えばわかりやすいんですけど。デビュー・アルバム、2月下旬のリリースのようですね。


それでは、アルバム・チャート行きましょう。


ALBUMS
1(-)21/Adele
2(1)Doo-Wops&Hooligans/Bruno Mars
3(2)Loud/Rihanna
4(8)19/Adele
5(6)The Lady Killer/Cee-Lo Green
6(5)Lights/Ellie Goulding
7(15)Mayhem/Imelda May

8(9)Eliza Doolittle/Eliza Doolittle
9(20)Bring Him Home/Alfie Boe

10(4)The Defamation Of Strickland Banks/Plan B



イギリスの音楽ファンなら誰もが予想した通りのアデル初登場No.1。このヒットにつられる形で前作も4位まで再浮上。ものすごいアデル・ブームとなっています。



また、今週はあまり馴染みのない2組のアーティストがトップ10入りしましたね。7位にランクインのイメルダ・メイはアイルランドのロカビリー・シンガー。50s不良ねえちゃん風のファッションがどこかエイミー・ワインハウス風ですが、彼女、36歳と年齢も年季入ってます。そして9位にはイギリスきってのテノール歌手アルフィー・ボウ。彼は「レ・ミゼラブル」の舞台でも有名なシンガーなのだそうです。上のPVではイギリスの名コメディ「リトル・ブリテン」(大傑作!!)で知られるコメディアン、マット・ルーカスとのデュエットの模様まで含まれたプロモーション・トレイラーです。



さて来週ですが、今週シングル5位に入ったチェイス&ステイタスのアルバムが出ます。これが一番高いランクで入って来ると思います。今週はこれからSAGアワードがあるので、このへんで!
author:沢田太陽, category:全英チャート, 04:14
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映画「Love&Other Drugs」感想〜”傑作”と”失敗作”は紙一重
 どうも。


今日は映画レビューを2本行きます!まず最初はこれです。




まずは「Love&Other Drugs」。ある時期まではオスカー作品賞の期待もかかっていた作品で、いざ公開されたらやや期待はずれの印象を持たれた作品です。


これ、ブラジルだとなんだか期待値がすごく高くて、僕の近所の映画館では、正式公開1週前に先行上演のサービスをやってて、僕もそれで見に行ったんですが、なんと驚くことに、15分前に映画館に着いたのに残席が最前列のみ!TV-CMもガンガンやってたし、なんだか知らないけど期待値が高かったのでした。


主演はジェイク・ジレンホールとアン・ハサウェイ。このコンビと言えば、これ以来です。




そう。「ブロークバック・マウンテン」でこの2人夫婦でしたよね。ジェイクにとっては仮面でしたが。これはアンにとっても初の嫌われ役で、ここを機に本格女優への脱皮をはかったものでした。ただ、ジェイクの演技はヒース・レジャーに完全に食われ、アンの渾身の脱皮演技も、ヒースとジェイクの情事を目撃してしまったヒースの実生活での妻でもあったミッシェル・ウィリアムスのあの凍り付いた目(ここ5年の名演のひとつ!)にこちらも食われてしまった観が否めません。さて今回はどうなるか。



では、ストーリー行きましょう。





舞台は1990年代半ば。主人公ジェイミー(ジェイク・ジレンホール)は自他共に認めるプレイボーイ。彼は上司の恋人と勤務中に白昼堂々不倫セックスをしたところを見つかり、電化製品店のセールスマンを解雇されてしまいます。そんな彼の実家はお堅いエリート家系。彼もある時期までは親の言うことに従っていましたが、ある時期からはレールを外した生き方を選び、。ちょっと長い反抗期と言ったところでしょうか。そんなジェイミーの姿をコンピューター・ナードの弟ジョッシュ(ジョッシュ・ガッド)は羨望の目で見ています。




そんなジェイミーは製薬会社のファイザーのセールスマンとして再就職。そこで彼は、かつて薬学学校で得た知識からか、Zorlofという興奮剤に近い薬を、彼の薬の販売と自分自身の使用を目的として、その道の権威であるナイト博士(ハンク・アザリア)から手に入れることを画策します。ただナイト博士はファイザーの中でも接触の難しい雲の上の人物でそれは、上司のブルース(オリヴァー・プラット)の目から見てもやや無謀なことでした。実際、ジェイミーも博士には直接会えなくはあったのですが、美人受付嬢のシンディ(ジュディ・グリアー)を得意の女性口説き術を使うことによって誘惑しすることでナイト博士のいない間にZorlofを手にし、シンディとベッドインまで決めみ、そこでZorlofもひと働きするわけです(笑)。そんなジェイミーを「コイツは将来出世しそうだ」と見込んだブルースは「このままオマエがナイト博士に会えりゃ、(ファイザー最高の出世コースである)シカゴ勤務を推薦する」と伝えることになります。





そしてナイト博士といよいよ直接出会うこととなったジェイミーは、博士の診療室にいたパーキンソン病患者のマギー(アン・ハサウェイ)と出会います。お互いの第一印象が良かった2人はすぐに引かれ合い、2人はさっそく




こんな間柄になります(笑)。


ところが、ジェイミーは後日、いつもZorlofの使い残りを捨てていたゴミ箱の近くで、いつもの受付の主任であるハニガンから殴る蹴るの暴行を受けます。このハニガン、マギーの恋人でもあったのでした。さらに、いつもの受付からはズルして薬を得ていたこともバレてしまいます。ただ、災い転じて福となすとはまさにこのこと。この直後、マギーにハニガンのことを話した際、ジェイミーはマギーがハニガンからファイザーが製造に着手していた最中の性活性の新薬ヴァイアグラのことを耳にします。そこでヴァイアグラをいち早く売ることに着手したジェイミーはセールスマンとして大成功を収めることになります。そして、彼ら2人の性生活も絶好調。そのひとめはばからないセックスは、時折タイミング悪くジェイミー宅にお邪魔する弟ジョッシュの目のやり場にも困ってしまうことになります(笑)。



ただ、ここからマギーの病状が悪化。頻繁に手に震えを覚え、病気の進行の恐怖からジェイミーに心を閉ざして行くようになります。一方、最初は「本当の愛」というものに懐疑的だったジェイミーはマギーにますますのめり込み、当初は報道されなかったヴァイアグラの副作用にも時折悩まされるようにもなり…。


…と、ここまでにしておきましょう。



これ、話だけ聞くと面白そうだし、出演者も演技派が揃っているので、たしかに事前に高い期待をかけたくなるのはわかります。


しかし!


それがいざ作品となると必ずしもうまく行かなかったりするから不思議です。


これですね、制作者側の気合いは感じるんですよ。ここ最近のきわめてパターン化されたハリウッドのロマンティック・コメディ(役者から話の進め方から、音楽、ポスターに至るまで全部型にハマってるからね!)に一石を投じるべく、しっかりとした人間ドラマを置き、新しい形を示したかったのはわかるんですね。


なんですが


とにかく話のキレとテンポが悪すぎる!


まず、薬剤関係の話が専門的すぎてそこの説明に時間をかけすぎてるのが話の流れを悪くしてるのがひとつ。そしてもうひとつ、これが一番ネックだと思うんですが、やっぱり病気はロマンティック・コメディとの相性がいいとは思えない!


これ、たしかにすぐ死に至るような病のようには描かれていないため、そこまで悲劇的に描く必要もないのはたしかなんですが、しかし、その病気で悩み苦しむ様をリアルに映し出されてしまうと、ジェイクの弟役の人がひとりで取りに行ってる笑いの部分とのバランスが妙に悪いんですね、これが。こういうシリアスな面を軽くして、そこをあえてここ最近ありがちなロマンティック・コメディのようにして話を進めた方がかえって説得力があったのかな、という気さえします。話の進め方自体が軽くても、映画を見る側は案外とその中にある含蓄のあるメッセージは理解出来るものです。ここはひとつ、映画のテンポ自体を重視して、もっと見る人のことを信じてさりげなく深いテーマを展開しても良かったんじゃないかな。そのやり方で行った方が”傑作”には近づけたのでは、と思います。



今回これを監督したのは




この人ですね、エドワード・ズウィック。彼の代表作と言えば「グローリー」(南北戦争時の黒人戦闘部隊のお話。デンゼル・ワシントンがオスカー助演男優取った良い映画です!)とか、「ラスト・サムライ」「ブラック・ダイアモンド」と、どちらかというと「男同志の友情」を描かせると強い人、というイメージがあり、正直こういうロマンティックな題材はかなり意外な気がしたんですが、ただ、そんな彼のデビュー作が実は




これなんですよね、「きのうの夜は」(About Last Night)。これ、1986年の映画なんですが、これ当時結構なヒットになった作品で僕もよく覚えてるんですよね。デミ・ムーアの出世作となったロマンスもの。まだロブ・ロウがアイドル人気あった頃ですね。「へええ」と思ったこともあり、今回のこの映画との比較の意味をこめてものすごく久しぶりに改めて見てみたんですね。そしたら


驚くほどに、作り方が一緒(笑)!



中心となる2人が大して笑いを取らないのに脇役に面白いコメディアン(「きのうの夜は
」の場合はジム・ベルーシ)がいて、そいつが喋り倒して笑い取る。どうやらそれがズウィック流のロマンティック・コメディのようです。ただ、そういう作り方をしてる時点で、この監督がロマコメ向きだとは思えないですね。主演の2人で笑い取れないものなんてロマンティック・コメディじゃありません!キャサリン・ヘップバーンやケイリー・グラントも歴史上の名優ですが、どれだけロマンティック・コメディでも笑いを取れていたことか!マリリンやオードリーだって然り。そこが出来てない時点で、この監督、やっぱりロマンスものは向いていないような気がします。


ただ


この「きのうの夜は」の場合、制作された1986年という時代を考えると、出来は決して悪くないです。実はジュリア・ロバーツやメグ・ライアンが台頭してくる90年代まで、ロマンティック・コメディというのは死んだジャンルに近かったんですよね。その当時はどちらかと言うと「愛と青春の旅立ち」とか「恋に落ちて」みたいな、大人によるクールな中に熱い思いを秘めたタイプの感動的なロマンスものの方が人気ありましたからね。コメディ要素はほとんどなくあくまで”ドラマ”でした。そこ行くとこの「きのうの夜は」に関しても基本はドラマで、この80年代当時の「性生活はエンジョイしたいけど、これまでの世代のように”結婚して落ち着く”なんてライフスタイルはナンセンス」のように考える20代の若者たちが、本物の恋に落ちる自分を怖がって疑いつつも結局は認めて行く様が実に良く描かれていました。そういう点に関しては実は「Love&Other Drugs」もよく似てます。誰にも縛られない自由を求めるが上に本当の恋愛を信じられない子供のような男と、病気によって愛される自信を失った女が半信半疑ながら愛を求めて行く。この監督は「Love&〜」の原作を読んだときに、「きのうの〜」に似たものを感じ取って、「きのうの〜」でのメッセージ性がまだ有効なことを「Love〜」をその現代版として見立ててあらためて世に提示したくなったのかもしれないですね。


ただ


もし、そうだとしたら、上でも書いたように話のテンポにおいてもそうだし、プラス、エンディングのうまさでも圧倒的に「きのうの〜」なんだよなあ〜。こっちの方がすごく自然に終わるのに、これ言っちゃうとネタがバレてしまいますが、「Love〜」の方は話の全体が重いのに、この終わり方だけが妙に軽いんですよ(笑)。そこも見ていてなんか違和感感じるんですよね〜。



そんなこともあり、「Love&Other Drugs」、狙いもストーリーの独創性も役者の実力もあるのに、傑作になり損ねて終わってしまいました。う〜ん、監督が違ってたら、いや、最悪でもズウィックが「きのうの夜は」のような感じで今作を作っていたら、もしかしたらすごい大傑作になった可能性もあったんだけどなあ〜。



ちなみに「きのうの夜は」、リメイクの話が現在進行中です。そういうことを考えても、話のテーマ自体(お決まりなパターンではない、”本物の愛”を求めて行く人間ドラマ)はこれから掘りがいのある、面白い題材なような気がします。


なんか、長くなった&時間がかかってしまったので、予定していた2本目の映画のレヴュー、後日に回させていただきます。
author:沢田太陽, category:映画, 04:59
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今年のSAGアワードが重要なワケ
 どうも!


いきなりですが、今度の日曜(日本時間の朝)、また生ブログします!ネタはこちら。





スクリーン・アクターズ・ギルド・アワードことSAGアワードです。


まだ日本だとそこまで馴染みのない賞かとも思われますが、この賞はゴールデン・グローブ同様、映画界とTV界が合同で参加するアワードであり、同時にオスカーの動向を占うのにも見逃せない賞ということもあって毎年レッドカーペットが賑やかでE!でレッドカーペット中継があるほか、授賞式も生放送されます。幸い僕の住んでるブラジルでも放送されるので、これを追っかけてみようかと思っています。



また、今回このSAGを僕がとりあげてみたくなったのにはもうひとつ理由があったからです。今年のオスカー・レースは、ゴールデン・グローブまでは「ソーシャル・ネットワーク」が前代未聞くらいの勢いで各映画賞を総ナメ状態にしていたのですが、先日発表されたプロデューサー・ギルド・アワードで「英国王のスピーチ」が受賞して以降、勝ちすぎた「ソーシャル〜」に対する反感なども多少あったりして「英国王〜」に追い風が急に吹いて来ています。また、僕がよく見る海外の映画サイトでも、「ソーシャル〜」がゴールデン・グローブを受賞した後でさえも「英国王〜」のオスカー受賞を意地でも主張してたものがいくつかあったりもして、そういう点でも気になっていました。



そして、よくよく調べてみたんですが、なんと、オスカー史上の残る歴史的番狂わせとSAGの受賞が微妙に関係あったりするんですね、これが!



基本SAGアワードは俳優協会の賞であり、演技面に特化した賞でもあるので、オスカーにノミネートされていない映画がノミネートされることも珍しいことではないこともあり、一見あまり関係ないかのようにも見えます。


なんですが


ここ10数年のオスカー作品賞大波乱受賞作は、同時にSAGの受賞作でもあったんです。



たとえば1999年のオスカーで




これが





これに勝ったときとか


2006年のオスカーで




これが




これに勝ったとき、このときが奇しくもSAG受賞作が大方の予想を覆してオスカーをかっさらった年なんですね。



99年のときは、このときはスピルバーグが「シンドラーのリスト」につぐ渾身の戦争映画作って来たことで「やっぱスピルバーグって出来るよね!」と、否定派からも評価が集まっていたタイミングで「シンドラー〜」に続く2作連続のオスカーが期待された中で、イギリスの無名監督の肩の力を抜いて楽しめる時代劇コメディ「恋におちたシェイクスピア」がいきなりかっさらって言ってしまったがために「そんなのありかよ〜!」みたいなブーイングがすごく起こった年でしたね。また、この年は同じ戦争映画として「シン・レッド・ライン」と「ライフ・イズ・ビューティフル」がノミネートされていたのですが、「どの戦争映画をベストに選ぶか」で票割れしてしまったというのが実際のとこなんじゃないかと思います(僕はちなみに「シン・レッド・ライン」派です)。ただ、それを言ったらさらにもうひとつのノミネートは「エリザベス」だったので、エリザベス一世ものが2つ並んでいたことにもなってはいたんですが。ただ、そうであったとは言え「ビッグ・バジェット作品でヒットを飛ばし続けるスピルバーグの映画なんて邪道」と唱えるアンチ派がアカデミーの会員に多かったからでは、とも言われています。


この当時、僕自身としては「恋に落ちたシェイクスピア」が素直に楽しめる映画だったので「いいじゃん」くらいに思ってはいるんですけど、このときのことを引きずられてか、海外の映画ファンの間では不人気な声をよく聞きます。



また、2006年のときは、オスカーの保守体質がモロに出てしまった年として語られてますね。誰もが「ブロークバック・マウンテン」の勝利を疑っていなかったのに、この映画の主題である”ゲイ”がネックとなって「クラッシュ」が受賞してしまった。これは僕、「ブロークバック〜」を個人的に熱烈に応援してたこともあって、速報聞いたときに「えええええ!」と大声あげて怒っちゃったんですけどね(笑)。実はそのとき僕、仕事で「クラッシュ」のサントラのライナー書いてたのにもかかわらず(笑)。「クラッシュ」、事前にその仕事の都合上、試写で見てたのですが、まあよく出来ていたとは言え、どうも宗教的啓示色の強い感じが個人的にはどうにも引っかかってたところ、それがゲイ映画に勝ってしまったことで印象がかなり悪くなってしまいました(笑)。


「クラッシュ」は後にHBOでもTVシリーズ化されたくらいに作品としての一定の評価はあり、「恋に落ちたシェイクスピア」ほどには嫌われてはいない気がするんですが、それでも海外の映画サイトだと「審査員がゲイ問題を嫌ったから勝てたんだ」という意見はいまだにあがり「オスカーを取るべきでなかった映画トップ10」みたいな企画でもよく見かけます。



ちなみに、もうひとつこの2つの受賞に関する共通点を言っておきますと、監督賞は本命視されていたスティーヴン・スピルバーグ、アン・リーにそれぞれ譲り、一応両者に花は添えたことになっているところも共通しています。


その点の共通点で言えば




2003年のオスカー、SAGで共に受賞した「シカゴ」でも言えますね。これは元から本命視されていた映画でもあったのでその点は上の2つと異なるのですが、オスカーで監督賞を取ったのはこの映画の監督のロブ・マ−シャルではなく「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー。そういうこともあり「なんで作品賞がポランスキーじゃないんだ。どっちが映画的に優れてるかなんてわかりきってるじゃないか!ポランスキーの素行に問題があるから作品賞取れなかったのか!」という声はいまだに多く、これも「恋に落ちたシェイクスピア」と同じくらい、海外のオスカー・ファンのウケは悪いですね。



で、実は今年に関しても、「英国王〜」のオスカー逆転受賞を唱えている海外の評論家でさえ「監督賞はデヴィッド・フィンチャー」ということで意見は一致しています。なにせ「英国王〜」の監督は、今作で長編映画2作目の37歳の若きトム・フーパー。これまでヒット作も批評的成功作も多いフィンチャーとは実績の差があまりにありすぎます。でも、そこがジンクスと一致してるのが気になります。


だから僕もPGAの結果が出る前から「もしSAGがここで『英国王〜』に負けたら3度目のジンクスがありえるかも」と思ってました。でも、その前にまさかPGAで取るとはね。また、ここ数年、ゴールデン・グローブのドラマ門の受賞作はオスカーを取る確率が落ちているというイヤなジンクスもあったりもします。


ただ


不思議なことに「本命に大逆転して受賞した!」なんて言ったら普通はヒロイックに聞こえてカッコ良かったりするんですが、上の例を見る限り、逆転受賞作、概して嫌われてます。そしてその理由として常に「オスカー審査員の度量と視界の狭さ」が常に指摘される結果ともなっています。不思議と今回の「ソーシャル・ネットワーク」も「ジジイたちがネットを舞台にした話題なんかについていけるわけがない」という、最高にくだらない根拠で受賞を疑問視されているという情けない話があったりしますからね。もし、本当にこの説が正しくてそれで「英国王〜」が受賞するとなったら、この映画、個人的には2/10あたりまでは見れないからなんとも言えないところはあるのですが、その如何にかかわらず、上の逆転劇
演じた映画と同じ道を歩みそうな気がします。



まあ、それ以前に去年の受賞作が「イングローリアス・バスターズ」であったように、今回も「ファイター」や「ブラック・スワン」が伏兵として横からかっさらうこともありえないではないですが、それにしてもパターン的には過去の例と似てるのでやっぱり気になっちゃうところではあります。さあ、どうなるか!
author:沢田太陽, category:映画, 06:02
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最新全米チャート feat GLEE Vs Kings Of Leon
どうも。
 



いやあ、エンタメ界に興味深いバトル勃発ですねえ〜。「GLEE」のクリエイター、ライアン・マーフィーとキングス・オブ・レオンのtwitter上のケンカ。同時に「なんだかなあ」でもあるんですが(笑)。


ことの発端はライアン・マーフィーがtwitter上で「Fuck Kings Of Leon」と書いて「アイツらは自己中心的で全体像が見えてないよ。7歳のキッズがKOLをキッカケとして合唱部に入ったり楽器持ったりするかもしれないんだぞ」と書いたら、KOLの長兄でドラマーのネイサン・フォロウィルが「セラピストのもとにでも行けよ。マニキュアでも塗ってブラジャーでもはめてろ。7歳にfuckの言わせ方でも教えとけよ」と悪態。今度はそれをマーフィーが「この同性愛差別主義者め」と返したらネイサンが同性愛差別的な悪態を詫びながらも、マーフィーへの批難については結局謝罪もせず。その一方でフロントマンのケイレブ・フォロウィルが「『GLEE』に曲を貸さないと発言したのはあくまで自分たちがTV番組への楽曲提供はしない方針だということを示したかっただけで、番組例はただの例にすぎないんだ」と発言したとのことですが…。



KOLの場合、ただでさえ南部で、しかもキリスト教右派ということで、こういう発言が差別的なニュアンスを帯びやすいですね。昔のアクセル・ローズあたりと違ってすぐ撤回したところをみると、同性愛差別を公言するほどの人物でも実際ないと思いますけどね。で、「GLEE」の場合




ゲイ部分は番組の最も良心的で愛すべきところでもあるから、上のような発言は個人的にはして欲しくなかったなあ。「『GLEE』は好きじゃないけど、カートは好き」という人は実際に多いし、カート役のクリス・コルファーは本当に愛されキャラですからね。まあ、ネイサンの発言は自身もゲイであるマーフィーに向けてのものではあったんですが。


ただ、今回のマーフィーの発言で気になるのは


7歳の子供に音楽的に与える良いキッカケってか?


これはまだ言いようがあったんじゃないですか?仮に僕が今「GLEE」に夢中な13歳のキッズだったら、番組クリエイターがこんなこと言ったら引きますよ。「ああ〜、僕が見てたのは小学校1年レベルの番組だったのか。はずかしい。もう見るのやめよう!」ってな気持ちになりますよ。それにいくらロックがそもそも若者にとっての音楽だからと言っても「対象年齢7歳のための音楽」だとはさすがに思ったことはないぞ!あまりにもロック・ミュージックに対しての認識が甘すぎるし、当のロック、特にインディの畑から来たようなアーティストが「7歳の子たちのために〜」なんて言われ方をしたら、どんなに広いオーディエンス・アピールを希望するタイプのバンドであってさえも、「自分たちの音楽はそこまで安っぽくないぞ」ということになってしまう。これじゃ今後、多少エッジの強めの曲は許諾の使用、難しくなってしまうよ。


以前ライアン・マーフィーのインタビューを読んで「個人的に好きなアーティストはジョン・メイヤー」というのを読んだときから音楽的に面白いものはあんまり期待出来そうにないなとは思っていましたが、クリエイターの気持ちが今からこれだとますます俗っぽい番組になって行きそうな気がしますね。「GLEE」って番組はハト派なイメージのある番組なので、高校卒業してまでもしつこく番組を引っ張り続けさえしなければ「ジャージー・ショア」のようなアンチ派を生み出さないまま良いイメージを与え続けて終われそうなタイプの番組だと思うんですね。それだけに、こういうところで足を引っ張らない方が良いと思います。


では、そんな感じで、金曜恒例全米チャート行きましょう!


SINGLES

1(2)Grenade/Bruno Marz
2(3)Firework/Katy Perry
3(5)Black And Yellow/Wiz Khalifa
4(6)Tonight (I'm Lovin You)/Enrique Iglesias
5(4)What's My Name/Rihanna
6(1)Hold It Against Me/Britney Spears
7(4)We R Who We R/Kesha
8(8)Raise Your Glass/P!NK
9(9)The Time(Dirty Bit)/Black Eyed Peas
10(20)Hey Baby/Pitbull feat T-Pain


ブルーノ・マーズ三たびの首位奪還。強いですね!先週初登場1位のブリトニーは6位までダウンです。そして10位には以前紹介した「人のフィーチャリングはするくせに、肝心な自分の曲でフィーチャーをされっぱなし」なピットブルが入って来ましたね。


それではトップ10圏外見てみましょ。今週は30位から11位に上がって来たこの曲で。



 P!NKの「F**ckin Perfect」。上のPVが結構アメリカで話題を呼んでますね。10代の妊娠にドラッグに窃盗に自殺未遂。でも、曲のメッセージにあるように「人生で誰だって過ちはおかすし、完璧な人生なんてない。私にとってはあなたは最高にパーフェクト!」という曲通りのメッセージとなっています。このPV、議論を呼んでるらしいんですが、今のMTVの「Teen Mom」あたりの番組よりはよっぽど教育的でかつポジティヴだと思いますよ。前も書いたけど今のMTVって、若い人の問題な部分は見せるけど、そこに対しての前向きな方向性って見せないで終わりますからね。その意味では全然良いし、なんかP!NKってすっかりこういう役回りの人になってますね。

 

では、アルバム見てみましょう! 



ALBUMS

1(-)The King Is Dead/The Decemberists
2(-)Kidz Bop 19/Kidz Bop Kids
3(-)Science&Faith/The Script
4(-)Hard Times And Nursery Rhimes/Social Distortion
5(-)Low Country Blues/Gregg Allman
6(4)Doo-Up&Hooligans/Bruno Mars
7(13)Teenage Dream/Katy Perry
8(3)Speak Now/Taylor Swift
9(5)Pink Friday/Nicki Minaj
10(9)Sigh No More/Mumford&Sons


今週はトップ5以上が全て初登場。もう、あまり珍しいことでもなくなったかなとも思ったんですが、それでも一応1年2ヶ月ぶりの出来事だそうです。


で、1位は先週エンディングで紹介しましたディセンバリスツ。「地味な文系インディ・バンド」の印象が強かった彼らですが、これで遂に全米No.1です。一昨年の3月、僕がニューヨークに行ったとき、タイムズ・スクエアでディセンバリスツがかなり大きめの会場でライブをやることを告知したボードは見ていたので既にかなり人気があるのは知ってはいましたが「売り上げ枚数、先週並みかなあ」と思っていたら、なんと94000枚、先週の2倍以上の数字売れてました!


いやあ〜、ホントに人気高いんだなあ。改めてビックリです。これに続いて2位はキッズ向けのヒット曲コンピのKIDZ BOPシリーズ。これ、まだ需要落ちないんだなあ。3位はシングル・ヒットの影響でアメリカでも人気のスクリプト、4位はビックリ!いわゆる90年代からのSo-Cal(サウス・カリフォルニア)パンクの重鎮、ソーシャル・ディストーション。彼らがこんなにセールス上げた記憶が僕にはないですね。ここまでが売り上げ46000枚。先週1位のケイクはこの週の発売だったら5位だったわけです。そして今週の5位はサザン・ロックの大重鎮、オールマン・ブラザーズ・バンドのグレッグ・オールマンのソロ作が入って来ています。


なお先週1位のケイクは25位、2位のケイジ・ジ・エレファントは28位にダウン。先週のリリリースで順位的には本当にラッキーだったと思うけど、こういう風になるとアルバム・チャート自体の権威が本当になくなってますね。


あと他には、現在インディ・メディアでバズの高い、僕も個人的にすごく応援したいシカゴのバンド、スミス・ウェスタンズのアルバム「Dye It Blonde」が初登場で114位かあ〜。う〜ん、事前のバズの大きさとここ数週のアルバム全体の売り上げの低さを考えればこの順位は低いと言わざるを得ないなあ〜。彼らと同じレーベルで同じく期待されていた夫婦デュオ、テニス(こっちは個人的にあまり興味なし)と並んで低調だなあ〜。これ、枚数にすると5000枚くらいってこと?ピッチフォークのページ・ヴュー、ディセンバリスツより上だったのになあ。ピッチフォークのバズだけじゃ不十分という一例ですが、それが自分の応援してるバンドのときに証明されるのは悲しいです(泣)。


そんなわけで、ここでスミス・ウェスタンズの曲を。




いいでしょ、このキラキラしたサイケな空気感に漂うグラム・ロック。Tレックスもすっごくドリーミーなタイプのバンドだったけど、それを30数年経った今受け継いでちゃんとロックンロールしてるのが良いです。もっと注目されないかな。


さて来週ですが、もしかしたらもう1週インディ・ロックがすごい結果を残すかも。シンガーソングライター、アイアン&ワインのニュー・アルバムが入って来ます。過去の最高位は24位ですが、さあどうなるか?




author:沢田太陽, category:全米チャート, 03:40
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Hurtsもビックリ!毒舌王リッキー・ジャヴェイスが80'sのエレ・ポップ・アイドルだった頃
 どうも。


ここ最近、オスカーのノミネートやらなんやらでNMEアワードのノミネートなどもすっ飛ばしていましたが、ここ最近の僕の中で一番ヒットしているネタを今日はお話しましょう。


この人のことです。




リッキー・ジャヴェイス。先日のゴールデン・グローブの司会をした際、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーのいる目の前で主演映画をけなしたり、ブルース・ウィリスやロバート・ダウニーJrをおちょくったり、サイエントロジーをからかった上で「神様、僕を無神論者にしてくれてありがとう」と言ってこの1週間ほど、欧米のゴシップ誌でもっとも騒がれた人です。


このリッキー・ジャヴェイスは、元はと言えばイギリスのコメディアンで、自らが手がけたドラマ「The Office」を大ヒットさせ、アメリカ版(主演はもちろんスティーヴ・カレル)をはじめ各国ヴァージョンの同名のサラリーマン・ドラマが制作されるほどの人気作となり、さらには自ら中年のしがないエキストラ役者を演じ、その脇で実在のセレブが本人役で嫌みな役を演じるという「EXTRA」というドラマ(僕はこっちの方が好きです)もヒットさせたり。最近でも「Ricky Gervais Show」という自身のショウもはじめたばかりです。


そんなリッキーと言えば




周囲の社員を引かせる寒い中年中間管理職、そして、そういうキャラを演じるのにふさわしい、たるんだお腹と趣味の悪いファッション・センスがトレードマークとなっているんですが、


驚いたことに!


今週の月曜日、ちょうどアメリカのエンタメ情報系サイトをネット・サーフィンしてるときに、そんなリッキーの若かりし日の姿を発見してしまったのです。



それが






えっ!


もう少し近くで見てみましょう。





えええっっっ!!!


これが同一人物!!!


さらに




こんなPVまでも存在する!!!


すごいぞ。なんかこれじゃ




ハーツみたいじゃないか!


どうやらリッキー・ジャヴェイスは1983年にエレ・ポップ・デュオ、Seona Dancingのヴォーカリストとしてデビュー(しかもニュー・オーダーと同じロンドン・レコーズ)し、シングルを2〜3枚発表してるそうですね。1983年とか84年とか言ったらそれはそれはデュラン・デュランの一大全盛期で、その他にもこのテのエレ・ポップの美形バンドがそおらじゅうにいた時代。僕も機会があったらリアリタイムで触れた可能性もあったのですが、さすがに全英最高70位のシングルが1枚あるだけという知名度で、しかもネットもなかった時代の地方在住者ではさすがに知りようがなかったですね。


この話は本国イギリスではすごく有名な話のようでありまして、リッキー本人を前にこういうTVでの暴露企画もあったほどです。





これの上のPVが流されたときのリッキーの顔面蒼白な慌てようと言ったら(笑)!普段の空気読めないイヤミなオジサン・キャラはこのときばかりは消えていました(笑)。しかしまあ、イギリス国民もおもしろいもので、本来すっごいイケメン時代の映像が出て来るとき、そこで「おおお〜っ」とでも言ってやれば良いのに、その場面で大爆笑ですからね(笑)。


あと、司会者の反応もおかしいですね。「このバンドのメンバー、キミと後ろにいる鍛冶屋かい?」って(笑)。たしかに




このデペッシュ・モードのジャケ写にも反映されてるように、当時のエレ・ポップってこういう機械工場的なイメージを醸し出していましたからね。鍛冶屋なわけです(笑)。



そして、この若かりし日のリッキーの動画を探しているうちに「Seona Dancingが実はフィリピンで人気だった」という話を耳にし、ひらめきました。


ひょっとしたらこれ、日本でも出てたとか?



そう思って検索かけて探したら、なんと!




ありました!


グループ名、ショナ・ダンシングだったんですね。最初「セオナ・ダンシング」でかけて蜜からなかったんですけど、何回かやってるうちにショナ・ダンシングというキーワードが見つかり探してみたらこのドーナツ盤のシングルのジャケ写が見つかったわけです。


そしてさらになんと!





雑誌の表紙まで飾っていたとは!


これで僕の中に眠ってた記憶の中で「たしかにこういうバンドいたかも!」という気になって来ました。この「リオ」って雑誌のことは微かに覚えてて、「ショナ」という名前にも「あったかも」と思わせる響きがあるんですよね。これ、さらに調べて行くと、この雑誌の表紙に彼らがなったのは人気があったとかそういうのではなく、雑誌のイメージ・キャラクターとして、だったみたいです。



そうなると「日本で元ファンがいたりしないかな?」と思って探したら、話題にしてるサイトが2、3件見つかった!ただ、そのいずれもが、数年前に今現在のリッキーが「The Office」で成功してる記事を見つけて「こんなに醜い姿に…」と嘆いていたのが印象的でした。本国の人たちと反応が完全に逆なんだもん(笑)。それにどんなに醜かろうが、当時と今じゃ世界での知名度の桁が比べ物にならないくらいに違うわけでもあるしね。



でも、こんな形での元アイドルの大出世例って、これ以上のものはないでしょう。今やゴールデン・グローブの司会を2年も続けてやって、そこで騒動起こす人なんだから。ショナ・ダンシングの元ファンの方たちも、先日のあの事件のことについてお知りになったならば(どうやら、まだお気づきではなさそう)、「醜くなった〜」と嘆かずに「すごい人になったんだなあ」と思っていただけると思うんだけど。「容姿」と引き換えに手にした栄光ってあるんだな(笑)と、リッキーの件に関してはつくづく思わされます。
author:沢田太陽, category:海外TVドラマ, 03:09
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