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今年も1年ありがとうございました。
 どうも。


たった今、以前告知した「KBC今週のポピュラーベストテン」の電話ゲストを終えたばかりです。いやあ、さすがに緊張しましたね。僕が子供のときのヒーローだった方とお話出来たわけですからね。もっとノリ良く行けば良かったかなあ〜。



ただ、不思議な感じがしたのは、「あっ、時って確実に流れてるんだなあ」ということですね。DJの富田さんの高めの美声は「あっ、すげえ、健在だ」と思ったんですけど、一番驚いたのは「あっ、自分が年取ってる」ってこと。30年近く前、僕は「太陽くん」と、リクエストを”くん”付けで子供をあやすような感じでラジオで呼ばれていたのに今日は「音楽ジャーナリストの沢田さん」としてすごく丁寧な感じで落ち着いて話していただきましたからね。まあ、それが正しいんですけどね。この年で僕が子供扱いされるような感じで応対されたら、そりゃ聴感上絶対おかしいですからね(笑)。でも、僕の中では、「ポプテン」という世界の中ではまだ子供なんだよなあ。



番組の中で言うの忘れちゃったけど、今年で洋楽リスナー歴30年なんですよね。その記念すべき年の締めくくりを夢にまで見たポプテン出演で締めくくれたのはやはりすごく幸せです。これで子供のときに夢見たことでしそびれたことはなくなったかな。



…そんなわけで、今日の出来事の感想ばかり書いていますが(笑)、2010年、このブログに1年おつきあいいただきありがとうございました。12月はおかげさまで月間40000アクセスも超えました!すごく光栄です。僕の中では、このブログは10年継続することになっているのでまだ10分の1が終わったばかりではありますが、それでも”1年”は長いものです。これをコツコツ10個積み重ねて行ければなと思っております。



では最後に、今日、そのポプテンで「思い出の1曲」としてリクエストしたこの曲と、そのアーティストの最新曲でシメたいと思います。この新曲、ひさしぶりに「らしい」曲で良いんだよね!「ポプテン」、今日は「80sを振り返る」という趣旨の番組ですごく盛り上がっているみたいで、そこに参加出来たのはとても嬉しいのですが、この番組は今も現役の番組です。今度は今の僕の職業の立場で「今の音楽」について語る機会がポプテンで持てたりしたら、本当の恩返しになるのかもなあ…なんてことも考えたり。なんでも、この番組の現在の司会の方が僕のインタビュー記事を見つけたことが今日の番組出演につながったわけだし、その方にも直接「ありがとうございました」と申し上げたいですからね。…なんて決めるのは僕じゃなくて局の方だっての(笑)!



では、よいお年をお過ごしください!


 


author:沢田太陽, category:個人話, 16:27
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今年最後の最新全米チャート
 
どうも!


今日は今年のごあいさつして終わろうと思ってたら、全米チャート更新されてるとは!すいません、今日は解説は勘弁してください!



SINGLES

1(2)Grenade/Bruno Marz
2(1)Firework/Katy Perry
3(5)We R Who We R/Kesha
4(3)What's My Name/Rihanna
5(4)Raise Your Glass/P!NK
6(12)Black And Yellow/Wiz Khalifa
7(13)Tonight (I'm Lovin You)/Enrique Iglesias
8(11)Bottoms Up/Trey Songz
9(8)The Time(Dirty Bit)/Black Eyed Peas
10(6)Just The Way You Are/Bruno Mars



ALBUMS
1(1)Speak Now/Taylor Swift
2(2)The Gift/Suzan Boyle
3(5)Glee:The Music Christmas/Soundtrack
4(4)O Holy Night/Jackie Evancho
5(3)Michael/Michael Jackson
6(-)Best Night Of My Life/Jamie Foxx
7(22)Recovery/Eminem
8(8)Pink Friday/Nicki Minaj
9(-)Calling All Hearts/Keyshia Cole
10(11)Loud/Rihanna
 
author:沢田太陽, category:-, 15:48
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2010私的年間ベスト・アルバム10
 どうも!


あと、今年も2日に迫ったので、僕個人の今年のベストでも紹介しましょう。まずは年間ベスト・アルバム行きましょう!



以下、順不同ですが、クロスビートさんやHard To Explainに出した10枚のリストと全く同じ10枚です。



The Monitor/Titus Andronicus




これはHard To Explainはじめいろんなとこで言ってますけど、今年これほどビックリしたアルバムはないですね。グランジ以降のありきたりな音圧頼みの情念発散方法とは明らかに異なる方法論で”ロック本来の激しさ”をシューゲイザーの繊細な透明感とアメリカン・ルーツ・ミュージックとのカオティックな融合で表現した1作。ニュージャージーからハドソン川を経てニューヨークのインディ・シーンでもカリスマティックな支持を得る彼ら。次作以降でますます異端ぶりを発揮してほしいです。


I Speak Because I Can/Laura Marling




頭うちのUKロックの代わりに台頭したUKアンタイ・フォーク。その顔役と言えば今やマムフォード&サンズではあるのだけれど、実際のポテンシャルを勢いとポーズで補っているマムフォードに対し(そのイキがった感じも大事なんだけど)、つい最近までキャリー・マリガンのようなあどけない少女のように見えていたローラの堂に入ったフォークやルーツ・ミュージックへの本格指向には本当に恐れ入りました。このムーヴメントで長い眼で見てサヴァイヴするのは間違いなく彼女でしょう。


The Suburbs/Arcade Fire


こと、現在の音楽界における表現力の豊富さと、その原動力となるクリエイティヴ・エネルギーの高さにおいてアーケイド・ファイアにかなうバンドはしばらく出て来ないでしょう。このアルバムも最初聴いたときは「あらら、随分聴きやすいな」だとか「音数減ったね」などと思ったのですが、聴き込むうちに簡素な中に込められた表現の細やかさや、これまでの彼らの作品中もっともパーソナルな作風ゆえに生まれる歌と言葉そのものの説得力にはジワジワ締め付けられます。グラミーでは遂に最優秀アルバム賞にノミネート。今や”インディ”の枠を超え、レディオヘッドに次ぐカリスマ・バンドになったと言っても過言ではありません。


Come Around Sundown/Kings Of Leon




前作「Only By The Night」のインディの域を遥かに超える、世間一般認知度を獲得するまでの成功に、それまでの3作の突然変異のクセモノ的な色を抑え、ミドル〜スロー主体の悠然とした楽曲で挑んだことによる”裏切り者”との罵声。しかし、誰かがメインストリームのポップスターとタメを張る成功を収めないことには、どんなにインディ・ロックが盛り上がっていると言ったところで狭い村社会での話。そうしたやっかみや批判も相手にせず、KOLは今作でも貫禄の横綱相撲。忘れちゃいけないのは、これでもアリーナ・ロックの世界からしたらまだ”新入り”なんだからね。


Odd Blood/Yeasayer




2010年でもっとも「目からウロコ」が落ちたバンドがこのイェイセイヤー。数年前、即興スタジオ・セッションの映像をyoutubeで見た頃から気になるバンドではあったものの、この人たちの真性、そりゃ、アヴァンなところやワールド・ミュージック起源の偏差値高めのメロディ・センスも大事だけど、実は”ヴォーカル・グループ”としてかなり優秀なことを実に多くの人が見逃してる!2人のタイプの違う好リードシンガーに1人のファルセット駆使の名バックシンガー。今年ブラジルでライヴで聴いた「One」の後半のヴォーカルの圧巻の掛け合いなんてここでのスタジオ盤でさえ消化出来てない!”うた”の部分を伸ばして行く形でライヴでのスケール感をスタジオで表現出来たら間違いなく次代のNo.1バンドになれる逸材!


TheArchAndroid/Janelle Monae




このジャネール・モネエの場合も、「音楽性における斬新性」というだけでなく、「エンターティナーとしての潜在能力」として今もっとも目撃すべき驚愕の存在ですね。「アウトキャストの正統的後継者」としてのファンク・ミュージックの時間軸とジャンルぶった切った横断の仕方も見事なんですけど、彼女の場合はそれをJB顔負けの驚異的な身体能力を持ってステージ上で相手に考える余裕も与えず圧倒させる凄みまでありますからね。この類い稀な素質がある限り、いつ時代の頂点に立ってもおかしくないです。ローリン・ヒル以来の才女と呼んでも過言じゃないです。


This Is Happening/LCD Soundsystem





本当はこのアルバムが社会現象になるぐらいだったら、音楽界の未来もかなり明るかったんだけどなあ〜。このアルバムでジェイムス・マーフィーがしでかしたこと、ものすごく深い。今のこのご時世、ブルックリン周辺に夢中なギークなインディ・ファンから巷で流行ってるオートチューンをなんとなく聴いてる普通のキッズからニュー・ウェイヴ直撃世代のかつてのうるさがたのロック・アダルトまで巻き込んで聴かせることの出来る多彩さと包容力。正直これにはさすがのゴリラズもかなわなかったと思います。ジェイムスがもっと若くてルックスが良ければ時代を制すことが出来たのかもしれませんが、少なくともその役を担おうとしたように見えるこのジャケ写(笑)がいとおしいです。


Contra/Vampire Weekend




これも2010年の重要作。現在世界中に散らばっている草食系のインディ・ロック・ファンの等身大のロール・モデルにヴァンパイア・ウィークエンドがなることを決定づけた記念碑的作品ですね。本音言うと前作のときは「ちょっとまぐれかな」と過小評価してたのですが、前作の際にとっちらかっていたストロークス直系ロックンロールとアフロ・ポップ、バロック・ポップにちょいエレクトロの要素を一曲内にまとめて表現出来るようになりオリジナリティを獲得出来た手腕はやはりタダモノではありません。もう少しライヴでの貫禄が出て来ると彼らの世代の第一人者になれるんですけど、次はそこのところでの実力を証明してほしいところ。



Halcyon Digest/Deerhunter




彼らがこのアルバムを出してさえもまだ”熱心なインディ・ロックのカリスマ”止まりなのが正直納得いかないですね。初来日の際、「こんなに音の分離とリズムのキレとメロディのいい、ストロークスみたいなシューゲイザー・バンドが存在したんだ!」と随分驚いたものですが、今作での、その音色への偏執的なこだわりを独自の美メロと結晶させた桃源郷的な”うた”の数々にはただただウットリするばかりだったんですけどねえ。もう”ニューゲイザー”みたいな括りで彼らを語るなんて失礼。次のロックの歴史を作る有力候補です。



My Beautiful Twisted Dark Twisted Fantasy/Kanye West




ヒップホップのヒストリーをドラマ化した際、「オートチューンをはじめた男」もカニエ・ウエストだし、それを闇に葬る(予定)なのもカニエ・ウエスト。それって見ていて、ビートルズで言うところの「ホワイト・アルバム」だとかブラーによる「ブリット・ポップ・イズ・デッド」発言の直後に出した97年のアルバム「ブラー」のような「自分で作った歴史をに自らカタをつける」かのようなクールなニヒリズムを思い出してしまいます。ここでのカニエは彼本来のサンプリングの魔術師に回帰してますが、プログレや60sサイケといったこれまで以上にカオティックなマテリアルに手を染め、そこにさらに現在インディ界No.1シンガーソングライター、ボン・イヴェールの歌声を添える意外性と批評性の圧倒的な高さ!それでいてジェイZ、キッド・カディやニッキ・ミナージュといった商業性と創造的野心を両立出来るヒップホップでの”同志”と組んでポップにも表現出来る巧みさもちゃんと忘れてもない。こういう高い次元でのバランス感覚が今の音楽界にもっとあるべきです!




…というのが僕の2010年のアルバム10選。この10枚がこうやってスーッと出て来るあたり、悪い年では決してなかったとは思います。あとはこういう作品がひとつでも”音楽における時代のロールモデルになればなあ…”と思うばかりです。

author:沢田太陽, category:個人話, 10:46
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2010年全米映画興行成績Top50
どうも!


今年の全米映画興行成績の年間ランキングが出て来ました。本当は100位を超すかなり長いリストなのですが、そんなにたくさん書いてもいられないので(笑)、上位50作をここに書いてみたいと思います。今回わけあって邦題で書いてます。


1.トイ・ストーリー3
2.アリス・イン・ワンダーランド
3.アイアンマン2
4.エクリプス/トワイライト・サーガ
5.インセプション
6.ハリー・ポッターと死の秘宝PART1
7.怪盗グルーの月泥棒3D
8.シュレック・フォーエバー
9.ヒックとドラゴン
10.カラテ・キッド
11.タイタンの戦い
12.アダルトボーイズ青春白書(2011年1月DVDスルー)
13.塔の上のラプンツェル(2011年3月公開)
14.メガマインド(2011年春公開)
15.エアベンダー
16.シャッターアイランド
17.The Other Guys(日本未公開)
18.ソルト
19.Jackass 3D(日本未公開)
20.バレンタインデー
21.ロビン・フッド
22.エクスペンダブルズ
23.デート&ナイト(2011年2月DVDスルー)
24.デュー・デート(2011年1月22日公開)
25.セックス・アンド・ザ・シティ2
26.ザ・ウォーカー
27.ザ・タウン(2011年2月5日公開)
28.ソーシャル・ネットワーク(2011年1月15日公開)
29.プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂
30.レッド/RED(2011年1月29日公開)
31.パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
32.トロン・レガシー
33.パラノーマル・アクティヴィティー2
34.食べて 祈って 恋をして
35.Dear John(日本未公開)
36.アンストッパブル(2011年1月7日公開)
37.特攻野郎A-TEAM THE MOVIE
38.ナイト&デイ
39.奇人たちの晩餐会USA(2011年2月DVDスルー)
40.バウンティー・ハンター
41.グレッグのダメ日記(2011年1月DVDスルー)
42.魔法使いの弟子
43.エルム街の悪夢
44.The Last Song(日本未公開)
45.ナルニア国物語/第3章アスラン王と魔法の島(2011年2月25日公開)
46.ウルフマン
47.Get Him To The Greek(日本未公開)
48.バイオハザードIVアフターライフ
49.Tyler Perry's Why I Get Married Too(日本未公開)
50.妖精ファイター(DVDスルー)



このブログを定期的にお読みのみなさんはご理解いただいていることと思いますが、僕はチャートを頻繁に発表する割に数字的な部分はあまり語りません。それは僕にとってチャートが「いいものを見つけるための場」であって「上位に入っているものを愛でるための場」では一切ないから。なので、上位に入っているからと言って、そこまで興奮したりはしません。基本的にそれほど良い映画は上位には入って来ません。


…なんですが、2010年の場合、クォリティが伴ったものが上位に入っているのが嬉しいではありませんか!「トイ・ストーリー3」の1位に、「インセプション」の5位。今年度のオスカーの作品賞にもノミネートの期待がかかる2作品がトップ5に入っているのはとても良いことです。あと、それ以外にも「ヒックとドラゴン」も非常に評判の良い映画(実際キュートでとても良い作品です)だし、僕個人的に見ても「アリス・イン・ワンダーランド」以外は少なくとも嫌いではありません。マイケル・ベイとかジェリー・ブラッカイマー系の名前が並ばないとこんなにスッキリするものかと改めて思います(笑)。



で、今回、あえて赤字で示したものには、僕が個人的に強く不満に感じた、日本の映画業界に対する不満です。見てもらえるとおわかりと思うのですが、これはDVDスルー日本未公開ものを示したものですが


例によって、その大半がまたしてもコメディ映画です!!!


なんでこうもコメディを無視し続けるのかなあ〜。もう、ここまで来たらハッキリと「差別」と言い切ってしまって良いと思います。



なにが気に入らないって、実際に上のTop50を見てください。12位の「アダルトボーイズ青春白書」(良い映画ではないですが)や17位のウィル・フェレルの会心作「The Other Guys」、23位の「デート&ナイト」の方が「セックス&ザ・シティ2」やジュリア・ロバーツ主演作(「食べて 祈って 恋をして」)やトム・クルーズ主演作(「ナイト&デイ」)よりも興行の数字、上なんですよ!



こういう数字が具体的に出て来ているのに、新しいスターを浸透させようとしない自分たちの怠惰ぶりを棚上げして、「コメディはウケないから」と勝手に頭ごなしに決め込んだあげく、20年前からいるスターの作品を安全パイのようにただ漫然と公開してるだけ。こんなので新陳代謝なんて見込めるわけないじゃないですか。



実際、こういうコメディをちゃんと紹介してないからどういうことが起こったか。「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグは「誰?」ということになっていませんか?来年初頭公開の「グリーン・ホーネット」主演のセス・ローゲンに関しては?ちゃんと順々に紹介すべき映画をしっかり公開してないと、本来ブロックバスター・ヒットを狙わないといけない時期にも力を発揮出来なくなるんですよ。



嬉しいことに、24位の「デュー・デート」(現在Hard To Explainのサイトで大特集を組んでいます。こちら)は、アメリカからもそれほど公開時期が遅れずに日本でも公開されますが、これは監督トッド・フィリップスの前作「ハングオーバー」が公開嘆願運動の末、一度DVDスルーが決まりながらも奇跡のゴールデン・グローブ受賞の末、本国から1年遅れての公開にこぎつけたという美談が背景にあってのもの。しかもこれ、「ハングオーバー」って、2009年の全米興行9位の作品だったわけですよ。そういうものをDVDスルーにしようとしてたわけですから、あの奇跡がなかったら上の赤字がもっと増えてたのかと思うとゾッとします。


そして、”新しいスター”ということで言うと、この人の作品が公開半年以上も経っているのにDVDスルーすら決まってないのもどうかと思いますね




アマンダ・サイフリッド。日本だと彼女のイメージは「マンマ・ミーア」でのメリル・ストリープの娘のイメージのまま止まっているのかもしれませんが、今や若手アクトレスの中では一番の成長株です。彼女の主演作「Dear John」は35位、「Letters To Juliet」も55位とちゃんとヒットしています。たしかに前者が「せつない系ロマンス」、後者が「ファンタジー系いい話」と、日本人のOLさんがある種の型にハメ込んで楽しみタイプのB〜C級のロマンティック・コメディに当てはまらないから外れているのかもしれませんが、そのテのロマコメで勢いと評判を落としまくってるケイト・ハドソンやキャサリン・ハイグルよりアマンダの方が「実力派女優」としても将来性は現時点では明らかに上です。彼女は来年の3月、既にトレイラーもオフィシャル・フォトも出来上がっていてかなり興行的にプッシュされること間違いなしのスリラー「Little Red Riding Hood」(あの「赤ずきんちゃん」のことです)が控えてます。こういうものがヒットしていざ日本公開となったときに、どう対策すればよいのか。このままだと危ない気がします。


そしてアマンダがこういう状態です。ここのブログでずっと押させていただいているエマ・ストーンはもっと不安です。2007年から、アメリカでは断続的にヒット作を出し続けているのに、日本での公開作が今年の夏、ようやく「ゾンビランド」で出来た状態。年間52位だった初主演作「Easy A」もこのままでは公開は期待出来そうになく、「スパイダーマン」のグウェン役ではじめて注目されることになりそうな予感大です。


そこへ行くと、運良く「Kick-Ass」(年間60位)がこのタイミングで日本公開されることでクロエ・モレッツの注目度が日本でも高まっているのは数少ない朗報です。実はこのブログ、「クロエ・モレッツ」が検索キーワードの第2位だったりするのですが(!)、なにかしらの形でこのブログがクロエのことを知るのに役立ってくれていたら嬉しい限りです。そして、「Scott Pilgrim Vs The World」(年間86位)もそうですが、向こうの刺激を求めるティーン&20代前半が本当に求めているような映画がもっと積極的に日本公開されないかも願ってやみません。



あと、これはこちらに来て気がついたことがあります。おそらく日本の映画ファンの人はそのうち


アメリカ本国のユニバーサル/パラマウント系に抗議運動を起こさないといけないかもしれません。


実は、日本におけるコメディ映画のDVDスルーの問題は、日本側だけの事情によるだけのものではないようです。今回、DVDスルーや日本未公開になっている作品の理由にこのユニバーサル/パラマウント系の映画が3作品(「Jackass3D」「奇人たちの晩餐会USA」「Get Him To The Greek」)あります。実はこれ、「奇人たち〜」と「Get〜」に関して言えば、ブラジルでもDVDスルーです。しかも一度は公開予定リストに入っていたにも関わらず。
その流れであやうく「Scott Pilgrim」までもがDVDスルーに寸前のところでなりかかっていたのも事実です。


そして、このユニバーサル/パラマウント系の海外戦略のもうひとつ悪いところは、3Dアニメを全然盛り上げられていません。アメリカで大成功した「ヒックとドラゴン」「怪盗グルーの月泥棒」そして日本ではまだですが「メガマインド」。いずれも日本だと成功していないのでは、と思います。実はこれ、ブラジルでも盛り上がっておりません。理由は簡単です。ブラジルだと「子供向き」だと決め込んで全て吹き替えでの公開でした。最近、ピクサーものをはじめ、「アニメ」は大人もしっかり見るものである、という認識が強くなっているにもかかわらず。さいわい、ディズニー/ピクサーものは字幕ものもあるので「トイ・ストーリー3」は見れたわけですが、そういう誤った戦略を行っているせいで、ブラジルでも実際に好動員を記録したという話は聞きません。


このように、ユニバーサル/パラマウント系の海外戦略はお門違いなものがよく見受けられます。これ、アメリカだとユニバーサルとパラマウントは別会社なのですが、なんか古くからの協定があるみたいで、海外だと同じ会社のグループとして展開してるみたいなんですね。しかし


2つの会社の作品をまとめて海外流通するにはあまりにも作品数が多過ぎて目利きが聞かず、そのため良い作品が犠牲になっているのではないか。



僕にはそう思えてなりません。まだこちらに来て1年経ちませんが、あと1〜2年、日本でもブラジルでもこの状況が続くようなら本国へ抗議するのも手だと思います。



あと、誤解されたくないので改めて言っておきますと、僕は「アメリカでヒットしたから」と言って、全ての作品が公開されねばならないと言っているわけではありません。僕の眼から見ても41位の有名俳優が出ておらず原作本が出てない「グレッグのダメ日記(Diary Of A Wimpy Kid)」や49位の「Why I Got Married Too」のタイラー・ペリー作品の”あまりに黒人内輪受け”の要素ばかりが強い作品(その意味でアイス・キューブのコメディはまだ広くアピール出来てるんだけどなあ)に関しては、国際公開されるには少しアピール不足な観は否めません。ですが、それ以外の赤字で示した作品に関しては、日本で公開されてなんら問題のない作品ばかりだと僕は判断してます。だいたい、年間64位の「コップ・アウト」や年間94位の「クロッシング(Brooklyn's Finest)」のような作品が「アクションものだから」「有名スターが出てるから」の理由だけでたいした評判もないのに優先的に日本公開されているわけです。そうしたものよりはるかに将来性も実際の人気もある映画がお蔵入りになるのは正直なところメチャクチャ納得が行きませんね。



アメリカの映画そのものの流れ(「俺たちニュースキャスター」や「スーパーバッド」がDVDスルーになってどれだけ日本がコメディに遅れたことか!)、そして、そこから派生して来た人気俳優・女優のフォロー。それをせき止めるだけの意味のないDVDスルーや日本未公開はなるべくなくしていただきたい。そして「日本だとこういうのは知られてないから難しい」という前に「知らせる努力」を先にしていただきたいものです。「邦画に比べて洋画が元気がない」なんて言う前に「洋画をもっと面白く見せる努力」をするべきなんだと思います。


やはり「アメリカに住んでいない身」からすると、数字的なものより、こうしたことの方がどうしても気になってしまいますね。
author:沢田太陽, category:映画, 01:52
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お知らせ:福岡のラジオに出ます!
 どうも。


ちょっとここで告知をさせてください。実はですね



大晦日、福岡県のラジオ番組にゲスト出演することになりました!!!



いやあ、これはですね、僕にとっては、幼い頃からの夢がかなうものすごく貴重な瞬間でもあるんですよね。その番組とは「KBC今週のポピュラーベストテン」という、僕が洋楽を聴きはじめる直接的なキッカケとなったAMのラジオ番組なんですね。この番組は僕の生まれる前、1967年からスタートしている番組で、日本最長寿の洋楽カウントダウン番組であるのはもちろん、今やAM局唯一の洋楽カウントダウン番組でもあるんですよね。



僕はこの番組を小学校5年生の秋から聴きはじめて、高校2年くらいまで聴いてました。リクエストのハガキも何回も出して、10回近く名前も本名で読まれたこともあります。大学に入って上京したあたりから「何時にオンエアしているのか」がわからなくなった時期もあったのですが、ネットの時代に突入しまだ存続していることを確認。そういうこともあり、僕が取材なんかを受ける際には「ポプテン(この番組の愛称)出たいなあ〜」の願望も込めて、あえてこの番組の名を口にしてたほど。別件の仕事で博多に行き、KBC(九州朝日放送)の前を横切ったことが何回かあったんですが、そのときも「いつか出演したいなあ〜」と本気で思っていたほどです。それが現実のもの(しかも僕が国外にいるにも関わらず)となったのだから本当に驚きです。なんでも、僕があるサイトで受けたインタビューを、その番組の司会を今なさっている局アナの方が偶然見つけたことがキッカケだったのだそうです。本来ならここで「作戦成功(ニヤリ)」などと言いたいところなんですが、スタッフの方から出演依頼のメールをいただいたとき、本当に涙が出て来てそれどころじゃなくなってしまいました(笑)。



その番組は大晦日の午後12時からスタートして、僕の電話インタビューは午後4時頃らしいです。全部で6時間もあるスケールの大きな特番ですが、今のこの時代に洋楽でそこまで時間帯を割くこと自体が感動的です。しかもその特番に限って、僕が子供のときに司会をなさっていた方(富田薫さん)が担当なさるというのも本当に嬉しいのです。この番組が北九州の小倉に公開放送で来た時に見に行って、サインもらおうかと思って近づいたけど緊張して出来なかったそのご本人なわけですから。僕にとっては、かつての野球少年が当時のスター選手に対面するような、そんな興奮があるわけです。



なので、もしこのブログをお読みになっている方で福岡県在住の方(山口と佐賀でも入るみたいですよ)がいらっしゃいましたら、よかったら聴いてみてください。そしてこの、「音楽好き・ロック好きの県・福岡」の背後にこういう番組が存在することを改めて知っていただきたいものですね。

author:沢田太陽, category:個人話, 13:30
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最新全米映画興行成績
どうも。


ようやくクリスマスも終わりましたね。僕はとにかく食べ過ぎましたね。日本でいう、おせち料理と同じ理屈で、こっちではクリスマスに食べるだけ食べて、その残りを年末に食べるというやり方なんですが、腹壊しますね、これ(笑)。実は今日もこのあと大きめのディナーなのですが、それに備えて昨日の夜からおつまみ程度しか食べてません。それぐらいこっちの人は食べるときゃ食べるので、調整が必要です。


そんな感じで、これは今年最後になりますね。火曜日恒例、全米映画興行成績、行きましょう(ポスターをクリックするとトレイラーが見れます)。



1(-)Little Fockers


2(-)True Grit


3(1)Tron Legacy
4(3)The Chronicle Of Narnia:The Voyage Of Dawn Treader
5(2)Yogi Bear
6(4)The Fighter
7(-)Gulliver's Travels


8(7)Black Swan
9(5)Tangled
10(6)The Tourist



1位を獲得したのは、「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズの第3弾「Little Fockers」。ベン・スティラー扮するゲイロード・フォッカーの子供も少し大きくなった頃合いのお話で、お舅さんのデニーロも結構老境に入って来てますが、ただ、その仲は相変わらず本音のとこでは良くはないようで…。


という、毎度毎度のお話。今回、前作の「Meet The Fockers」から6年経ってることもあり、久々の続編に期待する向きも多かったのでしょう。コメディにして3400万ドル・デビューはかなり高い数字です。


ただ、これ、こっちでも映画館の予告編にトレイラーがガンガン打たれるほどプッシュされてる(こっちは1/7公開です)のですが、そのトレイラーの子供だましっぽさが正直見ててツラい。あの名優デニーロがこの程度の話の内容で良く許したな、と思えるほどに、いかにもつまらなさそう。そんな予感が見事にあたってしまったか、Metacritic採点は27点と散々。シリーズの知名度も絡んでラジーへノミネートされる可能性も高いですね。



それに続いて2位初登場は、ジョエル&イーサン・コーエンの新作「True Grit」。こちらは、このブログでも以前からお伝えしてるようにオスカー・ノミネートの期待がかかるほど前評判の高い一作。作品自体は、先日紹介した「501 Must-See Movies」のウエスタンのカテゴリーにも入っている1969年の映画「勇気ある追跡」のリメイク。本作は、かのウエスタン・キング、ジョン・ウェインが長年の低評価を覆して還暦超えてはじめてオスカー主演男優賞を受賞した作品としても知られているのですが、ウェインが演じた老保安官の役を、いみじくも昨年「クレイジー・ハート」で還暦にしてオスカー主演男優賞を獲得したジェフ・ブリッジズがつとめていることでも話題でした。ブリッジズはもちろん今作でもオスカー主演男優候補なのですが、今作は、その老保安官と一緒に父親殺しの犯人を探しに行く少女役のこの人




ヘイリー・スタインフェルド。このコが助演女優賞を争うのではないか、ともっぱらの評判です。彼女まだ14歳なのですが、普段のイメージ、上の写真とだいぶ違います。





ね?これをきっかけにこれから出て来そうな気がします。


この「True Grit」ですが、さすがに評判は上々でMetacriticでは80点。オスカー作品賞ノミネートには問題ない点数となっています。さらに言うとこの映画、興行もよく、2500万ドルと、強い作品がなければ十分1位もありえた数字です。これはオスカー・ノミネート絡みで長くヒットしそうな感じです。


そして7位と低調な初登場となってしまったのが、ジャック・ブラック主演の「Gulliver's Travels」。「なんでまた、今さらガリバー旅行記なの?」と、僕は話を聞いた時から疑問だったし、これもこちらの映画館で予告編がかなり打たれているんですが、これも子供だましで正直解せませんでした。ジャック・ブラックという人は典型的な「生かし方」に左右される俳優さんで、良い作品だと彼の意外なまでの演技の幅が発揮されたりするんですが、酷い作品だとこの人の単調なウザさだけが全開(笑)になったやかましいだけの作品にしかならない。そしてこれ、典型的な後者パターンみたいです。Metacritic採点は36点。脇にジェイソン・シーゲルがいて、さらにはエミリー・ブラントがお姫様まで演じてるのにこの体たらくと言ったら!ジャックも主演作だいぶハズし続けてるのでやや心配です。


そして限定公開では、これが出ました!





ソフィア・コッポラの新作「Somewhere」。これは、豪勢な暮らしを送るハリウッドスターのもとに「あなたの娘です」という子供が現れ、ハリウッドの豪邸の中で予期せぬ親子の絆を作れるかどうか…というお話。娘の役はダコタ・ファニングの妹のエル・ファニングが演じていて、かわいいと評判ですね。


この映画、9月に幸先よくヴェネツィア映画祭を制覇したものの、配給先のフォーカス・フィーチャーズが「Kids Are All Right」イチオシ態勢のため、オスカーには絡みそうにありません。これ、いろんな声を拾うに「絶賛」と「酷評」があまりにハッキリ分かれすぎてるんですね。「結局また『ロスト・イン・トランスレーション』を作っただけじゃないか」だとか「自分の子供時代の思い出をナスシスティックに美化してるだけじゃないか」だとか、結構厳しい意見が飛んでいます。まあ、僕が思うに、理屈がどうのこうのより、ソフィアの映画にいつもありがちなアーティでスノッブな雰囲気が生理的に苦手な人はどうであれダメなんじゃないかと思います。Metacritic採点は68点と決して悪くはないのですが、ソフィア、なんか難癖をつけられがちでちょっと僕は可哀想な気がしています。



さて来週なんですが、おそらくほとんどが限定なような気がするんですが、アワード関連になんらか絡みそうなこのあたりの作品が出て来ます。こちらをご覧になりながら今日はシメます。

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 00:38
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