どうも。またも空いてしまいましたね。
本当は、表題のネタじゃなく書きたいことがあったんだけど、そのうち二つはリキ入れて長いものになりそう、そしてもう一つは、なんとこのブログサービスの動画サービスが終わってしまったことで、ちゃんと上手く説明出来ないで終わることが判明。なので、その代わりと言ってはナンですが、今日はコチラで。
はい、パール・ジャムです。
さっき聞いた話だと、なんと最新作「バックスペイサー」、初登場で全米1位らしいんですよ。これ、なんだか、すごく嬉しかったんで、あえて書きます。なんでも「No Code」以来13年振りのこととか。
この人たちって、不当に過小評価されててなんか不遇でかわいそうと言うか。UKロックファンの人たちの中には「グランジはニルヴァーナ以外はクソ」だとか「ニルヴァーナの天敵」みたいな思い込みをずっと抱いて聴かずじまいになっている人も少なくないし、90sのUSインディ・ロックのファンからすれば「ソニック・ユースやダイナソーJRからすると大仰なメインストリーム」みたいな形で敬遠され、90sからの生き残りとしてはグリーン・デイとかレッチリやフー・ファイターズ、ウィーザーほど大衆人気を得ることが出来ず、そしてストロークス以降からインディのロックを聴き始めた若い層からは「リアルタイム体験がないから、なかなか共感が難しい」となかなか近寄られないし。なんか、どことっても「どっちつかず」の印象が否めなかったとこでした。
でも、だけど、だけどさ〜。一回でも、パール・ジャムのライブ、生で見たことがある人なら、このバンドがいかにタイムレスな実力を持ったバンドであるか、すぐわかるはずなんだけどなあ。ロックンロールらしいザラザラしたエッジがありながらも、いざ生でプレイしてみると、寸分たりともグルーヴの軸がブレないギターのリフとリズム隊、声の強弱と音域を自在に操るエディ・ヴェダーの立体的かつ臨場感たっぷりの類い稀な歌いっぷり。この人たちの場合、バンドとしての基礎体力があまりにしっかりしてるから、ツアーだと、毎会場すべてで曲順・選曲の全く違うオリジナルのライブを当たり前のように披露出来る。普通ツアーって、リハーサルで準備した曲をやって行くという感じなんだけど、通常のバンドが15
〜20曲ぐらい用意して行くところを、この人たちは一回のツアーで40〜50曲ぐらい披露してるんじゃないかってくらいの莫大な曲数やるからね。レディオヘッドのこないだのツアーもそんな感じだったけど、この芸当の出来るバンド、他ではちょっと思い当たらない。
加えて、見過ごされがちだけど、いわゆる2000年代以降のインディ・ロックのバンドの潮流に一番敏感に反応してるベテラン・バンドってのも、実はこのバンドだったりする。その傾向って、2006年の前作から特に顕著になってたけど、最新作って、ハイヴスとかストロークスのノリだからね。とにかく音が軽くなって瞬発力が増した。なんか、2009年になって、この10年のロックンロールの模範的回答を百戦錬磨のベテランに返されてしまった、って感じさえする。これだったらガチでホワイト・ストライプスとかキングス・オブ・レオンとかアークティック・モンキーズと勝負しても全然負けないでしょ。
正直、さっき名前をあげた90sのUSの生き残りバンドって、大物感こそあるけど今となっては音が大仰すぎて素直に聴けないんだけど、パール・ジャムだけは今の新人のバンド聴くのとそんなに変わらない感じでスーッと聴ける。今度のも、バンドを組み立ての子供みたいに楽しんではしゃいでるみたいな感じが伝わるのが良い。あんなにキャリアもステータスもあるバンドなのにそれが可能ってのには素直に脱帽です。
1992〜94年頃、グランジ/オルタナティヴどっぷりだった身からすれば、神格化されたニルヴァーナを除いては、サウンドガーデンはクリス・コーネルが血迷うは、アリス・イン・チェインズはレイン・ステイリーの後釜を迎えてのあり得ない再結成するは、スマッシング・パンプキンズはサブカル心バッチリだったあの名作「サイアミーズ・ドリーム」のノリがなかなか思い出せない(最近のシューゲイザー・リヴァイヴァルのバンドの方がよっぽどちゃんと理解し咀嚼してるぞ!)とか、昔のファンとしては夢が壊れてしまうようなことが少なくなくて淋しかったんだけど、今回のパール・ジャムには久しぶりに元気もらった気がした。僕が以上に書いたこととかからの観点で、さらにちゃんと再評価されないものかな。