こちらでのブログの継続、止まってしまいましたが、もう、今、当ブログはnoteに移行して展開中です。以前からの読者の方たちは、継続してそちらの方を読んでいただいている感じは僕も受けてますが、念のため。
ただ、このjugemのアーカイブは非常に僕にとって貴重で大事なものなので、noteの方で蔵出ししていけたらいいなと思っています。9年近いデータがありますからね。
では、今後は
こちらでよろしくお願いします。
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どうも。
ソランジュの昨日の記事、かなり反響があったようですね。嬉しいです。突発的に書いた割にはうまく行ってよかったです。
で、そのソランジュも、ビヨンセも関係あることなんですが、当ブログで来週、4回にわたって、こういう特集をします。
来週は、3月8日が「国際女性デー」です。ということで、それにちなんで
これをやってみようかと思います。実は、もう、Spotifyのプレイリストに100 Best Ever Albums Of Women Who Rock By Taiyo Sawadaの名義であります。
これ、実はフライングでfacebookには1月にあげてて、Mitskiのファンサイトでも紹介したら、「ぜひプレイリストにしてくれ」とリクエストされたんで作ってます。
なぜ、今回、これをやろうかと思ったかというと、ちょうど15年前の今頃にですね
2004年にCDジャーナル増刊で「ウーマン・イン・ロック・クロニクル」という本を出していまして、そこで僕が全体コーディネイトを担当したんですね。この時は精一杯やったつもりではいたんですが、今振り返るに、「やっぱり、まだ、日本的な捉え方にとらわれてたなあ」「”ロック的だ”とする解釈がまだこなれてないなあ」「ポップなところと、カルト・アイコンのダイナミズムがもっと欲しいなあ」とか、いろいろ反省点があったんですね。
そこに加えて、もう2004年からは状況があまりにもガラリと変わってしまっているというか。それはメインストリームのポップはおろか、近年のインディ・ロックも女性の存在なくしてはありえないような状況になっていること。そういうのを反映させた、新しいものを作りたいと思ったんですね。
「やるのは国際女性デー」だと決めてはいたんですが、1月に選んだところ、ものすごくスンナリできたんですね。なので、「ケミストリーがある」と踏んで、もう、あんまりチョイスに迷わずに、自信持ってこれでいこうかと思います。結構、サプライズ選外、あえて多くしてるんですけどね。
で、「ロックな」とか「Who Rock」になぜしているのかというと、まあ、深い意味はないです。「刺激的なことやった女性」くらいの意味です。でも、「刺激的な女性のアルバム100選」って言ったら、なんか語呂が悪いし、カッコよくないじゃないですか(笑)。だから、便宜上、そうしているだけです。
でも、その「ロック」と入れることによって、やっぱ選び方が変わってくるんですよね。サブ・タイトルにも書いたように、結構、直接ロックをやってない人でも入れてるんですけど、「この人、人気はあるけど、音楽もつまんないし、何かをこじ開けた感じはしないよね」という感じの人は選んでません。そういうものだと思ってください。
で、その100枚は上にあげた通りなんですけど、あえて写真は若干見にくい感じにしました。というのは、昨年、「非英語圏の100枚のアルバム」という企画をやった時、写真を大きく見せて、リストも書いたんですけど、そうしちゃうと全部見た気になっちゃって、いざシリーズ始まった時の勢いがつかなかったんですね(笑)。その反省から、ちょっと読み手に疑問を残す感じでいきます。
それから、「非英語圏」の時は10回シリーズだったんですけど、やっぱ、長く続きすぎるとダレますね。なので今回はちょっとタイトに25枚ずつ、全4回でいきます。
「25枚も1回でできるかな」とは僕も不安なんですけど(笑)、幸いなことにこっち今、カーニバルの季節で4連休なんですよね。それを生かして、1枚でも多く書けるようにしたいと思っているところです。
で、「全米映画興行成績」が終わった直後から第1回いきます。お楽しみに!
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どうも。
いやあ、もう、本当に今
この、突如リリースされたソランジュのアルバム。昨日からもう、何度もリピートして聞いています。本当に素晴らしい、「ああ、先進的なクリエイターに成長したんだなあ」と思わせるアルバムですよ。
でも、すごいですよね。お姉さんのビヨンセは、今の世界を代表するエンターテイメント界のクイーンで、妹の彼女は、サブカルチャーのマニアたちを刺激する、音楽界の中でも有数なエッジィな存在になっちゃって。姉妹がそれぞれ別の意味で、多大なリスペクトとともに成長した例って、音楽以外の世界でもそうは見ませんからね。
でもなあ。ソランジュが今みたいな成長遂げるのって、昔だったら本当に考えられないこと。というか、よくぞここまでの存在になったと思います。今日はそんな彼女の成長録、そして新作がいかに革新的な作品にまでなったかをお話ししましょう。
よく考えたら、僕
ソランジュって、この時から知ってるんですよね。これが2002年に出たデビュー・アルバムで、この時、まだ15歳ですよ。で、この当時、実はデスティニーズ・チャイルドのジャパン・ツアーに帯同して、前座もやってるんですよね。
これ、覚えてますけど、これ、ただ単にお姉さんの路線の真似をしてるだけというか。まあ、その歳で、自分をコントロール術を知ってたら、そっちの方が恐ろしいですけどね。
で、この2年後の2004年には、青春コメディ「チアーズ2」でヒロインのライバルのチアリーダーなんて演じてます。今の本人からしたら、これ、絶対黒歴史だと思うんですけどね(笑)。
で、この頃に彼女は10代にして妊娠、出産もしてしまうので、ちょっとこれは、ノウルズ家が見込んだような成功を妹では得られなかったかな・・と
驚くことが2008年秋に起きました。それが
これを筆頭とするアルバム
突如として彼女はセカンド・アルバム「Sol-Angel And The Hadley St.Dreams」というアルバムを出すんですが、
これ、当時聞いて僕、ビックりしましたね。上の曲は思いっきりスプリームスの黄金期を意識した曲なんですけど、その他にも60〜70年代の音楽へのマニアックなオマージュがてんこ盛りなんですよ、これ。60年代のハーブ・アルパート(みたいな)トランペット曲をサンプリングした渋谷系みたいな曲はあるは、メンフィス・ソウルみたいな曲はあるわでね。で、これに近い時期に、BBキングのステージでデュエットしたりとかね。すごく、マニアックなオールド・ソウル好きはこの頃から知られるようになりました。
そうかと思ったら
こうやって、自分のライブでMGMTの曲カバーしたり、グリズリー・ベアのライブで客演したりと、この当時のニューヨークはブルックリンのインディ・バンドのライブに足繁く通っては、彼らと友達になってるんですよね。
こういう経緯から、「ずいぶん、センスがいいんだなあ〜」と思うようになりましたね。で、ちょうどこのころ、姉さんのビヨンセが音楽的につまんない時期でしたから、なおさらそう思いましたね。曲でいうと「Single Ladies」とか「Halo」とか、ヒットは出てたんだけど、別にインディ・ロック聴くような人には「ポップ」にしか思われてないような時期でしたね。
なので、この当時、「同じ姉妹でもずいぶん違うんだなあ」と思っていたんですが、そんなころにこういうことがありました。
ビヨンセとソランジュが2009年のサマーソニックで揃って来日した際、姉妹そろってファッション・ブランドだったか化粧品だったか忘れたんですけど、なんかのプロモーションやったんですよね。その時のソランジュの浮きっぷりがすごかったんですよ。この時、ソランジュ、突然、坊主にして来日しましたからね。これ、テレビでも報道されたんですけど、「比較してくれるな」の無言のオーラ、放ってましたね、彼女。で、しかも、この時の日本の取材陣なんて、ソランジュの趣味的なこととか全く知らないでしょうから、すごく一般向けの「ザ・芸能界」な感じのプロモでしたね、これは。
で、その後、ソランジュは待てども待てども音源の話がありませんでした。ニューヨークでDJやってるとか、そういう話は聞いてたんですけどね。一説には鬱になったとか言われてもいて心配してたんですが、2014年に
「True」というEPを出して、これが好評を博します。このEPはブラッド・オレンジことデヴ・ハインズとのコラボレーションです。今振り返ると、ちょっとデヴ色強すぎたかなと思うんですが、与えた印象はかなり良いものでした。
で、もう、この映像センスとファッション・センスで、もうかなりサブカルよりになったの、わかりません?ここから彼女の表現スタイルがガラッと今に近づいてきます。
それには
現在の夫のアラン・ファーグソンと結婚したのもこの頃です。彼はフォールアウト・ボーイの一連のMVから、ジャネール・モネエのMVなど、かなり手広く手がける売れっ子なんですが、彼が彼女のヴィジュアル面での洗練されたイメージを引き出すのに大きく貢献します。
で、こうした妹に徐々に影響されだしたか、姉ビヨンセの作風も2013年くらいから変わってきます。それまではどちらかというと、幼い頃からの「タレント・ショー」のクイーンだったが故か、勢い「歌ってて気持ちいい」タイプのものから、もっと刺激的なビートやサウンドを作り上げるプロデューサーを吟味して選ぶようになってきましたね。僕はこれ、妹からの影響だったんじゃないかと睨んでます。
そして、そんなビヨンセ姉さんが、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・ケーニッヒやジャック・ホワイト、ジェイムス・ブレイクなども参加した自身の最高傑作「Lemonade」を出した数ヶ月後の2016年9月
ソランジュはアルバムとしては「Sol-Angel」から8年ぶりとなるアルバム「A Seat At The Table」を発表しますが、これが
僕、このアルバム、最初、「ちょっと地味かな」と思って、最初はピンときてなかったんですよ。どこか「Sol-Angel」みたいな華やかさを求めているようなところおあって。
でもですね
この2曲のMV見て、このあまりにハイ・アートな完成ぶりに、「やっぱりこれはただ事じゃないな」と思って聞き直して、改めて衝撃を受けたんですよね。
音数を絞るだけ絞った簡素なサウンドの中に、予てから彼女が好きだった60sと70sのオーガニックな感触のメロディとグルーヴを備え、それを「Sol Angel」の時から定評のあった華やかな彼女自身のハーモニー多重録温で花を添える。そして驚いたことに、このアルバム、全作詞作曲、彼女自身になっていました!
で、参加メンツの人選も見事だったんですよね。全体の監修が90sの名ソウル・バンド、元トニ!トニ!トニ!のラファエル・サディークで、彼を軸にしながら、ダーティ・プロジェクターズやTVオン・ザ・レディオといったニューヨークのインディ・ロックの友達もしっかり入れてね。そうかと思ったら、この時期に忘れられかけてたサウス・ラッパーのマスターPがトークで参加するという、不思議な展開もあったりね。
そういうこともあってか、このアルバムは評判も高く、かつ、セールスでも全米1位になるなど、名実ともに注目されるアルバムとなりました。
・・で、それから2年半。今回満を持して
この新作「When I Get Home」となったわけですが
絶賛された前作を元にはしつつ、そこから全く歩みを止めてはいないですね。
前作はメロディックでオーガニックでシンプルな、1曲1曲の楽曲素材の良さを大事にしたアルバムでしたけど、今回は
で、しかも未来志向と言っても、これが絶妙に「レトロ・フューチャー」っぽいのが味があるんですよ。聞いててこのあたりを思い浮かべました。
トッド・ラングレンの「A Wizard A True Star(73)」、スティーヴィー・ワンダーの「Songs In The Key Of Life(76)」、そしてジョニ・ミッチェルの「Hejira(逃避行)(76)」ですね。
上の2つに関しては、今回大活躍の初期型のシンセサイザーですね。モジュラー通した、生々しい電子音の感じ。おそらくモーグ・シンセだと思うんですけど、あの当時の単音シンセが出す生々しい未来感が今も十分に未来的にひびくのをこのアルバム、証明してますね。それがまず、すごくかっこいいです。
それプラス、ジャズ期のジョニのそのアルバムは、女性イノヴェーターとしての佇まいと、甘さを抑えたメロディと、ちょっとどことなく、ジャコ・パストリアス風なフレットレス・ベースの浮遊感のようなものを感じるからですね。
いずれも、あの当時を代表するイノヴェーターですが、彼らを思い浮かばせるあたりが、もうソランジュ、立派なクリエイターですが、今回はそれを
ただ、踏襲するだけじゃなくて、今現在の先端な編集感覚のフィルターを通して行ってるんですね。上がティエラ・ワックの「Whack World」、下がアール・スウェットシャツの「Some Rap Songs」と、昨年絶賛されたアヴァンギャルドなヒップホップで、1曲平均が1分台で、それらの短い曲をコラージュした、新しいタイプのヒップホップ・アートだったんですが、ソランジュは、それをそのままそっくりにはやらなかったものの、30秒のインタールードを挟み、2〜3分程度の長さの曲をつなぎ、「19曲39分」の長さでそれをやっています。
まあ、上のトッドのアルバムがその作りに近いんですけどね。あれも1分台の曲でつないで、という手法でしたから。
これがその当時のトッドのイメージ写真ですけど、今回のソランジュのジャケ写になんとなく似てません(笑)?
あと、今回も参加メンツ、絶妙ですね。全体は前作と同じく、ほとんどの曲がソランジュの単独で作られたもので、全体プロデューサーとして、ジョン・キャロル・カービーという、白人のキーボード・プレイヤーがプロデュースに回ってます。
今回はそこにタイラー・ザ・クリエイターやパンダ・ベア、サンファといった、いかにも彼女が好みそうなメンツから、メトロ・ブーミンやグッチ・メイン。プレイボーイ・カルティといったトラップ系のアーティストも参加してますが、彼らにほとんどトラップらしいことをさせず、あくまでソランジュの世界に染めてしまう力強さもあります。
って、この記事の最初の方から比べると、エラい成長でしょ?ここまで来るのにはもちろん才能もあったと思うんですけど、彼女自身のかなりの努力があったかと思われます。尊敬しますね。
このアルバムで、ソランジュのシーンにおけるカリスマティックなポジションが決定づけられると思いますね。
昨夜、突如解禁されたソランジュのニュー・アルバムにもう夢中ですね。この後、もし元気があれば、彼女について何か書くかもしれません。
では、全英チャート、行きましょう。
SINGLES
1(3)Someone You Loved/Lewis Capaldi
2(4)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
3(2)Break Up With Your Girlfriend I'm Bored/Ariana Grande
4(1)7 Rings/Ariana Grande
5(5)Dont Call Me Up/Mabel
6(6)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
7(9)Options/NSG feat Tion Wayne
8(-)Walk Me Home /P!NK
9(8)Bury A friend/Billie Eilish
10(19)Just You And I/Tom Walker
ルイス・キャパルディ、ついに1位ですね。これはアルバムに向けてかなり人気出そうですね。
さらに8位には
P!NKのニュー・シングル。この人の人気も尽きないですね。この曲はなんかイマジン・ドラゴンズみたいですが
さらに10位には
先日のブリット・アワーズで最優秀新人賞に輝きましたトム・ウォーカー。本当に最近の流行りに押し込んだタイプの曲ですね。
では、アルバムを見てみましょう。
ALBUMS
1(1)thank u next/Ariana Grande
2(2)The Greatest Showman/Soundtrack
3(3)A Star Is Born/Soundtrack
4(4)Bohemian Rhapsody/Queen
5(5)Staying At Tamara's/George Ezra
6(-)Big bad/Giggs
7(12)Always In Betweens/Jesse Glynne
8(8)The Platinum Collection /Queen
9(-)Eton Alive/Sleaford Mods
10(23)A Brief Inquiry Into Online Relationships/THE 1975
トップ5は先週と全く同じ。BRITS効果で1975がトップ10に返り咲きましたね。
トップ10入りは2枚。まずはラッパーのGiggs。聞いてみましょう。
UKラッパーの中ではキャリアが長く、これが5枚目、35歳のギグス。悪くはないと思いますけど、何かもう一声欲しい感じですね。
そして9位初登場は、40代後半でようやく人気に日がつきつつあります。イギリスの偏屈ラップ・ロック・デュオ、スリーフォード・モッズ。聞いてみましょう。
なんか、神経質に独り言をぶつぶつ言ってるイギリス親父な感じが出ててイギリス・カルチャー好きには刺さるんですよね、彼ら。これまで、「いいんだけど、ちょっと単調かな」と思えるところがあったんですけど、今回、一皮むけた気がします。
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僕の年度のオスカーの話題はいつも、この話題でシメるんですが、もう、いろんな媒体で早くも来年、2020年のオスカー予想がはじまっています。
そこで、気になる作品をちょっとここでピックアップしていきましょう。
まずはマーティン・スコセッシ待望の新作「The Irishman」。これはおそらく最後のかつての名コンビ、ロバート・デ・ニーロとのコンビ復活作ですね。
こんな風にトレイラーもできてますが、デ・ニーロ以外にアル・パチーノ、ジョー・ペシ(!)、ハーヴィー・カイテルと、もうスコセッシおなじみの俳優たちが夢の共演。これだけでもかなり話題ですが、果たしてどうなるでしょうか。
そして
クエンティン・タランティーノも新作、出ます。1969年のチャールズ・マンソンの惨事を描いた「Once Upon A Time In Hollywood」。ブラッド・ピットにレオナルド・ディカプリオ、そしてシャロン・テイト役にマーゴット・ロビーと楽しみ名前が並んでいます。
この2つが圧倒的に注目されてますね。現状では他に差をつけてますね。まあ、監督のカリスマ性からすれば無理もないですが。
これに続くのはですね。
このトム・ハンクス主演の「A Wonderful Day In The Neighborhood」。これ、僕は個人的に期待してます。ハンクスそのものはそんなに好みの俳優ということではないんですけど
ハンクス演じるテレビ司会者のフレッド・ロジャースはですね、昨年、彼の人生がこのドキュメンタリー「Wont You Be My Neighbor」として公開され、ドキュメンタリーではかなりのヒットになったんですね。かなり作品的にも話題を呼んで。その直後なだけに、ちょっと気になるんですよね。
しかも
監督がマリエル・ヘラーと言って、今、インディでもっとも注目されてる女性監督なんですよね。彼女は何年か前に「Diary Of A Teenage Girl」という、非常にサブカル臭の強いインディ・ティーン映画も作っていて、今回のオスカーでもメリッサ・マッカーシーが主演女優賞にノミネートされた「Can You Ever Forgive Me」を監督しています。すごく右肩上がりなので楽しみなんですよね。
あと、女性監督で言えば
昨年、「レディバード」で一躍注目されたグレタ・ガーウィッグは2作目の監督作で、なんと「小公女」のリメイク。主演は前作に続いてシアーシャ・ローナン。そこにティモシー・シャラメやエマ・ストーンも絡むようですよ。
7度目の正直でオスカーを狙いたいエイミー・アダムスはベストセラー小説「The Woman In The Window」のヒロイン。
ナタリー・ポートマンはNASAの宇宙飛行士の不倫事件を題材にしたドラマ「Lucy In The Sky」 に。
シャリーズ・セロンは、失言で局の看板ニュース番組を降ろされた、これ、すごく最近の事件です、ニュース・キャスターのメガン・ケリーを演じた「Fair And Balance」で主演です。
ここ数年強い、黒人監督の映画ですが、昨年のオスカーで、「ゲット・アウト」で話題を呼んだジョーダン・ピール監督の新作はルピタ・ニョンゴ主演の、今回もホラーです。「Us」。これは3月、間もなく公開です。
そして19世紀の、奴隷解放、女性解放運動家、ハリエット・タブマンの伝記映画「Harriet」も控えています。
文学作品だと、2013年の小説の賞を総なめにした「Goldfinch」が映画化されます。主人公は「ベイビードライバー」のアンセル・エルゴート。
そして19世紀のイギリスの文豪ディケンズの「デヴィッド・コッパーフィ_ルド」が「The Personal History Of David Copperfield」として映画化、主演は「スラムドッグ・ミリオネア」「Lion」でオスカーでも馴染みのデヴ・パテル。共演がティルダ・スウィントン、ベン・ウィショー、ヒュー・ローリーとやたら豪華なのが気になってます。
あと、今年「バイス」で主演男優賞にノミネートされたクリスチャン・ベールは来年も「Ford v Ferarri 」が控えています。
・・と、この辺りが、現時点で気にされている映画ですね。
まあ、この企画、毎年この時期にやってますが、本当にオスカー候補にまで上り詰めるのは、これの半分も行けばいい方です。でも、それでも楽しみなもので、毎年このようにやってしまうんですよね。
今後のオスカー予想ですが、5月のカンヌ映画祭で、時折話題の作品が出始め、9月のヴェネツィア、トロント映画祭が最初の大きな波となります。
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(現在、noteでも当ブログは展開中です。そちらの方が見易く更新も早いです。アドレスはnote.mu/themainstream)
どうも。
アメリカのインディ・ロックで次の大物になりつつあります。ビッグ・シーフのニュー・アルバムからの先行シングルなんですが、今、これを何度もリピートしています。素晴らしい!彼らはフォークロックに分類されることが多いかと思うんですけど、どちらかといえば「In Rainbows」以降のレディオヘッドの後継者なことは、一昨年の、僕の年間ベスト・アルバムのトップ20に入れたアルバムの時も思ったんですけど、この曲はその傾向がさらに強まった感じですね。彼らの場合、フロントのアドリアンヌ・レンカーのカリスマ性が目立つんですけど、後ろの男性3人もサウンドの構築センスがかなりあると見ています。
「もう、あとはいかにアルバムが売れるかだけなんだよなあ」と思ってたところなんですが、新作から4ADに移籍するみたいで、そこでより知名度あげて欲しいです。サドル・クリークだと限界ありましたからね。アルバムは5月ですが、早速ピッチフォークのBEST NEW TRACKに選ばれていましたね。
では、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(4)Without Me/Halsey
3(5)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
4(3)Thank You,Next/Ariana Grande
5(-)Please Me/Cardi B &Bruno Mars
6(6)Happier/Marshmello&Bastille
7(7)Sicko Mode/Travis Scott
8(2)Break Up With Your Girlfriend Im Bored/Ariana Grande
9(8)High Hopes/Panic At The Disco
10(9)Wow/Post Malone
こないだ言ったとおりでしょう。アリアナ、さすがに2週連続のトップ3独占は難しかったですね。でも、3曲がまだトップ10入ってるだけでもかなりすごいですけどね。
5位に初登場はカーディBのニュー・シングル。相性のいいブルーノ・マーズとの2度目の共演ですね。ブルーノ側のプロダクション・チームと組んだことで曲調がミーゴスが陥りがちな方向じゃなく、しっかりそこから一歩抜け出た感じになってるのがいいです。90sのR&Bみたいでもありますけどね。
では圏外に行きましょう。29位初登場のこの曲で。
ジュースWRLDの、もう3月に出るんですね、アルバム。そこからのニュー・シングルです。なんかポスティ見たくなってますね。ぶっきらぼうなヴォーカルで。ちょっと全体聞かないとなんとも言えないですが。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(1)thank u next/Ariana Grande
2(3)Bohemian Rhapsody/Soundtrack
3(2)A Star Is Born/Soundtrack
4(-)Cant Say I Aint Country/Florida Georgia Line
5(-)So Far Gone/Drake
6(4)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
7(5)beerbongs & bentleys/Post Malone
8(6)Astroworld/Travis Scott
9(7)I Am> I was/21 Savage
10(10)Championships/Meek Mil
アリアナが2週連続で1位ですね。
4位は男性カントリー・デュオのフロリダ・ジョージア・ライン。本人たちはカントリーと言い張りますが、全然そんな風には聞こえません(笑)。ブロ・カントリーもちょっと陰ってきたかな。
5位のドレイクは、これはメジャー前の作品の再発ですね。僕も、これの次からリアルタイムで知ってるんですけど、これ、いいアルバムですよ。
で、今週驚くべきは
とうとうアヴリル・ラヴィーンがトップ10に入らなくなったことですね。13位。「落ち目」を印象付ける結果になってしまいました。
正直、「ギリギリでトップ10かな」と読んでいただけに驚きでしたけどね。
で、これ、評判も悪かったんだ。なんかちぐはぐでね。
全体が、こういうアンビエントっぽいアダルトな曲調なんですけど、今のご時世、こういうアダルトへの変身の仕方が望まれているのかな、と言う感じでしたけどね。こういうのが数曲ならまだわかるんですが、全体的に多かったですからね。
そうかと思えば、思い出したようにこういうイタい曲もやる。ファンはこういう、「年取ったチアリーダー」が欲しいわけじゃなくて、もっと別なものを求めていた気がするんですけどね。
その意味で、これが数少なく自然に聞こえたんですけどね。意外だと思った人は多かったと思うんですが、本人が最近聞いてるという50sとか60sのソウル・ミュージック。これだけ、本当に歌いたそうに歌ってるんですよね。声の響きが自然に聞こえたんで。これとあと、アコースティックの曲もそこそこいけたので、カムバックと方向転換の筋道、間違ってしまったかな、と思いましたけどね。
どうも。
オスカー、終わりましたけど、まだ余韻引きずってますね。総括っぽいことの前に、今年もやります。当ブログ恒例のベスト&ワースト・ドレッサー。
まずはいろいろ見ていきましょう。最初は、「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディとメアリーこと、主演男優賞獲得のラミ・マレクと、本当にカノジョになってしまったルーシー・ボイントン。ルーシーって僕、「シング・ストリート」の時からお気に入りでしてね。なんか「ロック好きのハートをくすぐる女の子」のポジションに図らずもなってしまった感じがね。ちょっと応援しようと思ってます。
この夜の主役の一人のガガさん。「Shallow」のパフォーマンスは、彼女のこれまでのテレビ・パフォーマンスの中でもベストだったんじゃないか、と思えるくらい最高のものでした。ああいうことできるから、本当に憎めないんです。この人。この日はファッションはシックに決めてました。
「ブラック・クランズマン」のヒロインのローラ・ハリエル。「スパイダーマン ホームカミング」にでてた子です。これはなかなか可愛らしい。名前忘れたんですけど、ディズニーのキャラクターにこういう人、いましたよね。それを思い出しました。彼女は「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークに、目と唇がソックリなんですよね。これ、欧米圏では結構ネタになってて、「黒人と白人の腹違いの姉妹」説が上がってました。
そして、僕の中でこのレッドカーペットで株急上昇なのがエルシー・フィッシャー。何、この、15歳でこのカッコいい着こなしは!彼女が主演した「Eighth Grader」という、非常に評判の良かったティーン・ムーヴィー、俄然見たくなりました。これは相当、有望ですよ。
では、ベスト・ドレッサーいきましょう。3位から。
シャリーズは、僕のこの企画、かなり上位常連です。今回も、この全身を包むガウン、生地と淡いブルーの上品さがまずすごく気に入ったんですが
後ろみると、この大胆な背中空き。これが決め手でしたね。
では、2位に行きましょう。
見事、助演女優賞を獲得した、黒人の役者界隈ではベテランの名手のサポート・アクトレスですけど、この着こなしがカッコよかった!この、ホワイトの鮮やかな色合いに、余計なマイナス・ポイントがない形といいね。パッと目をひくし、文句なかったです。
ただ、まあ、1位は今回、これ、歴史的なもの出ちゃいました。これです!
彼は、ミュージカル系のゲイの役者さんなんですが、これはもう、男性だとか、女性だとかの次元を超えた、アートの域に入ったドレスですね。
これ、「ジェンダーを超える」というアイディアだけじゃなくて、完成度そのものもすごく気高く気品にあふれている感じがいいんですよね。この黒のベルベットの使い方とか、タキシード部分の白の優雅さとかね。
で、誰がこれを作ったのかというと
このクリスチャン・シリアーノですよ。彼、デザイナーのリアリティ・ショー「プロジェクト・ランウェイ」の一番出世ですね。第4シーズンでしたね。この時見てましたけど、彼、中世、近世の貴族っぽい服作らせたら、その当時から天才的にうまかったんですけど、その才能がここに生かされたようです。これでまた、名が売れましたね。
では、ワーストに入る前に、もうすこし
「クレイジー・リッチ・エイジアンズ」のアークワフィーナは大きめのスーツで登場。今回、この映画があったことで、中国系の役者たちが大挙オスカーに集まったんですけど、その中でも一番目立ってたの、アークワフィーナでしたね。彼女、話術がすごく立つし、キャラクターも抜群に明るいから、近いうちにオスカーの司会、いけると思うんですけどね。
それから、エマ・ストーン。なんか今回、ベルギー・ワッフルみたいになっちゃってますね(笑)。今回、助演女優にノミネートはされましたけど、本命じゃなかったことで、ドレス、遊んだかな。いつも勝負ドレスでも疲れるので、こういうのもたまにはいいと思います。
では、ワーストに行きましょう。3位から。
今、サポーティング・アクトレスとしては筆頭格にうまい彼女ですけど、今回のドレスはそれでもいただけません。なんか、上からピンクのもの、かぶっちゃったみたいというか、全体の膨れ方が「どうしたの?」って感じで。あまりドレスのこと、考えてこなかったかな、という感じですね。
では、2位に行きましょう。これです!
これはなあ。どうしたんでしょうね。今回、助演女優でノミネートもあって、受賞もあり得る位置だったのに、これは・・。このトップの長靴みたいなゴムは一体どうしたんでしょうね。あと、ペッターンとしたヘアのイメージも・・。
僕。彼女って、すごい「美人の代名詞」的な印象があって、年齢も同じなことからすごく親近感あるんですよね。それだけにこれは肩透かしでした。
でも、今回のワースト1位は、もうダントツでコレでした!
彼女は、その昔、かの名作青春コメディでジェイムス・フランコとセス・ローゲンを輩出した「Freaks And Geeks」のヒロインで、その後、「聞かないなあ」と思っていたら、最近よく見るようになって、今回、「グリーン・ブック」でヴィゴ・モーテンセンの奥さん役で「おお、出世したじゃないか!」と思ってたら、こんなことに・・。
なんか、この「お祭り?」なしまりのない感じもそうだし、ピンクのファーも意味不明だし、後、真ん中のリボンの紐もそうだし。その昔、ビヨークが、白鳥の首のついたスワン・ドレスをオスカーのレッド・カーペットで着て伝説になったことがあったんですが、ヴァイヴとしては、これ、ちょっと近いです(笑)。
こちらのアドレスnote.mu/themainstreamで展開します。こっちにも随時貼っていきますが、できればnoteの方でご覧ください。
油断してたら、始まってしまった!
いきなりアダム・ランバート&クイーンの「We Will Roc You」と「We Are The Champions」。
ティナ・フェイとエイミー・ポーラー、マヤ・ルドルフの名トリオ登場。ホストにしてりゃいいじゃん。うまいんだから!マヤのガガの真似とか、おかしいね(笑)。
助演女優賞のノミネートでポーラー、「女性達はサポートしあう存在なんだから」で拍手喝采。
助演女優賞
レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
下馬評通り。客席にいたお母さんへの感謝を示した心温まるスピーチです。
「アクアマン」、ジェイソン・モモアとヘレン・ミレン。すごい組み合わせのプレゼンター!
長編ドキュメンタリー
Free Soto
ロック・クライマーを描いたドキュメンタリー。監督の中国系の女性が美人です。
トム・モレロがプレゼンター!「バイス」紹介してますけど、なんかゴールデン・グローブみたいだな。
エルシー・フィッシャーとステファン・ジェイムスがプレゼンター。
メイク
VICE
クリスチャン・ベールのためですね。
メッリサ・マッカーシーがエリザベス女王初代の格好でプレゼンター。
衣装
ブラック・パンサー
これは嬉しかろうですね。あの映画でも力入っていたところですからね。受賞のルースEカーターは「マルコムX」の時の衣装担当だったんですね。
ジェニファー・ロペスとクリス・エヴァンスがプレゼンター。
美術
ブラック・パンサー
テクニカル系は結構取りそうだね。予想された通りではあるけれど。受賞のハナ・ビーチラーはライアン・クーグラーのレギュラーなんですね。
タイラー・ペリーがプレゼンター。これ、「コマーシャル・ブレイクにしないでありがとうね」って皮肉も(笑)。
撮影
アルフォンソ・キュアロン(Roma)
妥当。ってか、彼、撮影もできるって、すごい。
セレーナ・ウィリアムスがプレゼンター!「スタ誕」の紹介。
ジェイムス・マカヴォイがプレゼンター。
音響編集
ボヘミアン・ラプソディ
確かに音の持つマジックは大きかったからねえ。
録音
ボヘミアン・ラプソディ
音楽映画対決で「スタ誕」に勝っちゃったかな、これは。
クイーン・ラティーファがプレゼンター。「女王陛下のお気に入り」の紹介。
アンジェラ・バセットとハビエル・バルデムがプレゼンター。
外国語映画
Roma
まあ、これになっちゃうよね。対抗馬はノミネート年がツイてなかったね。
「Mary Poppins Returns」のテーマ曲、「The Place Where Lost Things Go 」のパフォーマンス。歌うはベット・ミドラーです。
トレヴァー・ノアが「ブラック・パンサー」紹介。「ワカンダ・フォーエヴァー」を面白おかしく語っています。
マイケル・キートンがプレゼンター。
編集
ボヘミアン・ラプソディ
なんと、今日3冠!「フレディがみんなを一つにした」と、編集のジョン・オットマンは語っています。
ダニエル・クレイグとシャリーズ・セロンがプレゼンター。
助演男優賞
マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
一昨年の「ムーンライト」に続く2度目の受賞。ヴィゴにも感謝してます。プロデューサー役のオクテイヴィア・スペンサーにもですね。なぜ黒のニットキャップを?
ローラ・ダーンがプレゼンター。アカデミー・ミュージアムができるよ、という宣伝でした。
ミシェル・ヨーとファレル・ウイリアムスがプレゼンター。
長編アニメ
スパイダーマン スパイダーバース
これも前哨戦からずっと勝ってましたからね。フィル・ロードとクリストファー・ミラ〜って天才的ですね。
ケイシー・マスグレイヴスがプレゼンター。コーエン兄弟の「バラッド・オブ・バスター・スクラグス」のテーマ曲「Where A Cowboy Trades His Spurs For Wings」。歌うはデヴィッド・ローリングスとジリアン・ウェルチ。
「ウェインズ・ワールド」から、マイク・マイヤーズとデイナ・カーヴィー。もちろん「ボヘミアン・ラプソディ」の紹介。
アークワフィーナとジョン・ムレイニーがプレゼンター。
短編アニメ
Bao
「インクレディブル・ファミリー」の頭にあったヤツですね。中国系の話の。ぶっちゃけ、こっちの方がよかったんだよね。
短編ドキュメンタリー
Period End Of Sentence
インドの性教育のドキュメンタリー。女性監督が「月経の映画が受賞するなんて素晴らしい!」と叫んで大喝采です。
ディエゴ・ルナがスペイン語なまりの英語で「Roma」紹介。もう一人の人の方が、「移民にヒューマニティを!」と叫んで大喝采。
ポール・ラッドとサラ・ポールセンがプレゼンター。
視覚効果
ファースト・マン
今日、初のサプライズ。ブラック・パンサーかと思った。
「Shallow」 のイントロに乗ってブラッドリー・クーパとレディ・ガガがステージ登場し、そのままデュエット。ブラッドリー、ちょっとうわづってるけど、さすがに緊張したかな。ガガはグラミーの時より今日の方が断然いい!いい意味で力が抜けてる。ピアノの横にブラッドリーが回りこむのもいい演出。すごくよかった!
短編
SKIN
サミュエルLジャクソンとブリー・ラーソンがプレゼンター。「キャプテン・マーヴェル」のコンビです。
脚本賞
グリーン・ブック
これはとって欲しかったので嬉しかったかな。「いい話」の映画なんでね。
脚色賞
ブラック・クランズマン
サミュエルLジャクソン大喜び!これはスタンディング・オヴェーション!当然でしょう。
紫のコスチュームに身を包んだスパイク・リーが、奴隷時代の話から始めて、今の「時代の曲がり角だ」と言った後、「Do The Right Thing!」と自身の代表作にかけて叫んで大喝采。レジェンド初受賞だもんね。
スコア
ルートビッヒ・ゴランソン(ブラック・パンサー)
ドナルド・グローバーの相方、とっちゃったよ!
チャドウィック・ボーズマンとコンスタンス・ウーがプレゼンター。
主題歌
Sahllow/レディ・ガガ&ブラッドリー・クーパー
せめてこれは受賞じゃないとね。
「勝つことじゃなく、諦めずにトライすることを歌った曲なの」とガガが泣きじゃくりながら熱弁しました。
物故者追悼のコーナー。ペニー・マーシャル、バート・レイノルズ、ミロシュ・フォアマンに混じって橋本忍や高畑勲も。直前に亡くなったアルバート・フィニーも。
バーブラ・ストライザントが出てきて「ブラック・クランズマン」の紹介。黒人じゃなく、ユダヤ人(映画内でタッグ組むのがユダヤ人だしね)の彼女が紹介するのがいいね。「70年代だけじゃなく、今でも通じる話」というのもいい。
ゲイリー・オールドマンとアリソン・ジャニーがプレゼンター。
主演男優賞
ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
取るとは思ったけど、名前聞くまでは安心してなかったからよかった!
「アメリカの移民第一世代として」というところで大喝采。彼が生まれる直前にエジプトから移ってきたんですよね。そして最後はスクリーン・カップルになったルーシー・ボイントンに感謝を捧げる泣けるスピーチ。
アマンドラ・スタンバーグと公民権運動かのジョン・ルイスがプレゼンター。「グリーン・ブック」の紹介。
主演女優賞
オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
映画はすごく好きだけど、これはなあ・・。スピーチ用意してない感じですね。言葉になってないので。これはグレンでしょう。彼女には悪いけど。
ギリェルメ・デルトロがプレゼンター。監督賞ですね。
監督賞
アルフォンソ・キュアロン(Roma)
まあ、揺るがないでしょうね、これは。5年ぶり2度目。
ジュリア・ロバーツがプレゼンター。彼女でシメるアワードって結構多い気が。
作品賞
グリーン・ブック
えっ!!!!!!!!
うわあ、ビックリだね。ノミネートで監督漏れた時点でダメだと思ったんだけどな。PGAは取ってたから、「作品賞受賞資格」からは漏れていなかったとはいえ。
僕が以前から言ってた「反ネトフリ票」はこれまで問題ないように見えてたけど、ここで効くとはなあ。でも、個人的には「グリーン・ブック」がアリなら「ブラック・クランズマン」だったんだけどなあ。
これからオスカーですが、オスカーの前日にゴールデン・ラズベリー・アワーズが発表されまして、「Holmes&Watson」が6部門を独占してしまいました。う〜ん、結構ラジーに輝いてしまうとですね、ちょっとキャリアに響くんですよねえ。ウィル・フェレル、大丈夫か、ちょっと心配です。
では、駆け足で、全米映画興行成績、行きましょう。
1(-)How To Train Your Dragon The Hidden World
2(1)Alita Battle Angel
3(2)The LEGO Movie 2 The Second Part
4(40)Fighting With My Family
5(3)Isn't It Romantic
6(4)What Men Want
7(5)Happy Death Day 2U
8(6)Cold Pursuit
9(7)The Upside
10(-)Run The Race
1位は「ヒックとドラゴン」の第3弾ですね。人気シリーズということもあって、5500万ドルと高い数字でのデビューです。
これ、ブラジル、1ヶ月くらい公開早かったんですよ。あれはなんでだったんだろう。オスカーで忙しくて、それどころではなかったんですが。
あと、評判がいつものに比べて微妙に低かったんですよね。Rottentomatoesでは92点だったんですが、Metacriticで71点。うちの子らにもこのシリーズ、いまひとつ食いつきがないのでスルーしてますが、今後どうしようかな。
4位に拡大公開で上昇の「Fighting With My Family」はこういう映画です。
これは、WWEの女性レスラ0になったペイジというレスラーの伝記で、これの元になったドキュメンタリーの映画化です。これにあの”ザ・ロック”ことデュエイン・ジョンソンが本人役で出演します。彼もWWEの大スターでしたからね。
これも評判いいんですよ。Metacriticで70点、Rottentomatoesで91点。「ヒックとドラゴン3」と同等評価ですが、新鮮さもあるので、チケット代渡されたら僕はこっちを取りますね。僕のとこでは4月公開です。
10位の「Run The Race」はクリスチャン映画。有名な人は誰も出ていません。評判もRottentomatoesで40点。Metacriticは表示なしです。
では、オスカーのレッドカーペットの写真が一部入ってきてますので、できる限り。
まずは、呼ばれてたんですね。コンマリさん。片付けに来たのでしょうか(笑)。
「クレイジー・リッチ・アジアンズ」のコンスタンス・ウー。
「Roma」でノミネートされたヤーリッツア・アパラシオとマリア・デ・タビラ。
「ゲーム・オブ・スローンズ」のディナーリスことエミリア・クラーク。
「The Hate U Give」のヒロインだったアマンドラ・スタンバーグ。
インディでものすごく評判の良かった「Eighth Grader」というティーン・ムーヴィーで注目されたエルシー・フィッシャー。15歳なのに、この着こなしはすごくカッコいい!
そして、これ!ゲイのシンガーのビリー・ポーターだけど、ジェンダーレス・タキシード・ドレス。これ、すごい!!
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どうも。
もう一晩寝ると、明くる日は
オスカーのタイミングがやってきました。ここで、毎年チョック前にやってる、オスカーの「勝つべき・勝つだろう」、今年もやってみようと思います。
この予想の仕方は、欧米圏ではオスカーにはお馴染みのものです。というのは、オスカーの場合、「これまでの長きにわたる前哨映画祭の総決算」、という意味合いもあるので、予想自体は非常にしやすいんですね。だから、それでの予想を「will win(勝つだろう)」と称し、「でも自分が勝ってほしい映画はそれじゃないんだよ」という場合に「should win」というもの、これを二つ付けて予想します。なので、今年もそれに沿って予想してみたいと思います。
予想するのは例年と同じ、「BIG 6」の部門です。今年は非常に嬉しいことに、この6つの部門のノミネートの映画、全部見れました!授賞式前にこれらが全部というのは、僕の人生でも初めてのことです。なので、僕なりの順位も付けて今回は紹介しましょう。
作品賞
will win Roma
should win 女王陛下のお気に入りor ブラック・クランズマン
まあ、現状では「Roma」の優位は動かないでしょうね。映画としての風格と、ネットフリックスの特大プロモーションとで。動かない気がします。
でも、僕の趣味なら
これか
これなんだけどなあ〜。
1.女王陛下のお気に入り
2.ブラック・クランズマン
3.アリー スター誕生
4.Roma
5.グリーン・ブック
6.ボヘミアン・ラプソディ
7.ブラック・パンサー
8,バイス
僕だと、この順番ですねえ。やっぱ、単純に刺激がある映画の方が好きなんでね。1と2だと、まだ刺激強すぎるのかなあ。
監督賞
will win アルフォンソ・キュアロン(Roma)
should win ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)orスパイク・リー(ブラック・クランズマン)
これも作品賞と言いたいことは同じです。キュアロン、これに限らず好きな映画は多いし、受賞する価値はあると思うんですけど
1.ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)
2.スパイク・リー(ブラック・クランズマン)
3.パヴェウ・パウリコフスキー(Cold War)
4.アルフォンソ・キュアロン(Roma)
5.アダム・マッケイ(バイス)
順位付けたら、こうなんだよなあ。5人とも好きな監督ですけどね。
主演男優賞
will win ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
should win ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
映画に関していろいろ言ってる人、いますけど、演技一つだけあれだけ世界的な社会現象を招いた時点でラミの勝ちでいいと僕は思いますよ。
1.ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
2.ブラッドリー・クーパー(スター誕生)
3.ヴィゴ・モーテンセン(グリーン・ブック)
4.クリスチャン・ベール(バイス)
5.ウィレム・デフォー(At Eternity's Gate)
この順ですね。ブラッドリー、4度目のノミネートでこれ、すごくいいんですけど、持ち越しですね。ヴィゴも3度目か4度目のはずです。よかったんですけどね、これも。
クリスチャン・ベールはねえ、いいんですけど、なんかオスカーの特徴として「特殊メイク」とか「体重の増減」とか、好きすぎるんですよね。でも、そういうことすりゃ、誰でもオスカー取れる、みたいな印象になるのも僕は抵抗あるんですよね。なので、彼は低めにしました。
ウィレム・デフォー。いうまでもなく演技は最高なんですが、対象さくの映画がすごくつまんなかったので。
主演女優賞
will win グレン・クロース(天才作家の妻 40年目の真実)
should win グレン・クロース(天才作家の妻 40年目の真実)
これもグレンで文句なしですけどね。レビューでも書いたように、彼女の7回目のノミネートで総決算とも言える演技をして、「報われなかった女性たち」の価値観を象徴したような演技だったわけですから。
1.グレン・クロース(天才作家の妻 40年目の真実)
2.レディ・ガガ(スター誕生)
3.メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me)
4.オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
5.ヤーリッツァ・アパリシオ(Roma)
こんな感じですね。ガガも、圧倒的な歌と、想像以上に演技面もうまかったのは素晴らしかったですね。メリッサはこれまでのコメディのイメージを覆す悲しい中年女の悲哀をうまく演じていました。
オリヴィアは、これもオスカーの特徴なんだけど、「狂人」演じたらオスカー取りやすいとか、そういうのがイヤなので、5位のヤーリッツァは「Roma」では立派だったものの、役者としては素人ですからね。本国メキシコでは、それで問題を呼んでいるようですよ。
助演男優賞
will win マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
should win マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
僕はこれは文句なしですね。マハーシャラ、これ、一昨年の「ムーンライト」で受賞したときよりはるかに好きです。こっちの、「偏屈な天才。でも実はいいヤツ」みたいなものの方が、彼本来の演技スタイルにもあっていると思うし。
1.マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
2.リチャードEグラント(Can You Ever Forgive Me)
3.サム・ロックウェル(バイス)
4.アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
5.サム・エリオット(スター誕生)
前哨戦ではリチャードEグラントが強かったんですけどね。僕も、彼のメリッサ・マッカーシーを困らせるダメ野郎な演技は好きなんですけど、映画そのものの内容がマニアックすぎたか。サム・ロックウェルは「バイス」の中では一番好き。やっぱ、演技上手いです、彼。アダム・ドライヴァーは、カイロ・レン以外で注目が集まるのは嬉しいですね。サム・エリオットは大ベテランの貫禄でした。
助演女優賞
will win レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
should win レイチェル・ワイス(女王陛下のお気に入り)
「ビール・ストリート」でヒロインのお母さんを演じて「母は強し」の貫禄の演技を見せたレジーナ・キングが強いと思います。彼女を最初に見たのは「エージェント」でトム・クルースを困らすアメフト・プレイヤーの奥さんの役でしたけどね。
彼女、好きなんですけど、僕は
「女王陛下」でのレイチェル・ワイスの方が好きだなあ。この、支配者の女としての憎たらしさと、追い落とされてからの悲哀のコントラストが絶妙だったかと。
1.レイチェル・ワイス(女王陛下のお気に入り)
2.レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
3.エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
4.マリーナ・デ・タビラ(Roma)
5.エイミー・アダムス(バイス)
この順なんですよねえ。エマは初の悪役でしたが、うまく演じていたと思います。Romaのマリーナはサプライズ・ノミネートでしたが、エイミー・アダムスのよりは好きです。エイミーは普段は大好きなんですが、これは過去6回のノミネートの中ではインパクト弱いですね、僕には。これだったら、「ファースト・マン」のクレア・フォイの方がよかったかなと。
・・という感じですね。
オスカーの授賞式はグラミー同様、jugemのサイトで書きますね。
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どうも。
エルトン・ジョンの伝記映画「ロケットマン」のトレイラー第2弾が出ましたね。これは果たしてクイーンに続くことができるかな。
では、全英チャート、行きましょう。
SINGLES
1(2)7 Rings/Ariana Grande
2(1)Break Up With Your Girlfriend I'm Bored/Ariana Grande
3(3)Someone You Loved/Lewis Capaldi
4(6)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
5(5)Dont Call Me Up/Mabel
6(4)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
7(7)Wow/Post Malone
8(10)Bury A friend/Billie Eilish
9(12)Options/NSG feat Tion Wayne
10(11)Sweet And Psycho/Ava Max
先週のアリアナ旋風が少し落ち着いたかな。
9位にはNSGというヒップホップ・グループが入ってきました。いい曲だと思ったんですが、ウィキペディアもまだできていない感じで、どういう人たちなのかわかってないです。
では圏外に行きましょう。65位初登場のこの曲で。
ヤングブラッドという、カテゴライズ上、一応”ロック”ということになっている男性アーティストがホールジーをフィーチャーした曲です。このタングブラッド、一部で去年から注目されてて、僕もどんなものかと思って見ています。なんかキャラの雰囲気がタカノリ・メイクス・レヴォルーションな感じがしてですね(笑)。
ホールジーのフィーチャリングという豪華なことした割に順位は高くないですが、なんかこれ、気になります。
この2人、仲良しなみたいで、最近オーストラリアのトリプルJという、あの国で一番影響力のあるラジオに出て、このようにデス・キャブ・フォー・キューティのカバーなどを披露していたりもします。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(1)thank u next/Ariana Grande
2(2)The Greatest Showman/Soundtrack
3(6)A Star Is Born/Soundtrack
4(11)Bohemian Rhapsody/Queen
5(7)Staying At Tamara's/George Ezra
6(-)Home Alone/D Block Europe
7(5)Encore/The Specials
8(9)The Platinum Collection /Queen
9(3)AJ Tracey/AJ Tracey
10(-)Head Above Water/Avril Lavigne
こっちも動きないですね。
6位に初登場はサウス・ロンドンのヒップホップ・グループ、D Block Europe。ちょっと聞いてみましょう。
耳の早いキッズが騒いでいるものだとは思うんですけど、なんか、う〜ん、個性ないんだよなあ。なんか「おお、俺たちの国にもアメリカのラッパーみたいなのが」と、子供が騒いでる感じがするんですよね。その辺りに気骨のなさを感じて面白くないんですよね。アメリカのヒップホップでも、あまりにありふれた部類のものだし。
この曲は今週のシングル・チャートで16位。これを筆頭に3曲入ってました。
10位にはアヴリル・ラヴィーンが初登場。これに関しては
]]>モンキーズのピーター・トークが亡くなってしまいました。残念です。モンキーズの物故者は彼で2人目。彼はベース担当で、モンキーズの劇中ではビートルズで言うところのリンゴ、つまりちょっとトボケたキャラクタ)ーを演じていました。でも、そういうキャラの人はそれ故に結構愛されるんですよね。ご冥福をお祈りします。
僕はモンキーズって、ガレージ・サイケの観点からすっごく好きで、今日もこの追悼ニュースを聞いた後に曲数の多めのベスト盤をダウンロードして電車の中で聞きましたけど、そうしているうちに
本家ビートルズのことを思い出していました。やっぱ、モンキーズが彼らを意識して作られたバンドだから、どうしても聞いてて思い出すんですよね。
そこで、いろんなことを考えていて「あっ!」と思ったんですよね。
こないだの全米チャートというのは
アリアナ・グランデが全米シングル・チャートの1、2、3位を独占した話をしましたよね。
僕はこの記録自体は、さほど驚かなかったんです。だって、すでにエド・シーランとドレイクが近い記録を持ってたし。現行の、ビルボードのチャート・システムだと、アルバム解禁週に、その時代を代表するトップクラスの人気アーティストなら、トップ10を独占するようなことが十分あり得ることになってしまっているから。そうなると、これからは年に数回はこういう独占が起き、記録そのものは大きな意味を持たなくなる。そう思っていました。
だから正直な話、「メディアの騒ぎ方が大袈裟だな」と思っていました。
が!
そのメディア自体も9割がた伝え損ねていたし、僕自身もすっかり忘れていたことが一点ありました。それは
そのことを思い出したんですね。お恥ずかしい話、僕、この件は2014年1月25日にjugemのブログの方で書いていさえもしていました。ゾックリ同じことでこそなかったですけどね。
ビートルズって
ずっと「トップ5独占を記録」ってことの方で覚えがちじゃないですか、だから「トップ3が何週」とかって普通は考えにくいじゃないですか。だから忘れてたんですけど、よくよく冷静に考えたら「トップ5に5曲も送り込む時点で、トップ3独占なら結構な週数行ってるんじゃないの?」と思ってですね
我が家の宝の一つですね。この「ビルボード・トップ10ヒッツ」1958〜68。これは、その期間のすべての週のビルボード・シングル・チャートのトップ10ga掲載されている本なんですが、それによると、ビートルズのトップ3独占は、以下のようになっていました。
1964.3.14
1.抱きしめたい
2.シー・ラヴズ・ユー
3.プリーズ・プリーズ・ミー
1964.3.21
1.シー・ラヴズ・ユー
2.抱きしめたい
3.プリーズ・プリーズ・ミー
1964.3.28
1.シー・ラヴズ・ユー
2.抱きしめたい
3.ツイスト&シャウト
1964.4.4
1.キャント・バイ・ミー・ラヴ
2.ツイスト&シャウト
3.シー・ラヴズ・ユー
4.抱きしめたい
5.プリーズ・プリーズ・ミー
1964.4.25
1.キャント・バイ・ミー・ラヴ
2.ツイスト&シャウト
3.ドゥ・ユー・ウオント・トゥ・ノウ・ア・シークレット
3月14日から4月4日に4週連続、2週おいて4月25日にまた達成しています。4週目の4月25日にトップ5独占のおまけつきです。
そう考えると、これ
64年のビートルマニアの域に達するには、ストリーミングの時代になってもかなり難しいと言わざるをえません。
なぜなら、アルバムの解禁週なら、みんな一斉にダウンロードに走るから、数字高いに決まっているじゃないですか。だけどそのテンションを、アルバムから同時に3曲も保つというのはかなり大変なものです。
ましてや今。1964年とは比べ物にならないくらい楽曲数も多いし、利用するキッズも移り気だったりしますからね。特定のアーティストだけのヒットになる状況は簡単にはやっては来ません。
なので、アリアナも3月いっぱいくらいまで今回のトップ3を継続すれば、その時こそ本当に「ビートルズに並ぶ大記録」だとは思うんですけど、そこまではさすがに難しいでしょうね。ただ、気持ちとしては、何週かは粘るようだと面白いですけどね。
この次にこのトップ3独占の記録が誰になるか。エド・シーランでもドレイクでもケンドリックでもブルーノ・マーズでもアデルでもテイラーでも誰でも誰でもいいですけど、この「5週」の記録に並ぶかどうか。見てみたいですね。でも多分、既存のアーティストじゃ無理なような。次のセンセーションになるような誰かが出てくるときに、それが起こるかどうか、でしょうね。
]]>
どうも。
いつも平日にやるから忘れそうになるんですけど、
ブリット・アワーズの結果発表が行われました。
今年はこんな感じです。
British Album Of The Year
A Brief Inquiry Into Online Relationships/THE 1975
British Single Of The Year
One Kiss/Calvin Harris feat Dua Lipa
British Video Of The Yeat
Woman Like Me(feat Nicki Minaj)/Little Mix
Brirish Male Solo Artist
George Ezra
British Female Solo Artist
Jorja Smith
British Group
The 1975
British Breakthrough
Tom Walker
Critic Choice
Sam Fender
International nale Solo
Drake
International Female Solo
Ariana Grande
International Group
The Carters
いや〜、今年何がいいって
いや〜、嬉しいですねえ。だって、他の受賞の並びから考えたら完全にアウェーですよ。ものすごくポップ勢力押せ押せの中、最大賞の最優秀アルバムと最優秀グループで勝っちゃうんだから大したものです。ベスト・グループに関しては2度目。今やイギリスのトップバンドですよ。
このスピーチでマット・ヒーリー、いいこと言うんです。それはローラ・スネイプスという、イギリスのインディ・ロックでは非常に有名なジャーナリストがいるんですけど、彼女がライアン・アダムスのあのセクハラ並びに未成年へのわいせつ行為での訴訟が発覚した後に、「インディ・ロック界では他にも似たようなことが蔓延している」という記事を書いたんですね。それを受けてマティは「親友のローラ・スネイプスはこう書いたんだ。女嫌いの男のアーティストというのは、その姿勢が難しいアートをやってる人間の特権だとばかりに大目に見られている。一方で、それを理解しない女は、アートがわからないヒステリーだと思われるってね」と言い残してステージを去りました。
兼ねてからマティはリベラルな発言を数多くしてきているのですが、この発言をこの場でする勇気は僕は好きです。
そして最優秀アルバム受賞のスピーチではあえて賛辞を送る相手にアークティック・モンキーズの名前を挙げて、「この2019年という年に刺激を与える存在で、かつみんなが知ってる立場であり続けてくれて」と言っています。これは明らかに、ロックの一般人気、認知度が下がっていく中、バンドの代表として共に奮闘していく彼らに対してエールを送った形ですね。彼らのこうしたシーンに対しての責任感も僕は大好きですね。
そしてこの日、彼らはパフォーマンスで「Sincerity Is Scary」を披露してもいます。
他の人のも語るべきだとは思うんですけど、やっぱりロック好きとしては彼らの土俵際で踏ん張ったような奮闘ぶりって、やっぱり胸が熱くなるというかですね。
彼らの所属のダーティ・ヒッツにしてみれば、1975がブリッツ2冠、ウルフ・アリスがマーキュリー・プライズでしょ。すごい信頼のブランドぶりですよね。
]]>どうも。
今度の日曜のオスカーに、クイーンとアダム・ランバートがパフォーマンスします。グラミー、呼んでおいたほうがよかったんじゃないの?
あと
ネットフリックスで3/22に始まるオリジナル・ムーヴィー、モトリー・クルーの伝記映画「The Dirt」のトレイラーが公開されました。世代の割に思入れはないんですけど、見てみようとは思ってます。
では、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(-)Break Up With Your Girlfriend Im Bored/Ariana Grande
3(7)Thank You,Next/Ariana Grande
4(3)Without Me/Halsey
5(4)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
6(2)Happier/Marshmello&Bastille
7(5)Sicko Mode/Travis Scott
8(6)High Hopes/Panic At The Disco
9(9)Wow/Post Malone
10(11)Eastside/Benny Blanco feat Halsey & Khalid
全英チャートもそうでしたが、アメリカでも状況は同じ。アリアナの曲がチャートを独占しています。今週はトップ3を独占です。
これは記録上、ビートルズ以来となるトップ3独占になるわけです。
これに関して思うことを言うと、まあ、すごいんですけど、「今後も誰かが続く記録」だと思ってます。今のチャートのシステムでそれが可能になりやすくなった中での記録なんでね。今後、ドレイクでもケンドリックでも可能なことかなとは思います。
感触で言えば、1991年にビルボードのアルバムのチャート集計の仕方が変わって、全米初登場1位アルバムが連発され始めた時があったんですけど、あの時の感覚に似てるかな。それまでアルバムの初登場1位はエルトン・ジョンしか持ってなかったのに、ここから年に何枚も初登場1位が生まれるようになって、もう、記録自体にそんなにインパクトがなくなったものです。
ただ、いくら「記録の感覚」が変われども、アリアナがシングルのチャート独占を最初にやった女性であることには変わりはないわけで、そこはしっかりリスペクトしようかと思います。
僕の予想だと、トップ10のうち、5、6曲独占するかな、とも思ったんですけど、それは起こらなかったですね。でも立派だと思います。
ということで、今日は圏外もアリアナです。そこから1曲行きましょう。
これはアルバムの2曲目の「Needy」。これ、人気曲でイギリスだと2位だったんですよね。僕もこれは筆頭格で好きな曲です。
結局、今回、アリアナのランクイン、こうなりました。
1.7 Rings(Track10)
2.Break Up With Your Girlfriend I'm Bored(Track12)
3.thank u next(Track11)
14.Needy(Track2)
17.NASA(Track3)
21.Imagine(Track1)
22.Bloodline(Track4)
25.Ghostin(Track8)
26.Fake Smile(Track 5)
27.Bad Idea(Track6)
38.In My Head(Track 9)
48.Make Up(Track 7)
このように、全12曲中、11曲がトップ40入りです。
このアルバム、僕は、とりわけ最初の3曲がとにかく大好きですね。この辺りはSZAとか、その辺りとも勝負できるくらいの相当ソフィスティケイトされた感じです。ちょっとダンスホールっぽくなる4〜6あたりもいいし、ダウンテンポの7、8もいい。この時点で好きな曲ばっかりで「最高じゃないか、これ!」とすごく興奮したんですね。
ただ、ここから先がちょっとトラップっぽい曲固めすぎちゃったかな。ここでややテンションが個人的には落ちました。9曲目の「In My Head」って曲の途中で入る「スクー、スクーッ」ってバックコーラスまでは、このアルバム、素晴らしいです(笑)。ここからあとは、今週のトップ3なんですけど、正直な話、「7 Rings」があるのなら、「In My Head」は入らなかったかな。この曲なくして、シングル攻勢で3曲終えたほうが良かったかなと思ってます。10と12はちょっと俗っぽすぎるかなとも思ったんですけど、まあ、他の曲が割とワンステップ・アップしたかなり洗練された曲で、前作も「Sweetner」という名前とは裏腹にかなり甘さ抑えめだったから、これくらい大衆的にポップな曲があったほうがバランスいいのかなとも思いました。
このアルバム、僕の年間ベストの今のところ、暫定ですが、かなりトップに近い位置にいます。少なくとも、3ヶ月に1度やってるトップ10アルバムからは外れることはないです。言い切っちゃいます。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)thank u next/Ariana Grande
2(5)A Star Is Born/Soundtrack
3(11)Bohemian Rhapsody/Soundtrack
4(1)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
5(6)beerbongs & bentleys/Post Malone
6(4)Astroworld/Travis Scott
7(2)I Am> I was/21 Savage
8(8)Scorpion/Drake
9(Re)Golden Hour/Kacey Musgraves
10(7)Championships/Meek Mil
アリアナのインパクトが強すぎて、忘れてしまいがちなんですけど、グラミー効果も大きな週です。
先週からトップ10に入っていたとはいえ、スタ誕、ポスティ、トラヴィス・スコットは確実にパフォーマンス効果はあったでしょうね。
でも、やっぱり一番後押しがあったのは、最優秀アルバム受賞のケイシー・マスグレイヴスですよ!再びトップ10に戻ってきてくれて嬉しいですよ。
今日はそんなケイシーの曲でシメます。パフォーマンスでこれやって欲しかったな。
]]>どうも。
オスカー、昨日で作品賞ノミネート作のレヴューは全て終わっているのですが、重要な作品ならまだあります。例えば、これですね。
ポーランド映画「Cold War あの歌、2つの心」。これのレヴュー、行きましょう。ポーランドの作品、ということで、もちろん外国映画賞のノミネート作なんですが、この映画の場合、それだけでは決してありません。どういうことなんでしょうか。
では、早速あらすじから見ていきましょう。
話しは1949年。ヴィクトル(トマシュ・コット)は音楽学校の若い教師をしていましたが、その際に、才能あふれる美少女を見つけます。それが
ズーラ(ヨアンナ・クーリグ)でした。ズーラの才能に魅せられたヴィクトルは次第に自分の立場も忘れ、ズーラを愛するようになります。
音楽学校では次第にソ連からの圧力が強くなり、スターリン礼賛を強いられるようになります。創造の自由を求めたいヴィクトルは国外逃亡を考え、その気持ちはズーラもよくわかっていました。
ある時、二人はフランスへの逃亡を試みましたが、成功したのはヴィクトルのみ。一度、接触のチャンスはあったものの、その時も未遂。二人は離れ離れになります。
そうしているうちに時代は1950年代の後半になります。ヴィクトルはパリの映画音楽家として活動していましたが、そこにすっかり大人になったズーラがやってきました。
久しぶりに巡り合い、愛を爆発させたかった二人でしたが、長年の距離ゆえに疎通がなかなかうまくいきません。
ズーラはしばらく見ないうちに、すっかり西側社会の自由な空気の似合う奔放で魅力的な女性に育っており・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これはですね
2014年度のオスカーで外国語映画賞を獲得した「イーダ」という映画を作った、パウェウ・パウリコフスキー監督の次なる作品です。この映画は1960年、共産圏時代のポーランドにおいて、自分探しをする修道女の少女の内面を探るストーリーをモノクロームの美しい映像とともに追った作品ですが
これは「イーダ」の時のショットなんですけど、モノクロの色合いが絶妙なのと、この絵画的な絵の収め方するんですよね。引きの絵のキマり方がいつも絶妙です。
これ、見ていて
アントン・コービンの撮影したジョイ・ディヴィジョンの写真を思い出して、思わずウットリとしてしまうんですよね。今回の「Cold War」が外国語映画作品にもかかわらず撮影賞にノミネートされた理由も納得です。
そして、今回の「Cold War」なんですが、名前からは「戦争映画?」「歴史映画?」と、ちょっと堅いイメージを思わせるのですが
もちろん、「冷戦下の塔王国」というトピックは、ヴィクトルとズーラの愛の距離を近づきにくくするための障害として、非常にもどかしい機能をしています。ただ、この映画でそれ以上に大事なのは、どんな困難があろうとも、二人が、それが運命でもあるかのように、相手のことがどうしても話末れることができずに、どうしても求めてしまう。その姿を丁寧に折っていることが何より素晴らしいです。
特に
このヨアンナ・クーリッグの演技が素晴らしいの一言です。彼女、本国では大女優ならしいんですけど、36歳にして、純粋無垢な十代の少女も全く違和感なく演じていたし、その後の
ジャズやロックンロールという、この当時の東側の人からしてみたら西側の「自由」の象徴であるものがすごく似合う、「強い意志を持ったまばゆさ」の似合う、カッコいい女性、これも魅力的に演じています。
それと
そんな彼女に手を焼き、生き方そのものも不器用ながらも、強い包容力で愛さずにはいられないヴィクトルを演じたトマシュ・コットの演技も見事です。この人も本国ではかなり大きな俳優さんみたいですね。
そしてこれが
監督のパウリコフスキーの、両親のロマンスをもとにして作ったもの、というのもなかなか心憎いです。事実はここまでのドラマがあったわけではなさそうですけど、彼自身が、こういう障害を両親が乗り越えて育った世代、ポスト冷戦の子供、というわけだったんですね。
この映画は昨年12月の、ヨーロッパの映画界では一番の権威、ヨーロッパ映画賞で賞を総なめにしています。その勢いもあって、オスカーでは外国語映画賞、監督賞、撮影賞の3部門にノミネートされるという、非英語作品では異例の盛り上がりです。
が!
「Roma」、いい映画であることは疑わないんですけど、僕の個人的趣味だと、絶対こっちなんですけどねえ。悪いタイミングの時に当たっちゃったなあ。まあ、同じことは「万引き家族」にも言えることですけどね。僕が外国語映画賞選ぶなら、この「Cold War」ですよ。
そして、さらにこの映画が
「スタ誕」の勢いを微妙に殺してしまいましたね。おそらく、「同じロマンスものなら、こっちだろ」という、オスカーの投票者の流れがあったんじゃないかな。ブラッドリー・クーパーが監督賞のノミネート逃して、パウリコフスキーが代わりにノミネートされたのがすごく象徴的ですもん。
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どうも。
オスカーが来週に迫っていますが、一時噂された、「一部をCM時間中に受賞発表」は、いろんな方面からの激しい反対にあい、潰れちゃいましたね。当然だと思います。この中に含まれていたのが撮影やら編集もあったと言いますからね。僕もこれはちょっとありえないと思いましたね。特に映画界って、「多くの人の協力がないとできない世界」というのは誰もが知っているものなので、受け入れ難かったかと思われます。
では、全米映画興行成績、いきましょう。
1(-)Alita Battle Angel
2(1)The LEGO Movie 2 The Second Part
3(-)Isn't It Romantic
4(2)What Men Want
5(-)Happy Death Day 2U
6(3)Cold Pursuit
7(4)The Upside
8(5)Glass
9(6)The Prodigy
10(7)Green Book
初登場で1位は「アリータ・バトル・エンジェル」ですが、こんな感じです。
これは日本の漫画「銃夢」の映画化作ですが
サイボーグ戦士、アリータのCGによるデカ目が話題でしたね。これ、ブラジルでも頻繁に映画館でトレイラー流されていたので、かなり力が入っていたようですね。
ただ、事前知名度が高くなかったため、1位にはなったものの2600万ドルと数宇そのものは高くありません。評判も、メチャクチャ悪いわけではないですが、よくはないですね。Metacriticで47点、Rottentomatoesで60点。
3位の「Isnt It Romantic」はこんな映画です。
これはレベル・ウイルソン主演のロマンティック・コメディ。これは、「もし、ロマンティック・コメディを信じなかった女性が、突如、ロマンティック・コメディだらけの世界で生きることになったら」というお話。
設定聞いて「面白そうじゃん」と思ったら、そこそこ良さそうですね。Metacriticで60点、Rottentomatoes で68点。
5位の「Happy Death Day 2U」はこんな映画です。
これは「パラノーマル・アクティヴィティ」のクリストファー・ランドン監督の最新作ですね。スラッシャー・ホラーですが、学園コメディでもあります。
評判、まあまあみたいですね。Metacriticで56点、Rottentomatoesで67点。
では、今週解禁になったトレイラーでシメましょう。まずは、先ほど紹介したレベル・ウイルソンのことしもう一本の主演作でアン・ハサウェイとの共演になります「The Hustle」。
そしてダニー・ボイル監督最新作、或る日突然、ビートルズを知っているのが自分だけになった青年が、ビートルズの曲を世に紹介して大スターになるという、その名も「Yesterday」。
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ナンバーガールの話に続いて、日本の音楽の話になりますが、同時にこれ、国際的な音楽の話でもありますので、そこのところに着目して読んでいただけたらと思います。
というのも、ネット上でこういう話を聞いたからです。
ONE OK ROCKのインターナショナル・リリースの第2弾アルバム「Eye Of The Storm」がリリースされた際のファンの反応に「もはや洋楽って感じだよね」とネガティヴな声があった、というんですね。
それに対して「そんな感じだから、邦楽ファンは狭量なんだよ」という意見も起こっていました。
これに対して僕は「ん?」という印象を持ちました。「洋楽っぽいのは元からじゃん?」と。ONE OK ROCKってブラジルでもそこそこファンベースはあってですね、僕の直接知ってる知人でも「日本でこんなフォール・アウト・ボーイみたいなバンド、いたんだね」と言ってるのを僕との会話で2回聞いたことがあったくらいですから。2回くらいサンパウロにも来てて、1000人規模のハコ、埋めてますからね。さらに前作って、そんなに以前からの印象と変わってない印象で、英語メディアで音楽情報追ってても自然と情報が入っていたので、「ファンベース、地道に重ねられる感じなんじゃん」と思ってました。
なので、どういう意味かを確かめたくなって聞いてみました。そして意味がわかりました。
これ
そして、こうも思いました。
ということですね。
なんか、今回のONE OK ROCKってラウドロックというよりは、むしろイマジン・ドラゴンズとかのイメージですよね。もいう一歩進めればバスティールとか、そんな感じの。それって、今のアメリカのロック系のラジオが好んでかける感じなんですよ。なんか「EDMをバンドでやる感じ」というか、そこにメロディ的にはフォーキーなテイスト入れるというか。あと、編集点多い感じね。一回、バックの音消してヴォーカルだけにして畳み掛けて盛り上げる感じとか特に。「グレイテスト・ショーマン」のサントラとか、そういう作りでしたね。
だけど、そうすることによって「えっ、今までの”らしさ”は?」という声もあるとは思うんですよね。例えばこれ、同じく「ポップになった」と言われるブリング・ミー・ザ・ホライズンとは似てるけど違うものなんですよ。BMTHの場合、彼らのセルフ・プロデュースなので、エレクトロの加減もハードの加減も自分たちで調節してやれている感じがするから筋は通って聞こえるんですよ。ところがONE OK ROCKの場合は、一人のプロデューサーに任せた作りになってるでしょ。そこのところで、なんかこう、「仕立てられちゃったかな」の感じが、なんかしちゃうんですよね。
そこのところを受けての、従来のファンたちの「洋楽っぽくなっちゃって・・」という距離感じゃないのかな、という気がしました。
ただですね、この違和感を感じたのは、僕はこれが初めてじゃなかったですね。一番最初に、これに近いことを感じたのは、もう40年前なのか、これ。
ピンク・レディの「Kiss In The Dark」。これは日本の特大アイドルだったピンク・レディが1979年から80年にかけてアメリカ進出した際のシングルです。これ、僕は小学校4年生の時でしたけどね。たいして好きだったわけじゃないですが、当時の日本のマスコミ、この2人一色だった時期ありましたからね。この時の彼女たちの進出プロジェクトって規模大きくて、アメリカのテレビのバラエティ番組のセミ・レギュラーみたいなことまでしてたんですよね。その結果、この曲が全米トップ40で37位だったかな。上がったので。まあ、それなりの成功といえばそうなんですが
それは、「日本での活動に穴を開けたから」というのが大筋の意見ではあったんですが、子ども心にこれ、違和感あったんですよ。「これまでの路線と、あまりに違わない?」と言うね。もちろん、この当時、「日本の歌謡ポップスなんて日本でしか通用しないよ」というのが社会通念としてはあったと思うし、「郷に入れば郷に従え」はある種当然だったのかもしれないです。ただ、いかにアイドルとはいえ、筋の通ったサウンド・イメージって、子どもながらに感じられていたものなんですよね。彼女たちの場合、ソングライター・チームもずっと同じだったし。だから、なんか「あ〜あ、変わっちゃったよね」と言うのはどうしても感じましたよね。で、この後、2年くらいして、ピンク・レディ解散しましたからね。
これと同じ轍として
この聖子ちゃんの1990年のアメリカ進出の「The Right Combination」もありましたね。これなんて、この当時、人気絶頂だったニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのドニー、今分かりやすく言うなら、マーク・ウォールバーグの兄貴ですよ。そのデュエットという、かなりの金額かけたデビューだったのに、これが全米で55位までしか上がらなくて、その後になんか頓挫しましたね。
これもねえ。それまでのイメージから、あまりにも違うことしちゃった感が強かったですね。仮にも日本で50〜100万人くらい、それなりの数惹きつけていた路線ってあったわけで、それをうまく英語仕様に転化すればよかったのに、と大学生だった僕は思ったものだったんですけど、まだ「日本のものなんて海外で通用しない」と思われてたのかなあ。彼女もこのあと、日本で以前ほどは・・という感じになりましたからね。
あと、ロックだと、これがありましたね。
ラウドネスの「Thunder In The East」ですね。このアルバムも1985年に全米チャートで74位まで上がるヒットになって、この次のやつがもう少し数字がよかったのかな。彼らも当時全米進出成功のイメージありました
が
彼らって、デビューした1982年頃って、イメージとしてはアイアン・メイデンとかに代表されるNWOBHMに近い印象だったんですよ。僕、当時、中学生でしたけど、そのあたりのメタルって「怖そう」という印象持ってて(笑)、見事にその感じだったんですよね。
ところが、このアルバムを耳にした時、「あれ?」って思ったんですよね。エラく聴きやすくなったというか、むしろ、ラットとかモトリー・クルーみたいな、カラッと(その当時の感覚で)聴きやすい感じになって。
ルックスも、この当時の典型的なヘア・メタルのバンドみたくなってますよね。今気がついたんですけど、アイライナー入れてたんですね。
確かにこの当時にメタルがイギリスで下火になって、大きなマーケットがアメリカに移ったから、という事情はありました。それは理解できるし、そこに対応したからその数字だったとも思うんですよね。日本でも、そこのところは理解されてたから、前述のピンクレディとかみたいに、日本で人気がガタ落ちする、みたいな印象もなかったです。
ただなあ。それがゆえに彼らは「時代感」と強く結びつけられた感は否めないかなあ、今の国際的なラウドロックの界隈からラウドネスという名前は聞かないですからね。逆に、日本のメタル界隈でバカにされてたはずのX JAPANの方が、特に海外仕様にしなくてもいつの間にか海外でファンベースができてて、2010年代前半の海外ツアーで人もかなり入って、イギリスでドキュメンタリー映画のサントラが全英チャートで27位まで上がったのと比べると、現状での国際的な認知度の差はかなり出来てるのは現実です。
この3つの例だけじゃないですね。オフコースの英語版リリースとかあったし、レベッカ解散後のNOKKOとか、さらに言えば荻野目洋子(!)とか、細かいのまで拾っていくと25年以上前まで、それなりに色々試みあったんですけど、なんか「かみ合わず、それまでの印象ともちょっと・・」というのが割とパターンとして続いてましたね。10年くらい前だったかな。宇多田ヒカルの「UTADA」名義の2枚目の方にもそれ感じましたね。1枚目はそうでもなかったけど。その根底には、「日本の音楽なんて、海外じゃ相手にしてくれないよ。だいたい、言葉も違うし」みたいな通念があったとおもうんです
が!
今、ストリーミングの時代になって、世界中の人たちがケータイからいろんな国の音楽が聞けるようになってしまった。そうしているうちに、「英語じゃなくてもいいと思ったら聞く」という人が飛躍的に増えてしまった。だから、Jバルヴィンとかマルマとかのコロンビアのレゲトン・アーティストでも、BTSとかブラック・ピンクとかのK-POPも、母国でやってるサウンドのイメージを変えないで国際的に成功できるようになった。それだけ、特に若い人の間で、「英語じゃなきゃ」という感覚は消えてきてるんですよね。
日本の音楽に対してでもそうですよ。以前にもここで書きましたけど、「Mitskiのファンサイトで、椎名林檎とかナンバーガールとか、1970年代のシティ・ポップとか密かに人気だよ」という事実があったりもします。その例じゃなくても、サンパウロでアジカンとかマキシマム・ザ・ホルマンとか、そこそこの規模のライブハウスで公演やって、「そこそこ人、入ってる」という話も聞いてるんですよ。もう、youtubeやストリーミングを介して「勝手に聞いてもらっている時代」に入ってるんですよね。
それを考えると、今回のONE OK ROCKって、「なんか、懐かしい感じのこと、しちゃったんだなあ」という感じでしたね。確かに、国際的に見て、彼らのやってるようなラウド系のロックって、一般目線で言えば人気落ちてることは事実です。でも、まだコアな層つつけばそれなりの人気も保てるものでもあります。今、特にその界隈って、「これからの若い、目玉になるバンド」って欲しいとこですからね。チャンス、あるはずなんです。そこを、この感じで来た、というのはどうなんだろうとは思います。
わかんないですよ。僕の感じ方の方が間違ってるのかもしれないし、もしかしたら何かがキッカケで火がついたりするかもしれません。「いや、誰かにやらされたんじゃなく、彼らから望んでそうしたんです!」という反論もあるかもしれません。おそらく、本人たちの意図としてもそうだったんだとは僕も思います。
ただ、今回の「もう、洋楽だよね」とそれまでのファンが感じた方向性はかなりリスキーだとは思います。そしてそれが、「だから邦楽ファンって、了見狭いんだよ!」ということでは必ずしもない気がしています。
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どうも。
ライアン・アダムスが数々のセクハラで訴えられてしまいました。被害者の中には元ヨメのマンディ・ムーアや、今売り出し中のフィービー・ブリッジャーズまで含まれています。中には未成年の女の子の件もあるとかで。
元から遡行は悪かったですからね、この人。才能はすごいんだけど。「キミはすごく才能があるから力を貸してやる」とか、そういう感じの手口どかだって聞いて「何やってんだよ、おい」と思いましたね。ハーヴィー・ワインスティーンじゃないんだから。
では、全英チャート、いきましょう。
SINGLES
1(-)Break Up With Your Girlfriend I'm Bored/Ariana Grande
2(1)7 Rings/Ariana Grande
3(9)Someone You Loved/Lewis Capaldi
4(3)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
5(5)Dont Call Me Up/Mabel
6(4)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
7(6)Wow/Post Malone
8(-)Needy/Ariana Grande
9(8)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
10(7)Bury A friend/Billie Eilish
初登場してきたのはいずれもアリアナですね。1位の曲はアルバムのラストの曲。8位の曲は2曲めの曲です。
では、圏外に行きましょう。16位初登場のこの曲で。
カリードのニュー・シングルでディスクロージャーがバックアップしています。
この曲ですけど、すごくいいじゃないですか。アレンジそのものはすごく現代的なのに、曲そのものは60sのR&Bみたいな雰囲気あって。クセになりそうな感じがあります。
ではアルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)thank u next/Ariana Grande
2(3)The Greatest Showman/Soundtrack
3(-)AK Tracey/AJ Tracey
4(6)Bohemian Rhapsody/Queen
5(1)Encore/The Specials
6(8)A Star Is Born/Soundtrack
7(7)Staying At Tamara's/George Ezra
8(-)Restless Minds/Ward Thomas
9(11)The Platinum Collection /Queen
10(13)Always In Between/Jesse Glynne
当たり前のようにアリアナ、1位です。ここで聞いてみましょう。
これがシングルで1位になった「Break Up With Your Girlfriend I'm Bored」。これもリリックの内容から女の子ウケする内容ですね。
今回のアルバムなんですが、もういよいよ本格派ですね。耳当たりのいいアップなナンバーがもうほとんどなく、ダウン・テンポで彼女の声の表現力がないと曲がしっかり完成されないタイプの曲の中で、抜群のヴォーカル・コントロールで完璧に曲世界が構築できているのが素晴らしいと思いましたね。あと、メロディ面でしっかりかけた曲が多いですね。今週チャートに入った「Needy」もそうだし、その次の「NASA」とかもすごくいい曲ですね。
惜しむらくは終盤にトラップの曲を固めすぎてるので、そこから1曲削れば満点だったかな、という感じですが、それで現時点で、2019年の僕の年間ベストでは、かなり高い位置にありますよ。
3位はイギリス期待のラッパー、AJトレイシー。これも聞いてみましょう。
彼もアルバムを聴いています。
ラップうまいし、才能も感じます。ただ、時折出てくる、アメリカのトレンドへのちょっと過度な意識。これをもうちょっと減らせばなあ、という感じでしたね。それでも内容そのものはいいですよ。次のアルバムへの伸び代は感じさせましたね。
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どうも。
本当は別のこと書くつもりで、そっちの下書きをして寝落ちしてたんですね。で、午前4時30分にソファで寝てたのに気がついて、おもむろにケータイ開いてみたら、そこに
いやあ、これはもういてもたってもいられなくなったというかね。すぐに完全に目が覚めましたもん!あまりにも驚いて。もう、嬉しくなってフェイスブック越しにいろんな人たちと喜び共有してるところです。
普段、僕のブログで日本のアーティストの話というのは、やって年に数回だったりもするんですけど、ナンバーガールというのは僕の中においては、もう完全に別枠というか、特別な位置にあり続けているバンドです。
僕がよく使う表現として、「もし、このアーティストが自分の住んでいる近くにいるとしたら、毎回追いかけてライブ見に行くね」というのがあるんですけど、
それはちょうど僕がNHKで「ライブビート」という、公開ライブの番組やってた時です。1998年の初頭のことです。日にちまではっきり覚えてます。1月22日です。その時に505スタジオってところであるバンドの放送の回を収録してたんですけど、その時にナンバーガールの発掘者のKさんって方がやってきたんですね。その時、その方とは初対面だったんですが、「福岡ですごいバンドを見つけました」って言われて、いきなり彼らのインディ時代のアルバム「School Girl Bye Bye」を渡されたんですね。その時に「絶対に気にいるとおもいます」とまで言われたんですね。その時、僕は手書きで書かれた向井君の漫画の歌詞カードを読みながら、「すごい歌詞ですね、これ(笑)」とかって会話もしました。
ただ、その後に会社のオフィスの机に積んだままの状態にして忘れてたんですね(苦笑)。そうしているうちに2月18日武道館でやったオアシスの公演に行った帰りに、ナンバーガールのもう一人の担当のYさんに偶然あったんですね。その時に「あれは聞いた?」って聞かれて「あっ、すみません」って言ったら「今すぐ、聞いて!」って言われたんですね。で、その次の日、ライブビートのグレイプバインの収録が終わってオフィスに戻った時、「あっ、そうだ、あれ聞かなきゃ」と思ってCD取り出してCDウォークマンで聴いたんですけど、その時、1曲目の「OMOIDE IN MY HEAD」を聴いた時に頭の中真っ白になって直立して立ち尽くしたんですね。もう、夜の9時も過ぎてオフィス誰もいない状態で、アルバム聴き続けました。
で、翌日にY氏に電話して「いや〜、これはちょっと衝撃で」という電話を1時間以上にわたってしました(笑)。で、「来週に東京での初ライブがあります」と言われたので、2月26日、下北沢のシェルターに見にいきました。「これでもし、このアルバム通りにやれたら、このバンドは凄いですね」とKさんとYさんには言ったんですよね。そうして見てみたら、
逆にCDがライブを全然表現できてなかったくらいに凄いもので!!
いやあ、この衝撃って言ったらなかったですね。あの金属質のギターの切れ味とベースのスピードとドラムの手数。しかも、ただグルーヴがタイトなだけでなく、同時にケイオティックでもあって。で、フロントマンのあのキャラクターと、あの詩世界と、あのユーモアのセンスでしょ。メンバーの風貌は4人とも全くバラバラで個性的。曲はピクシーズとか、ソニック・ユース、ペイヴメントみたいと当時から言われてましたが、僕はメンバー自身の放つ華でいうと、オリジナル・ライナップ時のスマッシング・パンプキンズに似てると思いましたね。それくらい、メンバーのプレイに独特のクセが強く、さらにキャラも覚えやすかったですから。
「これはちょっと、凄いもの見た!」って、もう翌日からは大騒ぎですよ(笑)。一時、会う人会う人に「いやあ、すごいバンド見たんだよ」って毎日のように言ってましたからね。臨時宣伝マン状態でした(笑)。その時から、クロスビートとか、偽名で雑誌で書き始めていたりもしてたんですけど、そこの編集の人たちにもCD一方的に貸したりしましたからね(笑)。
で、6月にナンバーガールが正式な上京前に東京でライブ行脚をYさんたちがさせたんですね。その時にちょうどライブビートの方で、プリ・スクールというバンドがありまして、「NHKのスタジオじゃなくて、一般のライブハウスでやりたい」という強硬なリクエストを受けたんですね。それを収録予定日のかなり近いタイミングで言われて「できるかなあ」って感じだったんですが、驚くことにON AIR EASTが空いてて。で、喜んでたら、「前座つけてくれ」ともうひとリクエストされまして。「どうしようかな」と、それでも一回は客観的な立場で物考えようとしたんですけど、そこでナンバーガール、入れたんですよ(笑)。で、「あまりにも個人的になりすぎるとまずいかなあ」、と思って、番組のエンディング・テーマに「センチメンタル過剰」使って、申し訳の立つ理由作ってね。それで、おそらく彼らが全国放送の番組で初登場するキッカケを作りました。
そして彼ら、8月の終わりに東京に越してきたんですけど、しばらくは人の少ないライブ続けてて、なかなか人が話題にしてくれないなとヤキモキしてたんですね。もう、このころは、「こう言うすごいバンドがあるのを知っておきながら、その良さを広めないなんてことしたら罪だろ」くらいの気持ちでいましたからね。「若さってこわいな」って感じですけどね、今考えると(笑)。で、この時に、「番組で多くのバンド集めてイベントしたいな」と思って企画を考えたんですね。その時、ちょうどいい感じで新人でいい感じのアーティスト、見聞きしてたんで。で、当然ナンバーガールありきで考えて。その企画が、99年の1月に「新春イチオシ祭」という形で実現するんですが、その日の夜の部が「椎名林檎・ナンバーガール・くるり」ということになりました。
これはもう、なんか、自分の人生でものすごく宝くじ当てちゃったような瞬間でしたね。「これで行こう」と決めた時からワクワク感はあったんですけど、いざやってみると、これ衝撃でね。人生の運の何割か、これに使ってしまった感じでしたね(笑)。この3つのその後の影響力というのは、僕が今さら語ることでもないでしょう。
で、これがあった後くらいから、徐々にライブに客が増え初めて、ファンサイトができ始めたんですね。気が付いたらクロスビートでも、編集部員の人が記事書いてましたね、僕に黙って(笑)。で、そこで99年3月にナンバーガールは運良く、洋楽ファンの間でも有名なサウス・バイ・サウス・ウェストってイベントに呼ばれて出演したんですね。僕は流石にこれは行けてないんですけど、確かその時に、ライジング・サン・ロック・フェスティバルの主催の方が行かれてて、そこで第1回目のそれにナンバーガールが出る運びとなったはずです。
で、4月、ライブビートでブラッドサースティ・ブッチャーズというバンドのの公開ライブをやろうとしました。そこのフロントマンの吉村さんが「収録現場見たい」というので来ていただいて、そこで直接出演交渉をしたんですね。その時に、その会がたまたま対バン形式だったんですけど、吉村さんが「僕も対バンしたいんです」って言ったんですね。で、誰がいいかってなった時に「そうだ。僕のファンサイトでナンバーガールってバンドが盛り上がってるんですけど」って吉村さんが言い始めて「お願いできますか」ってリクエスト受けました。今話すと、正直、「えっ、メジャー・デビュー、あと数ヶ月後なのに、ワンマンでやらせたいんだけど」と僕は躊躇したんですよね。でも、言わないわけにはいかないからY氏に声をかけたら、大ファンの向井くんが「断る理由がない」というので実現しました。それから両バンドの関係がどうなったかは、ファンの方ならよくご存知のことだと思います。
そして6月に「透明少女」でメジャー・デビューして7月にアルバム。そして8月に、ライジング・サン・ロック・フェスティバルです。この時のライジング・サンのラインナップ、僕は未だに、日本ロック史上最高のものだと思っているのですが
このライジングで彼ら、トップバッターだったんですけど、メジャー・デビューしたばかりだったはずなのに、もう頭からすごい盛り上がりだったんですよ。「えっ、いつの間に?」って感じでビックリしましたね。これで、もう僕は安心しましたね。この時、突然の転勤命令断ってNHK辞めたばかりでこれ見に行ってたんですけどね。
で、後のことは、ファンの方の方が詳しいかもしれません。99年まで僕は結局、確か54回だったかな。彼らのライブも行ってましたけどその後は、ちょっと落ち着きましたね。理由はいろいろあるんですけど、自分の中の妙なテンションが落ち着いたことが最大の理由じゃないですかね。ちょうど、フリーでジャーナリスト始めた時期でもあったし、「どうやって行こうか」のアイデンティも模索もしていて、見つけた先がこのブログ名の前身メルマガの「THE MAINSTREAM」だったりもするし。日本のロックと、ナンバーガールに関しては自分のやることはやり終えた感じがあったし、「やっぱ、自分の原点に立ち返って洋楽!」という気持ちもありましたからね。
で、ナンバーガールは2002年に解散。残念だったのは、最後のアルバムがオリコンの確か12位が最高で、「トップ10に入る前に解散しちゃったのかよ」とそこがすごく悔しかったのを覚えてます。
ただ、そこから後、後続のバンドたちが、もうファッションから、リリックの言葉遣いから、サウンドから、もう、絵に描いたようなフォロワーがたくさん出てきたでしょ?それにプラス、ナンバーガール・スタッフの皆さんが、ことライブに関しての音声、映像の記録をちゃんと残しておいたから、youtubeの時代にちゃんとそれが振り返られている。前にも話しましたけど、Mitskiのファン・サイトの欧米人の人の中でも、知名度ありますもん、ナンバーガール。Mitskiが林檎ファンなので、セットで知ってるようです。
で、ナンバーガールの方は、僕、なんとなくなんですけど、「再結成、あるんじゃないかな」とは感じてました。2014年に、向井くんとひさ子ちゃんの雑誌対談もあったし、去年は4人が別々の出演ながら勢ぞろいしたフェスもあったし。「時間の問題かなあ」と思ってたら、案外早かったですね。公式サイトにも書いてますが、ライジング・サンのあのライブから20年、というのが大きかったんじゃないかな。僕もこれまで見た彼らのライブの中で、ベストなものとして真っ先に思いつくものでもあるし。
冷静に考えたら、もう解散して16年経ってて、そのに「伝説」としてしか知らない若い人もたくさん生まれてるわけですよね。そういう人たちは、この機会に絶対見ておいた方がいいですよ!その後の日本のロックのひな形を作った本物のバンドのライブがいかに特別な存在だったか。「数発ヤりたい」って本人たち言ってるみたいなので(笑)、これを機にぜひ!
それにしても、まだメンバーの風貌も若々しいし、すごくいいじゃないですか。公式サイトにある「中尾憲太郎44才」って表記を見ると、「23才だったよね」と思わず大ウケてしまいましたけど(笑)。
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どうも。
では、予定が1週間遅れましたが、オスカー関連映画のレヴュー。作品賞ノミネート作の中ではこれがラストですね。これです!
クリスチャン・ベール主演の政治風刺映画「バイス」。これ、いきましょう。オスカーでは8部門と、かなりの数ノミネートされた本作ですが、どんな映画なのでしょうか。
早速あらすじから見てみましょう。
話は1960年代。若かりし日のディック・チェイニー(クリスチャン・ベール)が大学をドロップアウトしたところから始まります。彼は、大学時代のカノジョで、彼よりはるかに成績優秀だったリン(エイミー・アダムス)との生活で肩身の狭い思いをしていました。
そんな彼は1969年、ホワイト・ハウスでのインターンの仕事を見つけますが、そこで当時のニクソン大統領の経済アドバイザーをしていたドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)と出会います。元軍人で、調子の良い物いいの彼に惹かれたチェイニーは彼の部下になり、そこで政治家としての出世コースを歩むことになります。そしてニクソン退陣後のフォード大統領時代には若くして大統領補佐官にもなります。
ただ、フォード退陣後に彼は心臓病を体験。体調面に不安を残します。それでも彼は下院議員として成功した後、ブッシュ政権で国防長官を務めるなどして出世します。
その後、石油掘削機の大企業のCEOを務め、政界の引退をしようとしていた矢先の2000年
ジョージ・ブッシュJr(サム・ロックウェル)に声をかけられます。いかにも頼りなさそうなブッシュ大統領の息子から彼は、大統領選での副大統領候補の依頼をかけられます。体調面に不安があり、さらには娘がレズビアンということで、共和党関係の選挙で勝つ自信もありませんでした。
ただ、いざ大統領に当選すると、頼りないブッシュをよそに、チェイニーは実験を握り始めます。それは、あの2001年9月11日を機に・・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これはですね
父ブッシュで国防長官、ブッシュJrで副大統領を務めたアメリカ政界の大物ですね、ディック・チェイニーの伝記です。それを
クリスチャン・ベールが激太りする仰天演技で演じていて、それだけでかなり話題になりました。
クリスチャン・ベールって
「ファイター」でオスカー受賞した時は、もう、「拒食症にでもなったのか」ってくらい、骨と皮に痩せて、今度はこのふと利用でしょう?もう、ほとんどロバート・デニーロの域ですよ。体、大丈夫なのかなあ。
このように、ベールのことがとかく話題のこの映画ではあるんですけど、
この映画はやっぱり、監督のアダム・マッケイあってのものです。彼って
もう、僕の心の映画でもある(笑)伝説のコメディ、「俺たちニュースキャスター」の監督であり、ウィル・フェレルとコメディ・サイト「Funny Or DIe」の設立者として知られていますが、ここ最近は、ちょっと難しい角度から、現在のアメリカを風刺する知的コメディに活路を開いています。僕が受ける印象は
まさに、そんな感じですね。
その第1弾は、この「マネー・ショート」。ここではリーマン・ショックの原因となった不動産バブルの崩壊がいかに起こったかをブラック・ジョークを交えて風刺していました。クリスチャン・ベールはここでも出てきて
スラッシュ・メタル狂いの経済学者という、謎の役を演じてました(笑)。今回の「バイス」はこれでマッケイが気に入ったから実現したものだと僕は信じてます。
そして今回、チェイニーだったわけですが、いや〜、これ
いや〜、ここからがキツいのなんの!これ、風刺の域を超えて
これ、最初はですね、「サタディ・ナイト・ライブ」で言うところの「Weekend Update」という、レギュラーのニュース・コーナーの拡大版みたいなノリで、それはそれでいいかなあとも思っていたのですが、この前半との落差が後半すごいんですよ。
このスティーヴ・カレルが演じたラムズフェルド国防長官なんて、本当に悪魔みたいな描かれ方ですからね。ちょっとビックリしましたね。
アメリカの映画界って、もちろんリベラルとか左多いし、この映画はそういう人たちからは大歓迎されたんだと思います。僕自身も本来、そちら寄りなので痛快な気持ちもしたことはしたんですけど
右側の人たちからしてみれば、これ、僕が数年前にこのブログで大酷評した「アメリカン・スナイパー」見てるのと同じような気分になっちゃったのかな、とも思いましたね。ちょっと、左的な視点に偏りすぎた気がして、僕自身、途中で笑えなくなってしまったのは否めません。ちょっと行き過ぎですね、これは。ただ、マッケイも賢いから、それさえ自虐ネタにしてましたけどね。
ただ、まあ、以前から言われていたことではありましたけど、911からイラク戦争までがどういう過程を経て、いかに戦争が起こり、それでアメリカが実際のところどうなったかがハッキリ把握できたのはいいことだったと思います。特に
ジョージ・ブッシュJrは絶妙でしたね。昔、僕、Jrのことは忌み嫌ってたんですけど、これを見ると、僕が嫌うべきはチェイニーやラムズフェルドであり、彼では決してなかったんだな、ということがわかります。それくらい、彼、言葉は悪いですが、「無能」だったんだなと。そこんとこ、サム・ロックウェル、見事に演じてました。
ただ
エイミー・アダムス、この役でのオスカー・ノミネートは必要なかったかな。ちょっと印象薄いです。素晴らしい女優さんではありますけど、この演技なら「クワイエット・プレイス」のエミリー・ブラントや、「ファースト・マン」のクレア・フォイがノミネートされるべきだったと思います。
これで、オスカー作品賞ノミネート作は全てみましたが、僕の個人順位はこんな感じです。
1.女王陛下のお気に入り
2.ブラック・クランズマン
3.アリー スター誕生
4.Roma
5.グリーン・ブック
6.ボヘミアン・ラプソディ
7.ブラック・パンサー
8.バイス
「バイス」、行きすぎじゃなかったら、もう少し上だったんですけどねえ。でも、この8作で嫌いな作品、一つもないです。この3年、嫌いな作品賞ノミニーはないですね。
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どうも。
Mitski、来日公演したんでしょ。いいなあ〜。今回は東京も大阪もソールドアウトだそうで。やっぱり、去年、あれだけ年間ベストで1、2位争えば話題にもなりますよね。いいなあ。僕のツイッターのタイムライン、これ一色だったので、本当に見たくなりましたよ。だいたい、どんな様子かは去年の秋のツアーからずっと聞いてはいたからそれを踏襲したものだとは思うんですけど、もう、見たくてしょうがないですよ。羨ましい。
では、全米チャート、いきましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(8)Happier/Marshmello&Bastille
3(2)Without Me/Halsey
4(3)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
5(5)Sicko Mode/Travis Scott
6(7)High Hopes/Panic At The Disco
7(6)Thank You,Next/Ariana Grande
8(4)Middle Child/J Cole
9(9)Wow/Post Malone
10(10)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
嵐の前の静けさといったところでしょうか。
来週はアリアナのアルバム、そして、グラミーの効果が出る週なので、ガラッと変わるでしょう。
では圏外にいきましょう。12位のこの曲で。
21 Savaheで「A Lot」。これは彼の今回のアルバムの中でもベストな曲ですね。僕も好きです。
今回、これが上がってきたのはMVの公開が始まったこともありますけど、やはり21がふ報長期滞在で逮捕されたことが背景にあるでしょうね。今、釈放嘆願運動が展開されてますからね。この不法滞在、僕、詳しく調べていないのでなんとも言えないのですが、幼い頃から、とかだったら昨今のトランプ政権の移民対策とも絡んでくるのかな。だとしたら嫌ですけどね。
そして
ビリー・アイリッシュのこの曲は14位でした。解禁タイミングの問題で、先週中途半端に74位初登場だったんですよね。それが、後ろにズレてたらトップ10入ってたのに!惜しいことしたなあ。ラジオで曲がかかりだすのこれからだろうから、そのタイミングでもう一押しないかなあ。
では、アルバムにいきましょう。
ALBUMS
1(3)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
2(8)I Am> I was/21 Savage
3(2)Future Hndxxx Presents The Wizrd/Future
4(9)Astroworld/Travis Scott
5(4)A Star Is Born/Soundtrack
6(6)beerbongs & bentleys/Post Malone
7(7)Championships/Meek Mil
8(11)Scorpion/Drake
9(10)Spiderman Into The Spider
10(13)Dying To Live/Kodak Black
こっちも嵐の前の静けさですね。動き、ほとんどありません。来週、ガタガタッと変わるはずです。
どうも。
いや〜。
本当につまんなかったなあ、グラミー賞。ここ数年、本当に良くないけど、この2年はホント、底ですね。どうしたんだろうなあ。2010年代、前半は結構いい感じでもあったのに。
どうしてそう思うのか、書いていきましょう。
?「主役」と言える曲の不在
今年の場合、これがデカいですね。
音楽アワードって、見る立場からしたら、「その年度を代表する曲」って、やっぱり聞きたいわけじゃないですか。それが今年だったら
チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」だとか
アリアナ・グランデの「thank u next」とかって見たい、聴きたいわけじゃないですか。
この2曲、パフォーマンスどころか、本人が会場さえ来てないの、ちょっと飛車角落ち感強すぎでしたね。ガンビーノなんて、主要部門、2つも取ったのに。アリアナなんて、アルバム出て2日後でパフォーマンスするには絶好のタイミングだったのにね。こういうの、個人的事情なのでなんとも言えないんですけど、ただ、運営側として、「今年はどうしてもメインで考えているので、どうしても出てください」ってプライオリティ置いて交渉できなかったんですかね?
それから今年はそれにプラスして、ドレイクが会場には来たけどパフォーマンスはナシでしょ?この3つがない時点で一般的な若いリスナー、だいぶ興味そがれるはずなんですよ。
いっその事
中継の間じゅう、ず〜っとカメラが客席で追ってたBTS、そんなに追っかけるのならパフォーマンス頼めばよかったのにね。そうすることによって、全米視聴者の割合からすれば一部かもしれないけど局部的な大騒ぎはあって、それがSNSでものすごく盛り上がることならあったでしょうにね。そういう、ポップなとこでの計算がうまくないなと思いましたね。
?「期待のアーティスト」の期待はずれのパフォーマンス
あと、今年の賞争いに絡みそうな人たちのパフォーマンスに期待はずれなのが目立ったんですよね。
まず、結果的に最優秀アルバムを受賞したケイシー・マスグレイヴス。彼女のアルバム「Golden Hour」は僕の去年の年間ベストでも3位に入れた大好きな作品だったんですが、なんで、ここでしっとりとしたバラード選ぶかなあ。このアルバムって、彼女がカントリーながら、インディ・ロックとかエレクトロの手法使った斬新なアレンジが持ち味なアルバムなワケですよ。だったら、そのサウンドの大胆さが際立つ曲で勝負すべきなのに。しかも彼女、声が細いから、熱唱派が多いグラミーの場ではそういう曲だと不利なんですよね。
このパフォーマンスが地味な印象与えたせいで、受賞後、「なんであんなのが受賞するんだ」の声がネットではかなり上がってました。まだ、「誰でも知ってる」までのレベルの知名度ではないですからね。だからこそ、アルバム通りのアッと言わせる感じで勝負すべきだったんです。
カーディBも期待はずれだったなあ。演出そのものはゴージャスでよかったとは思うんですけど、終始リップ・シンクだったんですよね。ラッパーって、やっぱ生でラップできてナンボじゃないですか。彼女は、圧倒的な男社会でのし上がってきた女性ラッパーだけに、ちゃんとアルバムで聴く通りの実力を生で見せつけて欲しかったんだけどなあ。このパフォーマンスだと、女性ラッパーに対しての偏見を払拭するとこまでは行かなかった。そこが歯がゆいです。授賞式のユーモアに富んだ受け答えはすごく面白かったんですけどね。
あと、ガガも主役になり損ねちゃってましてね。「スタ誕」の「Shallow」、話題性は十分だったんですが、この日はブラッドリー・クーパーが昨日も書いたBAFTAアワーズに出席のため出れず。なのでガガ1人でやったんですけど、本人にこの曲の思い入れが強すぎるのと、「頑張んなきゃ」という気持ちが空回りすぎて、力入りすぎちゃいましたね。日本でも、他の国でも、大サビに入る前の「あああああーーーー」がちょっとネタにされてましたからね。授賞式後にもあまり振り返られてないですね。
彼女、グラミーはこれで5年連続のパフォーマンスですけど、ちょっと依存度高すぎて、そこもちょっと酷かなとも思いました。
?ショーの企画力の弱さ
1、2でも、かなりアンラッキーな要素が続いた今年のグラミーですが、グラミー自身の、悪い言い方をすれば血迷った選択ゆえに台無しになったものもありましたね。
このレッチリとポスト・マローンね。基本、これ、ポスティがメインのショーのはずなのに、自分の曲終わったら、レッチリのただのバック・コーラスになっちゃった。なんか「いやあ、俺なんか、恐れ多いっすよ」と、大先輩前に小さくなりすぎたというか、あるいはグリーン・デイのコンサートでステージ上でギター持たされた観客みたいになっちゃったというか。なんの絡みもないから、見てて面白くなかったんですよね。
レッチリもレッチリで、もう少しフォローしてやってもよかったのにね。ほとんど、意図が見えない共演になってしまいました。
あと、これね!ネット上で「ワースト」の呼び声高かった、ジェニファー・ロペスだけが歌った、モータウン・トリビュート。これ、ただでさえ、「4月に(放送元の)CBSが記念特番やるから」という、局側のプロモーションということで評判悪かったのに、そのモータウンの曲を何の縁もゆかりもないJ.Loがメドレーするという、謎の企画。
中には「黒人でもなのに」という、あまりに人種限定な辟易するような意見も挙がっていましたが、批判の大半は「何で、彼女みたいな歌がうまくない人を、ヒットも出ていない今」というのがほとんどでしたね。モータウンの場合、もう時を超え、ジャンルを超え歌い継がれているサウンドです。何でたくさんのシンガーで分け合わなかったのか。世代も人種も違ういろんなアーティスト参加させるべきだったし、それこそ創設者ベリー・ゴーディJrが本来望んでいたものです。しかも、それをJ.Loの歌だけでなんて、彼女がよほど好きな人以外、誰も望まないですよ。
あと、アレサ・フランクリン追悼も、「アメリカン・アイドル」出身のファンテイジアとか、「歌は抜群にうまいけど地味」な人3人集めて、大歌唱合戦させてたのも抵抗ありましたね。「アレサの歌も、人種超えてる」ってのに。こんなやり方じゃ、後世にうまく伝わっていかないですよ。
?物足らなかった「レジェンド枠」
あとグラミー、何でロック系のレジェンド使うのやめたんでしょうね?2010年代って、去年まで、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、AC/DC、メタリカ、U2など呼んでて、それによってショー自体の貫禄あげてたんですよね。あと、デイヴ・グロールやエディ・ヴェダーのソロ・パフォーマンスなどもありました。
それが今年は全然ナシ。もしかして、あのオマケみたいな扱いだったレッチリがそれ?だったら勘弁して欲しかったんだけど。
今年もレジェンド枠自体はありましたけど
まあ、ドリー・パートンは立派でしたよ。声の張り、抜群でした。非常に若々しくて。彼女は優れたソングライターでもあるんですけど、曲の良さもちゃんとわかってね。
僕的に、非常に問題だったのは、この人ですよ。
ダイアナ・ロス!
まあ〜、このパフォーマンスが酷かったのなんの!彼女の場合、50年以上前から「ベリー・ゴーディの愛人だったから贔屓されて売れた」という人なので歌唱力は昔から高くなく、それが当時のソウル・ミュージック界のみならず、自分のいたスプリームス内部でさえ問題になってた(「ドリーム・ハールズ」でも描かれてるでしょ)人なんですけど、この日のパフォーマンスは加齢で声に艶もなく、さらに言えば音程もメチャクチャ。この一週前に、彼女のモータウン時代のライバルの一人だったグラディス・ナイトがスーパーボウルで圧倒的かつ完璧な国歌独唱をキメたばかりだったので、改めてその差を思い知った感じでしたね。
せめてなあ、選曲さえ良ければ救われたんですけどねえ。例えば、今やLGBTアンセムとして有名な「I'm Coming Out」を、ナイル・ロジャースをゲスト・ギタリストにつけてやるとかね。あるいはスプリームスのメドレーとか。そこがただの知名度のないバラードでしょ。もうガッカリですよ。
モータウンでトリビュート絡みで呼ぶのであれば、スティーヴィー・ワンダーだっていたし、会場に駆けつけていたスモーキー・ロビンソンだっていた。在籍時代に外様扱いされて逃げちゃいましたけど、それこそ前述のグラディスでもよかった。なんとか、ならなかったのかと思います。
?出演者に偏りありすぎ
あと、今年の場合、あまりに「女性の年」というのを強調しようとするがあまり、出演者のバランスを崩してましたね。
2018年の音楽で女性アーティストが非常に強かったことは事実です。だけど、そういう「昨年活躍した女性アーティスト」呼べばそれだけで十分だったのに、無理くりいろんな人を女性にこだわって呼ぼうとしようがするがあまり、無理が来てましたね。
だいたい、ゲスト枠でマイリー・サイラスが2回も使い回しで出る理由なんてなかった。別に去年に活躍した人でもなんでもないわけで。あと、何人かそういう使い回し出演があったんですけど、意味がわからなかったですね。
あと、やっぱり男性アーティストが極端に少なかったのは見ていてバランス悪かったですね。提案として考えられたのは、例えばロックの枠でグレタ・ヴァン・フリートなんて呼べばよかったのに。ヘイターも多い代わりに、グラミーの年配視聴者には間違いなく刺すバンドですからね。これもマーケッティング下手が露呈されてます。GVFじゃなければ、トウェンティ・ワン・パイロッツでも、パニック・アット・ザ・ディスコでも、去年にヒット出した、若い層にファンのいるバンドでもいい。出してたら、もう少しバランス良くなってたんですよ。
?グラミーの趣味に再び「保守化」の兆し
あと、この点に関して言えば、僕の意識が過剰なところかもしれないし、ここは上の5つと比べるとそこまで問題ではないのですが、グラミーの趣味自体が「また保守化したかな」と思わせるものでしたね。
だいたい
司会が大のグラミー贔屓アーティストの代名詞のアリシア・キーズだったことからも、それは明らかです。彼女の「自分が書きたかった曲メドレー」はすごくよかったんですけどね。彼女はすごく才能豊かな人で、僕も好きな曲は少なくないんですけど、ややもすると優等生的で保守的な大人の人を安心させる要素も少なくない人です。その彼女とか、ノラ・ジョーンズとか、シェリル・クロウとか、ジョン・メイヤーみたいな人ばかりが賞とってる時代がグラミーにはありましたけど、その時代、僕、グラミー自体、見てませんでした(苦笑)。だって、オルタナとかヒップホップの全盛だった90sにですよ、セリーヌ・ディオンとかホイットニー・ヒューストンのバラードみたいなものばかりが賞取ってましたからね。で、ミレニアムくらいが今いった感じで。あの時代のグラミーが、歴代で最も保守的でしたね。
今年はちょっと、その印象が復古した感じがあったんですよね。
このH.E.R、良かったし、音源で聴くよりライブの方が圧倒的によくもあったんですけど「ああ、アリシアのラインね。グラミー好きそうね」と思わせてちょっと複雑でしたね。
カントリーのブランディ・カーライルも同様の印象でしたね。ミュージシャンとしてうまいんですけど、それが「安心感」にしかつながらない感じというか。H.E.Rとブランディという、実際にアルバムが出た時の一般評価よりもグラミーがひときわ高く評価している(二つとも、リリース当時のことをハッキリ覚えてます。評判良かったけど、批評誌の年間トップ10に入るものでもなかった)ところに、「ああ。やっぱり、そっちで行きたいわけね」と思わせて、複雑なものがありました。
あとカントリー・デュオのダン&シェイなんてのは、もっとコンサバな趣味でしたね。歌は確かにうまいけど。なんか、こういう感じをグラミーに推薦させられたみたいで「うーん」という感じでしたね。
まあ、確かに近年でも「アデル撃押し」なところはあるグラミーでしたけど、2000年代の後半くらいから、刺激的にはなってきてたんですよ。グリーン・デイ、コールドプレイ、キングス・オブ・レオンが主要4部門の何かを受賞したり、レディオヘッドがパフォーマンス(!!)したり、アーケイド・ファイアが最大賞の最優秀アルバム受賞したりね。2010sの前半はインディ・ロックの主要部門受賞も多かった。
それが2015年にベックが最優秀アルバム受賞して、一般大衆にウケが良くなかったところからそれが一転して、傾向が途端に保守化した。ビヨンセとケンドリックが2枚ずつ、計4年、最優秀アルバム逃したりとかもそう。今年は受賞結果は、ケイシーとガンビーノだったので、久々に良い結果だったとは思ってるんですけど、その一方で、他のメディアより熱心に推奨しているものを見ると、「ちょっとこの先、怖いかな」とも、個人的には思いましたね。
では、シメに「良かったもの」。これに関して言っておきましょう。
と言っても、実質、これだけでしたけどね。
これだけは、もう一切の文句なしに最高でしたね。歌唱力、楽曲、エッジ、演出の美しさ、プリンスという音楽界の宝へのオマージュ。「ああ、こういうのをもっと見たいのよ!!」という気持ちになりましたね。これレベルのパフォーマンスがあと、2つ、3つあればよかったんですけどね。
あと、カミラ・カベーロの、ラテン系ならではの「壁を作らないで」のメッセージもよかったし、セイント・ヴィンセントとドゥア・リパのレズビアンっぽい絡みパフォーマンスも、ヴィンセントの観点からのみ良かったです(笑、だって相方の曲がつまんないし、与えられた時間が短くて2曲のまとめが雑だったし、演出自体は予定調和だったんだもん)。あとは、最初の方に突然出てきたミシェル・オバマかな。彼女のカリスマ的人気は本当に絶大ですね。
・・そんな感じかな。
正直な話、来年もこの調子だったら、グラミーの生ブログ自体をやるかさえ考えたいとこまで来てますね。
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始まりました。カミーラ・カベーロの「Havana」からスタートです。
リッキー・マーティンでてきましたね。そういや「Livin La Vida Loca」のヒットから今年20年だったんだ。
司会のアリシア・キーズ出てきました。グリーンのドレスにスカーフ姿ですね。
真摯な音楽賛歌のスピーチはいいと思います。
壇上に4人出てきました。ガガ、J-Lo、ジェイダ・ピンケット、ミシェル・オバマ(!)、歓声ひときわデカイ!、
2人目のパフォーマンスはショーン・メンデス。途中からマイリー出てきました。本当に「 更生後」って感じになちゃったね。
ポップ・デュオorグループ
Shallow/Lady Gaga&Bradley Cooper
「メンタル・ヘルスの問題を抱えていた直後だっただけに嬉しい」と壇上でガガ。
ケイシー・マスグレイヴス、出てきました。曲は「Rainbow」。なんか、今回のアルバムで大きく変わったところをアピールして欲しかったんだけどなあ。
続いてジャネール・モネエのパフォーマンス。「Make Me Feel’。エレキギター抱えてます。バックダンサー女性8人組のシンクロ率高いダンス、いい感じ。
ダンス本当にうまいよね、この人。このパフォーマンス見れただけで、得した気分。
アリシアがジョン・メイヤーと受賞を位争って負けたけど、グラミ譲ってもらった話をして、メイヤー登場。
Song Of The Year
This Is America/Childish Gambino
ポスティ、いきなりアコースティックの弾き語り。そして、「ロックスター」に行き、そこでレッチリ登場。ポスティ、絡まないものだから、なんか「ファンです」って感じにしかなってないな。
ドリー・パートン・トリビュートでケイシー・マスグレイヴスとケイティ・ペリーが「Here You Come Again」。後からドリー本人が登場。
続いて、マイリーがドリーと「ジョリーン」をデュエット。そのままニール・ヤングの「After The Goldrush」になだれ込みました。
そして、リトル・ビッグ・タウンとの「Red Ahoes」のあと、最後はみんなで「9 To 5」で大団円。
続いてHER 。彼女は生で歌った方が魅せるね。アルバムだと、むしろまだ本領出せてない気もするな。ギターソロ、ちゃんと弾いてるな!
続いてカーディBのパフォーマンス。
これはちゃんとやってる?カメラずっと引きの絵で生っぽさを感じないんだけど。
Best Country Album
Golden Hour/Kacey Musgraves
まあ、妥当ですね。
アリシア自身が「Killing Me Softly With His Song」やら「Shape Of My Heart」「Unforgettable 」「Use Somebody 」「In My Feelings」「Doo Wop」ときて「NewYork StateOf Mind」弾き語りしました。
続いてダン&シェイ。カントリーの新しいデュオですね。
Best Rap Song
God’s Plan/Drake
会場来てたんだな!
ダイアナ・ロスだけど、観客にベリー・ゴーディ・ジュニアが!
正直、歌、キツイな・・。
ガガの「Shallow 」。今日はブラッドリーいないので一人ですが、後ろにマーク・ロンソンいます。かなりロックしょーになってるな。そっちに向かいたい気持ちはありそうだけど。
今日一番の驚きはジェイムス・ブレイクがトラヴィス・スコットのイントロ部分を担当!
スモーキー・ロビンソン、出てきたのは嬉しいんだけど、結局、なんか「番宣」って感じ。で、モータウン・メドレーをなんでJ-.Loが?
「Another Star」でスティーヴィー登場か?!と思ったら、違うし・・。
BTSがプレゼンター。
Best R&B Album
H.E.R/H.E.R
これだけ主要部門にノミネートされてるからね。
続いてブランディ・カーライルのパフォーマンス。歌はうまいけどね、この人。
ドニー・ハザウェイの「Where Is Love」のトリビュート・パフォーマンスの後に
Best Rap Album
Invasion Of Privacy/Cardi B
セイント・ヴィンセント、やっと出てきた!「Masseduction」、歌ってます!そこからドゥア・リパとの共演のつなぎ。去年までによくあったコラボのパターンだな。ヴィンセント、この曲、好きでやってるのかは極めて微妙ではあるけれど。
新人賞
ドゥア・リパ
その直前に歌披露させて受賞というのも、予想つきすぎ。
アレサ・フランクリンのトリビュートがあった後
Record Of The Year
This Is America/Childish Gambino
少なくとも、彼が会場に来てパフォーマンスしてたらだいぶ違ったんだけどね。
Album Of The Year
Golden Hour/Kacey Musgraves
やっと受賞すべきアルバムはとったんだけれどね。
なんか全体に締まりがなくて、刺激がないグラミーだったなあ。来年もこれだと、ちょっとイヤだなあ。
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どうも。
今日はグラミー賞でもありますが、同時にイギリスのオスカーことBAFTAアワーズの授賞式でもあります。この結果は祀っ見で紹介しますね。
では、全米映画興行成績、行きましょう。
1(-)The LEGO Movie 2 The Second Part
2(-)What Men Want
3(-)Cold Pursuit
4(2)The Upside
5(1)Glass
6(-)The Prodigy
7(6)Green Book
8(4)Aquaman
9(5)Spider Man Into The Spider Verse
10(3)Miss Bala
このような感じでした。
初登場1位はコレでした。
2014年の大ヒット・アニメ「LEGO Movie」の続編が帰ってきました。
今回のこの映画、前作で監督を務めたクリストファー・ミラーとフィル・ロードがプロデュースと脚本のみで監督なないんですよね。その辺りが響いたか、3400万ドルと思ったほど高くない数字でしたね。
評判も前作ほどは良くありません。Metacriticで65点、Rottentomatoesで83点。実は今日、一家で映画館で見てるんですが、正直途中まではつまんないんですが(苦笑)、「結局、それが言いたかったのね」というとこにくると「ニヤリ」って感じでしたね。個人的なことを言うと、僕の場合、極めてこのストーリーにピンと来る家族構成だったりするので、そこはツボでした(笑)。ちなみに前作は長男トムが人生で最初に映画館で見た映画でした。
初登場2位は「What Men Want」。
これはですね
2000年にヒットしました、懐かしいですね、メル・ギブソンのロマンティック・コメディ「What Women Want」のリメイクです。前作はギブソンが突然、女性の内なる声が聞こえるようになった話だったんですが、今回は人種と性別をスワップして、ギブソンのところをタラジPヘンソンが演じています。
これは1900万ドルと、この系統の作品にしては高い順位なんですが、評判は今ひとつですね。Metacriticで51点、Rottentomatoesで47点。
3位の「Cold Pursuit」なんですが
このようにリーアム・ニーソンによる復讐劇なんですが、今週の彼はそれどころではありませんでした。
イギリスの新聞「The Independence」で、彼が40年ほど前に、親友の女性が黒人男性にレイプされたことへの腹いせで、黒人を無作為に殺そうと銃を持って歩いたことがあった、という告白を行ったんですね。彼としてはこれを「愚かな過去を告白することで他の人への教訓にしてくれれば」と思ってやったんですけど、さすがに「殺意が湧いた」時点で話の説得力がなかったか、かなりの批判を浴びてしまい、この映画もプロモーションが途中からできない感じになってしまいました。
映画の評判自体はそこそこいいんですよ。Metacriticで58点、Rottentomatoesで74点ですからね。今後、彼、どうなるんでしょう?
6位初登場の「The Prodigy」はこんな映画です。
タイトルだけ見ると、音楽ファンなら「おっ!」と思うかもしれませんが、違います(笑)。これは、天才少年が実は心霊パワーで悪事も行うガキだった、というホラー映画。
「内容次第では」という感じでしょうが、Metacritic46点、Rottentomatoes43点では説得力がないですね。
さて、そうこうしているうちにBAFTAの結果、出ましたね。こんな感じです!
作品賞 Roma
監督賞 アルフォンソ・クアロン(Roma)
主演男優賞 ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)
主演女優賞 オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
助演男優賞 マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
脚本賞 女王陛下のお気に入り
脚色賞 ブラック・クランズマン
外国語映画賞 Roma
アニメ スパイダーマン スパイダーバース
撮影 Roma
編集 バイス
録音 ボヘミアン・ラプソディ
美術 女王陛下のお気に入り
視覚効果 ブラック・パンサー
衣装 女王陛下のお気に入り
音楽 アリー/スター誕生
う〜ん、妥当といえば妥当なのですが、イギリスなので、ご当地映画として「女王陛下のお気に入り」、作品賞も含めてもう少し独占するかと思ったんですけど、どうも「Roma」の優位は揺るぎそうにないですね。
ラミも主演男優決まりかな。主演女優、助演女優がきになるところかと思います。
]]>いよいよ明日
グラミー賞の授賞式、ありますね。毎年恒例のことで、今年も生ブログをやりますけど
noteでこれを言うのは、ちょっと申し訳ない気もするんですけど、まだ初めて1ヶ月弱で、まだちょっと検索のかかり方が弱いんですね。jugemの方はさすがに9年やってるだけあってかなりかかり方いいので、今年に関してはjugemの方でやります。多分、オスカーの方もそうなるでしょう。
僕の今後のプランとしては、jugemのブログは「10年毎日続ける」と心に決めてやっていますので、僕がブラジルに着いた日、2010年4月21日の10年後、なので2020年4月21日まではnoteと並行してやっていくつもりです。ただ、もうお気付きの方もいらっしゃると思うんですけど、メインで描いてるのはnoteの方で、jugemにはここのコピーを貼ってるので、極力noteの方で見ていただきたいと思っています。ただ、速報生ブログに関して言えば、ちょっと同時に二つはできないので、今回はjugemで、ということです。
まあ、とはいえ、明日も全米映画興行成績はあるので、そっちはnoteがメインとなります。
ということで、よろしくお願いします。
]]>
どうも。
マリーナ&ザ・ダイアモンズ改めマリーナ、4年ぶりの新作の先行シングルです。
彼女、日本では気が付かれにくいんですけど、欧米圏では、ルーザーたちにとってのちょっとしたカリスマになってますね。彼女はラナ・デル・レイの一番の親友だったり、ビリー・アイリッシュが音楽で生きていくことを決めさせたアーティストだったりします。
では、全英チャート、生きましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(2)Sweet But Psycho/Ava Max
3(3)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
4(4)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
5(7)Dont Call Me Up/Mabel
6(5)Wow/Post Malone
7(-)Bury A friend/Billie Eilish
8(6)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
9(10)Someone You Loved/Lewis Capaldi
10(8)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
アリアナ強いですね。昨日アルバムが出たばかりなので、もちろん来週も続くでしょう。
ビリー・アイリッシュの「Bury A Friend」、7位に初登場です。さすがですね。
この曲、国際的なリアクションがすごいんですよ。スウェーデンではもう1位!ニュージーランドとノルウェーで2位、オーストラリア3位、ドイツ14位、イタリア27位ですからね。すごいことです。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)Encore/The Specials
2(-)Half Way There/Busted
3(2)The Greatest Showman/Soundtrack
4(-)Ripples/Ian Brown
5(-)Third Avenue/Fredo
6(3)Bohemian Rhapsody/Queen
7(4)Staying At Tamara's/George Ezra
8(6)A Star Is Born/Soundtrack
9(-)My Wildest Dream/Claire Richards
10(1)Amo/Bring Me The Horizon
初登場1位、なんとスペシャルズですよ!聞いてみましょう。
1979年のスカ・ムーヴメントの立役者、ザ・スペシャルズ。これ、何年ぶりのアルバムなんだろう。とにかく1位です。
これ、アルバム聞いたんですけど、正直な話、やってること自体は面白くなかったです。ただ、政治的なリリックは相変わらずな感じでしたけど。
ただ、ディスク2についていたライブ盤、これは素晴らしかったです!
初登場で2位は、復活したアイドルBUSTED。これも聞いてみますか。
メンバー一人、判別不能になってますね(笑)。昔、ギター持って飛んでましたけど、今はどうするんでしょう。曲はこれ・・、う〜ん・・。先週のBSBもそうでしたけど、アイドルのアダルト・コンテンポラリー化ってどうなんでしょう。
4位初登場はイアン・ブラウン。これも聞いてみましょう。
「ストーン・ローゼズはどうした?」という声も聞こえてきそうですが、イアン、とにかくソロです。
これ、悪い評判から先に聞いてたので怖くて聞いてなかったのですが、曲は相変わらずですけど、「えっ、そんなに言うほどダメ?」って感じですけどね。少なくとも僕はこの曲はいいと思いますよ。ただ、ローゼズで聞いてみたいというのはありますけどね。
5位にはブリティッシュ・ラッパーのフレド、9位は元ステップスのクレア・リチャーズのソロ・アルバム。ホワイト・ライズは14位、女性シンガーがフロントのメタル・バンド、ウィズイン・テンプテーションが15位でした。
]]>
どうも。
やっと出ましたね、これが。
フジロックの第1弾ラインナップですけど、
正直、これはちょっと嬉しい意味でビックリしましたね。
ヘッドライナー・クラスに関してはキュアーを除けば正直そんなに興奮しないんですけど、今年は中段、下段の充実ぶりがすごいですよ、これ!
2弾目のセクションにデス・キャブ・フォー・キューティにジェイムス・ブレイクにトム・ヨークのソロ。
そして、こっから下の充実がいい。オールウェイズ、アメリカン・フットボール、ゲイリー・クラークJR、ジャネール・モネエ、ケイトラナーダ、クルアンビン、キング・ギザード&リザード・ウィザード、Mitski(❤️)、シェイム(!)、ステラ・ドネリー、ヤエジですよ!僕が「見たい」と思うの書き並べただけでも、こんなにいるんですよ!
嬉しいじゃないですか。なんか、コアな音楽ファンの気持ちを理解してくれたみたいで。
今年はフジだけじゃなくて、英米でも、ちょっとロックのマニアに向けたフェスが新規で増えてるんですよね。やっぱりそれは、メジャーなフェスが「ロックが一般に売れなくなった」というので、すごくバラエティ色を強くしたラインナップに移行している。それは、僕もすでに何度も言っているように、「多様化させた先のアーティストがロックよりも先鋭的なくらい」とかだったら僕も喜んで歓迎しますが、実際のところ、そうとは必ずしも言い切れないものが目立つ。実際、去年、いろんなところで目立ったトラップ祭りは業界のパッケージの感も目立って、今年は去年ほど目立たなくもなってるでしょ。やっぱり、「集客とか人気も大事だけど、これまでフェスゴーワーたちがどんな気持ちで音楽に向かい合ってきたか」というのをないがしろにすると、評判も、フェスへの長期的な信頼もやっぱり落ちちゃうんですよね。
あと、一般的なヒットチャートだけ見ると、減ったように見えるんですけど、コアでマニアックな音楽ファン、ストリーミング時代に確実に増えてますよ。それは、僕が入ってるMitskiのファンサイトの欧米人見ても思うし、最近hardtoexplainのアカウントで始めたツイッターで知り合う方々見ても思うんですけど、個人年間ベストを写真コラージュ・アプリで作って見せ合ったり、金曜日にリリース表とにらめっこして、評判の作品のストリーミングを毎週行っているような人、すごく目立つんですよ!よく、「ストリーミングの時代になるとプレイリストばっかり聞くようになるからアルバムの意義がなくなる」とか言ってる人、いますけど、逆ですよ。あんな無限の音楽ライブラリーがあるんだったら、マニアックに追究する人も増えるに決まってます。これと同じことを僕は80年代末から90年台前半、「CDによる再発ブーム」「アンダーグラウンド浮上による他ジャンル化」「大型外資系CD屋創設ラッシュ」というものを通して全く同じように音楽あさりまくった体験があるので、よくわかるんですよ。
今回のフジロックは、そうした「コアな音楽ファン」がネットの口コミで話題にしたいようなアーティストをたくさん呼んでますよね。今は少なくても、熱心なファンの歓喜の輪が広がればこれ、熱いコアなファンベースは確実に築かれるんです。今、世界的に見て、そういう種が撒かれ始めた時なので、これを数年続けてみたら、シーン、面白くなると思いますよ。
なんか、僕のツイッターのタイムライン見ても、人々の喜び方がサマーソニックの時と違うんですよね。なんかあっちは、今の欧米のメジャーなフェスみたいな「一般浸透度」を重視したようなバラエティ路線になってますね。僕も正直「そりゃ、The 1975とBMTHは見たいけどさあ・・」の後に「以下省略」みたいな感じにはなりましたからね(苦笑)。
これ、「フジが良くてサマソニがダメ」ってことでも別にないんですよね。この状態が逆になった感じの時もありましたしね。フジだと、僕が日本を出る数年前の2007〜09年あたりはすごく倦怠期な感じがしたこともあったし、サマソニが飛ばしてる印象の時もありましたからね。
ただ、ここ数年は、フジが、オーストラリアのGlazing In The Grassっていう、かなり豪華なフェスと開催日程が近いこともあって、その流れで国際的に見てもカッコいいアーティストが回るようになった。逆にサマソニは、開催近辺に地理的に近い位置でいいフェスやってるところがないから、少しキツいのかなと思えるようにもなってきた。そうした近年の影響が、この2つのフェスの今年の並びに象徴されている感じは、なんかしますね。
まあ、どちらのフェスもまだ発表は始まったばかりでもありますから、第2弾以降も楽しみに見ていきましょう・・って言っても僕は地球の真裏で行けないんですけど(苦笑)、でも今年のフジのラインナップだったら、僕がこっちで見てるフェスよりもむしろカッコいいくらいですよ。とりわけ中段以降がね。まだ、来たことのない人たちの名前、目立ちますもん。いいなあ。
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どうも。
オスカー作品賞ノミネート作品の映画、残りあと2本に迫ってますが、今日と明日でレビューやってしまいます。今日はこちらです!
今年のオスカーで最多タイ10部門でノミネートされたイギリス映画「女王陛下のお気に入り」、こちらのレヴュー、行きましょう。これも昨年9月に賞レースに加わって以来、ずっと評判の高い映画でしたけど、一体どんな映画なのでしょう。
まずはあらすじから行きましょう。
18世紀の初頭、イギリスがフランスと長期の戦争を行っている最中、アン女王(オリヴィア・コールマン)はそれとは無縁の優雅な生活を送っていました。
女王は兼ねてから浮世離れした子供っぽい人でしたが、それが体調不良も重なって悪化もしていました。そんな彼女は政治的な意思決定はすごく苦手で、それが下院議長のロバート・ハーリー(ニコラス・ホルト)らをイラつかせてもいました。
そんな女王を実質操っていたのは、彼女の幼馴染でもあった第一側近のサラ・チャーチル(レイチェル・ワイズ)でした。女王に対して唯一単刀直入に物が言え、指図もできた彼女は宮廷内での影響力を強めていました。
そんな中、一人の若い女性が宮廷入りしました。
彼女はアビゲイル・ヒル(エマ・ストーン)。サラの親戚の娘ですが、一族が没落したのに伴い、宮廷に侍女として使えることになりました。彼女は新入りとしていじめを受ける日も過ごしますが、ある日、足の痛みに苦しむアン女王にハーブを塗って看病したことを女王に気に入られ、昇格します。
そんなアビゲイルはある夜、女王とサラがただならぬ関係にあることを突目撃してしまいます。
これを見てアビゲイルは、「どうやったら女王の心を惹きつけられるか」ということを狡猾に考えるようになります。
アビゲイルの行動はだんだんと大胆になる、それをサラは快く思わなくなりますが、女王の気持ちはサラからアビゲイルへと映っていきます。
そして、アビゲイルとサラの立場関係が逆転する日が近づいてきて・・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これはですね
1702年から1707年まで、5年という短い在任期間でしたが英国女王だったアン女王の話をモチーフにしています。彼女は、貴族の歴史においてはおそらくその先駆けだったんじゃないかな、レズビアンだったことでその筋ではかなり有名だったようですが、その話を元にしての今回の映画です。
それを
この現在の世界の映画界随一の奇才、ヨルゴス・ランティモスが監督することになったわけですが
と、僕は最初その話を聞いた時、やっぱり思いましたもんね。だって、この人
台頭してきた時から変な映画ばっかり撮ってきてますからね。僕が彼を知ったのは、2009年のこの映画「籠の中の乙女(Dogtooth)」ですね。これは、親に外界との生活を一切遮断させて監禁されて育った子供達の話なんですが、気持ち悪いの、なんの。長男の性的欲求を満たすためにそれ専用の女性を雇う父親も怖いんですけど、監禁された結果に動物みたいに育っちゃった女の子がとにかく怖くてですね。これはまだギリシャ撮った映画だったんですけど、この奇作がその年のオスカーの外国語映画賞にノミネートされたことで国際的に注目を浴びます。
そして、イギリスに移住して、ハリウッドでも有名な役者と英語で作品を作るようになった第1弾映画がこの「ロブスター」ですよ。これはいわゆるディストピアで、「期限内に愛する人を見つけないと動物にされてしまう」という異常な設定の中、恋人が見つからないとロブスターにされてしまうコリン・ファレル扮する男が数々の奇妙で恐ろしい体験をしながらも本当の愛を見つけていく、まあ、かなりグロいんですが(笑)、この監督なりの、かなりひねくれた純愛ロマンスになっています。
そして、これが前作「聖なる鹿殺し」。これは、この写真の青年が、コリン・ファレル扮する医師一家にストーキングし、ファレルの医療ミスで殺された父の恨みを晴らそうとするサスペンスなんですが、この青年が気持ち悪くてねえ。娘と息子を謎の力で半身不随の病にするんですけど、これに慌てふためくファレルが狂人と化す様も怖くてね。血生臭さがある上に、精神的にヒタヒタ迫る怖さがあります。
・・ね、どう考えてもまともじゃないでしょ?だから、彼が英国王室描くと聞いて「本当に大丈夫なの?」と思ったんですけど
レズビアンの性的描写に関して言えばこれ以上のものは見たことはあるんですけど、「英国王室」の名の下に、許される限界までやった、という感じですね。これ、日本の皇室だと、まず絶対アウトだったでしょうね。
で、僕的にさらに驚いたのが
このアン女王の描写ですね。ここまで、見るからに、精神不安定に描いちゃって大丈夫だったのかな、と。これ、ちょっと「表に出しちゃいけない人」なレベルで心配させられるタイプですね。この役をオリヴィア・コールマンが絶妙に演じてましたね。いつ見ても目がうつろで、何かを怖がってるような目つきなんですよね。それで次第に余裕がなくなって錯乱してみんなを困らせるという、理性働かないタイプです。「まあ、その昔、王国の王室で過保護に育てられた人にこういう人、いたんだろうな」とは思いましたけど、「こういう人に統治される中世、近世ってどんなよ?」と少し不安になりましたね。
それから
このレイチェル・ワイズとエマ・ストーンの確執の演技も素晴らしかったですね。エマは、おそらくキャリア史上、初めての汚れ役ですね。こんな底意地の悪い彼女をスクリーンの中で見たのは初めてです。いつも、明朗で楽しい、性格のいい人を演じてましたからね。これは彼女のキャリアのステップアップにつながりましたね。
そして、レイチェル・ワイズは、まずはとにかく美しい!造形的な美貌で言えば、40代後半になっても僕は未だにハリウッドのトップクラスだと思っているんですが、彼女の鼻につくくらい気高くエラそうな演技が最初イラッと来させつつ、後でだんだんひどい目にあっていく時の哀れさ。この両極を巧みに演じてましたね。僕は、今回、この映画からオスカーが出るんだったら、彼女の助演女優賞でもいいのにな、と思いながら見てました。
あと、あんまり触れられないんですけど、ニコラス・ホルトが演じた、この意地悪な政治家もかなりの好演でしたね。彼も、この手のイヤな役を演じたのって記憶にないから今後のキャリアには繋がったんじゃないかな。
この映画、このように演技のアンサンブルが見事です。正直な話、なぜにスクリーン・アクターズ・ギルド(SAG)でこの映画がベスト・アンサブルを受賞しなかったのかが不思議です。
そしてランティモスで言えば
またしても出てきました。猟銃!もう、この人の映画、何を見ても必ずこれが出てくるんですよ。この人の映画のアイデンティティですね。このアイテムが、この人の映画にまとわりついてる狂気を生み出す原動力になっているような気さえします。
まあ、基本的に「性格のいい人」は誰も出てこない、血生臭さとジワッとくる怖さのある、まともとは言えない作品を作り続けるランティモスですけど、ただそれでも僕としては同じ奇才でもラース・フォン・トリアーあたりよりは圧倒的に見やすいですけどね。なんでかと言われると、まだちゃんとした論理的な説明がうまくできないんですけど、奇妙な話でも、あそこまでSM的でないというか、どこかまだ救いを感じるんですよね。そこがまた良いのかなとも思いますけどね。
この作品ですが、オスカーに関して言えば、正直な話、難しいでしょう。それは、この映画のせいじゃなく、審査員が「Roma」とか「グリーン・ブック」のような映画の方を好んでいることはもうわかられているので。特に年配の投票者には、これはちょっと刺激強すぎでしょう(笑)。
ただ、本国の英国アカデミー賞(BAFTA)は大勝するでしょうね。イギリスの方が、この映画で描かれるようなブラック・ユーモアは好みでしょうからね。地元贔屓というのもありますし。
で、僕的な評価でいうと
いやあ、監督のカリスマ的な作家性を感じさせた見事な映画だったと思いますよ。「これまでで一番わかりやすくてポップな映画にしてコレなのかよ!」とツッコミを入れたくなる感じとか(笑)。スパイク・リーの「ブラック・クランズマン」も大好きな作品ですけど、エンディングの処理のところだけ、こっちがわずかに上回りましたね。
あと、最後に、この映画に興味を持ったら、ぜひ、この映画に出てくる人たちをウィキペディアで調べてみてください。日本語版にちゃんと出てくるくらいに有名です。さらに言うと、この映画の結末からすれば、ちょっと意外な後生も知ることができますよ。
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どうも。
こないだの日曜のスーパーボウルでのマルーン5のハーフタイム・ショウのウケが、まあ、これがメディアで叩かれるの、なんの!「どうしようもなくつまらない」「史上最悪のハーフタイム・ショウ」「彼らにMoves Like Jagger(ミック・ジャガーのような動き)など存在しなかった」とか、散々、英米の新聞では酷評されてましたね。まあ、確かにこれ、つまんなかったですよね(苦笑)。彼らがライブアクトとしてパッとする存在でないことは兼ねてから知られていたことでもあり、それもあってかやめさせようとする動きも少なくなかったですからね。ただでさえ、キャパニックの件もあって、黒人オーディエンスがすごく冷めてた中でコレでしたからね。アダムが、自慢のタトゥーだらけのボディをこれでもかと見せつけようとすればするほどシラーッて感じになってたのも、なんか見てて痛々しかったです。
やっぱり、全世界の署名通りに、これをフルでやってほしかったなあ。
スポンジ・ボブの劇中ネタとしてかなり有名な、オリジナルのメタルのパワー・バラード、「Sweet Victory」。こっちの方が絶対盛り上がったと思うんですけどね(笑)。スポンジ・ボブ、トラヴィス・スコットの「Sicko Mode」のイントロには出てきましたけど、やっぱ、こっちの方が良かったなあ。
あと、その一方で
21サヴェージの、国籍詐称での逮捕。これはビックリしましたね。彼はお父さんがドミニカからの移民だったのは知られていたんですが、21自体はアトランタで生まれ育ったものと思われてましたからね。彼はイギリス国籍だったようです。
現在、これをめぐってファンからの釈放嘆願が怒っていますが、どうなるんでしょう。
では、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(2)Without Me/Halsey
3(3)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
4(26)Middle Child/J Cole
5(5)Sicko Mode/Travis Scott
6(4)Thank You,Next/Ariana Grande
7(6)High Hopes/Panic At The Disco
8(7)Happier/Marshmello&Bastille
9(8)Wow/Post Malone
10(9)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
アリアナが相変わらず強いですね。
先週紹介したJコールのニュー・シングルがトップ10に一気に上がってきました。彼にとってのシングル最高位でもあります。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)DNA/Backstreet Boys
2(1)Future Hndxxx Presents The Wizrd/Future
3(3)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
4(8)A Star Is Born/Soundtrack
5(47)Weezer(Teal Akbum)/Weezer
6(7)beerbongs & bentleys/Post Malone
7(6)Championships/Meek Mil
8(5)I Am> I was/21 Savage
9(10)Astroworld/Travis Scott
10(4)Spiderman Into The Spider
初登場で1位はなんとバックストリート・ボーイズですよ!聞いてみましょう。
これ、確か2000年以来、約18年ぶりの1位だと思うんですけど、もう、彼らもニック・カーター以外はみんな40行ってるでしょ、これ。老けましたね、さすがに。
なんか彼らは、ライバルだったインシンクのジャスティン・ティンバーレイクみたいにヒップな音楽に対応できなかったことで時代に取り残された感があったし、そんなに売れない頃は「(昔の)K-POPみたい」とかも言われてましたね。
今回、「なんでまた1位に?」と思って聞いたら、もう、これは完全アダルト・コンテンポラリーの世界ですね。そこの需要に刺したのではないかと。でも、曲としてはこれ・・・ですけどね(汗)。
そして5位にはウィーザーのカバー・アルバムが入ってきました。これ、通常の配信日、1日前倒してリリースしたら、先週、その初日の分だけが入って47位だったんですが、今週は1週間分、たっぷり換算されました。聞いてみましょう。
しかし、これは、ちょっとあまりにも「まんま」すぎるんですよねえ。歌い方もそうだけど、バックの演奏があまりに同じ。これ、全編に渡ってそうだから、なんかリヴァース・クオモのカラオケ大会なんですよね。
リヴァース、僕と生まれた年が同じこともあって、TOTO、a-ha、ティアーズ・フォー・フィアーズと、選曲はすごく同世代感出てて好みなんですが、もうちょっとなんか出来た気はしますね。
イギリスで1位だったブリング・ミー・ザ・ホライズンは14位初登場。ただ、1位がBSB、5位がウィーザーのこの企画ということで考えると、「ええっ、それに負けてトップ10逃したの??」と思うと、ちょっと納得いかないことは否めませんね。
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どうも。
約束通り、映画評ですが、今回はこれです!
現在も世界的な大ヒットであるのに加え、オスカーのアニメ部門にもノミネートされた「スパイダーマン;スパイダーバース」です。すでに実写のスパイダーマンがシリーズとして存在しているのに、これをあえてアニメでやるというのは、どういう意図があったのでしょうか。
早速あらすじから見てみましょう。
本作の主人公は黒人青年のマイルス・モラレスです。彼はスパイダーマンに憧れる高校生ですが、警察官の父親はスパイダーマンをすごく敵視しています。
ある日マイルスは、叔父アーロンと共に、寂れた地下鉄の駅にグラフィティを描きに行きましたが、そこで放射能を浴びた蜘蛛に噛まれてしまいます。
これで特殊な能力を身につけたマイルスでしたが、それをコントロールできずに、せっかく上手くいきそうだった高校で気の合う女の子、グウェン・ステイシー相手にヘマをやる始末。ただ、そんな矢先、マイルスはスパイダーマンが戦いに敗れ、瀕死の場面に出くわします。マイルスは死にそうになっていたスパイダーマンこと、ピーター・パーカーからUSBスティックを受け取ります。
「ピーター・パーカーは死んだ」。ニューヨーク、そしてマイルスが悲しみにくれます。マイルスは「自分がスパイダーマンになろう」と決心しますが、その矢先にもらったUSBが壊れ、そこから別ヴァージョンのピーター・パーカー、パーカーBが現れます。そのピーター別ヴァージョンは、ピーターを殺した敵、キングピンことウィルソン・フィスクの野望を知ります。
それを阻止しようと、マイルスとパーカーBが動きますが、その過程でマイルスは、自分の他に、たくさんのスパイダーマンが異次元で存在していたことを知ります・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これはですね
原作はありまして、マーヴェル・コミックから2014年に刊行された「Spider Verse」をもとにしています。マーヴェルの中ではかなり新しい原作となります。
それを
「LEGO MOVIE」などで精鋭ぶりを発揮しているクリエイター、フィル・ロードとクリストファー・ミラーがプロデュースを担当しているのですが、これ、まず
カッコいい!
まず、ストーリーそのもの以前に絵がかっこいいですね。アニメの場合、通常の映画以上に絵のアイデンティティが重要視されるものだと思うのですが、この映画の場合、CGと、昔ながらのアメコミの手書きの、新旧の合わせ技が新鮮ですね。それプラス、この写真でもわかるように、コミックの歴史をリスペクトした形で多面的なキャラクターを出してきているのもクレヴァーな感じがしましたね。
あと、ストーリーそのもののポリティカル・コレクトな感じも評価できますね。これ、「Xメン」を60年代に作っていたマーヴェルならではだと思うんですよね。「Xメン」のプロフェッサーXとマグニートの二人がマーティン・ルーサー・キングとマルコムXをモデルにしたというのは有名な話ですが、それから約50年して、今どきの黒人青年を、ここまで大きくなった会社の作品の主人公に据えるというのもいい。この主人公マイルスに合わせて、音楽をトラップにしてあるところとかも最新な感じでいいとは思います(90s末の「マトリックス」みたいに音楽の風化が早い可能性はありますが)。
そして
ピーター・パーカーが年取ってつかれたキャラクターというのもユーモアがありますね。これもなんかポリティカル・コレクトに、最近の白人男性の社会における位置を示したような感じですね。でも、なんで、こういう顔に?このヒゲの剃りあとの青さだと、モリッシーとか、長嶋茂雄みたいですけど(笑)。
さらに、僕がこの映画を気に入っている理由として、マーヴェルがここにきて今一度アメコミの原点に立ち返っていることですね。前にもこれは書きましたが、マーヴェルって、ライバルのDCに比べて大きく立ち遅れていた歴史があるんですね。設立年度からして大体差があったし、テレビのカートゥーンに進出したのも、映画で上手く行き始めたのも、すべて遅れをとってましたからね。それがここ10数年でようやく追いつき、近年ではヒットの数も批評的な評価でも上回るようにもなってきた。
映画でもかなり深い表現ができるようになってきたマーヴェルではありましたが、そんな今だからこそあえてコミックに立ち返ることがあってもいいのではないか。そういう感じだったんじゃないかな。アメコミにしかできない、アメコミだからこそ表現可能な表現もあるんじゃないか。そういう気持ちがあったからなのか、今回のこのアニメからは、すごく初期衝動的な実験的なトライが感じられ、そこがすごく好感が持てますね。
で、そんなタイミングで
マーヴェル総帥、スタン・リーが世を去ったのも、運命的なものを感じさせます。この映画がおそらくは最後の、おなじみのキャメオ出演でしょうね。
この映画、前哨戦から強かったですけど、オスカーのアニメ部門でも受賞がかなり有力視されています。その背後には、こうしたアメコミへの原点回帰の姿勢がクリエイティヴな側面から評価されたこと。そして、リーへのセンチメンタルなオマージュを捧げたくなるからじゃないでしょうかね。
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(現在、noteでも当ブログは展開中です。そちらの方が見易いです。アドレスはnote.mu/themainstream)
どうも。
表題にもある通り、全米映画監督協会賞(DGA)は「Roma」のアルフォンソ・キュアロンが受賞しました。ゼロ・サプライズですけどね。彼にとっては「ゼロ・グラヴィティ」以来、5年ぶり2度目。さらに言えば、メキシコ勢、この6年で5度目の受賞でもあります。
では、全米映画興行成績、行きましょう。
1(1)Glass
2(2)The Upside
3(-)Miss Bala
4(3)Aquaman
5(5)Spider Man Into The Spider Verse
6(6)Green Book
7(4)The Kid Who Would Be King
8(7)A Dog's Way Home
9(9)Escape Room
10(-)They Shall Not Grow Old
1
、2位はこのところ動きませんね。「ミスター・ガラス」は公開時期の幸運に助けられてますね。
3位初登場は「Mrs.Bala」。これはこんな映画です。
ラテン系の女の子がメキシコのナイトクラブでギャングの襲撃に遭い、人質にも取られところ、「もし自分たちの仲間になって働けば、行方不明になった親友を探してやってもいいぞ」と脅されるところから始まるアクション・スリラー。主演は、このところ人気出てきてますね、TVドラマ「ジェーン・ザ・ヴァージン」で主役を務めるジーナ・ロドリゲスです。
ただ、評判は良くありません。Metacriticで41点、Rottentomatoesでは28点。
そして10位初登場は「They Shall Not Grow Old」。こちらはこういう映画です。
これはイギリスの帝国戦争博物館に保管されていた、第一次大戦の時に貴重な映像資料をもとに「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が手がけたドキュメンタリー。100年前のものとは思えない、映像の復元が嘘みたいですけどね。「なんでカラーなんだよ!」と僕も驚きましたもん。
これはあまりにも貴重すぎる内容がモノを言ってますね。Metacriticで91点、Rottentomatoesで98点。これは僕も機会があれば是非見たいですね。
さて、こないだここで紹介したサンダンス映画祭ですが、アワードの結果が出ましたね。お伝えしておきましょう。
審査員が選ぶグランプリには、この「Clemency」という映画が輝きました。これは黒人女性の監獄管理者が精神を病んだ囚人たちとのコミュニケーションを描いた話だとか。このヒロインの人は「デスパレートな妻たち」で見覚えありますね。
そして一般参加者が選ぶグランプリには、こないだもココで紹介しました、ダメ女一念発起のコメディ「Brittany Runs A Marathon」が取りました。
また、「グランプリだろう」と言われながらも無冠に終わった話題作、アークワフィーナ主演の中国人キャスト映画「The Farewell」は、今、インディで最も旬な配給会社、A24が配給を獲得。今のA24の勢いから考えて、すごく話題を呼びそうな気がしています。
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どうも。
ビートルズの、未公開映像をピーター・ジャクソンがまとめて映画にするみたいですね。楽しみです。
あと、ボウイの伝記映画が製作されるものの、ボウイ音源が一切使えない契約になってるとか。僕はこれ、頓挫するんじゃないかと見てますけどね。
では、全英チャート、行きましょう。
SINGLES
1(1)7 Rings/Ariana Grande
2(2)Sweet But Psycho/Ava Max
3(3)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
4(5)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
5(4)Wow/Post Malone
6(6)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
7(11)Dont Call Me Up/Mabel
8(6)Thank You Next/Ariana Grande
9(-)Middle Child/J Cole
10(13)Someone You Loved/Lewis Capaldi
アリアナが先週に続いて1位です。今週は「七輪タトゥー」が話題になりましたね。
トップ10の中での初登場は先週紹介したJコールが9位に初登場。そして
7位にメイベルの「Dont Call Me Up」が入ってきました。このメイベルというのは
1989年にこの「バッファロー・スタンス」のビッグ・ヒットを出したことで知られるネネ・チェリーの娘さんですね。彼女は非常に優秀なアーティストでしたけど、メイベル、素材はいいものの、今回の曲も含めて、まだママの域には達してはいないと思います。ちょっとキャラが大人しいというか。まあ、それが路線なのかもしれないですけどね。
そして10位に入ってきたのは22歳のイケメン・シンガーソングライターのルイス・キャパルディ。これ、今BBC のアダルト向けの「BBC2」でかなりかかってるんですってね。第二のエド・シーランになれるかな?
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)Amo/Bring Me The Horizon
2(1)The Greatest Showman/Soundtrack
3(3)Bohemian Rhapsody/Queen
4(2)Staying At Tamara's/George Ezra
5(-)Toast To Our Difference/Rudimental
6(4)A Star Is Born/Soundtrack
7(5)DNA/Backstreet Boys
8(7)Always In Between/Jesse Glynne
9(10)The Platinum Collection/Queen
10(9)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac
こないだここで特集しましたBMTHが初登場1位。前作は2位、前々作は3位でしたけど、ついに1位を獲得しました。
彼らはここからシングルも3曲、トップ100に入ってますが、そこから1曲聴いてみましょう。
この曲が2番目に高い68位。一番高かったのは、こないだも紹介した「Medicine」が48位。3番目がグライムスとの共演となった「Nihilist Blues」。今は規定でアルバムから3曲までしかシングルに入りませんが、アルバムからかなりダウンロードされていたようですね。かなりの人気ぶりです。あと、このアルバムはオーストラリアでも1位になりました。
5位にはルディメンタルのアルバムが初登場。
そして惜しかった!こないだBMTHと一緒に特集したライヴァル・サンズはトップ10にあと一歩の12位。ただですね、ハードロック・バンドにとって、「ここ押さえられたらヨーロッパは全土で大丈夫」な拠点、ドイツでトップ10、8位に入りました。さらにスウェーデン、ノルウェーでともに4位。これ、次あたりでヨーロッパではかなりデカくなりますね。
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どうも。
では、今日は映画評、行きます。これです。
もう、ここでも既に何度か紹介しています。今年のオスカーの有力候補の一つですね。「グリーン・ブック」。これの感想、行きましょう。
果たしてどんな映画なのでしょうか。
早速あらすじから行きましょう。
話は1962年の事です。イタリア系ニューヨーカー、トニー・ヴェラロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は、ニューヨークのナイトクラブで用心棒として働いていました。ちょっと腕っ節の強いコワモテな感じです。
そんな彼に、ある日、仕事が舞い込みます。それは「ドクター」と名前があったのでてっきり医者なのかと思いきや
それはミュージシャンで、しかも黒人のドン・シャーリーでした。彼からの仕事依頼の内容は、2ヶ月の間、アメリカ南部でコンサート・ツアーを行うので、その運転手を務めてくれないか、というものでした。
当初、妻(リンダ・カルデリーニ)と2人の子供のために躊躇したトニーでしたが、結局引き受けることにして、ロード・トリップが始まります。
いざ、車に乗せてみると、ドンはかなりの偏屈。トニーはドンに気を使い、黒人的な話題を道中で持ちかけますが、クラシック・ピアニストの彼は黒人のポップ・ミュージックなど聞いたこともなく、さらに黒人のトレードマークとも言えるフライド・チキンさえ食べたことがありませんでした。
そんなドンが、この当時、まだ公民権さえ生まれる前で、人種差別の激しかった南部に行くわけです。しかも、その偏見と闘うことにかなり意識的なドンは、道中で身の危険にさらされる行為を繰り返します。
そこを得意な話術と、いざという時の腕っ節で解決していくトニーでしたが、やがてドンとの間に友情が芽生え・・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
この映画ですが、
ストーリーは事実に基づいています。このクラシック・ピアニスト、ドン・シャーリーが体験したことがベースとなっていて、トニーも実在します。
で、この話なんですが
ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)が叫ばれる昨今に、非常に興味深い内容でした!
僕自身も最近は混同してしまいそうになる時があるんですが、「人種として”らしさ”が押し付けられるのが良いのか」どうかということは、それは難しいところです。トニーのように、もう思い切り、イタリア系のチャキチャキなステレオタイプで育った男と、「従来の黒人らしさ」の因習的な部分を超えたところで生きることを願うドン。これ、どちらが正しいとも言えませんし、実のところ、正解もわかりません。
ただ、一つだけ言えることがあるとするならば、「結局のところ、大事なのは”人種”ではなく、”その人、個人”」。そこを尊重することこそがコミュニケーションにとってもっとも大切であり、友情を築くものだ、ということをこの映画は語りかけてくれています。
あと、もう一つが「構えすぎないで、心を開くこと」、かな。そうしないと、結局のところは、どんな考えを持っていようがどうしても行き過ぎたり偏屈なものになりがちだし、本当のコミュニケーションを阻害する要因にもなる。そこも乗り越えるのに大事なことなんだなと思いましたね。
あと、「歴史もの」として見たときの社会背景も興味深いものがありましたね。ここでも描かれていますが、60年代初頭のイタリア系といえば、音楽で言えば、フランク・シナトラにフォー・シーズンズ。とりわけ、このころは東海岸イタロのシーンの全盛期で、ディオン&ザ・ベルモンツもいたし、もう少し遅れるとラスカルズも出てくる。そんなイタリアン・ショービズ全盛の背後には、のちの「サタディ・ナイト・フィーヴァー」や「ソプラノス」なんかにも出てくる、ちょっとガラの悪い、イタリアン・コミュニティの生活が、その後の何ら関わらない形で存在する。面白いものです。そこを、本当はイタリア系でないヴィゴが、完全にイタロになりきって演じているのが面白かったですね。
それから黒人側でいうと、62年と言うと、公民権運動が起こっている真っ只中です。その中で南部の白人の抵抗が目立っていたわけですから、非常に強い時代です。ただ、黒人の独自カルチャーは力強く築かれていき、それはロクンロ−ルやソウル・ミュージックの黎明期にもつながっていく。こうした背景もちゃんと描かれています。ドン・シャーリーも、そんな世の中で気を張って生きていますが、いかんせん、子供の時から神童として育ってしまったがために、ちょっと浮世離れした存在になって、なんとなくですけど、水谷豊の「右京さん」みたいになってしまっています。そんな役どころをマハーシャラ・アリがオスカー受賞した「ムーンライト」での「頼れるマッチョおじさん」とは全く違うイメージで演じ切ってるのも、これまた見事でしたね。
そして、個人的には、この内容の映画を
ピーター・ファレリーが監督したのも、なんかすごく嬉しかったですね。だって、彼って
これとか
これの監督ですからね(笑)。
「ダム&ダマー」にせよ「メリーに首ったけ」にせよ、ストーリー自体はしっかりしてて良い話なんですけど、いかんせん、おバカ・ユーモアのセンスが強すぎて、そのイメージにかき消されがちだったんですけど、ファレリーのストーリー・テリングが上手で、しかもその気になれば、こんなピリオド・ドラマ(時代設定のある昔の話)に、こうした社会的、政治的なメッセージも乗せて語れる人なんだなと思って感心しましたね。オスカーでは、こういう昔の作品のイメージがあったからなのか、残念ながら監督賞にノミネートされませんでしたが、僕はもうちょっと評価されてもよかったかなとも思います。
さて、オスカーですが、
アリの2度目の助演男優賞と脚本賞は取れると思います。ただ、作品賞となると、こないだも言いましたけど、プロデューサーズ・ギルド・アワード(PGA)はとりましたけど、対抗の「Roma」が強いのでキツいと思います。
ただ、これ、後年、ブロードウェイの舞台劇としていけそうなくらい、「二人の演技」で見せる話でもあるので、作品としての寿命は僕は長いような気がしています。
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どうも。
いやあ、本当は今日は映画評書くつもりだったんですよ。でもね、これを聞いてしまってから、どうしてもこれ以外に考えられなくなったので、結局、このことについて書きます。
今日、ビリー・アイリッシュのニュー・シングルが発表されました。これと同時にデビュー・アルバムがいつ出るか、タイトルがなんて名前なのかも発表されました。
このアートワークからして、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の最後の「ウワ〜ッ、ハハハッ!ウワ〜ッ、ハハハッ!」というヴィンセント・プライスの高笑い思い出してしまいそうになりましたけども、MVも早速上がっています。
なかなかホラーっぽいんですけどね。
ただ、MVでなく、この曲を聴いた時、僕、ちょっと背中がゾクゾクッときたんですよ。
冗談抜きで、本気でそう思っちゃいましたね。この曲、この時代のアンセムになっちゃうかも。そういう、ちょっと確信めいたものまで感じました。
というのも、これ、登場タイミングが絶妙すぎるんですよね。今、ビリーって、一昨年の夏に出たEPが、ちょっと屈折したタイプのキッズの間でジワジワとカリスマ的な人気が出てきてるんですね。今、英米ともに、このEPがアルバム・チャートの10位台まで上がってきています。さらに言えば、こないだも言いましたけど、ビルボードのシングル・チャートの下の方に4曲も曲、ランクインさせている。さらに言ってしまえば、もう、本っ当の人気アーティストしかランクインしない、Spotifyの世界チャート「グローバル50」で、彼女、一人だけ浮くように、アリアナ・グランデとか、ドレイクとかポスティとかの中に混じって入ってるんですよね。
僕って、もう昔から、こういう「ヒットチャートの上位に、一つだけ異質なものが入ってるぞ」みたいなものにカタルシスを覚えるクセがありまして、そういうものこそにロック、オルタナティヴな匂いを感じるんですけど、今、まさにビリーがその存在になりつつありました。
で、そのタイミングに、この「Bury A Friend」でしょ。ちょっと「若き教祖様」的な感じになりつつあったところに、絶好なものが行ったわけです。
この「Bury A Friend」というのは直訳すると「友達を埋めろ」で、字面的にかなりショックですよね。それも
前の曲での彼女のこういう猟奇的なアートワークのイメージに合ったりもするものですが、この曲でいう「Friend」というのは、彼女曰く「自分の中にあるモンスター」。このモンスターを自分の中からいかに取り払うか。でも、そのモンスターというのは他ならぬ自分でもあり、やろうとしてもそう簡単なことでもない。
これ聞いて、「うまいなあ」とうなりましたね。これ、いろんなことで悩んでいる人のハート、刺しますね。それは小さな悩みでもいいし、あるいは鬱だったりとか、人によってはドラッグとかかもしれない。そうした負の苦しみを持つタイプの人には、これは響くし、それこそ彼女のファンに多そうなタイプじゃないですか。彼らにとってのアンセムになると思います。
しかも、そういう曲を歌うのが、「ロックよりもむしろヒップホップの影響の方が強い女の子」というのがこれからの時代ぽいし、それをハリウッドのティーン・ムーヴィーに出てきそうな、ちょっと物憂げな美少女が歌うという構図もなんかドラマティックじゃないですか。エルヴィスとかカート・コベインがブ男だったらロックの歴史も多少違ったものになってたような気がするんですけど、こういう、なんか「もしかして時代、変わるかもよ」みたいな時に、なぜか絵的に美しい人、用意されるんですよね。
しかも、ビリーがすごいなと思うのは、「作られた感」というのが実はほとんどないことなんですよね。だって、この曲含め、これまで世に出た曲って、ほとんど全部
この隣にいるのがその人で、名前をフィネアスっていうんですけど、彼とて4歳上と言っても、まだ21歳ですよ!そう考えたら、すごいことでしょ?
こういう姉弟チームって、ポップ・ミュージックの歴史の中でも、ちょっと珍しいでしょ。しかも、お兄ちゃんの方が裏方で妹を立てるという。これもかなり現代的じゃないですか。その昔、こういう「兄妹」って、カーペンターズの例だけはありますが、あれとももちろん、明らかに違うわけでね。
ということもあって、この二人、ビリーが歌っている曲の世界観のみならず、「彼らの世代が憧れる理想のクリエイティヴ・チーム」としても憧れられる要素強いと思います。
で、この「Bury A Friend」。もう早速動きが出ています。これストローミング解禁になった、まさにその日にですよ、アメリカのキッズに絶大な人気を誇る歌詞検索サイト、Geniusにおいてアリアナ・グランデの「Seven Rings」についで、いきなりもう2位です!このサイト、普段は上位に入るのドレイクとかケンドリック・ラマーとか、トラップ系のラッパーばかりなので、これがいかにすごいことかはわかるでしょ?
そしてアルバムのリリースですが、タイトルは「When We All Fall Asleep, Where Do We Go」という、「Bury A Friend」の中の歌詞の引用から出てきたものです。さらに発売は3月29日です。
ただ、3月29日だと、僕は個人的にはちょっとガッカリすることがあるんですけどね。それは
ラナ様の新作の発売日と同じじゃないか!
う〜ん、これでラナ・デル・レイ、次のアルバムはどこの国でも初登場2位になっちゃいますね。彼女も国際的にどこの国でもカリスマなんですが、さすがにセールスで今のビリーには叶わないですからね。ぶっちゃけ、ドレイクやらケンドリックが、突然この日にアルバム・リリースとか言いださない限り、ビリーが全世界的に1位になると思います。
ただ、もう既にこういう写真が出回っているほど、ラナもビリーのこと、すごくかわいがってます。ビリー自身も、ヒップホップ以外の、メランコリックな部分のルーツとしてラナを具体名あげてリスペクトしてたりもしてますからね。なので、アルバム・リリース日はちょっとした師弟対決でもありますかね。
いずれにせよ、アルバム・リリースまで、すごく楽しみになってきました。
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どうも。
ジェイムス・イングラムが亡くなってしまいましたね。66歳でした。脳の病気と長年闘病してたんですね。
彼といえば、クインシー・ジョーンズ・ファミリーのシンガーとして、一時、バラードの名手として有名でしたね。「Just Once」が一番有名かな。あと、デュエットでもヒット多かったし、「We Are The World」でもソロのパート持ってましたね。
ここでは、そんな彼が単独名義で出した全米1位の曲で追悼しましょう。1990年くらいだったと思います。
謹んでご冥福を祈ります。
では、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(-)7 Rings/Ariana Grande
2(1)Without Me/Halsey
3(2)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
4(5)Thank You,Next/Ariana Grande
5(3)Sicko Mode/Travis Scott
6(4)High Hopes/Panic At The Disco
7(6)Happier/Marshmello&Bastille
8(9)Wow/Post Malone
9(7)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
10(8)Drip Too Hard/Lil Baby & Gunna
先週もお伝えしたように、アリアナのニュー・シングル、初登場で1位です。来月8日のアルバム、盛り上がりそうですね。
では、圏外見てみましょう。36位初登場のこの曲で。
硬派ラッパーの第一人者、Jコールのニュー・シングル。アルバム出たの、去年の4月だったから展開としてはすごく早いですね。いつ頃になるんでしょうね。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)Future Hndxxx Presents The Wizrd/Future
2(-)Heard It In A Past Life/Maggie Rogers
3(1)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
4(2)Spiderman Into The Spider Verse/Soundtrack
5(3)I Am> I was/21 Savage
6(5)Championships/Meek Mill
7(4)beerbongs & bentleys/Post Malone
8(6)A Star Is Born/Soundtrack
9(-)Ain't Nothing To It/Cody Johnson
10(7)Astroworld/Travis Scott
フューチャーのアルバムが初登場1位。このアルバム、ストリーミングだと、配信日になかったりしたんですよね。「で、結局どうなったんだよ」と思ってたら、なんだかんだでこうやって1位になるだけ、ちゃんと出てましたね。ただ、遅れた余波でレヴューの掲載とか、メチャクチャでしたけどね。あんまり世にハッキリ出なかったんですよね。
これはもともと、自分のドキュメンタリーだったかな、その音楽として作ったものみたいですね。
で、2位初登場はマギー・ロジャース。聞いてみましょう。
このマギー・ロジャースですが、現在24歳の女の子ですね。
僕の場合、才能溢れる女性アーティストは本当に大好きで、それは去年の年間ベストでも十分表したつもりなんですが、その反面、「実力派」と見せつつ、実はレーベルとかマネージメントの強さを売りにしたアーティストに関してはかなり苦手です。案外イギリスに多いタイプだったりするんですが、アメリカ人の彼女もメジャーのキャピトル所属で、プロデュースがヒット請負人のグレッグ・カースティンです。カースティン自身はベックでも、リアム・ギャラガーでもやれちゃうくらい多彩で趣味の良い人なんですけど、このアルバムでの彼の仕事、なんか大味で悪い意味で「いかにもメジャー」って感じの、やっつけ仕事みたいに感じたんですよね。どこに新鮮なアレンジの妙味があるのか、さっぱりわかんなかったです。
マギー本人も、無理やりエレクトロくっつけるとかでなしに、素のフォークで真っ向勝負してた方がよかったんじゃないかな。この方向だと今はいいかもしれませんが、やっぱり辛めのメディアになればなるほど点数低かったので、このアルバムだと実力派扱いはされないと思うので、今後ちょっとしんどいかなとも思います。すべては本人次第ですけどね。
あと9位にはカントリー・シンガーのコディ・ジョンソンが入ってきました。
この週の注目アルバムとしてはジェイムス・ブレイクが21位。これはアメリカでの彼のアルバムの最高位となります。ヒップホップでの客演が聞いたんじゃないかな。
そして残念だったのが、すごくいいアルバムだったシャロン・ヴァン・エッテンの「Remind Me Tomorrow」が94位止まりですよ。ディアハンターに関しては192位ですよ!
なんかなあ。ここ数年、チャートの換算方式がストリーミングになってから、インディのアーティスト、本当に不利になってますよね。この辺りのリスナー層って、ポップとかヒップホップと違って、子供が繰り返して聞くタイプでもないから、視聴回数換算だと本当に苦しいんですよね。2000年代の後半には、逆にインディからアルバムのトップ100に入ることがすごく多くて、それこそ彼らなんてかなりの恩恵受けてたんですけど、今、苦しいですね。
では、そのシャロン・ヴァン・エッテンのアルバム
Remind Me Tomorrowから、この曲でシメましょう。
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1/25の配信で気に入ったアルバムなんですが、この2アーティストでしたね。
はい。ブリング・ミー・ザ・ホライズンとライヴァル・サンズという、自分でも結構意外な結果になりました(笑)。BMTHの方は、前のアルバムから結構気に入ってたので自分的には他の人が思いそうなほどにはそうでもないんですけど、ライヴァル・サンズは予想外だったかな。
だって、コナー・オバーストとフィービー・ブリッジャーズの共演作があまりにも「まんま」すぎて新鮮味なかったりしましたからねえ。そういうこともあり、今週はBMTHとRSです。
BMTHですが
この「AMO」というアルバムですね。こちらは今、彼らの本国イギリスで、中間発表ですけど、どうやら1位、取りそうな感じです。あちらじゃもうフェスのヘッドライナー・クラスですからね。
ただ、このアルバムの評価をめぐってはハッキリ言って、とりわけファンの間でかなり割れてます。僕自身も「ポップに魂売りやがって」みたいなことを書きなぐる英語の罵詈雑言、かなり見ています。
そりゃ、そうでしょうね。だって、もともと「メタルコアの期待の星」としてその界隈の熱い支持得てたタイプのバンドがだんだんメロディックになって言った結果、今回
グライムスと共演まで行っちゃったわけだから!
これ、しかも、BMTHの方がグライムスに寄っちゃった、かなりEDM色の強い曲ですからね。これは、メタルというか、ラウドロックの免疫しかない人にはツラかったんじゃないかな。
あと、アルバムの中だと、まんま1曲、グリッチ・テクノのインストあったりもしますからね。
このアプローチだと、さすがにキツかった古くからのファンは多かったと思いますね。これ以外にもザ・ルーツのラーゼルのラップをフィーチャーした曲なんかもあったりしてね。
2015年の前作を聞いた時に僕は「後期のリンキン・パークがやろうとしてうまくできてないことをうまくやれてるよね」という感じで、ラウドロック系のバンドにしてはエレクトロの導入の仕方とかうまいなと思っていたんですね。ただ、それというのは「ラウドロックの領域内」でそれをやっていくものだとばかり思っていたら
そんな感じですね。
でも、僕は、「それだからこそ面白いじゃん!」と素直に思いましたね。
これ、思うに、本人たち的には「ラウドロック内で他ジャンルの吸収がうまい」程度の認知じゃ満足できなくなったのかもしれないですね。「ラウドでも、インディ・ロックや、ポップのファンにでも通用するもの」。そういう包括的でスケールの大きなものを作りたくなったんじゃないかな、と。
その意味で言えば、これ、THE 1975の新作とマインドが同じなんですよね。ただ、ルーツにしている音楽と、振り幅の差が若干あるだけで。THE 1975の新作を去年の11月にこのブログでやった時にその野心を僕は絶賛しましたけど、その気持ちはBMTHにもありますよ。
というのも、ロックって、もともと、そういう発展の仕方をしてきた音楽ですよ。同時代的に勢いのある他ジャンルの音楽も吸収しながらサウンドを発展させてきた歴史があるじゃないですか。
それこそ
こういう最高の見本が世界的に再評価もされているわけじゃないですか。その音楽的足跡、今一度思い出すべきです。レッド・ツェッペリンだってしかりです。
あと、BMTHの場合、今回僕が気に入ったのはエレクトロだけじゃないですね。初期のグランジみたいな、粗野でゴリゴリしたリフの音色にもセンスを感じたし
これのサビのメロディとかも、すごくセンス感じますしね。力ありますよ。
THE 1975同様、いい意味で「出る杭」になってほしいバンドです。
続いてライヴァル・サンズですけど
BMTH同様、彼らもこれが通算6枚目になるんですけど、この「Feral Roots」というアルバム、これが同じく全英チャートの中間発表で10位につけています。彼らをこれまでに知らなければ「すごい!」となりますが、ここにトップ20なら2回記録しています。あと北欧3国ではすでにトップ10の実績があって、ドイツ、フランス、イタリアでもチャート実績があったりと、ヨーロッパではすでにかなり大物だったりします。
そんな彼らですが、こんな感じです。
なんか、グレタ・ヴァン・フリート的に聞こえません?こっちの方が全然先なんですけどね(笑)。
このジェイ・ブキャナンってシンガーの声質からしたら、例えばGVFがツェッペリンなら、このバンドはさしずめ、ハンブル・パイの時代のスティーヴ・マリオットとか、そんな感じかな。曲にもよるけど、ザ・フーの70年代以降のロジャー・ダルトリーみたいなところもあります。
勢い、ジェイのソウルフルな歌い方に注目集まりがちなバンドなんですけど、今回、僕が気に入ったのはズバリ「録音」なんですよね。音の撮り方がものすごくシャープで、余計な添加物が一切ない感じでね。それは70sのモコモコ感とも微妙に違うし、80sの過剰すぎる装飾とも全く違う。むしろ、90sのブレンダン・オブライエン(パール・ジャムとかRATM etc)とか、00sのホワイト・ストライプスを通過した感じですね。芯の部分だけを切り取って、その生々しい音の中からソウルやブルーズを自然にあぶり出す感じというかね。そういう、時代の系譜の流れを経た末での原点回帰であり、ただ単に昔風にやったものを意味もなく録音したわけではないですね、これは。
で、彼らがそういう音をなぜ作れるのか。今回、その答えがハッキリわかりました。それは
はい。このデイヴ・カッブという人なんですが、彼、今、オルタナ・カントリー界の超重要プロデューサーです。メタル周りの人じゃないんですよね。
彼が手がけているアーティストというのは、カントリーの中でもすごくロック的に尖っている人たちばかりです。ジェイソン・イゾベルにクリス・ステイプルトン、スタージル・シンプソン。それから、今年のグラミーで主要部門で複数ノミネートされて話題のブランディ・カーライル。彼らはいずれも、カントリーだけでなく、ロックンロール、ソウル・ミュージック、ブルース、ゴスペルなどのルーツ・ミュージック全般の基礎値が非常に高い人たちです。そういう「ルーツ・ミュージックの達人」を多く手掛けるカッブがデビューの時からずっと面倒見ているバンドがライヴァル・サンズです。ブルージーでソウルフルな感じが全くうそっぽくないのに説得力あるでしょ。
ライヴァル・サンズはそんなサウンドしてるのに、なぜかアメリカだけ商業的に売れてなかったんですけど、このアルバムからカッブがアトランティック傘下に作ったオルタナ・カントリーのレーベルにメジャー移籍したので、アメリカでも人気が出るかもしれません。
あと、今、オルタナ・カントリーといえばこれですよ。
この「スター誕生」でブラッドリー・クーパーが歌うタイプの音楽です。これがまさにオルタナ・カントリーの一種なんですが、フツーのブルージーなハードロックでしょ?これを例えば、カントリー界の大御所ウイリー・ネルソンの息子のルーカス・ネルソンが作っていたりします。この映画で、このジャンル、かなり注目度、上がっています。
また、オルタナ・カントリーが絡まなくても、例えばグレタ・ヴァン・フリートもそうだし、ロイヤル・ブラッドもそうだし、HBOの「Vynyl」ってドラマの主題歌に使われてヒットしたキャレオってバンドもそうなんですけど、「オールドスタイルのハードロック」って、今、密かに勢力できつつあるんです。僕もロラパルーザ・ブラジルの時に彼らのライブ見てますが、客の反応、年齢問わず、すごくいいとこなんですよね。こういうところも僕がこのテのロックが「潜在的に需要がある」と思わせる強い理由になっていたりします。
この2バンドを見ることで、ちょっとロックの今後の流れの一部がちょっと垣間見れるような感じもします。
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どうも。
ミシェル・ルグランがなくなりましたね。フレント・ジャズの大家とも言えるし、フランス映画の音楽でも非常におなじみでした。フランスの洒落たイメージ作るのに貢献していた人だと思います。
この、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ揃い踏みの、まばゆい感じが今見ても愛おしいです。この「ロシュフォールの恋人たち」の曲で追悼します。
では、全米映画興行成績、行きましょう。
1(1)Glass
2(2)The Upside
3(3)Aquaman
4(-)The Kid Who Would Be King
5(5)Spider Man Into The Spider Verse
6(14)Green Book
7(6)A Dog's Way Home
8(-)Serenity
9(7)Escape Room
10(4)Dragom Ball Super Broly
そんなに上位に入る初登場がなかったですね。
4位初登場は「The Kid Who Would Be King」。これはこんな映画です。
これは見てもわかる通り、冴えない少年がある日突然、円卓の騎士になってしまうファンタジー映画。
これ、ガキ向けだと思うじゃないですか。だけどですね。評判、意外にもいいんです。Metacriticで66点、Rottentomatoesでは86点ですよ。これ、こっちで来週公開も決まっていることをさっきテレビのCMで知りました。来週、見ないといけない映画が2本あるので行けるかどうか微妙ですが、子供にはいいネタかなと。
6位には、オスカー争いの中、「グリーン・ブック」が再度の拡大公開で上がってきました。この映画、僕、昨日見ました。今週中にレビューすると思います。
8位初登場の「Serenity」はこんな映画です。
これはマシュー・マコーノヒー扮する主人公が、アン・ハサウェイ扮する元妻に、現在のDV夫を殺すように依頼することを基にしたスリラーです。
この2人にして、この期待値の低さでもわかるように評判はかなり悪いです。Metacriticで38点、Rottentomatoesで22点。下手したらラジー行きですね。
さて、SAGアワードの結果が出ました!以下のような感じです。
<映画>
作品賞;ブラック・パンサー
主演男優賞:ラミ・マレク(ボヘミアン・ラプソディ)
主演女優賞:グレン・クロース(天才作家の妻 40年目の真実)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
助演女優賞:エミリー・ブラント(クワイエット・プレイス)
<TV>
作品賞(ドラマ):This Is Us
作品賞(コメディ):マーベラス・ミセス・メイゼル
男優賞(ドラマ);ジェイソン・ベイトマン(Ozark)
女優賞(ドラマ):サンドラ・オー(Killing Eve)
男優賞(コメディ):トニー・シャロウブ(ミセス・メイゼル)
女優賞(コメディ):レイチェル・ブロスナハン(ミセス・メイゼル)
男優賞(ミニ・シリーズ):ダレン・クリス(ヴェルサーチ)
女優賞:パトリシア・アークウェット(Escape At Dannemora)
なんと、作品賞の受賞が「ブラック・パンサー」になっちゃいました!
これで「スター誕生」はちょっとオスカーでの受賞は亡くなったかなあ。
オスカーで見ると、グレン・クロースとマハーシャラ・アリはこれで王手かかりましたね。ラミ・マレクにオスカーの可能性が出てきました。
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はい。サンダンス映画祭ですね。毎年1月下旬から2月の頭にやりますけどね。サンダンスは、若手映画人の発掘や、話題を作って今年のできるだけ大きな公開を狙いたい作品が集まった映画祭です。ここ数年は、ここで話題になったものが実際にヒットにつながったり、最高なものになるとオスカーのノミネートにまでつながったりもしてるので、業界の注目も年々高まっています。
ネット見てみると、今年は特に事前の盛り上がりが強いですね。そういうわけで僕も、例年なら結果で報告しているコレを、まだ始まって間も無い今の時期に紹介するようにしましたからね。
では、今年の話題作、ザッと見ていきましょう。
まず、何が話題かといえばコレですよ。70年代に実在した連続殺人鬼テッド・バンリーの犯罪を追ったホラー「Extremely Wicked Shockingly Evil and Vile」。去年もサンダンスではトニ・コレットの「ヘレディトリー(継承)」がとにかく怖いことで話題を呼びましたが、これもかなり怖いとのレポートが入っています。しかもこの殺人鬼を、かつてのアイドル俳優ザック・エフロンが演じていることでも話題です。バンリー自身がかなりルックスのいいことで有名だったらしいんですが、それをエフロンがこれまでのキャリアを逆転させるように演じているようですよ。
これを筆頭に話題作をザッと見ていきましょう。サンダンスの場合、エトリーが112作もあるので、とても全部は追えないんですけど、ネット上の検索で話題になっているものを拾っていくとこんな感じです。
「クレイジー・リッチ・アジアンズ」でファニーな役どころで見せ場を作った、このところアメリカで注目のコメディエンヌになっています、アークワフィーナ主演の「The Farewell」。これもほぼ、オール中国系キャストの作品になっていますが、「クレイジー・リッチ」が大ヒットしたのに続きたいところでしょうか。
賞狙い系だと、これでしょうか。このところ、クオリティ勝負の映画に引っ張りだこのアダム・ドライヴァーの「The Report」。これはスティーヴン・ソダーバーグがプロデュースを手がけている社会派のようですね。
その線で行くと、これもそうかな。昨年、一昨年のオスカー助演女優のアリソン・ジャニー、ヴァイオラ・デイヴィスと言った、現在を代表する演技派が並び立った「Troupe Zero」。
ジュリアン・ムーアとミシェル・ウィリアムスの共演の「After The Wedding」。
僕個人的にはこれが楽しみですね。「Native Son」。これは1939年に出た、黒人文学の世界ではかなり重要な小説を現在のシチュエーションに設定を直して作ったものですが、脚本をピューリッツッァー賞をとったことのある人が手がけているんですって。これはうまくいけば、かなりのものになるのではないかと思っています。
コメディでは、エマ・トンプソンとミンディ・カリングが組んだ「Late Night」。エマ演じるレイトナイト・ショーの司会と、ミンディ演じる構成作家のケミストリーが見所とか。
アメリカで人気出てきていますコメディエンヌ、ジリアン・ベルは、ダメ女が一念発起してマラソンに挑戦する「Brittany Runs A Marathon」。
今や「ハリウッド一の問題児」になってしまっている俳優シャイア・ラバフの早すぎる自叙伝「Honey Be」。
ルピタ・ニョンゴがゾンビを演じる「Little Monsters」などがあります。
そして、サンダンスといえば、通常の映画だけでなく
これも見ものなんですが、今年、大玉あります!
はい。マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー「Leaving Neverland」なんですが、これが、マイケルが児童虐待というか児童猥褻というか、そうした行為を行っていたことを実証しようとする内容で、これをめぐり「上映中止」を求める動きが今、激化しています。結構、立証がリアルらしいんですが、もうこの世にいなくて自己弁護ができない状況の中、「う〜ん」という気は個人的にはしますけどね。
サンダンス、今年は話題のドキュメンタリー、多いんです。
現在、世界的に注目されている政治家ですね。アメリカ連邦議会最年少の急進左派の女性政治家アレクサンドリア・オカシオ・コルテス。彼女のドキュメンタリー「Knock Down The House」もかなり話題です。
「ロック界の問題ジジイ」としてアメリカではつとに有名なクロスビー・スティルス&ナッシュのデヴィッド・クロスビーを追った「Remember My Name」。
2016年に27歳の若さで急逝した、僕もすごく好きだった俳優です、アントン・イェルツィンのドキュメンタリー「Love,Antosha」などがあります。
いずれも楽しみですけどね。また、開催期間中に評判が変わるようなことはもちろん生じると思いますので、結果はまた、おいおい紹介しますね。
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どうも。
ヴァンパイア・ウィークエンド、新曲でましたね。2013年以来となりますが、これ、キャリア史上でも屈指にいい曲じゃないかな。
3月アルバムのフォールズも新曲解禁されました。すぐにピンとくるタイプの曲ではないんですが、このバンドの場合、いつもそんな感じでアルバムの中で聞いて味を出すタイプなので、通常通りの展開かなと思います。
では全英チャート、行きましょう。
SINGLES
1(-)7 Rings/Ariana Grande
2(1)Sweet But Psycho/Ava Max
3(4)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
4(3)Wow/Post Malone
5(7)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
6(2)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
7(5)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
8(6)Thank You Next/Ariana Grande
9(34)Gun Lean/Russ
10(8)Play/Jax Jones feat Years&Years
こないだもいったようにアリアナの新曲、やはり強いですね。初登場で1位です。
9位はこれは、グライムのシーンから派生したドリルというシーンで流行っているダンスなんだそうですね。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(1)The Greatest Showman/Soundtrack
2(2)Staying At Tamara's/George Ezra
3(3)Bohemian Rhapsody/Queen
4(4)A Star Is Born/Soundtrack
5(-)Human/Dodie
6(-)Assume Form/James Blake
7(5)Always In Between/Jesse Glynne
8(-)Please Remain Seated/Thunder
9(6)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac
10(12)The Platinum Collection/Queen
上位こそ変わっていませんが、ボチボチ初登場が入ってきていますね。
5位初登場は、イギリスで期待され始めている女の子ですね。ドディの、これはEPです。聞いてみましょう。
より大衆寄りにはしてあるんですけど、作られすぎてなくて、彼女自身の素が見える感じなのは好感が持てましたね。音楽サイトなどで押されてはいましたが、こんなに高い順位で入ってきたのはビックリしましたね。僕はこの人、ちょっと期待しようかと思います。
ジェイムス・ブレイクは6位初登場でした。思った以上に賛否分かれてますね。僕はもうちょっと「最高なの、でた!」と騒がれるかと思ったんですけどね。
圏外に行きましょう。17位初登場のこのバンドで。
トワイライト・サッドですね。メンバーのルックスはかなり華はないですが、ヴォーカルの人は美声ですね。モリッシーとかマーク・アーモンドみたいな朗々とした感じで。それで曲もザ・スミスとニュー・オーダーとデペッシュ・モード足して3で割ったみたいな「これぞ80sダーク・ニュー・ウェイヴ!」という感じですね。曲もすごく簡潔で分かりやすい。ネット上でもこれ、案外「ハマッタ!」という人多くて、評判がジワジワきた感じですね。いいことです。
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どうも。
こないだ書いた「コンマリ」のコラム、かなりの人に読まれたようで光栄です。あれ、本当に国際的なブームですね。
コンマリ、確かに面白いし良いとは思うんです。けど、僕の実際の好みで言えば、同じネットフリックスでも、こっちですね。
この、名前もかなり大胆ですね。「セックス・エデュケーション」です。
これもですね、欧米圏では、コンマリほどではないにせよ、メディア、結構話題にしてますね。それで興味持って、僕も見てみたんですが。
どんな話なのか、ちょっと紹介しましょう。
舞台となるのはイギリスのある学校。
主人公は高校生のオーティス(エイサ・バターフィールド)。彼のママ、ジーン(ジリアン・アンダーソン)は有名なセックス・セラピストですが、そのセクシーで大胆なママのキャラクターにすっかり圧倒されて育ったせいか、オーティスはママの職業を恥ずかしいと思い、オナニーもまだうまくできません。母一人に育てられたこともあり、性格もいたって内気です。
そんなオーティスはいつもベスト・フレンドのエリック(ンクティ・ガトワ)と行動を共にしますが、エリックは着るもののセンスからわかるように思いっきりオープンリー・ゲイで、彼も何かと目立ちます。
そんな彼らには、学校の校長のバカ息子で、基本、かなりいじめっ子体質のアダム(コナー・スウィンドルズ)がいて、かなりウザいちょっかいもかけられますが、彼にも大きな性の悩みがあり、そのことで付き合おうとしていた女の子からバカにされます。
そして一方で、学校一の不良娘メーヴ(エマ・マッキー)がいます。彼女はスポーツマンの黒人少年ジャクソンと付き合い、妊娠もしますが
そのことを相談するために、オーティスに接近します。するとオーティスのベッドのシーツは濡れ始めます。
その一方で、パーティで、ある高校生カップルのセックスの失敗によって仲たがいする現場に偶然立会い、彼らに絶妙なアドナイスを送ったことをキッカケに、オーティスに同じ学校の学生たちから「自分たちの悩みも聞いてくれよ」というオファーが殺到し始めます。ママの職業を恥じていたはずのオーティスですが、血が争えず、その道の才能はどうやらあったようです。オーティスはメーヴと学生たちを相手とした恋と性のお悩み相談を始め・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
これなんですが、まず
性描写はメチャクチャきわどいです(笑)。
上ので説明では分かりにくいとは思うんですが、セックス・セラピストが実際に使用する性器のプラスティックのモデルが出てきますし、デカいソーセージとかバナナがオブジェとして多々登場します。しかも、「有料で見てるんだから問題ないだろ」とばかりにモザイクもありません。そういうシーンの写真は、さすがに検索では出てきません(笑)。
こういうタイプって、10年に1回くらいは出ているもので
20年前だったら、「アメリカン・パイ」のこのオナニー・シーンだったり
10年前だったら、「スーパーバッド」ですね。ジョナ・ヒル演じる青年セスが幼い頃からとりつかれたようにノートにペニスの絵を描き続ける、というのがありました。
この「セックス・エデュケーション」では、そうした先達たちが描いてきたことをプラスして倍加させたような勢いがあります(笑)。
が!
このドラマ、そこがいいんです。
その理由は、大きく言って二つあると思います。一つは、これ、性の問題を、「人には言いにくいけど、でも、それってすごく大切なことだよ」というメッセージで訴えているから。このドラマ、キャラクターの一人一人にクセがあるんですけど、みんな性に関しての悩みを抱いている。しかもそれが、その人の生まれた時からの生い立ちや家庭環境に由来するものがほとんど。そのあたりの描写がかなり丁寧で細かいんです。だからすごく説得力があるし、キャラクターへの感情移入がしやすいんですよね。
あと、もう一点が「女の子の側からもしっかりと性の悩みが描かれていること」ですね。こういう性的な青春モノって、上の例にもあるように、「早く童貞を卒業したい」という少年の焦燥感を笑いに取る話がほとんどだったと思うんですけど、このドラマは少年のそれもしっかりと描きつつも、同時に女の子の立場からもしっかりと描かれているし、さらに言えばゲイの少年のソレだって描かれる。その意味で、すごくモダナイズされた印象なんですよね。
そして、そういうお話を
だいたい、この親子の2人からして知名度すでにかなりありますからね。ママ役のジリアン・アンダーソンって、「X-File」のダナ・スカリーですからね。そしてエイサ・バターフィールドも子役の時からすごく有名で、「ヒューゴの不思議な発明」や「エンダーのゲーム」では主演務めてましたからね。彼も今、実際は21歳ですけど、ここでの演技もかなり余裕で美味いですよ。
あと、これ、上に諸々あげたように、脇役がすごくいいんです。エリック役の黒人の子も、おバカなアダムも。この感じも、セス・ローゲンとジェイムス・フランコ、ジェイソン・シーゲル、ビジー・フィリップスを生んだ伝説のドラマ「Freaks And Geeks」とか、リチャード・リンクレイターの「Dazed And Confused」を思わせるところがあります。アダムの子は「Dazed」でのベン・アフレック思い出させます。
でも、その中で一番は圧倒的にこの子ですね。
メーヴ役のエマ・マッキーですね。彼女はすごく存在感あります。かなり人気出そうです。もう既に「マーゴット・ロビーに似てる」と言われて話題です。
ただ、素顔はだいぶ違って
これが素顔なんですけどね。こうしたことからも、美人な上に演技派としてもかなり期待できそうな気がします。
ただ、これを誕生日の日に見たわけですけど、40代最後の誕生日にこれを見る・・って客観的に考えたら、僕、対象年齢の3倍くらいなんですけどね(苦笑)。でも、気にしません。だって、こういうも好きだから。対象年齢の4倍になっても見ますよ、多分。その頃は、うちの娘がこういうの見る対象年齢になる頃ですけどね。
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アリアナのアルバム、2/8のようですよ。早いですね。
それで思い出した。実は僕、日本時間だと誕生日なんですけど、僕の誕生日、アリアナのお兄さんと同じ日なんですよね。
この人ですけどね。ソックリでしょ。フランキー・グランデは有名な「ゲイのお兄ちゃん」ですけど、僕はお兄ちゃんにこういう人がいたのを知って、アリアナへの好感度がかなり上がりましたね。知ったのは確かセカンドの時だったかな。それ以来、彼女、お兄ちゃんへの敬愛もよく語ってて仲も良さそうだし。
では、オスカー関係で1日遅れましたけど、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(2)Without Me/Halsey
2(1)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
3(4)Sicko Mode/Travis Scott
4(5)High Hpes/Panic At The Disco
5(3)Thank You,Next/Ariana Grande
6(6)Happier/Marshmello&Bastille
7(7)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
8(8)Drip Too Hard/Lil Baby & Gunna
9(11)Wow/Post Malone
10(10)Ze Ze/Kodak Black feat Travis Scott&Offset
トップ10そのものは動いてないし、入ってきてポスティの曲も返り咲きなので、実質動いてないですね。
アリアナついでに言うと、来週、これが入ってきます。
アルバムからの3局目の先行カットになりますね。「7 Rings」。これが来週にはトップ10で入ってくるでしょう。
この曲は「サウンド・オブ・ミュージック」の中の有名曲「マイ・フェイヴァリット・シングス」をかなりガッツリ使った曲なんですが、ラッパーのプリンセス・ノキアに自分の曲のパクリだとクレームをつけられてますね。曲、聴いたんですけど、僕は「この程度ならアリでしょ」くらいの程度だったんですけどね。
では圏外に行きましょう。64位につけているこの曲で。
今年高い期待のかかるビリー・アイリッシュなんですが、今週、この曲を最高にして、シングルのTop100に4曲も彼女の曲が入っています。しかも、この曲、結構前の曲ですしね。次のタイミングでシングルで、アルバム、ってなった時に、かなり大きいブーム、来そうな気がしています。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(1)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
2(3)Spiderman Into The Spider Verse/Soundtrack
3(2)I Am> I was/21 Savage
4(5)beerbongs & bentleys/Post Malone
5(4)Championships/Meek Mill
6(7)A Star Is Born/Soundtrack
7(6)Astroworld/Travis Scott
8(8)Scorpion/Drake
9(11)The Greatest Showman/Soundtrack
10(9)Dying To Live/Kodak Black
こっちも年始なので、まだそこまで大きな動き、ありません。
ただ、トップ10直前までジワリと上がってきているアルバムがあるので、そこから紹介しましょう。
プエルトリコのレゲトン・シンガー、バッド・バニーのアルバムですね。
これまで、どちらかというとフィーチャリングで有名だった人ですけど、満を持して出したアルバム、なかなかいいですよ。今どきの俗っぽさはあるんですけど、曲の大半を彼の場合、自前で書けるし、サウンドの方向性的にも、アルバム聞き進めていけばいくほど、ちょっとずつ尖って行ったりもして、意外と骨ありそうな感じがしたのも良かったです。
そして14位に、先ほど紹介したビリー・アイリッシュのデビューEPが上がってきています。これは発表、2017年の8月なんですけどね。ジワジワと火がつきつつあります。
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オスカーのノミネート、発表されましたね。僕のfacebookのタイムラインだと、もう話題はそれ一色。「一時より影響力がなくなった」のなんだの言われようが、やはりノミネートの日は、エンタメ界の話題を独占するものです。
いやあ、思った以上に
「Roma」よりの結果でしたねえ。
まあ、いい映画なので、受賞してもそれはそれで文句はないですが、作品以外の部分で引っかかるところはありますね。
もう、これが作品賞、取るでしょう。「最多ノミネート」ということだけでなく、もう受賞する条件が揃ってますから。
というのは
「スター誕生」と「グリーン・ブック」が監督賞ノミネートを逃したから!
オスカーの場合、よほどのことがない限り、監督賞にノミネートされなかった作品が作品賞で勝つことってほとんどないんですよね。その状況なのに、現状で二番手、三番手と思われていた映画で監督賞ノミネートがないわけでしょ?そんなの楽勝に決まってるじゃないですか。
「ちょっと待って?『女王陛下のお気に入り』も10部門でノミネートじゃないか」。そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。しかし、この映画、ノミネートの関係で、今後、SAG、DGAといったギルド・アワードがもう取れないことも決定的なんですね。オスカーの場合、
三大ギルド・アワード(PGA、SAG、DGA)で受賞できない映画は作品賞、取れません。
今年の例でいくとプロデューサーズ・ギルド(PGA)はグリーン・ブック、役者ギルドのSAGはスタ誕、そして監督ギルドのDGAはRomaのアルフォンソ・キュアロンがほぼ勝つと見られてます。なので、オスカーの作品賞、この3つからしか出ないと目されてます。
そこから、万が一で「女王陛下」でも「VICE」でも逆転したら、それはオスカー史に残る大逆転劇になりますけど、ないでしょうね。
「Roma」が仮に受賞するとしたら、まあ、内容がいいからいいんですけど、2点で個人的には引っかかりますね。一つはネットフリックスが財力にものを言わせて大キャンペーンを張ったこと。そういうロビーで賞が決まるのであれば、今、Me Tooで干されたワインスティーンがよくやっていた、オスカー大キャンペーンとさして変わりませんからね。
そしてもう1点が、「政治的配慮」ってヤツですね。メキシコでしょ。明らかにトランプを刺激したいに決まってるじゃないですか。なんか、そういうことのために映画が利用されるのは見ていてあまり気持ちはよくないですね。
これに関しては必ずしも、ネガティヴな意味で言っているわけではありません。半分以上は好意的な意味で言ってます。
今年はノミネート作に「ブラック・パンサー」「スター誕生」「ボヘミアン・ラプソディ」と全米映画興行の年間トップ20に入った映画が3本もノミネートされました。こういうことは久しくなかったので、視聴者としても、「自分も知ってるから授賞式、見ようかな」という気分にはさせてくれます。
というのも、ちょっとここ数年、オスカー争い自体が、完全に批評家の点数通りになりすぎて、インディなアート色が強くなりすぎてましたからね。ちょっと、コアな映画ファンのガチ勝負になりすぎて、一般的な人たちがついていけない感じになっていたところがあったというか。迎合が過ぎなければ、それは多少緩和しても良いと僕は思います。というのは、その昔のオスカーって、そうした批評的なこととは必ずしも一致していたわけではなくて、メジャーの配給会社がオスカー作品として押したいものの忖度の場でもあったんですよね。だから以前は、今よりもノミネート作も少なかったし、限られた押しもの映画でノミネートが独占されるような感じだったんですね。だから、視聴者的には今よりもだいぶわかりやすかったんですね。
ところが、90sの中ごろくらいから、インディ配給も活発になってきだして、映画賞も増えた。それによって、映画そのものはかなり活性化されたし、それに合わせてオスカーも変わっていきましたが、インディの配給が強くなればなるほど大衆的な作品が少なくなる。とりわけ、ここ数年はそのジレンマに悩んでましたね。
そうしたタイミングで、「評判も良く、人気」の作品が出たのであれば、それを有効利用するのは一つの手だと思いますね。
ただ、「ガチな映画ファン」から、逆に今回のノミネートに不満を言う声も聞こえますね。「大衆に迎合した」みたいな感じで。例えば、レヴューの点数とか、一部の尖った映画賞では「Leave No Trace」という映画だったり、「The Rider」という映画が、今回ノミネートされた作品のほとんどよりも評判自体はよかった。だけど、ほとんどキャンペーンで押されることなく終わってしまいましたね。ただ、それで問題だったのは、前者がデブラ・グラニック、後者がクロエ・ザオと、ともに女性監督だったこと。役者部門で二人ノミネートが出て、レヴューの点数もよかったのに作品賞にかからなかった「Can You Ever Forgive Me」という映画もマリエル・ヘラーという女性監督だったりもして。そうしたことから、今回のオスカーは女性監督差別なのではないかという声が一部から実際に上がっていることも合わせて書いておきます。
あと、日本人からすれば「是枝裕和が外国語映画賞にノミネートされた」ということが気になるでしょう。
「万引き家族」、年が明けてからやっとブラジルでも公開されてみましたが、すごく良かったですね。かなり力作だと思ったし、同監督の似たテーマの「誰も知らない」よりは断然良いとさえ思いました。
ノミネートそのものも「おくりびと」以来で、内容的には今回の映画の方がより深く考えさせられ、かつ役者の演技も断然上なので期待したかったところなんです
が!
これも、おそらくは「大衆化」を狙った反動として、「より優秀な外国映画にもチャンスを」ということになったのではないかな。その方が、「オスカーは国際的にも門戸開いてますよ」というプロモーションにもなるし、確かに「多様性」のアピールにはなるんですよね。
ちなみに左はポーランドの映画「Cold War」のパヴェウ・パウリコフスキー。彼は2014年にも「イーダ」という映画でこの賞、受賞しています。そして右が、「Roma」のキュアロンですよ。作品賞と外国語映画賞、W受賞という、オスカーの91年の歴史で前代未聞のことをやろうとしています。
ただなあ、せっかく日本の作品が最終の5作品に残ったのに、よりによって、その記念すべき年と当たってしまうとはなあ。「万引き家族」もカンヌのパルムドールなわけですから、十分誇っていい映画ではあるんですけど、さすがにねえ。ちょっと損した気持ちにはなりますね。
あと、アニメ部門で「未来のミライ」がノミネートされたんですが、こっちもライバル多いから難しいでしょうね。下馬評だと、案外、毎年受賞してるピクサーものの「インクレディブル・ファミリー」よりも今年は「スパイダーマン スパイダーバース」が強いですね。ウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」よりも有力視されていますね。このあたりのことは、「スパイダーバース」、もう見てますので、そっちで語りましょう。
今年はあまり、大事件につながるような落選劇、なかったですね。多少はそりゃ、どうしてもありますけど。
個人的に最もうれしかったのは
やっぱりスパイク・リーの監督賞ノミネートですね。大学の時の僕の映画のヒーローでしたからね。25年経って、ようやくノミネートされたかと思うと、「ようやくメインストリームで巨匠的に評価されたか」と思えて嬉しいものです。しかも、すごく彼らしい題材でそれを成し遂げたんですから。
僕的には、今回の押しの映画「ブラック・クランズマン」です。
残念だったのは、やっぱエミリー・ブラントかな。2作品でノミネートの可能性があっただけにね。
そんな感じでしょうか。
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作品賞
Roma
スター誕生
グリーン・ブック
女王陛下のお気に入り
ブラック・クランズマン
ボヘミアン・ラプソディ
ブラック・パンサー
VICE
監督賞
アルフォンソ・キュアロン(Roma)
スパイク・リー(ブラック・クランズマン)
ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)
アダム・マッケイ(VICE)
パヴェウ・パウリコフスキー(Cold War)
主演男優賞
クリスチャン・ベール(VICE)
ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)
ブラッドリー・クーパー(スター誕生)
ヴィゴ・モーテンセン(グリーン・ブック)
ウィレム・デフォー(At Eternitys Gate)
主演女優賞
レディ・ガガ(スター誕生)
グレン・クロース(The Wife)
オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me)
ヤーリッツァ・アパリシオ(Roma)
助演男優賞
マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)
リチャードEグラント(Can You Ever Forgive Me)
サム・エリオット(スター誕生)
アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
サム・ロックウェル(VICE)
助演女優賞
レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)
エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
エイミー・アダムス(VICE)
マリーナ・デ・タヴィーラ(Roma)
外国語映画
Capernaum(レバノン)
Cold War(ポーランド)
Roma(メキシコ)
Never Look Away(ドイツ)
万引き家族(日本)
長編アニメ
犬ヶ島
スパイダーバース
インクレディブル・ファミリー
未来のミライ
シュガーラッシュ オンライン
どうも。
本当はオスカーのノミネートの発表があってからにしようと思ったのですが、日本公開が間もなくということを知ったので、今やります。これです。
原題「The Wife」、邦題「天才作家の妻 40年前の真実」。この作品で主演のグレン・クロースのオスカー・ノミネートが確実視され、ノミネート7度目にしての彼岸の受賞が期待されています。果たしてどんな映画なのでしょうか。
早速あらすじから見てみましょう。
ある日、アメリカの作家。ジョセフ・キャッスルマン(ジョナサン・プライス)の元に一本の電話が届きます。それはスウェーデンのストックホルムからで「あなたがノーベル文学賞に輝きました」というものでした。
ジョセフと、彼を支えてきた妻ジョーン(グレン・クロース)は大喜びします。
そこからは祝賀の毎日が続きます。夫婦は娘のスザンナも出産間近でダブルでおめでた。彼らには息子のデヴィッドもいましたが、駆け出しの作家のこの息子とジョセフの関係はどうやらあまり良くないようです。
授賞式には、夫婦と息子の3人で行きましたが、そこに「ジョセフの伝記を書きたい」と意気込む作家のナサニエル(クリスチャン・スレーター)も帯同します。
そして、授賞式の前までは、予行演習以外はフリーな時間があるのですが、夫婦はあまり一緒に行動はしません。ただ、ジョセフは若いカメラマンのお姉ちゃんにいい歳して手を出すなどやんちゃで、ジョーンの方はナサニエルの商談を聞きに行きます。
ただ、ナサニエルはジョセフのこれまでの軌跡を疑っており、真相をジョーンに迫り、彼女は戸惑います。
そして話は時折、ジョーンが若かった頃にフラッシュバックします。そこでは1958年頃、当時文学部の大学生だったジョーンが大学の若き文学講師だったジョセフと出会ったこと。その当時、ジョセフは妻がいる身であったことなどが紹介されます。そして、それだけではなく・・。
・・彼女の中で「もう終わったこと」として心の中に鍵をかけたことが徐々に徐々に思い出されるようになり・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
実はですね、この映画
完成そのものはだいぶ前でして、2017年にトロント映画祭で公開されていたんですね。で、その時から実は「オスカーの主演女優候補」としてグレン・クロースの名前、上がってたんですね。それくらい当時から有力だったんです。
ところが、昨年のオスカー・レースの時点で、「来年に先送り」として断念してたんですね。その理由としては、去年のオスカーだと「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマントという手ごわい強敵がいてオスカー・チャンスが逃げると思われたからじゃないですかね。プラス、この映画、スウェーデンの監督の映画なので、その時点でヒット狙いではなく、限定された劇場での公開を睨んでいた作品だったので「小作品は不利」だと踏んだのではないでしょうか。
それで1年待って、アメリカでは2018年夏の公開で、その時からも「オスカー候補」と言われてたんですね。でも、下馬評は「スター誕生」のレディ・ガガや「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマンの方がどうしても高くなっていて、「グレン、今回も厳しいかな」という感じだったのです
が!
ゴールデン・グローブでガガに勝ってドラマ部門の主演女優賞受賞してしまったものだから、俄然息を吹き返してきています。加えて、この後のクリティック・チョイス・アワーズでもガガと同時受賞。受賞争いが混沌としてきています。
そして、僕自身なのですが、これを見て
なぜ、そう思うのか。それはやはり、「これまでのグレンの集大成の役」だと思えたから。
これまでグレン、オスカーには6度ノミネートされています。うち5回が80年代ですね。「ガープの世界」「ビッグ・チル「ナチュラル」「危険な情事」「危険な関係」そして「アルバート・ノブス」。僕が学生だった80年代の5作は懐かしいですね。僕の印象だと、最初は陰ながら強い包容力のある、凄く人間的に愛すべきキャラクターを演じていたんですが、「危険な情事」で当時ものすごくセンセーションを呼んだ超ヨゴレの悪役を演じて芸域が広がって、それが「危険な関係」にも行きましたね。そして、しばらくノミネートに縁がなかったうちにアルバート・ノブスで2012年に久々にノミネートされた時には「男として生きた19世紀の女性」を演じるなど難役もこなしました。
そして、今回彼女が演じている役が実に象徴的です。
ズバリ、これですね。まあ、彼女がオスカー取れなかったことへの恨み節にも取れないことはないんですが
「偏見上、女性が才能をなかなか認めてもらえず、男をたてる方向に回らざるをえなかった時代の女性」
これを演じているのが深いですね。おそらく、この歴史上、ここでのジョーンのような生き方をせざるをえなかった女性はゴマンといるでしょう。たとえそれが、今回の映画のように「ノーヴェル文学賞受賞の作家の夫」みたいな極端な例でなかったにせよ、そうした男性のイメージの傘にごまかされて、女性の働きが見向きもされずに終わった例は少なくないでしょう。
Me TooやTimes Upなどの運動もあり、女性が男性から受ける理にかなわない不当な扱いや被害を訴えやすくなった今のような時代でこそ、「こう言う事はおかしい」と、おそらくこの映画で起こったようなこと(別にセクハラがあるわけじゃないんですけどね。念のため)も今はかなり主張しやすい世の中にはなっていると思います。だけど、それがこと50〜60年前の世界を生きて来た人にとっては、「自分を押し殺して、夫を輝かせることが生きがい」と、腹をくくって自分で納得していきたような人というのは多かったと思うんですね。それは本人としても強いプライドを持っての決心だったはずだし、誇りだって持ってきたとも思います。
ただ、そうした生き方が本当に必ずしも正しいのか。もう少しそれも見直す必要があるのではないか。そうした疑問が、昔ながらの女性の美徳と激しくぶつかり葛藤する。そんな女映像を、おそらく、それをリアリティ持って演じることのできる、最後の世代のグレンが演じるからこそ、すごく説得力があるような気がしましたね。彼女は御年71歳です。
今回のグレンのこの役って、女性にとってのロール・モデルとしてもすごく魅力的だと思うんですよね。ここまで意義深い女性の役柄も、この10年のオスカーでそんなに多いわけではありません。
例えば、近年のオスカー主演女優賞と比べてみても、ハッキリ言ってジュリアン・ムーアの初受賞作やら、ケイト・ブランシェットの2回目の受賞作よりは圧倒的に上ですね。彼女たちはもちろん素晴らしい女優で僕も好きではあるんですが、グレンがあの年にノミネートされていたら確実に勝ってたでしょうね。
ここ最近の熟年世代の女性の役柄としても、この役より年は下にはなるんですが、さっき言ったフランシス・マクドーマントの「スリー・ビルボード」や、一昨年のオスカーでフランス映画ながらノミネートされたイザベル・ユペールの「ELLE」とか、そういうのに勝るとも劣らない名演だったように思います。
そう。だからこそ勝ってほしいんですよね。グレンとしても、もうこの先、これに匹敵する役ともう一回めぐり合うのは、そう簡単でもないと思いますしね。ガガの「スタ誕」での圧倒的な歌の才能と熱演もかなり捨てがたくはあるんですが、彼女には今後にまだチャンスがあると信じて・・。
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どうも。
昨日、まさに話したところのプロデューサーズ・ギルド・アウォーズですが、作品賞を取ったのは「グリーン・ブック」でした。これでオスカーの作品賞候補の一角を占めましたね。27日のSAGは「スター誕生」、その後の監督協会賞(DGA)は「Roma」のアルフォンソ・キュアロンが硬いので、この三つ巴でしょうね。もっとも、SAGとDGAに関しては「有力」なだけで、PKの失敗みたいなどっちらけもありえる(SAGの作品賞にはRomaとグリーン・ブックがノミネートされてない。そこでスタ誕が受賞逃す)わけですけどね。さて、どうなるか。
では、全米映画興行成績、いきましょう。
1(-)Glass
2(1)The Upside
3(-)Dragom Ball Super Broly
4(2)Aquaman
5(4)Spider Man Into The Spider Verse
6(3)A Dog's Way Home
7(5)Escape Room
8(6)Mary Poppins Returns
9(7)Bumblebee
10(8)On The Basis Of Sex
初登場で1位は「Glass」。邦題「ミスター・グラス」。これはMナイト・シャマランの最新作。かなり長きにわたってスランプを迎えていたシャマランでしたけど、前作「スプリット」が売れてかつ好評だったのですが、今作はその「スプリット」と、2000年くらいだったかな「アンブレイカブル」、この2つの映画の続編となります。
このサミュエルLジャクソンのキャラクター、懐かしいですね。彼が「ミスター・ガラス」なんですけど、Glassをガラスという名前で押し通してるのがなんとも言えません。
この映画なんですけど、前作のヒットの後押しで、4000万ドルというかなりの数字での初登場となりました。
ただ、評判はちょっと低調です。Metacriticで42点、Rottentomatoesで36点。ただ、RTのオーディエンス採点は78点なので、「わかるヤツにはわかる」ノリなのかな。僕の聞いた範囲でも、シャマランの比較的コアなファンのウケはいいっぽいです。
3位初登場は「ドラゴンボール超(スーパー)ブロリー」。これは言うまでもなく、ドラゴン・ボールの映画で、日本だと昨年の12月に公開されたものなんですが、今回に関しては全世界的にどこも大きく公開してますね。それはブラジルも同様でしたね。シネコンでしっかりやってますから。
アメリカで最初の週末で1000万ドル超えてるのも立派なんですが、評判もいいですよ。Metacriticで64点、Rottentomatoesでは81点ですからね。「ドラゴン・ボール」って僕が高校の時に始まってるし、その前の「アラレちゃん」は小学5年から中学なので本当は鳥山明、世代なんですけど、僕はごめんなさい、全く通ってないので語れません。
で、今週からそうしようと決めたんですけど、この全米映画興行成績のラストで、解禁になったばかりのトレイラー紹介しようと思います。
まず、5月に公開のジョン・ウィックの第3弾から
これでキアヌも復活して良かったですね。
そして、7月公開のスパイダーマンの新作「Far FromHome」でシメましょう。
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どうも。
今日は日本時間だともう明後日ですね、22日に発表されるこれの予想をしたいと思います。
はい。オスカーのノミネートです。こうやって思い切り「OSCARS」とも書かれているわけなので、いい加減、「アカデミー」って呼称、個人的には使いたくないんですけどね。ブラジルみたいに「オスカー」と呼ばないと通じない国もあるくらいですからね。
まあ、それはさておき、オスカーのいわゆるBIG6と呼ばれる作品賞、監督賞、主演・助演の男優・女優をそれぞれ予想していきましょう。
「ノミネート確実!」と思えば◉、「まず大丈夫でしょう」と思えば○、「当落線上」と思えば▲を記しておきます。
まずは作品賞から。
作品賞
Roma◉
スター誕生◉
グリーン・ブック◉
女王陛下のお気に入り◉
ブラック・クランズマン◉
ボヘミアン・ラプソディ○
ブラック・パンサー○
VICE○
ビール・ストリートの恋人たち▲
----------------------------------
クレイジー・リッチ・アジアンズ▲
ファースト・マン▲
メリー・ポピンズ・リターンズ▲
今のところ本命は「Roma」ですけどね。これが今のところ、前哨戦の映画祭ではとにかく圧倒的な強さです。これから前哨戦はオスカーの表と直接結びつくハリウッドの組合員(ギルド)のアワードになるですが、今日、これがアップされた後の、日本時間の午後3時、4時くらいに発表されるプロデューサーズ・ギルド・アワード(PGA)で、この映画が作品賞を取れば、ほぼ決定だと思います。なぜなら、監督のギルドのアワード(DGA)はこの映画の監督のアルフォンソ・キュアロンでほぼ動かないと思われているから。三大ギルドのうち、2つ取ればさすがにデカイでしょ。
この映画、オスカーの作品賞としては史上初の、英語以外の作品の受賞、そしてネットフリックス配給というハンデがあります。ただ、前者に関してはハリウッド内でダイヴァーシティの動きがあることと。トランプの壁の件でメキシコへの同情票が集まるので大丈夫そう。ネットフリックスに関しては反発はあるでしょうが、その分、ネットフリックスが「歴史上最もオスカー争いで金をかけている」とも言われています。ただ、僕自身は、その「金」の話を聞いてオスカー望まなくなってるんですけどね。「ネットフリックスが映画界で金にモノを言わせて覇権を奪おうとしている」みたいでね。劇場公開しないなら、多少の抵抗にあっても僕は立場的にしょうがないと思ってます。
そうじゃなければ「スター誕生」「グリーン・ブック」「女王陛下のお気に入り」の争いで、監督賞で強いスパイク・リーの「ブラック・クランズマン」、大衆人気も加味して「ボヘミアン・ラプソディ」と「ブラック・パンサー」。ここまではすんなりいく気がします。ここまでで7作。
で、通年9作なので、あと2作ですが、一つが、公開後の評価がいまひとつ高くないですが、業界内での人気で「VICE」。そしてもう一つに、評判は抜群ながらなぜかギルド・アワードで大苦戦中の「ビール・ストリートの恋人たち」と予想します。「ビール・ストリート」の苦戦は、黒人映画で票の食い合いしてるからかなと見てます。
その他の候補としては、ギルド系で調子の良かった「クレイジー・リッチ・アジアンズ」、同じく技術系メインですがギルド系でのノミネートが多かった「ファースト・マン」、そしてギルドで調子を落としてますが、それ以前はよくノミネートされていた「メリー・ポピンズ・リターンズ」。このあたりが候補でしょうか。
監督賞
アルフォンソ・キュアロン(Roma)◉
ブラッドリー・クーパー(スター誕生)◉
スパイク・リー(ブラック・クランズマン)○
ピーター・ファレリー(グリーン・ブック)○
ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)▲
-------------------------------------
アダム・マッケイ(VICE)▲
パヴェウ・パウリコフスキー(Cold War)▲
さっきも言ったように、「Roma」のアルフォンソ・キュアロンが間違いないでしょう。これで勝つと、2014年の「ゼロ・グラヴィティ」以来、2度目のこの賞の受賞となります。
残りは、作品賞のところで◉評価の残りの3作品の監督でしょうね。プラス、DGAにノミネートされたスパイク・リーですね。
その他の候補としては、DGAではノミネートされた「VICE」のアダム・マッケイ、あと、オスカーって、英語作品がそこまで強くない年は外国語映画賞ノミネート作品の中の優秀監督をノミネートするときがあるんですが、そこで「Cold War」という作品がとにかく評判のいいポーランドのパヴェウ・パウリコフスキーも可能性あるんじゃないかとの声も聞きます。彼は2014年のオスカーでも「イーダ」という映画で外国語映画賞も受賞していますからね。
主演男優賞
クリスチャン・ベール(VICE)◉
ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)◉
ブラッドリー・クーパー(スター誕生)◉
ヴィゴ・モーテンセン(グリーン・ブック)◉
ジョン・デヴィッド・ワシントン(ブラック・クランズマン)○
------------------------------------------
イーサン・ホーク(First Reformed)▲
演技部門ですが、この賞は年が明けてからのアワード、ゴールデン・グローブ、クリティック・チョイス・アワーズ、そして27日のスクリーンズ・アクターズ・ギルド(SAG)の3つで決まると言っても過言ではないんですが、主演男優はグリスチャン・ベールがSAGで勝てば獣要前哨戦3連勝で実質王手です。
この部門は「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディ・マーキュリーのラミ・マレク、「スタ誕」のブラッドリー・クーパー、「グリーン・ブック」のヴィゴ・モーテンセンと、なかなかメンツはいいんで、SAGで勝てばまだ誰でも逆転できる可能性は残っています。
残る一人ですが、僕は「ブラック・クランズマン」のジョン・デヴィッド・ワシントンを推したいです。彼は、かのデンゼル・ワシントンの息子です。お父さんの方がカッコいいですが、息子もいい役者です。
あと、評価そのものはメチャクチャ高いんだけど、どインディ映画すぎてノミネートが難しそうなのが、イーサン・ホーク。まだ逆転ノミネートの可能性は残ってますけどね。
主演女優賞
レディ・ガガ(スター誕生)◉
グレン・クロース(The Wife)◉
オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)◉
メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me)○
エミリー・ブラント(メリー・ポピンズ・リターンズ)▲
----------------------------------------
ヤーリッツァ・アパリシオ(Roma)▲
トニ・コレット(ヘレディタリー/継承)▲
この部門は今年明けてから、大接戦ですね。ガガ、オリヴィア・コールマン、そして大ベテラン、グレン・クロースですが個人的には
グレン・クロースにとってほしい!
いやあ、つい最近、ラッキーにも彼女の対象作品、「The Wife」を見ることができたんですけど、もうね、「これで受賞できなかったらかわいそう」と思えるくらいに良かったんですよ!この話、来週レヴューでしますけど、彼女これまで6回ノミネートされて勝ってないんですよね。この映画は、彼女の女優人生の集大成みたいなタイプの映画で、演技、すごい完璧なんですよ。弱い年だったら間違い無く早々と受賞決めてるくらいの感じなんですが、それが接戦になってるからちょっとドキドキします。どうやら、この映画での彼女の演技のファンがかなりいるらしいので、押し切って欲しいですけどね。
あと、この3人と評判のいいメリッサ・マッカーシーは決まりとして、残りの一枠を誰が取るか。僕はエミリー・ブラントのメリー・ポピンズと見ますが、無名女優で英語じゃないものの、「Roma」で主演をしたヤーリッツァ・アパリシオ、あと、もうとにかく怖くて怖くてたまらない「ヘレディタリー」のトニ・コレットで争う感じでしょうか。
助演男優賞
マハーシャラ・アリ(グリーン・ブック)◉
リチャードEグラント(Can You Ever Forgive Me)◉
サム・エリオット(スター誕生)○
アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)▲
ティモシー・シャラメ(ビューティフル・ボーイ)▲
---------------------------------------
マイケルBジョーダン(ブラック・パンサー)▲
サム・メンデス(VICE)▲
ここもマハーシャラ・アリがSAGに勝てば王手です。最初、混沌としてたんですけどね。「ムーンライト」に続いて2年ぶり2度目の受賞か近づいています。
あと、「スタ誕」のサム・エリオットと、「Can You Ever Gorgive Me」のリチャードEグラントも何見てもノミネートされてるので大丈夫でしょう。
あとは、今や「スター・ウォーズ」のカイロ・レンの印象が強くなりつつあるアダム・ドライヴァーが「ブラック・クランズマン」で、昨年の「君の名前で僕を呼んで」の主演から今度は助演でティモシー・シャラメ君がノミネートされそうです。
気になるのは
「ブラック・パンサー」で一番人気だった、敵役キルモンガーを演じたマイケルBジョーダンがノミネートされるか、ですね。これ、仮にされなかったら「ブラック・パンサー」のファン、かなり騒ぎそうですけどね。SAGでノミネート逃して現状ではやや苦しいんですけど、さて、どうなるか。
助演女優賞
レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)◉
レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)◉
エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)◉
エイミー・アダムス(VICE)○
クレア・フォイ(ファースト・マン)▲
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エミリー・ブラント(クワイエット・プレイス)▲
ミシェル・ヨー(クレイジー・リッチ・アジアンズ)▲
ゴールデン・グローブ、クリティック・チョイスで勝ったベテラン黒人女優のレジーナ・キングが有力です。SAGはなぜかノミネート逃しましたけど、大丈夫でしょう。そこに「女王陛下」のエマとレイチェルのコンビが追いかけます。この3人は決まりでしょう。
あと、オスカーの会員に大人気のエイミー・アダムスも固い気がします。残る一つは・・クレア・フォイかなあ。ダイアン・チゼルの「ファースト・マン」、最初の下馬評は高かったんですけど、映画的に押しが弱い作風でなんか印象に残らなくてノミネート争いから脱落した印象があるんですけど、彼女の演技は強く印象に残ったのでノミネートあっていいと思います。
個人的には
「メリー・ポピンズ・リターンズ」で主演、「クワイエット・プレイス」で助演で期待されているエミリー・ブラントがノミネートあるか、ですね。展開によってはWノミネートも夢ではないし、逆にどっちもダメな場合もあり得る。現在を代表する演技派のすごくいい女優さんなんで、せめて一つはノミネートされて欲しいんですけどね。
では、オスカーのノミネートは22日の火曜。日本だと夜の10時過ぎですね。
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どうも。
ヴァンパイア・ウィークエンド、新作2枚組なんですってね。先行で2曲発表されるとか。
今年はフォールズも2枚出るし、THE1975も昨年のアルバムに続いて2枚目も出るし。ロックの中心になってほしい世代の人たちがまとまって出て活気付いてくれればいいですけどね。
では全英チャート、行きましょう。
SINGLES
1(1)Sweet But Psycho/Ava Max
2(3)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
3(4)Wow/Post Malone
4(-)Dancing With A Stranger/Sam Smith feat Normani
5(5)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
6(2)Thank You Next/Ariana Grande
7(-)Giant/Calvin Harris feat Rags N Bone Man
8(11)Play/Jax Jones feat Years&Years
9(-)Lost In The Fire/Gesaffelstein feat The Weeknd
10(10)Without You/Halsey
今日は4曲もトップ10入り。ざっと見てみましょう。
いずれもこれ注目曲ですけど、キャルヴィン・ハリスのヤツを除いた3曲は好きですね。
サム・スミスは注目の女性R&Bシンガー、ノーマニとのデュエット。彼の曲では久々に気に入りましたね。
キャルヴィン・ハリスのヤツはラグスン・ボーンマン使って、90年代前半のゴスペル・シャウト1発ハウスみたいな感じですね。そういう感じそのものが苦手だったんだよなあ。
ジャックス・ジョーンズはイヤーズ&イヤーズとの共演ですがY&Yの中ではかなり好きな方です。
ウィーケンドはフランスのDJジェサフェルスタインとのコラボですが、これ、まんまウィーケンドの新曲ってことでいいと思います。あまりにそのまんまなので(笑)。
ALBUMS
1(1)The Greatest Showman/Soundtrac
2(2)Staying At Tamara's/George Ezra
3(4)Bohemian Rhapsody/Queen
4(3)A Star Is Born/Soundtrack
5(6)Always In Between/Jesse Glynne
6(5)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac
7(8)Mama Mia Here We Go Again/Soundtrack
8(7)Odyssey/Take That
9(12)Dua Lipa/Dua Lipa
10(13)Divide/Ed Sheeran
まだリリース・ラッシュ前なので、そんなに変わらないですね。
では来週入ってくるであろう、この人のアルバムから。
ジェイムス・ブレイクの新作「Assume Form」からトラヴィス・スコットとメトロ・ブーミンの共作で。
ジェイムス・ブレイクって間違いなく才能はあるのに、アルバムになるとなんかエクスペリメンタルの殻に閉じこもるような感じに聞こえてなんか歯がゆいところが個人的にあったんですけど、ヒップホップでの客演仕事をこなしているうちに、ようやくいい意味でのポップ・テイストが安定して出せるようになりましたね、今回のアルバムで。大衆的にアピールできて、昔からのファンも喜ぶ、かなりパワフルなアルバムになったような気がしてます。
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どうも。
検索かけてると、日本でも話題になってるようですね。おそらく欧米圏ではもっと、じゃないかな。これです!
はい。現在、ネットフリックスで世界的人気番組になっています「Tidying Up With Marie Kondo」。現在、ネット上では、「ときめき」の英語訳「spark joy」がちょっとした国際的流行語になっています。すごいことですよね。
実はですね、これ、我が家でもかなりヒットしました(笑)。ブラジルでは彼女の本は出ていないのでコンマリさんのことは知らなかったんですが、僕がしょっちゅうチェックしているMetacriticのサイトで放送開始前に採点されているのを見て、「なんだ、これ?」と気になっていたらワイフが別のところで発見していて、僕に言われる前にもう見てました。そうしてたらどうやら番組効果はてきめんだったようで、先日、うちがリフォームした話はここでもしましたが、そのあと、ワイフは「コンマリ・メソッド」を守る形で、本当に家がキレイになったんですよ。しかも持ってた本の断捨離までやっちゃって。我が家での影響は否定できません。
ただ、個人的にこの番組を見返したり、白人のアメリカ系ブラジル人のワイフの行動を見て改めて思ったんですけど
とは思ったんですよね。
そのことについて分析することにしましょう。
?欧米人は「癒し」好き
まず、この番組見て思うのは「片付け」を「癒し」と結びつけているところですが、これがすごく欧米人の心を刺しているんですよね。
欧米圏で生活してても、うちのワイフの家族(ちなみに義父ウルグアイ人の義母アメリカ人)の行動見てても思うんですけど、日常から「心の平静」求める動きは良く見られます。うちの家族はそこまででもないですが、サイカイアトリスト(セラピスト)に定期的に相談してる人、少なくないですし(映画とかでもよく出てくるでしょ)、後、街を歩いても「therapeutic」(「癒し」の英語。healingよりはこっちを聞きます)を謳ってマッサージのビジネスやってるものとかもよく目や耳にするものです。
そして、「片付け」にもこの効果、あるんです。欧米人の場合、日本における「年末の大掃除」をするときにresolution(決意)と呼んで、かなり精神的なものと捉えてやる傾向があるんですけど、いわゆる「コンマリ・メソッド」というのは、欧米人が「大きな片付け」に抱きがちな「精神的な身辺整理」に訴えるところがあるんですよね。そこのところは「今年の汚れ、今年のうちに」の日本よりはスピリチュアルな道義付けが強いような気が、はたから見ていてしますね。ましてやそれが、それまで掃除を怠って久しくやってなかった人だったりするわけでしょ?なおさらだと思います。
?東洋的な神秘さがあって、従来のものと強く差別化できた
あと、「片づけができない!」となったときのお助け役が「遠くアジアの国からやってきた人」という神秘性が利いてると思います。これが、アメリカのどこにでもいるような普通の白人でも黒人でもラテン系でもダメだったろうと思います。
それに、似たような番組なら欧米ですでにありました。それが
この「スーパー・ナニー」という、イギリスの家事のエキスパートが、小さい子どもが暴れまわってメチャクチャになった家のお手入れをして一件落着、みたいな番組だったんですね。今思うに、「イギリス人の家政婦さん」ですからメアリー・ポピンズのイメージだったのかなという気がします。これはこれでそこそこ人気で、ピーク時、10年少し前かな、には日本でも放送やってたし、その後も人を変えて細々やってたようですけど、たとえば白人で別の同種の番組作ったら、間違いなくこれと比較されてしまい、差別化が難しかった、というのがあったと思います。
そこに、コンマリさんが、「日本、アジア」のイメージで現れたのが好都合だったんじゃないかと思いますね。たとえば、マッサージ業なんて見てても、インドとか東洋のものが人気あるじゃないですか。それはやっぱり、「得もいえぬ未知の力」という一種のブランドに利用者が惹かれるからだと思うんですけど、この番組の場合、?にも書いたように、「片付けによって心の安らぎを得たい」という人が対象なわけですから、マッサージと同じように、「日常の生活では、あまりお目にかからないようなタイプ」のものの方が興味をひきやすかった、というのはあったと思います。
特に彼女、片付けに入る前にこうやって祈るでしょ?こういうのも効果的なんですよね。片付けに来られた家族がこれをやられるたびに、最初「えっ、なに、どうしたの?」って一回なる。そういうミステリアスなインパクトを与えられてるのがいいと思います。
?コンマリさんが、「欧米人が思い浮かべやすい典型的日本人」だった
あとですね
このコンマリさん自身がですね、非常に「欧米人が思い描きやすい典型的な日本人っぽい感じ」なのも、わかりやすくていいんだと思います。黒髪のやや長めのボブに、切れ長の目。なんか日本人形っぽいじゃないですか。この風貌って
こんな風に漫画としても描きやすいですからね。特に欧米での日本のイメージに「マンガ」ってしっかりありますから、そのイメージにも沿いやすいんですよね。
そして、風貌以上に「日本人らしい」のが
このように、いつも背後に通訳さんがついてることですね。欧米のリアリティ・ショーのホストに通訳ついてる光景って初めてみましたね。これ、ポジティヴにもネガティヴにも両方取れるんですけど、これがまた「日本人らしい」んですよ!
ここでのコンマリさんは、大半を日本語でしゃべって、たまに英語を話すと、もう思いっきりカタカナ発音の英語なんですね。で、肝を後ろの通訳の人が訳すんですけど、これがすごく日本人らしい。なんか、団体観光客っぽいんですよね(笑)。
これ、見る人によっては「カッコ悪い」と思う人もいると思うんですが、でも、国際的な視聴的にはこっちのスタイルの方が覚えやすいんですよね。「ああ、あの通訳つけてる日本の女の人」という方が、なまじスラスラしゃべれてしまう人よりも絵的なインパクトがあるというかね。
で、この通訳さんが結構出来る人なんですよ。訳の返しが早いし、コンマリさんの口調通りに真似して訳すんですね。これが画面見ないで耳だけで聴いた場合に違和感もないしテンポもいい。彼女が案外重要な気がしてます。
?コンマリさんの言動が「kawaii」カルチャー的
あと、これも「日本人っぽい」感じに連なるんですが、コンマリさんって喋り方とかボキャブラリーがすごく「kawaii」カルチャー的なんですね。
欧米圏だとコスプレもそうだし、キティちゃんもそうなんですけど、そうした文化が「kawaii」という単語で紹介されてるんですね。サンパウロあたりだとに日系人多いから、そういうタイプの専門の店とかありますからね。
そのイメージにもコンマリさん、合うんですよ。それは、あの甲高い声での喋り方とかもそうだし、クライアントの家がキレイになった時の、「ワーワー、キャー!!」っていう騒ぎ方とかね。この感じも、ハリウッド映画やアメリカのテレビで日本の女の子風刺するときによく使われるパターンです。
そして、その最たるものが
スパーク・ジョイ!
これは「ときめき」という、これまた英語の概念にない、日本独自の、勢いkawaii系のものと相性の良い類の言葉ですけど、これを「スパーク・ジョイ」という独自の英語にしてしまって決めフレーズにしてしまっているところなんかは非常にうまいです。しかも、この人さしゆびでポーズも決めることで後押し。こういう感覚、日本以外で見ませんもん。僕も普段の生活してて、テレビから日本っぽい映像なんて流れてこないじゃないですか。だから、コンマリさんがこのポーズ決めながら「スパーク・ジョイ!」なんて言われると、「すごい懐かしい感じだな、これ」と思ったし、こういうのになじみのない欧米視聴者には珍しいんじゃないですかね。
?ストーリーが古き良きホームドラマ
このショーが「5つのポイント」で話を進めるので、僕もポイントを5つにしましょう。
これ、話が毎回パターンが決まっていて、ちょっと倦怠していた夫婦や、自分たちを見失ってバラバラになっていたような家族が片付けを通して、昔のものなんかを見つけていくうちに愛情や絆を取り戻していくという、古き良きホームドラマみたいなプロットなんですね。これを成し遂げた後、「ありがとう。マリー(リにアクセント。マリエとは呼びません)」と言われてコンマリさんが去っていく、みたいな感じです。
そこにいろんなファミリーでてくるんですよ。おじいさん・おばあさんから30代前半の若夫婦。子供が中高生の生意気盛りとか。人種も様々です。このドラマの数々のネタが尽きない限りはこれ、続くんじゃないかな。これが見ててホッコリする要素なので。
この「Tidying Up With Marie Kondo」、欧米ではバカあたりしてまして
こんな風に、このところ毎日のようになんか記事でてますね。広いでしょ。BBCにBuzzfeedにVanity Fairですからね。関心度、相当高いです。
このショーですが、僕の読みだと、後2シーズンは大丈夫でしょう。とりわけ第2シーズンの始まりの注目度はかなり高いはずです。
ただ、懸念があるとすれば、5でも言ったように、これ、基本的なプロットのパターンが同じなので「飽きられないかな」という心配がややあることですね。後、コンマリさん自身、もう家族でアメリカに引っ越してきてる(赤ちゃんの娘さん、かわいい!)んですけど、それで英語も上手くなるとは思うんですけど、番組キャラ的にはあえて上手くならない方がいいような気がしてます。
僕はこれ、かなり成功したんじゃないかと思います。
]]>この番組、非常に興味深くてですね、僕もみようと試みたんですが、なにせ、まだアメリカ以外で直接ネットしているものがなく、誰かが録画したものがネットに落ちてないか調べたんですけど、これも最近、取り締まりが強くて難しい上に、これ、全六回6時間もあるんですよ!プラス、話の内容が内容なんで、ちょっとついていけるかどうかも自信がありません。
1. 1994年、15歳だったアリーヤと結婚
2. 1996年 未成年女性と関係を持ったことで訴訟
続いて1996年、1991年に15歳の女の子と性的関係を持った過去で訴えられます。これはRケリーがまだ売れる前の話ですが、彼が地元シカゴの学校の合唱クラスに訪れた際に知り合った女の子に手を出していた、というものです。
3. 2001年3月 未成年の少女とのセックステープ流出
4. 2001年8月 未成年インターンとのセックス疑惑
前の件からわずか5ヶ月、今度はエピック・レコーズにインターンで勤めていた17歳の女の子とセックスした疑惑が持たれました。彼女はどうやら実名を明かして証言したようですね。
5. 2002年2月 14歳の少女とのセックステープ、また流出
シカゴの新聞、シカゴ・サンタイムスが、Rケリーが、3のテープの別のヴァージョンを手に入れて、さらに警察に通報しました。この時は、3の件での女の子が14歳の時に録画されたものだということが判明(この報道時は17歳)していたそうです。
で、これを当時報じた記者の話がえげつありません。
「Rケリーはヴィデオの中で少女に”ダディと呼べ”と言った」「彼は彼女の口の中に放尿し、”ギフトを受け取れ”と姿勢まで指示した」
6. 2002年4〜5月 少女の妊娠疑惑
この時は2人の女性から訴えられます。
7. 2002年6月 児童ポルノ利用疑惑
今度はRケリーが児童ポルノを21点利用していた疑惑が浮上します。その中にはオーラル・セックスや飲尿シーンなども含まれていたそうです。
この件は裁判まで行きましたが、14件も証拠があったのに無罪になっています。
8. 2002〜2004年 児童ポルノの別件で逮捕
さらに12点の児童ポルノの摘発で逮捕。この時はフロリダの別宅で逮捕され、そこで証拠が出てきたとのことです。
これが一番驚くんですけど、ここは今回でも強調されて報道されてますね。証言者もかなり目だってます。
それによるとRケリーは、未成年の少女たちを集めて、そこで寝泊りさせて、通常はジャージしか着せず、親との連絡をたつため、携帯電話などを没収もさせていたとのこと。
さらに彼女たちに、食事の仕方、服の着方、風呂の入り方、寝方までを指導していたと報じられました。
10.2017年8月 またまた未成年少女との疑惑
今度もまた未成年の女の子よの疑惑が生じます。訴えたのはジェーロンダ・ペイスという16歳の女の子で、またも無断でセックステープが録画されたとのことでし殻た。
11. 2017年10月 肉体的かつ性的暴行疑惑
今度は2011年から13年まで交際していた女性、ダラスのラジオDJ、キティ・ジョーンズが、交際中、セックスを強要された上に暴力までふるっていたことをローリング・ストーン誌にタレコミました。
12.2018年3 友人に少女をスカウトする役をやらせる
2018年3月には、ケリーの元友人のラヴェル・ジョーンズに、ケリーの家に連れてくる10代の女の子たちをスカウトさせていたことを暴露されます。
13. 2018年4月 女性に性病を感染させる
先ほどとは違うダラスの女性が、ケリーから性病を感染された、しかも彼は感染の可能性があることを知っていながらわざとやったと訴訟を起こされます。
14. 2018年5月 またまた訴えられる
5月14日、BUZZFEDDが2人の女性が「17歳の時に性的虐待にあった」と訴えていると報じ、さらに同日のワシントン・ポスト紙がそれとはまた別んお女性2人が訴訟を起こしていると報じます。
15 2018年10月 元妻が家庭内暴力被害をテレビで訴え
1996年から2009年の離婚成立まで妻だったアンドレア・ケリーがABCテレビに夫婦時代に受けた被害を告白。「ベッドに手足を縛りつけられ暴力を受けた」と告白しました。
16.2019年1月 ドキュメンタリーが放送に
「Surviving R.Kelly」放送。上記以外の余罪も明らかに。
・・・なんか、人間不信になりそうですね・・・。
「Surviving R Kelly」では、このように次々と女性たちの証言が語られていきます。これが6時間続くとなると・・ちょっとさすがにねえ・・。
さらに
実の娘のジョアン・リー・ケリーも番組の放送を受けたインスタグラムの中で「父はモンスターだった」と語り、何のフォローもしません。ケリーとはもう何年も口を聞いていないそうです。
今や、このドキュメンタリーの放送を受けて、かつてケリーと共演したことのあるレディ・ガガ、セリーヌ・ディオン、チャンス・ザ・ラッパーなどが楽曲の取り下げを申し出て、ジョン・レジェンドに至っては番組に出演してケリーを批判していたりしています。同じシカゴ出身の彼からしたら「僕のヒーローだったのに」ということにもなりますね。実際にそう言って批判しています。
こういうことが明らかになってしまった後では、彼の曲を紹介するのも忍びない感じなんですが、youtubeを見ると、明らかに最近聞かれてますね。
例えばマイケルのこの曲もRケリーの曲なんですけど、コメント欄見ると「”キミだけじゃないんだ”って、まるでマイケルが同じ小児性愛者の仲間みたいで曲が汚れちゃったじゃないか」という発言をコメント欄でみますね。
さらにこの「Down Low」という曲では、アイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーとの共演曲なんですが、ロナルド扮するマフィアのボス・ミスター・ビッグスの愛人と禁断の恋に落ちたケリーが車椅子生活を報復として受け、愛人も暴力を受け死んでしまうというメロドラマだったんですが、これもコメント見てると「Mrビッグスはケリーの未来を暗示していたんだ」という書き込みがありましたね
ただ、コメント欄見てると悲しいんですよね。「ちくしょう。わかっちゃいるけど、どうしても良い思い出が消せないんだよ」「どうしてもビデオ見るのやめられない」「こっそり聴き続けるからね」という泣けるファンのコメントが多くてね。そういう人たちの心を傷つけた意味でも、やっぱりこれは重いですよ。
これまで疑惑を全部否定し続けてきたケリーですけど、どうするんでしょうね。
どうも。
アリシア・キーズ、グラミー賞の司会、決まりましたね。グラミー、司会いなくなって長いんで違和感あるんですけど、がんばっていただきたいですね。
では、全米チャート、行きましょう。
SINGLES
1(3)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
2(1)Without Me/Halsey
3(2)Thank You,Next/Ariana Grande
4(4)Sicko Mode/Travis Scott
5(5)High Hpes/Panic At The Disco
6(6)Happier/Marshmello&Bastille
7(7)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B
8(8)Drip Too Hard/Lil Baby & Gunna
9(11)Eastside/Benny Blanco,Halsey&Khalid
10(9)Ze Ze/Kodak Black feat Travis Scott&Offset
ポスティの「スパイダーマン スパイダーバース」の曲が1位となりました。今回のこのアニメ、すごい評判いいんですよね。今週末、見ようかと思ってます。
9位の「Eastside」はちょっと前にイギリスで流行ってましたね。アメリカで少し遅れてトップ10入りです。
では圏外に行きましょう。31位上昇中のこの曲で。
去年の10月ごろから解禁されていた曲ですが、あがってきていますね。
僕は彼女のことは、どうも「事務所の力で売れている」というイメージが拭えないのと、お世辞にもうまいとは言えない歌のせいでどうも苦手なんですが、ディプロ・パワーでどこまでいけるか。あと、スウェイ・リーはミーゴス並の引っ張りだこですね。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(2)Hoodie SZN/A Boogie Wit Da Hoodie
2(1)I Am> I was/21 Savage
3(5)Spiderman Into The Spider Verse/Soundtrack
4(3)Championships/Meek Mill
5(4)beerbongs & bentleys/Michael Buble
6(7)Astroworld/Travis Scott
7(10)A Star Is Born/Soundtrack
8(6)Scorpion/Drake
9(9)Dying To Live/Kodak Black
10(137)Platinum Collection/Queen
ニューヨークはブロンクスのラッパー、ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディが1位をとりました。彼にとって初の全米ナンバーワンです。聴いてみましょう。
正直、個性には欠けるとは思うんだけど、まだ勢いあるんだろうね、トラップも。
あと10位のクイーンのベスト盤詰め合わせは、間違いなくゴールデン・グローブ効果ですね。
]]>
どうも。
では、noteでは初となります映画評行きましょう。これです!
「メリー・ポピンズ・リターンズ」。1964年に公開され大ヒットしたディズニー・ファンタジーの続編です。僕の世代だと、原作本、児童図書で読んでたりもしましたけど、最近はどうなんでしょう。これはジュリー・アンドリュース主演による映画版も大定番なんですけど、このたび、そのオリジナル版に対して実に54年ぶりの「続編」ということで、これが制作されました。果たしてどんな感じなのでしょうか。
早速あらすじから見てみましょう。
舞台は同じロンドンなのですが、時は1935年。前作からは25年の月日が立っていました。
街には煙突工事職人のバートはいなくなっていますが、彼の生き写しのようなジャック(リン・マニュエル・ミランダ)は自転車をこいで何でも屋的に働いています。
民家を揺らす海軍の大砲も相変わらずです。
ただ、前作のときに子供だったジェーン(エミリー・モーティマー)とマイケル(ベン・ウィショー)のバンクスさんちの姉弟はすっかり大人になっていました。ジェーンは独身ですが、マイケルは3人の子供の父親となり、相変わらずバンクス家のお屋敷に住んでいましたが、つい最近、最愛の妻を亡くしていました。
そして、恐慌に伴い、ローンの支払いが難しくなり、それを理由にマイケル一家はお屋敷を追い払われる危機を迎えていました。銀行家ウィルキンス(コリン・ファース)から脅される日々を迎えていました。
心配したマイケルの子供たち、アナベル、ジョン、ジョージーはパパを助けたいと願っていたいと思いながら外で遊んでいた時、ジョージーの持っていたタコが強風で飛ばされます。
すると、その先には、傘に乗ってある女性が地上に降りてきました。それがメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)でした。
25年前と同じようにバンクス家にやってきたメリーは、以前と同じように、マイケルの子供たちを魅了していきます。そこに芸達者のジャックも一緒に共演して盛り上げます。
そうしているうちにローン返済の期日は近づいてきますが、彼らはどうやってこの危機を・・・
・・と、ここまでにしておきましょう。
これはですね。
「シカゴ」なんかでおなじみの監督ロブ・マーシャルが今回監督を手掛けているんですが、
オリジナルのイメージにかなり忠実に作られています!
前作で言うところの
こういうイメージは、かなり近いニュアンスで表現されてますね。
ちょっと今の目線で見たら、レトロなアナログ感はあるんですけど、それが今見ると逆に新鮮だし、確固としたオリジナリティとしてしっかり機能できています。なんかですね、CG使うより温かみがあるんですよね。僕はこの「メリー・ポピンズ」だったり「オズの魔法使い」って、デジタルが使えない時代に、人の生身の創造性だけで精一杯の表現をしたからテクノロジ_を超えて今まで生き続けているんだと思っているんですが、その良さは継承されてますね。
しかも、前作のモノマネにならず
リン・マニュエル・ミランダがうまいんだ!
さすがは「ハミルトン」で当てた人だけのことはあります。あのラップ調というか、トーキング調というか、「ハミルトン」でのあのリズム感が、今回のミュージカルに新たなグルーヴ感を加えるのに成功しています。
そして
エミリー・ブラントも歌、頑張ってましたよ!
そりゃ、ジュリー・アンドリュースみたいなミュージカルのプロ中のプロと比較するのは酷ですけど、今のイギリスの女優さんで、演技面で言えば最も演じるべき人だったわけですからね。イメージそのものは本当にピッタリだったし、特別上出来というわけではなかったけど、プロじゃない割には歌とダンスも合格点でしたね。
さすがに前作は歴史的傑作だったので、比較するには無理があります。今も言ったようにジュリー・アンドリュースは真似できるものではないし、さらに言えば、メリーの設定自体も、前作のような「フェミニストの元祖」みたいな描き方も弱い。さすがに前作は「婦人参政権運動」というわかりやすいモチーフのある中で話を進めたので絡めやすかったんですけど、そこの主張は今回できなかった。MeToo運動の後なので、何かあってもよかったような気はしないではないですが。でも、これ
何はともあれ、キッズあっての映画です!
この子たちが、もう、かわいいの何の!そして、見ててメリーに魅了されていく様と彼女に対しての好奇心が見てていじらしい。この点に関して言えば、前作よりむしろ上かもしれません。
あと、うちの子供の反応見ても思ったんですけど、前作が54年前のものとかそんなこと関係なしに、素直に楽しんでましたよ。特に上の子なんてコンピューター・ゲーム始めてる年齢になってますけど、関係なしにすごく入り込んで見てました。そういう光景見てると、54年も待たずにさっさと続編作ってシリーズ化して子供たちの定番にしてしまえばよかったのに・・とさえ思いましたね。この魅力は普遍的なものですよ。いつの子供にとってもこういう存在あって欲しいんですけどね。
そして、ラストに付け加えることがあるとすれば、今回のこの映画、
「54年前の伝説」が一瞬蘇ります!
これ、もう国際的にバレてしまっていることではあるんですけど、オリジナルを知っている方なら、もう手を叩いて喜ぶシーンが出てきます。そして、あえて言うなら「よくぞ、ここまで生きていてくれた!!」。そう思うと、結構胸打たれてジーンとくるところでもあります。さあ、なんでしょうね。
この映画ですが、オスカーの作品賞ノミネートあると思ってたし、僕も満足度高いので、されても文句はないんですけど、どうもギルド系のアワードでノミネート漏れが続いてるんですよね。ちょっと苦しいかな。でも、そんなこと関係なしに楽しい映画ですよ、これ。小さいお子さんがいらっしゃるような方はなおさら見に行ってください。日本公開は2月1日からのようです!
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どうも。
これもオスカーの前哨戦の大きな目安になります。ブロードキャスト・クリティック・チョイス・アワーズ。この授賞式が13日に行われたんですが、まあ、ほぼ予想通りの結果でしたね。
作品賞「Roma」
監督賞 アルフォンソ・キュアロン(Roma)
主演男優賞 クリスチャン・ベール(VICE)
主演女優賞 レディ・ガガ(アリー/スター誕生)
グレン・クロース(The WIFE)
(二人同時受賞)
助演男優賞 マハーシャル・アリ(グリーン・ブック)
助演女優賞 レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
脚本賞 First Reformed
脚色賞 ビール・ストリートの恋人たち
撮影賞 Roma
編集賞 ファースト・マン
美術賞 ブラック・パンサー
映像効果賞 ブラック・パンサー
衣装賞 ブラック・パンサー
ヘアメイク VICE
アニメ賞 スパイダーマン スパイダーバース
外国語映画賞 Roma(メキシコ)
という感じですけどね。
クリティック・チョイスが実質的に最後の批評家賞になるんですけど、そうなるとやっぱり「Roma」強いですよ。12月からずっとダントツの強さでしたからね。
ただ、ここから、オスカーの会員の大半が選ぶ組合(ギルド)系のアワードで勝てるか、なんですよね。ここが気になるところです。この映画の場合、ハリウッドがやたら嫌うネットフリックス配給の上に、完全なる外国語映画でしょ。これまでのオスカーの歴史で映画じゃない映画が作品賞を受賞したこともない。その辺なんですよね。これが作品賞取ると本当の意味での「多様性」になると思うんですけど、ギルドのメンバーがそう判断するかですよね。
そのためには、19日に行われるプロデューサーズ・ギルド・アワード(PGA)、これが運命決めると思います。「三大ギルド・アワード」のうち、俳優ギルドのSAGでは作品賞ノミネートはすでに逃しているし、監督ギルドのDGAに関しては勝つでしょう。なので、残る一つを取ると取らないのでかなり違います。勝てればオスカー作品賞はほぼ堅いでしょうね。
あと、俳優系に関して言えば、27日に行われるSAGで決まると思うんですが、助演男優、助演女優はゴールデン・グローブと結果が同じだったので、SAGでマハーシャラ・アリとレジーナ・キングが勝てば王手でしょうね。
ただ、主演男優、主演女優はまだわからないですね。
主演男優なんですが、「VICE」のクリスチャン・ベール、「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレク、「スタ誕」のブラッドリー・クーパー、「グリーン・ブック」のヴィゴ・モーテンセンの一騎打ちですね。ただ。ゴールデン・グローブとCCに勝ったことでSAGで勝つとベール、王手かな、という気はしてます。
主演女優はここでもガガに、GGでガガに勝ったグレン・クロースが迫ってきましたね。グレンさん、過去6回だったかな。オスカーにノミネートされて受賞経験がないので、同情が行きそうです。そこに「女王陛下のお気に入り」の女王様、オリヴィア・コールマンが加わりそう。いずれにせよ、これもSAG次第ですね。
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noteだと初の全米映画興行成績ですね。レイアウト見やすいので、noteで読まれる方が増えるかと思いますが、そういう方は是非一つ、フォローの方、お願いします(笑)。
1(-)The Upside
2(1)Aquaman
3(-)A Dog's Way Home
4(5)Spider Man Into The Spider Verse
5(2)Escape Room
6(3)Mary Poppins Returns
7(4)Bumblebee
8(16)On The Basis Of Sex
9(6)The Mule
10(6)Vice
初登場で1位は「The Upside」。こんな映画です。
これ、想像できる人も少なくないかと思われますが、
2011年に世界的に大ヒットしたフランス映画「最強のふたり」のリメイクです。すごく有名で人気のあった作品だけに内容、気になるところですが、下半身付随の大富豪役に「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン、そして黒人介護士に、先日、オスカーの司会をLGBTをからかう発言が元で辞退して話題のケヴィン・ハートが勤めています。
この時期なので、興行的数字も1900万ドルと低いんですけど、評判んも芳しくありません。Metacriticで44点、RottenTomatoesでも40点。ただ、RTのオーディエンス採点は良くて89点あるんですよね。見ると案外、楽しめる作品なのかもしれません。
3位初登場の「A Dog's Way Home」はこんな感じです。
これはどうやらアメリカでベストセラーになった小説が元になったもののようでして、ストーリーは単純。可愛がってた犬が間違って逸れてしまい、戻ってくるまでの話です。人間側の主役は飼い主のアシュリー・ジャッドなんですが、犬がナレーターになっているようでして、それをブライス・ダラス・ハワードが勤めています。
こちらなんですが評判はまあまあですね。Metacriticで50点、RottenTomatoesで60点ですが、こちらもオーディエンス採点が89点と客ウケがいいですね。
8位の「On The Basis Of Sex」はこんな感じです。
これは、現在も健在で活躍中のアメリカの最高裁判事、
ルース・ベイダー・ギンズバーグ、イニシャルでRBGとも呼ばれている、アメリカ国内で絶大な尊敬を受けている彼女の伝記映画です。年齢、85歳ですよ!彼女に関しては昨年もドキュメンタリー映画が公開されて、それが週間興行でトップ10に入るほどの異例のヒットになっていました。そのことはこのブログでも紹介しています。
この映画では、演技派として注目されています、フェリシティ・ジョーンズ、以前はホーキング博士夫人を演じてオスカーにもノミネートされた、僕も好きな女優さんなんですが、彼女がRBGを演じて話題となっていました。
評判なんですが、そこそこいいんです。Metacriticで60点、Rottentomatoesで71点。ただ、この内容でオスカーにかからなかったということは、ちょっと押しが弱かったのかなあ、という感じなのでしょうかね。
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イギリスものが続きますが
毎年2月恒例のブリット・アワードのノミネートが発表されました。こんな感じです。
British Male
Sam Smith
Craig David
Aphex Twin
Giggs
George Ezra
これ見ると思い出すんですけど、ブリットって、未だに「男性歌手」、「女性歌手」という、もうグラミーでさえロック部門だと廃止してしまった部門が残ってるんですよね。で、もう、その「男性ソロ」での人材の少なさを思うわせるノミネートですよね。エイフェックス・ツインって、そもそも歌、歌わないだろ(笑)。
British Female
Florence + the Machine
Jorja Smith
Anne-Marie
Lily Allen
Jess Glynne
イギリスらしい顔ぶれですね。本当にクリーン・バンディッツの歌姫はこの国では強くて、アン・マリーとジェス・グリンが揃ってノミネートですね。
British single
One Kiss/Calvin Harris & Dua Lipa –
Shotgun/George Ezra
These Days (feat. Jess Glynne, Macklemore & Dan Caplen)/Rudimental
IDGAF/Dua Lipa
2002/Annie-Marie
Solo/Clean Bandit
Lullaby/Sigala & Paloma Faith
Barking/Ramz
I’ll Be There/Jess Glynne –
Leave the Light On/Tom Walker
British Video
2002/Anne-Marie
One Kiss/Calvin Harris & Dua Lipa
Solo (feat. Demi Lovato)/Clean Bandit
IDGAF/Dua Lipa
Breathe (feat. Ina Wroldsen)/Jax Jones
Rise (feat. Jack & Jack)/Jonas Blue
For You (Fifty Shades Freed)/Liam Payne & Rita Ora
Woman Like Me/Little Mix
Let You Love Me/Rita Ora
These Days (feat. Jess Glynne, Macklemore & Dan Caplen)/Rudimental
ここでも、アン・マリー、ジェス・グリンに加えて、ドゥア・リパとかリタ・オラ強いですね。ただ、どれも「フィーチャリングに強い」という印象だけで、本人自身の個性が今ひとつ強くない人ばかりですけどね。個人的にはそこが物足りないかな。
British Breakthrough
Mabel
Idles
Ella Mai
Tom Walker
Jorja Smith
R&Bの女の子たちが並ぶ中で、いきなりアイドルズみたいな熱い野郎のバンドが受賞とかだったらウケますけどね。そんなことあったら、ブリット、見直しますけど(笑)。
British Group
Arctic Monkeys
Gorillaz
The 1975
Little Mix
Years & Years
バンドとアイドル・グループ、混ぜても平気な感じがブリットっぽいですけど、ここをアークティックが取るかThe 1975が取るか。見ものだと思ってます。どっちが今のイギリスのトップ・バンドかってことで。
International Group
The Carters
First Aid Kit
Brockhampton
Chic & Nile Rodgers
Twenty-One Pilots
なんか思い切り統一感がないですね。カーターズというのはジェイZとビヨンセのコンビです。それはわかるんだけど、シック&ナイル・ロジャースという、かなり大胆なものもノミネートされてますね。
International Male
Drake
Eminem
Kamasi Washington
Shawn Mendes
Travis Scott
カマシも歌、歌わないけど、いいのかな?
International Female
Cardi B
Camila Cabello
Christine and the Queens
Ariana Grande
Janelle Monáe
いい並びなんですけど、クリスティーンだけがいい意味浮いてますね。やっぱりイギリス人、目線ゆえに、アメリカ人の方がいいのかな、この部門は。
British Album
Lost & Found/Jorja Smith
A Brief History of Online Relationships/The 1975
High as Hope/Florence + the Machine
Speak Your Mind/Anne-Marie
Staying at Tamara’s/George Ezra
ここでTHE 1975が取れば非常に嬉しいんですけど、ジョージ・エズラあたりに行っちゃうのかなあ。
ブリットの場合、すごく「今のイギリスの大衆ポップ」に賞が行き過ぎるきらいがあるのと、授賞式が水曜と、「そんな日、見れねえ!」な感じになるのが好きじゃないんですけど、ただ、僕の普段の観点とは違う感じではあるので、学ぶところはありますね。
授賞式は2/20(水)です。
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毎年、この年始は、この季節でもあるんですよね。
はい。イギリスのBBCがここ10数年、毎年やってる、今年ブレイクしそうなアーティストをランキング付けした「BBC Sound Of」。今週、月曜から金曜にかけてカウントダウンでトップ5をBBCのRadio1で紹介してましたけど、その結果を紹介しましょう。
5.Rosalia
第5位はロザリア。THE MAINSTREAM上では昨年の11月から何度となく扱っている存在なので、正直「今頃?」という気持ちもないわけではないんですが、売り出しはこれからのスペインのモダン・フラメンコの異端児です。僕の年間ベストでも14位に入ったアルバム「El MAl Quer」は名盤ですからね。
いつも「Malamente」ばかり紹介するので、今日はこちらで。マジで最高ですよ!
4.Slowthai
4位はラッパー、スロウタイ。あまり彼のバイオは詳しくないんですけど、人種超越したかなりクセの強いラッパーで、サウンドも流動的でフロウも耳にかなり印象的です。彼が1位になるのかな、と思ってたんですけどね。良いですよ。
このムラマサとのコラボになったこの曲、僕のSpotifyでの「今聴くべき曲」のリストにも入っています。
3.Grace Carter
3位はグレース・カーター。ネオ・ソウル的な女性シンガーソングライターのようですね。この系では、去年アメリカでヒットを放って一躍注目されたエラ・メイも今回エントリーされてた(トップの写真の上段左から2人目。ぶっちゃけ過大評価だと思うんだけどなあ)し、僕としては、この路線ならマハリア(下段の一番左)が一番良いと思ったんですけど、グレースをBBCは選んだようです。
これが今年、どこまで話題になるか。
2.KING Princess
2位はキング・プリンセス。この子は20歳になったばかりのアメリカ人ですね。去年のうちからBBCの名物テレビ音楽番組「Later With Jools」にもかなり先行で出てたりしていて、事前からかなり話題です。今時の「インディ・ロック女子」な感じで、ビリー・アイリッシュの対抗馬にさせたい感じが伝わります。華はあるし、LGBTアピールも強そうだから当たるとかなり大きいとは思います。
いいんですけど、気になるのは、メジャーがどこまで音いじらずに行けるか、ですね。オーヴァー・プロデュースになるようだと、「人気はあるけど、つまらない」感じになりかねませんからね。
1.Octavian
BBC Sound Of、今年の1位に輝いたのはフランス出身のラッパー、オクタヴィアンでした。去年の秋の時点でミックステープを出してて、これがもう一部で年間ベストに入っていたりしていたほど、話題になっていたようですね。BBCの話によると、激貧家庭育ちで14歳で母親から家から追い出され、ラップだけで這い上がってきた、という人だそうです。まだリリックをちゃんと読んでないのでなんとも言えないのですが、サウンド的にはアルバム、今時のアメリカの流行りと、UK、フレンチ・ヒップホップ的なハウス的なバックグラウンドがあり、さらに歌心もある感じですね。
さて、2019年が、この予想通りに果たして進むかどうか。注目してみていきましょう。
]]>SINGLES
1(1)Sweet But Psycho/Ava Max
2(2)Thank You Next/Ariana Grande
3(4)Nothing Breaks Like A Heart/Mark Ronson feat Miley Cyrus
4(5)Wow/Post Malone
5(3)Sunflower/Post Malone feat Swae Lee
6(18)18Hunna/Headie One feat Dave
7(8)Rewrite The Stars/James Arthur&Anne Marie
8(14)Hold My Girl/George Ezra
9(12)Lost Without You/Freya Ridings
10(11)Without You/Halsey
今週は2曲が初登場してきていますね。
4位にはHeadi Oneなるアーティストがトップ10に入ってきていますが、これはどちらかというと、今、イギリスでかなり人気が盛り上がっていますブリティッシュ・ラッパー、Daveを盛り上げるためのものではないかなと思われます。
それから去年、イギリスで大人気でした、ジョージ・エズラのニュー・シングル。去年ヒットした「Shotgun」も先週再ヒットして再トップ10入りしてましたが、続いてますね。ネクスト・エド・シーランになれるか?
では、圏外見てみましょう。42位初登場のこの曲で。
Bring Me The Horizonのニュー・シングルですね。
アルバムが再来週にもリリースされますが、あまりシングル向きとも思えないタイプのラウド・ロックの彼らがこの順位で初登場してることを考えると、アルバム、かなり売れますね、これは。僕は彼らのことを「ラウドロック界のTHE 1975」と呼んでるんですけど、これもかなりエレクトロ・ポップに寄ったタイプの、かなり野心的な曲です。この前の「Mantra」って曲もかなりひねりがあって面白かったんですけど、アルバム、果たしてどうなってるか。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(1)The Greatest Showman/Soundtrac
2(2)Staying At Tamara's/George Ezra
3(4)A Star Is Born/Soundtrack
4(6)Bohemian Rhapsody/Queen
5(8)50 Years Dont Stop/Fleetwood Mac
6(7)Always In Between/Jesse Glynne
7(3)Odyssey/Take That
8(9)Mama Mia Here We Go Again/Soundtrack
9(15)What Is Love/Clean Bandits
10(14)The Platinum Collection/Queen
さすがにこちらはまだリリースがない時期なので動きがないですね。1/11の配信開始のアルバムも目立ったリリースがないので、このままこの状態がもう1週続くかと思われます。
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では、どうぞよろしくお願いします。
まだ、机に腰を落ち着けラれない状況なので、長い記事が書けない状況なのですが、一言だけ。
僕のSpotifyのプレイリストで一番シェアする人が多い「Songs That You Should Know By Now」、今年ヴァージョンとして、すべて新曲に更新しました!ラナ・デル・レイの解禁になった新曲を筆頭に、20曲くらい、ほとんどが今年になって解禁された曲で構成されています。お楽しみください。
来週はほとんどが映画評、そして再来週はオスカーのノミネート発表となります。お待ちください!
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家のリフォーム、もうすぐ片付きますが、部屋の中が新聞紙だらけで、寝場所は相変わらずソファです。今週末で終わるみたいですけど。
あと、「ボヘミアン・ラプソディ」のゴールデン・グローブ受賞とか、オスカーのこととか最初書くつもりだったんですけど、他で書くことになったので、そっちでお楽しみください。
いやあ、それにしても、こないだの「時を超えるアンセム」での投稿の件、個人的にはいろいろ考えさせられてますね。あそこのコメント欄に寄せられた6人の方々(ありがとうございます)の証言を読むに、「2010年代、日本の洋楽メディアは何をやってたんだ?そこまでひどかったのか・・」と、ものすごくガッカリしていますね。僕の日本との接点はfacebookだけなんですけど、そこだと僕の親しい人ばかりじゃないですか。僕の周囲には尊敬できるタイプの若い音楽ジャーナリストの方々も少なくないし、ツイッターでフォローしている音楽ファンの方たちもすごくマニアックな年間ベストを作っていたりするのを読んでいたりもして、少し楽観していたところもあったんですけど、紙媒体の情報の劣化があそこまでひどいとは・・。2000年代に僕がまだ日本にいた時も、「英米に比べて情報遅れすぎだよ」とイライラしてたんですけど、なに、ここ5年で、新しい人の表紙がテイラーとエドだけ??
あと、ロッキング・オンだけじゃなくて、BURRNの近年の人気投票というのも見ましたけど、「マジで??」って感じでしたね。僕の世代、あるいはそれよりも年上の人は「洋楽世代」なんて言われ方もしますけど、そういう人たちだけ満足させてる感じになってるんですね。でも、そういうことするから、文化として硬直して先に進めないのにね。
こういう時に、流れを変えるような力になれないのがすごく歯がゆいですね。つい、こないだも、例えば所属しているMitskiのファン・サイトに「スリーター・キニーの次のアルバム、セイント・ヴィンセントがプロデュースだよ」なんてニュースを教えたら300人以上が反応したところ、僕のfacebookだとポツリしか反応がなかったりとかね。あと「Rケリーのドキュメンタリーで、彼の少女へに対する性的虐待問題がまた再燃してるよ」とか、ラナ・デル・レイをはじめとして、年明け、かなり活発に新曲発表がサブスクで行われ始めてるよ、とか、そういうニュース流したいんですけど、今の日本での情報の流れを見てると、そうしたものに対しての反応のスピードも落ちざるをえないのかな、と思わざるをえません。
僕も、より効果的かつ円滑に、もっとたくさんニュース発信していかないとダメだな、と思っているところですが、いい方法がすぐには思い浮かびません。なんとかしたいとは思ってるんですけどね。これに関しては、いろんな方々の意見も聞きたいところです。
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