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ブリング・ミー・ザ・ホライズンとライヴァル・サンズに見るハードなロックの今後

どうも。

 

1/25の配信で気に入ったアルバムなんですが、この2アーティストでしたね。

 

 

はい。ブリング・ミー・ザ・ホライズンとライヴァル・サンズという、自分でも結構意外な結果になりました(笑)。BMTHの方は、前のアルバムから結構気に入ってたので自分的には他の人が思いそうなほどにはそうでもないんですけど、ライヴァル・サンズは予想外だったかな。

だって、コナー・オバーストとフィービー・ブリッジャーズの共演作があまりにも「まんま」すぎて新鮮味なかったりしましたからねえ。そういうこともあり、今週はBMTHとRSです。

 

BMTHですが

 

 

この「AMO」というアルバムですね。こちらは今、彼らの本国イギリスで、中間発表ですけど、どうやら1位、取りそうな感じです。あちらじゃもうフェスのヘッドライナー・クラスですからね。

 

ただ、このアルバムの評価をめぐってはハッキリ言って、とりわけファンの間でかなり割れてます。僕自身も「ポップに魂売りやがって」みたいなことを書きなぐる英語の罵詈雑言、かなり見ています。

 

そりゃ、そうでしょうね。だって、もともと「メタルコアの期待の星」としてその界隈の熱い支持得てたタイプのバンドがだんだんメロディックになって言った結果、今回

 

 

グライムスと共演まで行っちゃったわけだから!

 

これ、しかも、BMTHの方がグライムスに寄っちゃった、かなりEDM色の強い曲ですからね。これは、メタルというか、ラウドロックの免疫しかない人にはツラかったんじゃないかな。

 

あと、アルバムの中だと、まんま1曲、グリッチ・テクノのインストあったりもしますからね。

 

このアプローチだと、さすがにキツかった古くからのファンは多かったと思いますね。これ以外にもザ・ルーツのラーゼルのラップをフィーチャーした曲なんかもあったりしてね。

 

2015年の前作を聞いた時に僕は「後期のリンキン・パークがやろうとしてうまくできてないことをうまくやれてるよね」という感じで、ラウドロック系のバンドにしてはエレクトロの導入の仕方とかうまいなと思っていたんですね。ただ、それというのは「ラウドロックの領域内」でそれをやっていくものだとばかり思っていたら

 

もう、ラウドの領域さえ、踏み越えてしまった

そんな感じですね。

 

でも、僕は、「それだからこそ面白いじゃん!」と素直に思いましたね。

 

これ、思うに、本人たち的には「ラウドロック内で他ジャンルの吸収がうまい」程度の認知じゃ満足できなくなったのかもしれないですね。「ラウドでも、インディ・ロックや、ポップのファンにでも通用するもの」。そういう包括的でスケールの大きなものを作りたくなったんじゃないかな、と。

 

その意味で言えば、これ、THE 1975の新作とマインドが同じなんですよね。ただ、ルーツにしている音楽と、振り幅の差が若干あるだけで。THE 1975の新作を去年の11月にこのブログでやった時にその野心を僕は絶賛しましたけど、その気持ちはBMTHにもありますよ。

 

というのも、ロックって、もともと、そういう発展の仕方をしてきた音楽ですよ。同時代的に勢いのある他ジャンルの音楽も吸収しながらサウンドを発展させてきた歴史があるじゃないですか。

 

それこそ

 

 

こういう最高の見本が世界的に再評価もされているわけじゃないですか。その音楽的足跡、今一度思い出すべきです。レッド・ツェッペリンだってしかりです。

 

あと、BMTHの場合、今回僕が気に入ったのはエレクトロだけじゃないですね。初期のグランジみたいな、粗野でゴリゴリしたリフの音色にもセンスを感じたし

これのサビのメロディとかも、すごくセンス感じますしね。力ありますよ。

 

THE 1975同様、いい意味で「出る杭」になってほしいバンドです。

 

続いてライヴァル・サンズですけど

 

 

BMTH同様、彼らもこれが通算6枚目になるんですけど、この「Feral Roots」というアルバム、これが同じく全英チャートの中間発表で10位につけています。彼らをこれまでに知らなければ「すごい!」となりますが、ここにトップ20なら2回記録しています。あと北欧3国ではすでにトップ10の実績があって、ドイツ、フランス、イタリアでもチャート実績があったりと、ヨーロッパではすでにかなり大物だったりします。

 

そんな彼らですが、こんな感じです。

なんか、グレタ・ヴァン・フリート的に聞こえません?こっちの方が全然先なんですけどね(笑)。

 

このジェイ・ブキャナンってシンガーの声質からしたら、例えばGVFがツェッペリンなら、このバンドはさしずめ、ハンブル・パイの時代のスティーヴ・マリオットとか、そんな感じかな。曲にもよるけど、ザ・フーの70年代以降のロジャー・ダルトリーみたいなところもあります。

 

勢い、ジェイのソウルフルな歌い方に注目集まりがちなバンドなんですけど、今回、僕が気に入ったのはズバリ「録音」なんですよね。音の撮り方がものすごくシャープで、余計な添加物が一切ない感じでね。それは70sのモコモコ感とも微妙に違うし、80sの過剰すぎる装飾とも全く違う。むしろ、90sのブレンダン・オブライエン(パール・ジャムとかRATM etc)とか、00sのホワイト・ストライプスを通過した感じですね。芯の部分だけを切り取って、その生々しい音の中からソウルやブルーズを自然にあぶり出す感じというかね。そういう、時代の系譜の流れを経た末での原点回帰であり、ただ単に昔風にやったものを意味もなく録音したわけではないですね、これは。

 

で、彼らがそういう音をなぜ作れるのか。今回、その答えがハッキリわかりました。それは

 

 

はい。このデイヴ・カッブという人なんですが、彼、今、オルタナ・カントリー界の超重要プロデューサーです。メタル周りの人じゃないんですよね。

 

彼が手がけているアーティストというのは、カントリーの中でもすごくロック的に尖っている人たちばかりです。ジェイソン・イゾベルにクリス・ステイプルトン、スタージル・シンプソン。それから、今年のグラミーで主要部門で複数ノミネートされて話題のブランディ・カーライル。彼らはいずれも、カントリーだけでなく、ロックンロール、ソウル・ミュージック、ブルース、ゴスペルなどのルーツ・ミュージック全般の基礎値が非常に高い人たちです。そういう「ルーツ・ミュージックの達人」を多く手掛けるカッブがデビューの時からずっと面倒見ているバンドがライヴァル・サンズです。ブルージーでソウルフルな感じが全くうそっぽくないのに説得力あるでしょ。

 

ライヴァル・サンズはそんなサウンドしてるのに、なぜかアメリカだけ商業的に売れてなかったんですけど、このアルバムからカッブがアトランティック傘下に作ったオルタナ・カントリーのレーベルにメジャー移籍したので、アメリカでも人気が出るかもしれません。

あと、今、オルタナ・カントリーといえばこれですよ。

この「スター誕生」でブラッドリー・クーパーが歌うタイプの音楽です。これがまさにオルタナ・カントリーの一種なんですが、フツーのブルージーなハードロックでしょ?これを例えば、カントリー界の大御所ウイリー・ネルソンの息子のルーカス・ネルソンが作っていたりします。この映画で、このジャンル、かなり注目度、上がっています。

 

また、オルタナ・カントリーが絡まなくても、例えばグレタ・ヴァン・フリートもそうだし、ロイヤル・ブラッドもそうだし、HBOの「Vynyl」ってドラマの主題歌に使われてヒットしたキャレオってバンドもそうなんですけど、「オールドスタイルのハードロック」って、今、密かに勢力できつつあるんです。僕もロラパルーザ・ブラジルの時に彼らのライブ見てますが、客の反応、年齢問わず、すごくいいとこなんですよね。こういうところも僕がこのテのロックが「潜在的に需要がある」と思わせる強い理由になっていたりします。

 

この2バンドを見ることで、ちょっとロックの今後の流れの一部がちょっと垣間見れるような感じもします。

author:沢田太陽, category:評論, 19:34
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