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改めてオスカー・ノミネートで伺えるもの

どうも。

 

 

オスカーのノミネート、発表されましたね。僕のfacebookのタイムラインだと、もう話題はそれ一色。「一時より影響力がなくなった」のなんだの言われようが、やはりノミネートの日は、エンタメ界の話題を独占するものです。

 

 Roma」に「勝て」と言っているようなノミネート結果

いやあ、思った以上に

 

 

「Roma」よりの結果でしたねえ。

まあ、いい映画なので、受賞してもそれはそれで文句はないですが、作品以外の部分で引っかかるところはありますね。

もう、これが作品賞、取るでしょう。「最多ノミネート」ということだけでなく、もう受賞する条件が揃ってますから。

というのは

 

 

「スター誕生」と「グリーン・ブック」が監督賞ノミネートを逃したから!

 

 

オスカーの場合、よほどのことがない限り、監督賞にノミネートされなかった作品が作品賞で勝つことってほとんどないんですよね。その状況なのに、現状で二番手、三番手と思われていた映画で監督賞ノミネートがないわけでしょ?そんなの楽勝に決まってるじゃないですか。

 

「ちょっと待って?『女王陛下のお気に入り』も10部門でノミネートじゃないか」。そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。しかし、この映画、ノミネートの関係で、今後、SAG、DGAといったギルド・アワードがもう取れないことも決定的なんですね。オスカーの場合、

 

 

三大ギルド・アワード(PGA、SAG、DGA)で受賞できない映画は作品賞、取れません。

 

 

今年の例でいくとプロデューサーズ・ギルド(PGA)はグリーン・ブック、役者ギルドのSAGはスタ誕、そして監督ギルドのDGAはRomaのアルフォンソ・キュアロンがほぼ勝つと見られてます。なので、オスカーの作品賞、この3つからしか出ないと目されてます。

 

 

そこから、万が一で「女王陛下」でも「VICE」でも逆転したら、それはオスカー史に残る大逆転劇になりますけど、ないでしょうね。

 

「Roma」が仮に受賞するとしたら、まあ、内容がいいからいいんですけど、2点で個人的には引っかかりますね。一つはネットフリックスが財力にものを言わせて大キャンペーンを張ったこと。そういうロビーで賞が決まるのであれば、今、Me Tooで干されたワインスティーンがよくやっていた、オスカー大キャンペーンとさして変わりませんからね。

 

そしてもう1点が、「政治的配慮」ってヤツですね。メキシコでしょ。明らかにトランプを刺激したいに決まってるじゃないですか。なんか、そういうことのために映画が利用されるのは見ていてあまり気持ちはよくないですね。

 

⊆賞式視聴率狙いの話題作中心ノミネート

これに関しては必ずしも、ネガティヴな意味で言っているわけではありません。半分以上は好意的な意味で言ってます。

 

今年はノミネート作に「ブラック・パンサー」「スター誕生」「ボヘミアン・ラプソディ」と全米映画興行の年間トップ20に入った映画が3本もノミネートされました。こういうことは久しくなかったので、視聴者としても、「自分も知ってるから授賞式、見ようかな」という気分にはさせてくれます。

 

というのも、ちょっとここ数年、オスカー争い自体が、完全に批評家の点数通りになりすぎて、インディなアート色が強くなりすぎてましたからね。ちょっと、コアな映画ファンのガチ勝負になりすぎて、一般的な人たちがついていけない感じになっていたところがあったというか。迎合が過ぎなければ、それは多少緩和しても良いと僕は思います。というのは、その昔のオスカーって、そうした批評的なこととは必ずしも一致していたわけではなくて、メジャーの配給会社がオスカー作品として押したいものの忖度の場でもあったんですよね。だから以前は、今よりもノミネート作も少なかったし、限られた押しもの映画でノミネートが独占されるような感じだったんですね。だから、視聴者的には今よりもだいぶわかりやすかったんですね。

 

ところが、90sの中ごろくらいから、インディ配給も活発になってきだして、映画賞も増えた。それによって、映画そのものはかなり活性化されたし、それに合わせてオスカーも変わっていきましたが、インディの配給が強くなればなるほど大衆的な作品が少なくなる。とりわけ、ここ数年はそのジレンマに悩んでましたね。

 

 そうしたタイミングで、「評判も良く、人気」の作品が出たのであれば、それを有効利用するのは一つの手だと思いますね。

ただ、「ガチな映画ファン」から、逆に今回のノミネートに不満を言う声も聞こえますね。「大衆に迎合した」みたいな感じで。例えば、レヴューの点数とか、一部の尖った映画賞では「Leave No Trace」という映画だったり、「The Rider」という映画が、今回ノミネートされた作品のほとんどよりも評判自体はよかった。だけど、ほとんどキャンペーンで押されることなく終わってしまいましたね。ただ、それで問題だったのは、前者がデブラ・グラニック、後者がクロエ・ザオと、ともに女性監督だったこと。役者部門で二人ノミネートが出て、レヴューの点数もよかったのに作品賞にかからなかった「Can You Ever Forgive Me」という映画もマリエル・ヘラーという女性監督だったりもして。そうしたことから、今回のオスカーは女性監督差別なのではないかという声が一部から実際に上がっていることも合わせて書いておきます。

3姐餮豈撚莨泙ら、2人も監督賞にノミネート

あと、日本人からすれば「是枝裕和が外国語映画賞にノミネートされた」ということが気になるでしょう。

「万引き家族」、年が明けてからやっとブラジルでも公開されてみましたが、すごく良かったですね。かなり力作だと思ったし、同監督の似たテーマの「誰も知らない」よりは断然良いとさえ思いました。

 

ノミネートそのものも「おくりびと」以来で、内容的には今回の映画の方がより深く考えさせられ、かつ役者の演技も断然上なので期待したかったところなんです

 

が!

 

なんでよりによって、この部門から監督賞ノミネートが2人も!

これも、おそらくは「大衆化」を狙った反動として、「より優秀な外国映画にもチャンスを」ということになったのではないかな。その方が、「オスカーは国際的にも門戸開いてますよ」というプロモーションにもなるし、確かに「多様性」のアピールにはなるんですよね。

 

ちなみに左はポーランドの映画「Cold War」のパヴェウ・パウリコフスキー。彼は2014年にも「イーダ」という映画でこの賞、受賞しています。そして右が、「Roma」のキュアロンですよ。作品賞と外国語映画賞、W受賞という、オスカーの91年の歴史で前代未聞のことをやろうとしています。

 

ただなあ、せっかく日本の作品が最終の5作品に残ったのに、よりによって、その記念すべき年と当たってしまうとはなあ。「万引き家族」もカンヌのパルムドールなわけですから、十分誇っていい映画ではあるんですけど、さすがにねえ。ちょっと損した気持ちにはなりますね。

 

あと、アニメ部門で「未来のミライ」がノミネートされたんですが、こっちもライバル多いから難しいでしょうね。下馬評だと、案外、毎年受賞してるピクサーものの「インクレディブル・ファミリー」よりも今年は「スパイダーマン スパイダーバース」が強いですね。ウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」よりも有力視されていますね。このあたりのことは、「スパイダーバース」、もう見てますので、そっちで語りましょう。

 

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今年はあまり、大事件につながるような落選劇、なかったですね。多少はそりゃ、どうしてもありますけど。

個人的に最もうれしかったのは

 

 

 

やっぱりスパイク・リーの監督賞ノミネートですね。大学の時の僕の映画のヒーローでしたからね。25年経って、ようやくノミネートされたかと思うと、「ようやくメインストリームで巨匠的に評価されたか」と思えて嬉しいものです。しかも、すごく彼らしい題材でそれを成し遂げたんですから。

 

僕的には、今回の押しの映画「ブラック・クランズマン」です。

 

残念だったのは、やっぱエミリー・ブラントかな。2作品でノミネートの可能性があっただけにね。

 

そんな感じでしょうか。

author:沢田太陽, category:アワード, 18:58
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