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年間ベストに見る、2018年の音楽傾向

どうも。

 

 

年間ベスト・アルバム、非常にたくさんの方にお楽しみいただいたようで光栄です。去年よりもだいぶアクセスも増えてます。すごく嬉しいです。あと、ワーストも。やっぱ反響あるんだなあ、あれ。幸いなことに、トップ10のツイッターでの「いいね」がワーストの2倍以上になったことにはホッとしてますが(笑)。

 

では、今日は、その年間ベスト、まあ、僕のだけでなく、他の媒体でもいろんな年間ベスト出てますけど、それらを通して、2018年の音楽シーンを改めて振り返ってみましょう!

 

 

まず、最初は、これですね。

 

 

^掬歸に女性の年

 

 いや〜、本当にそうでしたよね。僕も、The 1975が大逆転で1位さらっていくまで、女性アーティストでトップ5独占してたくらいなんですけどね。これ、今年に限った話でなく、例えば2012年にラナ・デル・レイでてきたり、13年にLordeとHAIM、14年にセイント・ヴィンセントが最高のアルバムを出したり、去年だってLordeの2枚目とかウルフ・アリスがあったりしたわけでしょ?そういう意味ではこの流れ、ずっと続いてるんですけど、今年はそれが特に顕著でしたよね。

 

少なくとも

 

 

この6人に関しては、とにかく圧倒的でさえあった!

 

僕の年間でも、ジャネール・モネエを除く5人がトップ10入り、ジャネールだって31位だったわけですからね。

 

で、便利な世の中でして、今、世界の名だたる有名媒体が選んだ年間ベストにポイントをつけて総合的に順位にしてくれるサイトがあるんですよ。それが

 

 

このAlbum Of The Year、略してAOTYというサイトなんですけど、このバナーをクリックすると、今、12月18日時点で86媒体の年間ベストの得点を合計した総合ベストが出てくるんですが、それを見ていくと

 

1位ジャネール、2位ミツキ、3位ケイシー、5位がカーディB、6位がRobyn、9位がクリス!

 

 

ねっ? もう、「独占」でしょ?

 

「なんでそうなるか?」と言われると、僕が思うに、リリースした当初の時に媒体の盛り上がりを覚えているからです。もう、6人が6人とも、いろんな媒体が、「もう、アルバム、最高なんだって!」という興奮が抑えきれてなかったですからね(笑)。で、聞いてみたらどれも最高で・・・ということだったんですよね。

 

 

で、これだけじゃありません。以下もまだ女性続いてます。10位にソフィー、11位に意外なまでに高く入ったアリアナ、12位、これも意外に高いコートニー・バーネット、13位に僕が選ばなかったティルザー、16位にノーネーム。女性のソロが16位までに10ですよ!

 

 だからですね、思うんですよね。

 

 2018年の年間ベストを選ぶ際に、トップ10に「女性ゼロ」だなんて、今年は絶対にありえない!!

 

 

 まあ、何かにあてつけて言ってたりはするんですけど(笑)、日本でもこういう才女タイプの女性をもっと積極的に紹介していかないと、これからの時代、洋楽にはついていけなくなる危険性、ありますよ。だいたい、ブリット・ポップの頃から、洋楽ロックファンというかメディアというか、「男尊女卑傾向」、ありましたからね。これ、「男のファンが女性アーティストに対して」の場合もあったし、「女のファンが女性アーティストに」の場合もかなりたくさんありましたね。僕、実例で結構覚えてますけど。だけど、その体質を変えていく努力はやっていかないと、本当に行き詰まると思いますよ。

 

 

 というのはやはり

 

最近のインディ・ロックでいい素材、これもほとんど女子だから!

 

 

一人はもう言うまでもなくミツキ。もう、彼女のことはさらに別枠で訴えてもいいくらいに思っていますが、彼女は「アメリカン・アジアン・インディロック」の筆頭格でもあります。今年、他にそんなに多くリリースなかったんですけどね。

 

 

そして他には

 

 

僕の年間でそれぞれ4位と13位、AOTYでも共に20位台だった、97年、99年生まれのサッカー・マミーとスネイル・メイルのSMコンビに

 

 

マタドール・レコーズでのソロですでに実績のある94、95年生まれの3人、左からフィービー・ブリッジズ、ジュリアン・ベイカー、ルーシー・デイカスの3人が集まったボーイジーニアスもあった。ルーシーはソロでもAOTYで30位台に入る健闘を見せてます。

 

だって、これの他にだってドリーム・ワイフもあったし、ペイル・ウェイヴスとかスーパーオーガニズムとかもあったわけじゃないですか。

 

 来年だって、もう1月からシャロン・ヴァン・エッテン、ジェシカ・プラット、ガールプールと楽しみなリリース続きます。年内にはエンジェル・オルセンも出るんじゃないかな。さらに、インディではないですけど、期待のティーン・ガール、ビリー・アイリッシュだってアルバム、出るでしょうし、もうかなり当たりそうな予感、出してますからね。

 

まあ、これ、日本だけの問題じゃなく、世界各国のロック系のラジオの問題でもあったりしますけどね。ロック系のラジオ局もかなり男尊女卑がひどく、なかなか曲をかけてもらえませんからね。ただ、男性の若いので魅力が薄くなってきている時代にそんな意地を張って才能あふれる女性を聞かせることができなくなったら、それこそ文化の破壊ですからね。なんとかしてほしいものです。

 

 

▲◆璽謄ストの国際化

 

 あと、これはサブスクの時代に連なる現象でもあるんですけど、もう今や「世界のどこに属していようが、ヒットは出せる」、そんな時代です。

 

 

 上の最初の写真の6人のうちの2人、クリスティーン&ザ・クイーンズのクリスはフランス人、Robynはスウェーデン。そして僕の年間15位に入れたゴーストもスウェーデンのバンド。この3つに関しては、今年、このブログでサッカーのワールドカップの際にやった企画、「非英語圏の100枚のロック・アルバム」に何もそれぞれの過去作を選んでいます。あの企画はひとえにこうしたことの伏線としてやったものですから。

 

 そして今やそこに、コレですよ!

 

 

ロザリア!

 

もう、僕はこのスペインのフラメンコ・ガールに今夢中でかなり上位に早速選んでますが、AOTYの年間でも、11月にリリースされたスペイン語のアルバムなのに、20位前後に入ってて、やっぱりビックリする人はしてますね。

 

 

これ、本当に流行ってほしいんですけどねえ〜。

 

 

これに対して

 

 

Jバルヴィンを筆頭としたコロンビアのレゲトンや、BTSを筆頭とした韓国のK-POPは、こういう年間ベストではさっぱりですね。Jバルヴィンは幾分あるんですけど、BTSに関して80いくつのリストの中でギリギリ100位にランクインしたのが一つあっただけ。こういうとこで内容をちゃんとアピールしておかないと、現在のブームというのが、リッキー・マーティンが流行ったラテン・ポップのブームの時みたいに、何も残さないで終わるような可能性につながりかねません。せっかく、非英語圏から上手い具合に台頭しているわけですから、クオリティで唸らせる段階に入っていかないといけないような気がしてます。

 

 

チャートでの大成功と裏腹の、R&B/ヒップホップの不安要素

 

 

ここ数年、絶好調だったR&B/ヒップホップですが、チャートのところでも言いましたけど、僕は正直、今ひとつだったと思っています。年間見てても、カーディB、トラヴィス・スコット、プッシャTの3つだけかな。商業面と批評面で両方成功したアルバムと言えるのは。僕もこの3つなら文句一切ない、素晴らしいアルバムだと思いますけどね。

 

 

ただ、一つは巡り合わせの問題でもあって、今年はケンドリックも、チャンス・ザ・ラッパーもアルバム出さなかったじゃないですか。あと、僕はどうしても役者以上の評価がまだできないチャイルディッシュ・ガンビーノも結局はあのシングル曲だけでしたしね。こういう、「良質面での主役」というのが出ないと、やっぱ盛り上がらないわけですよね。あとUKヒップホップでも、去年みたいなJハスとかストームジーがアルバム出してないし、彼らに続くスターも出ませんでしたしね。

 

 

 あと、これも既に言ってますけど、やはりエモ・トラップ、マンブル・ラップ系のネガティヴなイメージの悪さですね。これがだいぶ足引っ張ってます。リル・ザン、テカシはワーストに入れましたけど、リル・ヨッティとかコダック・ブラックも風当たりは強いし、XXXテンタシオンも物故者になったから外しただけで生きてたらワーストに入れてたと思うし、ポスティは確かに良くはなったんだけど、それは「ワーストに選ばれなくなったレベル」での話であって(笑)、ムーヴメントとしてポジティヴに評価するようなことでもないですしね。実際、今作でさえもまだかなり叩かれてますからね、彼は。

 

 

 そういうこともあって、今年はR&B/ヒップホップのベストには、かなりオルタナティヴなものを選ぶ傾向が目立ちましたね。僕個人的には、ノーネイムやアンダーソン・パクとカリ・ウチスを選んでますけど、ブラッド・オレンジやジ・インターネットも入ってて目立つ名前でしたね。

 

ただ、日本のメディアやその系のファンのチョイスを見てると、エラ・マイとかジョージャ・スミス入れてる人、結構多いですね。ただ、僕はその二人に関して言えば、ハッキリ過大評価だと思ってます。ジョージャはまだ経験不足ゆえに曲が一本調子。エラ・マイは自分で曲作らない上に、ヒット曲とそうでない曲との出来の差が激しい。彼女ら二人が今回の欧米の年間ベストで活躍していないのは、そういう理由からだと思うし、少なくとも僕はそう判断してます。

 

 あと、今年の年間ベスト見ていて驚いたのは

 

 

 

ティエラ・ワック。アール・スウェットシャツ、ヴィンス・ステープルズの3人、評判いいアルバム出したんですけど、どれもアルバムの収録時間の曲の長さの平均が1〜2分なんですよ! なんかハードコア・パンクのアルバムみたいですけどね。これ、ヒップホップの新しい流行になったりするのかなあ。僕はこの流れに関して言えば、正直まだ違和感があるので、ちょっとまだ判断を保留しますけど、面白い流れだとは思います。

 

 

ぅ蹈奪の今後

 

そして、最後は、そこはやっぱり僕が語ることなので(笑)、ロックでシメますね。

 

今年、ロックで目立ったというのは、一つはもう上で話したように「インディ・ロック・ガールズ」ですけど、もうひとつが

 

 

やっぱり、アイドルズとシェイムという、イギリスからイキのいいパンクバンドが2つ出てきた。これは朗報です!やっぱり、ロック、行き詰まったら、こういう「ロックンロールの原点」みたいなタイプのバンドに戻るのが一番です。僕も野郎に関しては、アメリカの大学サークル・ノリのmyspace時代のバンドに本当に辟易してたし、実際に圧倒的に華に欠けたそういうバンドたちのせいでシーンが地盤沈下したことは否めないですからね。才能あふれる女の子じゃなかったら、こういうガツンとしたヤツらの台頭を僕は求めたいですね。

 

 

 それから

 

 

 

理想的な形でのものではなかったにせよグレタ・ヴァン・フリートの成功や、そしてそして、当初の予想をはるかに上回る、「ボヘミアン・ラプソディ」の世界規模での大成功! これによって、クラシック・ロックの需要が世間で大きいことがハッキリと世に示されました!そういうこともあって、70sのハードロック・スタイル、今、真正面から説得力とクオリティの高さを持ったバンドが出てきたら、そのバンド、時代を制することができますよ。話題性があるうちに誰かが不意に飛び込んだら爆発しそうな気がしてるんですけど、ただ、そういうバンドが今どこにいるかが問題です(笑)。

 

 

そしてそして

 

 

やっぱThe 1975ですよ!
こうした「原点回帰」の方向性じゃなかったら、逆に彼らみたいに「全方向対応」みたいな包括方が強いと思いますね。今回のアルバムでやっぱすごいと思ったのは、エイティーズ好きな層にも、レディオヘッドとかの90s以降のインディ・ロックの層にも、トラップやEDMのミレニアム・キッズの層にも、全部に訴えかけてましたけどね。このアルバムでもうNMEとSPINでは年間1位。そしてシングルでは「Love It If We Made It」がなんとピッチフォークの年間1位。11月30日発売なので、年間は思ったより入ってはなかったんですが、それでもバンドなんだから、こfれだけ抑えられてば十分でしょう。もう、これからのロックの頂点争いは、彼らとアークティックの間で、ということになる気がします。
こういう「ポップ・キッズや上の世代にも訴える全方向」を今できるバンド、希少ですよ。強いてあげると、シャレ込みでパニック・アット・ザ・ディスコですけど、あっちの場合はインディっぽいクールなところが抑えられない点がアレなんですけど(笑、でもだんだん好きになってきてます)、1975がこの方向性打ち出した後に、いいセンス持った新しい才能が出てき始めたりすると面白い流れになるんですけどねえ。ただ、その代わり、かなりの才能ないと難しい話ではあるんですけど。
・・といった感じでしょうか。
今年もまた、Spotifyに僕の年間ベストアルバム50のプレイリストを作っています。50 Best Albums Of taiyo Sawada In 2018でけなくすれば出てきます。それこそ「Love It If We Made It」でスタートです。いい曲多いので、よかったらぜひ!
author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:11
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Comment
女性が元気というより、ロックというジャンルが女性のものになりつつあるんじゃないでしょうか? アメリカやイギリスでギターの売上が落ち込んでいるものの、購買層における女性の割合は増えているというデータもありましたし。

逆に現在主流のヒップホップやクラブミュージックの世界では女性の姿はあまり見かけないような気がします。
Bonoxylove, 2018/12/19 11:01 AM
失礼します。
グレタヴァンフリートの健闘は確かに興味がありますね。
新譜も息が長いですし。
パニックアットザディスコのブレンドン・ユーリーもメタルプロジェクトをやると発言した以上、
HR/HMの復権はありえるかもしれません。
1124英太, 2019/01/01 7:59 PM









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