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最近の意外なフェイヴァリット(1)バーブラ・ストライサンドのプロテスト・アルバム

どうも。

 

 

おとといから年間ベストのリスニング初めています。トップ10はもう候補は決めてて来週前半には確定しますね。

 

 

ただ、年間ベストは50位からのカウントダウンなので、そこからが大変なのです。そこで色々聞かないといけないのでね。12月の頭までに決めないといけないので。

 

 

で、その50位以内のピックアップ候補も聞いてるんですが、最近、そこに入りそうな、面白い意外なものを2枚発見したので、今日と明日で紹介しようと思います。

 

その一つが

 

 

 

この、バーブラ・ストライサンドの新作「Walls」ですね。僕が彼女をアルバムで聴いたのって、20数年ぶりだと思うんですけど、これ、面白いんです。

 

 

これねえ、何が面白いかというと。

 

おそらくポップ・ミュージック史上、最もコンサバな音楽で構成されたプロテスト・アルバムだから!

 

 

音楽的には、ストリングスを主体としたバラードという、この人でしかない作品で、お上品過ぎて時にトゥー・マッチにもなるのですが(苦笑)、でも、歌詞をかなりハッキリ歌う人なんで、英語がクリアに入ってくるんですよ。そこで歌われている内容が「おおっ!」と耳をひきつけるのです。

 

 

 

これがシングルになった「Dont Lie To Me」。いかにもセリーヌ・ディオンが歌いそうな曲調なんですが、ここで歌われている歌詞というのが、まあ、このオフィシャルのビデオ見てもらえばわかるんですけど、かなり強烈な、ドナルド・トランプに直接的に宛てた内容なんですね。

 

 

Kings and queens, crooks and thieves
You don't see the forest for the trees
Hand and heart, on our knees
You can't see what we all see

How do you sleep when the world keeps turning?
All that we built has come undone
How do you sleep when the world is burning?
Everyone answers to someone

 

王様に女王様、そして泥棒

木を見て森を見ずとはあなたの事

手や心、地面に跪いて感じられるようなことを

あなたは見ることができない

 

世界が動いている最中にどうやったら眠れるの

私たちが築いたものはまだ出来上がってもいないのに

世界が日の車の中、どうやったら眠れるの

もう、みんなが答えを知っている

 

・・という感じですね。

 

 

他の曲でも、タイトルl曲の「Walls」は、もうそのもの、トランプがメキシコ国境に築く壁のことです。

 

 

あと、カバー曲もあるんですが、それが例えば、ジョン・レノンの「イマジン」にルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」を挟んだものだったり、バート・バカラックの名曲でジャッキー・デシャノンでヒットした「What The World Needs Now」、そしてバーブラ自身が1962年のデビュー当時から歌っている1920年代のスタンダード曲のカバー「Happy Days Are Here Again」のセルフ・カバー。どれもかなり明確な意図を持った選曲です。アルバムのシメが「幸せな日々はまたやってくる」でポジティヴに終わってるのも好感持てます。

 

 

基本を成すのはどれも、「世界の問題は憎しみでは解決しない。愛だ」ということが、もう、これでもかと繰り返されて歌われます。ただ、それを構成する楽曲が、どれもストリングスたっぷりでスローなんですよね。しかもプロデュースがウォルター・アファナシエフという、もうコンサバもコンサバな音楽趣味の人です。彼、マライア・キャリーの初期のバラードのほとんどを手がけてるような人ですからね。歌詞見なかったら、多分、聞いてなかったと思います(笑)。

 

 

 ただ、この違和感が逆に心地よいというか、「今の時代らしいな」と思うんですよね。今のこの世の中、基本人権無視したファー・ライトの勢力に怒る人なんて、もう、音楽の趣味とか関係ないですよ。誰もが腹立てていいことだし、そのプロテストの手段も様々でいいじゃないですか。要は自分自身の表現に素直になればいいわけで。

 

 

 あと、バーブラもそうだし、ツアーの先々で世界中の極右政治家批判を繰り返す元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズもそうですけど、年齢にして75歳超えてるんですよ!そういう人たちが、プロテストの声をあげてるのがすごいというか。年齢的に、後先もう考えないでやってる感じもすごいと思うし。「残り、決して長くない一生で、思い残すようなことしないで生きる」みたいな開き直りが、こういう行動に走らせている側面はあると思います。その意味、若い人より表現が過激になっちゃうのかな。でも、それでいいんだと思います。

 

 でも、バーブラの場合、これも思い出しましたね。

 

 

 

 

この映画「追憶」ですね。1973年から74年にかけての大ヒット映画で、テーマ曲は彼女最大のヒット曲でもあるんですけど、この映画で彼女が演じたケイティ・モロスキーって、第二次世界大戦時に社会主義活動に燃える政治運動家なんですよね。そんな女性の人生の一面を、甘いラヴ・ロマンスで包んだのがこの映画なんですけど、今回のアルバムって、よくよく考えたら、まんまこの映画の世界だな、と思った次第でした。その意味では彼女、ずっと一貫性はあるんだよなあ、とは思いましたね。そういう意味でも興味深かったです。

 

 

 

author:沢田太陽, category:アルバム・レヴュー, 20:01
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