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全オリジナル・アルバム From ワースト To ベスト (第19回)クイーン 15-1位

どうも。

 

 

では、告知通り、今週はクイーン特集、行きたいと思います。

 

 

まずはこれから!

 

 

恒例のFromワーストToベスト、これをやってみたいと思います。

 

 

僕、クイーンのアルバム・ランキングって、だいたいどれ見ても不満なんですよね。これは洋の東西を問わず、だいたい、ハードロック期のクイーンを好む傾向が強いんですよね。でも、それって僕に言わせてもらうと、「フレディとブライアンしか評価してなくない?」と思えて、そこが嫌なんですね。

 

なので、やる前に改めて断っておきます。

 

僕の場合は

 

 

フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンの4人の総合力重視で評価します!

 

なので、ある特定の時期に上位が固まるようなことは、僕の場合はありません。

 

それから今回は、あくまでフレディがヴォーカルをとった時期のみに限ってもいます。そういうこともあり、対象アルバムは15枚。

 

では、早速、15位から見てみましょう!

 

 

15.Made In Heaven(1995 UK#1, US#58)

 

 まず、ワーストの15位に選んだのは95年のフレディ最後のアルバム「Made In Heaven」ですね。

 

遺作を最下位にするのは心苦しいところもあるんですけど、幾つかの点でどうしても好きになれません。一つは、死の直前すぎて、歌詞がちょっと聞くのが辛いこと。フレディのソロであまりに有名な「Born To Love You」のリミックスが入ってしまっていること。それから全体に冴えがないこと。それから、やっぱりフレディの遺作ということでどうしてもそうならざるをえないところはあるんですけど、4人のソングライティングのバランスがアルバム構成上、崩れてしまっていること。これがどうしても気になっちゃうんですよねえ。フレディ自身に「死の目前まで続けたい」という意思はあったとは思うんですけど、やはりこの一つ前のアルバムで完全燃焼とした方がよかった気がします。

 

 

14.Flash Gordon(1981 UK#10 US#23)

 

 14位は「フラッシュ・ゴードン」のサントラですね。このアルバムに関して言うと、いわゆるサントラなので、インストと劇中のシーンの音声でほとんどが構成されていて、フレディのヴォーカルという、クイーンで最も聞きたいものが聞けない欲求不満が全編にあったりするわけです。あと、映画そのものが駄作で、のちにあのテディ・ベアのコメディ「テッド」で散々ネタにされてしまったことくらいでしか思い出されなかったりもします。ただ、このアルバムでかなり積極的にシンセサイザーに向かい合ったことが、とりわけ後年のロジャー・テイラーのソングライティングへの貢献を感じさせたりもするので、その意味では興味深いです。

 

 

13.The Miracle(1989 UK#1 US#24)

 

 13位は1989年の「ザ・ミラクル」。世界的には売れたアルバムですが、ここからフレディの体調不良が始まり、ライブができなくなります。このアルバムは、この一つ前で築いたものの、サウンド的にはほぼ延長にありますね。この前のアルバムから復活したブライアンのハードロック・ギターに、ロジャーのシンセ・ポップ、そしてソングライティング・チーム化したフレディ&ジョンのソウルフルなポップ路線。ただ、そこに新しさがなかったのと、最大の代表曲が「I Want It All」で終わったというインパクトの弱さがこのアルバムをこの順位にしてしまいました。

 

 

12.Queen(1973 UK#24 US#83)

 

12位はデビュー・アルバム。邦題は「戦慄の王女」。これ、「低すぎる」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、、そうしてしまった理由としては、この時点での「未完成さ」があります。まだ、彼らの楽曲スタイルがこの時点では出来上がっていないんですね。確立されていたのはおそらくブライアンのギターのフレーズくらい。あと、のちのクイーンに顕著になる、あの「音の分離の良さ」がここではなく、レコーディングが粗い感じがするのも、あとから聞くとちょっと違和感あるんですよね。フレディのヴォーカルも、後から比べたらまだかなり未成熟だし。そういうこともあり、個人的にそこまでピンとくるアルバムでは昔からないんですけど、「Keep Yourself Alive」がある分、13位のアルバムより上にしました。

 

 

11.Jazz(1978 UK#2 US#6)

 

11位は1978年の「Jazz」。このアルバムは、とりわけ欧米での人気と評価が高いですね。おそらく「Dont Stop Me Now」の人気が高いからだと思います。欧米人、ああいう「前向きな気分にさせてくれる曲」、大好きですからね。あと「バイシクル・レース」かな。そのテのシングル・ヒット曲の影響も大きいかと思います。ただ、僕的には正直、アルバムとしてそこまで面白い作品ではないですね。よく、「クイーンの多様性」という例で引き合いには出されるんですが、それだったらその前のアルバムの方がもっとドラスティックでサウンドの幅はあります。ぶっちゃけ、この前のアルバムの延長線上にある作品で、長めのツアーに出るからライブむけによりノリの良い曲を作った。今からしたら、そういうアルバムだった気がします。実際、このアルバムのツアーでライウ盤も作られてますしね。欧米のファンは「過小評価作」というのですが、僕は「過大評価作」だと思っています。

 

 

10.Hot Space(1982 UK#4 US#22)

 

 10位は「ホット・スペース」。クイーン最大の問題作でアンチも非常に大きな作品です。僕はリアル・タイムで最初に自分で買ったアルバムがコレだったりするんですが、中学1年だった僕にも「え、ええ〜」とガッカリしたアルバムでした。ただ、それは、僕がまだこのころに、この時期の彼らはトライしたブラック・ミュージックのことを知らなかったからなんですね。とりわけ冒頭の「Staying Power」から判断するに、影響源として強いのはマイケル・ジャクソンだったと思います。アレンジがモロですもん。あとブライアン・メイ作の「Dancer」は、のちに「ロック系ヒップホップのサンプリング定番アーティスト」になるビリー・スクワイア、露骨意識してますね。同じプロデューサー(レインホルド・マック)使ってるので十分あり得る話です。これ、出たのがマイケルの「スリラー」の半年前で、プリンスのブームの1、2年前と考えると、すごく先見の明、あったと思うんですよ。ただ、彼らのこれまでに築き上げてきた「欧州白人の美学」的なイメージが邪魔したのと、プラス、「決定的なシングル・ヒット」がなかったのが実は一番痛かったのではないのかな、と思います。ボウイとの「アンダー・プレッシャー」ももとは、この半年前に出たベスト盤の新曲でしたからね。

 

 

9.The Works(1984 UK#2 US#24)

 

9位は「ザ・ワークス」。このアルバムは「ホット・スペース」で大コケした後に大復活したアルバムです。とりわけイギリス国内では93週トップ100に入る彼ら最大のロングセラーになり、ツアーの成功もあって、ヨーロッパで巨大化します。伝説化している「ライブエイド」もこのアルバムでのツアーです。ただ、日本では、このアルバムで「もうロックのクイーンは帰ってこない」と上の世代には思われ、下の世代はデュラン・デュランとカルチャー・クラブに好奇心が向かっていたため、割を食ってましたね。僕的には、このアルバム、ちょっと後ろ向きな感じがするのが抵抗あるんですよね。「ホット・スペース」に人気がなかったから、ちょっと前のアルバムの作り方に戻そう、みたいなね。実際、このころ、解散直前でもあったし、本来テンション低いはずなんですよ。ただ、それでも「Radio Ga Ga」と「I Want To Break Free」の2曲のビッグ・ヒットを出してしまうあたりに彼らの底力を感じるわけです。しかも、前者がロジャー、後者がジョンですからね、曲作ったの。ブライアンが「Hammer To Fall」、フレディが「It's A Hard Life」と「Is This The World We Create」と4人がソングライターとして対等な立場なっているのもいいことです。

 

 

8.Innuendo(1991 UK#1,US#30)

 

8位は「イニュエンド」。実質、これこそが「遺作」です。ビートルズで言う所の「アビー・ロード」かなあ。「Made In Heaven」って申し訳ないけど、やっぱり後から処理した作品にしか聞こえないし、4人がガッチリと最後に力を合わせて作った意味では、やっぱりこれがラストだと思います。このアルバムはその意気込みが伝わりますね。彼らの場合、「ビートルズ的個人主義」が非常に強いバンドで、それが後期に、悪い時にはとっちらかって聞こえもしたんですが、このアルバムはそのやり方を貫きながらも強い統一感を感じさせるアルバムです。そうなった理由は、やっぱり「歌詞」かなと思いますね。死を意識したフレディの歌詞は時に重く(「I'm Going Slightly Mad」「Bijou」が特に)、そのシリアスさとロジャー作の「Those Were The Days Of Our Lives」、そしてブライアン作のクイーン最後の名曲「The SHow Must Go On」が持つ生へのポジティヴなヴァイヴ。これが絶妙なコントラストを生み出しています。クイーンの中で、最も内面のパーソナルな部分が伝わって来るアルバムですね。フレディとしては「第2のボヘミアン・ラプソディ」を狙ったようなタイトル曲に賭けた気もするんですが、今となっては「ショー・マスト・ゴー・オン!」という彼の熱唱が最大の聞きどころになっている作品でもあります。

 

 

7.A Day At The Races(1976 UK#1, US#5)

 

7位は「華麗なるレース」。これは日本でオリコンの1位になった作品でもありますね。それだけ、予てからの日本での人気に加えて、その前作での国際的大ブレイクの影響も強かったのでしょう。ただ、このアルバム、その「前作」の延長線上に作られたアルバムとして、当時は「アイデアがない」みたいな感じで酷評されてたんですってね。確かに新しいアイディアはこのアルバムにはないんですけど、それでも全盛期なだけあって、曲のレベルは最高潮のままだったと思うんですよね。実際、「Somebody To Love」は今日でも大人気の1曲だし、「Tie Your Mother Down」はその後、アダム・ランバートがヴォーカルであろうが絶対セットリストから外れない大定番ハードロック・ソングだし、「Goold Old Fashioned Loverboy」は彼らの持ち味であるイギリス伝統のミュージック・ホール色路線の名曲だし、「You Take My Breath Away」は隠れた名バラードだし、日本人にとっては日本語詞ソングの代名詞「手を取りあって」もある。曲の印象だけでとったら、全く悪いアルバムでもなんでもないんですよね。それだけm彼らに対して求められるハードルが上がっていた、ということでしょう。さらに言えば、フレディの熱唱パフォーマンスのヴォルテージが一気に上がるのもこのアルバムからでもあります。

 

 

6.Queen II(1974 UK#5,US#49)

 

6位は「クイーンII」。古株の日本のクイーン・ファンだと、これが1位になりますね。これで日本で世界に先駆けてブレイクしたわけでもありますからね。確かにこれ、ロック史のコンテクストで見てみても、「ハードロックとグラムロックとプログレの見事なる融合」なんですよ、これ。「曲の骨格はグラムロックみたいなんだけど、でもそれにしちゃハードで、組曲なんかもあってプログレみたいだ」。そういう「足し算」的な美学がこのアルバムにはあり、確かにこの時期のイギリス産のロックをひとまとめにできている感覚はすごいと思います。ただ、このアルバムに不幸なことがあったとするならば、メンバー自身がそこにそこまで重きを置かず、こういう路線からさっさと次へ移行してしまったことなんですよね。彼らにはもっと別に目指すものがあり、そこで自身のアイデンティティを形成していった。そして時代を読む絶妙な勘も働いて長きにわたりスーパースターにもなった。もし、彼らがここに止まってしまっていたら、ハードロック方面では強く愛される存在になっていたかもしれないけど、それ以上のもっと普遍的なものにはならなかったのではないかな。今にしてみれば、そう思います。実際、一般に知られているのも「輝ける七つの海」くらいでもありますしね。

 

 

では、ここでいったん公表します!

 

 

5.The Game(1980 UK1, US#1)

 

5位は「ザ・ゲーム」。ヒットチャートのランキング上では、これが最もヒットした印象を与えるアルバムですね。実際にワールドワイドになって、このアルバムのツアーの時に大規模な南米ツアーをやったことも話題になっていますからね。このアルバムなんですが、「時代に合わせ多様性を増すクイーン」の真骨頂とも言えるアルバムですね。「4人の個人主義的な作り」はそのままなんですが、フレディ作の「愛という名の欲望」がロカビリー、そしてジョン作の「地獄へ道連れ」がよもやのファンクで、この当時のビルボードの総合1位のみならずソウル・チャートでも5位まで上がるヒットになるという快挙も成し遂げました。ロカビリーも、ストレイ・キャッツのブームに先駆けてもいたわけですからね。カンの読みがこの時、すごいんです。加えて、「プレイ・ザ・ゲーム」とか「セイヴ・ミー」みたいな従来の彼ら得意のミドルもあるし、ブライアン作の「Sail Away Sweet Sister」みたいなバラードあり、さらに「Rock It」でロジャーのニュー・ウェイヴ路線も始まっている。エンターテインメント性の高いバラエティ感覚では、このアルバムが一番かもしれませんね。なお、このアルバムで、デビューから続けていたフレディ、ブライアン、ロジャ_の「3人リード・ヴォーカル体制」が終わりを迎えてもいます。

 

 

4.Sheer Heart Attack(1974 UK#2,US#12)

 

 4位はサード・アルバムの「シアー・ハートアタック」。このアルバムは、彼らの初期と、その後の黄金期をつなぐ重要なアルバムです。前作での組曲的な構成も残しつつ、同時に、その後の彼らに続いていく、個人主義を生かした短尺楽曲で構成していくやり方と両方ありますね。後者のやり方で「キラー・クイーン」や「ナウ・アイム・ヒア」と言った、その後の彼らのライブの定番曲を作ってますが、とりわけ前者で彼らは自分たちのアイデンティティを確立してますね。一つはコーラスに、もう一つは、あのやたらにゴージャスなロジャーのドラムですね。あのドラムロールと、「パシーッ、パシーッ」っていう独特のハイハットね。あれが始まったのがこの曲だったかな。あと、80sにライブの一つのクライマックスで復活した「In The Lap OF Gods(Revisited)」、それからメタリカがカバーして随分して人気曲になってしまった「STone Cold Crazy」、映画「ベイビードライバー」の使われ方も印象てきだった「Brighton Rock」。個人的には、これもこの時期から出てくるミュージック・ホール調の「Bring Back That Leroy Brown」と、いい曲目白押しなんです。正直トップ3入れるかどうか、最後まで迷いました。

 

 

3.A Kind Of Magic(1986 UK#1,US#46)

 

3位は「カインド・オブ・マジック」。80年代の、いわゆるフレディがヒゲ・マッチョになって、世界一のライブ・バンドになっていた時期の、その時期の最高傑作は、やっぱ、これかなと思っています。このアルバム、一部では、映画「ハイランダー」に提供した6曲が元になっていることで、「中途半端な仕事になった」と言って嫌う人もいるんですが、それがハッキリ言って大きな間違いです。このアルバムは彼らの「バンド内個人主義」が最後に最高潮に達したアルバムです。前作からギターをまた激しく弾かせてもらえるようになったブライアンのハードロック路線は主に「ハイランダー」収録曲で生かされているし、ロジャーのシンセ・ポップ路線での「レディオ・ガガ」に続く大ヒット曲のタイトル曲もあるし、ここから完全に「チーム・フレディ」となったフレディとジョンの凶作によるソウル・バラードの「One Year Of Love」、モータウンの「Pain Is Close To Pleasure」といったR&Bの系統に「Friends Will Be Friends」みたいな、フレディらしいヒューマニズムに訴える優しい佳曲もあり。

 

ただ、それ以上にこのアルバムがすごいのは、フレディの超絶的な熱唱ですね。これ、こと、歌唱で言ったら歴代最高傑作ですね。ありえないくらい、高いキーをものすごい大声で歌いきってますからね。ハードルが異常に高い。特に「Who Wants To Live Forever」と「Princes Of The Universe」ね。「Gimme The Prize」もそうかな。ファルセットも使わずに、音域の出せる範囲で「これでもか」と歌いきってますからね。どうりでこの時期の「ライブ・マジック」とか、ウェンブリーのライブとか、初の東欧公演となったハンガリーのブダペストのライブ・ヴィデオとか、凄まじいわけです。この翌年に彼がクラシック企画「バルセロナ」をやるのも納得です。このアルバムですが、イギリスでは非常に人気の高いアルバムで、BBCが2006年に行った「オールタイム・アルバム」の企画で全体で42位、クイーンのアルバムでは2位を位記録しています。

 

 

2.News Of The World(1977 UK#4, US#3)

 

 2位は「News Of The World」、「世界に捧ぐ」です。これも大好きなアルバムですね。僕が思うに、クイーンがもし、このアルバムを作っていなかったら、旧世代のバンドのままで終わってしまっていたのではないか。そういう位置付けのアルバムです。というのは、この1977年というのは、ロンドンでパンクの嵐が吹き荒れた年です。セックス・ピストルズとかクラッシュとかですね。その時期にメインストリームのハードロックなんて敵視されてもいたわけで。実際、このアルバムのイギリスでの最高位が微妙に落ちるのもそのせいですね。彼らはそこにうまく対応しました。プログレ的なクラシカルなギター・トーンを抑えめにして、よりソリッドなロックにシフトして、一方ではアメリカで強かったアリーナ・ロックのマーケット、そしてもう一方ではパンク/ニュー・ウェイヴに対応します。前者の路線では、やっぱり永遠のアンセムですよね。「We Will Rock You」と「伝説のチャンピオン」。前者では「ドン、ドン、チャ!」の生の人間のリズムでオーディエンスを肉感的に煽り、後者では「自分たちが勝者だ!」と畳み掛ける。もう、アリーナでは最高の演出ですよね。しかも両方とも「We」って作ってあるのが最高にテンション上がるんですよね。この辺、上手いなと思うし、後者でのフレディの歌いっぷりも最高です。

 

 あと、パンク/ニュー・ウェイヴ路線では「Get Down Make Love」と「シアー・ハート・アタック」ですね。前者はレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」の彼らなりのシンセサイザー解釈ですね。そして後者は、クイーンとしては珍しい直情パンク。しかも歌い方、ジョニー・ロットン思い切り意識したり(イナー、イナー、イナー)もして。こう言う遊びもちゃんとやれてしまう。そして「Spread Your WIngs」みたいな優しい気持ちのアンセムも、ミドル・テンポの隠れ名曲の「It's Late」もある。このバラエティの幅がいいし、これをちゃんと4人のソングライティングの割り振りで作れるのが彼らの強みです。時代の変革も乗り切れるわけです。

 

 

1.A Night At The Opera(1975 UK#1,US#4)

 

 そして、やっぱり1位はこれですよね。「オペラ座の夜」。別に空気読んだわけじゃありません。どう考えても、これしかないと思うんで。

 

 これは、あの曲に関しては後述するとして、僕がさっきから何度も言ってるクイーンの「バンド内個人主義路線」が決定的に始まったアルバムでもあるんですよね。組曲見たいのがなくなって、メンバーそれぞれの一曲で完結した曲を集めた、それこそビートルズみたいな作りの路線です。そして、この時期はまだ、3人ヴォーカル体制だったから、それがなおさらですね。メインはフレディが歌うわけですけど、ロッド・スチュワートみたいな声で歌うロジャーの「I'm In Love With My Car」は会う時期までライヴでの定番曲だったし、このアルバムだとブライアンは「預言者の歌」みたいな豪快なハードロックを作りつつ、ヴォーカル曲ではフォーク、カントリー系を歌うという変化球を投げていて「39」みたいな佳曲はあるし。さらに、このアルバムからジョン・ディーコンが積極的にソングライティングに貢献し始めて、「You're My Best Friend」という、このアルバムで2番目に有名な曲も作りますしね。フレディはロマンティックなアンセム「Love Of My Life」を生み出している。

 

 で、それがあってのあの「ボヘミアン・ラプソディ」ですよ。これに関して言えば、「70年代のグッド・ヴァイブレーションズ

」ですよね。もう、それはあの映画のトレイラーからもわかります。あの曲のレコーディング秘話のシーン、ほとんどブライアン・ウィルソンの伝記映画のノリでしたからね。あのハーモニー重ね録りがいかにとりつかれたもので、当初は作者の本人以外に、「いったい何ができるんだ」と理解されなかった、あの感じ。「ああ、でも、奇跡的な曲を作ることって、こういうことなんだな」と思わされる、歴史的にも稀有な曲ですね。こういう曲を、今誰か作ってくれないものかとは、改めて思いますけどね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:FromワーストTo ベスト, 09:08
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