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アークティック・モンキーズ「Tranquility Base Hotel&Casino」1回目の視聴後

どうも。

 

 

 

今、まさにこのアークティック・モンキーズの新作「Tranquility Base Hotel&Casino」のアルバムの最後を待たずして文章を書き始めているんですけど

 

最高じゃない、これ?

 

これ、目にしたレヴュー、賛否両論が目立つんだけど、少なくとも僕は「否の立場」にはなれないな、これ。

 

 

だって、やってることすごいよ、これ!これ、言うなれば

 

アークティック・モンキーズ版「ペット・サウンズ」だもん、これ!

 

しかも、その本家と音楽的に同じことやってるわけじゃなく、アレックス・ターナーが自分の人生で影響を受けた音楽要素をもとにこれをやってるって感じですね。

 

そこには、例えばヒップホップだったり、60sのバロック・ポップだったり、ニック・ケイヴだったり、そういうので構成された、ダークでゴシックなペット・サウンズ。すごいよね。そんなもん、聴いたことない(笑)。

 

でも、ロックって、そもそもそういうものじゃないですか。少なくとも、僕が子供の時って、それで普通でしたよ。「自分が影響を受けた音楽で、新しいサウンドを作る」。それって、ロックが当たり前にやってきたことなんですよ。何かのフォーマットに則ってやるものではない。

 

 で、これを書いてて思い出したんですけど、僕、「AM」の感想でも実は同じこと書いてるんですよ。あのアルバムはすごくストレートなロックンロール・アルバムなんだけど、他のバンドで聞いたことのないような独自のアレンジのフィルターを通してのものだった。だって、未だにあれと同じようなロックンロール・アルバムって少なくとも他の若いバンドからはその後に出てきてないはずですよ。

 

 それを今回は、「ペット・サウンズ」とか中期ビートルズがやったような、「トータル・アルバム」の方法論で実践してみた感じですね。しかもこの、「ストリーミングの時代」ってことで他のみんながより1曲1曲の楽曲単位の方に目と耳が行きがちな時代に、「1曲が全体のピースの1部」みたいなアルバム作るって、すごく時代にケンカも売っている。面白いじゃないですか(笑)!

 

 

 で、決して、ギター・ドリヴンなロック・アルバムじゃないんだけれど、でも、同時に、エレキギターの存在なしではできないアルバムにもなっている。そこも気に入っているポイントです。これ、今も昔も同じなんですけど、「ロックで革新的なものを作りたい」ってことになった場合、どうしてもエレクトロとか電子音使ったものに走りがちで、人はどうしてもイメージで「そういうものこそ新しい」と思いがちです。しかもそれが、耳に聞き馴染みにくいポップ・ソングのフォーマットから逸脱していればしているほど実験的に聞こえるというか。「キッドA」期のレディオヘッドみたいなヤツですね。だけど、このアルバムがとった方法論って、編成楽器的にはそういうデジタルな電子音とかに頼ったわけでも、アヴァンギャルドな楽曲構成にこだわったわけでもなく、伝統的なポップ・ソングのフォーマットを残して実験的なことをやっている。そこがちゃんと普遍的なポイントになっているし、アレックス自身のロックへのこだわりを垣間見せた瞬間でもあるのかな、と思います。

 

 

彼らくらいの大きなバンドになると、「こういう音を鳴らしてほしい」というリクエストを勢いしがちな人、確かに多いだろうとは思います。その意味で好きになれない人というのも出てくるんだろうとは思います。だけど、そういう人でも、「今を生きるロック・アーティストとしての高い志」、それだけは理解してあげてほしい、そしてそれをわかった上で聴いていただきたい高度なアルバムということは忘れないでほしいなあとは思います。

 

 

まだ1回聞いただけだから、歌詞の吟味ができていませんが、そこでまた印象が変わるんだろうなあ。もう、午前3時なので2回目は起きて以降ですが、早くも次のリスニングが楽しみです。

 

 

author:沢田太陽, category:アルバム・レヴュー, 14:46
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