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2018春ポップ・ミュージック雑感(2)グレタ・ヴァン・フリートが案外とカギを握っているのではないかと感じ初めている理由

どうも。

 

 

では、昨日の続き、行きましょう。

 

 

今日はロックの世界において、誰が今後のシーンにおいてのキーマンになりそうな感じがするか、について語っていくことにしましょう。

 

 昨日も話したように、ロック、今、商業的な意味でかなりピンチです。一般的な大きなヒットが若いアーティストから皆無な状況になっている上に、活発なシーンのようなものが、わかりやすい形で出ていない。これを打破するものはないのか。そんな風に感じている人も少なくないような気がします。

 

 

 では、どうやったらいいのか。誰が今の状況を変えてくれるのか。実は僕の脳裏の中で、「もしかしたら、このバンド?」と思い始めている人たちがいます。この人たちです。

 

 

 

グレタ・ヴァン・フリート!

 

僕のブログを覗きに来ていただけている人なら知ってる方、多いと思われますが、知らない方のために。こういう人たちですね。

 

 

 

はい。今更説明不要なまでに「レッド・ツェッペリンのソックリさん」ですね。

 

 

僕が彼らのことを知ったのはちょうど1年くらい前だった気がします。やっぱり、「ツェッペリンを思わせるバンドがいるぞ」とか、そういう触れ込みが回って来て知ったと思うんですけど。その当初に個人的に思っていたのは、「へえ」って感じで、「でも、これ、今の温楽シーンに刺さったりするの?」というのが率直な感想でした。

 

 

が!

 

実は現在、状況的にかなり見逃せないことになってきています!

 

 

ここからの情報、音楽ニュース関連ではほとんど伝えられてないことだと思うので、ちょっと言っておきましょう。

 

 

ー造蓮現在のアメリカで屈指のロックのロングヒット作品になりつつある!

 

 

これは「From The Fires」と言って、彼らがこれまで発表した2枚のEPをまとめた編集盤で、アメリカでは11月に出てました。あんまり強く宣伝された感じはしなかったのですが、これが現在、アメリカでかなり売れてます。

 

 最新のビルボードで、この編集盤、チャートイン22週めで103位を記録中です。最高位は36位を記録しています。

 

 

 「え?それがロングヒットなの??」

 

 そう、思う方も多くいらっしゃると思いますが、はい、そうです(苦笑)!

 

 悲しいかな。昨日もお伝えした、現在のビルボードのアルバムの集計方法だと、ロックの場合、アルバム・チャートで初登場で1位を取るような作品でも2ヶ月と200位に持たず落ちていきます。10週と持たないんですよ!それが、このアルバムは、最高位が36位と低いアルバムにもかかわらず、200位に落ちることなく、まもなく半年ランクインのヒットになっています。

 

 こういう売れ方してるのって、今、他にほとんどありません。あるとしたら、去年、ロック界で唯一の世界的バカ売れヒット作となったイマジン・ドラゴンズの「Evolve」があるだけですね。さすがにあっちの方がもっとバカ売れしてますけど、それ以外で半年もったヒットって、Lordeをロックに含めるなら、それが一つあるだけです。

 

 長いこと、チャート・ウォッチングしてると、アメリカの場合、前のアルバムがこういう売れ方をした場合、次のアルバムで一気のブレイク、というパターンが非常に多い。現在も、ずっと動かない状態が続いているので、次のアルバム待たなくても、もう少しチャート上がる可能性もあります。今、こんな動き方してるバンドないので、ここ最近、ずっと順位チェックしてました。

 

 

▲妊咼紂次Ε▲襯丱爐まだなのに、現在の注目度

 

 そして、見逃せないのは、これがまだデビュー・アルバム前の時点でこの状況、ということです。ロングヒットも異例なら、EPの状況で、こんなに長くヒットしていることも異例です。

 

 

 そして、もう全世界的にもフェスに普通にちょっと目立つ位置でやり始めてるでしょ。あれも客観的に見て、アルバム・デビュー前のバンドとしてはないことです。そういう例が前に何があったか。僕、自身も思い出せませんからね。唯一似てるものがあるとしたら、タイプ全く異なりますけど、2012年くらいのEDMのスクリレックスですかね。

 

 

 なのでこれ、アルバムの発表タイミングだと、今のままだと、全世界的に初登場でトップ10、アメリカだと1位取れるくらいの状況になってるような気がします。そのためには、待たせすぎて間延びするタイミングだとダメですね。ベストなのは今年の秋口頃じゃないかな。内容のいかんにかかわらず、今築いたファンベースだけで、それくらいはいけると思います。

 

 

 裏付けの数字もあります。今週、メジャー・デビュー・アルバムが全米でトップ10に入ったロード・ヒューロンがfacebookのフォロワーの数が15万人なんですね。.GVFの場合、現時点で既に21万人。これでアルバム発売タイミングでプロモーションにレーベルが金をつぎ込めば注目する人はさらに増えるでしょう。考えればまだ、トップ30に入ってもいない状況でこれなわけですからね。

 

 

若いロックバンドが通常持つ以外のファンが付いているのが強い

 

あと、彼らが良いのは、通常の若いロックバンドが持つことがないファン層を握ってるのが大きいですね。そのファン層というのが

 

50代以上!

 

これも「えっ!」と思われるかもしれませんが、この層、今、ロック的に軽視することはできません。かなりの売上に貢献します。

 

考えてもみてください。イギリスではありますが、ここ数年で、やれ、スパークスだ、ゲイリー・ニューマンだ、ジューダス・プリーストだ、ダムドだと言った往年のスターたちが軒並みアルバム・トップ10復帰ですよ。こう言う事態が若いロックのファン層だけで可能だと思います?今、50代以上の層というのは、ロックのセールスにかなり重要な層なのです。

 

GVFのファンにそうした年代の人が多いのは、彼らのfacebookの書き込み内容でわかります。写真で一目瞭然です(笑)。

 

でも、こう言う層が若いアーティストについた場合も大きい。それで大きくなった最大の人に

 

 

こういうアデルみたいな人が実際にいますからねえ。

 

 アデルがブレイクしかかった時、よく覚えてます。結構、年配の人たちが「あの歌の上手い女性は誰?」と飛びついて、彼らの界隈で話題が盛り上がった。で、そういう人たちが支持するものだから、CDの購入だけで売れ続ける、極めて稀有な人になっています。ビルボードのチャート集計、ストリーミングが強いとはいえ、CDの購入はポイントが高い。だからロック勢は今でも1週目だけは強いんですが、アデルの場合は、それが毎週続くからアルバムがずっと上位なんですよね。GVFのロングヒットにも、その「後追いで高齢層がCDで買い続けている」というのがあるような気がしています。

 

 

ぐ娚阿函∪在的に需要が潜んでいる音楽性

 

「じゃあ、GVFは高齢者だけが聴く音楽なのか?」と思われる方もいるかとは思います。だが、僕はそうとは思わないです。

 

 これ、今年のブラジルのロラパルーザでの話ですけど、結構、こういう人たちが、若い層含めて非常に盛り上がってましたから。

 

 

 

ロイヤル・ブラッドとかキャレオですね。すごくウケてました。

 

こういう人たちって、例えば、他のロックバンドがエレクトロに対応しだしたり、ハードロックなレジェンドの誰かが亡くなったりするでしょ。その反動で強くなっちゃうんですよ、不思議なことに。そこにはやっぱり、「僕たちの好きな、オーセンティックなハードなギターのロックがなくなってしまう」という危機感のメカニズムが働いてしまうから。近年、レジェンダリーなメタルバンドのチャート実績が全盛時に近いくらいよくなっている背景にも、僕はこれがあるようなっ気がしています。僕が前日に「ロックが滅びるとは思わない」と書いた理由の一つにはこれがあります。

 

 日本の場合はどうかわかりません。もうちょっと90sのUKロック寄りのスマートなバンドの方が好みだから、だけど70sにツッペリンやサバスがあり、90sにブリットポップ以上にグランジが人気あったような国だと、こういうことは起こりやすいです。

 

 

ゥ▲瓮螢での「悪いトレンド」へのカウンターにもなる

 

「でも、昔のレジェンドのソックリさんが売れることで、それがロックのためになるのか」という意見もあるかもしれません。

 

 そこに対しての僕の答えは、「アメリカの業界が”ロック扱い”で売ろうとしているこういうのよりは100倍マシ」ということですね。

 

 

 

もうね、こういう「イマジン・ドラゴンズもどき」だとか「EDMのフィーチャリング・シンガーもどき」のアレンジの物をロック系のラジオ局に取り入れて売ろうとしてるんですよね。「そのトロピカル・ハウスみたいなエコー、曲を止めてからかけるのやめろ!」とか言いたくなりますもん(笑)。インディの良いバンドの曲なんてほとんどかけようともしないのに、ポップの良からぬ潮流の方に安易に妥協した売り方をして生き残りを図ろうとする。アメリカの今のメジャー・レーベルの安易な解決法には本当にウンザリするし、こういう考え方してるからロック文化がどんどん悪くなっていった側面があるんですが、こういう流れに比べたら、「昔のものに似てるかもしれないけど、ロックらしいロック」が流行る方がまだマシだし、そっちの方が潔いですよ。もう聞いててイヤです。

 

 

εの沢田太陽の実際のGVF評は?

 

 では、最後に、僕が実際のところ、GVFに関してどう思っているのかを話しましょう。

 

「今まで現象面ばかり語っているが、当のアンタはこのバンド、好きなの?」と思われる方もいるでしょう。

 

そうですね。僕の本音としては

 

小さなローカルのシーンのライブハウスで叩き上げたバンドの方が好みといえば好みです。

 

最近だと、やっぱサウス・ロンドンのシーンのシェイムとか、そういうバンドの方が好きだし、そういうバンドの方に大きくなってほしいというのが本音としてはあります。

 

が!

 

そこにこだわりすぎて、他の良い可能性に目を瞑るのでは惜しすぎる!

 

僕がGVFを支持したい気持ちがあるのはそのためです。

 

あと僕くらいの歳になると過去のこういうのも知っています。

 

 

こういうZEPソックリさんが出るのはこれが初めてではなく、過去にもこういうのがあったんですね。でも、ハッキリ言って、こういうのよりは全然マシだと思ったし、だからこそウケてるような気もしたんですね。

 

 こういう人たちの方が実際のHR/HMシーンに寄与しているような感じはあるし、GVFは実際のところ、そのシーンのバンドって感じではない。そこで違和感を覚える人も古株のメタルファンとかにはいるかもしれないです。

 

ただ、「じゃあ、こういう曲はできる?」という強みがGVFにはあって

 

 

これ、見事なサム・クックのカバーですよ。これが20歳前後の年齢でポンと出せるってなかなかないですよ。しかもかなりソウルフルなテイストの良質カバーですよ。これ、誰か大人がレパートリーに仕込んだという考え方もできなくはないですが、だったら「バックにいる人たちまで含めて彼らはかなり恵まれた」ということで、それはかなりいい育て方をしてるってことでいいじゃないですか。

 

 あと、曲をコンパクトにまとめる力がありますね。あの声にして、曲のキャッチーさがなかったら、ここまでデカいことにはなってなかったんじゃと思いますから。ZEPに似てる似てないという問題以上に、そのソングライティングのポイントは見逃さない方がいいと思います。

 

ただ!

 

一点だけ、僕が気になっているところがあります。それは

 

正直、ライブはまだまだ・・・

 

ここさえ良くなれば、もう少し熱狂的に興奮して押すんですけどねえ。動画の時点で、まだその点がもう少しなのがわかるのがもどかしいとこです。ただ、このポイントは鍛えればまだ良くなるポイントでもあるので、デビュー・アルバムの頃までには改善されることに期待したいとこです。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 14:10
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Comment
ポップミュージック雑感、楽しく読ませていただいてます。
Greta Van Fleetはライブパフォーマンスはともかく、話題性やそっくり度(笑)では過去のツェッペリン風バンドを凌ぐものがありますね。
近年のツェッペリン風バンドというとカリフォルニアのRival Sonsが思い浮かびますが、地道に活動を続けて一定の支持を得た中年バンド、といった風情の彼らとはまた違ったファン層にもアピールしそうな印象をうけます。
サマーソニックで来日の予定もありますし、今後の展開が楽しみなバンドです。
ぺと, 2018/05/04 11:07 PM









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