RSS | ATOM | SEARCH
マルコム・ヤング追悼 再掲載:マルコム・ヤングに捧ぐ〜For Those About To Rock,We Salute You(2014.4.17)

どうも。

 

もう、マルコム・ヤングの死があまりにもショックです。

 

 僕の場合、AC/DCはかなりファンであることを声を大にして公言し続けてきたバンドでもあるし。もう、あの寸分の狂いもないリズムの刻みが聞けないのかと思うと、涙が出てきます。

 

 今回に関しては、本当は過去記事の再掲載なしでいこうかとも思ったんですけど、マルコム兄貴の病を伝えた際の記事が、すごくマルコムがどういう意味をAC/DCの中で持っているのかを、僕の思ってた以上に書けていたので、まずはこちらを読んでいただきたいと思います。

 

 実はその当時に書いたことと今で考え方が微妙に変わっているところがあるんですが、それはこの次の投稿で書こうと思います。

 

 では、2014年4月17日の投稿をぜひ読んでみてください。

 

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

どうも。


本当はフジロックのアーケイド・ファイアのヘッドライナー出演の話(メチャクチャ嬉しいけど、でも正直、あんまり驚かなかったんだよね。セオリー的に条件揃ってたんで「やるでしょ」と思ってた)とかもあるんですけど、僕的にはこの話があまりにも重要なので、こちらの話をさせてください。これです。




AC/DCの実質的リーダーで、鉄壁のリフ・マスター、マルコム・ヤングが、病気療養のため、AC/DCとしての活動を無期限で離れることになりました。

このニュースは、ここ24時間以内にAC/DCからオフィシャルに届けられたものなのですが、実はその1日前に「マルコム重病説」が浮上して、「AC/DCは解散するんじゃないか」という説がまことしやかに流れていました。今回の話に関しては、その噂の内容からあまりに信憑性が高かったことから、僕もあえて騒がず「そのとき」を覚悟して待っていました。


どうやら、その解散説は、メンバー本人によって否定され、「とにかく今、自分たちのやれることをやってみる」という結論には達したんですが、でも、今回の件は決して楽観できるものではありません。


というのも今回の件はですね、こんな形で起こりました。ちょうど1ヶ月かそこら前に、AC/DCは2008年に世界的に大ヒットした前作「Black Ice」につぐアルバムのレコーディングの準備に入っていたんですね。しかし、その矢先に、マルコムが心臓発作を起こしまして。さいわい一命はとりとめたものの、その後遺症で脳に血腫が出来て、その影響で体に麻痺が出たのか、ギターが満足に弾けない状態になったんですね。そのことから、「これではさすがに解散か・・」という話になっていました・・。


マルコム・ヤングという人はですね、AC/DCの中でパッと身では、「永遠のロック児童」こと弟のアンガス・ヤングや、世界一のしゃがれ声ヴォーカリスト、ブライアン・ジョンソンほどには目立たないんですが、彼が積み上げられたアンプの前に張り付いて、寸分のズレもない、切れ味鋭いリフをミニマルに刻み続けていたから、AC/DCのロックンロールに極上のグルーヴが生まれてたんですよね。彼がベースのクリフ・ウィリアムスとドラムのフィル・ラッドの3人でガッチリ組んで、一糸の乱れもない完璧なリズムを刻み続ける様、これはまさに「職人芸」というべきものでした。ここまで磨き、鍛え上げられたロックのリズム隊を見たことは、僕自身の体験ではいまだかつてありません。


AC/DCのライヴ・パフォーマンスって、見ていてすごくサッカーなんかにも通じる組織プレーを思わせるんですよね。たとえばブライアンがゴール前で点を取るフォワード、アンガスがフィールドの端から端をかけまわる野生児的な攻撃的ミッドフィールダーだとしたら、マルコムの役目はディフェンス・ラインを統括し、さらに攻撃陣との架け橋的な役のボランチかサイドバックみたいな感じ(その場合クリフがCBでキーパーがラッドかな)というかね。こんな立体的なフォーメーションがライブ見ただけで連想出来てしまう、1人1人のメンバーに個性があって同時に強いケミストリーを起こせるライブが出来るバンドって、ロック史上でもそうはないですよ。僕が映像やこの目で確認したものでも、せいぜいレッド・ツェッペリンとザ・フー、パール・ジャム、黄金メンバーのときのレッチリくらいなものじゃないかなあ。


そういうケミストリーを起こせるバンドの影の司令塔をつとめるほど、サウンドの重要なキーを担っているわけです。さらに彼は、オーストラリアのミュージシャンとしてはもはや名門一家のヤング家(兄2人はそれぞれ、グレープフルーツやイージービーツのメンバー)で最も頼りにされてる人でもあるわけだし、AC/DC自身も彼が率先して結成したバンドです。その彼が一歩間違ったら命や障害にかかわる病気を抱えてしまったわけです。それはさすがに継続自体が危ぶまれても仕方がないと思います。


ただ、一方でこういう考え方もできます。たとえばザ・フーを見てください。彼らは、「一体誰が代わりをつとめるんだ」というほどロック史上でも屈指の個性を持ったキース・ムーンやジョン・ウェントウィッスルを失っても、遜色のないパフォーマンスを行い続けていますよね。特に、忘れもしない、ジョンがヴェガスのホテルでエッチしてるときに急死したわずか数日後の全米ツアーに、たった2、3日で代役ベーシストを入れてツアーを無事に終了までさせたという例もあるんですよね。実際、そのときの全米ツアー、僕もニューヨークまで行って見てるんですが、そのときに「ザ・フーくらいの大物バンドになると、すぐに完コピできるミュージシャンというのはさすがに多いんだろうな。熟達ミュージシャンの研究対象にされてもいそうだしね」と思ったものですが、もしかしたらマルコムにもそうした「スーパー代役」は存在するかもしれない。現に彼は1988年のワールド・ツアーは病欠して代理のギタリストがつとめていたりもしましたからね。


それでも、もちろん、マルコムには弾いて欲しいんですよ。さすがに代理のメンバーとなると、僕が自分の生涯でのベストライブだと断言出来る2001年2月19、20日の横浜アリーナ公演を超えるライブまでは出来ないかもしれません。


ただ、それと同時に、「まだAC/DCを体験していない人に、『ロックンロール』というものが音楽的に具体的にどういうものかをもっとわかってほしい」という願望があります。そのためにはアンガスやブライアンをはじめとした他のメンバーにはまだまだ頑張ってほしい、という気持ちも強くあります。ザ・フーがそう出来てるように、彼らにもそれは出来ると僕は信じて疑っていません。


とにかく今は、彼らが時間をかけてニュー・アルバムを完成させて、ワールド・ツアーを回って「ロックンロールの妙技」を出来たらマルコムと一緒に堪能させてくれることを願ってやみません。そしてマルコムの病気が回復に向かって元気になることも心から祈ってます。


では、ここは、「マルコムに捧ぐ」という意味を込めて、AC/DCのライヴの不動のエンディング曲であるこの曲でシメます。




 

author:沢田太陽, category:訃報, 09:56
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://themainstream.jugem.jp/trackback/3272