RSS | ATOM | SEARCH
映画「ベイビー・ドライバー」感想 全ロック・ファン必見!これぞサブカル・アクション映画の最新決定版!

どうも。

 

 

今日は映画レヴューですが、もう、これはぜひとも、このブログ覗きにいらっしゃるような方にこそ是非見ていただきたい。これです!

 

 

この「ベイビー・ドライバー」。かの「HOT FUZZ」や「ショーン・オブ・ザ・デッド」、「スコット・ピルグリム」といった、わかる人にはわかるタイプのカルト映画の監督、エドガー・ライトの最新作です。僕も彼の映画は大好きなので毎回楽しみなのですが、今回はもう見る前から情報がジャンジャン入って来て、もう楽しみで仕方がなかったのですが、さて、どういう映画なのでしょうか。

 

 

さっそくあらすじから行きましょう。話を円滑に進めるため、順番を少しいじってます。

 

 

 

舞台はアトランタ。そこではある強盗団が銀行を襲っていましたが

 

 

その影に、青年ドライバーがいました。彼は自分のことをベイビー(アンゼル・エルゴート)とだけ称していました。

 

 

 

ベイビーは若さに似合わず凄腕のドライバーですが、その原動力となっているのはipodに入っているお気に入りの音楽を聴くこと。それで任務の精度を上げています。

 

 

 

 

そして、会議中に音楽をずっと聴いてようが、読心術で人の会話を全部理解する特殊な能力も持っていました。

 

 

 彼がこのような特徴を身につけたのは幼き日に受けたあることの後遺症で常に音楽を聴かないといきていけない体質になったからでした。さらに、暇さえあれば日常音を録音し、それをサンプリングして音楽を作っていました。

 

 

 

 ベイビーがこういう仕事をしているのは、犯罪界のボス、ドク(ケヴィン・スペイシー)の金を盗もうとしてバレたためで、その運転の腕前に目を付けた彼がベイビーを雇い続けていました。

 

 

 

 親を早くに亡くしていたベイビーは育ての親である、耳の聞こえない黒人のおじいさんがいて彼と2人暮らしなんですが、おじいさんはベイビーが何をして稼いで来たのか、すごく気になっています。

 

 

 さらに、彼にはダイナーで出会ったすごく音楽の趣味の良いウェイトレス、デボラ(リリー・ジェイムス)の存在がいました。趣味も気もピッタリな彼女と一緒に時間をすごしたいため、ベイビーは早く仕事の足を洗いたく、もう、終えた気でもいました。

 

 

 しかし、ドクは仕事の命令をやめず、遂にはオールスター・チームでの銀行強盗も画策します。それは以前も仕事をした、常にセクシーなカノジョとラヴラヴのイケメン知性派強盗のバディ(ジョン・ハム)とその愛人のダーリング、そしてキレるとやたらに凶暴なガンマン、バッツ(ジェイミー・フォックス)との仕事でしたが、ベイビーはデボラに後ろ髪を引かれ・・・。

 

 

・・と、ここまでにしておきましょう。

 

 

 これなんですが、まず、僕みたいなロックファンからしたら、こんな嬉しい話、ないですね。だって

 

 

 

 主人公が生粋のミュージック・ラヴァーだから!

 

 

 最近もたとえば、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でのクリス・プラットも70sのポップスのマニアだったりして面白いじゃないですか。でも、ここでのベイビーの方がセンスが圧倒的にマニアックですね。これ、監督のエドガー・ライトの趣味だと思うんですけど、70sのロック(パンクもプログレもハードロックも!)と50、60年代のモッズ好みのソウル・ミュージックの組み合わせが、もう、とにかく絶妙ですね。でも、中でも最高なのが

 

 

 

いや〜、2017年の今、ジョンスペのこの曲を先端の尖った映画で耳にすることになるとは思いませんでしたね〜。これが流れる瞬間、鳥肌立ちまくりましたからね!これが流れるシーン、これこそをこの曲のミュージック・ヴィデオとして発表したらアワードで賞取れますね。このシーンの圧巻さで言えば、「ラ・ラ・ランド」のオープニングのシーンのソレに匹敵するか、それ以上ですよ!あるいはアクション映画で言うなら、「イージーライダー」で「ワイルドで行こう」が’かかるあの瞬間とか。

 

でも、一番近いのは、やっぱ、これかなあ

 

 

 

 この「パルプ・フィクション」での「ミザルー」ですね。あの、一般に知られているわけでもない曲を、不意に効果的に使われた際の、あのカッコよさ。ここでの「ベルボトムズ」はまさにこれを彷彿とさせますね。

 

 

 また、ニクイじゃないですか。「ベルボトムズ」って、リリースされたの、まさに「パルプ・フィクション」と同じ1994年ですよ。その頃に渋谷の輸入盤店とかで流行ってたのが、23年後のストリーミングの時代に、まるで60年代のサーフ・インストの「ミザルー」が再発見されたみたいに、改めて見直される。なんか偶然にしてはすごく出来過ぎてる感じがしますね。

 

 

 この映画、この音楽シーンの多用ゆえに、「アクション映画版ラ・ラ・ランド」とも一部で呼ばれているんですが、僕にしてみればこれはむしろ

 

 

「トゥルー・ロマンス」の2017年版ですね!

 

 もちろん、これも初期タランティーノを代表する傑作(脚本のみですが)だし、この頃の奇想天外さや甘酸っぱさ、スリリングさが「ベイビー・ドライバー」には詰まってるんですよね。その後のタランティーノももちろん素晴らしいですけど、僕自身も90s前半に夢中になった、この頃の若さゆえの瑞々しさにはもうタランティーノも戻れないなと思っていただけに、エドガーのこの試みは僕には嬉しかったですね。

 

 

 あと、これ、もちろんアクション映画としてもかなりレベルが高いです。スピードといい、繰り出すカー・アクションのちょっと入り組んだ感じといいベイビーたちの追いかけっこの際の機転といい、すごく緻密に考えられてますね。エドガー自身が明かしてますが、この映画のために10作ほどの作品を参照にしたようですよ。それはこちらに詳しく書いていますが、いったんこりはじめると細部が神経症的にマニアックな彼らしいところでもあります。

 

 

 でも、

 

 まだ、それだけじゃない!

 

 この映画、まだすごいんです。このテの、印象的な絵になるシーンの多いアクション映画だと、「でも長編ミュージック・ヴィデオみたいなものなんじゃないの?」などと穿った見方をする人が必ず現れます。実際にそういうレヴューも僕は読んでますが、でも、これ

 

 

 話が後に進めば進むほど良い!

 

 

 しかも、展開にドキドキするだけじゃなく

 

 

 話が途中でワケはわからなくなるどころか、終わりに近づけば近づくほど論理的説得力があがるんです!

 

 

 そこがすごいと思いましたね。刹那的な勢いで魅せるタイプかと思いきや、最後まで、地に足をつけるところはちゃんと付けてるんです。

 

 

 そして、その上で

 

 

このベイビーという、新しいアクション・キャラクター像を世に提示するのに成功しています。

 

大体、音楽マニアですからね。性格が内向的になるに決まってます。そして、その性格は、世を見る価値観にもしっかり反映されています。決して、これまでのアクション映画にありがりなマッチョなヒーロー像ではない!このアピールでも、この映画、成功してると思います。

 

 

 そんな役をモノにできた、アンセルの才能にも驚きましたけどね。彼は2014年に、大ヒットしたヤング・アダルトの青春ロマンス「きっと星のせいじゃない。」で、シェイリーン・ウッドリーの相手役やって一躍ハートスロブとして注目されたんですけど、もう今や代表作はこっちになってますね。アンセルは来年ももうすでに主演が2本決まってて、一本の相手役はクロエ・グレース・モレッツだということですよ。

 

 

それから相手役のリリー・ジェイムスもすごくよかったですね。彼女、あのディズニーの実写版の「シンデレラ」演じた子ですよ!あの頃の清純なイメージから、今回ガラッと大変身して、イケてるロックンロール・ガールになってます。彼女のセリフも、もう音楽ファンの男子のツボつきすぎるくらい知的なマニアックさがあって、そういう言葉を発しても滑ってない感じに演じてたのが良かったです。

 

 

 あと演技陣は他も見事でした。ケヴィン・スペイシーが悪役として活躍するところもあの「ユージュアル・サスペクツ」のカイザー・ソゼとか「セヴン」の猟奇殺人鬼を覚えている向きにはこれまたすごくナインティーズな感じですけど、やっぱ似合うんですよね、悪役。あと、実はおちゃらけたマッドな演技が大好きなジョン・ハムは遂にあの「マッドメン」のドン・ドレイパーから離れた印象での役をモノにしましたね。あと、ジェイミー・フォックスのマッドぶりも相変わらず冴えてましたね。

 

 

 こんな風に良いとこあげて行ったらキリがないですけどね。でも、これこそが、音楽好きこそ見て損はない「これぞサブカル!」の見本みたいな映画だし、今の時代を象徴し、かつ、アクション映画の可能性を先に進めた映画でもあることは強調すべきとこだと思いますね。アワードでも・・そうだなあ。そういうタイプの映画ではないにせよ、オスカーみたいな大きな賞でも、技術系だけじゃなくてせめて脚本賞くらいはノミネートされてほしいですけどね。でも、これ、そんなこととは関係なしに記憶にはずっと残って行くと思いますね。カルト・クラシック化は確実だと思います。

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 10:18
comments(1), trackbacks(0), - -
Comment
日本でも公開決定しています!良かった(笑)
レビュー読んでますます観たくなりました!
haru, 2017/07/21 7:38 AM









Trackback
url: http://themainstream.jugem.jp/trackback/3137