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アメリカの常識はもはや必ずしも通じない!今の世界の本当の国際的ヒット・アルバム

どうも。

 

 

今回も、昨日に続いて上半期の音楽シーンを振り返る企画なんですが、ちょっとこんな例を出してみましょう。

 

 

 

今週のアルバム・チャートの首位を争ったヒップホップのDJキャリドと、ポップ・ロック・バンドのイマジン・ドラゴンズ。全米チャートでは僅差でキャリドの方が勝って1位になりました。でも、僕の中ではこんな疑問がわきました。

 

 

でも、国際的には、これ、どっちが売れてるんだろう?

 

 

 そう思い、国際的にデカい音楽市場である、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランス、イタリア。この6カ国での売れ方で両者を比較してみることにしました。なぜ、この6国かというと、これ、アメリカのアーティストが国際的なシェアを広めていくときの順番です。アメリカでウケたらまずは手っ取り早く、イギリス、同じ英語圏の市場ということでオーストラリア、そしてヨーロッパ大陸で最も市場のデカいドイツ、さらにフランス、イタリア・・。もう、この6つでヒットしたら、他の国もおのずとヒットはついてきます。実際、スペインとかスウェーデンのヒットも、大体、調べたら、これらの国のあとですからね。

 

 

では、それがどんな結果を、エクセルのグラフのコピーを張ります。それぞれのマスに最高位を書き、その順位を合計して、少ない方が結果が上、ということにしますが、これが自分でも驚きました。表示は見にくくてすみません。順位がみんな国に対して右寄りになっています。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Dj Khaled 1 10 7 35 10 76 139
Imagine Dragons 2 3 4 3 3 3 18

 

えっ!

 

イマジン・ドラゴンズのすごい圧勝!

 


 

 

過去のチャート実績もあるからイマジン・ドラゴンズだとは思ったものの、ここまでとは!

 

というか

 

 

全部の国で4位以上ってすごくないか!!

 

ちなみに調べたら、スペインとスウェーデンでも3位だったんですよね。

 

 

いやあ、これ、すごいですよ。だって

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Adele 1 1 1 1 1 1 6
Ed Sheeran 1 1 1 1 1 1 6
Eminem 1 1 1 1 2 2 8
Metallica 1 2 1 1 1 4 10
Coldplay 2 1 2 3 4 2 14
Justin Bieber 1 2 1 3 8 1 16
Beyonce 1 1 1 3 7 5 18
Arana Grande 2 1 1 6 8 1 19
Taylor Swift  1 1 1 4 9 5 21
Maroon 5 1 4 4 6 6 2 23
Lady Gaga 1 3 2 6 9 2 23
Linkin Park 1 4 3 3 14 6 31
Bruno Mars 2 2 3 9 2 14 32
Rihanna 1 7 5 3 6 10 32

 

 

 思いつく限り、いろんな世界的大物アーティストの現時点での最新作の最高位と比較してみても、この数字、いいんだもん。全部の国で1位になるのって、今、アデルとエド・シーランくらいなんだけど、イマジン・ドラゴンズの成績って、ジャスティン・ビーバーとかと変わらない最高位のインパクトですよ、これ。テイラー・スウィフトとかマルーン5よりも各国での最高位にバラつきもないしね。

 

 

 逆にキャリドの方は、いくら最近、ビーバーやリアーナのフィーチャリングでウケてようが、国によってヒットにバラ付きがありすぎるし、ましてや、

 

 

アメリカほどヒットしてる国がない!

 

そこで今回思ったのが、もしかして

 

 

今、「アメリカでのヒット作」ってそんな感じなのか??

 

 

 というのも、ちょっと心当たりがあったから。

 

 

たとえばキャリドと同じ、R&B/ヒップホップ。これにすごい世界各国とアメリカの差を前から感じてました。たとえばですよ、

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Kendrick Lamar 1 2 2 6 3 15 29
Drake 1 2 2 7 5 14 31
Weeknd 1 5 1 10 11 38 65

 

ケンドリック・ラマー、ドレイク、ウィーケンドあたりだと、まだ浸透してるんですよ。ウィーケンドが若干落ちますが、それでもイタリア以外ではウケてるわけですから。

 

でも、これが、たとえば最近アメリカで流行りのトラップ系のヒップホップになると

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Future 1 15 42 53 43 圏外
Migos 1 16 26 63 44 圏外
Travis Scott 1 19 10 圏外 37 42
Rae Stemmurd 4 圏外 83 圏外 66 圏外

 

 とたんにこんな感じです。主要アーティストをあげてみましたが、6カ国全部でヒットしてる人、いません。しかも、アメリカじゃ1位取るのに、イギリスだとトップ20、あとはオーストラリアがまちまちで、黒人が比較的多いフランスでトップ50程度。最近のアメリカでのトラップ勢の上位独占と比べるに、かなりの認知差です。もちろん時差をつけて今後伝わる可能性もあると思います。だけど、その前にブームがひょっとしたら・・というのも考えられなくはありません。僕自身はモノによってはすごく好きではあるんですけど。

 

 

あと、最近のアメリカで、「ちょっと他とズレてない?」と思うものは他にもあります。たとえば

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Katy Perry 1 6 2 10 4 6 29
Lorde  1 5 1 11 29 8 56
Halsey 1 12 2 27 83 15 140

 

 

6月のアルバム・チャートで3人の女性アーティスト、ホールジー、ケイティ・ペリー。Lordeが1位を3週続けて独占したんですが、彼女たちのアメリカでの最高位と他の地域の最高位にちょっと差がありすぎるんですね。このあたりにも、僕がここ数年感じていた、「ちょっと女性のポップものを過剰に優遇し過ぎてね?」という違和感が現れているというか。実際、アメリカでもちょっとリスナーが女性アーティストに飽きはじめていて、彼女たちのシングルが売れなくなりはじめていると言う話もありますからね。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Chainsmokers 1 3 4 11 25 8 52
Zedd 4 42 19 50 圏外 51

 

 

あとEDMでも思い当たるフシが。チェインスモーカーズなんて、シングルで1年くらいビルボードのトップ10に入り続けてアルバムでも1位取ったじゃないですか。ゼッドもアメリカでシングル・ヒット多いですよね。でも、世界各国で見たら、そんな威力を感じるほどの売れ方でもないんですよね。もうすぐキャルヴィン・ハリスの新作も入りますね。あれも今回入れたかったんですが、ギリギリ間に合わず。ただ、彼も前作は英語圏ではトップ5でしたけど、非英語圏では20位程度のヒットでしたね。

 

 

 なんかこういうのを見てると、今のアメリカの音楽マーケッティングが「今の若い子たちはこういうのを好きで聴いてるに違いないんだ!」というマーケッティング誘導がちょっと行き過ぎてるのかな?と思わざるを得ません。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Luke Bryan 1 47 4 圏外 圏外 圏外
Chris Stapleton 2 22 20 圏外 圏外 圏外
Miranda Lambert 3 70 26 圏外 圏外 圏外
Keith Urban 4 圏外 1 圏外 圏外 圏外

 

 

あと、毎度の「アメリカン・ローカル・ミュージック」のカントリーもそうですね。でも、これでもカントリーは国際市場を最近見つけはじめていて、実際、イギリスとオーストラリアのチャートでは「カントリー・チャート」のカテゴリーもあって、その影響もあってか、最近、以前よりアメリカのカントリー、ランクインするようになったんですよね。オーストラリアは、そこの表にも入れましたけど、キース・アーバンを生んだ国でもありますし。あと、イギリスだと、アメリカよりも批評家の好みそうだな渋好みのカントリーの方がウケやすくなってますね。クリス・ステイプルトンがかなり上に入ったとこを見ると。

 

でも、英語圏以外に今後広がるかなあ〜。というのはあります。

 

 

 では

 

逆にどういうのが、アメリカも含めて国際的にヒットしてるの?

 

 

そう思う人のために、こういう表も作りました。

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Muse 1 1 1 3 1 2 10
RHCP 2 2 1 2 3 1 11
Lana Del Rey 2 2 1 4 3 2 14
Radiohead 3 1 2 3 5 2 16
Gorillaz 2 2 4 3 2 3 16
Arctic Monkeys 6 1 1 3 4 4 19
Black Keys 1 2 1 6 4 6 20
The XX 2 1 1 1 5 11 21
Arcade Fire 1 1 3 6 3 8 22
Green Day 1 1 2 2 16 1 23
Florence&The Machine 1 1 1 3 13 7 26
QOTSA 1 2 1 7 8 11 30
Foo Fighters 2 2 1 2 18 7 32
The Killers 3 1 1 2 29 7 43
Blur 24 1 5 3 3 7 43
Jack White 1 4 3 5 9 28 50
Kings Of Leon 1 1 3 2 38 14 59
Mumford&Sons 1 1 1 2 54 5 64

 

 

 

 これも、いずれも、名前をあげたアーティストたちの、それぞれの国での最高位をあげたものですけどね。これ、ズバリ、ヨーロッパのロック・フェスでヘッドライナー取る、あるいは取れそうな人たちなんですけど、ここにあがった人たちがこんなに売れてるって知ってました?

 

 ラナ・デル・レイなんて全ての国でトップ5だし、アークティック・モンキーズやアーケイド・ファイアの前作もすべての国でトップ10入りですよ!あと、フローレンス&ザ・マシーンとかQOTSAとかもなにげに、あわや全6国でトップ10入りですよ。このあたりは日本の業界にも聞かせてやりたい話ですよ(笑)。

 

 

 あと、最近のリリースだとゴリラズね。彼らも全てトップ5入り。あと、ゴリラズ効果で、ブラーの目下のところの最新作もアメリカ以外では本当にヒットしてるんですよね。それからThe XXも今や大物ですね。

 

 

 アメリカでもヨーロッパ・スタイルのロック・フェスが定着したから、ある程度は対応できてはいるんだけど、

 

 

 だったら、もう少し、普段から彼らの曲、一般に紹介しろ!!

 

 

 本当にそう思いますよ。最近なんて、ロックのヒット曲、なんにもないけどさ。それがせいぜい、イマジン・ドラゴンズくらいなんですけど、彼らが世界であんなに売れるんだったら、他にももっとアーティストもいるんですから、もっとラジオとかシングル・チャートで紹介しろって感じですよ。

 

 で、早速、アメリカ、やらかしちゃってるんですよ。今、ヨーロッパだと

 

 

このラグ・ン・ボーンマンが「男アデル」みたいな感じで大ブームで、シングル・ヒットも出てます。くくりはロックとして紹介されてもいます。アメリカでもそれに倣えば良いのに、彼のデビュー・アルバム、こんな感じですよ。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
Rag N Bone Man 圏外 1 3 2 1 12

 

 

なんと、アメリカだけ100位にさえ入っていない!

 

 

 別に彼のことは好きじゃないんだけど、これだけの国でここまでウケてるんだったら、もう少し根入れてプッシュしてもいいのにね。アダルトなファン、絶対反応すると思うんですけどね。これもなんかチャンスのがしてると思います。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
John Mayer 2 16 5 44 圏外 50
Incubus 4 35 20 20 圏外 44
311 6 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外

 

 

少なくとも、こういう感じのを推すよりは効果あると思うんだけどな。

 

 

 今日は「国際ヒットを知るために、こういうチャートの見方もあるんだよ」という話しでしたけどね。もちろん、僕の好みで物を行ってるところもありますけど、でも、世界で万遍なく受けるためには、やっぱ、ちゃんとした実力持った人を支持した方が絶対良いと思うんですけどね。

 

 

最後にオマケとして。国際ヒットするには、「カルト受けする」という要素も必要です。そんな例でシメましょうか。

 

 

US UK Aus Ger Fra Ita Total
David Gilmour 5 1 2 2 1 1 12
Iron Maiden 4 1 2 1 2 1 11
Slipknot 1 2 1 2 8 6 20
Depeche Mode 5 5 14 1 1 1 27
Placebo 98 13 9 3 3 2 128

 

 

最後のプラシーボなんかは「アメリカ以外ではすごいよ」という例ですね、これ。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 13:09
comments(4), trackbacks(0), - -
Comment
これって、R&B/ヒップホップ等のブラックミュージックよりは、世界的にみればまだまだロックの方がメジャーというか主流ということなんですかね。それではアメリカ意外では別にロック人気は落ち込んでない、むしろこっちの方が人気という事なのかな。
自分はブラックミュージックが好きで、ロックにはあんまり興味がある方ではないので、この記事とても新鮮で面白かったです。
aiko, 2017/07/07 11:24 PM
>aikoさん


どうも。

書き損ねてしまいましたが、ヒップホップの場合、それぞれの国のローカル・シーンが強いこともあげられます。どこの国にもご当地のすごい人気のラッパーが今なら存在するので、アメリカのものでもよほどのビッグネームでもない限り響かない、というのがあると思います。


あとロックと違って、ヒップホップはライブ興業には熱心ではないのでフェスに来ないから一般浸透しない、というのもあると思います。
太陽, 2017/07/08 12:02 AM
アメリカでヒップホップが受けるのはヒップホップ自体が資本主義の中でサヴァイブすることを目的としてるからではないでしょうか
g, 2017/07/09 1:32 PM
太陽様
初めまして、とても面白い記事だったので、今回、書き込みさせていただきました。

ヒップホップとロックの違いとして、「クラブ」と「ライブ」の主戦場の違いも大きいと思われます。ポピュラーミュージックである限り、ヒップホップ・ロック共にチャートでのヒットは狙っていますが、ヒップホップは『(クラブ)フロアヒット』を目的としてる側面が大きいので、チャートでの直接的な順位は低いですが、毎晩、世界中のクラブでプレイされている可能性は高いです。
例えば、最近のトラップなども顕著ですが「ストリップ」や「GoGoバー」でいかにウケるかを目指している側面があるとも言われていますので、(私の好みではないですがw)Dj Khaledなんかは、今のこの時間・この瞬間どこでクラブでプレイされていると思われます。
そういった、側面からのヒットを加味するのも面白いかもしれません。最近はあまり流れなくなったとはいえ、dr.dreの「The Next Episode」やJayzの「Empire State Of Mind」なんかは、未だに世界中のどこかで同時多発的にプレイされているかもしれないので。。。
改めて、よろしくお願いいたします。
まど, 2017/07/11 2:56 AM









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