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全オフィシャル・アルバム From ワースト To ベスト (第10回)グレイトフル・デッド その2 10−1位

どうも。

 

 

 

では、From ワースト To ベスト、グレイトフル・デッドのその2、トップ10行きましょう。10位はこれです。

 

 

10.Anthem Of The Sun(1968 US#87)

 

 10位は1968年発表のセカンド・アルバムですね。これは、なんとなく世間が持ってるデッドのイメージをある程度体現したアルバムなんじゃないかと思います。思いっきり60sのサイケでジャズっぽくって、長尺の演奏がある感じで・・。と、ある意味そうだと僕も思います。

 

 ただ、僕が今の耳で聴いて思うに、この当時の彼らのライブを現すのに、このスタジオ盤でもまだ足りてないんじゃないかな、と思いましたね。意欲はあるけど、追いつききっていないようなもどかしさがあるというか。曲は「The Other One」や「Born Cross Eyed」とか、良いのあるんですけど、せめてこのアルバムにシングルで出た「Dark Star」の長いヴァージョンが入っていたらなあ。この当時の技術の制約が悔やまれるとこです。その分、ライブで表現しようの気持ちが強くなったところもあると思います。

 

 

9.Wake Of The Flood(1973 US#18)

 

 これが初代キーボードのピッグペンが亡くなって、レーベルをワーナーを離れて自主レーベルで出した最初のアルバムですね。ここからしばらくキーボードがキース・ゴッドショーと言う人になって、彼の奥さんのドナがバック・ヴォーカルとして参加するんですけど、この加入でいきなり違うバンドみたいになるんですよ。この当時のカーティス・メイフィールドみたいなソウルとか、レゲエとかにトライしてね。これまでのヒッピーでサイケだったりレイドバックしたイメージから、ガラッと洗練されます。中でも「Eyes Of The World」って曲に至っては、なんか渋谷系みたいです(笑)。これ、この当時のファン、戸惑ったんじゃないかなと思うんですけど、僕はすごく歓迎な変化ですね。

 

あと、こういう路線になると、名手ジェリー・ガルシアのギター・テクニックが冴えますね。彼の中のジャズの素養も引き出されるというか。

 

 

8.Terrapin Station(1977 US#28)

 

 自主レーベルでのリリースをやめて、アリスタに移籍した第1弾ですね。このとき、アリスタってCBSの総裁だったクライヴ・デイヴィスが作ってたんですけど、デッドの他にもキンクスやルー・リードもこの頃に移籍してるんですよね。そう考えると、アーティストの狙いはすごくカッコいいんですけどね。このアルバムですが、「洗練されたデッド」というキース・ゴッドショー加入以後の路線は継ぎつつも、すごく骨太でファンキーになってて、この感じだと、ちょっと離れていたデッドヘッズも戻るんじゃないかなと思えるほど、ソフィスティケイトされつつも硬派な感じがあります。

 

 このアルバム、ヴォーカル面でいうとボブ・ウィアーが全部やってて、1曲はドナ・ゴッドショーが全部ヴォーカルという点でもすごく異色です。B面の組曲はジェリーですけどね。このあたりの手腕は、当時売れっ子プロデューサーだったキース・オルセンの手腕かな。

 

 

7.Working Man's Dead(1970 US#28)

 

 デッドのレイドバック路線の最初のアルバムでもあり、いわゆる「歌もの」のデッドのアルバムの中でも人気の作品ですね。

 

 デッドって、元々がグリーングラス(カントリーのルーツみたいなもの)のバンドだったので、このとき流行りはじめたカントリー・ロックの対応は難しいことではなく、その奥深さを見せてますね。あと、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングばりのヴォーカル・ハーモニーも全然負けてません。「Uncle John's Band」をはじめ、名人級のフォーク、カントリーが聴けますが、よく聴くとリズムが案外骨太でR&Bっぽかったりするのもミソです。

 

 

6.Europe 72(1972 US#24)

 

 これはロック史にも残る名作ライヴ盤です。なので、本当はもっと高くしようかとも思いましたが、あえてこの順位で。

 

 なぜかというと、この1972年のヨーロッパ・ツアー、実は全音源録音されてて、それが全部配信で聴けるんですよね。なので、そっちを聴いた方が、72年にリリースされたこれよりも圧倒的に良いんですよねえ。というのも、このときに出たヴァージョン、ハイライトの抜粋で、曲間が全部フェイドアウトしてるんですよ。なので、ライヴ会場にいるみたいな臨場感が今ひとつ伝わらないというか。

 

 それよりは、ネットで評判調べて、このヨーロッパ・ツアーのベストのものを聴いた方が良いと思います。よく評判を聴くのは、ツアー最終日のロンドン公演の人気が高くて、あとはフランクフルト、パリあたりも人気が高いですね。

 

 

5.The Grateful Dead(1967 US#73)

 

 今から50年前の1967年3月にリリースされたデビュー作です。いわゆる名盤選にそこまでの頻度で載る作品ではないんですが、僕はこれ、ものすごく良いアルバムだと思いますよ。バンドのポテンシャルの高さをこの時点ですごく感じます。おそらく、人によって評価がさほど高くないのは、彼らがこの時点でガレージ・ロックのバンドみたいに聞こえるからじゃないかと思うんですが、大のガレージ・ロック好きの僕にはそれだからこそ好きだし(笑)、そこに先ほども言ったようにブルーグラスからの影響も感じさせるし、ソウル・ミュージックの雰囲気もあるし、さらにはこの当時の他のガレージのバンドにはなかったフリー・フォームのジャズっぽさを早くも垣間見せるときもあって。特にオルガンがこのアルバム、大活躍するんですけど、これを弾いてるのがピッグペンですね。この当時はジェリーのギターよりもむしろ良いくらいです。これはもっと評価されていいんじゃないかな。

 

 

4.Grateful Dead(Skull&Roses)(1971 US#25)

 

 これも定番のライヴ盤です。世間一般の評価ではこの次の「Europe 72」の方が高い気もするんですけど、僕が15年ほど前にデッドにハマった際は、こっちのアルバムの方をよく聴いてましたね。

 

 なんて言うんだろう。こっちの方がアルバムの起承転結があって、ひとつのライブをそのまま聴いてるような感じがするんですよね。こっちも曲間はフェイドアウトなんですけど、いろいろくっつけてあるわりには全体があたかも順番でもあるかのように聞こえるしね。あと、「Bertha」をはじめここだけで聴ける新曲もいいし、定番化するボブ・ウィアーのソロ・アルバム「Ace」からの「Playing In The Band」もいいし、マール・ハガードをはじめとしたカントリーのカバーも、そしてそしてデッドお得意の18分の長尺ジャムも。もっと評価高くても良いんですけどね、これ。

 

 

3.Aoxomoxoa(1969 US#73)

 

 

いわゆる「サイケの時代のデッド」のスタジオ盤だと、間違いなくこれが最高傑作ですね。

 

 この一つ前の「Anthem Of The Sun」ほどフリー・フォームを利かせてないんですけど、この当時のスタジオ盤で制約で表現出来そうにないことをあえてやるよりは、長くて5〜6分の尺で出来る楽曲で、「少し長くジャムりもするけど、根本的な楽曲がいい」というタイプの曲で名曲を多く生んでいるのがいいです。「St.Stephens」「Doin'That Rag」、そして「China Cat Sun Flower」に「Cosmic Charlie」。デッドにとっては不可欠な曲ばかりです。歌メロのコード感でも、すごくデッドらしい感覚を感じやすいアルバムだと思います。

 

 

2.American Beauty(1970 US#30)

 

 

 デッドのスタジオ盤での最高傑作に一般的にあげられますけど、僕もそれは同意しますね。

 

 これは1970年に2枚発表された、デッドのアーシーなレイドバック路線のアルバムの2枚目ではあるんですけど、やっぱ先の「Worklng Man's Dead」よりはこっちの方が上ですね。ライブやベスト盤の定番にもなる「Sugar Magnolia」「Truckin」「Ripple」「Friend Of The Devil」そして「Box Of Rain」と5曲もあるわけですけど、カントリーっぽさは、とりわけ「Ripple」に顕著なように前作よりも濃くなっているにも関わらず、その一方で「Box Of Rain」みたいな、その後のソフィスティケイト路線を先駆けたみたいな曲もあって、しかもそれが違和感なく収まっているのもいいんですよね。特に「Box Of Rain」は今の耳で聴いても新鮮なんじゃないかな。

 

 

1.Live/Dead(1969 US#64)

 

 

 1位はやっぱりこれですね!1969年の名作ライヴ盤、「Live/Dead」。

 

 まず、なにがいいかって、「これを聴いてからこそのデッド!」と思える長尺演奏がのきなみ目立つことですね。「Dark Star」で23分、「Turn On Your Love Light」で15分、「Death Dont Have No Mercy」で10分。そして、ギターのフィードバックだけで8分ですよ!これ以降のオフィシャルのライブ盤って、曲を聴かせることにも力を入れてるのもわかるんですけど、ここまでそのジャム部分を醍醐味もって聴かせたアルバムはないですからね。

 

 加えて、それがこの当時のデッドのみならず、「60年代という時代」そのものを象徴しているのもいいですね。この時代の、ロックそのものがどんどんフリー・フォームになって拡張して行く様子。これをドキュメンタリーのように捉えた生々しさもあります。60年代、サイケ、サンフランシスコ。これを巧みに象徴している本作がナンバーワンでよいと思います。

 

 

・・といった感じでしょうか。

 

 

次回ですが、早ければ来週にもやりますが、今回とはガラッと違いますよ。

 

 

author:沢田太陽, category:FromワーストTo ベスト, 14:31
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