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(欧米圏で)ロックが持ち直すための7つのポイント

どうも。

 

 

こないだもチラッと言ったように、先週の火曜日に書いたコラム「ロックの落ち込みが思った以上に深刻な7つの理由」。あれがことのほか評判だったので、ちょっと続きを書いてみようかなと思います。

 

 

今回は、「では、ロックがどうやったら持ち直すのか」、そのあたりの可能性について言及しようかと思います。

 

 

では、まず、その,ら

 

 

.襯奪スのいい人たち

 

 もしかして、ここで笑う人、いるかもしれませんが、そこは笑うポイントではありません。この要素、本当に大事なんですけど、すごく軽視されている気がするんですよ。

 

 前回、「ロックが手っ取り早く持ち直すには、この人のヒットがあればいいかもしれない」という書き方をしましたが、そのカレの「サタディ・ナイト・ライヴ」でのパフォーマンスの映像が見れるようになっています。

 

 

 

どうです?なかなか、歌いっぷり、見事でしょ?これは正直、僕も驚きました。この曲、英米で初登場1位になりましたけど、このパフォーマンスはそれを良い意味で後押ししますね。

 

 

これまでのティーン・アイドルって、ロックを歌うってなったときに、どういう訳だか知らないけど、あえて「これはアイドルがやってる曲なんですよ」とわかる、オーヴァー・プロデュースなダサい音くっつける傾向があったんですけど、これ、そういうのがないですからね。

 

 あと、日本人の感覚で「アイドル」のイメージに慣れてると、この歌い上げは全く想定外じゃないです?そこがすごいんですよね。これまでも歌のうまいアイドルならいたんだけど、どっちかというとそれはR&B的なソレであり、ロックのソレではなかったですからね。ハリーは、たとえばワン・ダイレクションでいうところのザインみたいにスムースには歌えないけれど、逆にその分のある種の無骨さがロック歌うのには合ってますね。それから、大体1D自体、「ちょっとロックっぽい曲を歌うボーイバンド」でもあったわけだから、その要素を成長させた路線というのは、たしかにあっていいものだとも思います。

 

 

ただ、ハリーの場合、問題なのは、彼があらかじめ、「この人は自分で曲なんか書かんだろう」というのがわかりすぎちゃってるとこなんですよね。ここのポイントはロック聴きからすれば、どうしても突っ込まれてしまう。そこがひとつ課題なんですよね。

 

 

 なので、「いい顔のロック・アーティスト」って必要だと思うんですけど、最近、信じられないことに、「顔が良いことがロックにとってのひとつの障壁になっている」という困った事態を目の当たりにしました。

 

 

 昨日のことだったんですが、イギリスのNMEのフェイスブックの投稿欄に、ある男性から、「The 1975なんて、アンダーエイジの女の子に人気があるだけのバンドだろ」って書き込みがあって、それでたくさん「いいね」もらってたんですね。そこで僕が「アンダーエイジの女の子に人気があるって悪いことなの?だったらストーンズとキンクスの60年代のライヴ盤聴いてみなよ。女の子の黄色い歓声がスゴくデカくてビックリするから」ってレス打ったら、僕のに30人くらい「いいね」くれた人がいましたけど、でも、いわゆる今の欧米のインディ・ロックの比較的若いファンって、アイドルっぽい容姿を持ってたらダメって人が案外少なくないんですね。「ああ、それじゃ売れるわけないじゃん、ロックなんて」と、ただただ思うだけでしたけどね(苦笑)。

 

 

 日本だと、「バンドでそれなりにイケメンを探すこと」なんて普通じゃないですか。それが英米で、過度にティーン・アイドルをVSで意識しすぎることによって、単純に図式化しすぎる人が多いんですね。で、そこで矛盾をおかしてしまっている。じゃあ、ビートルズやストーンズは?デヴィッド・ボウイは?デュラン・デュランは?ボン・ジョヴィは?90年代の頃のブラーにだってアイドル人気、半端なくありましたよ。そういう、ポップで魅力的な要素を削ろうとする勢力があるのなら、そこは問題です。ロックの本来の魅力だったものに、首を絞めるようなものです。

 

 

なので、ハリーには、ロックがもともとそういうものだったということを再認識させるための、うまいこと橋渡し的な存在になってくれればなあ、と思っているとこです。

 

 

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 これは、既存人気の「保持」ではあるけれど、底辺を拡大する要素にはあまりならないなとは思うのですが、2017年もこれからまだロックのビッグネームのリリースというのはあるし、ツアーも行なわれる訳です。

 

 

 今年、このあと新作出てくる予定のアーティストとしては、ゴリラズ、カサビアン、Lorde、フリート・フォクシーズ、ザ・キラーズ、ロイヤル・ブラッド、アルトJ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジと、名前は揃っている訳です。もしかしたらLCDサウンドシステムとかアークティック・モンキーズ、フー・ファイターズという名前も飛び込んでくるかもしれません。

 

 

 彼らがここで予定通りに売れてくれると、また助かるんですけどね。とりあえず、「フェスのヘッドライナーはまかせられるよね」くらいの売れ方であってくれると、若干、短期なものの見方ではありますが、「ああ、なんとかなるな」とは思えるものではあります。

 

 

 特に売れて欲しいのはLordeとロイヤル・ブラッドかな。やっぱり、こういう若い名前が底辺広げてくれた方が希望が持てますからね。

 

 

イギリスで新人バンドがチャートに少しずつたまりはじめている

 

 

 あと、そこまで目立って派手な動きでこそないものの、今年に入ってから、イギリスのアルバム・チャートに、順位こそ高くないものの、ロックバンドの名前が目立ちはじめては来ています。

 

 

 この3ヶ月ちょいのあいだに、スンダーラ・カーマ、クリーパー、ブレーナヴォン、ビッグ・ムーンといったバンドが、24位、18位、51位、66位というチャート・アクションでこそありはしたものの、それでも入って来はしました。去年までだったら、こういうニュー・エントリーそのものが珍しくなっていましたからね。

 

 

 こういうバンドたちが、年始の「ブレイク予想」の時点から期待値の高かったアマゾンズやキャベッジといったバンドの前に、事前バズがそこまで大きくなかったのに、そこそこの実績をあげたのは少し追い風になってると良いなとは思うんですけどね。こういうのが少しずつたまっていってドカン!となるのが一番ベストだと思います。

 

 

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 僕が今、何気に気にしてるポイントがここだったりします。

 

 

 まずひとつは、あまりにも「水面下」的な状況に一般的に見て、そうなっているのが気になっていて。「もう、そろそろ、なんか動きありそうだな」というのがまずひとつですね。

 

 

 2つめは、ガンズとかメタリカとかが、どこの国のチャートでも、「一家に一枚」的なロングセラーになってチャートに入り続けていること。この「定番感」は何かを呼び込む要素になりうるかなと思います。

 

 

 3つめは、数年前から、マストドンとかゴーストといった、インディの人でも聴けそうな硬派なタイプのメタルバンドがじわじわと注目されつつあったこと。去年出たフランスのゴジラとかもそうですね。今年もそこに、パワートリップとか、ポールベアラーと言ったバンドが名前浮上して来てます。

 

 

 あと、地道も地道なバンドたちのカルト評価があがってきていることですね。たとえばドイツでは,スラッシュ・メタルの20年選手のクリエイターが初の本国チャートの1位を取ったり、アメリカのデスメタルの30年選手のオビ’チュアリーが過去2作が最高のヒットになっていたり、この2組が一緒にツアーして局部的にウケてて、批評的にもすごくほめられていたり。

 

 

 こういう流れにあると、若い力を持ったバンドがなんか出てくると、ボン!と行く可能性があるかな、とは思ってます。

 

 

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 あと、このポントも期待したいとこではあります。近年、ここの助けが役に立つことも多いので。

 

 

 やっぱ気になるのはまずはオーストラリアですね。近年もテイム・インパーラみたいなデカいバンド、出て来てますけど、やっぱり地元に影響力のあるトリプルJみたいなラジオ局があって、ナショナル・チャートでも。アルバムだと自国のロックバンドの比率が高いですからね。個人的には、国民的なバンドになりつつあって、英米進出を本格的にはじめだしたキング・ギザード&リザード・ウィザードあたりは気になっています。

 

 

 あと、デンマークとアイスランドですね。前者は個々数年、ヴォルビートとかルーカス・グレアムみたいな国際ブレイクしたバンドがあるし、アイスランドもオブ・モンスターズ・アンド・メン、カレオといったバンドが国際的に成功してます。カレオなんて、むしろこれから大きくなるんじゃないかな。両国共に、国内チャートにロックの割合が大きいのも強みです。僕がスウェーデンよりむしろこの2国を推すのは、国全体でのロックの熱さと比率の問題ですね。スウェーデンのバンドには才能があるんだけど、あの国、今、EDMのDJ輩出して当てた景気でウハウハしすぎてて、それが国内チャートに出過ぎてるんでね(笑)。

 

 

 それから、なんだかんだでフランスとかドイツも見逃せない市場です。フランスはクリスティーン&ザ・クイーンのヨーロッパ全土でイギリス含め大成功したし、インディの潜在能力も高いとこです。ドイツも、メタル方面がやたら強く、周辺国にその影響を与えている点で見逃せません。

 

 

 あと、国内チャートでのロック比率の高い国として、今ならスペイン、そして日本があげられます。スペインは最近ロック・フェス大国ですからね。その影響がではじめてるのでしょう。日本も、今、国際的に見てバンドがシングル・ヒット出せている珍しい国ですからね。本人たち次第でチャンスはあるんですよね。市場そのものも、BABYMETALもONE OK ROCKもビルボードのアルバム200位には入ったし、X JAPANのドキュメンタリーのサントラもイギリスで27位だったかな?入ってたし。世界は、手は広げはじめてはいますからね。あとはそこにつけこむ勇気かな。

 

 

θ禀哨瓮妊アが、もう少し開かれたものを推すこと

 

 あとはここもポイントだと思ってます。とにかく、今年に入って批評メディアの推すものも、なんか閉塞感が感じられるんですよね。

 

 

 だって、今年に入って推された作品で目立っていたものって。

 

 

・50 Song Memoir/The Magnetic Fields

・A Crow Looked At Me/Mount Eerie

・Arca/Arca

 

 

こういうのでしたけど、申し訳ないけど、これじゃ売れる訳ありません(苦笑)

 

 

 だって、一番上から行くと、マグネティック・フィールズのアルバムは、50年の人生を50曲でつづった5枚組のアルバム。マウント・イーリーは、がんで亡くなった妻の死の直前から死後の生活を描いた実話。そしてアルカは、前衛的で今、最も先進的なものかもしれないけど、気持ち悪さも同時にハンパない・・という感じですからね。いずれも絶賛にもかかわらず、英米のアルバム・チャートには全く入って来はしませんでした。

 

 

 内容の善し悪しを評価するのも批評は大事ですが、「それがシーン全体に波及効果を与えて広がることなのか」も同時に考えなければいけないことです。その視点に欠けていたら、いいものもなかなか広がることが難しいです。そこのところの閉塞性を、最近の英米メディアから感じるんですよね。エド・シーランの現象ヒットに焼きもち焼いて、ここぞとばかりに酷評レヴュー書く暇があったら、自分が何か当ててみろ、というのはありますね。

 

 

 あと,砲盍愀犬垢襪海箸任垢韻鼻▲團奪船侫ークがブームになって以降に出て来たアメリカのインディ・バンドの平均ルックスの悪さ、あれも改善願いたい!リアル・エステートのルックスのやる気なさとか、正直、「もうちょっと頑張れよ!」と言いたいレベルではあるので(笑)。

 

 

Д劵奪廛曠奪廚悗里いぐ嫐での歩み寄り

 

 

 あと、前回でも書きましたけど、今のロック勢の悪いとこは「フットワークの悪さ」です。リリースペースで、完全にヒップホップ勢の後出後出になっている。

 

 

 これを解消するためにも、ヒップホップ勢との共演とかって、もっとやっていいことだと思うんですけどね。すでにマルーン5とか、こんどのリンキン・パークとかもやってて、The 1975にもその意向があると聴いています。こういう共演を通して、今のヒップホップ勢から良いとこ学ぶのは全然アリです。

 

 

 今はヒップホップとの共演の方がいいですね。EDMでコールドプレイが貧乏くじひいてイメージ下げてたりもしてますからね(笑)。

 

 

・・といった感じでしょうかね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 19:39
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