RSS | ATOM | SEARCH
最新全米チャート

どうも。

 

 

グラミーって、こっちは深夜の3時まであるんですけど、あの夜以来、下の長いコラムも書いたので、睡眠時間の少ない夜が続いてたんですね。なので、ちょっと遅れてます。やっと、長い睡眠がとれたばかりなので。

 

 

それにしても、ビヨンセとアデルのコラムにものすごくたくさんの反応いただいて嬉しい限りです。その後も、英米では議論続いてて、僕も英文書いて参加もしてるんですけど、アデル派の白人のいなおりとビヨンセのアーティスト性への偏見がすごく強くて、見下して敬意のない言葉遣いするんですよね。あれはいかがなものかと思いますけどね。「アデルは歌がうまいから」って言う論調を「対象になっているのはアルバム」の話だっていうのに延々そればかりして、作品論には全然触れない。「いや、25はこういう意味を持ったアルバムだからかつ意味があったんだ」という論点がまるでない。「ああ、いかにアルバムそのものを聴かずに、審査員も直感で選んだらこうなるんだろうな」という感じですね。

 

 

対して、黒人の方が今、議論うまいですね。さすが、ラップ文化で育ってきたからなのか、過去の差別の歴史を実証をあげて検証するのに慣れて育ってきたからなのか、論点の指摘が鋭いんですよね。「アデルが歌がうまいから勝ったって、じゃあ、ベックはビヨンセより歌が全然うまくないのに勝ったのはなぜなんだ」とかね(笑)。彼らの方が、ことの核心に触れて議論できてます。彼らにしてみりゃ、ケンドリックとビヨンセというアイコンが歴史的に語られうる結索を出したのに、それがよりによって、2枚共に、別に対して勝つ必要が差し迫ってあったわけでもない「2度目の受賞」のアーティスト作品に敗れたわけですからね。理解させる必要はこれ、間違いなくあります。

 

 

そんな感じで、全米チャート、いきましょう。

 

SINGLES

1(1)Shape Of You/Ed Sheeran

2(2)Bad And Boujee/Migos feat Lil Uzi Vert

3(3)I Dont Wanna Live Forver/Zayn&Taylor Swift

4(-)Million Reasons/Lady Gaga

5(4)Bad Things/Machine Gun Kelly feat Camila Cabelo

6(15)Bounce Back/Big Sean

7(5)Closer/The Chainsmokers  feat Halsey

8(10)Scars To Your Beautiful/Alessia Cara

9(6)Don't Wanna Know/Maroon 5 feat Kendrick Lamar

10(11)Paris/The Chainsmokers

 

 

大勢は先週と変わらないんですが、4位にスーパーボウルでのパフォーマンスの効果でガガが入って来ました。

 

 

僕はガガって、基本的にすごく信頼してるんですけど、その理由がこういうとこなんです。基本的に、生で歌を披露させたらつかむでしょ?彼女が人前でのパフォーマンスで失敗したのって、ボウイ・トリビュートだけだったと思うから。

 

 

あと、この人、自分の音楽の立ち位置わかってる人で、今回もこのアコースティックのバラードでしょ?今回の「ジョアンナ」ってアルバムは、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジとかフローレンス&ザ・マシーンとか、テイム・インパーラといった、今のインディ・ロックの精鋭たちとの共作が多いアルバムで、彼女の既存イメージを、少しだけではありますが揺るがしている作品でもあるんですよね。彼女の中では、「こういう人たちから何かを学びたい」というのが謙虚にわかってる人なんですよね。ビヨンセの「レモネード」もまさにそういう作品だったんですけど、そういうとこが彼女たちがほかのメガヒット・アーティストと違うとことなので、それは理解されるべきことだと僕は強く思ってます。

 

 

そして6位の人に関してはアルバムで語りましょう。

 

 

では22位初登場のこの曲で。

 

 

 

ビッグ・ショーンがエミネムと組んだ話題の曲です。「No Favor」。これ、エミネム、最初誰かわからないくらい低い声でラップしてて、感情が高まったあたりで、あのおなじみのフロウが聴かれるんですけど、今回、リリック久しぶりにさえてますね。ドナルド・トランプの強欲ぶりをこれでもかっていうくらいブッたぎってます。ラップの主題がある頃から見えにくくなってきていたエムですが、これでなんか彼自身も盛り返してくるんじゃないかという期待を抱かせます。

 

 

では、アルバムいきましょう。

 

ALBUMS

1(-)I Decided./Big Sean

2(66)Joanna/Lady Gaga

3(1)Culture/Migos

4(-)Sing It Now Songs Of Faith&Hope/Reba McIntire

5(4)Starboy/The Weeknd

6(-)The Fame/Lady Gaga

7(7)24k Magic/Bruno Mars

8(-)Dear Evan Hansen/Original Cast

9(9)Stoney/Post Malone

10(-)The RCA List Vol.4/Various Artists

 

 

上のエミネムとの共演曲も含め、ビッグ・ショーンが大ヒット中です。シングル100でも5曲くらい今週入っているんですが、今週シングル6位の曲をここで聴いてみましょう。

 

 

 

この曲は、こないだ特集しました、アトランタとか南部を中心にかなりの影響力を見せているヒップホップ、トラップの今、一番影響力あるプロデューサーですね、メトロ・ブーミンのプロデュースの曲です。ミーゴスの「Bad And Boujee」もメトロの曲なんですが、この曲も1位狙えそうな位置まであがってきましたね。

 

 

 ビッグ・ショーンはもともとはカニエの弟子格のラッパーということもあり、どこかのローカル・シーンをレペゼンするよりは、いろんなところのオイシいトラックのいいとこどりって感じのアルバム作ります。そういうとこが災いして、僕もそう思ったんですが、一般のレヴューはそんなに高い点にならないんですよね。バランスが悪い意味で取れ過ぎてて。なんか、いろんなとこから良い曲をあてがわれるうまいシンガーで、「何でも歌えるけど、それがゆえに逆に決定打も見えにくい」みたいな人、たまにいますけど、彼がラッパーでそういう感じですね。

 

 あと、シングル同様。ガガが再浮上してますね。「ジョアンナ」と現象的大ヒットだったファースト・アルバムがトップ10入りです。

 

 

4位はカントリーの大御所女性シンガー、リーバ・マッキンタイアの、これ、クリスチャン・アルバムですね、今回。

 

 

8位の「ディア・エヴァン・ハンセン」はこれ、ブロードウェイ・ミュージカルのサントラです。これは、ちょっと聴いたんですけど、「ピッチ・パーフェクト」にも出てくる2枚目半な青年が主人公の青春もので、曲調は90sの後半から2000sにかけてはやったピアノを主体とした、ちょっとアダルトなオルタナみたいな感じですね。

 

10位はカントリーのコンピレーションですね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:全米チャート, 18:49
comments(2), trackbacks(0), - -
Comment
レディーガガのアルバム名はジョアンナじゃなくて、ジョアンです。
あとビヨンセがグラミー主要部門を受賞したのは、HaloじゃなくてSingle Ladiesですよ。
ケンイチ, 2017/02/16 11:28 PM
他の方も書かれていますが、ガガのアルバム名はJoanne(ジョアン)です。
ディア・エヴァン・ハンセンは、ピッチ・パーフェクトのベン・プラットとgleeのローラ・ドレイファスが出演しているブロードウェイ作品ですよね。2人の声大好きです。こうやってみるとgleeに出演していた俳優陣、いろんなところで活躍してますね。(gleeではあまり目立たなかった印象があるメリッサやグラントがスーパーガールやフラッシュとして人気になって嬉しいです)


スミス, 2017/02/18 10:16 AM









Trackback
url: トラックバック機能は終了しました。