RSS | ATOM | SEARCH
ミーゴスをきっかけにアトランタ近辺の今のヒップホップを芋づる式に

どうも。

 

 

ここ最近、音楽だとこれにハマってます。

 

 

 

 

ミーゴス!

 

アトランタ出身の3人組のラップ・グループで、シングルの「Bad And Boujee」でつい最近、全米1位になりましたけどね、この曲がカッコいい!音割れしそうなくらいにデカ久手太いベースに、酩酊しそうなくらいに遅いリズム。そして、そこに乗っ掛かる過剰にエコーのかかったパンッ、パンッて音。

 

 

 ちょうど、これを知ったときくらいに、このスピーチがあったんですね。

 

 

そう。実は昨日「アトランタ」を紹介したのは、今日の企画のための長い枕詞だったんです(笑)。ゴールデン・グローブの作品賞を受賞した際のスピーチでドナルド・グローバーが、突然「Bad And Boujee」絶賛しはじめて、そのあとの取材でも、「あいつらはこの世代のビートルズだよ」とまで言ったんですね。

 

 

そこまで言われたら、やっぱ気になるじゃないですか。そんなわけで

 

 

 

この「カルチャー」という名前の、2枚目のアルバムなんですが、配信されてすぐに聴きましたが、ハマってます。

 

 

最初はトラックのカッコよさから入ったんですけど、僕が好きになったのはどうやらそこだけじゃなく、3人による一種独特のマイクリレー!それが相乗効果的にあるから、好きなんだなと思いましたね。

 

 

 

 

このクウェイヴォ、テイクオフ、オフセットの3人ラッパーからなる彼らですけど、聴いていただけるとわかるんですけど、1秒ごとくらいに、吃音みたいになる「えっ?」なラップがあったかと思ったら、いったん歌われたリリックの単語を間の手で叫んでみたり、そうかと思ったらラガ調に歌ってみたりと、この3者3様のラップによるリレー、これはちょっと聴いたことがないなと。しかも、それが、すごく重くゆったりとしたビートと相乗効果を起こしているなと。

 

だからなんでしょうね。少し前から、このあたりのサウンドって「トラップ」と言われて注目はされていたんですけど、「これはさすがにヤバいだろ」とまで思えたのは、僕にはこれが最初でしたから。

 

 

 そのことは、これをキッカケに、アトランタの最近のヒップホップ・アーティストやその人たちの関連作品をこの1週間くらいでいろいろ聴いたんですが、ここまで気にいったのは実はまだ出て来てません。だけど、それでもかなり良いなと思える作品には出会えたので、ちょっといろいろ紹介したいと思います。

 

 

 

 

 まず、「Bad And Boujee」に参加しているフィーチャリング・ラッパーのLil Uzi Vert(左)と、この曲を手がけた、今のこのシーンで一番カッコいいプロデューサーのメトロ・ブーミン、彼がアトランタのまだ21歳のラッパー、21 Savage(右)と組んだミックステープ。これがビルボードのアルバム・チャートで半年くらいのロングヒットになってるんすね。聴いたらこれが粋が良くてですね。特に21 Savageは低い声がすごくカッコよくて、それがメトロ・ブーミンのヘヴィなサウンドにすごくしっくり合うんですね。彼は正式アルバム・デビューの際にはかなり話題になるんじゃないかな。

 

 

あと、メトロ・ブーミンの過去の音源がないかと思って調べてみると。

 

 

 2人ともアトランタの今を代表するラッパーです。フューチャーとグッチ・メイン。フューチャーは2015年に彼自身の「DS2」ってアルバムがピッチフォークとかその辺りの批評メディアですごく評判が良かったり、かのドレイクとの共演アルバム「What A Time To Be Alive」を発表していますが、この2枚のアルバムでもうメトロ・ブーミンの曲、かなりやってたんですね。ドレイクの目線からディスコグラフィ追うと後追いになりやすい作品だっただけに気がついてなかったですね。

 

 

 あとグッチ・メインは、どっちかというと「客演王」なイメージがある人ですけど、彼は正式なアルバム以前にミックステープを大量に作るクセがあって、なんと67作もミックステープがあります。それが結構、ストリーミング・サービスでも聴けますが、そんなに多くはさすがに聴けるはずがありません(笑)。ただ、そのミクステの中にやたら「トラップ」と名付けられた作品が多いので、「ああ、トラップの仕掛人って彼あたりなんだな」と思いましたね。

 

 

 ただ、グッチ・メインの場合、異常なまでの多作である割には傑出した作品がありません。まあ、多作の人にありがちなことではありますが、しかし、最近の彼の作品を聴いていると、今のアトランタや南部の重要なプロデューサーと早いうちから仕事していることは伺えます。メトロ・ブーミンもそうだし、ゼイトーヴェン(すごい名前でしょ、笑)、サウスサイドといったあたりがそうなんですけど、園中のひとつに「マイク・ウイル・メイド・イット」というのがあって、「どこかで聞いた名前だな」と思ったら、これでした

 

 

 

レイ・シュリマー

 

彼らもつい先日、シングルが全米ナンバーワンになったばかりでしたが、彼らのアルバムを全面的にプロデュースしているのがマイク・ウィル・メイド・イットだったわけです。

 

 

どうりでフィーチャリング・ラッパーがグッチ・メインだったわけです。で、やっぱ、この曲もひときわキャッチーです。ほとんど歌だし、声がアイドルみたいに甲高いですからね。やはり、このトラップ、「ここからが大衆的に広がるポイント」と言えるのが、この曲と「Bad And Boujee」だったんじゃないかな。

 

 

粉懐古と言うと、レイ・シュリマーはアトランタよりはだいぶ西のミシシッピー州の出身、マイク・ウィル〜はアトランタと同じジョージア州の人ではあるんですが、違う市の出身です。ただ、同じ”トラップ圏内”であることにか変わりはないようです。

 

 

 そしてよく調べると、メトロ・ブーミン、このアルバムにすでに参加していましたね。

 

 

カニエ・ウェストの昨年のアルバム「ライフ・オブ・パブロ」、これに4曲も入ってたんですね。ただ、「俺ちゃん」アピールが良い意味で強いカニエです。使っていても、そこまでハッキリわかるような使い方じゃなくて、いちパートとして、比較的小さな音で使ってましたね。

 

 

ただ、カニエ絡みでいくと、たとえばこのひとつ前の「Yeezus」に深く参加したテキサスのラッパー、トラヴィス・スコットの2015年のデビュー・アルバム「Rodeo」にはメトロのほかにミーゴスのクエイヴォもラッパーとして参加してます。あと、カニエのレーベルの秘蔵っ子ラッパーのビッグ・ショーンも、来週のビルボード・アルバム・チャートで1位が確実な新作アルバムのファースト・シングルの「Bounce Back」がメトロのプロデュースになっています。

 

 あと、そのほかにもアトランタものだと

 

 

この2つのミックステープもロングヒットしてます。ひとりはまだ10代の、ちょっと変な声のラッパー、リトル・ヨッティ(左)。「ヨット君がボートに乗ってる」というダジャレ・ジャケが印象的ですが、彼も既に客演多しです。あと、隣のヤング・サグは大物のアルバムに既に結構参加してます。器用なタイプでラップも歌も、ラガ歌唱もできるんですが、歌詞の下品さで結構知られてます(笑)。この2人もアルバム・タイミングだと、かなり売れそうな感じが既にしています。

 

 

 今回、1週間くらいでここまで調べて聴くことが出来たのは、先週話した「ビルボードのアルバム・チャートのロングセラー」の話ともつながります。長く売れてたから僕に対して「ああ、文化としてここまで浸透しているのか」と納得しましたからね。でも、それでも「これからだ」と思うのは、今回のミーゴスのアルバムでさえ、イギリスでやっと16位で、他の国でもシングルは売れるけどアルバムはサッパリ、ということが普通だから。ここまで紹介したアトランタもので売れてるの、フューチャーがドレイクの影響があって多少くらいの話ですからね。

 

 

 ただ、これからまだかなりこれ、広がると思いますよ、これ。なんか1995年くらいのウータン・クランのメンバー・ソロのときのような広がり方を思い出しますけどね。とりわけ今年は無視出来ない流れになると思いますよ。

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 12:17
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://themainstream.jugem.jp/trackback/2971