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アメリカ大統領選候補の音楽の趣味は?
どうも。


 今年はなんだか、ドナルド・トランプの放言によって、これまで以上にアメリカの大統領選が盛り上がってますね。必ずしもいいことじゃない(笑)し、「アンタのその発言のまま世の中進んだら、世界の終わりだよ」と思って焦りもするんですけど、皮肉にもそれで、アメリカの大統領選をこれまで以上にチェックしている自分がいるのも事実です(苦笑)。


 ただ、そこで、やっぱ職業病なんですね。「候補者たちは一体どんな音楽の趣味なんだろう」と思ってしまいまして(笑)。で、幸いなことに、調べたら結構わかったので、ちょっと紹介しておこうと思います。


 僕として、一番、非常に悪い意味で気になった(笑)のは、やっぱ、この人ですね。




 こないだのアイオワの共和党のコーカスで、トランプに勝って一躍話題になりましたテッド・クルース氏。彼のですね、音楽に対する見解を聞いてですね、全身に虚脱感を覚えました。それは


「9/11以降、それまで好きだったロックの主張が嫌いになり、カントリーに共鳴するようになった」


ガーン!


 あのですね。僕はちょうど9/11のあった当時、このブログの前身のメルマガをやってまして、そのときに、トビー・キースってバリバリに右翼のカントリー・シンガーが「アメリカに余計なちょっかいかけやがって ブーツでケツぶっとばすぞ それがアメリカのやり方だ」みたいなことを「星条旗の旗のもと」みたいな曲名の曲で歌って、それでアメリカでCDバカ売れみたいな現象が起きて、僕、そのとき、頭来てメチャクチャにコキおろしたんですよ。僕としては、もちろん反ブッシュ、反イラク戦争派のディクシー・チックスを支持しましてね。トビー・キース、チックスにもあの当時、ものすごく噛み付いてましたけどね。


 前々から、いろんなとこで「トランプはエンターティナーだけど、クルーズはエンタメじゃなく、本気で危険な思想持ってるから気をつけろ」みたいなことが言われてましたけど、この前述の発言で血の気引きましたね。何、そのトラウマの抱え方!他にもいろいろ歪んだ逸話があると聞いてるんですけど、僕はこの話だけでお腹いっぱいですね。知りたくない(苦笑)。


 このクルーズ氏、しかも、僕と生まれた年、同じですよ。最近、イギリスのキャメロンとか、日本の橋下とか、僕に近い世代の政治家が出ては、すごくコンサバな主張して「勘弁してよ」と思ってたとこでしたけど、上述の発言は、今、名前を挙げた人とかでもしませんね。ゾッとします。


 で、他の人はどうかといいますと




 話題のトランプ氏ですが、この人、音楽の趣味はいかにも普通のベイビーブーマーっぽくて、エアロスミス、エルトン・ジョン、ポール・マッカートーあたりが好きで、以前はニール・ヤングとかボブ・ディランについても熱く語っていたこともあったとか。そういう人がなぜあんな風なレイシスト的な思想に行き着くのか不思議ですけどね。ただ、前述のクルーズ氏ほどの極右的ポリシーが音楽にも一貫しているわけではなさそうです。


 続いて




 アイオワの大会で3位に入って注目されたマルコ・ルビオ氏。彼も、僕より1つ年下と若いのですが、彼、なんと、90s育ちらしくですね、ギャングスタ・ラップのファンなんですって!とうとう、そんな人が大統領選に立候補するようになったというのは、ちょっと新鮮な驚きでした。彼曰く、「ドクター・ドレーはすごく信奉していて、トゥパックがイーストからウェスト・コーストにわたってきたあたりはもうゾクゾクしたね」なんてことを言ってます。音楽の趣味的には個人的に憎めないところはあるのですが、ただ、この人も、政治主張は全然評価できるものじゃありません。すごく軍寄りの人みたいなので。この人はキューバ移民なので、それで黒人にシンパシーはあるのかもしれないですが、政治主張はラジカルとは真逆で、ウィキペディアでこの人の傾向読んで共感できるポイントは僕はなかったですね。中絶とか、移民対策とか。


 あと、共和党で気になったのは





 ちょっと人気落ちつつありますが、お医者さんのベン・カーソン氏ですね。この人、黒人ながら、黒人の味方する人なのかな、って感じがあるし、LGBTに対しての差別的発言でも問題になっていましたが、この人の趣味は、幼い頃に聞いたモータウンと、クラシックみたいです。まあ、典型的な、裕福な黒人の家庭の人の趣味な感じはしますけどね。


 それから





 苦戦中のブッシュ一族のジェブ・ブッシュ氏。彼はスティーヴィー・ワンダーとかアル・グリーンといった70sのソウル・ミュージックとか、70sのアメリカのクラシック・ロックが好きみたいですね。60代前半だったかな。いかにも、その年代の南部育ちな感じはしますけど、趣味は読んでて僕は嫌いじゃなかったです。この人、ブッシュ家の中では穏健派みたいな感じで、当初は本命視もされてたんですけど、厳しそうですね。





 あと、泡沫に結果的になってますけど、ニュージャージー州知事のクリス・クリスティ氏。彼はもう、その州の名が示す通り、筋金入りのブルース・スプリングスティーンのファンです。ただ、「そんなヤツがなぜ共和党なんだ」という矛盾もあり、デモクラット支持者のボスには相手にされず、結局、同郷のもうひとりの大物、ボン・ジョヴィにキャンペーン手伝ってもらってましたね。ただ、ジョン・ボン・ジョヴィって、これまで熱狂的なデモクラットだと言われてたのに「は?」って感じでしたけどね。


 で、やっとデモクラット、行けるわ(笑)。僕の住んでるブラジルが良いと思うのは、いわゆるアメリカでの共和党にあたるような政治家が大統領になる確率が非常に低いことです。いないわけではないんですけど、順番で言って、4、5番目の規模の政党にいる程度です。南米の場合、70年代に右翼軍事政権があってそのトラウマが強くて、さらにその政権支持したアメリカ、特にそれを激化させた共和党ってやっぱ人気があるとは思えないですからね。そんなことも手伝って、僕もどうしても民主党支持になるし、アメリカのエンタメ界にいる人、特にロック系なんてのは、限られた極端な人を除いてデモクラットです。


 その民主党は今回、候補者自体が本当に少ないのですが、まずはやはり




 ヒラリー・クリントン氏ですね。思えば、僕がアメリカの政治に興味を持ったのは、この人のダンナさんのビル氏がはじめて勝ったときからでしたね。初の戦後生まれの大統領だったし、ちょうどグランジとヒップホップが音楽の中心になる大逆転現象が起こったときの政変だったので、僕も当時、なんだかすごく熱狂したものでした。


 そのヒラリーですが、いかにもベイビーブーマーらしく、ビートルズやストーンズ、ザ・フーあたりの名前をあげてますね。最近では、若い層を意識してかビヨンセとかラナ・デル・レイの名前も出しているようです。


 ただ、誕生すれば、「史上初の女性大統領」になるタイミングなんですけど、どうも彼女、若いリベラルへのウケが悪いんですね。支持してるのは年配者がメインだと言われてますね。僕自身としては、性差別的なことに根ざしてなきゃ良いな、という感じではあるんですけど


 その一方で、特にロック系のミュージシャンからものすごく高い評価を浴びているのがこの人です




バーニー・サンダース氏!


 彼も、こないだのアイオワのコーカスでヒラリーとほぼ引き分けなくらいに善戦したことで知名度が上がってますけど、とにかく音楽系のニュースを最近拾った場合、ほとんどがバーニー支持ですね。リストをあげるだけでもすごいですよ。レッチリ、フー・ファイターズ、フェイス・ノー・モア、サーストン・ムーア、ウィルコのジェフ・トゥイーディー、ヴァンパイア・ウィークエンド、フォスター・ザ・ピープル、他にも多くのヒップホップ系のアーティストからも支持されてますね。実際、彼の大会では、ここに名前のあがったアーティストが応援ライブもやっていますしね。


 あと、こんなものも作られてます。




 
 バーニー支持者のためのパンクTシャツ(笑)。このアイディアはすごいなあ〜(笑)。ロックにこなれてる国じゃないと、なかなか出ないですよね、これは。


 そのバーニーですが、彼は古き良きプロテスト・フォークとクラシックのファンで、そんなに趣味がロックロックしてるわけではないようですが、


 でも、このキャンペーンCMは泣かせます。




 サイモンとガーファンクルの「アメリカ」を使って、「みんな、アメリカを求めてここに来たんだろ」とメッセージを出し、いろんなバックグラウンドを持った人たちがみんなで幸せそうにしている。これ、始めてみたとき、マジで涙出て来ましたもん。僕も、国は違うものの、人生の次のステップ求めて、同じように人種多様の国に移住したいきさつがあるので、これはグッと来ずにはいられませんでしたね。


 バーニーが大統領になったら、すごく面白そうですけど、僕としては、ヒラリーでもバーニーでもどちらでも良いから、とにかく共和党の候補は、世界のために食い止めて欲しいとは思いますけどね・・って、テーマは候補者と音楽なんですけどね(笑)。





 
author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 12:08
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