- オスカー2019 前哨戦の最初の週のまとめ
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2018.12.02 Sunday
どうも。
では、お約束の通り
当ブログ、毎年恒例の、オスカー前哨戦の最初の週のまとめ、行きましょう。
前哨戦は11月27日のナショナル・ボード・オブ・レビューにはじまり、28日にサテライト・アワーズ、29日にニューヨーク映画批評家協会賞と、大きなものが3つ出ましたけど、そこで言えることを指摘していきましょう。
間違いなく言えることは、この4つが現状ではリードしてますね。おそらく、「ノミネートは最悪でも確実」なのはこの4つじゃないでしょうか。
まずはナショナル・ボード・オブ・レヴューを制した「Green Book」。これはトロント映画祭も制しているんですが、主演のヴィゴ・モーテンセン、助演のマハーシャラ・アリ、監督のピーター・ファレリー、脚本、どれも今のところ確実にノミネートされているので、外しようがないでしょう。さらにはコメディ扱いなので、ゴールデン・グローブでもかなり有利な賞展開も可能。僕はこれ、かなり強いと見ています。
続いて、ナショナル・ボード・オブ・レヴューでブラッドリー・クーパーが監督賞、レディ・ガガが主演女優賞、サム・エリオットが助演男優賞を受賞した「アリー スター誕生」。サテライト・アワードで最多ノミネートだったように、この映画、今回のオスカーの中で、ノミネートがかなり計算できるのも強みです。「数で目立つが勝ち」なオスカーのノミネートの発表の際に一番話題になるのはコレでしょうね。ただ、ニューヨーク映画批評家協会賞では何にもかすらずに終わっただけに、硬派な映画ファンの票がどこまで入るかは気になるとこでもあります。
続いては、ニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞、アルフォンソ・キュアロンが監督賞受賞と圧倒的な強さを見せた「Roma」。これも今のところ、ノミネート漏れを見たことがないので、ノミネートまでは確実に行くでしょう。ただ、言語がスペイン語でメキシコの外国語映画賞の代表作品にもなっているので、そちらの受賞で完結して終わってしまうこと、配給が映画関係者で毛嫌いしている人が多いネットフリックス配給なのがどうか。気になるところです。
そして前作「ムーンライト」でオスカー作品賞受賞のバリー・ジェンキンス監督の「ビール・ストリートの恋人たち」。こちらは助演女優のレジーナ・キング、脚色賞などが有力視されていて、これも今のところ、ほとんどのアワードで作品賞、監督賞でノミネート。これもノミネートまでは確実でしょう。
ただ、今年の場合は、本当に確約できるのは、この4つだけですね、今のところ。
意外と大健闘しているのが「First Reformed」という映画。これで主演のイーサン・ホークがすでにニューヨーク映画批評家協会賞で主演男優を受賞しているほか、作品賞でも監督賞でもノミネートされているのが目立つんですよね。この映画なんですが、僕、これ、去年の映画だと思ってたんですよね。というのは、2017年9月のヴェネツィア映画祭の出展作だったから。ただ、その年の賞レースに公開が間に合わず。今年の前半に目立たない展開でこっそり公開してたら思いの外好評で、今頃バズってる、という不思議なことになっています。実はブラジルでも、「公開されるよ」と電車の中で広告展開もあったのに公開中止になってるんですよね。公開やってくれるのかな。見れないのが怖いので、僕はオンラインで見る準備してます(笑)。
これも追いかけてますね。「女王陛下のお気に入り」。女王様のオリヴィア・コールマンが主演、レイチェル・ワイスとエマ・ストーンが助演でノミネートを現時点でほとんどされてますね。ただ、監督が期待のヨルゴス・ランティモスの割に現時点でそちらが目立っていないのがやや気になります。映画自体の評判はかなり良いだけにどれだけ追い上げられるか。
こないだレビューした「ブラック・クランズマン」と「ブラック・パンサー」が「黒人映画2番手」を今争ってますね。今のところリードは前者かな。賞によって監督のスパイク・リー、主演男優でジョン・デヴィッド・ワシントン、彼、デンゼル・ワシントンの息子さんだったんですね!、助演男優でアダム・ドライヴァーが結構ノミネートされてます。「ブラック・パンサー」はマイケルBジョーダンが助演男優にノミネートされる展開にならないと難しいかな。
意外と大健闘なのが、この「Eighth Grade」という青春映画。結構ノミネート、見るんですよね。ただ、もともとがサンダンスで注目された、どインディなので、批評家賞だけの盛り上がりで、オスカーだとさしずめ脚本賞のノミネートだけで終わる可能性がある(というか、僕の予想はそれ)かな。ただ、個人的にはメチャクチャ見たい映画なんですけどね。
続いて「Can You Ever Forgive Me」。有名人の嘘の手紙を売って稼いでいた女性の実話に基づいた映画で、メリッサ・マッカーシーの主演女優賞がこれで期待されている割にそれがノミネートだけで止まっていて、意外や共演男優さんの方の助演男優賞のバズの方があがってしまっているという意外な展開になっています。9作品が通常ノミネートされる作品賞には滑り込む可能性はあると思いますが、今後、もうひと盛り上がり欲しいか。
ここに来て、意外にバズり初めてきているのが「メアリー・ポピンズ・リターンズ」。アメリカではこれから公開で出遅れてはいるんですが、いろんなアワードに絡み初めています。もちろん注目は主演のエミリー・ブラントなんですが、ミュージカル「ハミルトン」で一躍有名になったリン・マニュエル・ミランダもすごく評判です。滑り込みノミネート、ある気がしています。
逆に、これから公開で出遅れて、バズの盛り上がりが今ひとつなのが「VICE」。クリスチャン・ベールが激太りしてチェイニー元副大統領を演じていることで評判だったんですが、まだ彼の主演男優部門での盛り上がりが伝わってきてません。これから巻き返せるか。
そして、作品でのノミネートはなさそうですが、映画の大ヒットの人気に押され、「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレクが主演男優賞にノミネートされそうな線が出てきました。フレディ・マーキュリー役、本当に国際的に大人気なので、ファンの後押しはすごいでしょうね。ライバルは決して少なくはないのですが、僕も健闘を祈ってます。
・・といった、ところでしょうか。
前哨戦はこの後、6日のゴールデン・グローブ、10日のブロードキャスト映画批評家賞、12日のSAGアワードと流れます。SAGが終わった時点でもう一回やりましょう。