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「キミはアメリカのロック系ラジオで今流行ってる曲を聞いたことがあるか?」(3)そろそろ「オルタナティヴ(一味違う)な女性」が救う時代に

どうも。

 

 

では、こないだからやってる連載、「キミはアメリカのロック系ラジオで今流行ってる曲を聞いたことがあるか?」のラスト、行きましょう。

 

前回では、せっかく増えてきてるのになんかかける曲がイマイチなアメリカのロック系のラジオが、「こう言う曲かけたら少しは良くなるのでは?」という提言をしてきて、「でも、本当にこれから一番大切だと思うもの」を残して終わりましたが、その答えを言います。

 

それはズバリ

 

女性アーティスト!

 

もう、これしかありません。

 

 

ここはですね、アメリカのロック系のラジオ局の昔からの泣き所です。とにかくですね、もう、昔から、女性アーティストの曲がかからないんですよ。90sに一瞬、アラニス・モリセットとかノー・ダウト、ガービッジのでてきた頃にかかってたくらいで、そこから後は本当にかかんないですね。これ、サンパウロのラジオでもほとんど同じような感じです。今だってかかるの、フローレンス&ザ・マシーンとアラバマ・シェイクスだけですからね。

 

で、彼女らなんかがかかんない、あるいはかけるの躊躇するんですよ。

 

 

 

もうね。「なんで〜!!!」って感じなんですよね。ラナの曲をかけないんですよ。

 

だって、ファン層が普段どういう音楽聴いてる人が多い人かって、その印象だけで「ありか、なしか」ってハッキリ分かるタイプのアーティストじゃないですか。それがケイティ・ペリーとかアリアナ・グランデ、デミ・ロバートと混ぜて自然な感じなのか、セイント・ヴィンセントとかフローレンスとかと混ぜて自然な感じなのか。その区別がつかないところが、アメリカのロック系ラジオの感性の非常に鈍いとこなんです。こういうとこ、もう、イライラしますね。

 

 

 

Lordeも判断が微妙なとこ、ありますね。

 

この曲なんか、アメリカのラジオ局がここ10年で流行らせた最大のヒット曲だったりするんですが、「じゃあ、彼女が今のアメリカのロック系ラジオの中心か」と言われたら、そんなこと、ありません。とりわけテイラー・スウィフトと関わるようになってから躊躇する傾向があるんですが、じゃあ、「音楽が俗になったか」と言ったら決してそんなことはないわけで。ファン層にテイラー経由のポップな層が加わったというのはあるとは思うんですが、

 

だとしたら

 

「オルタナティヴな女性アーティスト」を好む層を惹きつけるような感じにすればいいと思います。

 

ここでいう「オルタナティヴ」とというのは、「90sのオルタナティヴ・ロックをやる」という意味ではありません。他人に一方的にプロデュースされるでなしに、自分の意思が主体でほとんどの曲を自分で書くタイプのアーティスト、みたいな意味ですね。ただ単に「ギター持って歌ってる」っていうだけじゃなしにね。

 

 だって、ポップの局にしたって、ラナとかLordeとかって、決してかけやすいタイプではないし、彼女たちだって、「ポップ」と括られるのには違和感はメチャクチャありまくりだと思うんですよね。このテのアーティストがいやすい場所を提供すること、これも非常に大切なことです。

 

僕の言ってることを象徴する写真がまさにこれですね。

 

 

 

これ、ラナ・デル・レイのインスタにあった写真なんですが、すごいですよ。マリーナ&・ダイアモンズのマリーナとFKAトウィッグスとフローレンスとラナが一緒に写った写真。ラナって、実は人付き合いすごく上手い人で、インスタ見るとかなりいろんな人と写真撮ってますけど、この写真はすごく仲間意識強い人と写った写真ですよね。特に彼女、マリーナとはかなり親友みたいで、2人だけの写真もかなりあります。

 

その線で行くと

 

 

ケイシーもですよね。彼女のこのブログでの登場頻度、このところすごく高い気もするんですけど(笑)、彼女の今作の曲も、カントリーのステーションでは非常にかけにくいタイプです。今回のでかなりインディのファンついたはずだし、彼女のイメージ変える意味でも、ロック局に開放してほしいですね。

 

 

あと、彼女たちもだなあ。

 

 

このRobynだったり、クリスティーン&ザ・クイーンズみたいな、本当にカッコいいエレクトロの女性アーティストですね。CHVRCHESはロック系のラジオ局は割とよくかかってるアーティストなんですが、だとしたら彼女たちだってアリだし、センスの良さではむしろ上ですよ。「ソロ」か「グループ」の別で偏見で曲をかけない、というのもかなり変な話です。EDMにすり寄った媚びたロック系の曲かけるより、よっぽど健全だというものです。

 

 もう、このRobyn、クリスティーン、ともに期待した以上のこの新曲の出来で、僕も今から楽しみにしてるんですから。

 

 

 あと、それから、もちろん、「ギター女子」、ガールズ・バンドの存在も忘れちゃいけません。

 

 

 

この辺りは言うまでもありません。「女がギター持つのがカッコいい!」と思わせる文句なしのアイコンです。彼女たちの曲、かかってるといえばかかっているんですけど、もう少し「これからは女がギターを持つ時代!」くらいの煽りでかけていいレベルだと思います。

 

 

実際の話、ギブソンの破産申告などでギター産業、大打撃みたいなんですけど、売り上げ自体は決して下がっていないんですって。その理由は、女性の購買層が増えているからなんだそうです。それはこういう記事からも明らかです。

 

https://inews.co.uk/news/taylor-swift-female-guitar-sale-phallic/

 

http://www.lamag.com/culturefiles/electric-guitar-women/

 

 

こういうことからも、ロックも女性アーティストにフォーカスを当てる必要が出てきています。

 

そして、そうしていかないと、せっかくインディで出てきている彼女たちみたいな存在が浮かび上がってきません。

 

 

 

 

僕がこの辺りを押してる話は、3ヶ月おきのトップ10アルバムでも、5月に書いた「今のインディの主要レーベルの押しものは実は女の子ばかりだ」という話でも何度もしてる話なんですが、これも、ロック系のラジオ局が男女差別やめない限り、解消はされません。

 

 ここにあげたものだけじゃないですよ。ヤーヤーヤーズだって、パラモアだって、ウルフ・アリスだってかけてほしいし、ジュリアン・ベイカー、PVRIS、ビッグ・シーフ、サンフラワー・ビーンなどなど、曲かけてほしい女性アーティストはいくらだっていますよ。最近では、女性アーティストがロックもので増えてきてるので、「フェスに女性アーティスト出演の一定の割り当てを」と求める運動なども起こっています。もう、ロックにおける女性のプレイヤー側の割合が増えてきているのは事実で、もう無視はできないところまで来ています。

 

 

 そんな感じですけど、シメは今度の週の週末に新作がリリースされる彼女の曲でシメましょう。彼女もかなりギター持つ姿がカッコいい人です。注目されないかなあ。

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:評論, 19:57
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