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エンタメ界の三刀流、ドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)、10年の軌跡

どうも。

 

では、今日はこの人の特集、行きましょう。

 

 

 

もう、世界で話題沸騰ですね。ドナルド・グローヴァー。彼の、この10年の軌跡を振り返ってみたいと思います。

 

 

よくよく考えてみるに、彼ほど、当ブログにふさわしい人、いませんね。だって、音楽もやって、映画も、テレビドラマも、みんなやって成功してるわけでしょ?ここまで器用にそれをやり遂げた人、僕のこれまでのエンタメ・ファンの人生の中でもいませんよ。本当にすごいことだと思います。

 

では、その彼の軌跡を、約10年前から遡ってみましょう。

 

 

ドナルドは1983年9月生まれです。生まれはカリフィオルニアで、育ちはジョージア州です。かなり成績は優秀だったらしく、大学は名門ニューヨーク大学(NYU)です。専攻は演劇科だったみたいですね。そこで彼は脚本と、音楽活動を当時から並行してやっていたようです。

 

で、大学を卒業のタイミングで、自分のデモ脚本を「シンプソンズ」に当てはめて書いたものを送ったら、それが認められて、NBCで脚本家デビューすることになり、それがそのうち

 

 

ティナ・フェイのエミー賞受賞の傑作コメディ「30 Rock」での端役の出演につながります。「30 Rock」、この当時見てたんですけど、全く記憶にないんですよね。それくらい小さな役だった、というわけですが、2009年、彼にとっての最初のブレイクスルーが訪れます。

 

 

それが、このコメディ「Community」ですね。これはこの当時、すごく地味ながら熱心な固定ファンがいたコメディですね。これはコミュニティ・カレッジに通う、人種も、年齢もバラバラな人たちが繰り広げるドタバタ・コメディで、主要キャストがみんなしてかなり大げさな演技してナンセンスなギャグ繰り広げてましたね。 これは僕がちょうどブラジルに渡って行ったときにブラジルでも放送されていたので、ちょくちょく見てました。彼はそこで

 

 

 

トロイ・バーンズってキャラクターをやってました。いつも声裏返してエモーショナルにしゃべる役でしたけど、止まらなくそれをやるんで、見てて吹き出したこと、何度かありました(笑)。この「Community」

 

 

毎年のように打ち切りの噂がある中で、ファンの嘆願などもあって6シーズン続きました。これ、今のデイヴ・フランコの嫁さんのアリソン・ブリーとか、ネットフリックスの「Love」で主演してたジリアン・ジェイコブスとか、「ハングオーバー」でおなじみの中国系のケン・チョンとか出てましたね。ケン・チョンなんて、「中国人のスペイン語教師セニョール・チャン」っていうワケのわかんない設定でしたけど(笑)。これ、日本でも確かhuluで見られるはずです。僕のとこではアマゾン。プライムで見れるので、ひょっとしたら権利、動いてるかもしれませんが、オモロイです。

 

で、この番組が始まってしばらくして、音楽の方面から「チャイルディッシュ・ガンビーノっていう面白いラッパーが出たよ」という話を聞きます。それが

 

 

これだったわけですけど、見てみて「なんだ、コミュニティのアイツじゃないか!」と思ったんですね。で、曲名がこれ、セス・Rオーゲンとかジェイムス・フランコとか産んだ伝説の青春コメディだったものだから、「やっぱ、そっち関係か」などと、よく聞きもしないで当時は思ったものでした。

 

ただ、

 

 

このデビュー作の「Camp」、ビルボードのアルバム・チャートでトップ10目前くらいのヒットになってるんですよね。「Community」はアメリカじゃ有名なコメディだったので、「あの人がラッパーもやるんだ」という興味はこのあたりから持たれてたのかな。

 

 そうしていくうちに、2013年くらいから、彼はちょくちょく他のドラマや映画にも顔を出すようになります。

 

 

HBOの「ガールズ」では、レナ・ダナムの短期間のカレ氏役も演じてましたね。

 

そして、この後に

 

 

この曲を含めた

 

 

「Because The Internet」というセカンド・アルバムがビルボードでトップ10入りして、2014年にロングヒットします。僕的には「いいけど、薄味のドレイクみたいだな」と思ったんですが、ちょうどチャンス・ザ・ラッパーとかがインディで注目された時期とも重なって、かなりいい印象をラッパーとしても持たれ始めましたね。

 

 そして2015年くらいから、彼の快進撃が始まりまして

 

 

チャニング・テイタムの「マジック・マイク2」だとかにチョイ役で出た後に

 

 

役者として、これで当てるんですよ。リドリー・スコット監督の「オデッセー」。ここでの「天才コンピューター・ギーク」の役は、オスカーの作品賞にノミネートされたこの作品の中でもキーとなる役でしたが、ここでも映画界的にも注目され始めましたね。

 

 

 

そして、この間、「Kauai」EPというEPを出したんですが、ここでの「Sober」が注目されます。ここから彼はヴォーカルの比重を上げていくんですが、「歌を歌わせても実はかなりうまい」ということが、ここでわかりました。

 

 

そして!

 

 

 

 

自ら脚本と主演を兼ねたドラマ「アチランタ」がFXで放送され、これが大好評で大ヒットになります。これは、大学をドロップアウトして郷里のアトランタに戻ってきたドナルド扮するアーンが、いとこのギャングスタ・ラッパーやら、元ヨメや娘らの間で翻弄されるトホホで勝つ笑える日常を描いた作品です。これは「ネットフリックス」で今ならシーズン1は見れるはず(日本はどう?)ですが、彼はこれで

 

 

 

ゴールデン・グローブでもエミーでも、作品賞と主演男優賞を受賞する快挙を達成します!

 

このくらいからですね。彼が神がかって来たの。そして、そこに加えて

 

 

チャイルディッシュ・ガンビーノとしてのサード・アルバム「Awaken My Love」も大ヒットします。これはなんと、全編オールド・ファンクのヴォーカル・アルバムでして、彼の多彩さを証明するものになったんですが

 

 

ここからのシングル、プリンスのバラードを思い切り意識した「Redbone」が、大ヒットしオスカーにもノミネートされた人種問題ホラー映画「ゲット・アウト」に使われたことも手伝って、全米トップ10入りの大ヒットになります。この曲、僕はアウトロのギター・ソロが凄く好きですね。局長はオザケンの「今夜はブギーバッグ」っぽく、そこも好きです。

 

 

彼はこの作品でも、今度はなんと、今年のグラミー賞の最優秀アルバムにノミネートされます。そんな風に、ものすごい勢いだった矢先の

 

 

 

5月5日の「サタディ・ナイト・ライブ」であり

 

 

「This Is America」だったわけです!

 

 

 こういう風にして、テレビドラマ、映画、音楽を縦横無尽に動く超才人が放った、アメリカ社会の人種や暴力の問題に深くメスを入れたヴィデオだったからこそ、大きな話題となったのです。ここまで言ってきたような軌跡が仮になかったのならば、ここまで大きな話題にはなっていなかったでしょう。

 

 

 なぜ、ドナルドがこのような奇跡的な活動をすることができるのか。それはひとえに、彼の才能によるところも大きいわけですが、そこに加えて

 

 

友人との共同作業が大きいですね。音楽だと、このロン毛のスウェーデン系アメリカ人、ルードヴィッヒ・ゴランソンです。チャイルディッシュ・ガンビーノの作品は全て彼との共作です。ルートビッヒは「Community」の音楽を始め、今やテレビ界のサントラで引っ張りだこの人です。

 

 

 

そして、映像方面ではヒロ・ムライです。彼、日本生まれの日本人ですよ!9歳でLAに越したらしいですけど、彼はミュージック・ヴィデオの世界でもかなりの売れっ子で、彼の作品だけでも特集の価値があるくらい、すごいリストなんですけど、彼が「アトランタ」の映像関係も監督し、さらにあの「This Is America」ですよ!彼の今後も楽しみです。

 

 

 そして、もう来週末ですけど、

 

 

スター・ウォーズのスピンオフ「Solo」でのランド役ですよ!一説ではもう、ランド主演のさらなるスピンオフの噂まで出ています。

 

 

で、9月からチャイルディッシュ・ガンビーノとしての全米ツアーで、年末にはアルバムの噂があります。もう、来年にかけてはなんか彼一色になりそうな、そんな勢いですね。

 

author:沢田太陽, category:評論, 18:07
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