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トランプ支持で物議醸した名作シットコム「Roseanne」の復活

どうも。

 

 

ここのところ、こういう話題してなかったので、ちょっとしておきましょう。

 

 

先週、アメリカで最も話題を呼んだテレビドラマはこれでした。

 

 

この「Roseanne」というシットコム。これはですね。

 

 

 

1988年から9シーズン続いた、すごく人気だったシットコムです。時期でいうと、「隣のサインフェルド」と全く同じ時期ですね。「フレンズ」よりはだいぶ早いけど、多少時期がかぶってる。そんな感じでしょうか。このシリーズはアメリカのワーキング・クラスの家族を描いた内容がすごく当時はウケてたようで、よくアメリカの「オールタイムTVドラマ」みたいな企画でも、よく上位に入ってます。「サインフェルド」ほど高くはないですけど。

 

 実際、ここから例えばジョン・グッドマンが大物俳優になっていったり、今年「レディバード」でオスカーの助演女優賞にノミネートされたローリー・メトカルフが出てたりしてます。子役だった人も、大人になって割とドラマとか映画で顔見る人になっていたりするのですが、でも、要はこれ

 

 

 主役のロサンヌ・バーあってのシットコムです。彼女は80sから90sにかけてアメリカではかなり人気のあったコメディエンヌで、あの当時、僕もたまに映画に出ていたので、「ああ、あの人か」程度には知っていた人です。ただ、「Roseanne」自体はアメリカ以外ではほとんど放送されてなかったみたいで、うちのワイフに聞いても「知ってはいるけど、当時ブラジルでの放送はなかった」と言ってましたね。

 

 彼女は「Roseanne」の放送が終わり、約20年、それほど大きなことをやっていたわけではなかったのですが、その間に

 

 

 

風貌のイメージが随分変わったのですが、その彼女が、このタイミングで「Roseanne」を復活させようとして、これがかなり事前から物議を醸していました。それは

 

 

 

彼女がトランプ・サポーターだったから!

 

まあ、それ以外にも、保守性を表すような人柄は随所に見せる人であるようですが、そこまでの確認は僕もしていないので、ここでは触れないでおきます。ただ、いずれにせよ、アメリカの芸能界において、数少ないトランプ支持者で、その彼女が人気のシットコムを復活させるというので、賛成派も反対派も巻き込んで、第1回目のオンエアがすごく注目されていたんですね。そうしたら3/27の初回放送

 

 

 

スーパーボウルに次ぐ高視聴率だったんですって!

 

 

 まあねえ〜、アメリカ全土の視聴者考えたら、まあ、まがりなりにも国民の半分くらいの人は彼に投票したわけでもあるし、今も3割くらいは支持しているわけだから、そちら側の価値観を表す番組が存在するのは自然なことではあるし、それが、もともとがアメリカのワーキング・クラスの姿を描いてきたこのシットコムなら、そういう描写は流れとしては合うといえば合うんですけどねえ。

 

 

 

 これ、一応、僕も見てみました。まあ、コメディのテンポと話術的にはさすがに面白いです。話そのものは、前シーズンの最後に心臓病で死んだことになっていたロザンヌの夫のジョン・グッドマンが実は生きていて、劇中のかつての子供は今や家族を持ち、今は「老後」を描いた話になっている。

 

 

 

 そこに、シリーズ中でかねてから「よく喧嘩する妹」みたいな感じで描かれていたローリー・メトカルフがやってきて、「なんで、あんな人になんか投票したのよ」と、トランプの名を伏せて突っ掛かります。「だって、国民皆保険が欲しいんだもん」とロザンヌは応えてましたけどね。あと、「彼に関して語られることはフェイクだ」なんて言ったところは「おいおい・・」って感じでしたけどね(苦笑)。

 

 

 まあ、一応一回目の放送では「孫の一人に黒人がいる」などの設定もしてあり、さらに前述の妹を「(左翼系独立候補の)ジル・スタインに投票した(この票割れがヒラリー落選の理由にもなった)」という設定にして、「あなたの意見を尊重する」としたことで、民主的な体裁は保った形にはしていましたね。特に極右的な人たちの喜びそうなことを刺激するようなことは避けたものにはしてましたね。まあ、そうしないと、番組自体が毎週苦情の嵐になって、最終的に続けていくことができなくなるとは思いますけどね。

 

 

 ・・と、配慮はした内容だとは思ったんですけど

 

 

この人は番組の視聴率が出てすぐにロザンヌに祝辞の電話を送ったとのことですよ・・。

 

 

 ・・まあ、「この見方もアリだよね」とは思わないことはないんですけど

 

 

結局のところ「熱心な支持者」は限られるし、国の2極化を煽るだけだと思うんですけどねえ・・。

 

 

 まあ、「ワーキング・クラスらしさ」を表現するだけで、人種差別とか、LGBT差別とかしない流れである限りは、まあ、いいかなとは思うんですけどね。戦争とか、テロ事件のヒーローをやたら礼賛する最近の某監督の映画よりはまだトーンとしては柔らかいかなとも思うんで。ただ、時代背景が時代背景だけに、相乗効果的な部分で緊迫はどうしてもしちゃうんでしょうけどね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:海外TVドラマ, 12:37
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