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オスカー直前予想!何(誰)が勝つべき、勝つだろう?

どうも。

 

 

いよいよ4日は

 

 

 

オスカーですよね。そこで、例年やってますけど、直前の予想をやってみようかと思います。

 

ここで毎年やっているように、海外メディア・スタイルにならって、「勝つべき(should win)」、「でも、勝つのはこれだろう(will win)」、モノに寄っては、ちょっといじくっていたりもします。

 

 

では、助演女優賞から。

 

助演女優賞

 

Should Win; ローリー・メトカルフ(レディ・バード)

Will Win; アリソン・ジャニー(アイ、トーニャ)◎

But should have gone to(でも、本当に勝つべきだったのは);ヴィッキー・クリスプ(ファントム・スレッド)

 

 

前哨戦に従えば、ほとんどがアリソン・ジャニーですけどね。でも、「レディ・バード」のお母さん役のローリー・メトカルフの方がが¥僕は好きです。

 

でも、本当なら、「ファントム・スレッド」での、ダニエル・デイ・ルイスの奥さん役だったヴィッキー・クリスプ、彼女がノミネートされて取るべきだったと思うんですけどねえ。同じ映画だと、ゲイリー・オールドマンの元ヨメさん、レズリー・マンヴィルの方がノミネートされてますけどね。

 

 

助演男優賞

 

Should Win ウィレム・デフォー(The Florida Project)

Will Win サム・ロックウェル(スリー・ビルボード)◎

 

 

これも、前哨戦で圧勝の「スリー・ビルボード」のイカレ警察官、サム・ロックウェルが取るでしょうね。

 

ただ、僕としては、直前に見ることができたんですが、「The Florida Project」のウィレム・デフォーの方が良かったんですけどねえ。当初、ウィレムの方が前哨戦、勝ってたんですけど、この映画が配給先のオス作品を「レディ・バード」一本に絞ったために、「Florida 」がキャンペーンで押されなくなって勢い失っちゃいましたけどね。

 

 

この「フロリダ」なんですけど、「アメリカン・トラッシュな人々の生活」を描いた作品なら、僕に取っては「スリー・ビルボード」より深刻で、より作風のオリジナリティもあると思うんですけどねえ。

 

 

主演女優賞

Should Winフランシス・マクドーマント(スリー・ビルボード)

Will Win フランシス・マクドーマント(スリー・ビルボード)◎

 

 

 

ここも「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマントが圧勝ですね。今年のここは激戦で、「シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンスも、「レディ・バード」のシアーシャ・ローナンも、別の年だったら受賞できていたような気もするんですけど、やっぱりキャラがハマった時のフランシスさんの強さってやっぱりすごいよね、と改めて脱帽しますのでね。

 

 

主演男優賞

Should Win ティモシー・シャラメ(君の名前で僕を呼んで)

Will Win ゲイリー・オールドマン(ウィンストン・チャーチル)◎

 

 

全世界的にカリスマ人気を持つゲイリー・オールドマンが、しかもチャーチルの役で待望の初オスカーを・・とかって言ったら、誰だって勝たせたくなるのは当然なんじゃないかな。

 

 

でも、それはわかりつつも、「役柄勝負」で言ったら、本当は「君の名前で・・」のティモシー君の演技の方が僕は上だったと思いますけどね。まだ、同性愛がそれほど騒がれていない時代の、ティーンエイジャーのふとした恋愛への違和感と抑えられない想い。この演技のリアルさと言ったらないですけどね。オールドマンが決して彼のベスト・アクトではない(シド・ヴィシャスとか、レオンの凶悪犯ほどには思い出さんだろう)から、なおさらね。

 

 

監督賞

Should Win ギレルモ・デル・トロ(シェイプ・オブ・ウォーター)

Will Win ギレルモ・デル・トロ(シェイプ・オブ・ウォーター)◎

but should also go to(でも、この人でもいい)ポール・トーマス・アンダーソン(ファントム・スレッド)

 

 

すでにDGA(全米映画監督協会賞)を受賞しているデル・トロがそのまま勝つでしょう。オスカーの場合、この賞をとった監督がそのまま勝つことが定番ですからね。作品の内容的にも、自身の作風を徹底的に通し続けた末にここにたどり着いた・・というある種の感動がある分、彼でいいと僕も思います。

 

 ただなあ、対象ノミネート作、すべてを見て思ったんですけど、監督の手腕として一番すごいことやってたなあ、と感心したのはポール・トーマス・アンダーソンでしたけどね。この映画、PTA本人と、配給先がもう少しオスカーに熱心だったら、作品賞も狙えたんじゃないかと思うんですけどねえ。

 

 

作品賞

Should Win シェイプ・オブ・ウォーター

Will Win シェイプ・オブ・ウォーター◎

Could Be Suruprising(サプライズ、ありえる) ゲット・アウトorスリー・ビルボード

But what I really want to win is(でも、本音で一番勝ってほしいのは) 君の名前で僕を呼んで

 

 

 

このシーンが、早くも映画史上に残る名ショットと化しつつある「シェイプ・オブ・ウォーター」。総合的な見地で見て、この映画の圧勝で僕はいいと思うんですけどねえ。技術部門でも強いわけですし、受賞には必ずしも結びつかないけど、役者も3人ノミネートされたわけですからねえ。

 

 ただ、この数年、オスカーの作品賞が厄介なのは、ここ数年、オスカーが採用している「順位表」システムなんですよねえ。

 

 

 他の部門だと、「1位票が多い多数決」でそのまま勝ちが決まり、作品賞も以前はそうでした。ただ、この数年は、1位から9位の全作品に順位をつけさせて投票するシステムに変わったんですね。だから、たとえ1位票が多くても、同時に8位や9位の票が多ければ、ほとんどが2位や3位の作品に敗れる可能性がある、という非常に厄介なものなんですね。

 

 

そこで今。ネット上でギャーギャー騒がれているのがこれなんです。

 

 

ここ数日、特にひどいんですよ。ある特定の、僕がフェイスブックに登録している複数の映画情報サイトが「これが勝たないなんて、どうせオスカーはまた人種差別的なんだろ」とか、そんな論調で。もう、正直、勘弁して欲しいんですけどね。

 

 

 だって、どんなにいい作品だからって、ホラー映画って本来、オスカーで勝ったことのほとんどないジャンルだし、この映画にしても、新人監督の面白いアイディアの思いつきがあるってだけで、監督の実力自体がまだ全然見えないし。そこのところは、作風が常に方向性が定まるだけ定まって、しかも毎回の完成度も高いデル・トロとは比べものにならないですからね。

 

 

 それプラス、僕が嫌なのは、この脅しかけたようなポリコレが、どう見ても配給先のユニバーサルが圧力かけてるだけにしか見えないこと。社会正義の主張を行っているようで、実は大資本のカネがモノを言っている・・。そういう感じが好きじゃないんですよねえ。それいえば「スリー・ビルボード」だって、「これが勝たなきゃ女性差別」っていう運動、起こそうと思えばできない映画じゃないけど、そっちはそういうこと、やってませんし、少なくとも僕は目にしてません。まあ、配給先、「シェイプ・オブ・ウォーター」と同じ、フォックス・サーチライトですけどね。

 

 

 あと、去年の「ムーンライト」が「ラ・ラ・ランド」に勝った時は、僕は全く問題なかったです。あの映画も、実はそういうメディアの直前の後押しあったんですけど、映画自体が素晴らしかったし、特定のジャンル映画ではなかったし、さらに配給先も、どインディだった。また、仮に来年、「ブラック・パンサー」がノミネートされて受賞候補になるとした場合、「スーパーヒーロー映画の枠組みを超えた、ブラック・ムービーの今世代代表映画」のトータル性で考えて、(少なくとも「ゲット・アウト」よりは)オスカー作品賞受賞の正当性はあると思ってます。ある種、「ロード・オブ・ザ・リング」と似た印象でね。

 

 

 あと、そんな、「受賞できないのは社会的不公正があるからだ」と叫ぶ元気が、もう少しビヨンセやケンドリック・ラマーの分に回されてほしかった気もしますけどね。グラミー賞の最優秀アルバムって、まだオスカーの作品賞ほどの栄誉じゃないのかな。

 

 

 ただ、何日か前に投稿しましたけど、僕の本音の本音で一番好きな映画は「君の名前で僕を呼んで」、もしくは「ファントム・スレッド」で「シェイプ・オブ・ウォーター」は3番目の評価ではあるんですけどね。

 

 

 さて、どうなりますか。

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:オスカー, 15:23
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