RSS | ATOM | SEARCH
ケイティ・ペリーがリオ公演で神対応

どうも。

 

 

最近、ブラジルであるショッキングな事件が起きまして、もうこの5日くらい、「もう、この事件のニュース以外のことが起こってないんじゃないか」くらいの勢いで話題を独占しているんですが、そんな矢先

 

 

ちょうどブラジル・ツアー中だったケイティ・ペリーが、かなりすごいことをやってしまいました。

 

それがこれです。

 

 

15曲めの「Unconditionally」を歌っている最後に、その事件の犠牲者となったマリエーレ・フランコさんの遺影が上がったんですね。

 

 

 

このマリエーレさんという人はリオの市会議員でしたが、14日に、何者かによって、乗っていた車を横から銃撃され、頭に4発の銃弾を受けて38歳の若さで亡くなったんですね。

 

 

彼女は人権運動の闘士として地元リオでは大変有名だった人です。ファヴェーラ(スラム)出身で、友人が警察とドラッグ・ディーラーとの銃撃戦に巻き込まれて殺された体験から政治家を志し、苦学ののちに2016年に急進左派系の政党から立候補して、全体の5番目の得票数を獲得してリオの市会議員に当選。その後はリオの議会一のキレ者として、女性問題や黒人問題に関してのプロジェクトをリーダー的存在となって牽引していました。とりわけ、「ファヴェーラの黒人に対する警察の暴力の問題」、彼女はこれに最も大きな問題意識を抱いていました。

 

 

 彼女の存在は、アメリカで例えて言うなら「Black Lives Matter」のブラジル版の重要なリーダーの一人、と言っていいかと思います。そんな彼女が、死の数日前に改めて警察によるファヴェーラでの暴力を批判したところ前述のような形で殺害されてしまった。しかも、現在のリオは警察の腐敗が非常に問題してされていて、陸軍が警察の代わりに統治しているような非常事態。腐敗したリオの警察が、気にくわない彼女を黙らせるために殺したのではないかとの憶測がすぐに国を駆け巡ったところ

 

 

ブラジルの全国で一斉に抗議運動が起こったんですね。実はこれ、まだ続いています。それくらい、本当に大きな問題です。そのタイミングで、ケイティがマリエーレの遺影をいきなり掲げたものですから、あまりにタイムリー。しかも場所がマリエーレの拠点だったリオ。もう、盛り上がらないわけがありません。

 

 

で、これだけでもかなりすごいことなのに

 

 

 

 

なんとケイティ、その直後に、マリエーレの遺族、妹さんと娘さんをステージに上げて紹介したんですね!これ、ビックリですよ!

 

 

 

ブラジル国内のアーティストでも、カエターノ・ヴェローゾ(この人、ブラジル芸能界の左派のリーダー的存在です)をはじめとして追悼ライブみたいなものをやってましたけど、遺族を登場させたという話は聞いたことなかったですからね。

 

 

 

 で、この時のケイティの振る舞いが飾りがなくて、まっすぐでよかったんですよ。まず、二人の肩を抱いて「私たちがちゃんとついてるからね」と激励。年齢が30代でしっかりした大人のマリエーレの妹さんに対してはマイクを預けて彼女にメッセージを言わせる。そして、まだ10代で、緊張とお母さんを失ったショックでとにかくステージ上でも泣き続けた娘さんには「ママはこれからもずっとあなたを見守るはずよ。あなたは美しい。きっと世を照らし続ける存在になれるはず」と言って抱擁・・。

 

 

 いやあ、この立ち居振る舞い、見事でしたよ。名司会者並みの演出で驚きましたね。全然嘘くさくなく自然にやれてるところがね。また、事件から4日しか経っていないのに、こうやって「自分のステージに上げて激励しよう」とした行動力の早さもすごいよなと。

 

 

 また、この娘さん、可哀想でもあったんですよ。全国から激励される一方で、別の方向では、極右連中によるネット上での嫌がらせも横行してましたからね。特に今のブラジル、前の13年続いた左翼政権が汚職で倒れて以降、極右が増えて左翼嫌悪が強まってましたからね。そこで急進左派のマリエーレが注目されることに気に食わない人たちが「人が死んだってのに、何、ムキになってイデオロギー闘争してんだよ、バカ」って言いたくなるくらいにマリエーレのことを中傷してね。ついには「彼女の娘はリオの犯罪組織の親分との間にできた子供」「その暴力団に貢いだおかげで当選できた」とかいうフェイク・ニュースまで撒き散らされて精神的に参っていたタイミングでもあったんですよね。ケイティのこの件が励みになってるといいですけどね。

 

 

 ケイティ自身も、2016年のアメリカ大統領選でヒラリー・クリントンを支持した時に、「言動があまりに政治的になりすぎでは」と批判されたりもしてたし、昨年出たアルバムも内容的にも商業的にも今ひとつピリッとはしてませんが、今回の件に関して言えば、ブラジル在住者としては、やっぱりかなり嬉しいことですよね、これは。

 

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 12:06
comments(0), trackbacks(0), - -
ガンズがザ・フーの後に出て、その2倍以上の長さのセットを組むロック・イン・リオ

どうも。

 

 

サンパウロ、今、夜中の4時近いんですけど、なんと、ロック・イン・リオの生中継がまだ終わりません。

 

というのも、トリのガンズ&ローゼズのライブがですね、延々とおわんないんですよ、これが(笑)。

 

 

ガンズの登場自体がメチャクチャ遅かったわけじゃないんですよ。1時過ぎには出てきたので。でも、他の日、それでも午前2時くらいには終わるんですよ。それが2時間、なんで延長されているんだというね。

 

 しかもですね、この日、ガンズの出番の前がザ・フーだったんですよ。なんか、ザ・フーってこういう役回りになることが多いですね。日本でも初めてやってきた時、エアロスミスの前に演奏したんですけど、実はブラジルは今回が初めてだったんですね。そういうこともあって、ガンズの前に演奏したわけなんですけどね。

 

 フー、相変わらず良かったですよ。80分くらいだったんですけど、相変わらずタイトでエネルギッシュで。すごくベスト盤っぽくてね。初期のシングルに、「トミー」「フーズ・ネクスト」「四重人格」のおなじみのコースに「I Can See For Miles」とか「Join Together」とか「You Better You Bet」とかもやってね。観客も若い人が多くて、すごく盛り上がりと衝撃を与えていたようです。ライブ後のピートへの楽屋インタビューも熱かったですからね。

 

 

 ただ、まさかその後のガンズが3時間くらいのセットを組むとはなあ。これじゃ、フー、本当に扱い、前座だよ(苦笑)。

 

 

 しかもねえ。長くなるような曲ばっかり、ガンガン打ってくるんだ。「Coma」とか「Civil War」、「November Rain」に「Knockin On The Heavens Door」。「ユーズ・ユア・イリュージョン」のクドいとこばっかじゃないか(笑)。やたら長いギター・ソロがどれも入るんですよ。

 

 いや、中にはサウンドガーデンの「ブラック・ホール・サン」のカバーなんて、かなり貴重なものまであるんですよ!なんだけど、アクセルの声のピッチが今日は良いとはとても言えなくて、モニターがよく聞こえてないのか、小節ズレて歌い始めることも多々。

 

 

 まあ、ガンズの熱狂的ファンだったら喜ぶんだと思うんですけど、そうじゃない人の反応、どうでしょうね、これ。実はガンズって、ロック・イン・リオにとっての精神的支柱みたいなバンドで、これが過去7回開催中、5回出てるんですね。前回4年前に出た時も、あの時は登場がものすごく遅れて夜明け近くまでやってましたけどね。雨降ってたので、アクセルがレインコート着てやってね。

 

 

 今、ザ・フーの「シーカー」のカバー、やり始めましたね。この前、AC/DCの「ホール・ロッタ・ロージー」やったんですけど、これ、いつまでやるんだろうな。4時すぎたのに。

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 16:03
comments(0), trackbacks(0), - -
アーケイド・ファイアにロラパルーザに

どうも。

 

 

今週は結局、FromワーストToベストもなしですね。来週の半ばまで持ち越しです。全アルバムを聞いたアーティストが結構ストックされてるんですけど(苦笑)。で、きょうは僕の地元での話など。

 

 

 

 

アーケイド・ファイア、12月にブラジル、来ます!野外の2〜3万収容のとこでやります。思いっきり雨期なので、雨が非常に心配ですけど(笑)。あとねえ、ここで話題にしてないから薄々感づいている方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですけど、ハッキリ言って新作好きじゃないです!なんか、「狙い過ぎ」というか、ウィン・バトラーの実はかなり野心家な本音が出過ぎちゃってるというか。彼らなら、アートに徹したままで十分大物になれるのに、なんであんなポップなアプローチが必要なのか、僕にはよくわからないんですけどね。

 

 ただ、どんなアーティストにも「失敗作」というのはあるし、少なくとも初登場順位はそんなにはコケないと思うし、それに何よりライブは別物かつ、彼らは別格です。是非行こうと思っています。

 

 

 あと、今まさにシカゴのロラパルーザをやってて、配信でも生で見れることになってますけど

 

 

 

来年の南米ロラパルーザ、3日開催が決まりました!

 

 

2013年にも3日開催だったので5年ぶりではあるんですけど、あのときはまだ2回目で注目度は低かったし、今より小振りな会場でやってましたけど、今の会場、クソでかいので楽しみです。「100バンド以上参加」という、「地元で半分埋めるとか、絶対言うなよ」とツッコミたくなる大風呂敷広げてたりするんで、どんなものか、楽しみにしてます。

 

 

流れている噂だと、キラーズ、レッチリ、パール・ジャムの3つがヘッドライナーで、LCDサウンドシステムとロイヤル・ブラッドはほぼ決まりだろう、という話なんですけどね。ただ、オフィシャルのフェイスブックには予想通り「ラナが出ないと3日やっても行かない」という投稿が目立ってます(笑)。ホント、すごいんですよ、ブラジルのラナ・デル・レイ・ファンって。僕も今回の最大の希望も彼女ではあるんですけど・・、でも、一回、単独で回って長いセット見るってのも悪くないなとも思ってたり。

 

 

 僕としても10月にポール・マッカートニー、U2、11月にPJハーヴィーとフェニックスなんかが出るイベントがあった後にこれなので、なんとか工面をしっかりしようと思ってます。

 

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 19:27
comments(0), trackbacks(0), - -
サンパウロ・ロック・シティ

どうも。

 

 

今日は6月9日、日本だとロックの日なので、こういう話を。

 

 

 

 

我が街サンパウロがこの頃、「ロック・シティ」と呼ばれている話をしましょう。

 

もともと、サンパウロ、ロックは盛んです、東京と同じく、ブラジルのツアーでまず飛ばされることがないんですが、それにしてもここ最近、たしかに国外からやってくるアーティストのライブは多くなってますね。

 

 

 その理由となっているのは

 

 

やっぱり、ここでも3月に毎年レポートしてる、ロラパルーザ・ブラジルが大成功したからですね。2012年から始まって、僕もここまで開催日全部行ってますけど、とにかくここ数年は、ロックに興味のない市民まで普通に知ってますからね。いわゆるお役所レベルでもすごく大事にされてます。なぜなら、市外、州外からここまで人がやって来るイベント、この市にはないんですね。そういうこともあって、ここ最近、観光も気合い入りはじめてますね。

 

 

あと、ここの会場のインテルラゴス・サーキットという、普段F1やってるとこはラウドロックのフェスもやってて、こないだリンキン・パークがヘッドライナーやってましたね。

 

 

 あと、サッカーのシーズン・オフと、北半球でのフェスのはじまりの前と言うことで、3〜5月が大物アーティストの日程が合わせやすく、それで気安くなった、ということもありますね。特に

 

 

この,アリアンツ・パルケっていう、パルメイラスの本拠地、これ、3年前に出来たんですけど、ここがライブの招聘に非常に熱心なんですね。僕もここで一昨年の12月にデヴィッド・ギルモア見に行ってますけど、ここでコールドプレイとかマルーン5とかやってましたね。大物というかベテランが気安いんですが、こないだエド・シーランやジャスティン・ビーバーもやってたし、アリアナ・グランデもテロにあってもキャンセルしなかったので、ここでライブ、今度やりますね。

 

 

 そして、ここで9月には

 

 

 

 こういう、「サンパウロ・トリップ」というライブをやります。いわゆるクラシック・ロック系のイベントなんですけどね。これは隔年の9月にやってるリオのロック・イン・リオに来るベテランを、リオより圧倒的に集客のいいサンパウロでまとめてやろうとしたイベントなんですけどね。僕は、ザ・フーのは考えたんですけど、断念しました。

 

というのも

 

 

10月にポール・マッカートニーと、U2の「ヨシュア・トゥリー」30年のツアーがほぼ同じ時期にあるからです。ちょっと、これ重なると、選ぶの非常に大変です。ザ・フー決まった際も、もう既にポールとU2の噂があったので買おうに買えませんでしたね。

 

 

そして僕みたいな人に取っては

 

 

 

毎年11月にやってるこのポップロード・フェスティバルも需要です。これはこっちのジャーナリストが主催してるイベントなんですが、一昨年はここでスプーンとベルセバ、去年はウィルコとリバティーンズ見ましたけど、今年はフェニックス、そしてPJハーヴィー!!もう、行くしかありません。渋いとこが毎年ここで見れますね。

 

 あと、ポップロード仕切りのライブで11月末にはシガーロスもありますね。12月にはアルゼンチンのフェスに来るついでにアーケイド・ファイアもくるんじゃないかといわれてます。

 

 そして、そこまで頭がなかなか回りませんが、これも重要です。来年3月には

 

 

デペッシュ・モードのスタジアム・ライブも決まっています。場所はさっきのアリアンツです。これも、先にたくさんライブがありすぎるためにまだ多くの人がそこまで考えられてないのですが、よくよく考えればものすごく貴重で大事なことです。なんで、こんな時期にもう決まっているのか、というと、おそらくロラパルーザのアルゼンチンとチリのには出るんじゃないかな。12月にアルゼンチンでやるイベントでゴリラズが来るのに、ブラジルだけ飛ばして来ないという噂がもう流れているので、「ああ、その辺りで調整してんだな」と思えるのでね。

 

・・と、そんな感じですね。

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 19:59
comments(0), trackbacks(0), - -
今年ブラジルで最高のアルバムは?

どうも。

 

 

そろそろ、年間ベストがどうとか、言われる季節に入ってきました。

 

 

僕もそろそろ自分のを選ばないといけない時期に入ってきているんですが、その前に、今日は、昨日、ブラジルで発表になった音楽アワードについて書きたいと思います。

 

 

これ、名前がいいにくいんですが「ムウチショウ賞(Premio Multishow)」というものの発表がありました。この賞が、ここ数年、音楽賞として国内で注目が集まるようになって来てますね。

 

 

 これ、賞自体は90年代からあったんですけど、僕がこっち来たときとか、全然注目されてなかったんですよ。それが2012年に、「一般部門」と「批評家部門」に分けて発表するようになったあたりから、注目が集まりはじめ、年々、マスコミで取り上げられる機会が増えています。

 

 

 これの長所は、一般部門は純粋に大衆の投票で決まってパフォーマンスを行なうのもそこの人気者なんですが、批評家部門がそういうものは一切度外視して考えて、批評家たちが純粋に良いと思うものだけを、事前知名度とか一切考えないで選ぶんですね。そうしたところ、この批評部門で受賞した人の世間的な評価があがる効果が見られて来たんですね。実際に受賞する前とあとでは、名前聞く頻度も明らかに変わりましたからね。

 

 

 そこで今回なんですが、厳密に言うとアルバム賞は受賞しなかったんですが、実質的にここからの曲などで最多受賞になったので、これが今年のブラジルのベスト作と呼んじゃっていい気がします。これです。

 

 

 

 

 このセーウという、女性アーティストの「Tropix」というアルバムですね。

 

 このアルバム、今回のアワードだけじゃなく、結構なところで評判を耳にしていました。なので、僕も気になってて、9月から、僕のケータイのストリーミングのダウンロードの中に入ってて、結構聴いてますね。

 

 

 彼女は1980年生まれだから、36歳ですね。このアルバムで4枚目です。彼女のこと自体は、こっち来る前から知ってましたね。デビューそのものは2005年で、そのとき「大型新人」として騒がれてたんですね。実際、そのときはビルボードのアルバム・チャートにまでランクインしたりもしてね。

 

 

 ただ、その頃の彼女のイメージは、「正統派MPB」って感じだったので、ロックのファンが聴くイメージが全くなかったんですよね。MPBというのは、1960年代の後半にカエターノ・ヴェローゾとかエリス・レジーナみたいなアーティストが出て来たときに出来た呼称なんですが、イメージとしては、英米のポップスに、ちょっとサンバやボサノバの要素が感じられるような、そんな感じですかね。日本人のブラジル音楽ファンが系統的に好きなとこなんじゃないかな。

 

 

 ただ、こっちに住んでると、ロック・ファンってMPBを割と敬遠する傾向があるんですね。というのは、これ、ある時期の傾向でもあったんですけど、すごくAOR的なイメージにMPBが寄った時期があって。70sの後半ですけど。そのあとに、パンク〜ニュー・ウェイヴとかオルタナとかに影響されたロックがブラジルで流行っているんですけど、そうした人はMPB、聴かないですもん。MPB、90年代に人気盛り返して、今もそこそこ需要あるんですが、やっぱ、今でも、「J-Waveの選曲の人が好きそう」みたいなイメージですからね。

 

 

 セーウも、そんな中じゃ割とエッジがあった方なんですけど、ロックフェスに呼ばれることまではなかったですからね。それが、このアルバムが出たことによって、来年のロラパルーザに彼女、呼ばれたんですよ!これ、英米の例にたとえると、これまでノラ・ジョーンズとかサラ・バレリスみたいなイメージだった人が、フローレンス&ザ・マシーンとかラナ・デル・レイのイメージで見られるようになった、というとわかりやすいのかな。

 

 

 で、これ、聴いてみたんですが、エレクトロの要素を取り入れて、ガラッとイメージ変わりましたね。ルックスも、これまではナチュラル派だったんですが、未来派グラムみたいな感じでイメチェンして。しかも、イージーにEDM化したとかじゃなく、単音シンセやエレクトロのグルーヴを、曲調にあわせて効果的に入れることによって、曲にエッジを加えることに成功してるんですよね。それでいて、これまでの彼女のシンガーソングライターとしての芯も生きてるし。これはうまいシフト・チェンジだと思いましたね。今の時代性にもちゃんと沿ってるし。

 

 こんな感じですね。

 

 

 

こんな感じですね。気になった方は、アップルミュージックでもスポティファイでも両方あるのでチェックしてみてください。

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 18:24
comments(0), trackbacks(0), - -
短期限定ブラジル音楽試聴期間おさらい

どうも。

 

 

リオ・オリンピックも終わりました。それに伴い、この3週間ほど、毎日ずっとアップル・ミュージックで聴いていた「ブラジル音楽強化期間」も終えました。

 

 

 

まさにこんな感じでしたけどね。

 

 

ただ、さすがに、20アーティスト近くのベスト・セレクションを聴き続けると、なかなかこれ、かなりの勉強になりましたね。しばらくはやらないと思うけど、今度はアーティストの単体のアルバムをたくさん聴く機会にチャレンジしたいと思ってます。

 

 

では、その,僕がピックアップしたブラジルのアーティストを一通り聴いた雑感を書こうかと思います。聴いた順番に書きます。

 

 

エリス・レジーナ・・一般的に「ボサノバの女王」のイメージが強い彼女ですが、ただ、彼女のキャリア全般を見るに、実はそんなことありません。もともとジャズ・シンガーを目指してた人なんで声はかなりパワフルで伸びが抜群です。そこにボサノバ覚えたので抑制も上手くなった・・というのがむしろ近いですね。70sもMPB系の良い曲歌ってるし、晩年のソウル・ディスコ路線も含めて、キャリア全般に興味持ちました。

 

 

ロベルト・カルロス・・この人は「ブラジルのエルヴィス」というか「ブラジルのクリフ・リチャード」みたいな人です。60年代は「ジョーヴェン・グアルダ」といって、「ひとりGSブーム」みたいのがあって、アイドルがブリティッシュ・ビートっぽい曲を歌うのがすごく流行ってたんですが、この人はその最大人気の人です。いうなれば、60年代半ばがマージービート、後半になるとモータウンとかアトランティック系のソウルの感じも入って来て良いですよ。なので「60sベスト」だけ堪能しました。70s以降現在も70歳超えて人気ですが、今は単なるムード歌謡おじさんです。でも、ものすごい人気ですけど。

 

 

エルザ・ソアレス・・御年80過ぎの「サンバの女王」です。こっちでサンバというと、どちらかというと、「作詞作曲と歌う人が違う音楽ジャンル」の典型みたいなイメージがあるんですが、60年代初頭の、そういうイメージの典型的な人ですね。ただ、70歳すぎた2000年代から実験的アレンジを好み出して、「脱サンバ化のモダン・ミュージック」の歌い手みたくなっていますね、今。

 

 

カエターノ・ヴェローゾ・・オリンピックの開会式でもパフォーマンスした、ブラジル音楽界の大重鎮ですね。彼は、日本でいうところのはっぴいえんどが果たしたのと近い役割をこの国でしてますね。サイケデリック・ロックをブラジル音楽に取り入れて、そこにポルトガル語とブラジル北部の固有のリズムと融合させたというか。しかも、この人、90年代にも、00年代にも、音楽的実験を試みて進化してますね。なんか「カエターノが好き」というと、これ、なんかスノッブ臭がしてしまい、偏見もあって積極的に好まなかったんですが、キャリア全編追ってもいいよな、と思いましたね。

 

 

ジルベルト・ジル・・そのカエターノと一緒に「トロピカリズモ運動」を率いて50年。彼もリオ・オリンピックのオープニングで目立ってましたね。彼も60sはサイケっぽく、70sはスティール弦のギターでの独特なファンキー・サウンドをやってて、その頃までは面白いなと思いました。70s後半からあとはレゲエがちょっと多過ぎかなという気もしましたが。

 

 

ジョルジュ・ベン・・この人も重要ですね。彼は60年代初頭に、ボサノバの名曲「マシュケ・ナダ」を作り「ボサノバのホープ」だったんですが、だんだんアメリカのソウル・ミュージックを前に黒人としての自分のアイデンティティが本格的に開眼しちゃって、「サンバロック」なるジャンルの長ですね。そこでロッド・スチュワートの「アイム・セクシー」のも元曲も披露してます。70年代半ばくらいまではブラジル音楽界屈指のイノヴェーターでしたね。

 

 

ミルトン・ナシメント・・この人もカエターノやジル同様、60s後半から活躍し続けている人ですが、派閥が違います。カエターノたちはバイーア州サルバドールっていう、あったかい、日本で言うなら福岡みたいな位置づけの都市の出身なんですが、ミルトンはベロ・オリゾンチっていう、普通の気候のところの、名古屋みたいなとこの出身で、そこのミュージシャンで作品作ってます。ミルトンは、鼻から抜ける独特な声と、ウェスト・コースト・ロック〜フュージョン/AORに通ずる洗練されたフィーリングがあります。70年代半ばまで、ソフィスティケーションにおいてはブラジル一なんじゃないですか。ただ、それ以降が甘くなり過ぎて、追う気がないんですけど。

 

 

マリア・ベターニア・・この人はカエターノの妹で,彼女も大御所ですね。野太い声でシンガーとしてはかなりの一流です。ただ、曲がスロー過ぎて、この世代の人たちの中ではコンサバな印象も与えますね。聞き続けたらクセになるような感じもなきにしもあらずですが。

 

 

ガル・コスタ・・彼女もカエターノ、ジル、ベターニアの派閥の人で、70s〜80sのヒットメイカーです。突き抜けるようなキンキン声が可愛く、今もその声、保ってますね。聞きやすいポップな曲が多いんですけど、ただ、その分、印象に残りにくいですね。ただ、どうやらアップル・ミュージック側の編集が良くなかったらしく、キャリア初期のサイケな時期が抜けてたみたいなんですね。なので、もう1回、初期の作品から聞き直す予定です。

 

 

チン・マイア・・ブラジルにおけるソウル・キングですね。ブラジルの場合、黒人はそれまでサンバをやるのが普通だったんですけど、1970年に彼がアメリカ留学して得たソウル・ミュージックの本場のエッセンスを取り込みましたね。これでブラジル内のブラック・ミュージックに影響を与えたことはたしかだし、歌唱法やファンクビートは彼なしには発展しなかったんじゃないかな。70sが絶頂ですけど、それ以降も曲によってはなかなか。作品が多いので追うの大変ですが、少なくとも70sまでは聞きたいですね。

 

 

シコ・ブアルキ・・反抗の文学サンバ・シンガーソングライターですね。彼もカエターノたちと並ぶ、60、70年代の重要アーティストですね。71年のアルバム「コンストラソン」はサウンド・アレンジのオーケストレーションも最高ですね。前々から聞いてたアーティストなのでそこまでの発見はなかったですけど、80年代半ばまでは少なくとも好きな曲ありますね。

 

 

ウリーニョ・ダ・ヴィオラ・・リオ五輪の開幕式で国歌斉唱をした人です。彼の場合はシコと違ってロック系との交流がないストレートなサンバ歌手ですけど、70年代初頭の作品はそれでも曲が良いですね。あと、この人は年取っても声がヴェルヴェット・ヴォイス。国歌斉唱に選ばれたのもわかります。

 

 

ヒタ・リー・・僕がどれだけブラジルっぽい音楽に慣れたり詳しくなったりしても、やっぱ自分のルーツはロックなんだと改めて思わせてくれる人がヒタ・リーです。彼女が60sにやってたサイケ・ガレージ・バンドのオス・ムタンチスに興味を持ったのがブラジルについて詳しく知りたいと思ったそもそものキッカケなんですけど、彼女は現在に至るまで、その後もブラジルのロック・クイーンです。70sは,当時世界でも稀な、女性ロックシンガーでストーンズみたいなロックンロールを歌ってるし、80s初頭はAOR路線で貸間でユーミンみたくなったんですけど、この当時のほかのAORっぽいブラジルのアーティストよりエッジがある分、オリジナリティあったし。90s以降はまたロック回帰しててそれもいいし。この人、言動もちょっとレミパン入ってておもしろいんですけど(笑)、彼女のインスタグラムの「永遠のガーリー」ぶりもいい!子供のときだった60sにブリジット・バルドーとロックに憧れたら、こんなカッコいいおばあちゃんになれるという見本です。

 

 

オス・ムタンチス・・そのヒタ・リーが在籍した伝説のバンドです。5枚目まではどれも最高なんですが、何を考えたか、最後の2枚が突然プログレになって終わっちゃうんですね。その前にヒタがバンド抜けるんですけど、その直後のヒタのソロを聴くに、彼女はもっとストレートなロックがやりたかったんでしょうね。もうひとり、アルナルド・バチスタというメンバーがいて、彼がムタンチスのメイン・ソングライターだったんですけど、なんかシド・バレット的というか大江信也的というか、その後のソロが非常に文字通り危うい人だったので、彼も伝説化してますね。バンドは、一番無難だった人が再結成させてます。

 

 

ハウル・セイシャス・・彼もすごく好きですね。「ブラジリアン・ロックの父」。風貌はまんまボブ・ディランなんですけど、曲調はボウイの「スターマン」みたいな曲というか、ストリングスかましたロックンロールが多いですね。それでいてファンキーですが、突如としてファルセットでバラード歌い上げる繊細さもあります。70sはどれも素晴らしいんですけど、ドラッグと酒に溺れ過ぎて、リリースごとに違うレーベルからの作品発表となった80sにも興味あります。

 

 

ノーヴォス・バイアーノス・・この男女混成メンバーの70年代の5人組のバンドもブラジルだとすごく評価高いですね。今、まさに再結成ツアー中で盛り上がってます。ただ、最高傑作の「アカボウ・ショラーレ」は僕も優れたファンキーなラテン・ロックの名盤だと思うんですけど、他のアルバムがちょっとサンバ色強過ぎで僕はまだちょっと慣れないですね。メンバーもサディスティック・ミカ・バンド並みに、個々で成功する人が多いバンドなんですけど、なんか個々の能力をカエターノとかヒタとかと比べるとやっぱ物足りないんだよなあ。

 

 

レジアオン・ウルバーナ・・ここで何度か紹介している、80年代のブラジリアン・ロックブームの際の最大のバンドです。ザ・スミスとかジョイ・ディヴィジョン、REMみたいなタイプのバンドが国でもっとも人気のあるバンドだったことは世界的に見ても衝撃なんですけど、こういう状況がこの国でまたおきないものかと期待してるんですけどね。ただ、このバンドも、良かったのは最初の3枚(もしくは4枚)で90年代以降不調のまま、96年にフロントマンが亡くなっちゃうんですけどね。

 

 

パララマス・ド・スセッソ・・80年代におけるレジアオンのライバル・バンドですね。「ブラジルのザ・ポリス」と呼ばれた人たちで、85年の最初のロック・イン・リオで爆発的に受けて今があるバンドです。今日まで現役で、最後にアルバムが出た2009年までコンスタントに人気がある人たちです。曲調が基本いつもレゲエなので、「飽きやすいかな」と思って、これまでは初期の代表曲しか抑えてこなかったんですが、90s以降若干甘口になるものの、やっぱ、しっかりしてますね。キャリア全部抑えてもいいかなと思ってます。

 

 

チタンス・・サンパウロが生んだ最大のロックバンドですね。ヴォーカルが5人いる、初期はホント、なんか劇団がバンドやってるみたいな感じで、曲調も、なんかユニコーンみたいに、歌う人によってコロコロ変わる趣きですね。この人たちも、最近はさすがにやや落ち目な印象もありますが、2000年代までは人気あったバンドです。ちょっとヴォーカルが抜け過ぎで、今2人なんですけどね。ただ、ヴォーカル5人時代の80年代が一番キレがありますね。後年も、突然思い出したように、「ハードコア・パンク担当ヴォーカル」が仕切る曲とかは面白いんですけどね。

 

 

カズーザ/バラオン・ヴェルメーリョ・・カズーザは80sブラジルの伝説ですね。彼はこの時代最大の色男だったんですが、その分、男性交際も目立った人で、1990年にエイズで32歳の若さでなくなってしまいます。彼はブラジル音楽史上、もっとも美しく知的な歌詞を書く人としても有名です。音楽的にはそこまで面白さがわからないタイプなので、僕も最近は歌詞も読みながら聞くようにしてます。その彼が在籍していたバンド、バラオン・ヴェルメーリャは、この時代でいうならブライアン・アダムスみたいなアレンジのロックバンドでしたね。カズーザ脱退後は、残ったメンバーのうちフレジャって人が仕切るバンドになったんですが、音楽的にはカズーザいた頃から、フレジャ主体のロックンロールですね。90s以降はより骨太なロックになり、フレジャもソロに転じます。

 

 

マリーザ・モンチ・・彼女は90sの人ですけど、この時代に最も成功したブラジル人アーティストです。ただ、僕とブラジルで仲の良い知人(うちのワイフも含む)4人に聞いたところ、全員が彼女のことを嫌いでした(笑)。「なんでかな」と思って今回聴くことにしたんですが、思ったほど悪くはなかったです。ただ、優等生的過ぎて面白くないんですね。悪い意味でノラ・ジョーンズ的というか。ブレイクしはじめた90s初期の曲はJ-Waveの選曲家がつみあげたCDの下にスウィング・アウト・シスターの下とかに置いてそうな感じですね。アッパーでファンキーな曲とかもあるんだけど、それもお行儀良い感じというか。ロック好きにはたしかに引っかかりにくい感じは残りますね。

 

 

ジョアン・ジルベルト・・オリンピックの終わり頃に、最後は60sに戻ってボサノバ聴きました。その代表格としてのジョアン・ジルベルトですが、ボサノバが根本的に好きじゃない僕としては、最初のブレイク作の「シェガ・ジ・サウダージ」ってアルバムはすごく良いと思ったんですが、それ以外はそんなに引かれなかったかなあ。「シェガ・ジ〜」はまだストリングス・アレンジとかがいいんだけど、その他は基本的に彼のギターと歌で、正直、あの彼の歌声が・・。

 

 

アントニオ・カルロス・ジョビン・・シメはボサノバを作った張本人のジョビンで。彼の場合はソングライター、アレンジャーだし、アレンジの妙や曲のうまさで聴かせられる分、楽しめるんですが、彼も歌わない方が良いですね。なんか、彼とジョアンが「ボサノバは歌えなくても大丈夫」な印象を作ってしまっている(だからエリスが”ボサノバの女王”と呼ばれるのは好きじゃない。あれだけ歌がうますぎるとさすがに)んですけどね。なので、インスト曲とか、エリスとかシナトラとの共作はすごくいいと思うんですけど。

 

 

・・といった感じでしょうか。

 

 

 まだ聴きたかったものとかもあったんですけど、それはまた、別の強化期間が来たときまでのお楽しみに、ということで。

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 06:05
comments(0), trackbacks(0), - -