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ガンズがザ・フーの後に出て、その2倍以上の長さのセットを組むロック・イン・リオ

どうも。

 

 

サンパウロ、今、夜中の4時近いんですけど、なんと、ロック・イン・リオの生中継がまだ終わりません。

 

というのも、トリのガンズ&ローゼズのライブがですね、延々とおわんないんですよ、これが(笑)。

 

 

ガンズの登場自体がメチャクチャ遅かったわけじゃないんですよ。1時過ぎには出てきたので。でも、他の日、それでも午前2時くらいには終わるんですよ。それが2時間、なんで延長されているんだというね。

 

 しかもですね、この日、ガンズの出番の前がザ・フーだったんですよ。なんか、ザ・フーってこういう役回りになることが多いですね。日本でも初めてやってきた時、エアロスミスの前に演奏したんですけど、実はブラジルは今回が初めてだったんですね。そういうこともあって、ガンズの前に演奏したわけなんですけどね。

 

 フー、相変わらず良かったですよ。80分くらいだったんですけど、相変わらずタイトでエネルギッシュで。すごくベスト盤っぽくてね。初期のシングルに、「トミー」「フーズ・ネクスト」「四重人格」のおなじみのコースに「I Can See For Miles」とか「Join Together」とか「You Better You Bet」とかもやってね。観客も若い人が多くて、すごく盛り上がりと衝撃を与えていたようです。ライブ後のピートへの楽屋インタビューも熱かったですからね。

 

 

 ただ、まさかその後のガンズが3時間くらいのセットを組むとはなあ。これじゃ、フー、本当に扱い、前座だよ(苦笑)。

 

 

 しかもねえ。長くなるような曲ばっかり、ガンガン打ってくるんだ。「Coma」とか「Civil War」、「November Rain」に「Knockin On The Heavens Door」。「ユーズ・ユア・イリュージョン」のクドいとこばっかじゃないか(笑)。やたら長いギター・ソロがどれも入るんですよ。

 

 いや、中にはサウンドガーデンの「ブラック・ホール・サン」のカバーなんて、かなり貴重なものまであるんですよ!なんだけど、アクセルの声のピッチが今日は良いとはとても言えなくて、モニターがよく聞こえてないのか、小節ズレて歌い始めることも多々。

 

 

 まあ、ガンズの熱狂的ファンだったら喜ぶんだと思うんですけど、そうじゃない人の反応、どうでしょうね、これ。実はガンズって、ロック・イン・リオにとっての精神的支柱みたいなバンドで、これが過去7回開催中、5回出てるんですね。前回4年前に出た時も、あの時は登場がものすごく遅れて夜明け近くまでやってましたけどね。雨降ってたので、アクセルがレインコート着てやってね。

 

 

 今、ザ・フーの「シーカー」のカバー、やり始めましたね。この前、AC/DCの「ホール・ロッタ・ロージー」やったんですけど、これ、いつまでやるんだろうな。4時すぎたのに。

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 16:03
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アーケイド・ファイアにロラパルーザに

どうも。

 

 

今週は結局、FromワーストToベストもなしですね。来週の半ばまで持ち越しです。全アルバムを聞いたアーティストが結構ストックされてるんですけど(苦笑)。で、きょうは僕の地元での話など。

 

 

 

 

アーケイド・ファイア、12月にブラジル、来ます!野外の2〜3万収容のとこでやります。思いっきり雨期なので、雨が非常に心配ですけど(笑)。あとねえ、ここで話題にしてないから薄々感づいている方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですけど、ハッキリ言って新作好きじゃないです!なんか、「狙い過ぎ」というか、ウィン・バトラーの実はかなり野心家な本音が出過ぎちゃってるというか。彼らなら、アートに徹したままで十分大物になれるのに、なんであんなポップなアプローチが必要なのか、僕にはよくわからないんですけどね。

 

 ただ、どんなアーティストにも「失敗作」というのはあるし、少なくとも初登場順位はそんなにはコケないと思うし、それに何よりライブは別物かつ、彼らは別格です。是非行こうと思っています。

 

 

 あと、今まさにシカゴのロラパルーザをやってて、配信でも生で見れることになってますけど

 

 

 

来年の南米ロラパルーザ、3日開催が決まりました!

 

 

2013年にも3日開催だったので5年ぶりではあるんですけど、あのときはまだ2回目で注目度は低かったし、今より小振りな会場でやってましたけど、今の会場、クソでかいので楽しみです。「100バンド以上参加」という、「地元で半分埋めるとか、絶対言うなよ」とツッコミたくなる大風呂敷広げてたりするんで、どんなものか、楽しみにしてます。

 

 

流れている噂だと、キラーズ、レッチリ、パール・ジャムの3つがヘッドライナーで、LCDサウンドシステムとロイヤル・ブラッドはほぼ決まりだろう、という話なんですけどね。ただ、オフィシャルのフェイスブックには予想通り「ラナが出ないと3日やっても行かない」という投稿が目立ってます(笑)。ホント、すごいんですよ、ブラジルのラナ・デル・レイ・ファンって。僕も今回の最大の希望も彼女ではあるんですけど・・、でも、一回、単独で回って長いセット見るってのも悪くないなとも思ってたり。

 

 

 僕としても10月にポール・マッカートニー、U2、11月にPJハーヴィーとフェニックスなんかが出るイベントがあった後にこれなので、なんとか工面をしっかりしようと思ってます。

 

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 19:27
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サンパウロ・ロック・シティ

どうも。

 

 

今日は6月9日、日本だとロックの日なので、こういう話を。

 

 

 

 

我が街サンパウロがこの頃、「ロック・シティ」と呼ばれている話をしましょう。

 

もともと、サンパウロ、ロックは盛んです、東京と同じく、ブラジルのツアーでまず飛ばされることがないんですが、それにしてもここ最近、たしかに国外からやってくるアーティストのライブは多くなってますね。

 

 

 その理由となっているのは

 

 

やっぱり、ここでも3月に毎年レポートしてる、ロラパルーザ・ブラジルが大成功したからですね。2012年から始まって、僕もここまで開催日全部行ってますけど、とにかくここ数年は、ロックに興味のない市民まで普通に知ってますからね。いわゆるお役所レベルでもすごく大事にされてます。なぜなら、市外、州外からここまで人がやって来るイベント、この市にはないんですね。そういうこともあって、ここ最近、観光も気合い入りはじめてますね。

 

 

あと、ここの会場のインテルラゴス・サーキットという、普段F1やってるとこはラウドロックのフェスもやってて、こないだリンキン・パークがヘッドライナーやってましたね。

 

 

 あと、サッカーのシーズン・オフと、北半球でのフェスのはじまりの前と言うことで、3〜5月が大物アーティストの日程が合わせやすく、それで気安くなった、ということもありますね。特に

 

 

この,アリアンツ・パルケっていう、パルメイラスの本拠地、これ、3年前に出来たんですけど、ここがライブの招聘に非常に熱心なんですね。僕もここで一昨年の12月にデヴィッド・ギルモア見に行ってますけど、ここでコールドプレイとかマルーン5とかやってましたね。大物というかベテランが気安いんですが、こないだエド・シーランやジャスティン・ビーバーもやってたし、アリアナ・グランデもテロにあってもキャンセルしなかったので、ここでライブ、今度やりますね。

 

 

 そして、ここで9月には

 

 

 

 こういう、「サンパウロ・トリップ」というライブをやります。いわゆるクラシック・ロック系のイベントなんですけどね。これは隔年の9月にやってるリオのロック・イン・リオに来るベテランを、リオより圧倒的に集客のいいサンパウロでまとめてやろうとしたイベントなんですけどね。僕は、ザ・フーのは考えたんですけど、断念しました。

 

というのも

 

 

10月にポール・マッカートニーと、U2の「ヨシュア・トゥリー」30年のツアーがほぼ同じ時期にあるからです。ちょっと、これ重なると、選ぶの非常に大変です。ザ・フー決まった際も、もう既にポールとU2の噂があったので買おうに買えませんでしたね。

 

 

そして僕みたいな人に取っては

 

 

 

毎年11月にやってるこのポップロード・フェスティバルも需要です。これはこっちのジャーナリストが主催してるイベントなんですが、一昨年はここでスプーンとベルセバ、去年はウィルコとリバティーンズ見ましたけど、今年はフェニックス、そしてPJハーヴィー!!もう、行くしかありません。渋いとこが毎年ここで見れますね。

 

 あと、ポップロード仕切りのライブで11月末にはシガーロスもありますね。12月にはアルゼンチンのフェスに来るついでにアーケイド・ファイアもくるんじゃないかといわれてます。

 

 そして、そこまで頭がなかなか回りませんが、これも重要です。来年3月には

 

 

デペッシュ・モードのスタジアム・ライブも決まっています。場所はさっきのアリアンツです。これも、先にたくさんライブがありすぎるためにまだ多くの人がそこまで考えられてないのですが、よくよく考えればものすごく貴重で大事なことです。なんで、こんな時期にもう決まっているのか、というと、おそらくロラパルーザのアルゼンチンとチリのには出るんじゃないかな。12月にアルゼンチンでやるイベントでゴリラズが来るのに、ブラジルだけ飛ばして来ないという噂がもう流れているので、「ああ、その辺りで調整してんだな」と思えるのでね。

 

・・と、そんな感じですね。

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 19:59
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今年ブラジルで最高のアルバムは?

どうも。

 

 

そろそろ、年間ベストがどうとか、言われる季節に入ってきました。

 

 

僕もそろそろ自分のを選ばないといけない時期に入ってきているんですが、その前に、今日は、昨日、ブラジルで発表になった音楽アワードについて書きたいと思います。

 

 

これ、名前がいいにくいんですが「ムウチショウ賞(Premio Multishow)」というものの発表がありました。この賞が、ここ数年、音楽賞として国内で注目が集まるようになって来てますね。

 

 

 これ、賞自体は90年代からあったんですけど、僕がこっち来たときとか、全然注目されてなかったんですよ。それが2012年に、「一般部門」と「批評家部門」に分けて発表するようになったあたりから、注目が集まりはじめ、年々、マスコミで取り上げられる機会が増えています。

 

 

 これの長所は、一般部門は純粋に大衆の投票で決まってパフォーマンスを行なうのもそこの人気者なんですが、批評家部門がそういうものは一切度外視して考えて、批評家たちが純粋に良いと思うものだけを、事前知名度とか一切考えないで選ぶんですね。そうしたところ、この批評部門で受賞した人の世間的な評価があがる効果が見られて来たんですね。実際に受賞する前とあとでは、名前聞く頻度も明らかに変わりましたからね。

 

 

 そこで今回なんですが、厳密に言うとアルバム賞は受賞しなかったんですが、実質的にここからの曲などで最多受賞になったので、これが今年のブラジルのベスト作と呼んじゃっていい気がします。これです。

 

 

 

 

 このセーウという、女性アーティストの「Tropix」というアルバムですね。

 

 このアルバム、今回のアワードだけじゃなく、結構なところで評判を耳にしていました。なので、僕も気になってて、9月から、僕のケータイのストリーミングのダウンロードの中に入ってて、結構聴いてますね。

 

 

 彼女は1980年生まれだから、36歳ですね。このアルバムで4枚目です。彼女のこと自体は、こっち来る前から知ってましたね。デビューそのものは2005年で、そのとき「大型新人」として騒がれてたんですね。実際、そのときはビルボードのアルバム・チャートにまでランクインしたりもしてね。

 

 

 ただ、その頃の彼女のイメージは、「正統派MPB」って感じだったので、ロックのファンが聴くイメージが全くなかったんですよね。MPBというのは、1960年代の後半にカエターノ・ヴェローゾとかエリス・レジーナみたいなアーティストが出て来たときに出来た呼称なんですが、イメージとしては、英米のポップスに、ちょっとサンバやボサノバの要素が感じられるような、そんな感じですかね。日本人のブラジル音楽ファンが系統的に好きなとこなんじゃないかな。

 

 

 ただ、こっちに住んでると、ロック・ファンってMPBを割と敬遠する傾向があるんですね。というのは、これ、ある時期の傾向でもあったんですけど、すごくAOR的なイメージにMPBが寄った時期があって。70sの後半ですけど。そのあとに、パンク〜ニュー・ウェイヴとかオルタナとかに影響されたロックがブラジルで流行っているんですけど、そうした人はMPB、聴かないですもん。MPB、90年代に人気盛り返して、今もそこそこ需要あるんですが、やっぱ、今でも、「J-Waveの選曲の人が好きそう」みたいなイメージですからね。

 

 

 セーウも、そんな中じゃ割とエッジがあった方なんですけど、ロックフェスに呼ばれることまではなかったですからね。それが、このアルバムが出たことによって、来年のロラパルーザに彼女、呼ばれたんですよ!これ、英米の例にたとえると、これまでノラ・ジョーンズとかサラ・バレリスみたいなイメージだった人が、フローレンス&ザ・マシーンとかラナ・デル・レイのイメージで見られるようになった、というとわかりやすいのかな。

 

 

 で、これ、聴いてみたんですが、エレクトロの要素を取り入れて、ガラッとイメージ変わりましたね。ルックスも、これまではナチュラル派だったんですが、未来派グラムみたいな感じでイメチェンして。しかも、イージーにEDM化したとかじゃなく、単音シンセやエレクトロのグルーヴを、曲調にあわせて効果的に入れることによって、曲にエッジを加えることに成功してるんですよね。それでいて、これまでの彼女のシンガーソングライターとしての芯も生きてるし。これはうまいシフト・チェンジだと思いましたね。今の時代性にもちゃんと沿ってるし。

 

 こんな感じですね。

 

 

 

こんな感じですね。気になった方は、アップルミュージックでもスポティファイでも両方あるのでチェックしてみてください。

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 18:24
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短期限定ブラジル音楽試聴期間おさらい

どうも。

 

 

リオ・オリンピックも終わりました。それに伴い、この3週間ほど、毎日ずっとアップル・ミュージックで聴いていた「ブラジル音楽強化期間」も終えました。

 

 

 

まさにこんな感じでしたけどね。

 

 

ただ、さすがに、20アーティスト近くのベスト・セレクションを聴き続けると、なかなかこれ、かなりの勉強になりましたね。しばらくはやらないと思うけど、今度はアーティストの単体のアルバムをたくさん聴く機会にチャレンジしたいと思ってます。

 

 

では、その,僕がピックアップしたブラジルのアーティストを一通り聴いた雑感を書こうかと思います。聴いた順番に書きます。

 

 

エリス・レジーナ・・一般的に「ボサノバの女王」のイメージが強い彼女ですが、ただ、彼女のキャリア全般を見るに、実はそんなことありません。もともとジャズ・シンガーを目指してた人なんで声はかなりパワフルで伸びが抜群です。そこにボサノバ覚えたので抑制も上手くなった・・というのがむしろ近いですね。70sもMPB系の良い曲歌ってるし、晩年のソウル・ディスコ路線も含めて、キャリア全般に興味持ちました。

 

 

ロベルト・カルロス・・この人は「ブラジルのエルヴィス」というか「ブラジルのクリフ・リチャード」みたいな人です。60年代は「ジョーヴェン・グアルダ」といって、「ひとりGSブーム」みたいのがあって、アイドルがブリティッシュ・ビートっぽい曲を歌うのがすごく流行ってたんですが、この人はその最大人気の人です。いうなれば、60年代半ばがマージービート、後半になるとモータウンとかアトランティック系のソウルの感じも入って来て良いですよ。なので「60sベスト」だけ堪能しました。70s以降現在も70歳超えて人気ですが、今は単なるムード歌謡おじさんです。でも、ものすごい人気ですけど。

 

 

エルザ・ソアレス・・御年80過ぎの「サンバの女王」です。こっちでサンバというと、どちらかというと、「作詞作曲と歌う人が違う音楽ジャンル」の典型みたいなイメージがあるんですが、60年代初頭の、そういうイメージの典型的な人ですね。ただ、70歳すぎた2000年代から実験的アレンジを好み出して、「脱サンバ化のモダン・ミュージック」の歌い手みたくなっていますね、今。

 

 

カエターノ・ヴェローゾ・・オリンピックの開会式でもパフォーマンスした、ブラジル音楽界の大重鎮ですね。彼は、日本でいうところのはっぴいえんどが果たしたのと近い役割をこの国でしてますね。サイケデリック・ロックをブラジル音楽に取り入れて、そこにポルトガル語とブラジル北部の固有のリズムと融合させたというか。しかも、この人、90年代にも、00年代にも、音楽的実験を試みて進化してますね。なんか「カエターノが好き」というと、これ、なんかスノッブ臭がしてしまい、偏見もあって積極的に好まなかったんですが、キャリア全編追ってもいいよな、と思いましたね。

 

 

ジルベルト・ジル・・そのカエターノと一緒に「トロピカリズモ運動」を率いて50年。彼もリオ・オリンピックのオープニングで目立ってましたね。彼も60sはサイケっぽく、70sはスティール弦のギターでの独特なファンキー・サウンドをやってて、その頃までは面白いなと思いました。70s後半からあとはレゲエがちょっと多過ぎかなという気もしましたが。

 

 

ジョルジュ・ベン・・この人も重要ですね。彼は60年代初頭に、ボサノバの名曲「マシュケ・ナダ」を作り「ボサノバのホープ」だったんですが、だんだんアメリカのソウル・ミュージックを前に黒人としての自分のアイデンティティが本格的に開眼しちゃって、「サンバロック」なるジャンルの長ですね。そこでロッド・スチュワートの「アイム・セクシー」のも元曲も披露してます。70年代半ばくらいまではブラジル音楽界屈指のイノヴェーターでしたね。

 

 

ミルトン・ナシメント・・この人もカエターノやジル同様、60s後半から活躍し続けている人ですが、派閥が違います。カエターノたちはバイーア州サルバドールっていう、あったかい、日本で言うなら福岡みたいな位置づけの都市の出身なんですが、ミルトンはベロ・オリゾンチっていう、普通の気候のところの、名古屋みたいなとこの出身で、そこのミュージシャンで作品作ってます。ミルトンは、鼻から抜ける独特な声と、ウェスト・コースト・ロック〜フュージョン/AORに通ずる洗練されたフィーリングがあります。70年代半ばまで、ソフィスティケーションにおいてはブラジル一なんじゃないですか。ただ、それ以降が甘くなり過ぎて、追う気がないんですけど。

 

 

マリア・ベターニア・・この人はカエターノの妹で,彼女も大御所ですね。野太い声でシンガーとしてはかなりの一流です。ただ、曲がスロー過ぎて、この世代の人たちの中ではコンサバな印象も与えますね。聞き続けたらクセになるような感じもなきにしもあらずですが。

 

 

ガル・コスタ・・彼女もカエターノ、ジル、ベターニアの派閥の人で、70s〜80sのヒットメイカーです。突き抜けるようなキンキン声が可愛く、今もその声、保ってますね。聞きやすいポップな曲が多いんですけど、ただ、その分、印象に残りにくいですね。ただ、どうやらアップル・ミュージック側の編集が良くなかったらしく、キャリア初期のサイケな時期が抜けてたみたいなんですね。なので、もう1回、初期の作品から聞き直す予定です。

 

 

チン・マイア・・ブラジルにおけるソウル・キングですね。ブラジルの場合、黒人はそれまでサンバをやるのが普通だったんですけど、1970年に彼がアメリカ留学して得たソウル・ミュージックの本場のエッセンスを取り込みましたね。これでブラジル内のブラック・ミュージックに影響を与えたことはたしかだし、歌唱法やファンクビートは彼なしには発展しなかったんじゃないかな。70sが絶頂ですけど、それ以降も曲によってはなかなか。作品が多いので追うの大変ですが、少なくとも70sまでは聞きたいですね。

 

 

シコ・ブアルキ・・反抗の文学サンバ・シンガーソングライターですね。彼もカエターノたちと並ぶ、60、70年代の重要アーティストですね。71年のアルバム「コンストラソン」はサウンド・アレンジのオーケストレーションも最高ですね。前々から聞いてたアーティストなのでそこまでの発見はなかったですけど、80年代半ばまでは少なくとも好きな曲ありますね。

 

 

ウリーニョ・ダ・ヴィオラ・・リオ五輪の開幕式で国歌斉唱をした人です。彼の場合はシコと違ってロック系との交流がないストレートなサンバ歌手ですけど、70年代初頭の作品はそれでも曲が良いですね。あと、この人は年取っても声がヴェルヴェット・ヴォイス。国歌斉唱に選ばれたのもわかります。

 

 

ヒタ・リー・・僕がどれだけブラジルっぽい音楽に慣れたり詳しくなったりしても、やっぱ自分のルーツはロックなんだと改めて思わせてくれる人がヒタ・リーです。彼女が60sにやってたサイケ・ガレージ・バンドのオス・ムタンチスに興味を持ったのがブラジルについて詳しく知りたいと思ったそもそものキッカケなんですけど、彼女は現在に至るまで、その後もブラジルのロック・クイーンです。70sは,当時世界でも稀な、女性ロックシンガーでストーンズみたいなロックンロールを歌ってるし、80s初頭はAOR路線で貸間でユーミンみたくなったんですけど、この当時のほかのAORっぽいブラジルのアーティストよりエッジがある分、オリジナリティあったし。90s以降はまたロック回帰しててそれもいいし。この人、言動もちょっとレミパン入ってておもしろいんですけど(笑)、彼女のインスタグラムの「永遠のガーリー」ぶりもいい!子供のときだった60sにブリジット・バルドーとロックに憧れたら、こんなカッコいいおばあちゃんになれるという見本です。

 

 

オス・ムタンチス・・そのヒタ・リーが在籍した伝説のバンドです。5枚目まではどれも最高なんですが、何を考えたか、最後の2枚が突然プログレになって終わっちゃうんですね。その前にヒタがバンド抜けるんですけど、その直後のヒタのソロを聴くに、彼女はもっとストレートなロックがやりたかったんでしょうね。もうひとり、アルナルド・バチスタというメンバーがいて、彼がムタンチスのメイン・ソングライターだったんですけど、なんかシド・バレット的というか大江信也的というか、その後のソロが非常に文字通り危うい人だったので、彼も伝説化してますね。バンドは、一番無難だった人が再結成させてます。

 

 

ハウル・セイシャス・・彼もすごく好きですね。「ブラジリアン・ロックの父」。風貌はまんまボブ・ディランなんですけど、曲調はボウイの「スターマン」みたいな曲というか、ストリングスかましたロックンロールが多いですね。それでいてファンキーですが、突如としてファルセットでバラード歌い上げる繊細さもあります。70sはどれも素晴らしいんですけど、ドラッグと酒に溺れ過ぎて、リリースごとに違うレーベルからの作品発表となった80sにも興味あります。

 

 

ノーヴォス・バイアーノス・・この男女混成メンバーの70年代の5人組のバンドもブラジルだとすごく評価高いですね。今、まさに再結成ツアー中で盛り上がってます。ただ、最高傑作の「アカボウ・ショラーレ」は僕も優れたファンキーなラテン・ロックの名盤だと思うんですけど、他のアルバムがちょっとサンバ色強過ぎで僕はまだちょっと慣れないですね。メンバーもサディスティック・ミカ・バンド並みに、個々で成功する人が多いバンドなんですけど、なんか個々の能力をカエターノとかヒタとかと比べるとやっぱ物足りないんだよなあ。

 

 

レジアオン・ウルバーナ・・ここで何度か紹介している、80年代のブラジリアン・ロックブームの際の最大のバンドです。ザ・スミスとかジョイ・ディヴィジョン、REMみたいなタイプのバンドが国でもっとも人気のあるバンドだったことは世界的に見ても衝撃なんですけど、こういう状況がこの国でまたおきないものかと期待してるんですけどね。ただ、このバンドも、良かったのは最初の3枚(もしくは4枚)で90年代以降不調のまま、96年にフロントマンが亡くなっちゃうんですけどね。

 

 

パララマス・ド・スセッソ・・80年代におけるレジアオンのライバル・バンドですね。「ブラジルのザ・ポリス」と呼ばれた人たちで、85年の最初のロック・イン・リオで爆発的に受けて今があるバンドです。今日まで現役で、最後にアルバムが出た2009年までコンスタントに人気がある人たちです。曲調が基本いつもレゲエなので、「飽きやすいかな」と思って、これまでは初期の代表曲しか抑えてこなかったんですが、90s以降若干甘口になるものの、やっぱ、しっかりしてますね。キャリア全部抑えてもいいかなと思ってます。

 

 

チタンス・・サンパウロが生んだ最大のロックバンドですね。ヴォーカルが5人いる、初期はホント、なんか劇団がバンドやってるみたいな感じで、曲調も、なんかユニコーンみたいに、歌う人によってコロコロ変わる趣きですね。この人たちも、最近はさすがにやや落ち目な印象もありますが、2000年代までは人気あったバンドです。ちょっとヴォーカルが抜け過ぎで、今2人なんですけどね。ただ、ヴォーカル5人時代の80年代が一番キレがありますね。後年も、突然思い出したように、「ハードコア・パンク担当ヴォーカル」が仕切る曲とかは面白いんですけどね。

 

 

カズーザ/バラオン・ヴェルメーリョ・・カズーザは80sブラジルの伝説ですね。彼はこの時代最大の色男だったんですが、その分、男性交際も目立った人で、1990年にエイズで32歳の若さでなくなってしまいます。彼はブラジル音楽史上、もっとも美しく知的な歌詞を書く人としても有名です。音楽的にはそこまで面白さがわからないタイプなので、僕も最近は歌詞も読みながら聞くようにしてます。その彼が在籍していたバンド、バラオン・ヴェルメーリャは、この時代でいうならブライアン・アダムスみたいなアレンジのロックバンドでしたね。カズーザ脱退後は、残ったメンバーのうちフレジャって人が仕切るバンドになったんですが、音楽的にはカズーザいた頃から、フレジャ主体のロックンロールですね。90s以降はより骨太なロックになり、フレジャもソロに転じます。

 

 

マリーザ・モンチ・・彼女は90sの人ですけど、この時代に最も成功したブラジル人アーティストです。ただ、僕とブラジルで仲の良い知人(うちのワイフも含む)4人に聞いたところ、全員が彼女のことを嫌いでした(笑)。「なんでかな」と思って今回聴くことにしたんですが、思ったほど悪くはなかったです。ただ、優等生的過ぎて面白くないんですね。悪い意味でノラ・ジョーンズ的というか。ブレイクしはじめた90s初期の曲はJ-Waveの選曲家がつみあげたCDの下にスウィング・アウト・シスターの下とかに置いてそうな感じですね。アッパーでファンキーな曲とかもあるんだけど、それもお行儀良い感じというか。ロック好きにはたしかに引っかかりにくい感じは残りますね。

 

 

ジョアン・ジルベルト・・オリンピックの終わり頃に、最後は60sに戻ってボサノバ聴きました。その代表格としてのジョアン・ジルベルトですが、ボサノバが根本的に好きじゃない僕としては、最初のブレイク作の「シェガ・ジ・サウダージ」ってアルバムはすごく良いと思ったんですが、それ以外はそんなに引かれなかったかなあ。「シェガ・ジ〜」はまだストリングス・アレンジとかがいいんだけど、その他は基本的に彼のギターと歌で、正直、あの彼の歌声が・・。

 

 

アントニオ・カルロス・ジョビン・・シメはボサノバを作った張本人のジョビンで。彼の場合はソングライター、アレンジャーだし、アレンジの妙や曲のうまさで聴かせられる分、楽しめるんですが、彼も歌わない方が良いですね。なんか、彼とジョアンが「ボサノバは歌えなくても大丈夫」な印象を作ってしまっている(だからエリスが”ボサノバの女王”と呼ばれるのは好きじゃない。あれだけ歌がうますぎるとさすがに)んですけどね。なので、インスト曲とか、エリスとかシナトラとの共作はすごくいいと思うんですけど。

 

 

・・といった感じでしょうか。

 

 

 まだ聴きたかったものとかもあったんですけど、それはまた、別の強化期間が来たときまでのお楽しみに、ということで。

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 06:05
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祝・ブラジル・サッカー金メダル!〜国内社会動乱の終止符の象徴になれるか?

どうも。

 

 

 

いや〜、もうね、本当にうれしい!ブラジル、オリンピックで初の金メダルですよ!!

 

 

いやあ、これね。ただ、「ブラジルがサッカーで、五輪で優勝してうれしい」ってだけの話じゃないんですよ,真剣な話。この優勝は、2013年から続いて来た、ブラジル内のもやもや〜としたイヤ〜な空気を乗り切る象徴にもなりうる感じですからね。

 

 

 思えば、2013年から、ブラジル社会には重い空気が立ち込めていたものです。本来なら、2013年のサッカーのコンフェデレーションズ・カップ、2014年のサッカーのワールドカップ、2016年のリオ五輪というのはですね、2000年代に未曾有の経済活況を築き「BRICS諸国」なんて言われ方もされていたブラジルの、伸びゆく経済新興国の絶頂に持っていくべく、ときのルーラ大統領の労働者党(こっちではみんなPTと呼ぶのでここでもPTで行かせてください)政権が2009年までに整えたものなんですね。

 

 

 で、ルーラの後をついで2011年から大統領になった、ブラジル初の女性大統領のジウマも、就任した当時は支持率が70%を超えてて、アメリカでも、当時まだ国務長官だったヒラリーが絶賛したりしたことで、「世界でもっとも影響力のある女性政治家」として、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と並んで語られたりもしてましたね。あの時点で、まさかPTが今のようになるなんてブラジル国民も誰も想像してませんでした。

 

 

 しかし!

 

 

 2013年から、ガラッと空気が変わったんです。

 

 

 13年6月、コンフェデがはじまる直前から開催中に、ものすごいデモが起こったのを覚えている方もいらっしゃると思います。あれは今から考えても不思議なデモでした。あの頃から経済状況が翳り出していたとは言え、まだ経済成長がマイナスに転じてたわけではなかったし、PTは福祉重視の政党だから、この経済状況の陰りで貧しい人が「生きるのも大変」といった状況になったわけでもなかったんです。怒っていたのは、ブラジルの経済繁栄を実生活上で実感出来なかった中流以上の人たちだったんですね。ちょうどこの頃、短期間で公共料金の値段があがっていく状況があったんですが、それで生活費が上がって行き、生活に窮屈さを覚える人が多くなっていたんですね。そこで、「ブラジルがあたかも”豊かな国”になったかのような顔しやがって。まだ、自分らの生活が先進国並になるには、保険とか、教育とか、問題はゴロゴロしてるぞ。ワールドカップなんてやめちまえ!」みたいな気運が生まれて、それであんな止めようのない、すごいデモになったわけです。

 

 

 それで、このときに、セレソンがすごく悪者にされてるんですよね。「国にチヤホヤされやがって」みたいな感じでね。で、このときにスペインに圧勝して優勝なんかしたりしたものだから、却って逆効果になってしまったんですね。「あいつら、優勝まで金で買ったんだぜ」みたいな感じでね。ちょうど、その前の年に、PTの代表的な政治家たちが、「メンサロン事件」という、2000年代半ばに起こった汚職事件で有罪判決が出て、懲役刑喰らってたんですね。簡単に言えば、PTが議会での票を他党から買ってたという話なんですが、それで「PTなんて汚い党だ」みたいな風評も強くなってたんですね。

 

 

 ただ、「喉元過ぎれば」という感じで、1年経ったあとのワールドカップでは、世間の社会への怒りはだいぶおさまっていたんですけど、ただ、それでもなんか収まらない不満分子というのはいましてですね、この人たちが強行にセレソンを嫌ってネット上とかでネガキャンやってたんですね。「もう、優勝は決まっている。政府が金で買ってる」とかなんとか言ってね。ネイマールなんかも「ネットと権力が作り上げた虚像のスター」みたいな言われ方もされましてね。そしたら、準々決勝でネイマールが背中からファウルされて骨折して、欠場したら、準決勝のドイツで、あの屈辱の1−7でしょ。国民は、「そんな取り決めなどなかった」ことを、きわめて皮肉な形で知ったわけです。

 

 

 ワールドカップそのものはなんだかんだで運営上はいい印象を残して終わったんですが、社会の情勢はどんどん悪くなって行きます。このワールドカップ前後から、PT政権の別の汚職が明るみになります。それは、ブラジルの企業で稼ぎ頭の半国営の石油公社、ペトロブラスで、その大事業の契約でことごとくゼネコン経由でPTと、連立している大型政党の政治家に賄賂が払われていることが判明したんですね。で、そのダーティ・マネーを解消しなくてはならなくなったことで、ペトロブラスが、「世界の汚職史上最高額クラスの損失」というのを受けましてですね、ここをきっかけにブラジルの経済がマイナス成長になってしまうんです。

 

 

 ちょうど、その14年の10月に次の大統領を選ぶ選挙があったんです。そういうこともわかってる人もいたんで、大統領選挙は非常に拮抗したんですが、まだ、「ラヴァ・ジャット作戦」と呼ばれることになる、そのペトロブラスの事件の全貌が国民に完全にわかりきってしまう前に選挙タイミングが来てしまって、ジウマが僅差で勝ってしまったんですね。この時点だと、まだ、「社会福祉のおかげで生きさせてもらった」と思っている貧しい人が「PTが政権じゃなくなったら、福祉が受けられなくなるかもしれない」と焦って投票しちゃたんですね。PTもそれを強く意識して、貧しい人がいる州に積極的に出向いて、「PSDB(ライバルの企業家寄りの政党)が政権を取るとあなたたちは生きて行けなくなる。彼らは悪魔だ(これ、本当にキャンペーンで言いました)」といって脅し上げての当選だったんですね。

 

 

 このときのPTの選挙マナーがあんまりにもあんまりだったので、かなりの僅差で敗れた野党側から「この選挙は絶対におかしい」として執拗に抗議が起こったんですね。で、ときを同じくして、先のペトロブラスの事件に関して、具体的な政治家名が一気に判明したんですね。で、このくらいから、ペトロブラスの具体的な損失額も発表されたりで、国の経済ガタ落ちで。この頃、ただでさえ、「内需消費」で進んでいた経済も続々と頭打ちになって、自動車工場で依願退職者を募るような状況が重なって来て、5%くらいになっていた失業率も10%くらいまで上がって。このあたりから、70%あったジウマの支持率も、10%切るまで落ちるという状況がおこりはじめ、「責任とって大統領やめろ!」という国民の声も高まっていきました。

 

 

 一方、同じ頃に、サッカーも「1−7からの立て直し」をはかるべく進んでいましたが、これが国民をまたイライラさせます。それは後任監督がドゥンガになったからですが、その理由というのが、ブラジル・サッカー連盟が契約したリナルディというコーディネーターがドゥンガの古い友人だったから、という「戦術や戦力よりコネ」が優先されてしまったからなんですね。特にこのリナルディが、選手のマネージメント契約をする会社の社長だったこともあって、「彼の利益に会わない選手は選ばれないということか」という疑問が強まってしまったんですね。加えて、翌2015年、ブラジル・サッカー連盟のワールドカップ時の会長が、FIFAのスキャンダル絡みで逮捕されてしまったんですね。今の会長もアメリカに行くと逮捕される状況だったんじゃなかったかな。そんなこともあり「サッカー=汚い」のイメージがついてしまいます。

 

 

 さらに、コパ・ブラジルでも惨敗し、2018年用のワールドカップの南米予選でも、セレソンの成績がいまひとつパッとしないので、国民のあいだのイライラは惨敗の時以上に募ってたんですね。

 

 

 そして2016年、まず社会が一転します。その前年の後半に、ジウマが銀行からの不正借り入れの額を上げ過ぎて、財政をズタズタにしていたことが判明して罷免案が具体的に進行しますが、それを後押ししたのが、彼女の親玉のルーラ元大統領の不正だったんですね。これまで、どんなに党に不正が生じようが、ルーラ本人には一切疑いが生まれなかったんですが、大統領隠居後に住もうとしていた豪邸の改築を、ゼネコンに彼らの自己負担でやってもらっていたことが発覚したんですね。大統領の豪邸なので、「サービス」といったところですごい額になるわけです。そこで収賄でルーラが逮捕されそうになったんですが、それをさせないために、ジウマがよりによってルーラを官房長官に就けることによって逮捕を逃させようとしたんですね。これに国民が激怒してしまい、罷免が一気に進んでしまいます。

 

 

 さらに、副大統領だったテメルという、連立している民主運動党(PMDB)という、古株のポピュリスト政党の長をやってた人がですね、かねてからのジウマとの確執に「もう、やってられない」と裏切って、党を連立から抜けさせ、自分だけ副大統領として残ったんですね。つまり、「党にジウマの罷免の後押しをさせて、罷免になったら自分が大統領に昇格する」というシナリオです。このやり方は「汚い!」「自分の党もPT以上に汚職に絡んでいるくせに」と強い反感も受けました。特にPT支持者を左翼傾向がかなり強い人たちからは「クーデター」などとも呼ばれましたね。特にPTの場合はアメリカの民主党みたいに芸能系の支持者が多い政党なので、ミュージシャンとか役者のプロテストもかなり多かったものです。ただ、PTの汚職支配と経済失政に怒る人はそれ以上の人口だったこともあり、ジウマは議会の投票で5月に停職処分となり、PTが政権から下野することになりました。そこから現在までは、テメルが「ジウマが正式に大統領を罷免されるまで」の期間限定で大統領代行をやっている状況です。僕自身も、基本がリベラル支持なので、本来ならPTは応援したいはずなんですけど、「弱者の味方」みたいな顔して不正の規模がひどすぎるのは、政権担当政党としてはちょっと・・。現状の政権でも別に極右政権とかでは全くないわけだし。その後、ジウマ自身も選挙コーディネーターが収賄で逮捕されたりもしてますしね。

 

 

 

 そして、サッカーの方も7月、ドゥンガが「コパ・アメリカ100周年記念大会」というので、予選落ちする屈辱の負け方をしたために解任されたんですね。これにより、オリンピックの方も彼が「メンバーの選出権」みたいなものは持っていたんですが、現場式担当のU20の監督のミカーレがそのまま全権指揮をとることになりました。

 

 

・・と、このような形で、オリンピックとサッカーを迎えていたわけです。

 

 

 どちらも、「直前になってのギリギリの再建」だったわけです。これには「直前になって、何やってんだよ!」という国際的批判も多かったこともたしかです。やれ、「オリンピックの年に大統領の罷免とかありえない」とか「ジカ熱っていうのはどうなってるんだ」とか「会場設営は終わるのか?」とか「財政難で選手の強化費が打ち切られたというが本当か?」とか「テロは起こらないのか?」とか、もう散々言われ放題でした。

 

 

 サッカーも、南アフリカとイラクに2試合連続で0ー0で引き分けたときは、散々な言われようでしたよね。「予選落ちだな」とか「女子の方が全然強いとか」。

 

 

 ただ、僕は今回の五輪代表は思い入れもって応援してたんですよ。というのも、去年のU20ワールドカップのときから、今回のチームは見てましたんで。そのとき準優勝だったんですけど、決勝で延長戦で負けたけどすごく善戦したたりしてたんで。また、ガビゴルもガブリエル・ジェズスも、2014年くらいにまだ17歳だったのかな。出て来たときから話題は耳にしてたし、2人とも今年になって成長が大きく、実際にマンチェスター・シティだのユベントスだのが狙うクラスになってうれしくもあったし。「この世代が育つと”ネイマール以外はフォワード弱い”と言われてたのが解消するな」と思ってたんですね。だからすごく期待してたんです。

 

 

 で、しばらくして試合重ねたら、ネイマール、ガビゴル、ジェズスの3人に、ルアンを加えた4人の前線で強力カルテットが出来てる一方、守りもメチャクチャ堅いことも判明して。マルキーニョスはすでにセレソンでも半分レギュラー格でしたけど、彼とホドリゴ・カイオとのコンビは鉄壁で、それがボランチのワレシと重なると相手がつけこめない感じになることもわかって。決勝後半まで、実際、無失点だったわけですからね。あと、左のサイドバックのダグラス・サントスも良いし、今日は右の方のゼッカもよかったですね。

 

 

 相手も今日はドイツだったわけですが、ワールドカップの惨敗がトラウマになってなく、ちゃんと向かって攻めていたのがよかったですね。特に延長はドイツの方が足が止まってて、かなり猛攻を仕掛けることができましたしね。あとドラマもうまくできてましたね。ネイマールの1点目のFKも、これまで見た中でも屈指の素晴らしさでしたけど、やっぱPK戦ですね。よりによって5人目で相手のシュートを止めるというのは!あのキーパーのウェーベルトンって人は、OA枠なんですけど、大会直前にけが人の代理で入ったキーパーなんですね。しかも急過ぎたんで、国内選手の彼に白羽の矢が立ったんですけど、これまでセレソン経験もなんにもない、そんなに強くないチームのキーパーですよ、彼!それがミカーレの勘と、今年の国内リーグでPK阻止率が1位というデータで決まったんですけど、それがネイマールが蹴る直前に当たるとはねえ〜。

 

 

 で、オリンピックの方も、開幕式は世界的に絶賛されるは、ジカ熱なんて話はそもそも冬に蚊は出ないから杞憂だったことがわかるは、ライアン・ロクテの強盗事件は嘘だとわかるは、心配されたブラジルのメダルの数も、金の数、全体の数、共に自己最高を記録するは、さらにはIOCから「リオ五輪は成功。また、ここで開催してもいい」と言われるは!ワールドカップのときも、「土壇場で運営、上手くいったね」と思いましたが、まあ、細かく言えば問題は絶対あるはずなんですが(笑)、上手く行ってるんじゃないかと僕も思いますもんね。これは、サッカーの優勝を仮に抜きにしてもですよ。

 

 

 

 このまま閉会式まで、悪いことが何も起きない(できたら男子バレーは金メダルほしいですが)でシメてほしいですけどね。これが終われば、来週の木曜から、いよいよジウマの罷免を問う弾劾裁判がはじまります。ここが予想どおりにちゃんと罷免が成立して、一部で「不況の底をついた」とかなんとかも言われはじめつつある(真偽のほどはわかりませんが)経済状況も良くなりゃいいんですけどね。でも、なにか、「憑き物みたいなものは取れるんじゃないかな」とほのかに甘い期待はしています。あと、サッカーの方も、セレソンのプリンシパル(A代表)の監督が9月から、国でもっとも信頼されている、コリンチャンス2012年クラブ世界一の時の監督のチッチになるので楽しみです。

 

 

author:沢田太陽, category:ブラジル, 11:42
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