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沢田太陽の年間ベスト・アルバム 恒例(?)の第11位先行発表

どうも。

 

今年もですね、

 

年間ベスト・アルバム、やりますよ!

 

今年も50位からのカウントダウンで。スタートは日本時間の12/4から。最終的には12/16に終わる形で全5回の形式でやります。

 

順位は結構、順調につけてて、もう20位くらいまでは選んでます。あと10日で残りの30枚を決めますが、そんなに時間はかからないような気がしてます。候補は今年の場合割と多くて、10枚くらいは外れそうな感じでピックアップもしてますしね。

 

で、昨年もそうだったんですが、ここで11位のアルバムだけ、先行で教えちゃいましょう。

 

この11位というのは、僕にとっては非常に意味があるものです。その意味は

 

もしかしたら、世間一般的にはこれが年間1位になるべきで、自分も客観的には好きなんだけど、でも「自分の主観でトップ10に入れるか?」と言われたら、それもちょっと違うアルバム。

 

そういうものです。

 

去年はケンドリック・ラマーの「DAMN」だったんですけど、今年の場合はこれでした。

 

 

はい。カマシ・ワシントンの「Heaven And Earth」です。

 

カマシは去年も20位台で選んでますね。ものすごい音楽量を詰め込んだ音楽なのに、「メロディが綺麗だから、ジャズなんて全然知らないけど聴きたくなる」みたいな、音楽聴く際の普遍性みたいなところに触れるわかりやすさもある。だから僕は彼が好きです。ただ、とはいえ、「ジャズに関しての知識がお恥ずかしいレベルの自分が年間トップ10にこれを入れるのは、やはりちょっと違うのかな」とのためらいはやっぱりどうしてもあり、そこでこの順位となりました。

 

でも、これ、今年のいろんな年間ベストで健闘すると思いますよ。MOJOでは早速1位でしたしね。

 

 

で、年間ベストに関しての他の情報も教えておきますと

 

 

現時点でトップ5、全員女性です!

 

今年はここでも女性アーティストばっかり押してたような気がするので、それを反映すべく「少なくともトップは女性」だと思っていたのですが、トップ10枚に関しては最初から決めつけずに、それらをフルで全部改めて聞き直して選ぶ方式をとってるんですが、やっぱ、こうなっちゃいましたね(笑)。

 

ジャンル的には、かなり万遍ない感じになったと思いますよ。「不作」だとは思いながらもなんだかんだでインディ・ロック、UKロックは入っているし、ヒップホップも、ヴォーカル物のエレクトロも、今年はカントリーもありますね。枚数の割合的にも、ちょうどいいかなと。

 

ただ、対象作品の締め切りは11月最後の配信日まで。今年の場合は11/30ですが、この日まではまだ逆転の可能性があります。それがトップ10に入る場合、カマシは固定の11位のままで、トップ10の何かが12位に落ちます。

 

まあ、個人的には、これ待ちなんですけどね。

 

 

THE 1975の新作が11/30リリースなんですが、これが最終的に何位になるかですね。前作は本当に大好きで何度も聞いたアルバムだったし、今作も先行シングルの出来から判断して、まず最低でも50位から外れることはないし、若干始まっているレヴューでも高評価を聞いているので、いきなりトップ10に入る可能性があります。男性でのトップ、あるいは女性で独占のトップ5の牙城を突き崩す可能性も無きにしもですね。

 

あるいは、他の何かの伏兵が突然入ったりするかもしれません。それもすべては11/23.11/30の2回の配信次第です。

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:34
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7月から9月のその他の好アルバム

どうも。

 

 

昨日の続きで、トップ10には選ばなかったものの、このあたりも良いと思ったアルバム、行きましょう。

 

ちょっと順不同なんですけど、こんな感じですね。

 

Acts Of Fear And Love/Slaves

Flow State/Tash Sultana

Negro Swan/Blood Orange

Hunter/Anna Calvi

Marauder/Interpol

Nearer My God/Foxing

Hive Mind/The Internet

My Mind Makes Noises/Pale Waves

True Meanings/Paul Weller

Bloom/Troye Sivan

 

こういったあたりでしょうかね。

 

 

これ、惜しかったですね。スレイヴスのアルバム。曲だけで言ったら、むしろトップ10、入れたかったんですけどね。

 

 

 

タッシュ・サルタナのアルバムはすごく期待してたんだけどなあ。これ、オーガニックR&Bのアルバムとしてはかなり出来はいいんですけど、でも、彼女って、そもそもは凄腕ギタリストでライブではサイケデリックなサウンドで勝負するアーティストなので、これだけ聞いて誤解する人、絶対いると思うんですよね。そのあたりがちょっと残念。ただ、まだ若いし、実力、こんなもんじゃないので、今後に期待です。

 

 

 

ブラッド・オレンジとかジ・インターネットって、評判はすごくいいんですけど、どうも僕がオーガニック・ソウルになると、優れた例をたくさん知っているからなのか採点が厳しくなってしまいがちなところがあります。この辺りのサウンドって、どれも雰囲気は悪くないんですよ。ただ、曲として突出してるかどうか、そこなんですよね。ブラッド・オレンジも、前から「裏フランク・オーシャン」みたいな感じがどうもしてしまうんですけど、今回はそんな彼の作品の中ではベストだったと思います。あと、もう一押しですね。年間50には入りそうな気がしてますが。

 

 

ペイル・ウェイヴスは雰囲気があって好きだし、ライブは是非見てみたいんですが、いかんせん、本家のThe 1975に似すぎてるのが問題ですね。もう少し独自性が出てくるとなあ。曲もいいんですけど、今の段階だと何曲か聞くと飽きてしまうし。次への期待を込めて、今回はちょっと辛めに評価してます。

 

 

 

これもすごく評判のよかったアルバムでしたね。ただ、トロイ・シヴァン、「時代の雰囲気にすごく合致」していることは確かなんだけど、僕としては、彼の楽曲そのものから、「同時代性」というものを超えた、彼のソングライティングのクセみたいなひっかかり、これをもっと感じたかったかなあ。聞いてすぐに彼の曲だとハッキリわかるような、いい意味での「クセ」。これに少し欠けるかなあ、という印象だったんですよね。そのあたりがハッキリしてくると、すごくいいアーティストになりそうな気がします。

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:52
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沢田太陽の2018年7月から9月のアルバム10選

どうも。

 

 

今日は、3ヶ月に1度の、アルバム10選、行きましょう。

 

 

今回は7月から9月で選んでいますが、こうなっています。

 

 

こんな感じでしたが、早速見ていきましょう。

 

Be The Cowboy/Mitski

 

 

 まずはじめはミツキで「Be The Cowboy」。彼女は日本人とアメリカ人のミクストなんですが、今、USインディで台頭しつつある「エイジアン・ガールズ」の勢力の中の一番のアーティストですね。彼女の場合、自身の人種的マイノリティゆえに「どこにも属せない」という孤独感を表したリリックで共感を得てきていたわけですけど、今回のアルバムを聴くに、評価すべきは決してそこだけでないことがわかります。彼女、もともとがクラシック畑の人でもあったこともあり、ポップ・ミュージックのソングライティング・フォーマットに違ったアングルを与えることができるというか。単なる「Aメロ-Bメロ-サビ」という定型パターンを踏襲してません。とりわけ2コーラス目からの省力が多く、聞いてて良い意味で何度も裏切られますが、抜群のメロディ・ラインのセンスがあるから、新鮮味がありながらもかなり聴きやすい。どんなにロックに飽きている人でも、これは聴いた方がいいと思います。

 

 

Chris/Christine&The Queens

 

 

続いてはフランスが誇る才女ですね。クリスティーン&ザ・クイーンズ。前作はフランス語作品ながらイギリスでアルバム2位まで上がるヒットになっていますが、今作も本国で2位、イギリス3位と大ヒット中です。前作は、「エレガントな才女」風なイメージでしたけど。今作では「タフな女」イメージを前面に出してきて、ユニセクシャルなキャラクター設定で、とりわけLGBTへのアピールが強い作品になっていますね。彼女はこのキャラクター設定のうまさと、ビデオやライブでのダンス・パフォーマンスがウリではあるのですが、メロディ・メイカーとしてもかなり秀逸です。前作は正統派エレ・ポップな感じでしたけど、今回は80sのアーバン・ポップ・スタイルを取り入れたレトロで新しいアーバン・ポップを展開しています。もっともっと国際的に聴かれて欲しい人の一人ですね。なお、今作、英語版とフランス語版が出ていますが、サブスクだと一度に両方聞けます。

 

 

Astroworld/Travis Scott

 

 

 続いてはトラヴィス・スコットの「Astroworld」ですが、これは個人的に今年のベスト・ヒップホップ・アルバムですね。とにかく、「トラップを前進させよう」とする気概がいい。「サイケデリック・トラップ」とでもいうべき作品を、ヒットボーイからドレイクのスタッフから、ミーゴス、フューチャー周辺の精鋭集めたプロダクションだけでもすごいのに、そこにドレイク、フランク・オーシャン、ミーゴス、ウィーケンドに加えてテイム・インパーラからジェイムス・ブレイク、さらにはスティーヴィー・ワンダーまで入ってるわけですからね。そして、そのサウンドに合わせた「地元の遊園地を失うことで生じるイノセンスの喪失」というテーマ性がまた絶妙です。これはトラップの歴史の流れの中でも一つのターニング・ポイントになるんじゃないかな。もしかしたら、これがピークになったりするかもしれない。そういうアルバムだと思います。

 

 

Swimming/Mac Miller

 

 

 

 そのトラヴィス・スコットのアルバムと同日にリリースされ、そして、これがまさかの遺作になってしまったマック・ミラーのアルバムです。これ、これまでの彼から考えたらかなり大きく飛躍した力作で、これを聴いて、この先をかなり期待したのに、その矢先の訃報でしたから本当にショックでした。26歳というのは、本当に早すぎます。ここでの彼は、これまでにエイミー・マン、ルーファス・ウェインライト、フィオナ・アップルを手がけた才人、ジョン・ブライオンを迎え、彼らしい流麗さと鋭角さが入り混じったストリングス・アレンジの中、マックが新たなオーガニックなヒップホップを模索しているのは強く理解できたし、「Jコールに対しての白人側からの回答」みたいな感じになりたいのかな(Jも参加してます)と思わせるのには十分な作品でしたからね。まだ、成長するだけの余白もたくさん残っていただけに返す返すも残念ですね。

 

Iridescence/Brockhampton

 

 

 

この人たちも今、最もホットな存在ですよね。テキサス生まれ、カリフォルニア拠点の大所帯ヒップホップ・クルー、ブロックハンプトン。去年からインディでの3枚のアルバムで話題でしたが、満を持してのメジャー・デビューで全米初登場1位にもなりました。彼らの場合は、リーダーがオープンリー・ゲイで、人種交配という、文科系イメージもあって、より、これまでヒップホップに興味のなかった層を惹きつける魅力もありますが、「いかにもインディからのたたき上げ」と思わせる、メジャーでのトレンドとなっているサウンド作りを避けた、昔ながらのセンスの良いヒップホップを丁寧に聴かせているのにも好感が持てます。その分、分かりやすい新鮮さにはやや欠けもするんですが、そのあたりにどう彼らが答えを出していくか。それが出来次第で、今後、ますます面白い存在になっていきそうな気がします。

 

 

Sweetner/Ariana Grande

 

 

続いてアリアナ・グランデの「Sweetner」ですね。ここ、もう4、5年になるのかな。今、現在で世界で最も優れたアイドル・ポップ・アルバムを作っているのは、文句無しで彼女ですね。サウンドが洗練されているというのもあるんですけど、例えば、今のBTSあたりと決定的に違うのは、サウンドの形式的な部分を超えた、メロディとかの楽曲的なコアな部分ですね。彼女の場合、これが他のアイドルのそれと比べてみても圧倒的なんですよね。今回のアルバムは特にそれがわかりやすく出ていますね。最初、正直、「地味かな」と思ってたんですけど、聴き進めば聞き進んでいくうちに中盤以降にだんだん味が染み付いてきて、終わる頃にはすごく好きになっている。彼女みたいなポップスターの場合、頭の方に目立つ曲をガンガンと持ってくる、みたいなアルバム作りを得てしてしやすいんですけど、こういう玄人向けなアーティストのアルバムみたいなことをしてくるあたりは、彼女のスタッフもかなり考えてますね。そして、そういう曲をワンランクうえに聴かせる彼女の歌唱力も見事です。また、スキットのタイトルにSNLコメディアンのフィアンセの名前を使うユーモアにもニヤリ、でした。

 

 

Egypt Station/Paul McCartney

 

 

続いて、ここからはロック、行きましょう。まずはサー・ポールのアルバムから。76歳にして、36年ぶりに全米1位になったアルバムでもあります。彼くらいの大ベテランになると、過去の作品との比較もあって、なかなか素直に絶賛する人って出にくいものではあるんですが、僕はこれ、賞賛に多いに値するアルバムだと思いますね。確かに、特に新しい何かがあるわけではありません。でも、「新しくはないけど、曲はいいじゃないか」というアルバムを、少なくとも彼は「Chaos And Creation In The Backyard」(2005)以降、コンスタントにずっと作り続けているし、それが75歳超えても一向に衰えない。これって、すごいことですよ。特に今回は、「これでもか!」というくらいにポール節が全開。冒頭の「I Dont Know」「Come On To Me」からつかんできます。まあ、確かに、売れっ子プロデューサーのライアン・テダーが絡んだ「Fuh You」みたいな、キッズ向けの俗っぽい曲は嫌われもするんですけど、最近のインディよりのロックのアーティストが恥ずかしくてできないようなことにもあえてトライできる余裕があるところも僕は逆にいいと思っています。

 

 

Ordinary Corrupt Human Love/Deafheaven

 

 

続いては、これは、インディのメタル・ファンの間では以前から話題になっていたバンドですね。デフヘヴン。彼らみたいな音楽性を「ブラックゲイズ」、つまりブラック・メタルとシューゲイザーのミックス、ということも知らないくらいに、この領域、僕は詳しくはないんですけど、そういうことをたとえ知らなくても、これ、純粋にアルバムとして展開がすばらしいし、かつ美しいと思えるので好きです。いうなれば、これ、パッと聴きはここれ、メタルというよりは、初期のレディオヘッドとか全盛期のピクシーズみたいな感じで、その曲の展開力をさらにスケール大きくインストで展開した感じですね。そこにヴォーカルのデス声が乗ってきて、そこで多少好みが分かれそうな気もするんですが、苦手な人でも、慣れてしまえばそんなに問題はないんじゃないかな。どことなくモグワイあたりも思い出すんですが、ギターのノイズに対しての好みの問題もあり、僕はこちらの方がより好きです。この形式としてはこれがベストな気もするんですが、彼ら、今後どうするんでしょうね。より歌モノにシフトしていけば、かなりビッグなバンドにもなれる気もしますが、そうすると古くからのファン離れちゃうかな。

 

 

Joy As An Act Of Resistance/Idles

 

 

 続いて、今年イギリスで最もホットなバンド、ブリストルを拠点とするアイドルズです。彼らが良いのは、もう、とにかくロックンロールを文句無しにカッコよく聴かせられることができることですね。これの前のアルバムはハードコア・パンク調で、そして今回のこのアルバムはポスト・パンク調でそれができています。甘さ一切なしの、エッジをギシギシ立てたまま最後まで疾走。どんなにロックの危機が叫ばれても、本当にカッコいいロックンロール・グルーヴを届けてくれるバンドさえ入れば大丈夫。そう思わせてくれるタイプのバンドです。加えて彼ら、パンクの原点に立ち返った、イギリスの労働階級のなんとなく不満で退屈な気持ちのリアリティもしっかり持って、それをストレートに出しているのも良いです。こう言うバンドがチラホラ出てくると、今後のシーンにも期待できそうな気がします。

 

 

And Nothing Hurt/Spiritualized

 

 

 そしてラストを飾るのは、イギリスの孤高のカリスマ、ジェイソン・ピアースのスピリチュアライズドです。彼の孤高ぶりは90年代から既にそうで、彼独自のスペース・シューゲイズで一般的な人気もかなりあった人ではあるんですが、老成ぶりも素晴らしいものがあります。2000sからゴスペルの要素もサウンドに取り入れるようにはなっていたんですが、このアルバムでは、カントリーやブルースの要素も取り入れ、彼の根底にあったソウル・ミュージックの要素を前面に出すことによって、「円熟するシューゲイズ」の見本をしっかりと示していますね。前に、「デペッシュ・モードがシンセ・ポップのまま枯れるのが美しい」というようなことをここで書きましたが、それをシューゲイザーでやっているのが彼で、枯れ具合で言えばもっと枯れてます。

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:29
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その他の4月から6月の好きなアルバムと総括

どうも。

 

では、今日は昨日の続き、4月から6月のアルバムのことについて話しましょう。

 

この3ヶ月も好きなアルバムそのものはかなり多くて、泣く泣くトップ10から外したものも多かったんですよね。

 

順不同ですが、11位から20位をイメージしたら、こんな感じでした。

 

 

Hope Downs/Rolling Blackouts Coastal Fever

Vide Noir/Lord Huron

Singulariy/Jon Hopkins

The Louder I Call, The Faster It Runs/Wye Oak

Tell Me How You Really Feel/Courtney Barnett

Isolation/Kali Uchis

God's Favorute Customer/Father John Misty

Playboy Carti/Playboy Carti

Dirty Computer/Janelle Monae

Wide Awake!/Parquet Courts

 

 

とりわけ、上の4つは一時はトップ10に入れていた作品だったので、外れたことがすごく残念な作品ばかりです。

 

特にこれは入れたかった!ローリング・ブラックアウツ・コースタル・フィーヴァー。オーストラリアの5人組のすっごくカッコいいインディ・ギターバンドなんですが、これ、3本のギターのアンサンブルがクールな、オーストラリアのバンドです。80s初頭のニュー・ウェイヴ・ギターバンドをより鋭角的にしたみたいな感じですね。

 

 

 

こういう曲が一般にウケにくくなっているのは非常に残念ですが、これ、話題になっているところではかなり熱いリアクションがあったことも事実です。

 

 

これも入れたかったなあ。ロサンゼルスのバンド、ロード・ヒューロンのアルバム。彼らはアメリカのメジャー・レーベルが抱えているバンドであることが災いしたか、インディ界隈からはやや敬遠された観もあるんですが、このアルバム、実は全米でトップ10に入ったくらいは売れてます。さらに言えば、これ、プロデュース手がけたの、デイヴ・フリッドマンなんですけどね。フレーミング・リップスの黄金期とかMGMTの名作ファースト手がけた。僕としては。「デイヴ、またいい仕事、してるじゃん!」となったアルバムだったんですけどねえ。

 

 

この曲なんて、今からでも遅くないから、アメリカのラジオでプッシュされないかなあとまで思っています。

 

 

 あと、アンビエント・エレクトロで異例のアルバム・トップ10となったジョン・ホプキンスと、USインディの雄、マージが誇る、フューチャリスティックでサイケデリックでちょっとアダルトな男女デュオ、ワイ・オークも本当に大好きなアルバムでしたねえ。

 

 

 

このワイ・オークの曲も、地味といえば地味かもしれないけど、確実に趣味はいいんだけどなあ。

 

 

それからファーザー・ジョン・ミスティとコートニー・バーネットは好きなんだけど、それぞれの前作ほど好きじゃないんですよねえ。FJMに関しては今作の方が評判はいいんだけど、やっぱり今のご時世、2年連続みたいな感じで作品は出さない方がいいですね。間隔が開かなかったことで新鮮さに欠けたか、どこの国でもセールス下回っちゃいましたからね。後、彼の曲に関しては、上長に聞こえようが、前作での大胆な大作タイプの曲の方が僕は好きです。

 

 

 カリ・ウチスもすごくいいアルバムでしたね。ソングライティング陣の豪華さでは今年一番かもしれませんがヴォーカルがもう少し強ければなあ、というのは正直ありましたね。ラッパーのプレイボーイ・カリティも「プロデューサーの方の才能はすごいんだけどなあ」というとこで下げたとこはありますね。

 

 

それから、ジャネール・モネエ、パーケイ・コーツの二つ、それからビーチ・ハウスに関しては、世間の大絶賛レヴューほどいい作品だとは正直思わなかったんですよねえ。ビーチハウスの場合は、同じ日に出たアークティックとの比較が少なからずありましたねえ。「どっちがリスク背負った作品出したと思ってるんだ!」みたいなとこもあったりして(笑)。

 

 ただ、ジャネールに関して言えば、年末の前までにもう一回検証しようかとは思っています。アルバムの後半の、スティーヴィー・ワンダー絡んでからの展開はすごく好きなので。ただ

 

 

こういう感じの展開に関して言えば、なんか去年のセイント・ヴィンセントのアルバムとかぶっちゃったというかね。なんか「プリンスの憑依」と言い、エレクトロの展開といい、クィアなりのメッセージといい。いうなれば「勝負服、着てみたはいいけど、かぶっちゃった」みたいなアルバムだったなあ、という印象でした。そうでなくとも、サウンドの幅的にも前作の方が僕は好みでしたね。

 

 

 あと、滑り込みで出たドレイクやフローレンス、ゴリラズに関して言えば、悪くはなかったです。ただ、いずれも、僕がそれぞれの最高傑作と定めるアルバムにはかなり届かなかった印象が残りましたね。同じことはビヨンセとジェイZのカーターズにも言えたかな。

 

 

 ただ今回、20位までに入ったものに関しては、年間トップ50の候補ではあります。現状、7月から9月にあんまり新作インフォが届いてないので、案外ここからたくさん入ってしまうかもしれません。それから「やっぱ、聞き返してみて意見が変わった」というのもあるかもしれません。

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 13:38
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沢田太陽の2018年4月から6月のアルバム10選

どうも。

 

 

では、僕自身も好きな企画です。3ヶ月に1度のアルバム10選、行きましょう。

 

 

今回は4月から6月の3ヶ月でのチョイス。あらかじめ言っておきますと、1週間前くらいに今回の10選、「6月末のリリースがすごいので、2週前倒しで締め切り」と言いましたが、そのリリース作が案外それほどすごい感じもしなかったので前言撤回。6月いっぱいまでのリリースで行こうかと思います。

 

では、今回の10枚です。

 

 

 

 

この10枚ですが、早速語って行きましょう。

 

Invasion Of Privacy/Cardi B

 

 

まず最初は4月の頭のリリースでしたね。カーディB。これはアメリカで初登場1位になったのを始め、世界的に大ヒットしてますね。

 

彼女に関しては「Boddak Yellow」のヒットで昨年から話題だったし、エージェントも、彼女のダンナのオフセットも所属しているミーゴスと同じことから、トラップの新しい勢力の一つと見る向きが多いでしょうね。

 

 ただ、僕の場合は、その「トラップ最新型」という要素もさることながら、そういうこと抜きでも充分通用する、フィーメール・ラッパーとしての圧倒的な実力とチャーミングなキャラクターに惹かれましたね。彼女、どんなタイプの曲でもそつなくこなすし、ライム・フローが驚くほど聞きやすいんです。ものすごくポップにわかりやすく聞かせられるんですよね。「このフロー、どこかで聞いたことあるんだよなあ」と思い出してみると、それが実はトゥパックだったりもしてね。そのことはケンドリック・ラマーのエージェント、トップドーグの社長も全く同じこと指摘してるので確かだと思います。

 

それでしっかり、同性の意識を鼓舞するラップができるわけですからね。ニッキ・ミナージュも「口の動き」という意味では旨いんだけど、聞かせる説得力みたいなところでは彼女の方が上です。音楽のトレンドが変わってもしばらく女王なんじゃないかな。その意味でこのアルバム、エポック・メイキングです。

 

 

KOD/J Cole

 

 

続いて、これもアメリカをはじめ、全世界的にヒットしましたね。Jコールのアルバムです。

 

Jコールって、「ケンドリック・ラマー、最大のライバル」と呼ばれるくらいの実力派だったりするんですが、この前の2枚のアルバムが年末ギリギリの発表で、いわゆる「年間ベスト」みたいなところで語られてきていないアーティストだったりするのでコアなヒップホップ・ファン以外にはわかりにくい存在でしたが、ようやく年の真ん中でのアルバム発表となりました。

 

 そんなタイミングで出たこのアルバム、アメリカのレヴューの内容は実はそこまで良くはありません。それはテーマにしたドラッグ問題に関してのリリックに「今ひとつ真実味がない」というのが良く見受けられた理由でしたね。ただ、僕はそこはそんなに気にしていなくて、もっぱら彼の持っている実力そのものを評価したいと思っています。

 

 何度かここでも言っていますが、彼はラップするだけでなく、トラックもほぼ全部自分で作ってるんですね。さらに言えば、これを含めここ3枚のアルバムでゲスト・ラッパー、一人もいません。全部、彼一人でのラップです。今回、クレジット上ではフィーチャリング・ラッパー、いるんですけど、それは彼自身が演じた架空に過ぎません(笑)。そこまで徹底して「ガチンコ・ヒップホップ」にこだわってる人、今、他に誰も存在しませんからね。もう、そこのとこだけで愛さずにはいられない人です。

 

 さらに言えば、ジャジー・テイストが毎度濃くなっているトラックの進化もすごくいいですよ。

 

 

Tranquility Base Hotel&Casino/Arctic Monkeys

 

 

続いては、5月頭に大騒動。このブログでも話題にしましたね。アークティック・モンキーズです。

 

このアルバム、これまでの彼らのアルバムのようなストレートなロックンロール・アルバムではなく、サイケデリックかつソウルフルなテイストにも富んだ変化球的なアルバムだったがために、彼らのファンからは強い反感を買いましたね。あと、「これはラスト・シャドウ・パペッツで収めるべき範囲内のアルバム」という意見も多く目にしました。

 

しかし僕は、それだからこそ大いに評価したアルバムです。LSP、もしくはソロで掘り下げられるようなクリエイティヴィティがあるのなら、どうしてそれをアークティックで活かしてはいけないのか。僕はそっちの方がわからないし、アークティックの発展のためにどんどん試せばいいじゃないかと思うんですよね。しかも、ストリーミングで1曲1曲が分断されて聞かれやすくなっているこの世の中に対してあえて、60s後半のコンセプト・アルバムのような、「1枚通して聞かないと意味がない」ようなアルバムを真正面から出してきた。その、一見時代にも反するような冒険を、ファンからの反感というリスクを背負いながらもあえて行ってきた。その勇気も讃えたいんですよね。それでいて楽曲構成の完成度も高いし、リリックの彼ら自身に対してのリアリティもヴィヴィッドなままですしね。

 

 もっと書きたいとこですが、12月の年間ベストの際に書くネタがなくなると困るので(笑)ここまでにしておきますが、ロック界にとってもすごく意義のある作品だと思ってます。

 

 

Daytona/Pusha T

 

 

続いては6月のカニエ・ウェスト5週連続リリースから1作。その第1弾だったプッシャTですね。

 

今回のカニエのシリーズは僕的には「3勝2敗」って感じでしたね。これとカニエとキッド・カディのKids See Ghosts、女性R&Bシンガーのテヤナ・テイラーは良かったと思うんですが、カニエ本人とNASのアルバムは正直今ひとつでしたね。なんか、この2つにいいトラックが回っていない感じがしたのと、NASの場合は主題が見えにくかったのと、カニエとのトラックの相性があんまりいい感じがしなかったんですよねえ。

 

 そんな中、プッシャTとカニエはバッチリだったと思います。プッシャTはもともとカルト支持の強い40代のラッパーで、ファレルにプロデュースされていたクリップスというラップ・デュオの時代から、ヤバめのドラッグ・ディール・ネタで有名だった人ですけど、今回もこの悪趣味極まりないジャケ写(ホイットニー・ヒューストンの晩年のドラッグ付けのドレッシング・ルーム)が象徴するように、ディーラー・ネタを軽妙なユーモアとともに展開しています。

 

 これだけだと、「英語わかんないと理解できないよ」となりがちですが、ここでのカニエのトラックの冴え、見事ですよ。新しさはないんですけど、得意技のオールド・ソウル下敷きの、決めフレーズの「ここぞ」の電撃的なはめ込み。これに関しては、どんなに言動がおかしな方向に進もうが、さすがに右に出る者がいない名人芸だなと思わされましたね。なんで、こういうトラックを自分のアルバムに取っておかなかったんだろうとさえ思いましたからね。

 

 

Prequele/Ghost

 

 

 続いては、今度はメタルですね。スウェーデンのゴーストです。

 

 ゴーストといえば、今やスリップノットに続く世界的なコスチューム系のメタルバンドとして名高いですが、このアルバムでとうとう世界的にトップ10に入るバンドになりましたね。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランス、スペイン、そして本国のスウェーデンで10位以内で初登場しましたからね。もう、立派な世界的アクトですよ。

 

 ただ、僕自身が彼らに惹かれているのは、そうしたギミックの部分ではなく、むしろ音楽性ですね。この人たち、区分こそメタルであるものの、サウンドそのものは世間が一般的に想像するようなメタルとは随分違いますからね。ルーツとなっているのはむしろ70sのアメリカン・ハードロックみたいな感じで、同じ悪魔の系譜でもブルー・オイスター・カルトみたいな、「ヘヴィというよりは、モワッとした気持ち悪さ」みたいなニュアンスが強いですからね。ヴォーカルも、オペラみたいなハイトーンで歌うわけでも、デス・メタルみたいなシャウトをするわけでもない、普通の人の歌声ですからね。

 

 今回のアルバムは、そうした「アナログ世代」なハードロックが展開された作品で、聞いててボストンとかスティクスみたいな、その昔「産業ロック」なんて揶揄された70sのアメリカン・プログレな風味があり、そこに初期のオジー・オズボーンのテイストが混ざった感じですね。さらにはエイティーズ・ロック的に突然サックスのソロなんかが入ったりもして。やってること自体なんら新しい要素がないのに、唯一無二の聞こえ方をさせている点では新鮮な驚きがあります。

 

 表向きには「法王が死んで、その後継者が・・」みたいな「はあ?」みたいなこと言ってはいますが、そのアホさ加減も含め(笑)、他の誰でもない存在感なので騙されたと思って聞いてみてほしいバンドです。

 

The Future& The Past/Natalie Prass

 

 

 続いてはこの人いきましょう。ナタリー・プラスのセカンド・アルバム。

 

 彼女は2015年にデビューし、その時のアルバムもすごく評判は良かったんですけど、今回のこの2枚目の方が俄然印象には残りますね。

 

 今回のこのアルバムで彼女は、すごく70sや80sのアーバン・ソウル・ミュージックの方に振り切っていまして、それはさしずめ、一昨年の秋に発表されたソランジュのアルバムと、60s-70sのブルー・アイド・ソウルのカルト・シンガーソングライター、ローラ・ニーロのちょうど間を行くくらいの感じですね。ぶっちゃけ、そのどちらかが好きなら確実に好きになれるアルバムだと思うし、とりわけ、それこそ今ソランジュやフランク・オーシャンにハマってR&Bに興味を持ち始めたような人ならかなりアピールすると思いますよ。

 

 ただ、残念なのは、今、これを作ったところで、これをしっかりプロモーションしてくれるメディアがアメリカ国内にないことですね。インディ・ロックでさえちゃんとかけてくれるところが減ってるのに、これはその中でR&B寄り。一方、アダルト・コンテンポラリーにしてはエッジが立ちすぎだし。本来、そういう型にはまらないものこそ優れた表現ではあるはずなんだけど・・

もどかしいとこです。

 

Lush/Snail Mail

 

 

続いてもアメリカの女性アーティスト。こちらはインディ・ロックのスネイル・メイルです。

 

このバンドは、6月に19歳になったばかりの、メリーランド州ボルチモアの女の子、リンジー・ジョーダンのバンドです。ここのところ、アメリカのインディは女の子が自らバンドをフロントで仕切るパターンが増えてきているんですけど、彼女も、「1-3月の10枚」の時に紹介したサッカー・マミー同様(こちらの主役、ソフィー・アリソンは21歳)、インディ女子新世代として今、ちょっとした話題を呼んでますね。

 

 このデビュー作なんですが、リンジーのギター・ロックへの臭覚の良さ、楽曲の構築力の高さを十分に感じ取ることのできる、見事なクオリティのロック・アルバムですね。サッカー・マミーの方は、洒落たコード進行や意外性のあるメロディに特徴があったんですけど、こちらの方はそうした技巧こそはないものの、2本のエレキギターの絡ませ方など、よりバンド・アンサンブル的な醍醐味が強い作りになっていて、職人ポップ的なサッカー・マミーとは対照的なうまさとなっていますね。

 

 スネイル・メイル、サッカー・マミーは2人ともども仲良しで、ライブも一緒にやったり、さらにはお互いのインスタグラムにLikeをつけあうほどの仲で、今のUSインディでの交友も表していたりもするんですが、これもなあ。せっかく、こうして若い世代から新しいインディ・ロックの可能性が出てきているのを誰が注目させてくれるのか。「セレブやダンス・ポップじゃ自分たちの価値観を表現してくれない」と思う女の子も決して少なくないと思うんですけど、そうしたフラストレーションに応える彼女たちみたいな存在が広い共感で迎え入れられるのは果たしていつになるか。

 

Oil Of Every Pearl's Up-Insides/Sophie

 

 

 

続いて、今度はエレクトロのアーティスト、行きましょう。ソフィーです。

 

スコットランド出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動している女性エレクトロ・アーティストのソフィーですが、数年前からプロデューサーとして活躍していて、その界隈ではよく聞く名前ではありました。僕はその当時、決して追いかけていたわけではないんですけど、そんな僕でも、満を持して発表されたこのデビュー・フル・アルバムにはおもわず唸りましたね。

 

 ソフィーがこれまでどんなキャリアを積んできたのか知らなくても、彼女がいかにエレクトロ・ミュージックそのものの基礎値が高いかはすぐにわかります。今となってはエレキギターの歪みよりも刺激的な音になっているグリッチ・ノイズの歪ませ方には攻撃的な刺激を覚える(ここがなんだかんだで大きなポイントです)し、ハウス・ミュージック調のソングライティングは完成度が高いし、シューゲイザー的な響もあるアンビエントなんてこともできる。聞いていて、90年代中頃のエイフェックス・ツイン思い出しましたね。やってることは全然違うけど、この全方向にも対応できる器用さが根底にある感じのところなんかは特に。

 

 あと、ソングライティングもうまいです。エイティーズの全盛期の頃のプリンスみたいな曲もあったりして。そういうとこも含め、今後、現在よりもはるかに大きな注目をされる人にはなるでしょうね。惜しむらくは彼女自身のパフォーマンス能力が高くないこと。彼女が優れたシンガーなりラッパーだったとしたら、それこそプリンス級のスターになる素質もあったと思う

んですけどね。今後どう成長するか。

 

 

Heaven And Earth/Kamasi Washington

 

 

 続いては、今度はジャズですね。カマシ・ワシントンです。

 

 2015年に発表されたアルバム「The Epic」以来、現代ジャズの革命児のように言われているカマシですが、このアルバムはもう方々で大絶賛されていますね。「2018年の最高傑作」などと言っている人も少なくありません。

 

 僕自身はジャズはほとんど詳しくないのですが、昨年に発表された彼のEP(と言ってもアルバムの長さ、ありましたけど)「Harmony Of Difference」も昨年の年間ベストに入れたし、本格的なアルバム(しかも2枚組超大作)となった本作も大好きです。彼の場合、何がすごいかって、とにかく、ジャズをほとんど知らない人にまでその音楽の美しさをわからせる妙な説得力があることですね。まず、とにかくメロディが美しい。複雑なリズムがすごく面白い。そして、彼のサウンドの大きなセールス・ポイントの一つでもあるゴスペル・コーラスをはじめとしたアレンジの多彩さと美しさ。そういう、いわば、音楽を好きになる際の極めて原初的な要素で人を惹きつけている感じがするんですよね。

 

 それを、基本的にトラディショナルな、アナログなジャズの演奏のスタイルを基調としてそれができているところがすごいんですよね。他のジャンルとの融合とかでもなく、デジタルのサウンドを使うとかでなしに、あくまでも昔ながらのジャズの方法論のままなのにすごく新鮮な音楽であるかのように響かせる細かい工夫というかですね。こう言う言い方すると妙かもしれませんが、2000年代にホワイト・ストライプスとかアーケイド・ファイアを聞いた時に「ロックって、テクノロジーの進化に頼らずとも、昔ながらの手法の創意工夫でこんなにもまだ新鮮な音楽を作ることができるんだ」と感動を覚えたことをジャズでやられたようなカタルシスがなんかあるんですよね。

 

これは、この先も噛み締めて聴き続けたいアルバムですね。

 

 

I'm All Ears/Let's Eat Grandma

 

 

 

 最後を飾るのはイギリスの少女デュオ、レッツ・イート・グランマです。

 

 ジェニー・ホリングワースとローザ・ウォルトンからなる2人の女の子は、2016年にデビュー・アルバムが出た際に「まだ10代半ば」ということが話題になったものでしたが、その才気はまだ10代のうちにこのアルバムでさらに化けています。

 

 このアルバム、いわば「裏Lorde」とも言える内容ですね。同じく天才少女の名をほしいままにしたLordeは昨年のアルバム「メロドラマ」で世界を代表するアーティストになりましたが、あのアルバムで、初期の良い意味でのおどろおどろしさは同時に失われもしました。それがこの2人のアルバムでは、その失われた部分こそが濃くなって、より刺激的な中毒性を帯びたような感じがしますね。

 

 全曲通じて、そこはかとない不穏な香りがする作品なのですが、その世界観を編み出しているのは紛れもなく彼女たち2人。そこを、この2つ前に紹介したソフィーや、ホラーズのファリス・バドワンという、「よりによってこの2人か!」とも言える鬼才2人が、手加減することなく危うい世界観にさらに火に油を注いでいます。それがエレクトロにおいてもギター・ロックにおいても同様に展開されています。

 

 実際、これを聞いてしまったことで、同じ日に出たドレイクやフローレンス&ザ・マシーン、ゴリラズが全て物足りなく聞こえてしまったのですが、それほどの衝撃のある作品です。話題になって欲しいんですけどね。

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 14:01
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その他の1月から3月の好きなアルバムと総括

どうも。

 

では、昨日の話の続きをしましょう。

 

この時期、印象としては「ちょっと地味かな」というのもあったし、流行ってるもの自体が好きじゃなかったので、10選どうなるかなとも思ってたんですけど、上げていったら、それどころか、入れたいアルバムが20枚くらいはあったという(笑)。意外といい時期だったんですねえ。

 

 

他に入れたかったアルバムは、こういうった感じですね。

 

Little Dark Age/MGMT

Combat Sports/The Vaccines

Firepower/Judas Priest

Pop 2/Charli XCX

Boarding House Reach/Jack White

Nihilistic Glamour Shot/Cabbage

Microshift/Hookworms

Amen/Rich Brian

No One Ever Really Dies/N.E,R.D

Camila/Camila Cabello

 

これで20枚ですけど、実はまだあと数枚あったという(笑)。ジュリアン・カサブランカスのThe Voidzあたりも好きですよ。メンバーのヒゲとかマレットとか嫌ですけど(笑)。

 

 

 

一番トップ10に近かったのはコレですね。MGMT。中堅どこのアーティストが出した中ではこれがベストでしたね。なんかようやっと、ひねくれないで元から持ってる天性のポップセンスで勝負できるような覚悟ができたアルバムというかね。「やればできるじゃん!」と嬉しくなりました。これからまた浮上すると思いますよ。中堅どこでは彼らとヴァクシーンズ(良い曲書く)、後、ジャック・ホワイトのすごく変なアルバムね(笑)。ジャックは完全に咀嚼するのに時間がかかりそうだけど、聞き込めば逆転する可能性は残してます。ギターの音は文句なしにカッコ良いんですけどね、あのアルバム。

 

 

 

あとジューダス・プリーストね。これ、僕、自分でも驚くくらいに刺さったんですよ!僕は10代の頃から彼らは、「顔はテロリストみたいなのに、案外わかりやすいコンパクトな曲書くな」と思って好感は持ってて、代表アルバムはだいたい分かるんですけど、その後、「ちょっと力みすぎかなあ」と思ったのと、僕がメタル聞かなくなったので離れてたんですが、ふと聞いた先行シングルがよかったんでアルバムをストリーミングで聞いてみたら、なんかこれまで持っていた過剰さが、年取って無理がきかなくなったせいもあるのか、いい意味で取れて、ストレートなロック・アルバムになってる感じでよかったですね。「歳をとる」ことの効用がちゃんと生きた、感慨深いアルバムでしたね。今回トップ10は逃したものの、年間トップ50は前向きに考えたいと思ってます。今回の、15位くらいまでのアルバムならまだ可能性あると思うんでね。

 

 

 

あとカミーラ・カベーロね。これ、良いアルバムなんですけど、「ハヴァナ」ですごく期待したほどではなかったなあ〜。マーケットに妥協した曲が数曲あったのがマイナス対象でしたね。もっと、ハッキリと分かりやすく進化型のラテン・コンテンポラリーに徹していたら確実にトップ10に入ってたと思うんですけどねえ。

 

 ただ、彼女に将来的なポテンシャルがものすごくあることはハッキリとわかったアルバムでしたね。

 

 

 

 ・・というのが、僕のこの3ヶ月のトップ20だったりするんですが、一般的な流行りに関して言えば、「うーん・・」な時期でもありましたね。

 

 

 だって

 

 

これがバカ売れしたり

 

 

 

 

コイツが1位取ったりするんだよ!!

 

 

 なんというか、「今のキッズのトレンドが嫌い」というよりかは、「いつの時代でも起こりうるポップ・ミュージックの悪い側面が出ちゃってるよなあ」、という感じかなあ。前にも言いましたけど、「グレイテスト・ショーマン」の曲の全てを足し算で作ったようなゴッタ煮で盛ったサウンドって、80s末期の醜悪なポップを思い出すんですよね。

 

 

 あと、エクスエクスエクステンタシオンというのは、もう「フェイクニュース時代のスター」というか、彼が「天才」と信じ込んでる人が無理やりはやらせている感じがしてしょうがないんですよね。今回のアルバムも相変わらず2分前後の曲のデモテープ集みたいなものの域を出てませんでしたけどね。リリックの内容も大仰で殺伐としてるだけで、ああいうのをリアルだとは僕は思わないし。あと、彼に限らず、最近のラッパーの「V系かよ?」みたいなルックスも「いつの世も繰り返すねえ」と思ってしまいますねえ。こういう勢力がケンドリックとかチャンスが作ったポジティヴなシーンの空気、壊さなきゃいいんだけどね。

 

 

 まあ、80年代から以降って、だいたいディケイドの終わりの方って音楽良くないし、それが繰り返されてるのかなという気がしますけどね。来年あたりがそのピークかな。9のつく年、だいたい良くないし。

 

 

 でも、そういう状況にもかかわらず、好きなアルバムがポンポンとピックアップできるというのは、ストリーミングと検索の充実した世の中がなせる技かなと思います。嫌なこと忘れさせて、自分の好きなものだけを見つけさせるのに集中させるような側面がありますからね。ただ、それゆえに、「もっといい音楽、はやらせよう!」とする跳ね返りの力は弱まりもするかな、とも思いますけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:30
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