どうも。
本当は違う話をする予定でしたが、ちょっとこれは、南米に住んでる身からすると取り上げない訳にはいきません。
”チェスピリート”こと、メキシコが生んだ、南米最大のコメディアン、ロベルト・ボラーニョが亡くなってしまいました。85歳でした。
いや〜、このチェスピリートの死を報じるニュースがですね、
とにかくすごいんです!
もう、
中・南米のどこの国の新聞のサイト、芸能ニュース・サイトも全てでトップ扱いです。
いや、それどころか
本来関係のない、ロック系のラジオのサイトやサッカーのサイトまでトップ扱いです!!
そして、ここブラジルでも、本来、スペイン語とポルトガル語で言葉が違うはずなのに、あらゆる新聞やニュース・サイトで全てトップ扱いです!!
いや〜、なんかですね、この人、もしくはこの人の出てた番組がですね、もう、南米圏では「誰でも知ってるポップ・カルチャー」で、とりあえず話をあわせたいときに持ち出すネタとして引用されるくらい、とにかく生活に根付いたものなんですね。
では、なんでこういうことになったか。ブラジルを例にとって話させてください。
ブラジルでは1981年に、このチェスピリートが企画・主演したメキシコでの大ヒット・コメディ「エル・チャボ・デル・オチョ(El Chavo Del Ocho)」が「シャヴェス(Chaves)」のタイトルで放送を開始したんですね。本国メキシコでは70年代の作品です。するとこれがブラジル国民のあいだでカルト的にジワジワと大ヒットになりまして、延々と再放送を繰り返したんですね。
それは僕がブラジルに越して来た2010年当時もそうです。ある日、僕がテレビのチャンネルを適当にいじっていると、偶然にこの番組を発見したんですね。もう、そのときのインパクトがとにかく強烈でね。「なに、この粗い画像!」「なに、このロウファイなセット」「なに、このベタな笑い!」と、とにかく目に入るもの全てにビックリしたのでした。
この「シャヴェス」は、チェスピリートが小学生シャヴェス(スペイン語オリジナルではエル・チャボ)の役を演じるドラマなんですが、これがどう考えても50歳くらいのオジサンが無理矢理小学生をやってるんですね(笑)。しかも共演の子供たちも、全員いい年した大人で。ただ、一見バカっぽいながらも、なにげに人生の真実を子供が見抜き、大人に一泡吹かせる感じはやはり共感を抱かせやすいし、入っていきやすいところだったんじゃないかな。
しかも、このドラマはサブ・キャラ人気も非常に高くてですね。
これがマドンナ役のシキーニャ(スペイン語名はチリンドリーナ)ですね。彼女は20代のときにこの役をやってたので今はまだ60代くらいかな。本当は結構な美人さんです。
あと
シャヴェスの親友で、頭の弱いボケ役のキコ。これはある意味、シャヴェスに匹敵か、それ以上に有名かつ人気のキャラクターです。いつもセーラー服を着て、目を大きく見開いて、ほっぺたをふくらませています。この役者さん、今もう60〜70歳のはずですが、ときどきブラジルの舞台でお金稼ぎに来て話題になってますね。
キコに関しては
ネイマールがご覧のように彼の大ファンでして、ハロウィンの仮装で当時つきあってた女優のブルーナ・マルケジーネと写真に写ったり、遂にはキコ役の俳優さんの現在の姿にご対面して写真に写るほどのはしゃぎぶりです。
そしてもうひとり、忘れちゃいけない
悪役のドン・ラモンですね。この人、シキーニャのお父さんでもあるんですが、とにかく気性の荒い人で、キコをはじめ、子供たちをいじめるキャラクターとして登場します。この人もネタにされる率の非常に高い人です。
この「シャヴェス」のキャラクターはですね、
こういう風に動画関係でパロディにされることが非常に多いですね。これは「シャヴェス」の中のワンシーンを、2年前にこちらで大ヒットしたドラマ「アヴェニダ・ブラジル」の中でおなじみとなった、「驚きとともにエンディング」というパターンを組み合わせたものです。これ、何パターンかあるんですけど、この当時、ネット界隈ですごくはやりましたね。
そして、このドラマ
2006年からはこのようにアニメにもなっています。ブラジルの子供専門チャンネルでも放送されています。もしかしたら、今どきの子供は、こっちを経由してチェスピリートを知るのかもしれません。
そして、彼はこの作品だけではありません。
このいかにも、やる気なさそうで弱そうなこの格好、彼なりの「スーパーヒーロー」なので可笑しいです(笑)。これは「シャポリン」というキャラクターで、こっちの方でも彼はかなり人気がありました。僕、こっちはまだ見たことがないのですが、Netflixには入ってるので見てみようかと思います。