で、2008年の「I Am Sasha Fierce」でリアーナの制作陣でもあるスターゲイトとかThe Dreamあたりを起用しはじめはするんだけど、極力エレクトロっぽいニュアンスを抑えたトラックにしてもらっている印象は拭えなかったし、さいわい「Single Ladies」の大ヒットはあったので面目は保てはしたものの、あの当時、レディ・ガガとかケイティ・ペリーとかテイラー・スウィフトなんかの新しい女性アイコンが次々と出て来てた中で、「いくらパフォーマンス・レベルが段違いとは言え、いかにビヨンセと言えども、油断すると危ないな」とは思っていました。
続く11年の「4」では、先行シングルの「Run The World」では「オッ!」と期待させたし、フランク・オーシャンやカニエ、アンドレ3000が参加してるあたりも「オオッ!」だったんですが、いざフタを空けたら、一番印象に残った曲が80sのアーバン・コンテンポラリー調の「Love On Top」(いや、好きなんですけどね。ただ、ちょっと唐突かと)だったり、そうかと思ったらダイアン・ウォーレン作の歌い上げバラードがあったりとかでアルバムとしての統一感にはすごく欠けるものだったので、「この人は一体何が作りたいんだろう」と正直なところ思ってました。それにもかかわらず、セールスがある一定以上は必ず売れてたので、「それでも売れ続けるってのは、すごいよな」と逆説的な意味で感心してました。