- いいじゃん、攻めてるぞ!フジロック19第一弾発表
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2019.02.08 Friday
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どうも。
やっと出ましたね、これが。
フジロックの第1弾ラインナップですけど、
これは久しぶりにかなりいいんじゃないの!!
正直、これはちょっと嬉しい意味でビックリしましたね。
ヘッドライナー・クラスに関してはキュアーを除けば正直そんなに興奮しないんですけど、今年は中段、下段の充実ぶりがすごいですよ、これ!
2弾目のセクションにデス・キャブ・フォー・キューティにジェイムス・ブレイクにトム・ヨークのソロ。
そして、こっから下の充実がいい。オールウェイズ、アメリカン・フットボール、ゲイリー・クラークJR、ジャネール・モネエ、ケイトラナーダ、クルアンビン、キング・ギザード&リザード・ウィザード、Mitski(❤️)、シェイム(!)、ステラ・ドネリー、ヤエジですよ!僕が「見たい」と思うの書き並べただけでも、こんなにいるんですよ!
嬉しいじゃないですか。なんか、コアな音楽ファンの気持ちを理解してくれたみたいで。
今年はフジだけじゃなくて、英米でも、ちょっとロックのマニアに向けたフェスが新規で増えてるんですよね。やっぱりそれは、メジャーなフェスが「ロックが一般に売れなくなった」というので、すごくバラエティ色を強くしたラインナップに移行している。それは、僕もすでに何度も言っているように、「多様化させた先のアーティストがロックよりも先鋭的なくらい」とかだったら僕も喜んで歓迎しますが、実際のところ、そうとは必ずしも言い切れないものが目立つ。実際、去年、いろんなところで目立ったトラップ祭りは業界のパッケージの感も目立って、今年は去年ほど目立たなくもなってるでしょ。やっぱり、「集客とか人気も大事だけど、これまでフェスゴーワーたちがどんな気持ちで音楽に向かい合ってきたか」というのをないがしろにすると、評判も、フェスへの長期的な信頼もやっぱり落ちちゃうんですよね。
あと、一般的なヒットチャートだけ見ると、減ったように見えるんですけど、コアでマニアックな音楽ファン、ストリーミング時代に確実に増えてますよ。それは、僕が入ってるMitskiのファンサイトの欧米人見ても思うし、最近hardtoexplainのアカウントで始めたツイッターで知り合う方々見ても思うんですけど、個人年間ベストを写真コラージュ・アプリで作って見せ合ったり、金曜日にリリース表とにらめっこして、評判の作品のストリーミングを毎週行っているような人、すごく目立つんですよ!よく、「ストリーミングの時代になるとプレイリストばっかり聞くようになるからアルバムの意義がなくなる」とか言ってる人、いますけど、逆ですよ。あんな無限の音楽ライブラリーがあるんだったら、マニアックに追究する人も増えるに決まってます。これと同じことを僕は80年代末から90年台前半、「CDによる再発ブーム」「アンダーグラウンド浮上による他ジャンル化」「大型外資系CD屋創設ラッシュ」というものを通して全く同じように音楽あさりまくった体験があるので、よくわかるんですよ。
今回のフジロックは、そうした「コアな音楽ファン」がネットの口コミで話題にしたいようなアーティストをたくさん呼んでますよね。今は少なくても、熱心なファンの歓喜の輪が広がればこれ、熱いコアなファンベースは確実に築かれるんです。今、世界的に見て、そういう種が撒かれ始めた時なので、これを数年続けてみたら、シーン、面白くなると思いますよ。
なんか、僕のツイッターのタイムライン見ても、人々の喜び方がサマーソニックの時と違うんですよね。なんかあっちは、今の欧米のメジャーなフェスみたいな「一般浸透度」を重視したようなバラエティ路線になってますね。僕も正直「そりゃ、The 1975とBMTHは見たいけどさあ・・」の後に「以下省略」みたいな感じにはなりましたからね(苦笑)。
これ、「フジが良くてサマソニがダメ」ってことでも別にないんですよね。この状態が逆になった感じの時もありましたしね。フジだと、僕が日本を出る数年前の2007〜09年あたりはすごく倦怠期な感じがしたこともあったし、サマソニが飛ばしてる印象の時もありましたからね。
ただ、ここ数年は、フジが、オーストラリアのGlazing In The Grassっていう、かなり豪華なフェスと開催日程が近いこともあって、その流れで国際的に見てもカッコいいアーティストが回るようになった。逆にサマソニは、開催近辺に地理的に近い位置でいいフェスやってるところがないから、少しキツいのかなと思えるようにもなってきた。そうした近年の影響が、この2つのフェスの今年の並びに象徴されている感じは、なんかしますね。
まあ、どちらのフェスもまだ発表は始まったばかりでもありますから、第2弾以降も楽しみに見ていきましょう・・って言っても僕は地球の真裏で行けないんですけど(苦笑)、でも今年のフジのラインナップだったら、僕がこっちで見てるフェスよりもむしろカッコいいくらいですよ。とりわけ中段以降がね。まだ、来たことのない人たちの名前、目立ちますもん。いいなあ。
- 例年より弱い!ロラパルーザ南米2019のラインナップ
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2018.11.22 Thursday
どうも。
来年の4月にある、ロラパルーザ・ブラジル、今年は例年よりちょっと遅れての発表だったんですけど、ラインナップ決まりました。
こんな感じです。
う〜ん・・・
イマイチ!!
名前だけ見たら、見たいものも混ざってるんですよ。ヘッドライナーがアークティックとケンドリックだし、その後も
THE1975
トウェンティ・ワン・パイロッツ
セイント・ヴィンセント
インターポール
グレタ・ヴァン・フリート
フォールズ
イヤーズ&イヤーズ
ポーチュガル・ザ・マン
ブリング・ミー・ザ・ホライズン
トロイ・シヴァン
ジョージャ・スミス
この辺りは確実に見ますよ、そりゃ。
でも、3日開催でということを考えると、「13」しか見たいのがないのは辛いなあ〜。
まあ、この際、レニー・クラヴィッツ(よくよく考えたらライブ見たことない)もサム・スミスも、スノウ・パトロール(好きな曲は案外あるんだけどね)も、時間があったら見ますけどね。
でもなあ〜、このメンツでも
今年の年間ベストに入れたようなものが全然ないじゃないか(泣)!!
南米でのフェスの場合、ビルボードのチャートで上位、あとイギリスでもよほど上に入ったようなものじゃないと、呼ばれない傾向がありましてね。だから、「インディで注目!」くらいの感じだと、つい先日紹介したポップロード・フェスティバルまで待たないといけないところはあって、それはわかるんだけれど、でもなあ・・。これらに関しての具体的なアーティスト名は、年間ベストのネタバレになるから言いませんけど(笑)、でも、全然ないんだよなあ。
このラインナップ、南米、アルゼンチン、チリもほぼ共通なんですが、どこも不満だらけですね。一つには、今年と去年のヴァージョンが過去最最大級に良かったですからね。だからなおさらなんですけどね。
ブラジルの場合、不満の最大の理由になっているのが
なぜ、国内アーティストがヘッドライナーなんだ!
というものですね。
この、トリバリスタスというのは、マリーザ・モンチという、世界的にも人気の、というか90sには桁外れの人気のあった女性アーティストがいて、彼女が2000年代にやったサイド・プロジェクトで、これまたワールド・ミュージックの世界ではバカウレしたんですよね。10年に一回しか活動しないプロジェクトなので実際に人気もあるし、国内ではスタジアム・ツア_もやってはいるんですけど、「トリバリスタス見たさに高いチケット代は払わねえ」と怒っている人、続出ですね。
ちなみにトリバリスタスがヘッドライナーなのはブラジルのみ。アルゼンチンとチリではトウェンティ・ワン・パイロッツ。僕はそれでもよかったし、他の人もそう言ってるんですけど、主催者側はそうは取らなかったんだなあ。
あとですね、
他に人気がある人もまだ呼べただろう!
そう言ってる人も多いですね。
特に「なぜ呼ばなかった!」と名前の不在が一番残念がられているのがパニック・アット・ザ・ディスコなんですよね。これ、世界的な現象なんですけど、本当に今、彼、人気ありますよねえ。前作がジワジワ人気でそれが気がつかれていないんですけど、今、世界的に潜在的なファン、多いですよ。ビルボードでシングルがトップ10に昨日入ったばかりですが、あれは曲人気より、アーティスト人気ですからね。
他にもなあ、パラモア、CHVRCHES、ウルフ・アリスは結局今回のアルバムではブラジル、スルーだったのか・・・、というのがあります。パラモアなんて、ブラジル、熱狂的なファン・ベース、あるんですよ。エモの時代に桁外れに人気ありましたからね。実際、サンパウロで一回ライブ見てますけど、ノTリすごいですから。動員にも貢献したと思うのになあ。
それから
せっかくケンドリック呼ぶのにヒップホップが弱いじゃないか!
これも残念なんですよね。
最近のアメリカでのフェス、「ちょっとやりすぎじゃないか」ってくらいヒップホップを多く入れてます。今回の南米のロラもそうなるのかなと思ってました。実際にロラのファンに「見たいヒップホップ・アーティストは?」というアンケートも事前にやってましたからね。それでケンドリックになったと思うし、これは僕的には去年のフジが羨ましくて仕方なかったくらいだったので念願叶ったんですが、だったらねえ、もっと選べばいいのにね。
実際、直前までビヨンセとジェイZが共同ヘッドライナー説、直前まであったんです!それもあってガッカリしてる人が多くて。トリが一つ今回複雑な事情って、それが事実だったkじゃらじゃないかと思っているんですけどね。確かに法外なギャラは必要な案件ですからね(笑)。そうじゃなくても、最近のブラジルだと、ロックファンは保守的な人多いからそれで主催者側が懸念しているところもあるんだろうとは思いますけど、でも、若い人だとアメリカン・トップ40はかなり聴いてるし、そういう子向けにはR&Bもヒップホップも全然大丈夫なんですよ。だから、ドレイクは難しいにせよ、例えばミーゴス、フューチャー、トラヴィス・スコット、カーディBのうちの誰かは僕とて期待してましたよ。それがなあ・・・。
よりによって、ポスティかよお・・・。
もし主催者側が「ロックは白人が聞くから、R&B/ヒップホップも白人だといいのでは」とか考えていたのなら、それはハッキリ言って大きな間違いです。本物が聞きたいんだよ!なんでこんな、「時代の徒花」的なヤツ、呼ぶんだよお。まあ、この際、「時代の瞬間風速を楽しむ」感じで見ようかと考え始めているんですけどね(笑)。
あと、細かいこと言えばですね、「本当はビリー・アイリッシュがくるはずだった」とか、「実はアルゼンチンとチリにはカマシ・ワシントンとロザリア(!!)が来るのに」とか、いろいろあるんですよね。特に、こないだここで紹介したロザリアに関しては、もう地団駄踏んで悔しいです。サンパウロのチケット売ってブエノスアイレスまで行こうかと本気で考えましたからね(笑)。
そんなこんなで、来年のロラパルーザ南米、ちょっと悔しさがあります。
- 今年のフジロックに行った人が羨ましい(2)やっぱケンドリックとディラン
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2018.08.03 Friday
どうも。
今日も昨日の続きで、フジロックに行かれた人が羨ましいなあ、という話です。
昨日は「今年のリリースから考えて、見るべきアクト」について書きましたけど、今回は
やっぱ、ケンドリックとディランですよ!!
こればっかりは、フジロックの歴史にさえ残りますねえ。だって、ポップ・ミュージック史上に残る屈指のポエットですよ。この2人を2日連続で味わうことができるんですから。帰国できるものならしたかったくらいですよ。
ケンドリックの場合は、セットリストそのものは「good kid maad city」、「To Pimp A Butterfly」「DAMN」の3枚に、旧知の友人のスクールボーイQのアルバムに参加した曲(ライブではおなじみの曲)に「ブラックパンサー」のサントラを聴いていれば迷うことなく楽しめるもので、僕もそこはそんなに驚きはなかったんですけど、彼の場合はやっぱりあの変幻自在の生フロウを体験してみたいですね。あのワザはやっぱり、音源で聴いても他に聞いたことないものですからね。今まで生で聴いて衝撃的にうまかったの、アウトキャストのビッグボーイですけど、それよりは確実に上だとも思うしなあ。
あと、ケンドリックの場合はステージ演出ですね。今回もカンフー・ケニーのコンセプトだったらしいんですけど、彼、アワードのパフォーマンスの演出とかから考えて、その表現でも天才的なとこあるので、興味津々なんですよね。ああ、南米で見たいなあ。
ディランの方は、トリじゃなかったんですってね。僕はですねえ、ヴァンパイア・ウィークエンドって正直相性良くなくて、とりわけ彼らのライブには満足したことないので、多分その場にいたら「マジで??」となったような気もしますが(スミマセン、苦笑)、それはともかく、まずセットリストに「おおっ!」となりましたね。だって
「Time Out Of My Mind」以降からが8曲!
つまり、
55歳すぎて発表した曲がセットリストの半分なんですよ!
確かに1997年の「Time〜」からディランは本格復活したし、僕もそれとか「Love And Theft」「Modern Times]あたりは何度も聞いたすごく好きなアルバムです。でも、パブリック・イメージでディランって60、70年代のアーティストで、集まった人もそこを聞きたがるじゃないですか。でも、ディランはあくまで懐メロ・アーティストじゃなく、現在進行形のアーティストとしての自分をちゃんと表現できる。そこがすごいですよね。しかもそれが強がりなんかじゃなく、しっかり、彼の代表作として更新されて加わったものですからね。そこがすごいと思います。本当に名盤が尽きない人です。
そういうこともあって、今、Spotifyに「Dylan Live Favorite」というのをセットリストFMの統計で調べて、27曲入りのものを3つ作りました。全部で80曲くらいあるんですが、全て200回以上プレイされている曲です。その曲の内容が興味深くて、やっぱり「Time〜」から2012年の「Tempest」までの曲が多いんですよ。それから彼のベスト盤までには入らない、古いファン・フェイヴァリットまで知ることができて、すごくいいですよ。興味のある人は僕のアカウントでチェックしてみてください。
- 今年のフジロックに行った人が羨ましい(1)僕も見たかったアーティスト
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2018.08.02 Thursday
どうも。
今年のフジロック、本当に良かったようですね。いろんなレポート読んで、「こういうのが一度に見れるなんて、すごいじゃん!」と思いながら読んでましたね。
今回の場合、どうしてもケンドリックとディランに注目が集まりがちですけど、それ以外にも、結構、「今、見なきゃ!」なもの、あったなあと思います。それを僕なりにピックアップしていきますね。
Let's Eat Grandma
まず一つはレッツ・イート・グランマ。これは見たいなあ。彼女たちが今年出したアルバム「I'm All Ears」というのは、今年一番アヴァンなポップ・アルバムで、注目度もかなり上がってます。次あたりでかなり本格的な人気になるような気がしてるんですけど、そうなる前の貴重な瞬間だったと思うんですよね。だからかなり出番が早かったみたいなんですけど、見た人かなりラッキーだったと思います。
パーケイ・コーツ
これも見たかったなあ。パーケイ・コーツ。今年でた、デンジャー・マウスのプロデュースのアルバム「Wide Awake!」は世間で言われているほど好きではないんですけど、それでも僕も前から好きなバンドではあったし、今回のアルバムで商業実績が付いてきて、次回以降で確実に注目を浴びるバンドになったわけですからね。バンドとして、脂が乗り始める絶好の時期だったと思います。まだ一回もライブ見れてないバンドなので、僕も見たいですね、これは。
ジョン・ホプキンス
これも見たかったなあ。ジョン・ホプキンス。
僕、フジの夜中のヤツは、日本にいるときから、「体力温存」を建前にあまり積極的に見なかったクチですが、彼くらい良心的で、かつメロディックなエレクトロ・アーティストなら是非体験したかったですね。 今年でた「Singurality」ってアルバム、傑作だし、全英トップ10という、異例の成功まで収めましたからね。今こそ見ておくべきアーティストです。
でも、なんと言っても「見たすぎる!!」のは、やっぱ、これですよ
ケイシー・マスグレイヴス!!
これ、本当に「マジかよ!」って感じですよ。彼女の今年のアルバム「ゴールデン・アワー」は僕の年間ベストで、今のところ、年間1位にかなり近い位置にいるくらい、本当はインディ・ロックのアーティストが作らなきゃいけなかった類の、最高にクレヴァーなポップ・アルバムです。さらに、彼女の全米ツアーの前座って、ナタリー・プラスとサッカー・マミーなんですよ。今のアメリカのインディで最も趣味の良いアルバム出した女性アーティストたち。全部、僕の3ヶ月おきにこのブログで発表するトップ10アルバムに入ってる人たちですよ!!そういうとことに、カントリーというところから着目してるところもすごいですよね。LordeとHAIMに目をつけたテイラー・スウィフト以上のマニアックさだし、だいたい本人のアルバムそのもののセンスの良さが「スウェーデンのポップ系のソングライター」じゃなくて、「2000年代の地味渋なインディ・ロックのメンバー」に由来するところですでに差があるというものです。
で、このケイシー、「フジに来てる」って、友人がインスタに写真上げるまで気がつかなかったんですよ(苦笑)。いつ、決まってたの??知ってたら、ここでもっと大騒ぎしてましたよ(笑)。いいなあ〜。ブラジルのインディ・ロックのメディアでケイシーに触れるもの見たことないし、ロラパルーザ、来るの難しそうだからなあ〜。今、一番面白いんだけどねえ。
- ロラパルーザ・ブラジル2018総括
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2018.03.27 Tuesday
どうも。
いや〜、行ってきましたよ。
ロラパルーザ・ブラジル!
今年はとうとう3日開催だったんですけど、連日10万人動員に成功して30万人の動員に成功しました!いやあ、今年は僕も本当に文句なかったですね。では、ハイライトを見ていきましょう。
❶ヘッドライナーのキングはどう見てもパール・ジャム!
今年はレッチリ、パール・ジャム、ザ・キラーズの3つがヘッドライナーだったんですが、もう圧倒的にパール・ジャムでしたね!!すごかった!!
レッチリも人気はあったし、うまいんですよ。でも、ある時期から顕著なんですけど、やっぱり「ライトユーザー向け」のライブをどうしてもやってしまう。ミディアムからスローばっかりで飽きちゃうんですよね。そこいくと、パール・ジャムって無骨かもしれないけど、今も熱いロックンロールに名人級の熱すぎるライブを聴かせてくれる。今回もフェスなのに2時間30分、何事もなかったように当たり前にやっちゃいますからね。初期の曲が多めではあるんですが、最近の曲もしっかりやるし、今回なんかは「Lost Dogs」っていう未発表曲集のアルバムから4曲もプレイするマニアックぶりですよ。しかも、他の公演ではそんな選曲してないのに。
加えて、五人組バンドとしてのフォーマットの美学が完璧ですね。ストーン・ゴッサード、ジェフ・アメン、マット・キャメロンのリズム部隊は一切のブレのない完璧なグルーヴを刻むし、歳を重ねれば重ねるほど自由度が拡大してよくなっているマイク・マクレディの自在なソロ、そしてエディですよ!あの独特の発声で、シャウト決めさせても、バラード歌い込んでもすごく説得力がある。もう、無くなりかけてますけど、五人組バンドの最高峰としてAC/DCは超えちゃうかもしれませんね。もう、それくらいの域でしたよ。
そしてビックリする企画もあったんですよ。
なんと
ペリー・ファレル、飛び入りですよ!!
ペリーといえばロラパルーザの創始者ですが、ちゃんとこうやって南米のロラにまでちゃんときてるところがエライ。それから彼は元はジェーンズ・アディクションのフロントマンなんですが、今回はペリーの誕生祝いでPJが彼をステージに呼んで、そこからジェーンズの「マウンテン・ソング」を共演カバーですよ!これはもう、本当にオイシかったです。
パール・ジャム、もうブラジルが大好きな人たちで、2010年代だけでもう4回目なんですよね。彼らはそのことに強く感謝していて、「ここですごく稼がせてもらっているので、アマゾンの自然保護のチャリティに稼いだ殆どを寄付させてもらったよ」と言ってたくらいです。そしてエディ、「サンパウロは全世界のロックの首都だ!」発言、本当にやっちゃいました!
まあ、それも
パール・ジャムの際の上空の会場写真、これですからね!どんだけ人、居たんだよって感じでしたけどね。もう、ブラジルでの人気と信頼、桁外れです。
キラーズがなあ。正直、ギターとベースの2人がライブ活動から撤退して見知らぬメンバーになったことと、どうも似合ってない女性ヴォーカルのメンバーつけたのが違和感ありましてね。あと、毎度毎度のベスト盤みたいなセットリストも代わり映えがないし、あと、ブランドンがちょっと焦りがあるのか、「盛り上げなきゃ」ってやりすぎて気負いすぎてて良くなかったですね。新作がコケたことが気になってるのかなあ。
❷ラナ・デル・レイの客のパワーがすごすぎ(笑)!
あと、
ラナですよ(笑)!
もう3日目の話題は独占してましたね。
彼女はとにかくブラジルでは桁外れに人気がありましてですね、ロラでも毎年のように「出演してほしいアーティスト」のリクエスト第1位アーティストだったんですね。今年それがついにかなって、ブラジルでも4年半ぶりにライブが実現したんですけど、その前のライブの時に、彼らファンがどれだけすごかったかを覚えている身からしたら「これ、3時間くらい前から座席確保しないと見れないな、これ」と思い、席取りしてずっと張り付いて待機しましたよ。おかげでいい位置で見れましたけど、でも、もう1時間くらい前から身動き取れないでギュウギュウで本当に辛かったですよ。
本当は自分のケータイでラナの登場シーン、録音してあるんですけど、なかなかサイト上の反映が難しいので、これを参照にしてください。
これが一番まとまってるかな。ただ、現場に居合わせた感覚からしたら、観客の悲鳴と合唱、こんなもんじゃなかったです!凄まじかったですよ。1日後にラナが自分のフェイスブックのファンのメッセージで、このサンパウロのライブ、動画付きで紹介したほどですから。
あと、彼女自身の演出も濃かったですよ。
この股広げての立膝ポーズがエロくてですね。これを結構繰り返したり、グランド・ピアノの上に寝そべったりね。あと、客席から降りてく時に、男性ファンの頬にキスまでするわでね!
あと、こないだレディオヘッドの「クリープ」の盗作疑惑になってた「Get Free」って曲があるんですけど、他の曲の中で「コピーライトの問題、終わった」と替え歌で歌ったところ、あとで客からのリクエストでせがまれて、ちゃっかりこの曲、歌ってましたね。そしたら、これが結構大きな今日の音楽ニュースになってましたね。
とにかく話題満載、twitterでのブラジル・ロラの話題で1位だったのも彼女でした。
❸躍らせ上手
あと、今回のロラのライブで他に圧倒的に良かったものとして
LCDサウンドシステムと
デヴィッド・バーンは欠かせませんでしたね。
2組とも「アートに躍らせる」ことに関してはもう天才的ですね。もう、見てるだけで体からだが湧き上がってきちゃいましたからね。
デヴィッド・バーンのこれなんて本当に見事ですよ。このセットと衣装とダンス。その昔「ストップ・メイキング・センス」作った人の才覚は何歳になろうが生きてるなとわかりますね。今回、トーキング・ヘッズ時代の曲も多くやったんですけど、こういうライブ続けていったら、ヘッズの再評価、間違いなく起こりますね。
❹黒人アーティストたちもアピール
今回、ブラジル版では初めてと言っていいんじゃないかな。黒人アーティストが目立つスロットに登場しては話題になりましたね。チャンス・ザ・ラッパー、アンダーソン・パク、そしてカリード。いずれもR&Bやヒップホップをバンドのフォーマットにうまく組み入れてよくやってました。全部良かったです。中でも
個人的にはカリードが一番良かったですね。ミニマムなバンド編成の中で、自分のサウンドがしっかり紹介できてて。しかも原曲と違うアドリブ表現もしっかりできててバンド生演奏の良さもしっかり理解していて。こういうとこは、去年、ウィーケンドが出演して同じようにやって行ったんですが、器用によくやってると思います。
黒人アーティストの場合、「バンドの編成が多すぎる」「ダンサー多すぎる」「ヒップホップの曲が途中でブツッと終わる」みたいなとこがロック・フェスでの違和感になりがちなんですけど、今回の3組に関して言うとチャンスにやや克服すべき問題は感じましたけど、アンダーソン・パクとカリードはその意味でも問題なかったですね。
あと、彼らが入ったことによって、オーディエンスに例年以上に黒人客が多く見受けられました。ポジティヴに評価していいとこだと思います。
❺次世代もさりげなく用意
あと、「ロックの次」を見越しての、早い時間出演の次世代アーティストもさりげなく準備されてる感じがしましたね。特にそれを感じたのがロイヤル・ブラッドとキャレオでしたね。両方とも、新しさはないタイプのバンDおですけど、トラディショナルなハードロックやブルーズ・ロックをやらせたら唸るところと新鮮さがある。で、実際、2組ともヨーロッパ圏内ではロングヒットを記録してるんですよね。おそらく来年のロラはこれに続いてグレタ・ヴァン・フリートを呼んでくるんじゃないかと僕は睨んでます。
実際、この2つ、オーディエンスのウケもよかったんですよね。しかも年配ファンだけでなく、若い子にもウケてたし。
ただ、僕的に一番驚いた若手といえば
このタッシュ・サルタナですね。オーストラリアが生んだまだ22歳の徐栄アーティストなんですけどね。基本は「サイケデリックな女性弾き語り」ではあるんですけど、彼女がすごいのはすべてを自分一人で表現するところで、ギターは超絶テク、歌もかなり美味い上に、そこで突然キーボードを弾いたりトランペットを吹いたり南米の民族楽器吹いたり、そしてさらには足りない部分のサウンドの付け足しを、足のペダル操作一つ駆使して表現してるとこですね。
今回でも、この一人パフォーマンス、圧巻でしたよ。まだ気がついてる人が少ないのが残念ですが、まだEP1枚しか出していないので、アルバム・タイミングはもっと注目されるでしょうからね。
あとオーストラリアというのも、今の僕のポイント、デカいです。ここ最近、キング・ギザード&リザード・ウィザードだったりギャング・オブ・ユースだったり、すごい才能の発掘が相次いでいますからね。楽しみです。
- ロラでメチャクチャ疲れてるけど楽しいです!
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2018.03.25 Sunday
どうも。
ロラパルーザ、3日中2日、終わりました。
語りたいことはいっぱいあるんですが、とにかく疲れてて、時間がね。
今のとこのベストは
初日はLCDですね。次点がスプーンかな。チャンス・ザ・ラッパーとかロイヤル・ブラッドも良かったんですけどね。
2日目はパール・ジャムですね。この日はいいのがすごく多かった!少なくとも4つは他の日ならベストだったんじゃないかってくらい。うち一つはデヴィッド・バーンなんですが、全くの新人のタッシュ・サルタナって人と、アイスランドのキャレオってバンドは本当に良かった。アンダーソン・パクも良かった。ただ、期待したザ・ナショナルが声のコンディションが良くなかったかなあ、今日は。曲は良かったんですけどね。
と云う感じですね。あともう1日、ラナ・デル・レイにキラーズがあります。