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映画「アリー/スター誕生」感想 (ネタバレ注意)ガガ主演なだけじゃない!音楽的にも、社会的にも進化した傑作定番リメイク

どうも。

 

 

今週は2本、デカい映画レビュー、行きます。まずは、やっと行けます。これです!

 

 

 

このブログでも以前から度々名前だしてました、レディ・ガガ主演の定番映画のリメイク「A Star Is Born」、邦題は「アリー/スター誕生」。オリジナルは1930年代の作品なんですが、1954年のジュディ・ガーランド版、そしてこの映画に関しては1976年のバーブラ・ストライザントのヴァージョンのリメイクです。監督は、まだ映画監督としては認知されていない、ハリウッドのAリスター・アクターですね。ブラッドリー・クーパーが自ら主演を兼ねて初監督にも挑戦しています。

 

さて、どんな内容なんでしょうか。

 

 

早速、あらすじから見てみますが、今回の場合、話題作であると同時に、レヴュー内容が作品の核心にかなり触れてしまいますので、読みたくない方は、日本公開される12月まで読まないことをオススメします。

 

 

では、これ以降  「ネタバレ注意」ということで!

 

 

 ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は全米のアリーナを埋めるカントリー・シンガー。ちょっとロックっぽいエッジもあって、ロックリスナーにも聴きやすいタイプです。そんな彼は、ツアーの繰り返しの日々を過ごしていましたが、ドラッグとアルコールは欠かせない体になっていました。

 

 

カリフォルニアでのライブの後、ジャクソンはタクシーに乗って飲みに出かけますが、渋滞にハマったことで、予定外のバーに入ります。するとそこはゲイ・バーで、彼はそこで「ラ・ヴィアン・ローズ」を堂々と歌い切る女性シンガーの歌唱力に魅了されます。

 

その女性とは

 

 

アリー(レディ・ガガ)でした。彼女はシンガー、ソングライターとしての生活を夢見ていましたが、現実はレストラン勤務で、たまに彼女の歌を気に入ってもらったゲイ・バーで歌う日々を過ごしていました。

 

 

 「なぜ君ほどの人が成功していないんだい?」とジャクソンは尋ねますが、「みんな歌は良いって言ってくれるんだけど、この鼻がね」と自分の容姿を彼女はその理由に挙げます。彼女はもう、「自分は音楽で成功なんかしない」と決め込んで自信をなくしていました。

 

 

 二人は、夜から朝にかけて一緒に過ごしますが、彼女が口ずさんだ自作曲「Shallow」を聞いてジャクソンは驚き、駐車場で軽くそれを録音します。

 

 数日後、アリーの家に、ジャクソンの関係者が現れ、彼女を彼の次のショウに誘うべき、車で待機します。彼女のシンガーとしての成功を支援したいイタリア系の彼女の父親は喜びますが、アリーはそれを疑っていました。しかし、意を決してジャクソンのショーに行ってみると

 

 

そこには、もう早速彼女のためのライブの飛び入りコーナーが作られ、そこでジャクソンが先に「Shallow」を歌い始めます。それに加わったアリーは最初は緊張しますが、やがて見事な歌唱力で歌いきり、早速話題になり始めます。

 

 

ここからアリーはジャクソンのライブでレギュラーで加わるようになります。そして、2人のロマンスも深まっていきます。ジャクソンの腹違いの兄で、早くに亡くなった父の代わりに彼を育てマネージャーも務めてきたボビー(サム・エリオット)は、ジャクソンがこれまでに見せてきたことがなかった姿を見て焦り、アリーにも敵対心を抱きますが、愛は燃え盛るのみでした。

 

 

 そのタイミングで、売れっ子プロデューサーがアリーのもとに近づき、大手メジャー・レーベルでのソロ・デビューの話を持ちかけます。かつては諦めていた夢の予想外の実現で大喜びのアリーでしたが、ここから人生の歯車が少しずつ・・。

 

 ・・と、ここまでにしておきましょう。

 

 

 これなんですが、ここまでのストーリーは

 

 

この、1976年版の「スター誕生」と、ほぼ似たようなストーリー・ラインです。そういうこともあり、今回の映画をご覧になりたい方は、レンタルでもして、この76年を見ておいた方がいいと思います。その方が確実に感動が倍増します。

 

というのは、

 

この76年版、本っ当にひどいんだもん(笑)!

 

 だって、ロックスター役のクリス・クリストファーソンはただの酔っ払いだし、なんでバーブラが惹かれるのかがわからないし、二人してどういうバックグラウンドを持った人物なのかわからない。バーブラなんてあんなに歌が上手いのに、なんで成功していなかったのかとかも全然わからない。

 

 そこに行くと、今回のヴァージョンは、

 

 主演2人のキャラクターのディテールがしっかり描かれている!

 

 ここデカいですね。そういう「理由と結果」の組み合わせを明確にするだけで、映画ってこんなに説得力持って見やすいものになるんだな、と改めて思いましたもの。やっぱり、そういう前提があって、初めてわかる、役者の心境やシチュエーションじゃないですか。そういうところを手を抜かずしっかりと丁寧に描けるところを見ると

 

 

ブラッドリー・クーパー、それだけでもかなりの才能、ありますね。

 

それから、クーパーの今回の演出のもう一つ良い点は

 

 

現在の音楽シーンの把握

 

ここも見事でしたね

 

 

 

 今回、カントリーのシンガーの設定にしてあるんですけど、そこがいいんですよね。今時、アメリカでアリーナで客が集まって、しかも一般的な感覚の人がより見やすい、聞きやすいのって、カントリーなんですよね。これが悲しいかな、インディ・ロックとかラウド・ロックだったら、絶対ハマってなかったと思います。まあ、76年版のクリストファソンも本人がカントリー・シンガーなので、サザンロック系のアーティスト演じてましたから、それを踏襲したのもあるとは思いますけど。

 

 で、しかもこれ、あえて、カントリーでのメインストリームな感じにしないで、ちょっとエッジの立った、ロック系の批評家からも人気の高いオルタナティヴ・カントリーっぽいアーティストのキャラにしたのが大成功ですね。それがゆえに、ブラッドリーの歌がすごくカッコよかった!

 

 今回のブラッドリーの曲の音楽担当をしていたのは

 

 

このルーカス・ネルソン。かのウィリー・ネルソンの息子ですよ!彼はまだ30になったばかりで、カントリーの世界ではようやく売れ始めてきたかな、くらいの感じなんですけど、今回のこのフィーチャーで一躍売れっ子になるでしょうね、これ。今回は他にも、オルタナ・カントリーの筆頭格の一人のジェイソン・イゾベルも参加していたりもするんですけど、イゾベルとかクリス・ステイプルトン、スタージル・シンプソン、エリック・チャーチといった人たちの中に入っていけそうな気がしますもん。今、ここで名前を挙げた人たちくらいなら、ロック・ファンでも十分チェックして欲しい名前ですね。

 

そして

 

 

ガガの描かれ方、演じ方も見事でしたね。

 

彼女は、猥雑なエレクトロと同時にピアノの弾き語りでの熱唱が両立できるタイプの人ですけど、この映画でもそのコントラストは、ガガ本人ほどではないにせよ、演じ分けられているのが立派です。これは彼女じゃなきゃ、説得力なかったんじゃないかな。

 

 

 あらすじでも話していますが、「プロデューサーの存在を機に、元来持っていた音楽性が変わってしまう」というのが、もういかにも今時の音楽界の姿、そのまんまじゃないですか!そこを運命の変わり目にしてるのも「上手いな」と思いましたね。76年版のヴァージョンは、こういう「売れる前」と「売れた後」のコントラストがないから、「なんでサザンロックの人のサポートでブロードウェイ・スターが?」という謎の設定でしたからね。

 

 もっとも

 

 

この人なんて、もうすでにそういう人生、生きてますけどね。カントリーやってた子が、ラップとかエレクトロやってたりするじゃないですか(笑)。この映画見てて、彼女のことを思わず思い出してしまいました。だからなおのこと、設定に説得力ありましたね。

 

 

 ところで、この映画、当初、ヒロインはガガじゃなくてビヨンセの予定だったんですってね。そうならなくて、本当に良かった。だって、演技、とてつもなく下手くそなんだもん(笑)。それに、彼女がやっていたとしたら、売れない理由がないでしょ。容姿も淡麗で歌だって激ウマなわけだから。そこへ行くと

 

 

この新旧のヒロイン二人が、両方とも鼻の大きなことで有名だったことも、これ、なんか不思議な因縁ですね。バーブラの時にそれが理由ということにはされてなかったんですけど、今回はこれが売れなかった理由だとして、コンプレックスを持たせる要因にもなった。こうした設定もうまいなと思いましたね。

 

 そして、ガガ本人による熱唱のクオリティの高さ。これも文句なかったですね。これ、

 

 音楽のクオリティも、センスも両方レベルが高い!

 

 これが音楽映画として見て、文句なしに楽しめましたね。ここ数年の中ではもちろんトップクラスだし、僕個人としては

 

 

このホイットニー・ヒューストンの「ボディガード」のサントラ、1992〜93年にかけて空前の大ヒットになりましたけど、今回のサントラがあれくらい売れても僕は文句言いません!むしろ、それくらい売れるべきです!

 

それくらい、この映画は、時代をも代表するエンターテイメント映画になれるポテンシャルを秘めています。

 

 

 僕がそこまで言い切れる理由が実はもう一つあります。それが

 

ダイヴァーシティ!

 

 この映画、全くポリティカルな要素はないんですけど、気がついたら、実はかなり多様性があるんですよ。

 

 

このガガの親友役の人をはじめ、ゲイの人がかなり出てきます。だいたい、出会いの場がゲイ・クラブですからね。ガガ自身もLGBTのファンベースがかなり強い人だし、そして実はそれは歴代ヒロインのバーブラやジュディ・ガーランドにも言える事。そういう意味で、この映画でそれが反映できたのは良い事だと思ったし

 

 

劇中では黒人名コメディアンのデイヴ・シャペルがジャクソンの親友として登場もする。

 

 こういうところは、いかにも昨今のハリウッドらしいなとも思ったんですが、この映画

 

 

カントリーを描く事によって、保守側の人までしっかり含まれています!

 

 

そこが良いと思ったんですよね。黒人や女性、LGBTを保護するのが昨今のリベラルじゃないですか。僕もそちら側だとふだん思うのですが、でも、時々、そうする事によって「そういうのが白人のプア層を置いてけぼりにしてしまうのかな」と思うこともあったりするわけですけど、この映画ではそうした、ややもすると対立して外される立場の人まで入ってる。その意味で、本当の意味で、いろんな人が取り込まれてるなと思ったんですよね。それが説教くさくならずに無言でできてるのが立派だなと思いましたね。まあ、その代表の白人男性の主演の行く末は悲劇なので、「やっぱり白人の男は没落するじゃないか」との声も上がりそうではあるんですが、でも、それ以前に彼が音楽をプレイする姿や、アリーに対しての真心など良いポイントはしっかりと描かれているわけでもありますしね。

 

 

 「よくある定番シリーズのリメイク」というところから、人間ドラマとして、音楽ドラマとして、社会描写として、ここまで発展させることができたら、もう、それだけでも十分、後世に残す価値大アリですね。傑作です!現状で、この映画のオスカー・ノミネートを支持する声も、それ以上の、「作品賞の受賞」を訴える人もすでにいたりもするんですが、その可能性に関しては、今週のオスカー近況コラムの中で話すとしましょうかね。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 10:23
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映画「A Simple Favor」感想:今度はアナ・ケンドリックで。ポール・ファイグは現在最高の女性映画監督

どうも。

 

では、今日も映画レヴュー、行きましょう。これです。

 

 

全米映画興行成績で3位のヒットになっています。アナ・ケンドリックが珍しくサスペンスの主演をやっています。「A Simple Favor」、こちらのレヴュー、行きましょう。最近、歌を歌っている楽しい雰囲気しかないアナですが、今回はどんな感じなのでしょうか。

 

早速あらすじから見てみましょう。

 

 

 ステファニー(アナ・ケンドリック)はユーチューブのクッキング・ヴロガーをやっているシングル・マザー。ちょっと風変わりな彼女は、街ではちょっと浮いた存在でもありました。

 

 

 

 そんな彼女に、ステファニーの息子マイルスくんと、自分の子供ニッキーくんが仲良しだった縁でエミリー(ブレイク・ライヴリー)が近づいてきます。

 

 

 エミリーは華やかなファッション業界のPRディレクターをやっていて、いつも過剰に華やかで、豪邸に住んでいました。さらに彼女の夫ショーンは、ステファニーが以前読んだことのある小説の作家で、それも彼女の興味を引きつけることになりました。

 

 

 ステファニーとエミリーは毎日会うようになります。友達のいなかったステファニーには、全くタイプの違うエミリーは新鮮でした。エミリーはステファニーの秘密まで知ろうとし、そこでステファニーは、自分がなぜにシングルなのかのかなりダークな過去まで告白します。

 

 

 

 しかし、ある日、エミリーは失踪します。彼女はショーンと共に捜索願を出して行方を捜しますが、数日後、エミリーは遠く離れたミシガン州の湖で遺体となって発見されます。

 

 

 ステファニーはヘンリーやニッキーを励ましたりして彼らとの絆を深めていきますが、その矢先に怪しい事実も発覚します。それはエミリーに多額の保険金がかけられていたこと。ニッキーが、エミリーの葬式後にも「今日、ママに会ったんだ」と言い張ること。不審に思ったステファニーは真相解明に一人で乗り出しますが・・。

 

 

・・と、ここまでにしておきましょう。

 

 

これはですね。

 

 

監督はポール・ファイグです。ファイグというと、4作連続して、今やアメリカで本当に人気のある女優さんです、メリッサ・マッカーシーがメインの作品で大ヒットを飛ばしてます。「ブライズメイズ」「ヒート」「SPY」そして「ゴーストバスターズ」。とりわけ「ブライズメイズ」と「SPY」は2010年代を代表する傑作コメディだと僕も思っていて、それゆえ、すごくファンでもあります。

 

 そんな彼が今回はメリッサから離れて、これまでのようなコメディではなく、サスペンスに挑むという異色作だったんっですが

 

 

 またしても、よくできています!

 

 

 正直なところ、サスペンスの出来としては、こないだ紹介した「search/サーチ」に比べると落ちます。良いサスペンスに不可欠な、「実は前半ですでに隠れたホントがある」みたいな作りではなく、ちょっと後半に強引に「実は・・」な展開があるのは、僕はそこまで好きではないから。まあ、それでもプロット自体はよくできてるんですけどね。

 

 でも、僕はそれよりも

 

 

女性映画として、この映画、評価します!

 

 

 というのは

 

 

アナ・ケンドリックの活かした方が絶妙だから!

 

彼女って、ちょっと風変わりでカッコ悪いとこもすごくあるんだけど、でも、根がすごく善人で憎めいない、みたいな役柄させたら、今、一番映える人だったりしますが、ポール・ファイグがそこのところ、ちゃんとわかっていて、しっかり描ききっていますね。「彼女の主演映画」としての機能性が極めて高くなっているのが非常にいいと思います。

 

 

それから

 

 

このブレイク・ライヴリーの、いい意味ですごく嫌な感じね(笑)。

 

彼女って、自分の意図するしないに関わらず、この顔立ちとスタイルの良さ、髪型で、もう「ゴージャスな役やらせたら一番」みたいな華やかさがあるんですよね。それゆえに、どちらかというと、「ヒロインやるには、ちょっと庶民的共感を得にくいタイプ」(だからゴシップ・ガールのヒロインにはいいんだろうけど)だったりするので、こういう役はすごくハマってますね。妙に説得力、ありました。

 

 ファイグの映画の場合、敵役をやる女優ってローズ・バーンだったりするんですけど、彼女がコメディにたくさん出ちゃって、もはやもうあんまり敵役って感じでもなくなってきたから、このブレイクの起用、すごく良かったんじゃないかと思いますね。

 

 

 あと、映画の内容と関係なく、しみじみ思ったのは

 

 

この2人がママ役かあ。

 

方や「ゴシップガール」、方や、脇役だったけど「トワイライト」の高校生役でしたからね。そうか、もう、あれから10年あってるんだなあ、と思うと、時の流れが早いなと改めて思いますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 20:36
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映画「ルイスと不思議の時計」感想 今年のハロウィンに、ちょっと変なファンタジーはいかがでしょう?

どうも。

 

今日も映画評行きましょう。これです。

 

 

こないだの週末の全米興行1位でした。「The House With A Clock In Its Walls」、日本でも10月12日に「ルイスと不思議の時計」の邦題で公開されることになっています。こういうタイプが早めに公開されるということは、日本でもハロウィンがかなり根付いているということなんでしょうね。

 

 

 早速あらすじを見てみましょう。

 

 

 話は1955年。10歳の少年ルイス(オーウェン・ヴァッカーロ)が両親を亡くし、ミシガンにいるジョナサンおじさん(ジャック・ブラック)のうちに迎えられるところからはじまります。

 

 

おじさんは優しいんですが、何か変な感じです。

 

 

おじさんはフローレンス・ジマーマン(ケイト・ブランシェット)という、婚姻関係もなさそうなおばさんと二人でそこに住んでいましたが

 

 

この家は置いているものが変で、中でも壁には時計がコレクションしてあります。家具がひとりでに動き出すのも子供には奇妙でしたが、どうやらおじさんは魔法使いのようです。

 

 

一方、ルイスは学校では、親の形見で授かった大きなゴーグルメガネを肌身離さず持っているために変人扱いされます。そんな彼に、クラスの仕切り屋のタービーが話しかけてきます。タービーは「キミはあんな気持ち悪い家に住んでいるの?」と聞きますが、友達の欲しいルイスは「おじさんは魔法使いなんだぞ」と言って、彼の興味を引こうとします。

 

 

 

おじさんはルイスに次第に家の秘密を話しはじめます。それは、この家の持ち主がそもそもアイザック・イザード(カイル・マクラクラン)という、おじさんのかつての仲間の魔法使いのものだったのですが、彼がある頃から凶暴化し手に負えなくなっている間にアクシデントで死亡。おじさんはそれを譲り受けて生活しているのですが、この家自体がおじさんにも奇妙なため、絶えず点検をし、この家の秘密を探っているとのことでした。

 

 

 怖がるルイスでしたが、ある晩に夢に出てきたママの幻の言うことに従って、おじさんが禁じているあることをやったがために、恐怖を味わうことになってしまい・・

 

 

・・と、ここまでにしておきましょう。

 

 

この映画なんですが

 

 

1973年に発表された、この同名の児童ファンタジー小説が元になっています。設定が古いのはそのためなんですが、これを

 

 

今やB級ホラーの鬼才ですね。イーライ・ロスが監督をしています。彼と言えば、 彼自身の監督作もさることながら、タランティーノの「イングローリアス・バスターズ」での、ブラッド・ピットの戦隊の隊員での怪演も未だに印象に残っているものなんですが

 

 

そんなこともあり、かなり変な映画です(笑)!

 

 

これ、原作は「ハリー・ポッター」の原点がここに」なんて言われ方もされているカルト作のようなんですが、確かにハリーの持ってたダーク・ユーモアな部分は確かにルーツと言えるかもしれないんですが、

 

 

このルイスくんが変で、特に可愛らしくもないので、ハリーみたいな効果が期待できません(笑)。さらに言えば、ハーマイオニーみたいなキュートなキャラクターがいるわけでもない。ハリーだったらマルフォイだって、かなり嫌なヤツだけで、顔そのものは美形だったりするじゃないですか。そういう、「子供へのキュート・アピール」をあえてこの映画は削ってしまっています(笑)。

 

 

さらに

 

 

ジャック・ブラックも、まんま、いつものまんまのジャック・ブラックでしかありません(笑)。典型的な彼の役柄です。決してカッコいいわけじゃない。

 

あと、

 

 

 

怖いとこも、わりとしっかり怖いんです。これも、小さいお子さんが見るにはちょっと刺激が強いです。

 

 

 そういうこともあり、これ、「ハロウィンに子供客がメインの映画で、これでいいの?」と思える映画でもあるんです

 

が!

 

 

だからこそいい!

 

 

ぶっちゃけ、僕はかなり気に入ってます。

 

 

一つはこれ、イーライ・ロスの絶妙なバランス感覚ですね。「子供に見せるからなんだってんだ。手加減しねえぞ!」みたいなイキがった感じが見てて伝わるのがいい。子供に見せるから可愛く作ったら、逆に刺激がなくなってしまうし、子供だってそういうのに飽きてるかもしれないじゃないか。そんな彼の思いが伝わってくるようだし、さらに言えば「逆に、これの良さがわかるようなキミなら、かなりいいセンスしてるぜ」みたいな、挑戦的な突き放した感じがあるのが、かえってアピールになってる気がします。

 

 

そして、その意味でジャック・ブラックって、やっぱいい。まんま「スクール・オブ・ロック」なんですよね。大人社会から見たら社会に適応できない不器用なオッサンなんだけど、ユーモアのセンスも含めて子供にはすごくフレンドリーで、笑えるチャーミングなおじさん。そして、彼自身に子供に対しての深い愛が実はある。その意味で、今、一番子供向きな俳優さんかもしれませんね、彼。

 

 

 うちの息子のトムも一緒に見に行ったんですが、彼にとっては「ジュマンジに出てた面白い人」という感じで、実際に好感度あがってますね。近いうち「スクール・オブ・ロック」見せるタイミング近いかなと思います。

 

 

 あと素晴らしかったのはケイト・ブランシェットね。もう、誰もが認める、シリアスな演技での大女優さんですけど、いつもながらの演技ではあるんですが、ユーモアに富んだ演技もあの固く引き締まった顔の表情のまま柔軟に演じることができるのはさすが。今だったらさしずめエマ・トンプソンあたりがやりそうな役柄ですけど、”魔女”本来のちょっと怖いイメージも兼ね備えていることを考えれば、ケイトのこの抜擢、すごく良かったと思います。

 

 

・・と、こんな映画です。今年のハロウィンに一つ、いかがでしょう。

 

あと、この映画が仮に気に入った方は

 

 

 

原作を書いたジョン・ベラリスの他の作品にトライするのもいいかもしれません。一貫して、こうした濃いダーク。ファンタジーのようですので。

 

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 19:45
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映画「Search/サーチ」感想 アジア系が主役の、もう一つのミステリーの秀作

どうも。

 

 

では、今日は映画レヴュー、いきましょう。

 

これから、僕の住んでるところでは11月にかけて毎週のように話題作が公開されていきます。その中にはレディ・ガガの「スター誕生」なども含まれてますが、日本時間の日曜か火曜にレヴューをアップできたらろ思っています。今日はこれです。

 

 

 

本国アメリカでも最近公開されて話題になった映画です。「Search/サーチ」(原題「Searching」)、こちらのレヴューいきましょう。

 

この映画はミステリー映画で、主演をアジア系のジョン・チョウ、彼は「スタートレック」などで顔なじみの人もいるかと思うんですが、彼がとうとうハリウッド映画の主演までたどり着いたことを示す映画でもあります。

 

早速あらすじから見てみましょう。

 

 

 

デヴィッド・キム(ジョン・チョウ)はシリコンバレーの街、サンホセに妻のパムと一人娘のマーゴットとともに生活していました。現在16歳に成るマーゴットは、生まれた時からコンピューターの最新型を持つのが好きなデヴィッドの影響もあり、家族の貴重な瞬間を写真や動画に収め、コンピューターやケータイを通じてコミュニケーションを図る生活をしてきました。

 

 

 

しかし、2015年に妻は癌で他界。これにショックを受けたデヴィッドとパムは、これまでのように日常の連絡をこのようにコンピューターやケータイで交わします。ただ、ある木曜日の晩、「友達のグループと生物の勉強をしてくる」と連絡して以来、パムは消息を絶ちます。

 

 

1日を経ても全く連絡がなくデヴィッドは心配になります。続く金曜、デヴィッドは心当たりのあるところに連絡を取りますが、学校は欠席、さらに、幼い頃から習っていたはずのピアノのレッスンを、マーゴットは半年以上前に止めていたことまで判明します。

 

 

デヴィッドは本格的な捜査を依頼しますが、探偵ローズマリー・ヴィック(デブラ・メッシング)が担当をすることになりました。デヴィッドと彼はマメに連絡を取り合い、彼女の指示に従って、マーゴットが持っていたSNSに、デヴィッドはパスワードを変えて入っていくことになりますが

 

 

 そこにはデヴィッドの知らなかったマーゴットの姿が映し出されていました。

 

 

マーゴットは、SNSを通じ、これまで聞いたこともなかったような人たちとコミュニケションをとっていたのでした。

 

 

マーゴット失踪事件はやがてテレビにも取り上げられ、全国的に有名にもなります。気ばかりが焦るデヴィッドはSNSの独自のサーチで見当をつけた怪しいと思える人物に迫り、喧嘩もふっかけるなど、行動もエスカレートしていきます。そして、事件は思わぬ方向へと進んでいき・・。

 

 

・・と、ここまでにしておきましょう。

 

この映画ですが

 

 

その昔、「ハロルドとクマー」という、B級おバカ・コメディがあって、これ、なかなか面白いんですけど、これのハロルドを演じていたジョン・チョウが、こんなシリアスなスリラーの主演を演じられるまでに出世したんだなあ、というのが、まずは一番の感想ですね。

 

 

愛する娘のために、我を忘れて必死に成る献身的な姿、これは熱演で、かなりの説得力があります。これを見るだけでも、まず、この映画、観る価値がありますが、

 

 

一番の魅力は、優れた脚本ですね!

 

 

 

まず、ミステリーに、コンピューターのこの15年の発展史を組み込み、「21世紀の最初の20年らしい」、最新の、世界のどこでも起こっている生活のリアリティを込めたのがいいですね。このように、話そのものがずっとコンピューター画面で進んでいくという手法もすごく新鮮なんですが、それが新しくもあり、かつ、今の世に自然。こうした「時代の変化」を取り入れていくことがいかに映画の脚本そのものに多様性を与え、「物語」というものをネタに尽きないものにし続けるか。その見本みたいな映画です。

 

 

 そして、話に文学性があるのもいいです。コンピューターやネットで四六時中、密に連絡を取り合うと、「プライヴェートがなくなる」みたいな錯覚にとらわれることもあるのですが、やはり人間のプライヴェートが完全にさらされるということはどんなにテクノロジーが発展してもなく、思わぬコミュニケーション・ツールで、ますますミステリアスでダークな秘密を持つに至る。こう言う現在社会の持つ危険性も、この映画は示しています。

 

 

 それから「これって、本当にあった事件なの?」と思わせるくらい、ニュースの取り上げられ方の様がすごくリアルでもあります。これに関しては僕も、「これって実話に基づいたものなの?」と思いましたからね。そんなニュースに対するSNS上での人々の反応のリアルさ、さらに、そうした人々の持つ浅はかな現金さ。こういうところもすごくうまく描かれています。

 

 

  さらに、まだ、あります。これ、ミステリーの基本でもある、話の逆転、再逆転の展開も見事です!ぶっちゃけ、ここだけでももう秀作として機能してるんですが、そこに加えて前述までの流れなので、かなり面白いことになっています。

 

 

 それにしても

 

 

 

 

「Crazy Rich Asians」がアメリカで興行収入で3種連続1位という、アジア系では異例の成功を収めたのと同じ時期に、アジア系の主演のハリウッド映画で、こんな力作も同時にリリースされている。なんか、そう考えると、すごく嬉しくもなりますよね。

 

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 20:39
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映画「マンマ・ミーア ヒア・ウィー・ゴー!」感想 なぜABBAの曲が、ミュージカルにふさわしいのか

どうも。

 

 

では、今日は映画レヴュー、行きましょう。現在、映画界のみならず、世界の音楽界でも話題沸騰。これです!

 

 

 

2008年の大ヒット・ミュージカル、「マンマ・ミーア」の続編「マンマ・ミーア ヒア・ウィ・ゴー!」。こちらの感想、行きましょう。

 

もうイギリスのチャートに至っては、この映画のサントラが1位になったのみならず、前作のサントラも、ABBAのベスト盤もトップ10に返り咲くという、もはや”現象”と呼ぶ以外にないことまで起きています。もちろん、映画も大ヒット中なんですが、今回は一体、どんな感じだったのでしょうか。

 

 

早速あらすじから見ていきましょう。

 

 

 

 

 前作から時は流れて10年後。今度はソフィー(アマンダ・サイフリッド)が母ドナ(メリル・ストリープ)のホテルを切り盛りする番です。ホテルは新装再オープンという形をとりましたが。

 

 

 そんなタイミングで、婚約者のスカイ(ドミニク・クーパー)は「ニューヨークで仕事ができたんだ。一緒に暮らさないか」と言い出します。さらにはソフィー自身の妊娠も発覚します。

 

 

 ビジネス・パートナーのフェルナンド(アンディ・ガルシア)と再オープンの準備を必死にやってきていたソフィーですが、

 

 

オープン日を直前に、ドナのバック・ヴォーカリストだった親友、ターニャ(クリスティーナ・バランスキー)とロージー(ジュリー・ウォルターズ)は来てくれたものの

 

 

 あの「3人のパパ」のうち、駆けつけてるのはサム(ピアース・ブロスナン)だけで、ビル(ステラン・スカースガード)とハリー(コリン・ファース)は駆けつけられないとか。

 

 

 「こんな時にママだったら」とソフィーが思ったところから

 

 

 話は、ドナの若き時代の話に変わります。ドナ(リリー・ジェイムス)は当時から歌が大好きで、学校の卒業式がもうすでに彼女のコンサート。そんな彼女は卒業後にヨーロッパを放浪する旅行に出かけますが

 

 

 

 そこで若き日のハリー、ビル、サムに出会って、恋に落ちていきます。

 

 

 旅の途中で、学校の親友だったターニャとロージーも駆けつけます。

 

 

ドナは住みついたホテルで彼女たちとステージ活動を行っていくことになりますが・・。

 

・・と、ここまでにしておきましょう。

 

 

 この映画、純粋にすごく楽しめるんですが、今回、僕、ABBAに関して大きな「気づき」がありました。それは

 

 

ABBAって、「歌詞の力」でミュージカルになったんだな、と。

 

 

 前作を見たとき、それ、そこまでは気がつかなかったんですけど、聞こえてくる歌詞を、字幕を見ながら読んでいくとですね、いろいろと発見があるんですよね、これが。

 

 

 その一つ目が、彼らって、すごく「気持ちが鼓舞される曲」を作るんです。それがいろいろあるんですが、やっぱ「ダンシング・クイーン」が最大例ですね。あれ、一見、普通のダンスフロアの女の子のことを歌っているようで、実はかなり力強い青春賛歌です。

 

「You're the dancing queen,young and sweet only seventeen」

 

このqueen, young,sweet, seventeenっていう、若い女性のみずみずしさを連想させる言葉が数秒間の4小節に4つも叩き込まれている上に

 

「Feel the beat from the tambourine」と続く。甘いみずみずしさの後に、すごく絵の想像できる肉感的な表現を具体的な楽器のイメージまで添えていることからすごく躍動感が湧くんです。で、

 

「You can dance」って戻るでしょ。ここでいう「Can」って、「キミなら間違いなくできるよ!」っていう、かなり強い意味なんですよね。なのでつまり、これ、裏返して言うと「若い今にこそ、かけてみようよ!」って曲だったんですねえ。その時代のディスコ・ブームにあてつけて、なんとなく作っただけの歌ではなかったわけです。この曲がタイムレスな名曲になったのは、こういうとこだったのか、と改めて唸りました。

 

 

 で、二つ目が、彼らの歌には「告白調の曲が多い」んですよね。なんかイメージとしては、1日の終わりにつける日記とか、信心深い人なら寝る前の神様に捧げるお願いというか気持ちの吐露というか。そういうのが目立ちます。「I Have A Dream」とか「Thank You For The Music」とか。そういう曲歌う時の、気持ちのディテールも細かいんですよね。

 

 

 3つ目が「ドラマをすごく端的な言葉で表せる」。ここも見事です。例えば「Knowing Me, Knowing You」というのは、「私のことを知って、あなたのことを知流。そうやって(現実に)向かい合って、終わりにしましょう」という、男女の別れの歌だったりします。あと、末期のヒットに「One Of Us」という曲があるんですが、これも「(私たちの)片方は泣いて、寂しいベッドで横になって天井を見つめてる。こんなところにいたくないと思いながら。そして、(あなたからの)電話が鳴るのだけを待っている」という、つまりは男の元から去った女性の気持ちを歌った曲なんですね。これ、ABBAの夫婦カップルが離婚した後の曲で、この曲の入ってるアルバムで解散したんですけど、これかかった時に、「子供の時に聞いたあの曲、そういう意味だったのか」とわかって、ちょっと劇中で泣きました(苦笑)。

 

 

 4つ目は、「言葉のセンスがすごく洒落てる」。例えば「恋のウォータールー」って、彼らの大ヒット曲があるんですけど、これだけだと意味わかんないでしょ(笑)。ウォータールーというのは、ナポレオンがイギリス征服を狙った際に負けた戦いなんですけど、つまり「ナポレオンでも勝てないくらいに、あなたみたいな魅力的な人を好きにならずにいられない」という曲なんです。それを由緒ある世界史の知識と結びつけるセンスはかなり大胆だと思います。あと、ABBAの曲はどれも韻の踏み方が綺麗で鮮やかなんですよね。

 

 

 ・・そういうことに、いちいち感動しながら、僕はこの映画を見てました。今までABBAって「メロディが命」だとばかり思っていたんですけど、「歌詞なんだなあ、肝は」と思いながら、そのリリックと絶妙に合う映画のシーンを見ながら「なるほどなあ。だから、ミュージカル、成立するのかあ」と思いましたもんね。

 

 

 家帰って、そのことを、ネイティヴ・スピーカーのうちのワイフに言ったら「全く、その通り。でも、それ、知らなかったの?」と言われましたね。それを受けて、「それは多分、社会問題歌ってたりとかしてなかったり、ロックのジャーナリズムでそういう風に語られてなかったからだよ」と言ったら「確かにディスコのグループで、歌詞に意味があるとは、考えにくいかもしれないね」と言われました。

 

 

 で、こうも思いました。「鼓舞」「告白」「ドラマ」。こう言う歌詞の要素があるから

 

 

この人の音楽も長く売れて、ミュージカルになりやすいのか、と。

 

 

 そして、「この先、曲を使ってミュージカルになるかもしれないアーティスト」として

 

 

 この辺りを思い浮かべもしましたね。いずれも要素がすごく当てはまる気がしてね。

 

 

 で、長くなっちゃいましたけど、内容に戻りますと、

 

 すごく楽しいです。

 

 が、

 

 ストーリーがちょっと未整理です!

 

 

 というのはですね、リリー・ジェイムスが出てくるところが具体的な設定がしてあって、1979年なんですね。でも、それでいくと、ソフィーが生まれるには、ちょっと年齢が合わないんですよ。アマンダ・サイフリッドって1985年くらいの生まれだから6年くらい時間が空くことになる。そう考えると、設定がすごく不自然なんですよね。

 

 

あと今回は

 

 

シェールがドナのお母さん、という設定で出てくることになっているんですが、これも計算、おかしいです。だって、メリルと実年齢、3つしか違わないんですよ、彼女(笑)。ちょっと、この辺りの計算の感覚がおかしくて、そこが不恰好になってるのは、気になっちゃいましたね。

 

 また、

 

 

 今回、リリー・ジェイムス、すごく頑張っています。彼女、「ベイビー・ドライバー」でちょっとだけ披露した歌声聴いても、歌えるのわかるんですけど、歌に、ちょっと小ムスメっぽい感じを出した演技に、すごく力を発揮してましたね。もう、ハリウッドの主演クラスに上がっていくでしょう。

 

 けどなあ。一番肝心な

 

 

この人の出番が少ないのがなあ〜。

 

 

 見てて思ったのは、ABBAの曲がこの映画に不可欠なように、メリルもこの映画に非常に大きな生命を吹き込んでいたんだということが改めてわかりました。そこはやっぱ、どう考えても寂しかったですね。

 

 

 今回の映画、その話の展開から、これと比べられてますね。多くは言いません。

 

 

 これ以上は言いませんが、僕もその通りだと思います(笑)。

 

 

 でも、楽しかったし、ABBAをもう一回、歌詞カード読みながらじっくり聴き直したい欲求が出たことを考えると、やっぱり成功だったんだとは思いますよ。

 

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 13:28
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映画「ミッション・インポッシブル フォールアウト」感想 傑作!「最新作が最高傑作」を更新し続ける稀有なシリーズに!

どうも。

 

 

では、今日はこの映画のレヴューをしましょう。これです!

 

 

 

 現在、世界で大ヒット中ですね。トム・クルーズのアクション映画の定番「ミッション・インポッシブル」の第6弾、「フォールアウト」、こちらのレヴューです。これ、今、本当にどこでも話題にされてるくらいにホットな存在だったりしますが、どんな感じなのでしょうか。

 

 

早速、あらすじから行きましょう。

 

 

 

 

 アメリカのスパイ組織、IMFのイーサン・ハント(トム・クルーズ)の今回のミッションは、彼が2年前に逮捕した凶悪テロリスト、ソロモン・レインの残党たちからなるテロリスト集団が、3つのプルトニウムを使った原子力テロを起こさないよう妨害をかけることでした。イーサンはベンジーとルーサーのおなじみのチームでミッションにあたり、成功したかのように見えましたが、イーサンはあることが理由で、プルトニウムを奪い損ねてしまいます。

 

 

 

 イーサンはプルトニウムを奪い返すべくミッションを自らに課しますが、CIAディレクターのエリカ・スローン(アンジェラ・バセット)はイーサンの監視役として凄腕エージェントのオーガスト・ウォーカーをつけることを条件としてそれを認めます。

 

 

 ただ、今回のミッションは謎の多いものでした。わかっているのは、テロ集団がプルトニウムをジョン・ラークなる人物の仲介でパリの武器密輸組織の女ボス、ホワイト・ウィドー(ヴァネッサ・カービー)に渡す、というだけでした。

 

 

 

 イーサンとウォーカーは、テロ集団が送り込んだプルトニウムの運び屋を追いますが、この男がかなり手ごわい男でした。彼らは苦戦しますが、その時、

 

 

 向こうから、前作でイーサンとかなりいい間になりながらも一緒にはなれなかったイギリスのスパイ、イルサ(レベッカ・ファーグソン)と再開します。彼女のミッションは、イーサンが2年前に逮捕した時に殺さなかったソロモン・レインを仕留めることにありました。

 

 

 

 イーサンはレインをなんとか刑務所から移送させることに成功し、さらにラークに扮してホワイト・ウィドーに接近します。これを

 

 

 IMFの長官、アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)は反対しますが、ハントは聞き入れません。

 

 

 すると、「本物のラーク」をめぐり、事件は意外な方向に展開します。

 

 

 

 

 そして、その先には、長いこと行方が分からなかったイーサンの元妻ジュリア(ミッシェル・モナハン)の存在までありました・・。

 

 と、ここまでにしておきましょう。

 

 

 いやあ、これ

 

 

 素晴らしいです!!

 

 いい理由、いくつかあるんですが、まず一つは

 

 

やっぱ、トム・クルーズの生アクションですね。これ、ここ数作、ずっと言われてますけど。やっぱり50代の男が、ちゃんと体張って、嘘くさくなく演じているので引き込まれますよ。必ずしも完璧な動きではないんだけれど、その人間臭さが愛おしいというか。「この精一杯頑張ってるんだけど、でも人間の範囲内」というヒーロー感が、イーサン・ハントを魅力的にしてると思いますね。もう、すっかり「60年代の人気シリーズのキャラクター」じゃなくて、「トム・クルーズの代表作」ですよ。まちがいなく、彼の演じた中でのベスト・キャラクターになってきてますよね。

 

 

 もちろん、それもいいんですけど、一番最高なのは

 

 

 

 やっぱ、この4人のケミストリーですよ!

 

 すごく不思議ですよね。だって、このメンツ、最初からいたの、イーサンとルーサーだけで、ル−サーだって、場合によってはいない時もあった。それが、20数年かかって、6作目で一番ベストのケミストリーを生み出すチームが出来上がった。普通、「シリーズ6作目」なんて言ったら「もう4作目から無理やり引き伸ばしてるよね」って感じで飽きられて打ち切りが考慮されるような、そんな時期ですよ。それがジワジワと成長していくことによって、「最新作が最高傑作」になっている。こんなシリーズ、ちょっと記憶にないですね。

 

 

 中でも、ルーサーのバイプレイヤー感は光りますね。「縁の下の力もち」でしたけど、渋い人間味が出るようになってきて。今作だと、黒澤明の映画の志村喬みたいな味わいまであって。彼のセリフの一言一言が妙にしみるというか。そういう立場ですね。

 

 

ベンジーも相変わらず良いです。もともと、エドガー・ライトのカルト・コメディ出身だった彼がこのシリーズに加わったことで、作風にユーモアでてきましたけど、イーサンとのあうんのコンビネーションも、戦うヒーローとしてのアイデンティティもしっかり育ってきました。ミスの仕方のお茶目な感じも相変わらず面白いです。

 

そして

 

 

イルサが本当に不可欠な存在になってきました。前作での登場から彼女、このシリーズの女性の歴代キャラでも圧倒的な存在感でしたけど、演技、かなりいいです。彼女の場合、スパイという立場上、表情をあまり顔に出せないんですけど、それでもイーサンへの思いが情熱で隠せない、その複雑な女心の表し方が見事です。今回とりわけジュリアを出してきてることによって、その気持ちがよりはっきり出ているのがそそります。

 

 

それから

 

 

ヘンリー・カヴィルとアンジェラ・バセットも良かった。カヴィルはスーパーマン演じてる時より、全然表情が生き生きしてました。申し訳ない話、「こんなに演技、上手い人だったんだ」って思いましたからね。今回の役で需要増えると思います。そしてアンジェラ・バセット!彼女、90sの時は黒人のトップ女優で僕もすごく好きだったんですね。しばらく、ちょっと消えてるなあと思ってたんですが、今年、「ブラック・パンサー」のお母さん役で復活して、そして今回、CIAの女ボスですからね。年齢的にも、ヴァイオラ・デイヴィスよりもだいぶ上で、もう「大御所黒人女優」の風格ありますから、これからそうした役どころでの出番、増えるんじゃないですか。確かにある時期は「男はデンゼル、女はアンジェラ」の時期、ありましたから、それに見合う今後の活躍に期待ですね。

 

 

そして

 

 

 最後の30分は、アクション映画史に残りそう!

 

 これ、圧巻ですよ。なんか、いい時のジェイムス・キャメロンみたいな感じ、ありますもん。あの、妙に敵がしつこい感じ(笑)。あのピンチが長く、長く続くあの感じ。あれはみごとです。一瞬たりとも目が離せません。

 

 

そう考えると

 

 

監督のクリストファー・マッコーリーの手腕が大きいですね。彼、もともとが脚本家で、今作も全部自分でシナリオ書いてるんですけど、そういう人が、今作みたいな大きな絵も撮れてるところが驚きですね。彼、トム・クルーズの他の映画の監督、脚本もここ最近ずっと書いてるんですけど、トムから離れて、自分で作りたいもの作れるようになったら、いきなりオスカー狙えるような作品、作れるんじゃないか。そんな気さえさせます。

 

 

 いずれにせよ、これ、見て絶対損はありません。成長してヒットを続けているのにはしっかり理由があります。

 

author:沢田太陽, category:映画レビュー, 13:21
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