RSS | ATOM | SEARCH
サブスク解禁のユーミンのオリジナル・アルバム38枚を全部通しで聴いてみた

どうも。

 

 

本当はここでやる予定はなかったんですが、facebookでやったらすごく反応が良く、「ブログでもやれ」という声があったので、やることにします。

 

実は、この3週間ほど、音楽生活でこういうこと、やってました。

 

 

9月24日にサブスク解禁されたユーミンのオリジナル・アルバム38枚を全部通して聴いていました。これ、1日に2枚ペースでほぼ毎日聴いてましたね。

 

 

 なんでやろうかと思ったかというと、「なんとなく、できそうな気がした」からなんですよね(笑)。というのも、1998年に最初にキャリア包括ベストが出た時に、それが結構好きだったのを覚えてて、あの時に、昔そんなに好きじゃなかったユーミンの印象が変わってたので。そこから、また聞いてなかったんですけど、今回の解禁で「これはいい機会だ」と思って、聞いてみることにしました。それに、日本の音楽レジェンドってまだまだ解禁少ないから、このユーミンを機にドドッと出始めたら面白いことになるなとも思っていて。いちいちTSUTAYA行って、アルバム全部借りるのもやっぱ骨じゃないですか。それがケータイいじるだけで全部聴けるのなら、そっちの方が良いに決まってます。

 

 

 で、やってみたら、あれよあれよでアルバム、全部聴けちゃったんですよ!これは自分でも驚きましたね。全部が全部良い

と思ったわけでは決してなく、「ちょっとこの時期、ツラいなあ」と思った時期もあったんですけど、でも、飽きずに聴き続けることができましたからね。

 

そして

 

 

上の写真のようにアルバム10選も選んでみました!

 

 

 10選に関しては順位はなく、1回だけの試聴で今回は決めてるので、単純に「またリピートして聴きたくなったもの」を直感的に選んだだけなので、そんなに深く考えて欲しくはないのですが、ただ、自分なりにバランスをとって選んだつもりです。

 

僕が聞くに、ユーミンって、以下の6期に分かれる感じがしました。

 

 

⑴荒井由実期(1973-1976)

⑵松任谷初期(1978-1980)

⑶松任谷シティ・ポップ全盛期(1981-1985)

⑷シンクラヴィア・バブル期(1986-1993)

⑸脱バブル期(1994-2001)

⑹21世紀(2002-)

 

 これで2枚ずつ選んで、引き算すれば10枚選べるなと思っていたんですが、意外にも(6)の時期が思いの外に気に入って3枚選んだら切れなくなってしまい、それで、個人的に全然好きになれなかった(4)の時期をゼロにして(笑)選んでみました。

 

 

 (1)の時期は文句なしに素晴らしいですね。はっぴいえんどから流れる、日本流のウェストコースト・ロックみたいな感じで。ただ、ユーミンの場合、ピアノのコードの使い方が独特なので、その範疇から飛び出て、スティーリー・ダンとかトッド・ラングレンの作品にも通じるエッセンスが感じられますね。そこが好きだし、この当時の音楽リスナー、そのセンスにビックリしたんじゃないかな。

 

 この時期からはデビュー作の「ひこうき雲」(73)と3rdの「コバルトアワー」(75)を選びましたが、別に「ミスリム」(74)、「14番目の月」(76)が嫌いなわけではなく、全部良いです。

 

 

 (2)の時期は松任谷に改姓してからの78年から80年の作品。この時期、毎年年2枚もアルバム量産してたんですよね。よく音楽マニアで「ユーミンは荒井の時期こそ最高だ」という意見を耳にします。確かにその時期が素晴らしいのは僕も認めるんですが、「松任谷からは聞けない」という意見には僕は反対で、むしろ、この(2)の時期がアヴェレージで一番クオリティ高い作品出してたと思います。この時期は音楽的にも(1)のテイストを強く保持しながら、、アレンジにも幅が出て、サウンドもさらに多様になりますからね。歌詞も、彼女得意の、シチュエーション・ドラマの設定が巧みになって、そこでの感情移入に秀でた曲が目立つようになりましからね。

 

 ここからは「紅雀」(78)と、これ、カルトな名作なんですが「時のないホテル」(80)ですね。後者、暗くていいんですよ。ちょっと異色な感じもあって。ただ、この時期も「Olive」「悲しいほどお天気」(ともに79年)もすごくいいです。ただ、一般人気の高い「Surf&Snow」(80)は、のちのユーミンの悪い癖にもなる「広告代理店」っぽい歌詞がちょっっとキツいかな、というのがありますね。

 

 

 (3)は、いわゆる「ユーミン・ファン」からの人気が最も高い時期ですね。81年の「守ってあげたい」のビッグヒットから、1985年の「DA DI DA」までの時期。このころ、ユーミンは「FMの寵児」で、秋のアルバム・リリースは日本の音楽界のお祭りみたいになっていた時期ですね。当時、小6から高校だったんですけど、僕の3つから5つ上の世代の人にとっては、「大人に背伸びするための音楽」な感じでしたね。

 

 この頃はもう、当時”チョッパー”とも言われていたスラップベースをビンビン言わせた、今でいうシティ・ポップバリバリの時期ですね。あれがビンビン言いすぎるとちょっと鼻にもつくんですけど、それがさほど気にならないほど、この当時のユーミンのコード使いとメロディの洗練のされ方、ドラマのリアリティは見事でしたね。当時、大人っぽすぎて敬遠してた曲もあるんですけど、聞き返すと「この曲の気持ち、わかるなあ」とか思うようになっていたりもしますからね。

 

 ここからは、これが最高傑作なんじゃないかな「パール・ピアス」(82)と定番曲の多い「No Side」(84) ですね。この時期は捨てアルバムはないんですけど、アッパーで「真珠のピアス」、チルで「夕涼み」がある分、「パール・ピアス」、最強かなと。

 

 

 で、(4)がねえ、本当に苦手なんですよね。この時期は、当時最新の「シンクラヴィア」って機材使って、最新のデジタル・サウンドになってるんですけど、これの音作りが過剰で、今聞くと一番古臭いんですよね。さらに、この当時、ユーミン、バブルの寵児になるでしょ。当時、大学生でしたけど、バブル嫌いの僕としては辛い時期ですね。

 

 あの頃、ホイチョイ系の映画とかCMとかにやたら曲が使われたせいもあるんですけど、ユーミンの歌詞の、さっきも言った「広告代理店性」が強化された時期でもあるし、後、サウンドもゴテゴテして、素の良さが生きなくなってますね。90sにはハウスなんかにもトライして、これが似合ってなくてですね。スラップベースのビンビンが鼻についたのもこの時期です。あと、今振り返るに「Alarm A La Mode」(86)から曲のひらめきが落ちてますね。

 

 この時期で一枚選ぶとしたら「Delight Slight Light Kiss」(88)ですね。あの「♪どーして、どーして」の「リフレインが叫んでる」は、「これ、実はユーミンなりのメタル?」と思えるところがあったり、スラップベースがビンビン言わなくて曲もしっかりしたのが多いので、この時期で唯一好きなので最初は10枚に選んでたんですけど、最終段階で外しちゃいました。

 

 

 そして、(5)の時期なんですが、(4)よりは確実にいいです。バブルの終焉を意識して、曲作りが移行してますね。大きかったのが94年の「Hello My Friend」の特大ヒットですね。久しぶりに、彼女らしい曲をかけて、それがヒットにつながったというか。この曲、Spotifyで最も聞かれてる曲なんですよね。いいことだと思います。

 

 この時期から、例えばシングルでも「最後の嘘」とか「Sunny Day Holiday」とかいい曲は出るようになってて、それで98年に僕がベスト盤を買う理由にもなりました。ただ、この時期、シンクラヴィアやめて、シンプルなサウンド・プロダクションに戻ったのはいいけど、「ロック、アーバン、ワールド・ミュージック、時々春よ来い」みたいな、フォーマットめいたアルバムの作り方で、どれ聞いても同じような作品が続くんですよね。この傾向が2001年まで続きます。

 

 この時期だったら、「Hello My Friend」が実質2曲入ってる「Dancing Sun」(94)ですが「スユアの波」(97)もいいですね。

 

 

 で、大いに気に入ってしまったのが(6)、2002年から今に至る時期です。2002年に彼女は「Winter Of Wings, Shade Of Summer」という7曲入りアルバムを出して、それを「心の内のリゾート作」として出したんですけど、これがすごく良くてですね。ここから、(5)の時期のような、方程式みたいなアルバムの作り方もやめて、より、バンド・サウンドを主体にした、ソリッドでまとまりのある方向にシフトしてますね。

 

 アルバムとしては「Winter〜」を一歩進めたような「Viva! 6X7」(04)、「Road Show」(11)、そして最新作の「宇宙図書館」(16)ですね。忙しくなって、日本の音楽聴けてなかった時期なんですけど、良いの作ってたんだなあ、と目から鱗が落ちましたね。

 

 この中で特筆すべきは、「Road Show」ですね。「一つの恋が終わる時」は、この少し前から彼女が表現してたコールドプレイっぽい曲がベストに出たものだし、そして「ダンスのように抱き寄せたい」というのは、キャリア後期の傑作ですね!これ、すごく涙腺刺激するんですよ。「年を重ねた熟年夫婦のラヴ・バラード」なんですけど、これ、シチュエーション・ドラマを超えて、ほぼユーミン本人の正隆氏に宛てたリアルな本音なんじゃないかと思えてね。このころは声の衰えも指摘されてる頃ですけど、老いた声で歌うからなおさら説得力があってですね。これ、よく聞いてます。

 

 あと「宇宙図書館」は表現がすごく若いですね。60過ぎて、バンド・サウンドに軸足おきながらエレクトロに触手を示すあたり、感覚若いです。このあとの展開次第では、このアルバムから(7)の時期に入れるかな。そんな予感さえします。

 

 

・・といった感じですね。僕のブログの読者さんにどれだけアピールするのかわからないですが(笑)、広く音楽ファンとして、「日本のポップスのマスターピース」として、ちゃんと聞かれることをすごく期待したいし、このユーミンのサブスク解禁にどんどん他のレジェンドも続いて欲しいなと思ってるとこです。

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:Spotify, 18:52
comments(0), trackbacks(0), - -
最新全米チャート

どうも。

 

では全米チャート、いきましょう。

 

 

SINGLES

1(1)Girls Like You/Maroon 5 feat Cardi B

2(3)Lucid Dreams/Juice WRLD

3(4)Better Now/Post Malone

4(25)Drip Too Hard/Lil Baby feat Gunna

5(28)Shallow/Lady G&Bradley Cooper

6(6)Sicko Mode/Travis Scott

7(8)Youngblood/5 Seconds Of Summer

8(13Happier/Marshmello&Bastille

9(11)I Like It/Cardi B feat Bad Bunny&J Balvin

10(12)FeFe/6ix 9ine feat Nicki Minaj&Murda Beatz

 

すみません。今日、プロバイダーのyoutube貼り付け機能がおかしくて、ちょっと動画の紹介ができません。

 

4位に一気に入ってきたのはリル・ベイビーとガンナの「Drip Too Hard」。1位狙えそうな上がり方ですね。

 

そして5位にレディ・ガガの「スター誕生」のハイライトとなる一曲、「Shallow」が入ってきました。

 

 

すみません。圏外に行けないので、アルバムに行きます。

 

 

 

ALBUMS

1(-)A Star Is Born/Lady Gaga

2(-)Trench/twenty one pilots

3(1)The Carter V/Lil Wayne

4(-)Drip Harder/Lil Baby&Gunna

5(-)Desperate Man/Eric Church

6(-)Traces/Steve Perry

7(-)Burn The Ships/for King And Country

8(5)Scorpion/Drake

9(7)Astroworld/Travis Scott

10(8)beerbongs&bentleys/Post Malone¥

 

初登場で1位は「スター誕生」のサントラ。

 

初登場で2位はこないだイギリスのところで紹介しました。トウェンティワン・パウロッツ。こちらでも2位でした。

 

4位はシングルが大ヒット中のリル・ベイビーとガンナ。5位はロッキン・カントリーのエリック・チャーチ。カッコいい人です。

 

 

そして6位。本当は動画で紹介したかった!元ジャーニーのスティーヴ・ペリーの、実に22年振るとなる復活作「Traces」が入ってきました。

 

スティーヴの存在は、最近、ジャーニーの「Dont Stop Believin」が大定番ソングとなったことで再度注目が集まっていましたが、スティーヴは長いことうつ病を患っていて音楽会の復帰は絶望視されてたんですね。そうしているうちに彼は20歳以上歳の離れた女優さんと交際を始めたんですが、その矢先に彼女がガンで倒れてしまいます。スティーヴは彼女の看病を試みましたが、その時、「私がこの世からいなくなったからって、引きこもるのはもうやめて」と言われたんだそうです。そこで一念発起してレコーディングを行い、69歳に大復活ををとげたわけです。すごく甘く切ないラヴ・ストーリーのアルバムとなっています。声の劣化がそこ前までひどくなく安心そて聴けます。

 

author:沢田太陽, category:全米チャート, 19:19
comments(0), trackbacks(0), - -
Live評「ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ@サンパウロ」現在世界最高のライヴ・アクトによる、「今」を揺さぶったエモーショナルな瞬間  

どうも。

 

 

では、予告通り、このライヴ・レヴュー、行きましょう。

 

 

10月14日、サンパウロの3000人規模のホール、エスパッソ・ダス・アメリカスで行われたニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ、このライブ評、行きましょう。

 

 

僕がニック・ケイヴのライブを見るのは、1998年の7月以来、20年ぶりでした。その時はフジロックでセカンド・ステージの最後から2番目。その時のそのステージの最後を飾ったのはイギー・ポップだったという、かなりレジェンダリーな並びだったものです。

 

 ただ、期待値としては、その時以上でしたね、今回は。それはやはり、彼のここ最近のアルバムが絶好調で、今や欧米圏ではアルバムがトップ10に入る国続出。遅咲きのニュー・ウェイヴの、黒づくめのダーク・カリスマは、現時点の実力では今やキュアー、モリッシー、デペッシュ・モード、ニュー・オーダーを上回ってると言っても過言ではありません。それくらい、アーティストとしての熟成があまりにも素晴らしい。その意味ですごく楽しみにしていました。

 

 そして彼はブラジルにも非常にゆかりのあるアーティストです。1990〜92年頃、ブラジル人ジャーナリストと恋に落ち、サンパウロで生活していましたからね。今回のサンパウロでのライブはその当時以来。そういうこともあり、今回はその当時のファンらしき人たちがかなり多めの、「かつて尖っていた大人たち」が集まった会場でした。

 

 

 

 ライブの始まりは20時を10分ほど過ぎたあたりでしたね。ただ会場が暗くなって、おもむろにバッドシーズ、そしてニック・ケイヴ本人がステージに現れ、現時点での最新作「Skelton Tree」(2016)の「Jesus Alone」「Magneto」から、厳かに、かつ静かにライブをはじめます。

 

 この緊迫したウォーム・アップの後、ケイヴは観衆に対してにこやかに挨拶。「帰ってくるのが遅くて申し訳なかった。でも、今夜のこのライブは本当に楽しみなんだよ」と、約25年ぶりくらいのサンパウロ帰りについてしみじみと語りかけます。

 

 そして、彼らのライブバンドとしての本領が、この後から続々と発揮されます。3曲目、彼らのセールスを上げる契機にもなったアルバム「Push The Sky Away」からの「Higgs Bobson Blues」から、彼らは、現時点で世界最高に知的なロックンロール・バンドぶりを発揮します。

 

 麗しの低音の美声を朗々と響かせながら、エモーショナルにステージを駆け聴衆を煽るその姿は、まさにジム・モリソンとミック・ジャガーの継承者そのもの。60sからのロックの偉大なる遺産を身一つで引き受けたかのようで、すごく頼もしく見えました。と同時に、「現在61歳のこの人がいなくなったら、このロックの伝統芸を果たして誰が継ぐのだろう」と不安になったりもしました。

 

 さらに、この次の「Do You Love Me」からが、この日のライブの最初の最高潮に至ります。最初期の代表曲「From Her To Eternity」を挟みながら「Loverman」「Red Right Hand」と、1994年の最高傑作アルバムのひとつ、「Let Love In」からの曲を畳み掛けます。代表曲が続きます。ここでの彼らは、鋭角的なノイズを撒き散らす混沌としたロックンロールをベース(1980年代の最初期はそんな感じ)にしながらも、メロトロンをはじめとしたオルガン類に、ヴァイヴラフォン、ウィンドチャイムといったオーケストラ用の打楽器を多彩に操って、アナログ感覚ながらも実に精巧に、知的に考えられたロックンロールをパワフルにプレイします。

 

 

 

これはとりわけ、今やケイヴの最高のクリエイティヴ・パートナーとなっているマルチ・プレイヤーのウォーレン・エリスと、第2パーカッションのジム・スクラヴーノスの2人による影響が大きいですね。なんか、バンドの中にブライアン・ジョーンズみたいな役目の人が2人いるというか、もしくは「デジタル楽器を使わないジョニー・グリーンウッド」が2人いるというかね。ただでさえ、ガレージロックを演奏させたらとてつもなくうまいバンドなのに、それを豊かに拡張させる才能を持った人がこんなにいるわけです。これは最強なワケです。とりわけ、さっきフリーキーなエレキ・ギターノイズをまきちらしたかと思ったら、今度はエレクトリック・バイオリンを全身のたうち回りながら弾くエリスの姿はケイヴのお株さえも奪っていましたね。

 

 

 

 ここからライブはケイヴによるピアノ弾き語りのバラードのコーナーになるんですが、ここからブラジル人オーディエンスによる、現在彼らの置かれたつらい状況が爆発することになります。もう今や「setlist FM」の存在で、ライブのセットリスト、「次のどの曲をやるか」と言うのは分かられてはいるんですが、ケイヴが「The Ship Song」をプレイする前に、ある女性から「Ele nao!」という悲鳴に似た叫びが起こり、そこから会場が「Ele nao」コールが巻き起こることになります。

 

 この「Ele nao」(エリ・ノン、ポルトガル後で「彼ではダメ!」)というのは、前に2度ほどここでも書きましたが、ブラジルの極右大統領候補ジャイール・ボウソナロに対しての抗議運動のキャッチフレーズです。これは、ちょうど同時期にブラジル公演をしていた元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのライブでもウォーターズが煽って大合唱と、それに反対するボウソナロ支持者からの怒号が交錯する瞬間を作っていましたが、それはここでも同じでした。

 

 そのことをケイヴも、しっかり把握していました。彼は「The Ship Song」の中で

 

Come sail your ships around me
And burn your bridges down
We make a little history, baby

(僕のそばで船の帆を上げな。橋なんか焼いて、これから歴史を作るんだぜ)

 

と歌いかけてブラジル人を励まします。

 

さらに、「この曲はブラジルに捧げる僕の祈りだ」と語りかけ、最大の人気バラード「Into My Arms」で

 

But I believe in Love
And I know that you do too

(でも、僕は愛を信じている。もちろん君もそうだと知っている)

 

と歌ったんですが、これが泣けてね。

 

というのも、ボウソナロという極右候補が、女性もLGBTも黒人も先住民も、何もかも嫌いなヤツで、そんなヤツが一国の大統領に今にも手がとどく位置にいることに怯えてる国民が本当に多いんですよ。この日、終始、ヒステリックに「Ele nao」を叫んでいる女性というのは、大げさな話ではなく、本当に切迫した「助けてくれ!」という出口のない叫びだったんですよね。そういう状況だったものだから、ケイヴのこの心遣いがグッときました。

 

 

 その後、ライブはバラード・コーナーをもう2曲でシめ、初期の代表曲「Tupelo」で再びアッパーに。その次になだれ込んだ、ここ最近のケイヴの一番の代表曲「Jubilee Street」の「静」と「動」のコントラストを巧みに使った、彼らにしかできないボディ・ブロウのようにジワジワと時間をかけて体からエモーションが立ち込めてくるロックンロールも圧巻でしたね。

 

 

 そして、次のクライマックスは1990年の代表曲の「The Weeping Song」。ケイヴはこの曲で、観客席の中ほどに作ったミニ・ステージに移りますが、ここで本格的に、先ほどの「Ele Nao」を今度は彼から観客に煽ります。もう、この時には、「ロックに政治を持ち込むな」なんて叫んでいた連中の声がかき消されるほどに、会場全体が「エリ・ノン」コールに包まれました。  

 

Father, why are all the women weeping?
They are all weeping for their men
Then why are all the men there weeping?
They are weeping back at them

(中略)
But I won't be weeping long

(父さん、かあさんはどうして泣いているの。それは男のために泣いているんだ。では、どうして男は泣くの?それは女に鳴き返しているんだ。でも、僕は長くは泣かないよ)

 

 この曲がケイヴが煽るハンドクラップで¥盛り立てられ、さらにケイヴが女性にマイクを渡すと、その女性が「Ele nao」と口走り、それでさらに盛り上がる。ケイヴとブラジル人オーディエンスの間で、何にも代えがたい結束力が生まれていましたね。

 

 続く「Stagger Lee」でケイヴは10数人の観客をステージに上げて、ワイルドにロックンロール。客のヴォルテージも最高潮に達し、続く「Push The Sky Away」で一旦、ライブは終了します。

 

 

 そして、この熱狂の後です。アンコールも通常の2曲の予定から4曲に増えました。ここでは「City Of Refugee」や「Mercy Seat」という初期の代表曲がプレイされるんですが、そこに加えて、「これはサンパウロのヴィラ・マダレーナで作ったんだ」と、ブラジル在住時の話を交えながら「Jack The Ripper」をプレイするという、他の公演にはなかったサプライズを披露した後、再gは最新作のクライマックス・ナンバー、「Ring Of Saturn」で幕を閉じました・・。

 

 

 内容的にも、「20年前、ここまですごかったっけ?」と思えるほどの内容だったのに、その上に、僕でさえも苦い思いをしているブラジルの現状にここまで真心で接したライブを展開されることになるとは思っていませんでした。本当に、心から泣けました。この夜のことは、一生忘れることはないでしょうね。

 

 

 

author:沢田太陽, category:ライヴ・レヴュー, 19:38
comments(0), trackbacks(0), - -
最新全米映画興行成績

どうも。

 

では、全米映画興行成績、行きましょう。

 

1(1)Venom

2(2)A Star Is Born

3(-)The First Man

4(-)Goosebumps 2

5(3)Smallfoot

6(4)Night School

7(-)Bad Time At El Royals

8(5)The House With A Clock In Its Walls

9(13)The Hate U Give

10(6)A Simple Favor

 

1、2位は先週と変わらずなのですが、1位は半減、2位はそんなに落ちてないので、来週あたり順位入れ替わるかもしれません。

 

3位初登場は「First Man」。これはこのところオスカー常連のデミアン・チゼル監督の最新作。あのアポロ11号の月面着陸に成功したニール・アームストロング船長の伝記ですが、この役をライアン・ゴスリングが演じています。このテの映画にしては高い1600万ドルでの初登場です。

 

また、今回もオスカー狙える位置にある映画なんですが、Metacriticで84点、Rottentomatoesで88点。ほのノミネート、硬い気がしてます。

 

 4位初登場は「Goosebumps2」。これは3年前にヒットしたハロウィン・ホラーの第2弾。1弾目にはジャック・ブラックが出てましたが、今回は出てません。

 

 前作はそこそこ評判だったんですが、さすがに続編だとそうはうまくいきません。Metacriticで54点、Rottentomatoesで41点。

 

 

7位初登場は「Bad Time At El Royale」。これはジェフ・ブリッジズ主演のノワールもので、1969年の舞台とか。

 

 これ、評判はまあまあですね。Metacriticで60点、Rottentomatoesで71点。

 

 

そして9位に拡大公開で入ってきたのが「The Hate U Give」。これは、アメリカのヤング・アダルト小説でベストセラーになったものの映画化です。黒人の少女が、友人の殺害現場に出くわしたことで、抑圧を受けながらも正義のために立ち上がるという内容。ヒロインは、今売れっ子ですね、アマンドラ・スタンバーグが演じています。

 

 

これ、すごく評判いいんです。Metacriticで82点。Rottentomatoesに至っては97点。これはオスカー、ノミネートがあり得る位置まできてると思います。

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:-, 20:42
comments(0), trackbacks(0), - -
今日はこれからニック・ケイヴ!

どうも。

 

 

今日はこれから、

 

 

 

 

20年ぶりのニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズのライブ。楽しみです!

author:沢田太陽, category:ロック, 22:20
comments(0), trackbacks(0), - -
最新全英チャート

どうも。

 

では、全英チャート。

 

 

SINGLES

1(-)Funky Friday/Dave feat Fredo

2(1)Promises/Calvin Harris feat Sam Smith

3(2)Happier/Marshmello feat Bastille

4(3)I Love It/Kanye West feat Lil Pump

5(6)Let You love Me/Rita Ora

6(13)Shallow/Lady Gaga feat Bradley Cooper

7(5)In My Mind/Dynoro feat Gigi Dágostino

8(4)Electricity/Slick City feat Dua Lipa

9(7)All I Am/Jesse Glynne

10(9)Lost Without You/Freya Ridings

 

 

1位初搭乗はデイヴ。このデイヴはUKラッパーの、これからかなり大物になるんじゃないかと、今年の前半くらいから言われてた人です。僕も、彼はちょっと楽しみなんですよね。

 

 

では、アルバムに行きましょう。

 

 

ALBUMS

1(-)A Star Is Born/Soundtrack

2(-)Trench/twenty one pilots

3(1)Blood Red Roses/Rod Stewart

4(3)The Greatest Showman/Soundtrack

5(4)Kamikaze/Eminem

6(-)Vi/You Me At Six

7(6)Staying At Tamaras/George Ezra

8(2)Dancing Queen/Cher

9(7)Mamma Mia  Here We Go Again/Soundtrack

10(9)Sweetner/Ariana Grande

 

映画「スター誕生」のサントラが初登場1位です。

 

もしかしたら、この映画見るの、来週にズレこむかもしれません。1976年版は見たので準備はできてるんですけどね。

 

2位初登場はトウェンティワン・パイロッツ。聞いてみましょう。

 

 

まだアルバム全部聞けてはないんですけど、前作で見せたものよりは実力はありそうですね、この人たち。先行で聞いたシングルの印象はいいです。

 

6位初登場はイギリスのラウド系のバンドですね。ユー・ミー・アット・シックスが入ってきてます。

 

 

author:沢田太陽, category:全英チャート, 13:57
comments(0), trackbacks(0), - -