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沢田太陽の年間ベスト・アルバム 恒例(?)の第11位先行発表

どうも。

 

今年もですね、

 

年間ベスト・アルバム、やりますよ!

 

今年も50位からのカウントダウンで。スタートは日本時間の12/4から。最終的には12/16に終わる形で全5回の形式でやります。

 

順位は結構、順調につけてて、もう20位くらいまでは選んでます。あと10日で残りの30枚を決めますが、そんなに時間はかからないような気がしてます。候補は今年の場合割と多くて、10枚くらいは外れそうな感じでピックアップもしてますしね。

 

で、昨年もそうだったんですが、ここで11位のアルバムだけ、先行で教えちゃいましょう。

 

この11位というのは、僕にとっては非常に意味があるものです。その意味は

 

もしかしたら、世間一般的にはこれが年間1位になるべきで、自分も客観的には好きなんだけど、でも「自分の主観でトップ10に入れるか?」と言われたら、それもちょっと違うアルバム。

 

そういうものです。

 

去年はケンドリック・ラマーの「DAMN」だったんですけど、今年の場合はこれでした。

 

 

はい。カマシ・ワシントンの「Heaven And Earth」です。

 

カマシは去年も20位台で選んでますね。ものすごい音楽量を詰め込んだ音楽なのに、「メロディが綺麗だから、ジャズなんて全然知らないけど聴きたくなる」みたいな、音楽聴く際の普遍性みたいなところに触れるわかりやすさもある。だから僕は彼が好きです。ただ、とはいえ、「ジャズに関しての知識がお恥ずかしいレベルの自分が年間トップ10にこれを入れるのは、やはりちょっと違うのかな」とのためらいはやっぱりどうしてもあり、そこでこの順位となりました。

 

でも、これ、今年のいろんな年間ベストで健闘すると思いますよ。MOJOでは早速1位でしたしね。

 

 

で、年間ベストに関しての他の情報も教えておきますと

 

 

現時点でトップ5、全員女性です!

 

今年はここでも女性アーティストばっかり押してたような気がするので、それを反映すべく「少なくともトップは女性」だと思っていたのですが、トップ10枚に関しては最初から決めつけずに、それらをフルで全部改めて聞き直して選ぶ方式をとってるんですが、やっぱ、こうなっちゃいましたね(笑)。

 

ジャンル的には、かなり万遍ない感じになったと思いますよ。「不作」だとは思いながらもなんだかんだでインディ・ロック、UKロックは入っているし、ヒップホップも、ヴォーカル物のエレクトロも、今年はカントリーもありますね。枚数の割合的にも、ちょうどいいかなと。

 

ただ、対象作品の締め切りは11月最後の配信日まで。今年の場合は11/30ですが、この日まではまだ逆転の可能性があります。それがトップ10に入る場合、カマシは固定の11位のままで、トップ10の何かが12位に落ちます。

 

まあ、個人的には、これ待ちなんですけどね。

 

 

THE 1975の新作が11/30リリースなんですが、これが最終的に何位になるかですね。前作は本当に大好きで何度も聞いたアルバムだったし、今作も先行シングルの出来から判断して、まず最低でも50位から外れることはないし、若干始まっているレヴューでも高評価を聞いているので、いきなりトップ10に入る可能性があります。男性でのトップ、あるいは女性で独占のトップ5の牙城を突き崩す可能性も無きにしもですね。

 

あるいは、他の何かの伏兵が突然入ったりするかもしれません。それもすべては11/23.11/30の2回の配信次第です。

 

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:2018年間ベスト, 19:34
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最新全米映画興行成績

どうも。

 

週末は立て込んでいたのですが、なんとか全て終えることができてホッとしています。

 

では、全米映画興行成績、行きましょう。

 

 

 

1(-)Fantastic Beasts The Crimes Of Grindewald

2(1)Dr.Seuss The Grinch

3(2)Bohemian Rhapsody

4(-)Instant Family

5(-)Widows

6(4)The Nutcracker And The Four Realms

7(5)A Star Is Born

8(3)Overload

9(6)The Girl In The Spider's Web

10(7)Nobody's Fool

 

 

初登場で1位は「ファンタスティック・ビースト」の第2弾、「黒い魔法使いの誕生」。

 

このシリーズはさすがに「ハリー・ポッター」のファンベースがあるので、今回も6600万ドルと高い興行収入を記録しています。

 

 ただ、前作もそうだったんですけど、今回も批評がパッとしません。Metacriticで53点、Rottentomatoesで40点。オーディエンス投票は上がるんですが、それでも69点。やっぱ、何かが足りないのかなあ。

 

 

4位初登場は「Instant Family」。これはマーク・ウォールバーグとローズ・バーンによるコメディ。マークも最近、コメDHい増えてますね。ローズはコメディ専になってますが。これはこの2人が結婚した際、いきなり3人の養子、しかも一人は超生意気の15歳の女の子、の親になることで生まれるドタバタを描いた話です。

 

 これがですね、期待してなかったらなかなか評判が良くてですね。Metacriticだと57点なんですが、Rottentomatoesだと80点で、オーディエンスだと87点まで上がるんですよね。これ、ファミリーものだし、家族で見に行こうかとも考えています。

 

 5位初登場は「Widows」。これはヴァイオラ・デイヴィス主演。監督は「それでも夜は明ける」でオスカーの作品賞を受賞したイギリスの黒人監督スティーヴ・マックイーンの最新作。これはヴァイオラ演じる強盗の未亡人らが、夫たちが成し遂げられなかった任務を遂行するために強盗団「ウィドウズ」を結成するお話。

 

 これ、オスカー候補ということもあって、評判はさすがにいいですね。Metacriticで84点。Rottentomatoesでも91点なんですが、オーディエンスになるとそれが65点とガクンと下がるのがやや気になります。

 

 

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 18:23
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ライブ評「ポップロード・フェスティバル(2018.11.15@サンパウロ)」Lordeとブロンディの新旧ロック・ディーヴァの揃い踏みに感動!

どうも。

 

 

ちょっと仕事が押した関係で、更新しながらのアップになりますが

 

 

 

 

11月15日に行ったサンパウロのラテン・アメリカ記念館(と言っても野外ですが)で行われたポップロード・フェスティバル、これのレヴューやりましょう。

 

 

このフェスは、サンパウロの音楽ジャーナリストが主催しているもので、毎年、1日限りではありますがかなり鋭角なラインナップ組んでくれる良質なイベント。去年もPJハーヴィー、一昨年がウィルコ、その前がスプーンとベルセバなど、毎年オイシイんですけど、今年はLorde、ブロンディ、MGMT、デス・キャブ・フォー・キューティー、アット・ザ・ドライヴ・インというかなり豪華な並びでした。

 

 

では見た順に。

 

 

・アット・ザ・ドライヴ・イン

 

 この日は昼の12時にイベントがスタートしました。国内組のアーティストも素敵な感じだったので、午前から外に出る気満々だったのですが、家を出ようとした途端に大雨!あまりに雨脚が強いので「ちょっと小止みになってから」と思っていたら、なかなか出れず。少しずつ会場に近づくような行き方してたら3時を回っていました。

 

 なので、3番目に出演したアット・ザ・ドライヴ・インも、会場が駅前なんですけど、駅から聞こえてきたのが2曲目。空耳アワーでの「童貞ちゃうわ!」の曲でした。そこからリストバンドの引き換えとかいろいろしてたら、彼らの姿を見たのが3曲くらいになってしまいました。

 

 ATDIはミレニアムの頃、最も旬なバンドだったんですけど、当時、初期エモとポストロックって好きになろうとしてどうしても難しかったジャンルでしてね。ATDIも、2、3回ライブ見てるんですけど、どれもピンとこなかったんですね。なので今回、「改めてもう1回!」と思ったんですけど、天候アクシデントでちゃんと見れず。「やっぱ、縁が薄いのかなあ」と思った次第でした。

 

 で、聞いていくうちに何がそうさせるのかがわかりました。ギター!僕の好きなギター・スタイルって、AC/DCとかハイヴスみたいな、「リフでロールする」タイプだったりするんですが、彼らの場合、それがなく「♩チラリラリララー」みたいなフレージングでリフ作ってリズミカルじゃないんですよね。そこが多分、身体的にノレなかったのかな。ただ、そこが冷静にわかっただけでも収穫ではありました。

 

 

・デス・キャブ・フォー・キューティ

 

 

続いてデス・キャブ・フォー・キューティ。僕がライブ見るのは2回目ですね。ブラジルではこれが初のライブでした。

 

ただ、一つアクシデントが。フロントマンのベン・ギバードが多分ギックリ腰だと思うんですけど、腰を痛めた都合で椅子に座ってのライブでした。そのことは主催者側から発表され、「そこまでして」という心意気に打たれてファンは大盛り上がりでした。

 

 このライブに関してはATDIとは逆に、「これまで僕がうまく捉えきれてなかったのかな」と若干の後悔もありました。これまで「ウィーザーの内気ヴァージョン」とか「声が弱いなあ」とか「歌詞がよく読むとキモいな」とか思っていたんですけど、ライブで見ると、そうしたキャラクターが徹底されている感じがして、「アイデンティティがかなりしっかりしたバンドだな」という印象になりましたね。

 

 昔からそうだし、近作の曲(多めにやりました)が余計にそうなんですけど、やはり「ニュー・オーダーのギター・バンド解釈」みたいな曲をやらせたら、いい曲書きますね。この辺りはちょっとメランコリックなアルペジオのフレーズ聴くだけで高揚するものありました。あとベンの歌い方も、どうしても力が入らず空気が抜けるような歌い方ではあるんですが、でも声はそれでもちゃんと聞こえるし、ただ単に脆弱というわけでもない。この辺りのバランス加減もいいなと思いました。

 

 あと、女の子が歌詞を口ずさんでる姿が印象的でしたね。僕は「失恋した男の女性への粘着性」みたいな歌詞って好みではないんですが、「そこにシンパシー覚える女性って案外多いのかな」と思いながら見てました。大合唱になる曲に限ってそういう曲だったし。ベンの場合、どうしても前妻のゾーイ・デシャネルを思い出すんですけど、「リアル(500)日のサマー」みたいに実生活でも至ってしまったことを考えると、皮肉にも説得力は増したのかな、とも思いましたね。

 

 

・MGMT

 

 

この日の目玉はLordeでしたが、僕はMGMTも気になっていました。このバンドに関しては、もう「終わったな」とさえ思っていたのですが、今年でた新作「Little Dark Age」が会心の復活作で、久しぶりに満足感得られたので、すごく楽しみになっていました。

 

 

 ただ、これまで彼らのライブは3度見ているのですが、一度たりとも良いと思ったことがない。とにかくマインド的にもう未熟も未熟。「いつになったら学生インディ・バンドの気分、抜けるんだよ」というくらい、ステージ上でおどおどして、オーディエンスとのコミュニケーションもまともにとれない、演奏力は推して知るべしなライブをずっと見せられ続けてガッカリしてましたからね。これが傑作ファーストの頃に立ち返ったようなアルバムとともにどう変わるか、楽しみでした。

 

 天候は一度止んだ雨がまた降ってきたんですが、このバンド、サンパウロ的には究極の雨男です。だって、やった3度のライブで全て雨降りましたからね(笑)。2014年の時なんて豪雨の中で見て、地面が土だったんですけど、川辺みたいになりましたからねその記憶があったので「まただ」と思いながら見てました。

 

 で、結論から言うと、「こんなライブに前向きに向かい合ったMGMT、初めて見た!」というくらい、真摯なものを感じました。アンドリュー、まだオドオドしていて、「視線、どこ見てんだよ」とツッコミたくなる瞬間はあったものの、それでもオーディエンスに話しかけたり、手でウェイヴ作って客と一体となる瞬間作ろうとしたり、これまでにない姿が見られました。演奏や歌も、これまででは間違いなく一番安心して聴けましたね。

 

 そうした本人たちの努力と、新作のクオリティが気に入られてたんでしょうね。これまで、「ファーストの人気曲聴き終わったら客が帰る」というのがすごく見られた光景だったんですが、この日は「James」「Me And Michael」といった新作内のキャッチーな曲もすごく人気でしたからね。構成的にも「Kids」で大団円で終えるのではなく、「Electric Feel」で続けて、最後にファーストの中のシングルでなかった「The Youth」でシメるなど、「自分たちでライブをこう運びたいんだ」という彼らのライブに対しての気持ちが伝わってきたのも好感持てました。

 

「こういうライブがデビューの時からできてたらなあ。せっかくの才能が10年、無駄になっちゃったよ」とは思ったんですが、今からでも遅くはないから取り戻して欲しいですね。

 

 

・ブロンディ

 

 

続いてはブロンディ。僕は10年くらい前に東京で「最後のツアー」を見たはずなんですが、いつの間にか撤回され(笑)、デボラさん、御年73歳なんですが、全然元気にやってます。

 

 ちょうどフェスなので、ディナーを取らねばならず、Lordeは前方で見たいのでその時間を有効利用したかったので「ブロンディの最初の方を犠牲にするか」と思い、人気のピザ屋台で窯焼きピザを待ってて、それは思いの外、早くできたのですが、1曲だけ、オープニングの「One Way Or Another」を見逃したのだけが非常に悔やまれます。

 

 それにしてもデボラさん、カッコいい!この日のファッションはオレンジの色違いのタンクトップにスカートで、スカート部分はとってケープにできる仕様になっていましたね。あとトレードマークのブロンドはウィグっぽかったんですけど、サングラスして歌うと妙に様になってカッコよくてね。元々、低めの声で歌うので声の衰えはさほど目立たないし、声の艶はまだ全然現役。姉御肌の、ちょっとつっぱった口の悪そうなエラそうな風格もカッコいいし、「ボーイズ」ともいうべき、若い(と言っても余裕で中年ですが、笑)野郎バンドを従える姿も元祖ロック・クイーンらしいです。

 

 選曲も、「ブロンディの先駆性」を示したものばかりで過去の曲が構成されてるのもよかったですね。「ハート・オブ・グラス」「アトミック」「ドリーミング」「コール・ミー」「夢みるナンバーワン」、そして「ラプチャー」。パンクも、エレクトロも、レゲエもヒップホップもいち早くみんなやって、それを流行にしてしまった「モード」と「ポップ」の絶妙なバランス感覚。これ、今、「クラシックス」として聞いても全然新鮮。そこに、その感覚とあまり違和感のない新曲群を足してね。ロック界の温故知新のためにはやはり必要な存在です。

 

 

彼女とか、スティーヴィー・ニックス、パティ・スミス、ハートのアン・ウイルソン。プリテンダーズのクリッシー・ハインドもそうかな。いずれも40年くらい前から「ロック・クイーン」として君臨し、今もしっかり現役やってますけど、女性アーティストが今やロック界で不可欠で男よりもパワーあるんじゃないかとさえ思える昨今ですからね、彼女たちパイオニアの存在はいまいちどしっかりリスペクトを受けるべきだとの思いを強くしましたね。

 

 唯一残念だったのは、デボラの夫でバンドリーダーのクリス・スタインが欠席してたことですね。「残念ながら今日はこれてないけど」という説明がデボラさんからあっただけで理由は語られませんでしたが、年齢が年齢だけに気になるところです。

 

 

・Lorde

 

 

 そしてヘッドライナーはLordeです。ブロンディが終わると同時に、オーディエンスが一斉に前の方に集まっていきました。僕ももちろん、その中にいました。

 

 Lordeを前回見たのは、2014年のロラパルーザでしたね。あの時は夕方のスロットで第3ステージの扱いのところで見ました。「Royals」がすでに大ヒットしていた割にはそこまで人は多くなかったですね。まだ’一発屋かも?’と思われた時期でもありましたしね。だけど、もう、この日は早くから前の方はギュウギュウ。周りにも、アルバムのツアーTシャツを着た男女で溢れかえっていましたからね。Lorde、まだ22歳ですが、もうしっかりカリスマになってますね。この時点でかなり嬉しかったものです。

 

 

 そしてライブが始まると、もう、その盛り上がりが凄まじかった!僕の周囲、もうどの曲も最初から大合唱の嵐ですよ。どの曲も、どの曲も。こう言うライブを見るのはラナ・デル・レイもそうでしたけど、ブラジルのオーディエンスの、カリスマティックな女性アーティストでの熱狂ぶりは本当にすごい。単語のひとつひとつ、全部覚えて合唱に備えますからね。そのせいで、肝心な音楽の方が聴こえなくなりますからね(苦笑)。

 

 そしてLorde自身もお見事なものです。ファースト・アルバムは本当に音数が少ない作品だったので、ライブも彼女以外にドラムとシンセと一部ギターのような限られた編成でしたけど、セカンド「メロドラマ」で幾分音の要素増えたと言っても、ミニマルな音構成はそのまんま。大きな会場でやるにはスカスカな音なのに、それでもしっかり魅了できるから大したものです。一つには、今回のツアーからつけたアーティな動きのダンサーたち。これが彼女のサウンドのシンプリシティと絶妙に呼応する感じで、基本的に静寂な音世界とうまくケミストリーを起こします。そしてもう一つはLordeのカリスマ性ですね。声の出る出ないでいえば、フローレンスよりは全然でない方だとは思うんですが、あの独特の声の呪術性で歌世界の緊迫性を上げるあの魔力はさすがですね。これだけで会場を一つにできます。そして、レッドのロングドレスをただ単に着てるだけなんですけど艶やかさも増してますね。前回が暑い時にやったからスポーティで軽装だったのもあるんですけど、やっぱ、この人は基本、ドレッシーに着込んだ方がいいタイプですね。よく比較されるケイト・ブッシュ同様、ヘアとドレスは長い方が絶対にいいタイプです。

 

 そして今回改めて思ったんですけど、彼女のさらなる魅力は、その「エモーション」なんですよね。ステージでは彼女、本当によく喋って。コミュニケーションとって自分の気持ちを訴えますね。ブラジルにいかに早く戻ってきたかったか、今日のライブがツアーのラストから2番目でいかに気持ちが高揚しているか。こういうことを伝えるのがうまい。そして曲に説明を加えるんですけど、特にブラジル人の心をつかんだのが「Liability」の前振りですね。彼女はここで「この曲は、どうしてもある規範に自分をカット・ダウンできない人の疎外感を歌ったものなんだけど、いいのよ、カットダウンなんてしないで。そのままのあなたが素敵なんだから」と語った後、会場のとりわけ女性が悲鳴に似た叫び声をあげます。「この国でも特にそうなんでしょ。カットダウンしようとする感じが強まってて」というと、もう会場は「Ele Nao!」と、女性嫌いで有名な極右大統領、ジャイール・ボウソナロに対するアンチの掛け声をあげます。Lordeはニヤリと微笑んだまま、ボウソナロについてはあえて言及せず、そのまま「Liability」を、曲途中で感極まって涙を流しながら熱唱。こうしたエモーションとパッションが、結局のところ、彼女を支えているんだろうと確信しましたね。

 

この後は最大の代表曲「Royals」を惜しげもなく、ラストから3、4曲目で披露してもなんの打撃にもならないくらい他の曲でも十分盛り上がって、ラストは「怒りや孤独、クレイジネスをぶつけて盛り上がりましょう」と呼びかけて「Green Light」の大団円で幕を閉じました。

 

 この先に出たデボラ・ハリーとは51歳差。これにもおどろくばかりなんですが、ロック・ディーバのトーチはこの22才の才女に確実に受け渡された、ある意味、歴史的瞬間の目撃者になれたようで、嬉しい一夜でした。

 

 

 

author:沢田太陽, category:ライヴ・レヴュー, 21:38
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最新全英チャート

どうも。

 

 

こないだのワン・デイ・フェスんレヴューもしなくてはならないんですが、別の締めきりもあって、ちょっと難しいです。その一方で年間ベスト、トップ10は、だいたいできました。これに関しては週明けにでも「12月に入ったらカウントダウンやるよ」というアナウンス投稿を出します。

 

 

では、全英チャート、行きましょう。

 

 

SINGLES

1(1)Thank You Next/Ariana Grande

2(2)Shallow/Lady Gaga feat Bradley Cooper

3(3)Woman Like Me/Little Mix feat Nicki Minaj

4(5)Let You love Me/Rita Ora

5(6)Funky Friday/Dave feat Fredo

6(9)Without Me/Halsey

7(7)Thursday/Jess Glynne

8(10)Electricity/Slick City feat Dua Lipa

9(12)Lost Without You/Freya Ridings

10(8)Ze Ze/Kodak Black feat Travis Scott&Offset

 

 

動き自体はそんなにありません。アリアナの「Thenk You Next」がしばらく持ちそうな勢いです。

 

 

では、アルバムに行きましょう。

 

 

ALBUMS

1(-)Simulation Theory/Muse

2(-)You Know I Know/Olly Murs

3(5)The Greatest Showman/Soundtrack

4(Re)The Beatles(White Album)/The Beatles

5(7)The Platinum Collection/Queen

6(2)A Star Is Born/Soundtrack

7(4)Si/Andrea Bocelli

8(-)In Harmony/Aled Jones&Russell Watson

9(-)Origins/Imagine Dragons

10(8)Always In Between/Jess Glynne

 

初登場で1位はMUSE。聞いてみましょう。

 

 

これでイギリスでは6作連続で初登場1位です。2位の「Xファクター」卒業生スターのオリー・マーズとは接戦が伝えられていたんですが、逃げ切りましたね。

 

 今回のアルバムですが、前2作が気持ち、昔のようなアクが薄まってる感じがしていたんですが、それを意識したのか、濃いベタなゴージャスさ加減が戻ってきましたね。「久しぶりに、いい意味で変な曲をやろうとしてるなあ」と思ったんですが、ただ、そういう曲をやろうとしてる割にはなんか強い印象として残らないことがむしろ気になっちゃいましたね。やっぱり、「Resistance」までの曲って、あの大胆な曲調って、曲のクオリティに支えられてのものであって、方向性だけの問題ではなかったのかと改めて思いましたね。

 

 フェスのヘッドライナー格の面目は保った売れ方はしてますが、勢いは上がらないままですね。

 

 

 4位はビートルズの「ホワイト・アルバム」の50周年記念盤が入ってきました。

 

 8位は年末のポップ・クラシックの企画ものですね。その筋での人気者、アレッド・ジョーンズとラッセル・ワトソンの共演作。

 

 イマジン・ドラゴンズは9位で初登場。シングルが売れる貴重なロックバンドになっている彼らですが、ミューズと同週だとアルバムではまだ勝てない感じですね。どの国も、トップ10には入っているんですが、どこの国もミューズよりは若干順位が下。前作からの間隔も1年ちょいと短いのも響いてるのかなと思います。

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:全英チャート, 18:04
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最近の意外なフェイヴァリット(2)ロザリア 世界的に流行るかも!?モダン・フラメンコの新星

どうも。

 

 

昨日はサンパウロではワン・デイ・フェスがあってLordeなど、結構豪華なライヴを見てきて、そのまま帰ってソファーに突っ伏して寝てました。その報告は日本時間での日曜のポストで。

 

 

今日は、昨日に続いて、「最近発見した意外なフェイヴァリット・アルバム」二つ目行きましょう。これです。

 

 

 

この、ロザリアという女性アーティスト。アルバムは「El Mal Querer」。タイトルがスペイン語であることからもわかるように、スペインのアーティストなんですが、ジャンル、なんとフラメンコです!

 

 

このようにパッと見はアイドルっぽい雰囲気もあったりするんですが、まずは聞いてみましょう。

 

 

これが一番キャッチーですかね。今回のアルバムは彼女のセカンド・アルバムなんですが、かなり斬新なアルバムです。フラメンコをヒップホップやEDMを通して表現した、かなり実験的な作品です!

 

 

 この曲なんて、フラメンコのハンドクラップのリズムを、これ、多分ループで繋げてグルーヴにしてるんだと思うんですが、これをバックトラックにしてR&Bのように聞かせています。

 

 

このトラックそのものでも、かなり技ありで、路線的にはカミーラ・カベーロあたりが次のアルバムのヒントにしそうな感じもあるんですが

 

 

 

 この子、彼女は25歳なんですが、彼女の場合、ヒップホップやEDMの取り入れ方があまりポップでなく、それこそLordeみたいに、音数をかなり絞って、ちょっとオルタナティヴな雰囲気も漂わせているのも特徴です。

 

 

 彼女は最近、このアルバムがピッチフォークで8.8ポイントを獲得してベスト・ニュー・ミュージックに選ばれたのでそれで知った方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないんですが、僕に関して言えば、半年くらい前から知っていました。それは同じくスペインのガールズ・バンド、ハインズが「最近のお気に入り」としてロザリアの名前を挙げていたからなんですね。その時に「えっ、フRタメンコなの!?」と驚きましたからね。

 

 実際、スペインだと

 

 

老舗のロック・メディアがアルバム前に大プロモーションを行うほど、「ロックファン、インディ・ファンでも評価するフラメンコ・アーティスト」として認知されている人です。

 

彼女、今、スペインでは大ブームで、今回の上のアルバムがアルバム初登場で2位になったのに伴って

 

 

去年の2月に出た、このデビュー・アルバムもトップ10返り咲き、9位まで再浮上する事態になっていますが

 

このデビュー作が、路線がぜんぜん違う!

 

これも驚きなんですよね。

 

 

 

 

こっちはかなりストレートに、トラディショナルなフラメンコです。この曲のように全編アコースティックで、彼女の”声”そのものがかなり強調されています。ロザリアは声にすごく特徴があって、声質はすごく今時の女の子みたいな感じで、トーンで言えばアリアナ・グランデを思わせるような感じではあるんですが、それでいて、ちゃんとジプシー・キングスのような「♩アアアアアアアアア」みたいなビブラートきかせて延々と伸ばすような、スペイン伝統音楽の基本はかなり抑えてる雰囲気があるんですよね。基礎がありながら、しっかり、今っぽく聴かせることができている。デビューの時の評価は多分、そんな感じだったのかな。

 

 

 で、今回のセカンドで、「フラメンゴ以外のリスナー」に、その実力を知ってもらうべく、モダン・アレンジで作ったんだと思うんですが、プロデュースについたエル・ギンチョと云う人がどうやらかなりの才人でして、今時のクラブ的なテイストで聞かせながらも、彼女の”生歌”を強調すべく、下手にシュガー・コーティングしてないんですよね。実際、2曲くらい、ほとんどバックトラック無しで、声だけ聞かせているような瞬間さえありますからね。

 

 

 あと、彼女の場合、全ての曲でソングライティングやってます。ほとんどの場合がプロデューサーと2人の名義なので、ベーシックな部分は彼女が書いてるかと思われます。

 

 

 彼女、もうすでに英語圏への進出、本格的に始まってもいまして

 

 

 

このようにイギリスで、BBC定番の音楽プログラム「Later With Jools」でも先月にパフォーマンスを行っています。

 

 

最近、アメリカのマーケットでも、コロンビア産のレゲトンが売れたり、カミラ・カベーロの「ハヴァナ」とかカーディBの「I Like It Like That」みたいなラテン・フレーヴァーの曲が大ヒットしているし、ロザリアが受容される土壌、かなりできてるような気がしてます。ぶっちゃけ、最初からポップ向けにコーティングされていたシャキーラより、音楽的バックボーンがはっきりしていて、エッジがある点でも、僕個人的にはすごく好感持てます。

 

 

 僕の年間でもかなりいいとこ行く気がしています。昨日のバーブラだと「トップ50のどこかに」という感じでもあったんですけど、このロザリアに関しては、25位より下回ることはないですね。10位台かなあ。さらにハマれば逆転でトップ10もありえてしまうような感じでもあります。ワールドカップの頃に「非英語圏のロック・アルバム101」という企画をやりましたけど、その「102」に加えたい気持ちが強い作品でもあります。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:アルバム・レヴュー, 17:07
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最近の意外なフェイヴァリット(1)バーブラ・ストライサンドのプロテスト・アルバム

どうも。

 

 

おとといから年間ベストのリスニング初めています。トップ10はもう候補は決めてて来週前半には確定しますね。

 

 

ただ、年間ベストは50位からのカウントダウンなので、そこからが大変なのです。そこで色々聞かないといけないのでね。12月の頭までに決めないといけないので。

 

 

で、その50位以内のピックアップ候補も聞いてるんですが、最近、そこに入りそうな、面白い意外なものを2枚発見したので、今日と明日で紹介しようと思います。

 

その一つが

 

 

 

この、バーブラ・ストライサンドの新作「Walls」ですね。僕が彼女をアルバムで聴いたのって、20数年ぶりだと思うんですけど、これ、面白いんです。

 

 

これねえ、何が面白いかというと。

 

おそらくポップ・ミュージック史上、最もコンサバな音楽で構成されたプロテスト・アルバムだから!

 

 

音楽的には、ストリングスを主体としたバラードという、この人でしかない作品で、お上品過ぎて時にトゥー・マッチにもなるのですが(苦笑)、でも、歌詞をかなりハッキリ歌う人なんで、英語がクリアに入ってくるんですよ。そこで歌われている内容が「おおっ!」と耳をひきつけるのです。

 

 

 

これがシングルになった「Dont Lie To Me」。いかにもセリーヌ・ディオンが歌いそうな曲調なんですが、ここで歌われている歌詞というのが、まあ、このオフィシャルのビデオ見てもらえばわかるんですけど、かなり強烈な、ドナルド・トランプに直接的に宛てた内容なんですね。

 

 

Kings and queens, crooks and thieves
You don't see the forest for the trees
Hand and heart, on our knees
You can't see what we all see

How do you sleep when the world keeps turning?
All that we built has come undone
How do you sleep when the world is burning?
Everyone answers to someone

 

王様に女王様、そして泥棒

木を見て森を見ずとはあなたの事

手や心、地面に跪いて感じられるようなことを

あなたは見ることができない

 

世界が動いている最中にどうやったら眠れるの

私たちが築いたものはまだ出来上がってもいないのに

世界が日の車の中、どうやったら眠れるの

もう、みんなが答えを知っている

 

・・という感じですね。

 

 

他の曲でも、タイトルl曲の「Walls」は、もうそのもの、トランプがメキシコ国境に築く壁のことです。

 

 

あと、カバー曲もあるんですが、それが例えば、ジョン・レノンの「イマジン」にルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」を挟んだものだったり、バート・バカラックの名曲でジャッキー・デシャノンでヒットした「What The World Needs Now」、そしてバーブラ自身が1962年のデビュー当時から歌っている1920年代のスタンダード曲のカバー「Happy Days Are Here Again」のセルフ・カバー。どれもかなり明確な意図を持った選曲です。アルバムのシメが「幸せな日々はまたやってくる」でポジティヴに終わってるのも好感持てます。

 

 

基本を成すのはどれも、「世界の問題は憎しみでは解決しない。愛だ」ということが、もう、これでもかと繰り返されて歌われます。ただ、それを構成する楽曲が、どれもストリングスたっぷりでスローなんですよね。しかもプロデュースがウォルター・アファナシエフという、もうコンサバもコンサバな音楽趣味の人です。彼、マライア・キャリーの初期のバラードのほとんどを手がけてるような人ですからね。歌詞見なかったら、多分、聞いてなかったと思います(笑)。

 

 

 ただ、この違和感が逆に心地よいというか、「今の時代らしいな」と思うんですよね。今のこの世の中、基本人権無視したファー・ライトの勢力に怒る人なんて、もう、音楽の趣味とか関係ないですよ。誰もが腹立てていいことだし、そのプロテストの手段も様々でいいじゃないですか。要は自分自身の表現に素直になればいいわけで。

 

 

 あと、バーブラもそうだし、ツアーの先々で世界中の極右政治家批判を繰り返す元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズもそうですけど、年齢にして75歳超えてるんですよ!そういう人たちが、プロテストの声をあげてるのがすごいというか。年齢的に、後先もう考えないでやってる感じもすごいと思うし。「残り、決して長くない一生で、思い残すようなことしないで生きる」みたいな開き直りが、こういう行動に走らせている側面はあると思います。その意味、若い人より表現が過激になっちゃうのかな。でも、それでいいんだと思います。

 

 でも、バーブラの場合、これも思い出しましたね。

 

 

 

 

この映画「追憶」ですね。1973年から74年にかけての大ヒット映画で、テーマ曲は彼女最大のヒット曲でもあるんですけど、この映画で彼女が演じたケイティ・モロスキーって、第二次世界大戦時に社会主義活動に燃える政治運動家なんですよね。そんな女性の人生の一面を、甘いラヴ・ロマンスで包んだのがこの映画なんですけど、今回のアルバムって、よくよく考えたら、まんまこの映画の世界だな、と思った次第でした。その意味では彼女、ずっと一貫性はあるんだよなあ、とは思いましたね。そういう意味でも興味深かったです。

 

 

 

author:沢田太陽, category:アルバム・レヴュー, 20:01
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