RSS | ATOM | SEARCH
デイヴ・グロールのママが書いた本が読みたい

どうも。

 

 

今日はこんなニュースです。

 

 

デイヴ・グロールのお母さん、ヴァージニア・グロールが25日に、アメリカで本を出版しました。それが「From Cradle To Srage」というもので、彼女が、ロックスターを息子、娘に持つお母さんたちにインタビューしたものを集めた本なんだそうです。

 

 

 どういう人たちにインタビューしたかと言いますと、REMのマイケル・スタイプ、マルーン5のアダム・レヴィーン、エイミー・ワインハウス、ハイム姉妹、ビースティ・ボーイズのマイクD、ドクター・ドレー、ミランダ・ランバートといった、正式にはヒップホップもカントリーも混ざってはいるんですが、そんなアーティストたちのママにインタビューしている内容なんだそうです。

 

 

 もちろん、彼女自身によるデイヴが育って行く課程の話も書かれてあって

 

 

 

 

このテの写真も満載のようです。

 

 

そして早速こういうプロモーション動画を作ってますね。

 

 

 

 

「ママ、内容はいいんだが、俺のおむつパンパンの写真使うのやめてくれないかな。あれは俺のロッカーとしての美学にはたえられないな」とか言ってます(笑)。ホントにこの人はこういうセンス好きですよね。

 

 

 そして、このママも面白い人みたいで、この本のプロモーションのインタビューで、息子がニルヴァーナで一大現象となっていた頃に、一番心配だったことが「マドンナに食われちゃうんじゃないか」ということだったそうです(笑)。ユーモアのセンス、かなりありますね。

 

 

 今週、アメリカではこの本のプロモで息子デイヴと共にかなり動いていたようですね。

 

 

 

 

 このように、スティーヴン・コルベールのレイトナイト・ショーに出てましたね。デイヴによると、「バックステージでグリーン・デイとビール飲んでるような人だよ」とのこと。

 

 

 この本、デイヴの六年生のときの通信簿まで載ってるらしい(しかもほとんどが「がんばろう」、笑)んですが、ヴァージニア曰く「子供のときから人を笑わせるのが上手なエンターティナーだったからロックスターにならなくともミュージシャンくらいにはなると思ってた」とのことです。あと、公立学校の先生だったから、「自由に育てるのが大事だ」と思って育てたみたいですね。あと、カート・コベインが亡くなった当初の話もこのインタビューではしてて、「すごく難しいときで、帰省してママと一緒に出かけたり、バーベキューしたりして傷を癒していた」とも語られてますね。

 

 

 

 ちょっとこの本は読んでみたいと思っています。

 

 

author:沢田太陽, category:音楽ニュース, 20:12
comments(0), trackbacks(0), - -
映画監督ジョナサン・デミ死去  ロックにも映画界にも語られるべき影響

どうも。

 

 

今日は残念なニュースです。

 

 

 

映画監督のジョナサン・デミが亡くなってしまいました。心臓疾患とのことですが、73歳での死でした。

 

 

ジョナサン・デミといえば、大きな代表作があります。ひとつは、90年代の大クラシックですね。「羊たちの沈黙」。アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レスターは映画史に残る猟奇キャラになり、ジョディ・フォスター演じるクラリスも戦う女性キャラの代表格ですね。

 

 

そして、その次に公開された93年の「フィラデルフィア」もそう。これはエイズによる罹患者差別を描いた問題作で主演のトム・ハンクスがこれでオスカーの主演男優賞を受賞し、彼がシリアス路線に走るきっかけにもなったことで知られていますが、コンビを組んだ弁護士もデンゼル・ワシントン。今から考えると本当に大きな2人の共演だったわけです。

 

 

 もちろん、このほかにも彼の映画で語るべきことはあるんですが、今回、音楽系のメディアで彼の死を悼むのが目立ったんですよね。無理もありません。僕らロックファンからしたら、彼が一番有名なのって

 

 

 

やっぱ、このトーキング・ヘッズのライブ映画「ストップ・メイキング・センス」ですね。これを上回るコンサート・フィルム、見たことないですね!カメラワークの遠近とか照明の影のつけ方とか映像美的に圧倒的だし、時の経過にすごく息づいたドラマがあるというかね。ひとこまひとこまが見逃せないんですよね。しかも、ライブ・ヴァージョンでのヘッズそのものの肉感的な躍動感も。音楽ファン敵には、この大傑作を作ったということで、ロック史の方で名前が残ってますね。

 

 

それだけじゃありません。

 

 

 

 

ニュー・オーダーのこの曲もね。一瞬一瞬の人間の表情を切り取るのが好きなんでしょうね、彼は。

 

 

 

 

そして、「フィラデルフィア」の主題歌にもなったスプリングスティーンのこの曲もね。

 

 

あと、奇しくも彼の遺作になったのも

 

 

 

 

メリル・ストリープが中年女性のロックシンガーになった「Ricki&The Flash」という作品でこれは去年だったかな。このラストでスプリングスティーンのレア曲「My Love Will Not Let You Down」が歌われるんですね。劇中で恋人とバンドメンバーを演じてるのがリック・スプリングフィールドというのも、かゆいとこに手が届いた人選でしらね。

 

 

 

 

 このように音楽との結びつきが非常に強い監督さんでもあったのですが、映画界に与えた影響も大きいですよ。たとえばポール・トーマス・アンダーソンはジョナサン・デミに触発されて映画監督を志すようになったと公言していますし、アレクサンダー・ペインやウェス・アダナーソンといった、現在を代表するインディ系の監督が主に彼からの影響を口にしますね。

 

 

 ジョナサン・デミって人は、作風を観る人に絞らせずに、いろんな映画を作った人です。大体、出世作からして「メルヴィン&ハワード」というコメディですからね。これは1980年度のオスカーで、メアリー・スティーンバーゲンっていう、今も主人公のお母さんとか、おばあちゃんの役で出てくる女優さんがオスカーの助演賞と、あと脚本賞も取りましたね。これでまず出世して、メラニー・グリフィスとジェフ・ダニエルズの「サムシング・ワイルド」、ミシェル・ファイファーの「愛されちゃってマフィア」といったヒロインもののコメディで当てたんですけどね。僕の世代だと、このイメージが強いんです。結構ビデオでもレンタルされてましたからね。

 

 

 で、90年代に「羊たちの沈黙」と「フィラデルフィア」で当てて大物監督になったわけですけどね。ちょうど、80s〜90s初頭のこの時期って、ハリウッドに一番勢いがなかった頃ですね。まだ映画がMTVを後ろ盾にしたポップ・ミュージックに押されている頃。このときに浮上した監督もたとえばロブ・ライナー、バリー・レヴィンソン、オリヴァー・ストーンと、勢いはあったけど全盛期は本当に短かった。まだ今より全然規模が小さかったインディの側でたとえばジャームッシュとか、コーエン兄弟、ティム・バートンと出て来て、こっちは息が長くなりましたけど、デミはその中間くらいの位置にいましたね。それゆえか、今ひとつ過小評価されてる気もしますけどね。

 

 まあ、デミとしてはツイてないとこもあって、たとえば90年代後半に、アメリカ国人文学の最高峰、ノーベル賞作家のトニ・モリソンの代表作「Beloved」を監督してコケたり、60年代の政治サスペンスの名作「マンシュリアン・キャンディデート」もコケましたからね。これでイメージ下げちゃったのが響いてるのかな。

 

 

 ただ後年は、アン・ハサウェイがオスカーの候補になった「レイチェルの結婚」という、シリアスなインディ・ドラマでそこそこ当てて、その頃にまたやや注目浴びましたけどね。

 

 

 いずれにせよ、十分な評価がされて来なかったタイプの監督です。これを機に、改めて再評価がはじまるんじゃないかな。僕も作品見返したい気になっています。

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:訃報, 19:13
comments(0), trackbacks(0), - -
最新全米チャート

どうも。

 

では外出前に手短に行きます。水曜恒例、全米チャート。

 

 

SINGLES

1(3)Humble/Kendrick Lamar

2(1)Shape Of You/Ed Sheeran

3(2)That's What I Like/Bruno Mars

4(-)DNA/Kendrick Lamar

5(7)Mask Off/Future

6(6)iSpy/Kyle feat Lil Yachty

7(14)Stay/Zedd feat Alessia Cara

8(5)Something Just Like This/The Chainsmokers 

9(48)Despacito/Luis Fonci&Daddy Yankee feat Justin Bieber

10(8)XO TOUR Llife/Lil Uzi Vertt 

 

 

ケンドリック、シングルで初の全米制覇です。すごい!こんな、アーティストのクオリティで売るタイプのアーティストで1位になるっていつ以来だろう。ケンドリックは4位にも,もう1曲は言ってますね。

 

 

7位にはゼッドのニュー・シングルも入ってきていますが、注目は9位の「デスパシート」。これ、南米圏では既に大ヒット済だった曲ですが、ジャスティン・ビーバー参加のリミックスで全米も渦に蒔いています。

 

 今週は圏外もケンドリックが独占aだったんですが、そんな中、39位初登場のこれ聞きましょう。

 

 

 

 

レディ・ガガのニュー・シングル「The Cure」。アルバム未収録のシングルですが、コーチェラ出演のタイミングでプレゼントのように出されましたね。わかりやすい曲だと思いますけどね。

 

 

去年のアルバム以降、持ち直しの傾向がiあるのはいいことだと思います。

 

では、アルバムに行きましょう。

 

 

 

ALBUMS

1(-)Danm/Kendrick Lamar

2(-)The Search For Everything/John Mayer

3(2)More Life/Drake

4(3)÷/Ed Sheeran

5(1)Memories..Do Not Open/Chainsmokers

6(7)Moana/Soundtrack

7(6)24k Magic/Bruno Mars

8(9)Future/Future

9(11)Beauty And The beast/Soundtrack

10(-)The Fate Of The Furious/Soundtrack

 

 

こちらもケンドリックが1位です。今年のアメリカでの発売週で最大の売り上げのようですよ.。

 

10位にはワイスピこと「ワイルド・スピード」の最新作のサントラが入ってきています。

 

 

 

author:沢田太陽, category:全米チャート, 12:58
comments(0), trackbacks(0), - -
書いたのにアップされてない!

どうも。

 

 

あれれ、書いたものがアップロードされていない。なんで??

 

 

まあ、近況報告だけだったんですけどね。

 

 

すみません。全米チャートで出直します。

author:沢田太陽, category:-, 22:37
comments(0), trackbacks(0), - -
最新全米映画興行成績

どうも。

 

 

先週はちょっと忙しかったですね。

 

 

来週から休暇なので、そこまではバタつきそうですが、全米映画興行成績、行きましょう。

 

 

1(1)The Fate Of The Furious

2(2)The Boss Baby 

3(3)The Beauty And The Beast

4(-)Born In China

5(5)Going In Style

6(4)Smurfs The Lost Village

7(-)Unforgettable

8(6)Gifted

9(-)The Promise

 

10(28)The Lost City Of Z

 

 

 

author:沢田太陽, category:全米映画興行成績, 19:27
comments(0), trackbacks(0), - -
全オリジナル・アルバム From ワースト To ベスト (第5回)ドレイク

どうも。

 

 

今日は前からやるつもりで伸びていた、この企画、いきましょう。これです!

 

 

 

 

はい。「From Worst To Best、第5回に用意していたのはドレイクだったんですよね。これまでの傾向とガラリと違うでしょ。ただ、僕にとってみれば、今、もっともちゃんと聴かなくてはいけないアーティストの一つだと思っているし、今、一番作品を出すペースの早い、量産能力にすごくたけたラッパー、そしてシンガーなので、そういうところも皆さんにわかってほしいな、という気持ちがあったのでやることに決めました。楽しんでいただけるとさいわいです。

 

 

 今回のドレイクですが、僕のブログの読者さんは基本的にロックファンの比率が高いと思うので、今日はわかりやすく、ジャケ写つきで解説出来たらと思います。では、早速10位、ワーストからいきましょう。

 

 

10.Room For Improvenennt(2006 Mixtape)

 

 まず10位ですが、これがドレイクにとっての実質上のインディでのデビュー作、というか、最初のミックステープになります。2006年。まだ20歳になるかならないかといった感じの、本当に若いときのドレイクですね。

 

 

 この当時は、まだカナダの朴訥としたシーンの新顔といった感じで、冒頭にご丁寧にも自己紹介するシーンなんてものもあったりします。なんかいろんな意味ですべてに初々しく、ときに未熟さも感じさせはしますが、地元トロントのクルーを使おうとする気持ちはこのときから既に強く、後にドレイクにとっては欠かせないプロデューサーのひとりとなるBoi 1 Da(ボーイ・ワンダ)はこの時点で既に参加していますね。ただ、まだ方向性が定まってはいない感じですね。スティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アモール」をはじめ、ソフィスティケイトされた路線でいきたいのはなんとなく見えはするんですけどね。

 

 この頃は、まだ「カナダの青春ドラマ(デグラッシ)に出演する少年俳優」の方もイメージの方が、彼としてもまだ強かった作品のようです。

 

 

9.Comeback Season(2007 Mixtape)

 

 続いて、これも初期もミックステープですね、まだジャケ写からも、初々しい面影が見れます。

 

 まだ、この時期でもそんなに,後の大アーティストらしい感じはしないんですけど、どういうわけだかよくはわからなかったんですが、この中の一曲で、当時すでに一般的に売れかかっていたR&Bのシンガーソングライターのトレイ・ソングスとの共演が成功して「Replecament Girl」という曲が、マイナーヒットするんですね。これでアメリカのヒップホップ業界の中でドレイクに興味を示す人たちが現れて,その中のひとりに、当時飛ぶ取り落とす勢いだった、ニューオーリンズのラッパー、リル・ウェインがいたわけです。

 

 あと、「Replacement Girl」でトロント勢の重要なプロデューサーのひとりとなるT Minusが加わります。

 

 

 

8.Thank Me Later(2010 US#1UK#15)

 

 これがドレイクの実質上のデビュー・アルバムになります。リル・ウェインのレーベルのヤング・マネーからのデビューとなります。

 

 さっき,9位のところでいった話が縁となってのリル・ウェインの門下になったわけですけど、「では、これで一般的に知られるようになったのか」となると、これが話が少し違います。この話に関しては、もう少し上位のところですることにしましょう。

 

 

 これはさすがに、この当時、一番人気のあったラッパーのリル・ウェインのバックアップがあったわけです。もう、この時点で、アリシア・キーズだの、ジェイZだの、同じくヤング・マネーの修行中の身だったニッキー・ミナージュが参加していたりもします。

 

 このように、それなりに豪華なデビュー作です。僕がドレイクのことを知ったのは、このアルバムがレヴューされてすごくほめられていたのをピッチフォークで読んだときですね。それで全米でも1位にもなったし、そんな批評性も高いということで、もちろん悪いアルバムであるはずはありません。ただ、後のアルバムと比較して聴いた場合に、なんか、なまじ、「ゲストのお膳立て」みたいなところの方が曲そのものより目立っているところがあって、「ドレイク本人の代表曲」というのが、アルバムを通じてちょっとわかりにくいところがあるんですよね。なんか、今となっては微妙に印象が低いんです、このアルバム。

 

 ただ、リル・ウェインほどの有名なラッパーの傘下になったにもかかわらず、このアルバムの製作陣も、中核をなすのはBoi-1 Daに40といった地元トロントの若いトラックメイカーなんですよね。その「地元トロントのクルー」にこだわったことが、ドレイクのアーティストとしてのアイデンティティを強く構成して行くことになります。

 

 

 

7.Views(2016 US#1 UK#1)

 

 ドレイクが世界的なメガ・ヒット・アーティストになった、セールス的には記念すべきアルバムでしたね。イギリスでもこれではじめて1位になったし、アメリカでも、去年の6月くらいだったかと思うんですけど、しばらく1位でしたもんね。

 

 

 このアルバムですが、もう、事前の期待値が高まるだけ高まった末に出されたアルバムでした。「正規のアルバム名義」では3年ぶりのアルバムだったし、その間、この前の2015年には、彼にとって史上最高位の2位になり、ヨーロッパ圏で実質初のトップ10シングルとなった「Hotline Bling」のヒットもあった。そして、前作からの3年ものあいだ、番外的なアルバムも2枚でて、アルバム未収録のシングルも大量に出されていた。それだけに「次はどんなにすごいアルバムになるんだ」と期待が高まっていた訳です。

 

 

 ただ、ふたを開けてみたら、「Hotline〜」こそアルバムの最後に入ったものの、あとの事前シングルはほぼ全くアルバムには入らず、アルバムそのものは純然たる新曲ばかりで「え?」と肩すかしとなります。加えて、「地元トロント」をアルバム全体のテーマにこそしたものの、無理にそのコンセプトにこだわって作りすぎるあまり、なんか収録曲の自由が利かず、逆に型にはまっているようにも聴こえましたね。

 

 

 また、ドレイクって、どのアルバムも、アルバム内の曲順が、ハイライトが前半だけに偏ったりしないで、いずれの場所にもキラー・チューンが万遍なく入っているのもすごく強みだったりもするんですが、このアルバムはどういうわけだか、力のあるオイシイ曲が後の方に集中して偏ってる変な傾向もあって、そこもだいぶ減点でしたね。

 

 とは言え。全世界的に大ヒットした「One Dance」や人気曲の「Controlla」もあって、前述の「Hotline」もあって,大事な曲が入っている作品にはなってはいるし、「これでドレイクに興味をもった」という人を、非R&B/ヒップホップの音楽リスナーに多くつくった、マスへのアピールの強い作品なこともたしかです。

 

 

6.If You Are Reading This It's Too Late(2015 US#1 UK#3)

 

 ドレイクが今日にいたる、「多作家」のイメージを決定づけた作品ですね。

 

 2015年3月に突然、「ミックステープをitunesから出す」と、何の事前予告もなく発表され、世界中の音楽ファンの目がテンになった作品でした。

 

 ただ、彼ほど、もうエスタブリッシュされた知名度のあるアーティストが、「ミックステープを出すって、どういうこと?アルバムとどう違う訳よ」と、非常に謎でしたね。「アルバムだけ聴いてて、ミックステープを聴かないようだとヒップホップ・リスナーとして半人前」みたいな話は90sの頃から聞いたことはあったんですけど、そう言う、ある種、秘密めいた楽しみをこんなにおおっぴらに展開するのも、それもヒップホップの世界の中で、それはいいことなの??そんな風にも思ったものでした。

 

 ただ、今改めて聴くに、当時彼がこれを「ミックステープとして出したい」という気持ちもわからなくはないなと思っています。というのも、これ、これまでのドレイク作品の中において「アナザー・サイド・オブ・ドレイク」というか、毛色はたしかに違うアルバムなので。ぶっちゃけ、サウンドもリリックもすごく暗いんですよね。いうなれば、ラッパー、シンガーとして大成功を果たしたあと、ヒップホップの仲間内からのやっかみや中傷に苦悩する姿が赤裸裸に描かれています。

 

 

 その象徴的ともいえるのが「Energy」って曲ですけど、ここでは「まわりは敵だらけ。僕には分割払いのローンもこれだけ残っているのに」と、かなり悩みを具体的にしるし、命の心配までする感じでした。まあ、ヒップホップの場合、成功の裏で、ライバルとの争いに巻き込まれすぎると命が危ないこともたしかですからね。

 

 ただ、ドレイクって、これまでにすごく洗練された、女の子目線で優しいタイプのラッパーというイメージだったんですけど、「僕だってタフに戦えるぜ」とアピールできたのはプラスになったんじゃないかな。

 

 

5. What A Time To Be Alive(With Future)(US#1 UK#6)

 

 ドレイクの2015年の唐突の展開第2弾は、9月にリリースした、アトランタのラッパー、フューチャーとのコラボ・アルバムでしたね。

 

 このアルバムでドレイクがトライしたのは、ちょうどシーン的にホットになりはじめた”トラップ”でした。そこで実際に、トラップの都であるアトランタに乗り込んで、トラップ・キングのフューチャー、そしてトラップ最大のプロデューサーであるメトロ・ブーミンのプロデュースがほぼ大半という状況でアルバムを作りました。ドレイクのいつものスタッフは、1曲だけ40が作ったのがあっただけです。

 

 

 ここでも、6位のとこでも書いた、ドレイクがこれまで築き上げてきたイメージを突き動かし、そこに安住しない姿勢を示せたことがまず良いのと、かねてから定評のあったドレイクの「有能なアーティストや刺激的なサウンドを聞き分ける耳」のたしかさをしっかりアピールしたことになったのがすごく良いと思いますね。実際、たしかにフューチャー、この作品の前から売れてはいましたけど、やっぱり全世界的な注目度は今年に入って2枚のアルバムを2週連続で全米1位にしたときだし、メトロ・ブーミンにしたって、トラップ随一のヒットメイカーですけど、今、忙し過ぎて、彼がアルバム全体を取り仕切る作品なんて、そう多くは聞けませんからね。古くからのつきあいのフューチャーの近作でさえ、数曲しかやってませんからね。

 

 

 その意味でも、トラップ全体の中での位置づけとして見ても、これはすごく意味のある作品です。そういうアルバムに完全なアウェーとして参加して、ドレイク自身の事前知名度と共にトラップを広めたわけですからね。こういうとこはさすがだと思います。

 

 

 

4.More Life(2017 US#1 UK#2)

 

 現時点での最新作ですね。現在ヒット中です。

 

 このアルバム、ドレイクの言葉を借りるなら、アルバムじゃなくて「プレイリスト」なんだそうです。「ミックステープといったかと思ったら、今度はプレイリストかよ」というところにキザったさを感じない訳ではないのですが(笑)、まあ、これも差別化したい気持ちもわからないではありません。

 

 

 これは、「Views」での反省を活かしたか、アルバムそのもののコンセプトも特に考えずに、いろんなタイプの楽曲をまとめた、という感じですね。ただ、録音そのものの時期にバラつきがあるわけではさほどなく、2016年から17年と、短期間に録音したものをまとめていますね。ただでさえ22曲も集まったんだから、かなりコツコツとレコーディングしていたことがわかるんですが、これも「Views」の時同様に、シングルとしてストリーミング・リリースしながらアルバム未収録になった曲がかなりあります。こういうリリースの仕方って、デジタル・リスニング時代以前にはかなりコレクター泣かせの発表の仕方だと思うんですけど、ストリーミング時代のリリースの構造を一番理解してるのがドレイクなんじゃないかなと僕は思っています。

 

 

 で、アルバムの内容なんですが、「万国漫遊」って感じですね.地元トロントの仲間(Boi 1 Da、T Minus、40、Nineteen85)のものがあったかと思えば、トラップ勢(ミーゴスのクウェイヴォ、ヤング・サグスほか)との共演もあり、ギグス、サンファ、ジョージャ・スミス(今のドレイクのカノジョ説あり)といったロンドン勢、そして、近作で強めているカリブのビートあり。こういう、「先進的なところへのアンテナ」、もしくは「誰とでも友人になれる交渉力」に関して、ドレイクって優れてるなあと思わされますね。

 

 特にこのアルバムは「Fake Love」「Passion Fruit」「BLEM」といったヴォーカル楽曲がとりわけいいですね。

 

 

3.So Far Gone(Mixtape 後にEPでUS#6)

 

 そして、ドレイクのコア・ファンのあいだでかねてから人気が高いのが、この、そもそもの出世作ですね。

 

 これは彼の、デビュー・アルバムが出る前の、3枚目のミックステープなんですが、ここからドレイクの人生が激変することになります。ここから「Best I Ever Had」「Successful」の2曲が大ヒット、特に前者は全米2位まで上がっているんですが、この2曲でドレイクのラッパー、シンガーとしての存在がアメリカ内で全国区となります。

 

 そして、これ、ただ売れただけじゃなくて、ここからドレイクのアーティスト・アイデンティティが根本的に確立されます。それは、過去のどのラッパー以上に、そのリリックの向ける先に「女の子」の存在を感じさせるハートスロブ・ラッパーとしての彼ですね。「女の子はみんな、僕の歌を彼女たちに捧げたものだと思っているけど、それが違う。キミのためなんだ」と「Best I Ever Had」で歌いますが、こういうところなんかは、マーヴィン・ゲイ以降のR&Bの伝統が、これまでの手法があまりにも様式化しすぎてつまらなくなっていたところに、ヒップホップ側からの新風を吹き込んだ感じですね。あと、「金と車が欲しい。成功したい」とする「Successful」でも、そういう常套句的なヒップホップのリリックが、これまで聴いたことのないようなセクシーなトラックにのって歌われる。さすがにこれは新しかったですね。その当時に、こういうことに全然気がついてなかったんですけど(苦笑)。

 

 そして、この2曲の成功をもって、このミックステープは「抜粋」という形を取って、EPで再発され、ヤングマネーからリリース(というか、ミックステープの時点でリル・ウェインが絡んでいるので、制作には絡んでいたのではないかと)され、全米アルバム・チャートで6位まであがり、その後の礎を作った訳です。

 

 また、このミックステープから、ドレイクの作品には不可欠となる40がプロデューサーとして参加します。

 

 

 

 

2.Nothing Was The Same(2013 US#1 UK#2)

 

 1位候補の2枚、さんざん悩みました。一時はこっちを1位にしてたんですが、この2013年のアルバムを2位にします。

 

 

 1位のアルバムはこの前作なんですが、この2作に言えることは、トラックの洗練のされ方が実に見事なんですね。とりわけエレクトロ・サウンドの磨かれ方が見事で、このアルバムはその洒落方で言えば、後の彼の楽曲以上のレベルですね。なんか、コード進行がすごく美しいんですけど、曲によっては、なんか20世紀初頭の印象主義クラシックみたいな感じまで感じられるものがあります。

 

 

 代表曲の「Started From The Bottom」も、キャリアをはじめた当時のハードな日々を描いた、かなりヒップホップでは常套な曲なのに、ピアノのフレーズの活かした方とベースラインの凝り方が絶妙で、ありがちなタフ自慢には全くなってないし、シングルでヒットした「Hold On ,We're Going Home」は80年代後半のロックのバラードの全米トップヒットみたいなアレンジで興味深いんですが、とりわけ僕が好きなのは「Worst Behavior」という曲ですね。ここでのシンセの使い方が、Aメロの部分がニュー・オーダーみたいで。トラックの細部の凝り方で言えば、このアルバム、抜けてますね。人的なことでいえば、これまでのBoi 1 Da,T Minus,40に続く新たなトロント勢、Nineteen85が加わったのが大きいかと思われます。

 

 

 あと、このアルバムで、ドレイクはUKオーガニックR&Bの新世代シンガー、サンファと初共演しているのですが、サンファがデビュー・アルバムを出して話題を呼んだのが今年の初頭であることを考えると、3年以上、先駆けた起用と言うことになり、そういうとこでも鋭いセンスを見せたことにもなります。

 

 それでも1位にしなかったのは、代表曲の数と、全体に漲る完成度の高さで1位の作品が上かな、と思ったからでしょうね。

 

 

 

1.Take Care(2011 US#1 UK#5)

 

 で、1位にしたのは、やっぱりこれですね。この2011年発表の「Take Care」。

 

 

 やはり、これが今日に至るまで、一般的にドレイクの最大の代表アルバムになっていますね。それは、このアルバムが彼のアルバム中、ビルボードのアルバム・チャートの最長ロングラン・ヒットとなる200週を越えるチャートインとなってることでも明らかだし、それを裏付ける代表曲もやはり目立つんですよね。

 

 

 それはたとえば、アッパーなヒップホップ・チューンでいえば、後にボーナス・トラックになった先行シングルの「The Motto」やリル・ウェインとの共演ではベストなものとなった「HYFR」があるし、得意のラヴ・ソングでのヴォーカルものではニッキー・ミナージュとコンビを組んだ「Make Me Proud」、「やはりドレイクは現代版マーヴィンなのか」と思わせる、マーヴィン自身がタイトルに使われた,別れた恋人とよりを戻したい男のストーリーである「Marvin's Room」、そして、彼のトラックの持ち味である、洒落たシンセのコード感がいきた「Headlines」。実際にシングル・ヒットしたのだけでこれだけすでにありますからね。

 

 

 ただ、今作がすごく象徴的なのは、やっぱり以下の2曲があることですね。ひとつは「Crew Love」。ここで共演したのは、同じトロントが生んだもうひとりの時代の象徴、ザ・ウィーケンドですよ!リリース年はウィーケンドが最初のミックステープでいまだに最高傑作説のある「ハウス・オブ・バルーンズ」を世に出した年と同じですからね。これに時代の先読み感覚の優れ方が出てます。

 

 

 そしてタイトル曲で、ドレイク最大の共演者、リアーナとの、これはベスト・コラボなんじゃないかな。「Take Care」。彼女との共演は、この前の年にドレイクがリアーナの「What's My Name」で共演したのが最初ですけど、ここから結構この共演はシリーズ化していて、去年もリアーナの「Work」、ドレイクの「Views」でも「Too Good」と続いてますからね。

 

 

 いわば、「長い目で見ての代表曲」が一番多いのがこのアルバム、ということになるんじゃないかな。こういう曲の並べ方が、頭から最後まで、いい具合に万遍ないのも、アルバムの作りとして見事です。

 

 

・・といったところでしょうか。

 

 

 このシリーズ、もう次もすでにリスニングがはじまっています。5月に入ってすぐにやるのではないかと思っています。そのあたりに新作リリースのあるアーティストの作品なんでね。

 

 

 

 

 

 

author:沢田太陽, category:FromワーストTo ベスト, 13:44
comments(1), trackbacks(0), - -